JP4320942B2 - 2−ブチルオクタン二酸の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−ブチルオクタン二酸の製造法に関する。更に詳しくは、7−シアノウンデカン酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸から、高純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2−ブチルオクタン二酸を収率よくかつ生産効率よく製造する方法に関する。
【0002】
2−ブチルオクタン二酸は、電解コンデンサー(特に耐電圧特性に優れたコンデンサー)の有効な電解質成分として使用されている。また、ポリアミド、ポリエステルなどのポリマー原料や、エポキシ樹脂用硬化剤として有用である。
【0003】
【従来の技術】
2−ブチルオクタン二酸の製造法としては、例えば、シクロヘキサンを酸化分解して1,10−ドデカン二酸と2−ブチルオクタン二酸を生成させ、この混合物から2−ブチルオクタン二酸を分離する方法が知られている(特開昭49−115992号公報、特開昭50−37716号公報)。
【0004】
しかし、この方法は1,10−ドデカン二酸を主生成物として製造する方法であるため、2−ブチルオクタン二酸の生成量は1,10−ドデカン二酸の10%以下であり、1,10−ドデカン二酸の収率が低いという問題を有していた。また、1,10−ドデカン二酸と2−ブチルオクタン二酸の分離が容易でないことから、高純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2−ブチルオクタン二酸を生産効率よく製造することが困難であるという問題も有していた。
【0005】
このため、7−シアノウンデカン酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸をアルカリ性化合物の存在下で加水分解した後、pH8.5以下で酸処理して析出する塩を濾過などにより除去し、次いで、その濾液から2−ブチルオクタン二酸を有機溶剤で抽出してその有機溶剤を蒸発などで除去するか、又はその濾液から水を蒸留や蒸発などで除去することにより、高純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2−ブチルオクタン二酸を収率よく製造する方法が提案されている(特開2000−38367号公報)。
【0006】
しかし、この方法は、純度及び収率の点は改善されているものの、酸処理を2段階で行ってそのたびに析出固体を除去するという煩雑な操作が必要であるだけでなく、濾過又は遠心分離による析出固体の除去に非常に長い時間を要するなど、生産効率の点で満足できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術が有する前記のような問題点を解決して2−ブチルオクタン二酸を製造できる方法、即ち、高純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2−ブチルオクタン二酸を収率よくかつ生産効率よく製造できる方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、(1)7−シアノウンデカン酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸をアルカリ性化合物の存在下で加水分解して、2−ブチルオクタン二酸の塩を生成させ、(2)その加水分解反応液をpH4以下で酸処理して、2−ブチルオクタン二酸を生成させ、(3)その酸処理液から2−ブチルオクタン二酸を有機溶剤で抽出し、(4)その有機溶剤層を冷却して生じる固体を除去し、(5)有機溶剤を除去して生じる2−ブチルオクタン二酸を分離することを特徴とする2−ブチルオクタン二酸の製造法により解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】
(1)第1工程
本発明では、最初に、7−シアノウンデカン酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸をアルカリ性化合物の存在下で加水分解して、2−ブチルオクタン二酸の塩を生成させる工程が実施される。
【0010】
2−ブチルオクタン二酸の製造原料である7−シアノウンデカン酸や2−ブチル−7−シアノヘプタン酸は公知の方法で製造したものが使用される。これらはそれぞれ単独でも使用できるが、通常は両者を含んだものが使用される。例えば、シクロヘキサンから11−シアノウンデカン酸を製造する際に、11−シアノウンデカン酸アンモニウム塩を晶析により精製した後の母液(7−シアノウンデカン酸アンモニウム及び2−ブチル−7−シアノヘプタン酸アンモニウムを含む)より製造される、7−シアノウンデカン酸及び2−ブチル−7−シアノヘプタン酸(特開昭63−145261号公報など)が好ましく使用される。
【0011】
このような11−シアノウンデカン酸製造に由来する2−ブチルオクタン二酸の製造原料は7−シアノウンデカン酸及び2−ブチル−7−シアノヘプタン酸を含むが、その他に、11−シアノウンデカン酸や11−シアノウンデカン酸製造時に副生する各種化合物を含んでいてもよい。なお、7−シアノウンデカン酸及び2−ブチル−7−シアノヘプタン酸を含む前記製造原料において、その混合割合は特に制限されない。
【0012】
アルカリ性化合物としては、アルカリ性アルカリ金属化合物、アルカリ性アルカリ土類金属化合物などが単独又は複数で使用される。アルカリ性化合物の使用量は、7−シアノウンデカン酸と2−ブチル−7−シアノヘプタン酸の合計に対して1〜20倍モル、更には2〜10倍モル、特に2〜8倍モルであることが好ましい。なお、前記のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金族としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
【0013】
アルカリ性アルカリ金属化合物として、具体的には、前記アルカリ金属(金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム等)、前記アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、前記アルカリ金属のアルコラート(ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、カリウムエチラート等)、前記アルカリ金属の水素化物(水素化ナトリウム等)などが挙げられる。
【0014】
また、アルカリ性アルカリ土類金属化合物として、具体的には、前記アルカリ土類金属(金属マグネシウム等)、前記アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、前記アルカリ土類金属のアルコラート(マグネシウムエチラート等)、グリニヤール試薬(メチルマグネシウムブロマイド等)などが挙げられる。これらアルカリ性化合物の中では、アルカリ金属の水酸化物(特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)が好ましい。
【0015】
アルカリ性化合物はそのまま(固体状態で)添加して使用してもよく、水溶液の状態で添加して使用してもよい。この水溶液の濃度は特に制限されず、水の使用量が後述の範囲になる程度であればよい。アルカリ性化合物の添加時期も特に制限されず、出発物質と同時に水に添加してもよく、出発物質と混合した水溶液に添加しても差し支えない。
【0016】
加水分解で使用する水は特に制限されないが、金属イオン含有量の少ない2−ブチルオクタン二酸を得る場合には、金属イオン含有量の少ない水(イオン交換水、蒸留水等)を使用することが好ましい。水の使用量は、7−シアノウンデカン酸と2−ブチル−7−シアノヘプタン酸の合計1重量部に対して、0.5〜15重量部、更には3〜10重量部、特に4〜7重量部であることが好ましい。
【0017】
加水分解の温度は60〜200℃、更には80〜150℃、特に90〜140℃であることが好ましい。その際の圧力は特に制限されないが、加水分解温度が100℃以上の場合には、水等の蒸発を抑えるため、圧力を1〜10気圧とすることが好ましい。反応雰囲気は特に制限されず、空気中であっても、窒素等の不活性ガス雰囲気であってもよい。加水分解に要する時間は、温度、反応量などの反応条件により異なるが、通常0.5〜50時間である。なお、加水分解の際、発生するアンモニアは反応系外に除去することが好ましい。
【0018】
加水分解は、例えば、通常の攪拌装置を備えた反応装置を使用して、連続式でも回分式でも実施できる。特に、還流装置も備えた反応装置は、水などの蒸発を抑えることができるため、好ましく使用される。この工程で使用する反応装置は、以下の第2工程及び第3工程でもそのまま使用できる。
【0019】
(2)第2工程
本発明では、次に、第1工程で得られる加水分解反応液をpH4以下で酸処理して、2−ブチルオクタン二酸を生成させる工程が実施される。
このとき使用される酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。これらの中では無機酸が好ましく、その中でも硫酸が特に好ましい。酸の使用量は処理時のpHにより適宜決められ、希釈することなくそのまま使用してもよく、水で希釈したものを使用してもよい。
【0020】
酸処理は、最初の工程で得られる加水分解反応液に酸を添加して、その反応液をpH4以下、好ましくはpH1〜3.5、更に好ましくはpH1〜3に維持することにより行われる。このときの温度は15〜100℃、更には35〜70℃であることが好ましい。また、酸処理に要する時間は酸処理の際のpHや処理量により異なるが、通常5分〜20時間程度である。なお、pHが4より高い場合、酸処理が不完全になって2−ブチルオクタン二酸の収率や純度が低くなるので好ましくない。酸処理の雰囲気は特に制限されず、通常は空気中でよい。
【0021】
(3)第3工程
本発明では、次に、第2工程で得られる酸処理液から2−ブチルオクタン二酸を有機溶剤で抽出する工程が実施される。
この有機溶剤としては、2−ブチルオクタン二酸の良溶媒であって、水と不均一層(特に有機溶剤層と水層の2層)を形成する(水と混合した場合に不均一層を形成する)ものが好ましく使用される。
【0022】
このような有機溶剤として、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素や、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の炭素数4〜15のケトンや、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等の炭素数6〜16のエーテルなどが挙げられる。これら有機溶剤の使用量は、酸処理液1容量に対して0.1容量以上、更には0.1〜5容量、特に0.2〜3容量であることが好ましい。
【0023】
抽出は、酸処理液(酸処理により生成した固体を含む)と前記有機溶剤を所定の割合で接触させることにより行われる。このときの温度は、10〜100℃、更には30〜90℃であることが好ましい。また、抽出に要する時間は,抽出の際の温度や有機溶剤の使用量により異なるが、通常5分〜20時間程度である。なお、酸処理液と有機溶剤との接触は、例えば、向流接触、攪拌槽による接触などにより行われる。この工程の雰囲気は特に制限されない。このようにして、第2工程の酸処理で生成した2−ブチルオクタン二酸が有機溶剤層に抽出され、次いでその有機溶剤層が分液やデカンテーションにより分離される。
【0024】
(4)第4工程
本発明では、次に、第3工程で得られる有機溶剤層を冷却して生じる固体を除去する工程が実施される。
即ち、この工程では、第3工程で得られる有機溶剤層が好ましくは−10〜40℃、更に好ましくは0〜30℃に冷却されて、生じる固体(不純物を含む)が濾過又は遠心分離等により容易に除去される。この場合、必要に応じて、有機溶剤層から有機溶剤の一部を留去するか、又は有機溶剤の全部を留去して他の前記有機溶剤に置換して冷却しても差し支えない。なお、この工程の雰囲気も特に制限されない。
【0025】
(5)第5工程
本発明では、次に、第4工程で得られる有機溶剤層(冷却で生じる固体を除去したもの)から有機溶剤を除去して生じる2−ブチルオクタン二酸を分離する工程が実施される。この有機溶剤の除去は、分別蒸留や有機溶剤の蒸発など、公知の方法により行われる。なお、この工程の雰囲気も特に制限されない。
【0026】
以上のようにして、7−シアノウンデカン酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸から、高純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2−ブチルオクタン二酸を収率よくそして生産効率よく製造することができる。
【0027】
更に高純度の(酸及び金属含有量の少ない)2−ブチルオクタン二酸を得るためには、第5工程の前に、第4工程で得られる有機溶剤層(冷却で生じる固体を除去したもの)を水洗することが好ましい。水洗は、例えば、該有機溶剤層に攪拌下で水を加えて、水溶性の不純物(酸処理に使用した酸、原料又は装置に由来する金属など)を水層に移行させることにより行われる。水洗は、通常、2〜3回繰り返すことが好ましく、その際の温度は10〜80℃で、時間は1回当たり1分〜10時間、更には20分〜5時間程度であることが好ましい。また、水の使用量は、有機溶剤層1容量に対して0.05容量以上、更には0.05〜5容量、特に0.1〜3容量であることが好ましい。なお、水洗には、金属イオン含有量の少ない水(イオン交換水、蒸留水等)を使用することが好ましい。
【0028】
前記の水洗においては、水溶性のキレート剤を水に添加して使用してもよい。このようなキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸などが挙げられる。キレート剤の使用により、金属不純物を効率よく除去できる。なお、キレート剤は第3工程で使用する有機溶剤に添加してもよい。この場合、ジメチルグリオキシム、アセチルアセトン、クラウンエーテルなどもキレート剤として使用できる。
【0029】
また、更に高純度の2−ブチルオクタン二酸を得るためには、第5工程で得られる2−ブチルオクタン二酸を蒸留又は晶析により精製することが好ましい。特に、有機溶剤に水難溶性のキレート剤を添加して使用した場合には、この操作を行うことが好ましい。晶析には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素や、水−メタノール混合溶媒が使用される。
【0030】
【実施例】
以下に実施例および比較例を示して、本発明を具体的に説明する。なお、分析はガスクロマトグラフィーにより行った。
【0031】
実施例1
温度計、還流器、攪拌機を備えた1L(リットル)容のステンレス製反応器に、7−シアノウンデカン酸40重量%、2−ブチル−7−シアノヘプタン酸25重量%、11−シアノウンデカン酸30重量%を含む原料65gを入れ、更に、50重量%水酸化ナトリウム水溶液120gとイオン交換水240gを入れて、均一に攪拌・混合した。この原料混合物(水溶液)を窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら加熱して、105℃まで昇温した。そして、発生するアンモニアを還流器の出口から抜き出しながら、同温度で24時間加水分解を行った。得られた反応液を分析したところ、7−シアノウンデカン酸と2−ブチル−7−シアノヘプタン酸は検出されなかった。
【0032】
前記の加水分解反応液を50℃まで冷却し、次いで、その反応液に62重量%硫酸水溶液をpHが1.8になるまで攪拌下で添加し、引き続き1時間攪拌して酸処理を行った。なお、硫酸水溶液添加と酸処理の間、液温は50℃付近に維持した。
【0033】
得られた酸処理液に攪拌下でメチルイソブチルケトン136gを加え、その酸処理液を60℃で約1時間攪拌して抽出を行って、引き続き、有機溶剤(メチルイソブチルケトン)層を分液により取り出した。その後、有機溶剤層を15℃まで冷却し、生じた固体を濾過により除去した。
【0034】
次いで、固体を除去した有機溶剤層に攪拌下でイオン交換水80gを加え、約30分間攪拌して有機溶剤層を分液により取り出した。この操作を2回繰り返した後、有機溶剤層からメチルイソブチルケトンを留去して、35gの生成物を得た。生成物を分析したところ、2−ブチルオクタン二酸94.7重量%、1,10−ドデカン二酸4.3重量%の組成であった。2−ブチルオクタン二酸の収率は75.9%であった。
【0035】
実施例2
温度計、還流器、攪拌機を備えた2L容のステンレス製反応器に、7−シアノウンデカン酸40重量%、2−ブチル−7−シアノヘプタン酸25重量%、11−シアノウンデカン酸30重量%を含む原料195gを入れ、更に、50重量%水酸化ナトリウム水溶液360gとイオン交換水720gを入れて、均一に攪拌・混合した。この原料混合物(水溶液)を窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら加熱して、100℃まで昇温した。そして、発生するアンモニアを還流器の出口から抜き出しながら、同温度で24時間加水分解を行った。得られた反応液を分析したところ、7−シアノウンデカン酸と2−ブチル−7−シアノヘプタン酸は検出されなかった。
【0036】
前記の加水分解反応液を35〜45℃まで冷却し、次いで、この温度を維持しながら、その反応液に62重量%硫酸水溶液をpHが1.7になるまで攪拌下で添加し、引き続き同温度で1時間攪拌して酸処理を行った。
【0037】
得られた酸処理液に攪拌下でトルエン390gを加え、その酸処理液を70℃で約1時間攪拌して抽出を行って、引き続き、有機溶剤(トルエン)層を分液により取り出した。その後、有機溶剤層を10℃まで冷却し、生じた固体を濾過により除去した。
【0038】
次いで、固体を除去した有機溶剤層に攪拌下でイオン交換水210gを加え、更に攪拌下でエチレンジアミン四酢酸0.6gを含有するイオン交換水30gを加え、約30分間攪拌して有機溶剤層を分液により取り出した。この操作を2回繰り返して、更にイオン交換水30gで2回洗浄した後、有機溶剤層からトルエンを留去して、108gの生成物を得た。生成物を分析したところ、2−ブチルオクタン二酸94.4重量%、1,10−ドデカン二酸4.2重量%の組成であった。2−ブチルオクタン二酸の収率は78.1%であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明により、7−シアノウンデカン酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸から、高純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2−ブチルオクタン二酸を収率よくかつ生産効率よく製造することができる。
即ち、特に、7−シアノウンデカン酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸から2−ブチルオクタン二酸を製造する方法において、酸処理を2段階で行ってそのたびに析出固体を除去するという煩雑な操作が必要であるだけでなく、濾過又は遠心分離による析出固体の除去に非常に時間を要するなどの、生産効率面における従来技術の問題点を解決して、高純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2−ブチルオクタン二酸を収率よくかつ生産効率よく製造できる。
Claims (3)
- (1)7−シアノウンデカン酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸をアルカリ性化合物の存在下で加水分解して、2−ブチルオクタン二酸の塩を生成させ、(2)その加水分解反応液をpH4以下で酸処理して、2−ブチルオクタン二酸を生成させ、(3)その酸処理液から2−ブチルオクタン二酸を有機溶剤としてメチルイソブチルケトン、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、又はメチルエチルケトンで抽出し、(4)その有機溶剤層を冷却して生じる固体を除去し、(5)有機溶剤を除去して生じる2−ブチルオクタン二酸を分離することを特徴とする2−ブチルオクタン二酸の製造法。
- 酸処理液から2−ブチルオクタン二酸を抽出する際の温度が10〜100℃である、請求項1記載の2−ブチルオクタン二酸の製造法。
- 有機溶剤層を冷却する際の温度が−10〜40℃である、請求項1記載の2−ブチルオクタン二酸の製造法。
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