JP2002128724A - 2−ブチルオクタン二酸の製造法 - Google Patents

2−ブチルオクタン二酸の製造法

Info

Publication number
JP2002128724A
JP2002128724A JP2000316238A JP2000316238A JP2002128724A JP 2002128724 A JP2002128724 A JP 2002128724A JP 2000316238 A JP2000316238 A JP 2000316238A JP 2000316238 A JP2000316238 A JP 2000316238A JP 2002128724 A JP2002128724 A JP 2002128724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
organic solvent
butyloctanediacid
producing
diacid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000316238A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4320942B2 (ja
Inventor
Koichi Kashiwagi
公一 柏木
Masahiko Watabe
昌彦 渡部
Eiji Sanao
英治 佐直
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2000316238A priority Critical patent/JP4320942B2/ja
Publication of JP2002128724A publication Critical patent/JP2002128724A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4320942B2 publication Critical patent/JP4320942B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高純度の(1,10−ドデカン二
酸含有量の少ない)2−ブチルオクタン二酸を収率よく
かつ生産効率よく製造できる方法を提供することを課題
とする。 【解決手段】 本発明の課題は、(1)7−シアノウン
デカン酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸
をアルカリ性化合物の存在下で加水分解して、2−ブチ
ルオクタン二酸の塩を生成させ、(2)その加水分解反
応液をpH4以下で酸処理して、2−ブチルオクタン二
酸を生成させ、(3)その酸処理液から2−ブチルオク
タン二酸を有機溶剤で抽出し、(4)その有機溶剤層を
冷却して生じる固体を除去し、(5)有機溶剤を除去し
て生じる2−ブチルオクタン二酸を分離することを特徴
とする2−ブチルオクタン二酸の製造法により解決され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−ブチルオクタ
ン二酸の製造法に関する。更に詳しくは、7−シアノウ
ンデカン酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン
酸から、高純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少
ない)2−ブチルオクタン二酸を収率よくかつ生産効率
よく製造する方法に関する。
【0002】2−ブチルオクタン二酸は、電解コンデン
サー(特に耐電圧特性に優れたコンデンサー)の有効な
電解質成分として使用されている。また、ポリアミド、
ポリエステルなどのポリマー原料や、エポキシ樹脂用硬
化剤として有用である。
【0003】
【従来の技術】2−ブチルオクタン二酸の製造法として
は、例えば、シクロヘキサンを酸化分解して1,10−
ドデカン二酸と2−ブチルオクタン二酸を生成させ、こ
の混合物から2−ブチルオクタン二酸を分離する方法が
知られている(特開昭49−115992号公報、特開
昭50−37716号公報)。
【0004】しかし、この方法は1,10−ドデカン二
酸を主生成物として製造する方法であるため、2−ブチ
ルオクタン二酸の生成量は1,10−ドデカン二酸の1
0%以下であり、1,10−ドデカン二酸の収率が低い
という問題を有していた。また、1,10−ドデカン二
酸と2−ブチルオクタン二酸の分離が容易でないことか
ら、高純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少な
い)2−ブチルオクタン二酸を生産効率よく製造するこ
とが困難であるという問題も有していた。
【0005】このため、7−シアノウンデカン酸及び/
又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸をアルカリ性化
合物の存在下で加水分解した後、pH8.5以下で酸処
理して析出する塩を濾過などにより除去し、次いで、そ
の濾液から2−ブチルオクタン二酸を有機溶剤で抽出し
てその有機溶剤を蒸発などで除去するか、又はその濾液
から水を蒸留や蒸発などで除去することにより、高純度
の(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2−ブチ
ルオクタン二酸を収率よく製造する方法が提案されてい
る(特開2000−38367号公報)。
【0006】しかし、この方法は、純度及び収率の点は
改善されているものの、酸処理を2段階で行ってそのた
びに析出固体を除去するという煩雑な操作が必要である
だけでなく、濾過又は遠心分離による析出固体の除去に
非常に長い時間を要するなど、生産効率の点で満足でき
るものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有する前記のような問題点を解決して2−ブチルオクタ
ン二酸を製造できる方法、即ち、高純度の(1,10−
ドデカン二酸含有量の少ない)2−ブチルオクタン二酸
を収率よくかつ生産効率よく製造できる方法を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、(1)
7−シアノウンデカン酸及び/又は2−ブチル−7−シ
アノヘプタン酸をアルカリ性化合物の存在下で加水分解
して、2−ブチルオクタン二酸の塩を生成させ、(2)
その加水分解反応液をpH4以下で酸処理して、2−ブ
チルオクタン二酸を生成させ、(3)その酸処理液から
2−ブチルオクタン二酸を有機溶剤で抽出し、(4)そ
の有機溶剤層を冷却して生じる固体を除去し、(5)有
機溶剤を除去して生じる2−ブチルオクタン二酸を分離
することを特徴とする2−ブチルオクタン二酸の製造法
により解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】(1)第1工程 本発明では、最初に、7−シアノウンデカン酸及び/又
は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸をアルカリ性化合
物の存在下で加水分解して、2−ブチルオクタン二酸の
塩を生成させる工程が実施される。
【0010】2−ブチルオクタン二酸の製造原料である
7−シアノウンデカン酸や2−ブチル−7−シアノヘプ
タン酸は公知の方法で製造したものが使用される。これ
らはそれぞれ単独でも使用できるが、通常は両者を含ん
だものが使用される。例えば、シクロヘキサンから11
−シアノウンデカン酸を製造する際に、11−シアノウ
ンデカン酸アンモニウム塩を晶析により精製した後の母
液(7−シアノウンデカン酸アンモニウム及び2−ブチ
ル−7−シアノヘプタン酸アンモニウムを含む)より製
造される、7−シアノウンデカン酸及び2−ブチル−7
−シアノヘプタン酸(特開昭63−145261号公報
など)が好ましく使用される。
【0011】このような11−シアノウンデカン酸製造
に由来する2−ブチルオクタン二酸の製造原料は7−シ
アノウンデカン酸及び2−ブチル−7−シアノヘプタン
酸を含むが、その他に、11−シアノウンデカン酸や1
1−シアノウンデカン酸製造時に副生する各種化合物を
含んでいてもよい。なお、7−シアノウンデカン酸及び
2−ブチル−7−シアノヘプタン酸を含む前記製造原料
において、その混合割合は特に制限されない。
【0012】アルカリ性化合物としては、アルカリ性ア
ルカリ金属化合物、アルカリ性アルカリ土類金属化合物
などが単独又は複数で使用される。アルカリ性化合物の
使用量は、7−シアノウンデカン酸と2−ブチル−7−
シアノヘプタン酸の合計に対して1〜20倍モル、更に
は2〜10倍モル、特に2〜8倍モルであることが好ま
しい。なお、前記のアルカリ金属としては、リチウム、
ナトリウム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金族
としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
【0013】アルカリ性アルカリ金属化合物として、具
体的には、前記アルカリ金属(金属リチウム、金属ナト
リウム、金属カリウム等)、前記アルカリ金属の水酸化
物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、前記アル
カリ金属のアルコラート(ナトリウムメチラート、ナト
リウムエチラート、カリウムメチラート、カリウムエチ
ラート等)、前記アルカリ金属の水素化物(水素化ナト
リウム等)などが挙げられる。
【0014】また、アルカリ性アルカリ土類金属化合物
として、具体的には、前記アルカリ土類金属(金属マグ
ネシウム等)、前記アルカリ土類金属の水酸化物(水酸
化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、前記アルカリ
土類金属のアルコラート(マグネシウムエチラート
等)、グリニヤール試薬(メチルマグネシウムブロマイ
ド等)などが挙げられる。これらアルカリ性化合物の中
では、アルカリ金属の水酸化物(特に、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム)が好ましい。
【0015】アルカリ性化合物はそのまま(固体状態
で)添加して使用してもよく、水溶液の状態で添加して
使用してもよい。この水溶液の濃度は特に制限されず、
水の使用量が後述の範囲になる程度であればよい。アル
カリ性化合物の添加時期も特に制限されず、出発物質と
同時に水に添加してもよく、出発物質と混合した水溶液
に添加しても差し支えない。
【0016】加水分解で使用する水は特に制限されない
が、金属イオン含有量の少ない2−ブチルオクタン二酸
を得る場合には、金属イオン含有量の少ない水(イオン
交換水、蒸留水等)を使用することが好ましい。水の使
用量は、7−シアノウンデカン酸と2−ブチル−7−シ
アノヘプタン酸の合計1重量部に対して、0.5〜15
重量部、更には3〜10重量部、特に4〜7重量部であ
ることが好ましい。
【0017】加水分解の温度は60〜200℃、更には
80〜150℃、特に90〜140℃であることが好ま
しい。その際の圧力は特に制限されないが、加水分解温
度が100℃以上の場合には、水等の蒸発を抑えるた
め、圧力を1〜10気圧とすることが好ましい。反応雰
囲気は特に制限されず、空気中であっても、窒素等の不
活性ガス雰囲気であってもよい。加水分解に要する時間
は、温度、反応量などの反応条件により異なるが、通常
0.5〜50時間である。なお、加水分解の際、発生す
るアンモニアは反応系外に除去することが好ましい。
【0018】加水分解は、例えば、通常の攪拌装置を備
えた反応装置を使用して、連続式でも回分式でも実施で
きる。特に、還流装置も備えた反応装置は、水などの蒸
発を抑えることができるため、好ましく使用される。こ
の工程で使用する反応装置は、以下の第2工程及び第3
工程でもそのまま使用できる。
【0019】(2)第2工程 本発明では、次に、第1工程で得られる加水分解反応液
をpH4以下で酸処理して、2−ブチルオクタン二酸を
生成させる工程が実施される。このとき使用される酸と
しては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢
酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸等の有機酸が挙げられる。これらの中では無機酸
が好ましく、その中でも硫酸が特に好ましい。酸の使用
量は処理時のpHにより適宜決められ、希釈することな
くそのまま使用してもよく、水で希釈したものを使用し
てもよい。
【0020】酸処理は、最初の工程で得られる加水分解
反応液に酸を添加して、その反応液をpH4以下、好ま
しくはpH1〜3.5、更に好ましくはpH1〜3に維
持することにより行われる。このときの温度は15〜1
00℃、更には35〜70℃であることが好ましい。ま
た、酸処理に要する時間は酸処理の際のpHや処理量に
より異なるが、通常5分〜20時間程度である。なお、
pHが4より高い場合、酸処理が不完全になって2−ブ
チルオクタン二酸の収率や純度が低くなるので好ましく
ない。酸処理の雰囲気は特に制限されず、通常は空気中
でよい。
【0021】(3)第3工程 本発明では、次に、第2工程で得られる酸処理液から2
−ブチルオクタン二酸を有機溶剤で抽出する工程が実施
される。この有機溶剤としては、2−ブチルオクタン二
酸の良溶媒であって、水と不均一層(特に有機溶剤層と
水層の2層)を形成する(水と混合した場合に不均一層
を形成する)ものが好ましく使用される。
【0022】このような有機溶剤として、具体的には、
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソ
プロピルベンゼン等の芳香族炭化水素や、クロロベンゼ
ン等の芳香族ハロゲン化炭化水素や、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等の炭素数4〜15のケト
ンや、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エ
チレングリコールジエチルエーテル等の炭素数6〜16
のエーテルなどが挙げられる。これら有機溶剤の使用量
は、酸処理液1容量に対して0.1容量以上、更には
0.1〜5容量、特に0.2〜3容量であることが好ま
しい。
【0023】抽出は、酸処理液(酸処理により生成した
固体を含む)と前記有機溶剤を所定の割合で接触させる
ことにより行われる。このときの温度は、10〜100
℃、更には30〜90℃であることが好ましい。また、
抽出に要する時間は,抽出の際の温度や有機溶剤の使用
量により異なるが、通常5分〜20時間程度である。な
お、酸処理液と有機溶剤との接触は、例えば、向流接
触、攪拌槽による接触などにより行われる。この工程の
雰囲気は特に制限されない。このようにして、第2工程
の酸処理で生成した2−ブチルオクタン二酸が有機溶剤
層に抽出され、次いでその有機溶剤層が分液やデカンテ
ーションにより分離される。
【0024】(4)第4工程 本発明では、次に、第3工程で得られる有機溶剤層を冷
却して生じる固体を除去する工程が実施される。即ち、
この工程では、第3工程で得られる有機溶剤層が好まし
くは−10〜40℃、更に好ましくは0〜30℃に冷却
されて、生じる固体(不純物を含む)が濾過又は遠心分
離等により容易に除去される。この場合、必要に応じ
て、有機溶剤層から有機溶剤の一部を留去するか、又は
有機溶剤の全部を留去して他の前記有機溶剤に置換して
冷却しても差し支えない。なお、この工程の雰囲気も特
に制限されない。
【0025】(5)第5工程 本発明では、次に、第4工程で得られる有機溶剤層(冷
却で生じる固体を除去したもの)から有機溶剤を除去し
て生じる2−ブチルオクタン二酸を分離する工程が実施
される。この有機溶剤の除去は、分別蒸留や有機溶剤の
蒸発など、公知の方法により行われる。なお、この工程
の雰囲気も特に制限されない。
【0026】以上のようにして、7−シアノウンデカン
酸及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸から、
高純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2
−ブチルオクタン二酸を収率よくそして生産効率よく製
造することができる。
【0027】更に高純度の(酸及び金属含有量の少な
い)2−ブチルオクタン二酸を得るためには、第5工程
の前に、第4工程で得られる有機溶剤層(冷却で生じる
固体を除去したもの)を水洗することが好ましい。水洗
は、例えば、該有機溶剤層に攪拌下で水を加えて、水溶
性の不純物(酸処理に使用した酸、原料又は装置に由来
する金属など)を水層に移行させることにより行われ
る。水洗は、通常、2〜3回繰り返すことが好ましく、
その際の温度は10〜80℃で、時間は1回当たり1分
〜10時間、更には20分〜5時間程度であることが好
ましい。また、水の使用量は、有機溶剤層1容量に対し
て0.05容量以上、更には0.05〜5容量、特に
0.1〜3容量であることが好ましい。なお、水洗に
は、金属イオン含有量の少ない水(イオン交換水、蒸留
水等)を使用することが好ましい。
【0028】前記の水洗においては、水溶性のキレート
剤を水に添加して使用してもよい。このようなキレート
剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸
などが挙げられる。キレート剤の使用により、金属不純
物を効率よく除去できる。なお、キレート剤は第3工程
で使用する有機溶剤に添加してもよい。この場合、ジメ
チルグリオキシム、アセチルアセトン、クラウンエーテ
ルなどもキレート剤として使用できる。
【0029】また、更に高純度の2−ブチルオクタン二
酸を得るためには、第5工程で得られる2−ブチルオク
タン二酸を蒸留又は晶析により精製することが好まし
い。特に、有機溶剤に水難溶性のキレート剤を添加して
使用した場合には、この操作を行うことが好ましい。晶
析には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の
脂肪族炭化水素や、水−メタノール混合溶媒が使用され
る。
【0030】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して、本発明
を具体的に説明する。なお、分析はガスクロマトグラフ
ィーにより行った。
【0031】実施例1 温度計、還流器、攪拌機を備えた1L(リットル)容の
ステンレス製反応器に、7−シアノウンデカン酸40重
量%、2−ブチル−7−シアノヘプタン酸25重量%、
11−シアノウンデカン酸30重量%を含む原料65g
を入れ、更に、50重量%水酸化ナトリウム水溶液12
0gとイオン交換水240gを入れて、均一に攪拌・混
合した。この原料混合物(水溶液)を窒素ガス雰囲気下
で攪拌しながら加熱して、105℃まで昇温した。そし
て、発生するアンモニアを還流器の出口から抜き出しな
がら、同温度で24時間加水分解を行った。得られた反
応液を分析したところ、7−シアノウンデカン酸と2−
ブチル−7−シアノヘプタン酸は検出されなかった。
【0032】前記の加水分解反応液を50℃まで冷却
し、次いで、その反応液に62重量%硫酸水溶液をpH
が1.8になるまで攪拌下で添加し、引き続き1時間攪
拌して酸処理を行った。なお、硫酸水溶液添加と酸処理
の間、液温は50℃付近に維持した。
【0033】得られた酸処理液に攪拌下でメチルイソブ
チルケトン136gを加え、その酸処理液を60℃で約
1時間攪拌して抽出を行って、引き続き、有機溶剤(メ
チルイソブチルケトン)層を分液により取り出した。そ
の後、有機溶剤層を15℃まで冷却し、生じた固体を濾
過により除去した。
【0034】次いで、固体を除去した有機溶剤層に攪拌
下でイオン交換水80gを加え、約30分間攪拌して有
機溶剤層を分液により取り出した。この操作を2回繰り
返した後、有機溶剤層からメチルイソブチルケトンを留
去して、35gの生成物を得た。生成物を分析したとこ
ろ、2−ブチルオクタン二酸94.7重量%、1,10
−ドデカン二酸4.3重量%の組成であった。2−ブチ
ルオクタン二酸の収率は75.9%であった。
【0035】実施例2 温度計、還流器、攪拌機を備えた2L容のステンレス製
反応器に、7−シアノウンデカン酸40重量%、2−ブ
チル−7−シアノヘプタン酸25重量%、11−シアノ
ウンデカン酸30重量%を含む原料195gを入れ、更
に、50重量%水酸化ナトリウム水溶液360gとイオ
ン交換水720gを入れて、均一に攪拌・混合した。こ
の原料混合物(水溶液)を窒素ガス雰囲気下で攪拌しな
がら加熱して、100℃まで昇温した。そして、発生す
るアンモニアを還流器の出口から抜き出しながら、同温
度で24時間加水分解を行った。得られた反応液を分析
したところ、7−シアノウンデカン酸と2−ブチル−7
−シアノヘプタン酸は検出されなかった。
【0036】前記の加水分解反応液を35〜45℃まで
冷却し、次いで、この温度を維持しながら、その反応液
に62重量%硫酸水溶液をpHが1.7になるまで攪拌
下で添加し、引き続き同温度で1時間攪拌して酸処理を
行った。
【0037】得られた酸処理液に攪拌下でトルエン39
0gを加え、その酸処理液を70℃で約1時間攪拌して
抽出を行って、引き続き、有機溶剤(トルエン)層を分
液により取り出した。その後、有機溶剤層を10℃まで
冷却し、生じた固体を濾過により除去した。
【0038】次いで、固体を除去した有機溶剤層に攪拌
下でイオン交換水210gを加え、更に攪拌下でエチレ
ンジアミン四酢酸0.6gを含有するイオン交換水30
gを加え、約30分間攪拌して有機溶剤層を分液により
取り出した。この操作を2回繰り返して、更にイオン交
換水30gで2回洗浄した後、有機溶剤層からトルエン
を留去して、108gの生成物を得た。生成物を分析し
たところ、2−ブチルオクタン二酸94.4重量%、
1,10−ドデカン二酸4.2重量%の組成であった。
2−ブチルオクタン二酸の収率は78.1%であった。
【0039】
【発明の効果】本発明により、7−シアノウンデカン酸
及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸から、高
純度の(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2−
ブチルオクタン二酸を収率よくかつ生産効率よく製造す
ることができる。即ち、特に、7−シアノウンデカン酸
及び/又は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸から2−
ブチルオクタン二酸を製造する方法において、酸処理を
2段階で行ってそのたびに析出固体を除去するという煩
雑な操作が必要であるだけでなく、濾過又は遠心分離に
よる析出固体の除去に非常に時間を要するなどの、生産
効率面における従来技術の問題点を解決して、高純度の
(1,10−ドデカン二酸含有量の少ない)2−ブチル
オクタン二酸を収率よくかつ生産効率よく製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC46 AC47 AD11 AD15 AD16 AD17 BA02 BA06 BB11 BB12 BB15 BB16 BB46 BC16 BC51 BD70 BE01 BE02 BE03 BE60 BS10 BS70 4H039 CA65 CD50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)7−シアノウンデカン酸及び/又
    は2−ブチル−7−シアノヘプタン酸をアルカリ性化合
    物の存在下で加水分解して、2−ブチルオクタン二酸の
    塩を生成させ、(2)その加水分解反応液をpH4以下
    で酸処理して、2−ブチルオクタン二酸を生成させ、
    (3)その酸処理液から2−ブチルオクタン二酸を有機
    溶剤で抽出し、(4)その有機溶剤層を冷却して生じる
    固体を除去し、(5)有機溶剤を除去して生じる2−ブ
    チルオクタン二酸を分離することを特徴とする2−ブチ
    ルオクタン二酸の製造法。
  2. 【請求項2】 酸処理液から2−ブチルオクタン二酸を
    抽出する際の温度が10〜100℃である、請求項1記
    載の2−ブチルオクタン二酸の製造法。
  3. 【請求項3】 有機溶剤層を冷却する際の温度が−10
    〜40℃である、請求項1記載の2−ブチルオクタン二
    酸の製造法。
  4. 【請求項4】 有機溶剤が、2−ブチルオクタン二酸の
    良溶媒であって、水と不均一層を形成するものである、
    請求項1記載の2−ブチルオクタン二酸の製造法。
JP2000316238A 2000-10-17 2000-10-17 2−ブチルオクタン二酸の製造法 Expired - Fee Related JP4320942B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000316238A JP4320942B2 (ja) 2000-10-17 2000-10-17 2−ブチルオクタン二酸の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000316238A JP4320942B2 (ja) 2000-10-17 2000-10-17 2−ブチルオクタン二酸の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002128724A true JP2002128724A (ja) 2002-05-09
JP4320942B2 JP4320942B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=18795216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000316238A Expired - Fee Related JP4320942B2 (ja) 2000-10-17 2000-10-17 2−ブチルオクタン二酸の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4320942B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4320942B2 (ja) 2009-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI363747B (en) Process for producing cyclohexanone oxime
CN110637002B (zh) 六氟-1,3-丁二烯的制造方法
JP4907835B2 (ja) フッ素化アルカン酸の精製方法
CN100376547C (zh) 生产环己酮肟的方法
WO2002079141A1 (en) Preparation of quaternary ammonium compounds
JP3394981B2 (ja) フリーヒドロキシルアミン水溶液の製造方法
JP4320942B2 (ja) 2−ブチルオクタン二酸の製造法
JP3780703B2 (ja) 2−ブチルオクタン二酸の製造法
US6162946A (en) Processing for producing allyl 2-hydroxyisobutyrate
JP4281258B2 (ja) 2−ブチルオクタン二酸の製造法
JPH05271143A (ja) シクロヘキサノンの製造方法
JP2713014B2 (ja) カプロラクタムの製法
JPS5899434A (ja) メタクリル酸の精製方法
JP2633174B2 (ja) α−アシルオキシ脂肪酸の製造法
JPH05339183A (ja) アルコールの精製方法
JP3866872B2 (ja) テレフタル酸ジメチルの回収方法
JPS6270333A (ja) 2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法
JP2874281B2 (ja) ビフェニル―4,4’―ジオールの分離精製方法
RU2086529C1 (ru) Способ получения бензилового спирта
JP4057133B2 (ja) オルトヒドロキシマンデル酸ナトリウムの連続的製造方法
JPH045252A (ja) 4,4’‐ジヒドロキシ‐3,3’,5,5’‐テトラメチルジフェニルメタンの製造方法
JPH11343278A (ja) チオグリコール酸又はその塩の製造法
JPH0436254A (ja) ジヒドロキシジフェニルメタンの製造方法
WO2009026774A1 (fr) Procédé de fabrication d'acide formique par de l'acide phosphorique extrait et du formiate de sodium
JPS63270637A (ja) 乳酸の分離方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees