JP4907835B2 - フッ素化アルカン酸の精製方法 - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、ペルフルオロオクタン酸などのフッ素化アルカン酸をその塩の水溶液から精製する方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
フッ素化アルカン酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩は、界面活性が高くテロゲン生成速度が遅いため、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンまたはビニリデンフルオリドのようなフッ素化オレフィンモノマーの水性乳化重合で一般に使用される。この重合の過程で、フッ素化オレフィンの一部分は、加水分解してフッ化物イオンを生成する。重合が終了し、得られたフルオロポリマーが単離された後、フッ素化アルカン酸アンモニウム塩またはアルカリ金属塩は、イオン性フッ化物および他の不純物と一緒に希薄水溶液中に存在する。このフッ素化アルカン酸およびその塩は、それらのコストが高いことおよび公害問題を最小限に抑える必要があることの両方の理由で、回収して再利用することがきわめて望ましい。そのような再利用のために、後続の重合の過程を妨害しうるまたは変化させうる回収された化合物中のいかなる不純物をも除去しなければならない。そのような用途で特に有用であるのは、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)などのようなフッ素化アルカン酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩である。
【0003】
公知の精製方法では、1から2のpHが得られるまで硫酸を添加することによりフッ素化アルカン酸アンモニウム塩またはアルカリ金属塩の溶液を酸性化し、そして酸性化された溶液を水蒸気蒸留に付す。これはエネルギー効率の悪い方法であり、約10〜16重量%のフッ素化アルカン酸を含む希薄溶液を生成する。これは、再利用のためにアンモニアまたはアルカリ金属で中和して逆浸透のような手段により濃縮しなければならない。このほかの困った問題として、溶液中のフッ化物が水蒸気蒸留中に共蒸留されて蒸留装置を腐食する可能性がある。
【0004】
米国特許第4,609,497号には、アンモニウム塩を有機液体で抽出し、PFOAを含有する有機層をデカントし、それをアルミナに接触させてPFOAを吸着し、アルミナを水酸化アンモニウムに接触させてPFOAを取り出し、得られた溶液を酸性化およびデカントし、酸および酸化剤の存在下で有機相を水蒸気蒸留し、そしてPFOAを水酸化アンモニウムで中和することにより、所定の非イオン性ポリエーテルを含有する溶液からPFOAのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩を回収する方法が開示されている。この方法は厄介で実施しにくく、有機抽出剤およびアルミナ吸着剤の添加および除去を必要とする。
【0005】
米国特許第4,282,162号には、次のような方法が開示されている。塩基性イオン交換体に吸着させることによりフッ素化カルボン酸を水溶液から回収した後、鉱酸と有機溶媒との混合物を用いて溶出させる。次に、溶出液をデカントし、下側の有機層を中和および酸性化し、そして沈澱したフッ素化カルボン酸を濾過する。この方法により得られるフッ素化カルボン酸は、重合グレードではない。米国特許第5,312,935号には、9重量%未満の水を含有する溶液中で酸化することによりそのような酸を精製する方法が開示されている。この方法は、特別なイオン交換装置、イオン交換樹脂の頻繁な交換、有機溶媒の添加および除去、ならびにさらなる精製工程を必要とする。
【0006】
米国特許第5,442,097号および同第5,591,877号には、塩の酸性化、酸とアルコールとの反応によるエステルの生成、得られたエステル混合物の蒸留、およびエステル層のデカンテーションにより、フッ素化カルボン酸乳化剤をその塩を含有する水溶液から回収する方法が開示されている。得られたエステルをアンモニア水と反応させることにより対応するアンモニウム塩を形成することが可能である。この方法では、回収しなければならない有機反応剤を導入する必要があるとともに追加のエステル化反応および脱エステル化反応を行う必要がある。
【0007】
上記の方法では、フッ素化アルカン酸化合物を有機溶媒もしくは吸着性固体のような他の媒質に移動させるかまたは有機エステルに変換してから移動または変換によりフッ素化アルカン酸化合物に戻す複数の変換工程が必要であるため、複雑で実施するのに費用がかかる。効率的な手段でしかもそのような移動も変換も行うことなくフッ素化アルカン酸を単離することのできるより簡単な方法を開発する必要がある。本発明の利点は、本発明の方法が有機溶媒または吸着剤へのフッ素化アルカン酸の移動も有機エステルへの変換も必要としないことである。本発明の他の利点は、精製されたアンモニウム塩またはアルカリ金属塩の溶液を逆浸透により濃縮する必要がないことおよび腐食の原因となるフッ化物の含量が最小限に抑えられることである。
【0008】
(発明の概要)
無機フッ化物をも含有する水溶液からフッ素化アルカン酸を単離するために使用することのできる方法を提供する。この方法には、(A)フッ素化アルカン酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩を含む水溶液を酸性化して酸性化された溶液を作製する工程、(B)酸性化された溶液を加熱してフッ素化アルカン酸を含む有機層と水層とを形成する工程、(C)有機層を水層から分離および回収する工程、(D)任意に有機層を酸性溶液で洗浄する工程、(E)任意にフッ素化アルカン酸を単離する工程、ならびに(F)さらに、任意にフッ素化アルカン酸をそのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩に変換する工程が含まれる。
【0009】
(発明の詳細な説明)
本発明は、任意のフッ素化アルカン酸を単離するために使用することができる。フッ素化アルカン酸は、一般式X−Rf−COOHで表すことができる。式中、Xは、水素、フッ素、塩素、またはそれらの組合わせであり、かつRfは、基1個あたり5から12個、好ましくは5から10個の炭素原子を有する飽和または不飽和で線状またはメチル分枝をもつアルキレン基のように分枝状であってもよいフッ素化基である。一般的には、フッ素化アルカン酸は、フッ素化アルカン酸1kgあたり約5から約1200mgまで、より典型的には約10から約1000mg(ppm)までのいくらかの無機フッ化物を含有しうる。フッ素化アルカン酸は、金属塩または好ましくはアンモニウム塩の水溶液として存在しうる。
【0010】
そのようなフッ素化アルカン酸としては、たとえば、ペルクロロフルオロアルカン酸およびペルフルオロアルカン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。そのようなペルフルオロアルカン酸の1つは、ペルフルオロカプリル酸とも呼ばれるペルフルオロオクタン酸である。
【0011】
任意に、工程(A)の前または後で水溶液をある量の可溶性アルミニウム塩で処理することができる。好ましくは、アルミニウム塩の量は、水溶液中に存在する無機フッ化物の含量と少なくとも等価である。無機フッ化物が反応して混合フッ化アルミニウムを形成するのに有効な時間で処理を行うことができる。次に、分離工程(C)で混合フッ化アルミニウムを実質的に除去することができる。好ましくは、この処理を工程(A)の前に行う。同様に好ましくは、アルミニウム塩は、プロセスのpH範囲にわたり可溶性であり、工程(A)で使用される酸と同一の対イオンを含有する。たとえば、工程(A)で使用される酸が硫酸である場合、好ましいアルミニウム塩は硫酸アルミニウムである。処理の温度は、任意の便利な温度であってよい。最初の水溶液のフッ化物濃度が高い場合、この任意の工程は特に推奨される。この手順を用いて、フッ素化アルカン酸のフッ化物含量および蒸留残渣の量を、回収プロセスで許容しうるレベルまで、すなわち、容易に残渣を除去することのできるレベルまで、低減させることができる。
【0012】
フッ素化アルカン酸に有害な影響を与えたりそれと反応したりしない任意の酸を工程(A)で使用することができる。好ましい酸は、フルオロアルカノエートと反応して、これらの条件下で鉱酸にごくわずかに溶解する遊離のフッ素化アルカン酸を生成する鉱酸である。好ましい酸の例は、こうした周知の鉱酸である。鉱酸が約50体積%未満の水を含有する場合も同様に好ましい。なぜなら、50体積%を超えると、得られた混合物中に存在する水の量が増大するので、溶解に伴ってフッ素化アルカン酸が失われる可能性があるからである。最終精製が蒸留である場合、好ましい酸は、蒸留中に共蒸留されない比較的不揮発性の酸、たとえば、硫酸、リン酸、または硝酸である。硫酸の揮発性は低いので、好ましい酸は硫酸である。最終精製工程が結晶化または他の手段により行われる場合、いかなる鉱酸であってもよい。
【0013】
酸の量は、好ましくは、フッ素化アルカン酸塩に含まれるアンモニウムまたは金属を中和して、得られたフッ素化アルカン酸の溶解度を最小限に抑えるのに十分な酸性環境を提供するのに十分なまたは有効な量である。一般的には、酸性化された水溶液のpHにより量を決定することができる。このpHは、フッ素化アルカン酸の単離または分離を促進しうる任意のpHであってよい。約2以下程度までpHを低くすることができる。しかしながら、過剰の酸を用いると後の工程で完全に除去することが困難になる可能性があるので、過剰に使用しないほうが好ましい。たとえば、硫酸の場合、好ましい量は、使用する硫酸の1個のプロトンだけを基準にして、アンモニウムイオンまたは金属イオンを中和するのに必要な理論量の1から4倍、好ましくは1から3倍、最も好ましくは約1.3倍である。
【0014】
工程(B)では、有機(下側)層と水(上側)層を生成させるのに十分なまたは有効な温度までかつ十分なまたは有効な時間にわたり、酸性化された溶液を加熱することができる。一般的には、湿潤したフッ素化アルカン酸の融点を超える温度が好ましい。湿潤融点は、含まれる水による可溶化作用に起因して、乾燥したまたは無水のフッ素化アルカン酸よりもかなり低い。たとえば、ペルフルオロオクタン酸は、プロセスのこの時点では含水率が約12〜15%であり、純粋なペルフルオロオクタン酸が55〜56℃の融点を有しているにもかかわらずプロセス時は35〜40℃を超える温度で液体であることが判明した。分離温度は、約35と60℃の間にすることが可能である。45から50℃の分離温度が好ましい。約60℃を超える温度では、水層へのペルフルオロオクタン酸の溶解に伴う損失がかなり大きくなる可能性がある。他のフッ素化アルカン酸の場合、分離温度は、好ましくは、湿潤したフッ素化アルカン酸の融点よりもわずかに高くかつ溶解に伴う過度の損失を生じる温度よりも低い。
【0015】
理論に拘束されることを望むものではないが、湿潤したフッ素化アルカン酸の融点未満の温度で加熱を行った場合、フッ素化アルカン酸は、最初、液体全体にわたって分散された小さな粒子として存在し、単離を困難にする可能性がある。しかしながら、フッ素化アルカン酸の融点を超えるまで温度を上昇させると、これらの粒子はすぐに融合して分離した液相になる。次に、この相を簡単なデカンテーションにより水相から容易に分離することができる。なぜなら、最小の界面層を伴って比較的きれいに相が分離されるからである。
【0016】
その後、工程(C)で、上側の水層を下側の有機層から分離する。当業者に公知の任意の手段を分離に使用することができる。現在のところ、簡単で容易に使用できるのでデカンテーションが好ましい。分離により水のほとんどが除去され、それと一緒に水溶性不純物の大部分が除去される。
【0017】
回収された有機層は、希薄な酸性溶液で洗浄することができる。酸は、工程(A)で使用したものと同一にすることができる。希酸の量は、好ましくは、溶解された酸のほとんどを除去するのに有効な量である。精製されたフッ素化アルカン酸を生成するように希酸は約10体積%未満の酸を含有することが好ましい。たとえば、約5体積%の硫酸であれば、希薄なすなわち弱酸性の洗浄液として満足できる。蒸留残渣を最小限に抑えることが望まれる場合、酸洗浄を1回以上行うことができる。たとえば3回以上の洗浄のように過剰の洗浄は、フッ素化アルカン酸の溶解に伴う損失を生じるので避けたほうが好ましい。洗浄は、任意の温度、好ましくは約10℃から約60℃、より好ましくは約35℃から約60℃、最も好ましくは約50℃で行うことができる。水洗浄液は、フッ素化アルカン酸のイオン化によるエマルジョン問題を引き起こす可能性があるので推奨されない。
【0018】
精製されたフッ素化アルカン酸は、蒸留や結晶化などのように当業者に公知の任意の手段により、洗浄された有機層から回収することができる。一般的には蒸留が好ましい。たとえば、バッチ蒸留の場合、最初のオーバーヘッド物質は、一般的には、少量の溶解された水と共に水蒸気蒸留作用により共蒸留される留分である。また、この留分は、残留する全フッ化物のほとんどを揮発性フッ化水素の形で含有している可能性がある。この留分は、その量および質に応じて、主生成物留分と組み合わせるかまたは精製プロセスの最初の段階に再循環させることができる。溶解された水を除去した後、一般的には、蒸留の温度をフッ素化アルカン酸の沸点の温度まで上昇させる。次に、フッ素化アルカン酸を容易に真空蒸留して受器に集めることができる。ペルフルオロオクタン酸のように周囲温度でワックス状固体であるフッ素化アルカン酸の場合、蒸留中の凝固および凝縮器の閉塞を防ぐために温度調節された水を凝縮器に接触させておくことが好ましい。所望により、溶融された生成物をその凝固点を低下させるために水と混合し、pHが約5.5になるようにアンモニアと反応させ、そして乳化剤として再利用のために標準的なレベルに固形分を調節することができる。洗浄の効率にもよるが、残留する蒸留残渣の量は比較的少ない。それは水酸化ナトリウム溶液で還流することにより除去することができる。
【0019】
工程(E)から得られた精製済みフッ素化アルカン酸は、容易にアンモニウム塩またはアルカリ金属塩に変換して重合反応で再利用することができる。便宜上、あとで使用するために、それを約5.5のpHに中和し、適切な濃度のアンモニウムまたはアルカリ金属フッ素化アルカン酸塩になるように水で標準化することができる。
【0020】
本発明の方法は、約10重量%程度の低濃度のフッ素化アルカン酸アンモニウム塩の希薄水溶液からフッ素化アルカン酸アンモニウム塩またはアルカリ金属塩の濃度を実質的に増大させるために使用することができる。同時に、低分子量の有機フッ化物および無機フッ化物のようなほとんどすべての不純物からフッ素化アルカン酸アンモニウム塩を分離することができるので、重合反応で再利用するのに好適である。このプロセスはバッチ操作または連続操作で行うことができる。蒸留前の工程は、単一の接触装置中で行うことができる。
【0021】
塩の最初の水溶液を硫酸で酸性化し、得られたフッ素化カルボン酸を蒸留しようと試みても、「この酸は蒸留装置を閉塞させる可能性のある結晶性水和物を形成するのでうまくいかない。さらに、この場合、かなりの量のフッ素を依然として含有する蒸留残渣が生成され、その廃棄処分は非常に複雑である。」と先に参照した米国特許第5,442,097号および同第5,591,877号のいずれにも開示されているので、この簡単な方法の効果は驚くべきものである。本発明の方法を用いれば、これらの問題点は回避される。
【0022】
好ましくは、本発明の方法で回収されるフッ素化アルカン酸は過フッ素化アルカン酸であり、さらに好ましくはペルフルオロオクタン酸である。
【0023】
以下の実施例は本発明の方法を具体的に示すことを意図したものであり、なんら本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。
【0024】
(実施例)
(実施例1)
100万分の780重量部(ppm)のフッ化物イオンを有する20重量%のアンモニウムPFOAの1リットルサンプルに、200mlの飽和硫酸アルミニウム((Al2(SO4)3)溶液を添加した。混合物を50℃まで加熱し、2時間攪拌した。白色の沈殿が存在した。次に、100gの濃硫酸を徐々に添加したところ、発熱により10℃の温度上昇がみられた。混合物を50℃で1時間攪拌し、相を部分的に分離させて単一反応器「ディップチューブ」分離法に近い形で処理した。すなわち、上部の水相の約80%を吸引し、底部の有機相を5体積%の硫酸300mlで洗浄した。5分後、全相を分離し、有機相を5体積%の硫酸で再び洗浄した。PFOAを含有する有機相は、363gの重量であった。次に、これを大気圧で蒸留した。106℃の蒸留ポット温度および102℃のヘッド温度で第1の留分(「水蒸気蒸留留分」)を採取したところ、103gの重量であった。フッ化物含量はわずか17ppmであった。大気圧下、145℃の蒸留ポット温度および142℃のヘッド温度で第2の留分を採取したところ、48gの重量であった。これは「過渡的物質」であると考えられた。水銀柱27インチ(68.6cm)の真空下、145℃の蒸留ポット温度および142℃のヘッド温度で第3の留分を採取した。190gのPFOA生成物が回収された。フッ化物含量は7ppmであった。蒸留ポット残渣はわずか3gであった。6重量%のNaOH溶液50mlを3時間還流させ、14重量%のNaOHの第2の洗浄液を2時間還流させることにより、それを除去した。
【0025】
これと比較して、希酸洗浄液を用いない、すなわち、最初の相留分分離工程だけを用いる類似の実験では、44gの重量の蒸留ポット残渣を生じた。
【0026】
(実施例2)
固体酸化アルミニウム顆粒を含有する充填カラムに通すことによりフッ化物を除去する処理に付されたPFOAについて、試験を行った。17ppmのフッ化物を含有する20重量%のPFOAアンモニウム塩8,420gの溶液を768gmの濃硫酸で処理した。硫酸アルミニウムによる処理を行わなかったこと以外は実施例1のときと同様に、デカンテーションおよび蒸留を行った。デカンテーション後、水層は6507gの重量であり、もとのフッ化物の77%を含有していた。有機層は2681gの重量であった。蒸留後、水蒸気蒸留留分は495gの重量であり、4重量%のPFOAおよび81ppmのフッ化物を含有していた。過渡的留分は270gmの重量であり、26重量%のPFOAおよび33ppmのフッ化物を含有していた。第1の真空蒸留留分は、164gの重量であり、70重量%のPFOAおよびわずか7ppmのフッ化物を含有し、第2の留分は、1240gの重量の純粋なPFOAであった。ポット残渣は116gであった。
【0027】
本発明の方法を用いると硫酸アルミニウムの前処理を行わない場合でさえも真空蒸留留分のフッ化物含量はきわめて良好であることがこの実施例からわかる。しかしながら、フッ化物は最初の水蒸気蒸留物中に濃縮される傾向があるので、水蒸気蒸留物中のフッ化物の濃度は最初の全濃度よりも高かった。比較的低いフッ化物濃度の物質から開始する場合でさえも、水蒸気蒸留中のフッ化物含量を最小限に抑えるために、硫酸アルミニウム前処理オプションを使用することが望ましいと思われる。
【0028】
(実施例3)
20重量%のPFOAナトリウム塩(0.459モル)を含有する1リットルの溶液を2モル当量の濃硫酸(89.9g)で処理した。混合物を50℃まで加温し、相を分離させた。底部の有機層は、231.2gの重量であった。この溶液を、大気圧下、102℃から106℃の蒸留ポット温度および102℃のヘッド温度を用いて蒸留し、PFOAの15重量%水溶液18.3gを収集した。次に、系を冷却し、真空下に配置し、そして凝固および閉塞を防止するために50℃の水を凝縮器に接触させて蒸留した。PFOAの収量は160gであった。蒸留残分は49.5gであった。合わせた留出留分から得られたPFOAの収率は84%であった。
【0029】
(比較例1)
以前から知られている水蒸気蒸留法を用いて試験を行った。20重量%のPFOAアンモニウム塩を含む860gの溶液を82.6gの濃硫酸で処理した。次に、水蒸気蒸留の進行に伴って除去された留出物を補うように蒸留ポットに水を添加しながら水蒸気蒸留を行ってPFOAを取り出した。留出物中のPFOAの最大濃度は16重量%であった。濃度を所望の20%にまで増大させるには、逆浸透のプロセスが必要であろう。1200mlの留出物を回収した後でさえも、新たな留出物中に依然として0.25重量%のPFOAが存在していたことから、水蒸気蒸留法は明確に規定された終点をもたないことがわかる。この時点での留出物の全量は、回収されたPFOAの重量の約7倍であったことから、この方法のエネルギー効率は非常に悪いことがわかる。
【0030】
本発明の実施例は、空時効率、逆浸透によるPFOAの再濃縮の回避、およびエネルギー消費の点で上記の比較例よりも優れている。
Claims (8)
- (A)フッ素化アルカン酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩を含む水溶液を硫酸で酸性化して酸性化された溶液を作製する工程、
(B)前記酸性化された溶液を加熱して前記フッ素化アルカン酸を含む有機層と水層とを形成する工程、
(C)前記有機層を前記水層から分離および回収する工程、
(D)前記有機層を硫酸酸性溶液で洗浄する工程、
(E)前記フッ素化アルカン酸を単離する工程、ならびに
(F)任意に前記フッ素化アルカン酸をアンモニウム塩またはアルカリ金属塩に変換する工程を含む方法であって、
工程(A)で使用される前記酸が50体積%未満の水を含有し、工程(D)で使用される前記酸性溶液が10体積%未満の酸を含有し、かつ前記酸性化された溶液のpHが2以下である、ことを特徴とするフッ素化アルカン酸の精製方法。 - 前記フッ素化アルカン酸が、X−Rf−COOHで表される式を有し、
Xが、水素、フッ素、塩素、またはそれらの組合わせであり、Rfが、基1個あたり5から12個の炭素原子を有するフッ素化基であり、かつ前記酸性化された水溶液が、2以下のpHを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記フッ素化アルカン酸が過フッ素化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記フッ素化アルカン酸がペルフルオロオクタン酸でありかつ前記アルカリ金属塩がナトリウム塩であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記水溶液が工程(A)の前に可溶性アルミニウム塩で処理されることを特徴とする請求項1、2、3、または4に記載の方法。
- 工程(A)で作製された前記酸性化された水溶液が工程(B)の前に可溶性アルミニウム塩で処理されることを特徴とする請求項1、2、3、または4に記載の方法。
- 工程(B)における前記加熱が35℃から60℃の温度で行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記可溶性アルミニウム塩が硫酸アルミニウムであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
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