JP3804210B2 - 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は飼料添加物等として有用である2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法に関する。更に詳しくは、硫酸アンモニウムと重硫酸アンモニウムの分離方法およびこれを用いてなる、従来法に比較し、排水量が少なく、且つ硫酸使用量の少ない、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法としては、通常、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルに対し同モル数あるいはそれよりも小過剰の硫酸を用いて水和反応・加水分解反応を行い、得られた反応溶液を2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸と水層に分液し、製品としての2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を得ている。他方、水層は主として重硫酸アンモニウムを含有するものであるが、そのまま、或いはアンモニアで中和処理し硫酸アンモニウムとして晶析分離したのち、廃棄している(例えば、特公平7−97970号公報、米国特許第4,912,257号公報等)。しかし、このように大量の硫酸を用い、大量の副生硫酸塩の生成や、硫酸塩含有排水を伴う従来公知の2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法は、製造コストは勿論のこと環境保護の点からも推奨される製造方法ではなかった。
【0003】
硫酸使用量を削減する方法については、副生する硫酸塩を熱分解し、発生したSO3 を硫酸として回収する方法が米国特許第5,498,790号公報に開示されているが、硫酸回収のための設備が複雑で、その建設には多大の投資が必要であるとの欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、硫酸塩含有排水が少なく、製造コストが低く、環境保護の点からも優れた2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法を提供することを目的として鋭意検討を行った結果、(1)従来、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造過程に於いて廃棄されていた水層中に含有される重硫酸アンモニウムに、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを水和、加水分解する能力があり、これを硫酸と併用する場合には反応進行速度が促進されること、(2)水層中に重硫酸アンモニウムと硫酸アンモニウムが混合状態で存在する場合に於いても、特定物質を添加使用することにより両物質を効率的に分離し得ること、(3)該水層中より硫酸アンモニウムを分離した後の重硫酸アンモニウム含有溶液を2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルの水和、加水分解工程に循環使用する場合には、硫酸の使用量を削減し、実質的に硫酸塩含有排水のない、或いは著しく減少せしめ得る、廉価で環境保護に優れた2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法が提供し得ることを見出し、本発明方法を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、硫酸アンモニウムと重硫酸アンモニウムを含む水溶液に水溶性有機溶媒を添加して硫酸アンモニウムを析出せしめた後、分離することを特徴とする硫酸アンモニウムと重硫酸アンモニウムの分離方法を提供するにある。
【0006】
また本発明は、2−4−メチルチオブチロニトリルを硫酸を用いて水和、加水分解し2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を製造するに際し、該硫酸に重硫酸アンモニウムを併用することを特徴とする2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法を提供するにある。
【0007】
更に本発明は、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを硫酸で水和、加水分解して得た2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸含有水溶液より、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を分離・回収すると共に、分離後の重硫酸アンモニウムと硫酸アンモニウムを含有する水溶液に水溶性有機溶媒を添加して硫酸アンモニウムを析出・分離し、さらに硫酸アンモニウム分離後の水溶液より水溶性有機溶媒を分離し、得られた重硫酸アンモニウム含有水溶液の少なくとも一部を2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルの水和、加水分解工程に循環し硫酸と併用することを特徴とする2−4−メチルチオブタン酸の製造方法を提供するにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明の一つは、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを硫酸を用いて水和反応・加水分解反応するに際し、かかる反応系で副生する重硫酸アンモニウムの少なくとも一部を上記反応工程に於ける硫酸と併用することを特徴とするものである。重硫酸アンモニウムの添加は水和反応時、または加水分解反応時のいずれか一方でもよく、勿論、両反応時に用いてもよい。該反応に重硫酸アンモニウムを併用することにより、硫酸の使用量を減少し得るのみならず、水和反応、加水分解反応をも硫酸単独使用に比較し、促進せしめる効果を有する。
【0009】
本発明方法の実施に際し、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルの硫酸を用いる水和反応・加水分解反応は、通常、硫酸中に2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを添加し反応を行う。硫酸の使用量は重硫酸アンモニウムを併用することにより2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル1モルに対し約0.5〜約1.0当量(ここでは原料1モルに対して用いる試薬のモル数を当量と定義する)の範囲で比較的容易に反応を完遂することができる。
【0010】
水和反応時に重硫酸アンモニウムを加える場合は、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを滴下させる硫酸水中にあらかじめ含ませておくのがよい。このとき硫酸濃度は約60〜75重量%(有機物と重硫酸アンモニウムのない基準、以下同様)、反応温度は約70℃以下、望ましくは約40〜60℃で実施すればよい。加える重硫酸アンモニウムの量は特に制限するものではないが、加水分解反応後に硫酸塩が析出しない範囲であるのが望ましい。反応時間は使用した硫酸、重硫酸アンモニウムの量に依り決定されるが、上記硫酸濃度範囲において、硫酸0.5〜1.0当量、重硫酸アンモニウム約0.1〜0.5の当量範囲では、反応の完結は約1〜3時間、普通には約1〜2時間である。
【0011】
加水分解反応では硫酸を25〜40重量%まで薄める事が望ましい。加水分解反応の際に重硫酸アンモニウムを加える場合は、硫酸濃度を薄める際に重硫酸アンモニウム水溶液を用いて濃度調製をする方法が簡便である。水溶液に含まれる重硫酸アンモニウムの量は特に制限されないが加水分解反応後に硫酸塩が析出しない範囲である事が望ましい。反応温度は高いほど進行しやすいが、この系の大気圧での沸点が115℃前後であるので実質的にその温度で反応させればよい。但し、加圧下でさらに高温の場合、反応はより速く進行する。必要な反応時間は使用されている硫酸や重硫酸アンモニウムの量にも依るが、硫酸濃度約25〜40重量%の範囲で、硫酸0.5〜1.0当量、重硫酸アンモニウム約0.2〜1.0の当量範囲では、反応の完結は約1〜5時間、普通には約2〜4時間である。反応終了後、反応溶液をさらに反応温度近傍で数十分〜1時間、攪拌保持(熟成処理と称する)してもよい。
【0012】
加水分解反応後は、得られた反応溶液の温度を下げると塩析により2−4−メチルチオブタン酸が分離するので、そのまま分液を行うことにより目的物である2−4−メチルチオブタン酸の単離を行うことも可能である。また、水非混和性の溶媒、例えばメチルイソブチルケトンなどを用いて目的物である2−4−メチルチオブタン酸を抽出しても良い。特に溶媒抽出を行った場合には、水層側は実質的に重硫酸アンモニウムと硫酸アンモニウムのみを含んだ水溶液となるので、より望ましい。本発明に適用される水非混和性の溶媒としては各種ケトンやカルボン酸のアルキルエステルが適しており、より具体的にはメチルイソブチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、イソブチルケトン、酢酸エチルエステル、酢酸n−ブチルエステル、酢酸n−プロピルエステルおよび酢酸イソプロピルエステル等が使用し得る。反応終了後の溶液中には多量の硫酸塩が含まれており、その析出を防ぐために分液、抽出の際は温度を30℃以上に保つ事が望ましい。かかる方法により、加水分解後の反応溶液より2−4−メチルチオブタン酸の濃厚水溶液を得ることができる。
【0013】
本発明に於いては、加水分解後の溶液より2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を分離した後の水溶液に、室温あるいはそれ以下、より具体的には約30℃以下、望ましくは約20℃以下の温度でメタノール等の水溶性有機溶媒を加える。かかる操作を行うことにより該水溶液中より硫酸アンモニウムのみがほぼ選択的に析出するので、濾過操作により白色結晶状の硫酸アンモニウムと、重硫酸アンモニウムを含む溶液に分離することが出来る。
【0014】
高温で水溶性有機溶媒を加え晶析操作をおこなうと濾液側に硫酸アンモニウムが混入するので好ましくない。冷却時に硫酸塩が析出する場合は、適量の水を加えてから水溶性有機溶媒を添加し晶析をおこなっても良い。メタノール以外の使用可能な水溶性有機溶媒としてはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリルなどが挙げられる。用いられる水溶性有機溶媒の量は水溶液中の硫酸アンモニウムと重硫酸アンモニウムの濃度、モル比等により一義的ではないが、例えば硫酸アンモニウム5〜30重量%、重硫酸アンモニウム5〜40重量%を含む室温の水溶液の場合においては、その水溶液の重量の約0.2〜2倍、さらに望ましくは約0.4〜1.5倍添加すればよい。硫酸塩濃度が不明確な場合、または上記範囲外である場合については、白色の結晶が生成しなくなるまで加えた水溶性有機溶媒の量が適量である。
【0015】
析出、除去された硫酸アンモニウムは、必要により洗浄等を行い、さらに高純度な形で得る事が出来る。他方、水溶性有機溶媒を添加し晶析等により硫酸アンモニウムを分離、除去した後の水溶液は、減圧操作等により水溶性有機溶媒を留去し、重硫酸アンモニウム水溶液を得る。このようにして得られた重硫酸アンモニウム水溶液は、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルの水和、加水分解工程に循環し、硫酸と併用し、消費される。
【0016】
生じる重硫酸アンモニウム水溶液を2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルの水和反応・加水分解反応に全量或いは略全量循環させることにより、ほとんど排水を伴わない2−4−メチルチオブタン酸製造のプロセスを構築することが出来る。
【0017】
尚、上記説明に於いて、硫酸アンモニウムと重硫酸アンモニウムの分離を2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチルニトリルを硫酸で水和、加水分解して得た水溶液より2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を分離・回収した後の液に対しておこなったが、該両塩の分離方法は2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造分野にかかわらず、硫酸をもちいた反応分野、例えばアセトンシアンヒドリン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の加水分解反応に於いて、硫酸アンモニウムと重硫酸アンモニウムが混合された状態で存在している水溶液に対しては同様に適用し得ることは勿論である。この場合の分離条件は実質的に上記した条件と変るものではない。上記方法の適用において、硫酸アンモニウム、重硫酸アンモニウムの両塩が粉末結晶状混合物として存在している場合には、水とメタノール等の水溶性有機溶媒の混合溶液を加えて重硫酸アンモニウムを選択的に溶解し、その後濾過する方法で分離することもできるが、粉末混合物をまず水に溶解させて、硫酸塩水溶液の状態にした後に水溶性有機溶媒を加えて濾過する方法が推奨される。
【0018】
以下、図面を用いて本発明方法を更に詳細に説明する。図1、図2は上記で説明した本発明方法の一実施態様をブロック手法により示したフローシートである。図1に於いては、先ず反応容器内に硫酸溶液を仕込み、これに2−4−メチルチオブチロニトリル(図中MCHと略記する)を添加し、更に数十分〜数時間、保持(熟成)し、水和反応を行う。次いで水和反応処理後の溶液に、後記する方法により得た重硫酸アンモニウム水溶液と更に必要に応じて水を添加し、該溶液中の硫酸濃度を約25重量%〜40重量%に希釈し加水分解反応を行う。尚、図示してはいないが、加水分解反応終了後、加水分解温度と略同一温度で約数十分〜約1時間、攪拌保持し、熟成処理を行ってもよい。
【0019】
加水分解処理後の溶液は次いで該溶液中より製造目的物である2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸(図中HMAと略記する)を分離する。加水分解処理溶液中よりの該2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を得る方法としては図1に示す溶媒抽出法、図2に示す分液法の何れを採用してもよい。溶媒抽出法の場合はメチルイソブチルケトン(図中MIBKと略記する)等の水非混和性溶媒を添加し、製造目的物であるHMAと水層を抽出分離する。抽出分離したHMAは必要ならばさらに減圧濃縮等によりMIBKを完全に留去してもよい。HMAより留去されたMIBKは抽出工程に循環使用することができる。分液法の場合は油層を濃縮して更に濾過等により該2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸に混入する硫酸アンモニウムや重硫酸アンモニウムを分離してもよい。また濃縮前にアンモニア水溶液を加えて、重硫酸アンモニウムを硫酸アンモニウムに変換しておくとさらに分離は容易になる。この場合、これら硫酸アンモニウム等の濾過物は、加水分解後の分液により分離した水層(硫酸アンモニウムや重硫酸アンモニウムよりなる混合水溶液)と混合して処理することもできる。
【0020】
加水分解処理溶液中より2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を分離した後の加水分解処理溶液(水層)は、次いで水溶性有機溶媒を添加し、硫酸アンモニウムを晶析せしめ、これを濾過等により溶液中より分離する。硫酸アンモニウムを晶析分離後の残部溶液は減圧操作等により水溶性有機溶媒を除去・回収すると共に、重硫酸アンモニウムよりなる水溶液を得る。
【0021】
得られた重硫酸アンモニウム水溶液(図中NH4HSO4 と略記する)は加水分解工程に循環し、該工程で硫酸と共に反応に供される。図1、2においては重硫酸アンモニウムは加水分解工程のみに添加し循環使用しているが、勿論、水和処理工程のみ、或いは両工程に循環使用してもよい。また回収した重硫酸アンモニウムは全量循環使用するのが好ましいが全量循環使用する必要はなく、操業バランス上必要であれば一部排水として処理することも勿論可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上、詳述した本発明方法によれば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造において、副生する重硫酸アンモニウムを硫酸アンモニウムと分離し、廃棄することなく、反応系に循環使用することで、結果として硫酸の使用量を削減し、排水負荷を大幅に低減することを可能ならしめたもので、製造コストの低減のみならず環境保護の観点等からもその産業上の価値はきわめて大である。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明方法を更に具体的に説明するが、本発明方法はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0024】
実施例1(参考)
硫酸アンモニウム26.4g(0.2モル)と重硫酸アンモニウム34.5g(0.3モル)を水54.6mlに溶解した。この溶液(115.5g)に20℃でメタノールをa)30g、b)50g、c)70g、またはd)100g加え約1分間攪拌した後、生じた白色の結晶を濾過により分離した。また比較としてe)メタノールを無添加で上記溶液を50℃、減圧下で30%濃縮し、室温まで冷却した後、濾過により析出物を分離した。このときのそれぞれの析出物、濾液の成分分析結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
実施例2(参考)
重硫酸アンモニウム/硫酸アンモニウムのモル比が4.0(0.2モル/0.05モル)、1.5(0.15モル/0.1モル)、1.0(0.125モル/0.125モル)、または0.67(0.1モル/0.15モル)の混合物を水34.5mlに溶解した水溶液(64〜65g)に20℃でメタノールを39g加えて約1分間攪拌した。次いで実施例1と同様に濾過により分離してそれぞれの析出物、濾液の成分を分析した。その結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
実施例3(参考)
硫酸アンモニウム0.13モルと重硫酸アンモニウム0.165モルを含む水溶液80gを30℃、50℃、または70℃に保ちながらメタノール48gを加え約30秒間攪拌した後、すばやく濾過により分離してそれぞれの析出物、濾液の成分を分析した。その結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
実施例4(参考)
硫酸アンモニウム0.07モルと重硫酸アンモニウム0.1モルを含む水溶液50gにメタノール25gもしくは50g、またはエタノール25gもしくは50gを加え約1分間攪拌した。それぞれ濾過により分離して析出物、濾液の成分を分析した。その結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
実施例5、比較例1
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル65.5g(0.5モル)を、比較例1ではa)69重量%硫酸35.5g(0.25モル)に、また実施例5ではb)69重量%硫酸35.5g(0.25モル)と重硫酸アンモニウム11g(0.1モル)の混合物に、1時間かけて滴下した後、50℃に保ち水和反応を行った。各条件での原料消失の経時変化の結果を表5に示す。
【0033】
【表5】
【0034】
実施例6、比較例2
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミド75.1g(0.5モル)に対し、比較例2ではa)30重量%硫酸98g(0.3モル)を用いて、また実施例6ではb)30重量%硫酸94.7g(0.25モル)と重硫酸アンモニウム28.8g(0.25モル)を用いて、加水分解反応をおこなった。各条件における原料消失の経時変化の結果を表6に示す(算出方法は実施例5と同じである)。
【0035】
【表6】
【0036】
実施例7
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル131.2g(1.0モル)を65重量%の硫酸90.5g(0.6モル)に1時間かけて滴下した。滴下の間、また滴下後2時間にわたり反応温度は50℃前後に調節した。その後重硫酸アンモニウム46g(0.4モル)を含む106ミリリットルの水溶液を加え、硫酸を30重量%とした。反応温度115℃で4時間リフラックスさせた。溶液が高温の状態のままメチルイソブチルケトン160gで抽出し、水層を再度100gのメチルイソブチルケトンで抽出した。油層中のイソブチルケトンを留去し、液体クロマトグラフ上ほぼ純粋な152gの茶褐色液状の2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を得た。収率94.5%(2量体も含める)。
【0037】
実施例8
実施例7において生じた水層216gに室温下で、水層に対し60重量パーセント(130g)のメタノールを加えた。濾過操作により80gの析出物を取り除き258gの濾液を得た。濾液からメタノールを減圧下で留去し、全量が106mlになるよう調製した。この濾液ならびに析出物の組成は表7の通りであった。
【0038】
【表7】
【0039】
実施例9
(1)2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル131.2g(1.0モル)を65重量%の硫酸90.5g(0.6モル)に1時間かけて滴下し、50℃で2時間反応させた。(2)実施例8の操作で得られた106mlの溶液を添加し115℃で4時間リフラックスさせた。(3)反応溶液の0.4倍重量gのメチルイソブチルケトンで抽出し、水層をさらに0.4倍重量gのメチルイソブチルケトンで抽出した。抽出層は水50mlで洗浄し、減圧でメチルイソブチルケトンを留去して製品を得た。(4)水層に対し実施例8の操作をおこない重硫酸アンモニウム水溶液を得た。この(1)、(2)、(3)、(4)の操作を3回繰り返した。各回の(3)で得られる製品の収率、ならびに(4)で得られる硫酸アンモニウム析出物と重硫酸アンモニウム水溶液の組成について表8にまとめた。
【0040】
【表8】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の一実施態様を示すフローシートである。
【図2】 本発明方法の一実施態様を示すフローシートである。
【符号の説明】
なし
Claims (3)
- 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを硫酸を用いて水和、加水分解し2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を製造するに際し、該硫酸に重硫酸アンモニウムを併用することを特徴とする2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法。
- 重硫酸アンモニウムが、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを硫酸で水和、加水分解して得た2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸含有水溶液より2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を分離し、該2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸を分離後の水層に水溶性有機溶媒を添加して硫酸アンモニウムを析出・分離し、次いで水溶性有機溶媒を除去した後の重硫酸アンモニウム含有溶液である請求項1記載の2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法。
- 水溶性有機溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトンおよびアセトニトリルからなるグループより選ばれた少なくとも1種である請求項2記載の2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸の製造方法。
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