JP3179231B2 - ポリエステル樹脂から芳香族ジカルボン酸及びアルキレングリコールを製造する方法 - Google Patents
ポリエステル樹脂から芳香族ジカルボン酸及びアルキレングリコールを製造する方法Info
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ジカルボン酸単
位及びアルキレングリコール単位を主要構成成分として
含有するポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフ
タレート(略称「PET」)、ポリブチレンテレフタレ
ート(略称「PBT」)又はポリエチレンナフタレンジ
カルボキシレート(略称「PEN」)から芳香族ジカル
ボン酸及びアルキレングリコールを製造する方法に関す
る。
位及びアルキレングリコール単位を主要構成成分として
含有するポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフ
タレート(略称「PET」)、ポリブチレンテレフタレ
ート(略称「PBT」)又はポリエチレンナフタレンジ
カルボキシレート(略称「PEN」)から芳香族ジカル
ボン酸及びアルキレングリコールを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】PETを加水分解する加水分解助剤とし
てアンモニアを用いる方法は知られている(U.S.P.4,54
2,239号明細書)及び(D.R.Johnsrud and R.A.Lamparte
r, Michigan Technological University, Chemical Eng
ineering, Dec 1, 1980)。しかし、この方法はアンモ
ニウム塩の低い溶解度に妨げられて高い生産性を実現し
難いという難点が伴っている。他方、アルカリ金属水酸
化物を用いてPETを加水分解する方法は生成したテレ
フタル酸塩を酸析するために当量の酸を要する問題に加
えて、ジエチレングリコールを副生させるという問題点
が伴っていることから、何れの方法も工業的に有利な方
法とは言えない。
てアンモニアを用いる方法は知られている(U.S.P.4,54
2,239号明細書)及び(D.R.Johnsrud and R.A.Lamparte
r, Michigan Technological University, Chemical Eng
ineering, Dec 1, 1980)。しかし、この方法はアンモ
ニウム塩の低い溶解度に妨げられて高い生産性を実現し
難いという難点が伴っている。他方、アルカリ金属水酸
化物を用いてPETを加水分解する方法は生成したテレ
フタル酸塩を酸析するために当量の酸を要する問題に加
えて、ジエチレングリコールを副生させるという問題点
が伴っていることから、何れの方法も工業的に有利な方
法とは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】PETの加水分解助剤
としてアンモニアを用いる従来の方法は上記の問題点の
外にも下記のような各種の解決困難な問題点を伴うの
で、工業的に実施するに適した方法ではない。 ・加水分解によってアンモニウム塩を生成させるために
は高い温度で反応を行なうことを要する、 ・加水分解によってアンモニウム塩を生成させるために
は高い圧力で反応を行なうことを要する。
としてアンモニアを用いる従来の方法は上記の問題点の
外にも下記のような各種の解決困難な問題点を伴うの
で、工業的に実施するに適した方法ではない。 ・加水分解によってアンモニウム塩を生成させるために
は高い温度で反応を行なうことを要する、 ・加水分解によってアンモニウム塩を生成させるために
は高い圧力で反応を行なうことを要する。
【0004】また、PETの加水分解助剤としてアルカ
リ金属水酸化物を用いる従来の方法はカルボキシル基に
対して当量の酸を要することに加えて、ジエチレングリ
コールの副生を伴うことから、この方法も工業的実施に
適する方法とは言い難い。
リ金属水酸化物を用いる従来の方法はカルボキシル基に
対して当量の酸を要することに加えて、ジエチレングリ
コールの副生を伴うことから、この方法も工業的実施に
適する方法とは言い難い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は加水分解助
剤としてアンモニアよりも強塩基性ではあるがアルカリ
金属水酸化物よりも弱塩基性物質であるアミンを用いる
ことにより、上記の課題が解決できることを見出し、こ
の知見に基づいて検討を進めた結果、本発明を完成し
た。
剤としてアンモニアよりも強塩基性ではあるがアルカリ
金属水酸化物よりも弱塩基性物質であるアミンを用いる
ことにより、上記の課題が解決できることを見出し、こ
の知見に基づいて検討を進めた結果、本発明を完成し
た。
【0006】即ち、アミンを加水分解助剤とする本発明
の製造方法は下記の種々の長所を有する: ・芳香族ジカルボン酸塩の生産性を向上させることがで
きる。これは生成するアミン塩がアンモニウム塩よりも
高い溶解度を備えていることの寄与によると考えられ
る、 ・反応温度を低下させることができる。これはアミンの
方がアンモニアよりも高い反応性を示すことによると考
えられる ・反応圧力を低下させることができる。これはアミンの
蒸気圧がアンモニアの蒸気圧よりも低いことによる。 ・ジエチレングリコールの副生が抑制される。これはア
ミンの塩基性がアルカリ金属水酸化物の塩基性よりも弱
いことによる。
の製造方法は下記の種々の長所を有する: ・芳香族ジカルボン酸塩の生産性を向上させることがで
きる。これは生成するアミン塩がアンモニウム塩よりも
高い溶解度を備えていることの寄与によると考えられ
る、 ・反応温度を低下させることができる。これはアミンの
方がアンモニアよりも高い反応性を示すことによると考
えられる ・反応圧力を低下させることができる。これはアミンの
蒸気圧がアンモニアの蒸気圧よりも低いことによる。 ・ジエチレングリコールの副生が抑制される。これはア
ミンの塩基性がアルカリ金属水酸化物の塩基性よりも弱
いことによる。
【0007】従って、本発明のポリエステルの加水分解
方法は技術面からだけでなくコスト面からも工業的に有
利なに方法であるということになる。 [本発明の製造条件]本発明方法は下記の4段階から構
成されている。尤も、段階(1)と段階(2)とは一括して行
なうことができる: (1)ポリエステルの加水分解段階 (2)生成した酸のアミン塩形成段階 (3)アミン塩の分解段階及び (4)母液からのアルキレングリコール回収段階。
方法は技術面からだけでなくコスト面からも工業的に有
利なに方法であるということになる。 [本発明の製造条件]本発明方法は下記の4段階から構
成されている。尤も、段階(1)と段階(2)とは一括して行
なうことができる: (1)ポリエステルの加水分解段階 (2)生成した酸のアミン塩形成段階 (3)アミン塩の分解段階及び (4)母液からのアルキレングリコール回収段階。
【0008】段階(1)は100〜250℃の範囲で行な
うことを要する。この段階は好ましくは150〜210
℃で行なう。段階(2)は通常0〜250℃、好ましくは
150〜210℃で行なう。しかし、段階(1)と一括し
て行なう場合には、それに従う。
うことを要する。この段階は好ましくは150〜210
℃で行なう。段階(2)は通常0〜250℃、好ましくは
150〜210℃で行なう。しかし、段階(1)と一括し
て行なう場合には、それに従う。
【0009】段階(3)は通常50〜180℃、好ましく
は90〜150℃で行なう。段階(4)は芳香族ジカルボ
ン酸回収後の母液から先ず水を蒸発させて濃縮し、次に
減圧蒸留に移行する。母液の濃縮は通常、常圧下に95
〜110℃において行なわれる。次に減圧蒸留を通常7
0〜180℃、圧力5〜100mmHgで行なう。特に高沸
点のグリコール類を回収する場合には、更に減圧度を高
めてグリコールの変質を防止することが有用である。
は90〜150℃で行なう。段階(4)は芳香族ジカルボ
ン酸回収後の母液から先ず水を蒸発させて濃縮し、次に
減圧蒸留に移行する。母液の濃縮は通常、常圧下に95
〜110℃において行なわれる。次に減圧蒸留を通常7
0〜180℃、圧力5〜100mmHgで行なう。特に高沸
点のグリコール類を回収する場合には、更に減圧度を高
めてグリコールの変質を防止することが有用である。
【0010】[ポリエステル]本発明方法の加水分解対
象であるポリエステルは例えばテレフタル酸、イソフタ
ル酸、それらのアルキル置換体、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸等をカルボン酸側の構成単
位として含有するポリエステルである。
象であるポリエステルは例えばテレフタル酸、イソフタ
ル酸、それらのアルキル置換体、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸等をカルボン酸側の構成単
位として含有するポリエステルである。
【0011】[アミン]本発明方法で加水分解助剤とし
て用いられるアミンは脂肪族アミン、脂環族アミン、芳
香族アミン及び複素環アミンから選ばれる1種以上であ
る。これらのアミンが備えるべき性状は下記の通りであ
る: ・ポリエステルの加水分解を促進する、 ・芳香族ジカルボン酸と反応して水溶性の塩を形成す
る、 ・形成された水溶性の塩が比較的低温で分解されて芳香
族ジカルボン酸及びアミンを再生する、 ・ジエチレングリコールの副生を抑制する、 ・アミン塩の分解が行われる高温でもそれ自身は分解も
変質もしない、 ・アミン塩の分解が行われる高温でも着色しない。
て用いられるアミンは脂肪族アミン、脂環族アミン、芳
香族アミン及び複素環アミンから選ばれる1種以上であ
る。これらのアミンが備えるべき性状は下記の通りであ
る: ・ポリエステルの加水分解を促進する、 ・芳香族ジカルボン酸と反応して水溶性の塩を形成す
る、 ・形成された水溶性の塩が比較的低温で分解されて芳香
族ジカルボン酸及びアミンを再生する、 ・ジエチレングリコールの副生を抑制する、 ・アミン塩の分解が行われる高温でもそれ自身は分解も
変質もしない、 ・アミン塩の分解が行われる高温でも着色しない。
【0012】上記の要件から帰納されるアミンの性状は
適度な塩基性、水溶性塩を形成する能力、耐熱変色性及
び耐熱変質性(耐熱安定性)等である。本発明の方法に
適用可能なアミンは例えば下記のものである: ・脂肪族アミン:例えばトリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、ジメチルアミン又はジエ
チルアミン ・脂環族アミン:例えばN,N-ジメチルシクロヘキシルア
ミン、N-メチルシクロヘキシルアミン又はシクロヘキシ
ルアミン ・芳香族アミン:例えばN,N-ジメチルアニリン、N,N-ジ
エチルアニリン、N,N-ジブチルアニリン、N,N-ジメチル
トルイジン、N,N-ジエチルトルイジン ・複素環アミン:例えば2,6-ルチジン、N-メチルピペリ
ジン、N-メチルピロリジン。
適度な塩基性、水溶性塩を形成する能力、耐熱変色性及
び耐熱変質性(耐熱安定性)等である。本発明の方法に
適用可能なアミンは例えば下記のものである: ・脂肪族アミン:例えばトリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、ジメチルアミン又はジエ
チルアミン ・脂環族アミン:例えばN,N-ジメチルシクロヘキシルア
ミン、N-メチルシクロヘキシルアミン又はシクロヘキシ
ルアミン ・芳香族アミン:例えばN,N-ジメチルアニリン、N,N-ジ
エチルアニリン、N,N-ジブチルアニリン、N,N-ジメチル
トルイジン、N,N-ジエチルトルイジン ・複素環アミン:例えば2,6-ルチジン、N-メチルピペリ
ジン、N-メチルピロリジン。
【0013】本発明方法においては、ポリエステルの加
水分解によって一旦形成された芳香族ジカルボン酸のア
ミン塩、中でも第三級アミン塩は一般に水によく溶解す
る性質を利用して、水溶液の状態で活性炭等による精製
又は水溶液からの再結晶による精製等の通常の精製方法
によって精製することができる。なお、活性炭等は加水
分解前に添加しても、加水分解後に添加してもよい。
水分解によって一旦形成された芳香族ジカルボン酸のア
ミン塩、中でも第三級アミン塩は一般に水によく溶解す
る性質を利用して、水溶液の状態で活性炭等による精製
又は水溶液からの再結晶による精製等の通常の精製方法
によって精製することができる。なお、活性炭等は加水
分解前に添加しても、加水分解後に添加してもよい。
【0014】本発明方法において生成した芳香族ジカル
ボン酸のアミン塩は加熱により及び/又は窒素のような
不活性ガスの吹込みによって、構成単位に対応する芳香
族ジカルボン酸とアミンとに分解することができる。
ボン酸のアミン塩は加熱により及び/又は窒素のような
不活性ガスの吹込みによって、構成単位に対応する芳香
族ジカルボン酸とアミンとに分解することができる。
【0015】芳香族ジカルボン酸アミン塩の分解によっ
て再生されたアミンは一般に加水分解助剤として再使用
することができる。即ち、最初に所定量のアミンを装入
すれば、その後では消失した少量のアミンだけを補充す
るだけで足りる。
て再生されたアミンは一般に加水分解助剤として再使用
することができる。即ち、最初に所定量のアミンを装入
すれば、その後では消失した少量のアミンだけを補充す
るだけで足りる。
【0016】従って、本発明方法は原料を効率的に活用
できるばかりでなく、排水及び排気等の点でも有用であ
る。本発明方法では、精製した芳香族ジカルボン酸アミ
ン塩を分解して精製芳香族ジカルボン酸を結晶として遊
離させた後にこれを濾別し、その母液からアルキレング
リコールを蒸留によって回収することができる。
できるばかりでなく、排水及び排気等の点でも有用であ
る。本発明方法では、精製した芳香族ジカルボン酸アミ
ン塩を分解して精製芳香族ジカルボン酸を結晶として遊
離させた後にこれを濾別し、その母液からアルキレング
リコールを蒸留によって回収することができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明の範囲はこれら実施例により何ら限定されるもの
ではない。
本発明の範囲はこれら実施例により何ら限定されるもの
ではない。
【0018】
【実施例1】清涼飲料水用の緑色PETボトルの細砕品
96.0g、トリメチルアミン64.9g(1.1モル)及び
水169.4gをオートクレーブ中において200℃で2
時間加熱下に攪拌して、PETの加水分解とテレフタル
酸のトリメチルアミン塩形成とを一括して行なった。得
られた反応混合物を40℃まで冷却し、これに活性炭5
gを加えて室温及び常圧で30min攪拌した。次に、反応
混合物を濾過して活性炭等を除去した。得られた無色の
濾液に窒素を吹き込みながら加熱下に1時間還流処理し
た後に析出物を濾取し、これを水洗及び乾燥した結果、
無色のテレフタル酸(純度99.9%)が78.9g得ら
れた(収率95.0%)。
96.0g、トリメチルアミン64.9g(1.1モル)及び
水169.4gをオートクレーブ中において200℃で2
時間加熱下に攪拌して、PETの加水分解とテレフタル
酸のトリメチルアミン塩形成とを一括して行なった。得
られた反応混合物を40℃まで冷却し、これに活性炭5
gを加えて室温及び常圧で30min攪拌した。次に、反応
混合物を濾過して活性炭等を除去した。得られた無色の
濾液に窒素を吹き込みながら加熱下に1時間還流処理し
た後に析出物を濾取し、これを水洗及び乾燥した結果、
無色のテレフタル酸(純度99.9%)が78.9g得ら
れた(収率95.0%)。
【0019】一方、母液から水を常圧で留去した後に残
留する液状物を減圧蒸留すると、無色のエチレングリコ
ール(純度99.5%以上)30.3gが得られた(収率
97.3%)。
留する液状物を減圧蒸留すると、無色のエチレングリコ
ール(純度99.5%以上)30.3gが得られた(収率
97.3%)。
【0020】
【実施例2及び3】実施例1におけるトリメチルアミン
の代わりに表1に示したアミンを用いた以外には実施例
1と同様に実施したところ、表1の結果が得られた。
の代わりに表1に示したアミンを用いた以外には実施例
1と同様に実施したところ、表1の結果が得られた。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例4】清涼飲料水用の緑色PETボトルの細砕品
96.0g、2,6-ルチジン117.7g(1.1モル)、水
700g及び活性炭5gをオートクレーブ中において21
0℃で3時間加熱下に攪拌して、PETの加水分解とテ
レフタル酸の塩形成とを一括して行なった。反応混合物
を50℃に冷却した後に濾過して活性炭等を除去し、得
られた無色の濾液から水−ルチジン(620g)を常圧
で留去すると、無色の結晶が析出した。析出物を濾取
し、これを水洗及び乾燥した結果、無色のテレフタル酸
(純度99.9%)78.4gが得られた(収率94.5
%)。
96.0g、2,6-ルチジン117.7g(1.1モル)、水
700g及び活性炭5gをオートクレーブ中において21
0℃で3時間加熱下に攪拌して、PETの加水分解とテ
レフタル酸の塩形成とを一括して行なった。反応混合物
を50℃に冷却した後に濾過して活性炭等を除去し、得
られた無色の濾液から水−ルチジン(620g)を常圧
で留去すると、無色の結晶が析出した。析出物を濾取
し、これを水洗及び乾燥した結果、無色のテレフタル酸
(純度99.9%)78.4gが得られた(収率94.5
%)。
【0023】
【実施例5】実施例1における反応温度を180℃に変
えた以外には実施例1と同様に実施したところ、テレフ
タル酸78.3g(収率94.3%)が得られた。
えた以外には実施例1と同様に実施したところ、テレフ
タル酸78.3g(収率94.3%)が得られた。
【0024】
【比較例1】実施例1におけるトリメチルアミンの代わ
りにアンモニア51.0g(3モル)を用い、水の量を9
00gに増加した以外には実施例1と同様に実施したと
ころ、得られたテレフタル酸の収率は26.5%に過ぎ
なかった。
りにアンモニア51.0g(3モル)を用い、水の量を9
00gに増加した以外には実施例1と同様に実施したと
ころ、得られたテレフタル酸の収率は26.5%に過ぎ
なかった。
【0025】濾液及び洗液を硫酸で酸性にして析出した
固形物を濾取し、これを水洗及び乾燥すると、更にテレ
フタル酸が回収された(回収率71.1%)。
固形物を濾取し、これを水洗及び乾燥すると、更にテレ
フタル酸が回収された(回収率71.1%)。
【0026】
【発明の効果】本発明方法によれば、使用済みのポリエ
ステル樹脂から精製テレフタル酸及びアルキレングリコ
ールを製造することができる。本発明方法の種々の効果
は下記に例示された通りである: ・加水分解助剤であるアミンを効率的に繰り返し使用す
ることができる、 ・排水及び排気に対する影響を効果的に防止できる、 ・経済的に有利である。
ステル樹脂から精製テレフタル酸及びアルキレングリコ
ールを製造することができる。本発明方法の種々の効果
は下記に例示された通りである: ・加水分解助剤であるアミンを効率的に繰り返し使用す
ることができる、 ・排水及び排気に対する影響を効果的に防止できる、 ・経済的に有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08G 63/16 C08G 63/16 C08J 11/28 C08J 11/28 // C08L 67:00 (56)参考文献 特開 昭60−8333(JP,A) 特開 平6−157402(JP,A) 特開 平6−199734(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 11/00 - 11/28 C08G 63/00 C08G 63/127 C08G 63/16 C07C 31/20 C07C 63/14
Claims (9)
- 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸単位及びアルキレン
グリコール単位を構成成分として含有するポリエステル
を加水分解して芳香族ジカルボン酸及びアルキレングリ
コールを製造する方法において、加水分解助剤としてア
ミンを使用することを特徴とする芳香族ジカルボン酸及
びアルキレングリコールの製造方法。 - 【請求項2】 アミンが脂肪族アミン、脂環族アミン、
芳香族アミン及び複素環アミンから選ばれる1種以上の
アミンであることを特徴とする請求項1に記載の芳香族
ジカルボン酸及びアルキレングリコールの製造方法。 - 【請求項3】 脂肪族アミンがトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルアミン及
びジエチルアミンから選ばれる1種以上の脂肪族アミン
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族
ジカルボン酸及びアルキレングリコールの製造方法。 - 【請求項4】 脂環族アミンがN,N-ジメチルシクロヘキ
シルアミン及びシクロヘキシルアミンから選ばれる1種
以上の脂環族アミンであることを特徴とする請求項1又
は2に記載の芳香族ジカルボン酸及びアルキレングリコ
ールの製造方法。 - 【請求項5】 芳香族アミンがN,N-ジメチルアニリン、
N,N-ジエチルアニリン及びN,N-ジブチルアニリンから選
ばれる1種以上の芳香族アミンであることを特徴とする
請求項1又は2に記載の芳香族ジカルボン酸及びアルキ
レングリコールの製造方法。 - 【請求項6】 複素環アミンがピリジン、ピペリジン、
ピロリジン及びそれらの誘導体から選ばれる1種以上の
複素環アミンであることを特徴とする請求項1又は2に
記載の芳香族ジカルボン酸及びアルキレングリコールの
製造方法。 - 【請求項7】 加水分解を100℃〜250℃で行なう
ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の芳香族
ジカルボン酸及びアルキレングリコールの製造方法。 - 【請求項8】 ポリエステルの加水分解で生成した芳香
族ジカルボン酸アミン塩を50℃〜180℃で分解する
ことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の芳香族
ジカルボン酸の製造方法。 - 【請求項9】 ポリエステルの加水分解で生成するアル
キレングリコールを芳香族ジカルボン酸濾別後の母液か
ら蒸留によって回収することを特徴とする請求項1〜7
の何れかに記載のアルキレングリコールの製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4737293A JP3179231B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | ポリエステル樹脂から芳香族ジカルボン酸及びアルキレングリコールを製造する方法 |
US08/313,184 US5565609A (en) | 1993-02-12 | 1994-02-09 | Method of purifying aromatic dicarboxylic acids |
PCT/JP1994/000197 WO1994018152A1 (en) | 1993-02-12 | 1994-02-09 | Method of purifying aromatic dicarboxylic acid |
EP94906366A EP0636600B1 (en) | 1993-02-12 | 1994-02-09 | Method of purifying aromatic dicarboxylic acid |
DE69410363T DE69410363T2 (de) | 1993-02-12 | 1994-02-09 | Verfahren zur reinigung aromatischer dicarbonsäuren |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4737293A JP3179231B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | ポリエステル樹脂から芳香族ジカルボン酸及びアルキレングリコールを製造する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06240046A JPH06240046A (ja) | 1994-08-30 |
JP3179231B2 true JP3179231B2 (ja) | 2001-06-25 |
Family
ID=12773278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4737293A Expired - Fee Related JP3179231B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | ポリエステル樹脂から芳香族ジカルボン酸及びアルキレングリコールを製造する方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3179231B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1993
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