JPH09254661A - 自動車のドア構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 窓ガラスを案内するガイドレールを強固に支
持させた場合でも、ドアの構成が簡単になるようにす
る。ドアがガーニッシュやウェザーストリップを備えた
場合でも、このドアの構成が簡単になるようにする。 【解決手段】 インナパネル３とアウタパネル４とでド
ア本体２を形成する。このドア本体２の上縁部から上方
に向けて窓サッシ７を突出させ窓開口１２とする。上記
両パネル３，４間の空間１７と上記窓開口１２とで昇降
自在とされる窓ガラス１９を設ける。この窓ガラス１９
を上下方向に案内するガイドレール２１を設ける。この
ガイドレール２１の下部２１ａを上記空間１７内に位置
させる一方、同上ガイドレール２１の上部２１ｂを上記
窓開口１２に位置させる。上記ガイドレール２１の長手
方向の中途部２１ｃを、上記両パネル３，４の各上縁部
１４，１５で挟み付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ドア窓の窓ガラス
を上下方向に案内するガイドレールを備えた自動車のド
ア構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記自動車のドアには、従来、実開平１
‐６２９２３号公報の特に第２図、第４図で示されたも
のがある。

【０００３】これによれば、車幅方向で離れて対面した
インナパネルとアウタパネルとでドア本体が形成されて
いる。このドア本体の上縁部から上方に向けて窓サッシ
が突出させられこれらドア本体の上縁部と上記窓サッシ
とで囲まれた空間が窓開口とされている。上記両パネル
の各上縁部間に形成されたスリットを通し上記両パネル
間の空間と上記窓開口とで昇降自在とされる窓ガラスが
設けられ、この昇降で、上記窓開口が開閉されるように
なっている。

【０００４】上記窓ガラスを上下方向に案内するガイド
レールが設けられている。このガイドレールの下部は上
記空間内に位置してその下端が上記ドア本体に支持さ
れ、一方、同上ガイドレールの上部は上記窓開口に位置
してその上端が上記窓サッシに支持され、更に、上記ガ
イドレールの長手方向の中途部は、上記インナパネルの
上縁部に対し、ブラケットとボルトを備えた支持具によ
り支持されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術によれば、ガイドレールは、その下端がドア本体に
支持され、上端が窓サッシに支持され、更に、中途部が
支持具によりドア本体の上縁部に支持され、これによ
り、上記ドア本体と窓サッシとに強固に支持されている
が、支持点が多い分、部品点数が多くなって、ドアの構
成が複雑になっている。

【０００６】また、上記構成において、従来、ドアには
ガーニッシュやウェザーストリップを備えたものがある
が、これらもドア本体や窓サッシに対し、それぞれ支持
具によって支持されており、このため、ドアの部品点数
が更に多くなって、その構成が複雑になっている。

【０００７】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、窓ガラスを案内するガイドレールを強固
に支持させた場合でも、ドアの構成が簡単になるように
することを課題とする。

【０００８】また、ドアがガーニッシュやウェザースト
リップを備えた場合でも、このドアの構成が簡単になる
ようにすることを課題とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明の自動車のドア構造は、次の如くである。

【００１０】請求項１の発明は、車幅方向で離れて対面
しその各外縁部が互いに結合されたインナパネル３とア
ウタパネル４とでドア本体２を形成し、このドア本体２
の上縁部から上方に向けて窓サッシ７を突出させてこれ
らドア本体２の上縁部と上記窓サッシ７とで囲まれた空
間を窓開口１２とし、上記両パネル３，４の各上縁部１
４，１５間に形成したスリット１６を通し上記両パネル
３，４間の空間１７と上記窓開口１２とで昇降自在とさ
れる窓ガラス１９を設け、この窓ガラス１９を上下方向
に案内するガイドレール２１を設け、このガイドレール
２１の下部２１ａを上記空間１７内に位置させると共に
その下端を上記ドア本体２に支持させる一方、同上ガイ
ドレール２１の上部２１ｂを上記窓開口１２に位置させ
ると共にその上端を上記窓サッシ７に支持させた場合に
おいて、上記ガイドレール２１の長手方向の中途部２１
ｃを、上記両パネル３，４の各上縁部１４，１５で挟み
付けたものである。

【００１１】請求項２の発明は、請求項１の発明に加え
て、ガイドレール２１の上部２１ｂと、窓サッシ７との
間の空間を閉じるガーニッシュ３０を設けた場合におい
て、上記ガーニッシュ３０の下部を、両パネル３，４の
うち少なくともいずれか一方のパネルの上縁部１４，１
５と上記ガイドレール２１とで挟み付けたものである。

【００１２】請求項３の発明は、請求項１、もしくは２
の発明に加えて、アウタパネル４の上縁部１５とガイド
レール２１との間にウェザーストリップ３８を介設した
場合において、上記ウェザーストリップ３８を、上記ア
ウタパネル４の上縁部１５とガイドレール２１とで挟み
付けたものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。

【００１４】図２〜４において、符号１はサイドドア
で、このドア１は自動車の車体側壁に設けられたドア開
口を開閉自在に閉じている。また、図中矢印Ｆｒはこの
自動車の前方を示している。

【００１５】全図において、上記ドア１のドア本体２は
板金製で、車幅方向に少し離れて対面するインナパネル
３とアウタパネル４とを備え、このインナパネル３とア
ウタパネル４はその各外縁部、より具体的には、各前、
後縁部と各下縁部とが溶接により互いに強固に結合させ
られている。

【００１６】上記ドア１は上記ドア本体２の上側に設け
られる板金製のドア窓６を備えている。このドア窓６は
上記ドア本体２の上縁部から上方に向けて突出する側面
視で門形の窓サッシ７を有し、この窓サッシ７は上記ド
ア本体２の上縁部の前端から後上方に向けて突出する前
部枠８と、同上ドア本体２の上縁部の後端から前上方に
向けて突出する後部枠９と、これら前部枠８と後部枠９
の各上端同士を結合させる上部枠１０とで構成されてい
る。

【００１７】上記ドア１の側面視（図２）で、上記ドア
本体２の上縁部と、上記窓サッシ７とで囲まれた空間が
窓開口１２とされている。

【００１８】上記インナパネル３とアウタパネル４の各
上縁部１４，１５間にはスリット１６が形成されてい
る。このスリット１６は、上記インナパネル３とアウタ
パネル４との間の平坦な空間１７を上記ドア本体２の上
方にある窓開口１２に向って貫通させ、前後に長く延び
ている。

【００１９】上記スリット１６を通し、上記空間１７か
ら上記窓開口１２に向って窓ガラス１９が突出させられ
ている。この窓ガラス１９の前後方向の各端縁部を上下
方向に摺動自在に嵌合させる前後一対のガイドレール２
０，２１が設けられ、これら各ガイドレール２０，２１
により、上記窓ガラス１９は上下の一定方向にのみ案内
されて、前記したように昇降自在とされている。

【００２０】上記前後ガイドレール２０，２１のうち、
前側のガイドレール２０の下部は上記空間１７内に位置
させられており、その下端は上記ドア本体２に不図示の
下支持具により支持されている。また、同上ガイドレー
ル２０の上部は上記窓開口１２の前端に位置させられる
と共に、上記窓サッシ７の前部枠８に不図示の上支持具
により支持されている。

【００２１】上記前後ガイドレール２０，２１のうち、
後側のガイドレール２１の下部２１ａは上記空間１７内
に位置させられており、その下端は上記ドア本体２のイ
ンナパネル３に締結具である下支持具２３により着脱自
在に固着されて支持されている。また、同上ガイドレー
ル２１の上部２１ｂは上記窓開口１２の後端部に位置さ
せられると共に、その上端は上記窓サッシ７の後部枠９
の長手方向の中途部に上支持具２４により着脱自在に固
着されて支持されている。２５はドアロックである。

【００２２】図１、３〜５、７、８において、上記した
後側のガイドレール２１は、平面視断面が前方に開くほ
ぼコの字形状の板金製レール本体２６と、平面視断面が
前方に開くほぼコの字形状をなして上記レール本体２６
に嵌入されて固着される弾性でゴム、もしくは樹脂製の
ガラスラン２７とで構成されている。そして、上記レー
ル本体２６は前記した下、上支持具２３，２４によりド
ア本体２と窓サッシ７とに支持され、上記ガラスラン２
７の内部には前記窓ガラス１９の後端縁部が摺動自在に
嵌入させられている。

【００２３】上記ドア本体２の空間１７には、上記窓ガ
ラス１９を昇降駆動させる不図示のウィンドレギュレー
タが設けられている。このウィンドレギュレータへの操
作によって、上記窓ガラス１９が各ガイドレール２０，
２１に案内されて昇降し、その上昇で各図で示すよう
に、窓開口１２が閉じられ、図２中矢印Ａで示すよう
に、同上窓ガラス１９の下降で、上記窓開口１２が開か
れるようになっている。

【００２４】ドア１の側面視で、上記上支持具２４は、
上記ドア本体２の上縁部とガイドレール２１の上部２１
ｂと窓サッシ７の後部枠９下部とで囲まれた三角形状の
空間２９を塞ぐ三角形状のガーニッシュ３０と、このガ
ーニッシュ３０を上記後部枠９に着脱自在に固着させる
締結具３１とで構成されている。上記ガーニッシュ３０
は樹脂製で、多少の弾性を有している。

【００２５】全図において、上記ガーニッシュ３０は、
車幅方向で少し離れて対面する左右一対の板状のガーニ
ッシュ本体３３，３３と、これらガーニッシュ本体３
３，３３の各前端部を互いに一体的に結合させる前部結
合体３４と、同上ガーニッシュ本体３３，３３の各後端
部を互いに一体的に結合させる後部結合体３５とで構成
され、これら前部結合体３４と後部結合体３５の各上端
部は互いに一体化されている。このガーニッシュ３０
は、各ガーニッシュ本体３３、前部結合体３４、および
後部結合体３５が一体成形されているため、構成が簡単
で、かつ、前部結合体３４と後部結合体３５とが補強材
として働くことにより、強度と剛性が向上させられてい
る。

【００２６】上記左右ガーニッシュ本体３３，３３の各
前端と、前部結合体３４とで囲まれた空間は上記ガーニ
ッシュ３０の前端縁に沿って上下方向に延びる係止溝３
６とされ、前方に向って開口している。この係止溝３６
に上記ガイドレール２１のレール本体２６の上部が嵌脱
自在に嵌合させられて固着させられることにより、上記
ガイドレール２１の上部２１ｂの上端が、上記上支持具
２４を構成するガーニッシュ３０と締結具３１とを介し
窓サッシ７の後部枠９に、前記したように支持されてい
る。

【００２７】図１、３〜６において、上記ガイドレール
２１の上部２１ｂの後方で、上記インナパネル３とアウ
タパネル４の各上縁部１４，１５の間のスリット１６に
上記ガーニッシュ３０の下部が嵌入させられている。上
記アウタパネル４の上縁部１５と、ガイドレール２１の
長手方向の中途部２１ｃとの間の隙間を塞ぐよう、より
具体的には、上記上縁部１５と、ガーニッシュ３０の下
部との間の隙間を塞ぐよう、この隙間に、弾性でゴム製
のウェザーストリップ３８が嵌入されている。

【００２８】また、上記ウェザーストリップ３８の前方
で、上記アウタパネル４の上縁部１５と、窓ガラス１９
の外面との間の隙間を塞ぐよう、これらの間に弾性でゴ
ム製の他のウェザーストリップ３９が介設されている。
上記ウェザーストリップ３８と他のウェザーストリップ
３９とは一体成形されている。

【００２９】全図において、上記ガイドレール２１の長
手方向の中途部２１ｃは、上記ガーニッシュ３０の下部
とウェザーストリップ３８と共に、車幅方向で、上記イ
ンナパネル３とアウタパネル４の各上縁部１４，１５で
挟み付けられている。この際、上記ガーニッシュ３０と
ウェザーストリップ３８とは共に弾性的に少し圧縮させ
られ、つまり、上記ガイドレール２１の中途部２１ｃ
は、ガーニッシュ３０の下部とウェザーストリップ３８
と共に、上記インナパネル３とアウタパネル４の各上縁
部１４，１５で弾性的に挟み付けられて、これら両パネ
ル３，４に強固に、かつ、がたつきなく支持されてい
る。

【００３０】そして、上記した下支持具２３と上支持具
２４による支持、およびインナパネル３とアウタパネル
４の各上縁部１４，１５の挟み付けによる支持により、
上記ガイドレール２１はドア本体２と窓サッシ７に対し
強固に支持されている。

【００３１】なお、上記インナパネル３とアウタパネル
４の各上縁部１４，１５において、ガイドレール２１の
後部に対応した部分では、このガイドレール２１とガー
ニッシュ３０の下部とから離れるよう車幅方向でへこま
されて凹所１４ａ，１５ａとされており、つまり、上記
各上縁部１４，１５による挟み付け力が、上記ガイドレ
ール２１の中途部２１ｃの一部に集中することとされ、
これにより、上記ガイドレール２１の中途部２１ｃがよ
り強固に支持されている。

【００３２】なお、以上は図示の例によるが、インナパ
ネル３とアウタパネル４の各上縁部１４，１５で、ガー
ニッシュ３０の下部やウェザーストリップ３８を介する
ことなく、ガイドレール２１の中途部２１ｃを挟み付け
て、この中途部２１ｃを直接的にドア本体２に支持させ
るようにしてもよい。

【００３３】

【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。

【００３４】請求項１の発明は、車幅方向で離れて対面
しその各外縁部が互いに結合されたインナパネルとアウ
タパネルとでドア本体を形成し、このドア本体の上縁部
から上方に向けて窓サッシを突出させこれらドア本体の
上縁部と上記窓サッシとで囲まれた空間を窓開口とし、
上記両パネルの各上縁部間に形成したスリットを通し上
記両パネル間の空間と上記窓開口とで昇降自在とされる
窓ガラスを設け、この窓ガラスを上下方向に案内するガ
イドレールを設け、このガイドレールの下部を上記空間
内に位置させると共にその下端を上記ドア本体に支持さ
せる一方、同上ガイドレールの上部を上記窓開口に位置
させると共にその上端を上記窓サッシに支持させた自動
車のドア構造において、上記ガイドレールの長手方向の
中途部を、上記両パネルの各上縁部で挟み付けてある。

【００３５】このため、ドア本体と窓サッシに対し、ガ
イドレールの下端、上端および中途部が支持されて、こ
の支持が強固になる。そして、この場合、同上ドア本体
に対するガイドレールの中途部の支持は両パネルの利用
によって達成される。

【００３６】よって、ドア本体と、窓サッシに対しガイ
ドレールの上、下端と中途部とを支持させて、この支持
を強固にさせた場合でも、このドアの部品点数の増加が
回避されて、ドアの構成が簡単なままに保たれる。

【００３７】請求項２の発明は、ガイドレールの上部
と、窓サッシとの間の空間を閉じるガーニッシュを設け
た自動車のドア構造において、上記ガーニッシュの下部
を、両パネルのうち少なくともいずれか一方のパネルの
上縁部と上記ガイドレールとで挟み付けてある。

【００３８】このため、ドア本体に対するガーニッシュ
の支持は、両パネルのうちの少なくともいずれか一方の
パネルとガイドレールの利用によって達成される。

【００３９】よって、ガーニッシュの支持にドアの構成
部品が利用された分、このドアの部品点数の増加が回避
されて、ドアの構成が簡単なままに保たれる。

【００４０】請求項３の発明は、アウタパネルの上縁部
とガイドレールとの間にウェザーストリップを介設した
自動車のドア構造において、上記ウェザーストリップ
を、上記アウタパネルの上縁部とガイドレールとで挟み
付けてある。

【００４１】このため、ドア本体に対するウェザースト
リップの支持は、アウタパネルとガイドレールの利用に
よって達成される。

【００４２】よって、ウェザーストリップの支持にドア
の構成部品が利用された分、このドアの部品点数の増加
が回避されて、ドアの構成が簡単なままに保たれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図３の１‐１線矢視断面図である。

【図２】ドアを車室側からみた側面図である。

【図３】図２の部分拡大図である。

【図４】ドアの部分拡大斜視図である。

【図５】図３の５‐５線矢視断面図である。

【図６】図３の６‐６線矢視断面図である。

【図７】図３の７‐７線矢視断面図である。

【図８】図３の８‐８線矢視断面図である。

【符号の説明】

１ ドア ２ ドア本体 ３ インナパネル ４ アウタパネル ６ ドア窓 ７ 窓サッシ １２ 窓開口 １４，１５ 上縁部 １６ スリット １７ 空間 １９ 窓ガラス ２１ ガイドレール ２１ａ 下部 ２１ｂ 上部 ２１ｃ 中途部 ２３ 下支持具 ２４ 上支持具 ２９ 空間 ３０ ガーニッシュ ３８ ウェザーストリップ ３９ 他のウェザーストリップ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車幅方向で離れて対面しその各外縁部が
   互いに結合されたインナパネルとアウタパネルとでドア
   本体を形成し、このドア本体の上縁部から上方に向けて
   窓サッシを突出させこれらドア本体の上縁部と上記窓サ
   ッシとで囲まれた空間を窓開口とし、上記両パネルの各
   上縁部間に形成したスリットを通し上記両パネル間の空
   間と上記窓開口とで昇降自在とされる窓ガラスを設け、
   この窓ガラスを上下方向に案内するガイドレールを設
   け、このガイドレールの下部を上記空間内に位置させる
   と共にその下端を上記ドア本体に支持させる一方、同上
   ガイドレールの上部を上記窓開口に位置させると共にそ
   の上端を上記窓サッシに支持させた自動車のドア構造に
   おいて、 上記ガイドレールの長手方向の中途部を、上記両パネル
   の各上縁部で挟み付けた自動車のドア構造。
2. 【請求項２】 ガイドレールの上部と、窓サッシとの間
   の空間を閉じるガーニッシュを設けた自動車のドア構造
   において、 上記ガーニッシュの下部を、両パネルのうち少なくとも
   いずれか一方のパネルの上縁部と上記ガイドレールとで
   挟み付けた請求項１に記載の自動車のドア構造。
3. 【請求項３】 アウタパネルの上縁部とガイドレールと
   の間にウェザーストリップを介設した自動車のドア構造
   において、 上記ウェザーストリップを、上記アウタパネルの上縁部
   とガイドレールとで挟み付けた請求項１、もしくは２に
   記載の自動車のドア構造。