JP2021194946A - 車両のサイドドア構造及びサイドドア製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、サイドドアのベルトライン部には、水、音及び外気等の車室内への侵入を防止することを目的として、ドアガラスに所定の接触圧で摺接するベルトラインシールアウタ部材(以下、シールアウタ部材と略す)とベルトラインシールインナ部材とが夫々配設されている。
それ故、シールアウタ部材がアウタパネルの外部に全体的に露出しているため、リップ部に加え、基部についても外部から視認されることになり、見栄え悪化を招いていた。
そこで、外部からシールアウタ部材の外部からの視認を回避する技術が提案されている。
しかし、特許文献1の技術では、シールアウタ部材が薄板で剛性の低いアウタパネルの下方向フランジにファスナ部を介して支持される、所謂片持ち支持構造を構成していることから、十分なシール性を確保できない虞がある。
シールアウタ部材が片持ち支持されている場合、基部の取付剛性が低いことから、ドアガラスの昇降移動に伴い基部の取付位置が変位してドアガラスに対するリップ部の接触圧を必要な接触圧に維持することができず、結果的に、シール性悪化を招く虞がある。
即ち、外観性向上とシール性確保とを両立することは容易ではない。
図1に示すように、本実施例1に係る車両Vは、2ドアハードトップ型乗用車であり、左右1対のサッシュレスタイプのサイドドア1を備えている。この車両Vは、左右対称構造であるため、以下、右側部分を主に説明する。また、図において、矢印F方向は前方、矢印OUT方向は車幅方向外方、矢印U方向は上方を夫々示すものとして説明する。
図3に示すように、アウタ部材10は、湾曲した意匠面部を形成すると共に側面視にて略矩形状に形成されたアウタパネル11と、このアウタパネル11の外周縁部にヘミング加工により接続され且つ側面視にて略矩形環状の枠部材12等を備えている。
アウタパネル11と枠部材12は、Al合金材料のパネル材、例えば、厚さ0.8mmの展伸材が夫々プレス成形されている。
図2に示すように、インナ部材30は、車室側壁部を形成すると共に側面視にて略矩形状に形成されたインナパネル31と、このインナパネル31及び各種機能系ドア部品を支持すると共にサイドドア1の骨格部を構成する略矩形環状のフレーム部材32等を備えている。インナパネル31は、Al合金材料のパネル材、例えば、厚さ0.8mmの展伸材がプレス成形されている。
フランジ部41f,42fは、各枠部21〜24の接続壁部に重ね合わされて着脱可能な複数の締結部材b1を介して締結固定される。
レインアウタ部材43は、インナ部材30の上端部において前後方向に直線状に延びると共にドアガラス61よりも車幅方向外側に配置されている。
図4,図6,図8,図13〜図16に示すように、レインアウタ部材43は、閉断面(中空)状に形成されている。このレインアウタ部材43は、閉断面部の前端部及び後端部が、前側縦壁部41及び後側縦壁部42の車幅方向外側上端部に夫々複数の締結部材(図示略)を介して締結されている。レインアウタ部材43は、閉断面部の上端部において前後に直線状に延びるアウタ上縦壁部43aと、閉断面部の下端部において前後に直線状に延びるアウタ下縦壁部43bとを備えている。
図9に示すように、上枠部23は、ヘム部23aと、接続壁部23bとを備えている。ヘム部23aは、略水平状に車幅方向内方に延びてアウタパネル11の外周縁部にヘミング加工にて挟み込まれている。接続壁部23bは、ヘム部23aの車幅方向外端部から下方に延びている。
レインインナ部材44は、インナ部材30の上端部において前後方向に直線状に延びると共にドアガラス61よりも車幅方向内側に配置されている。
図4,図5,図7,図11,図13〜図16に示すように、レインインナ部材44は、閉断面(中空)状に形成されている。このレインインナ部材44は、レインアウタ部材43から車幅方向内方に離隔して配置され、閉断面部の上端部において前後に直線状に延びるインナ上縦壁部44aと、閉断面部の下端部において前後に直線状に延びるインナ下縦壁部44bとを備えている。レインインナ部材44は、インナ上縦壁部44aが前側縦壁部41及び後側縦壁部42の車幅方向内側上端部に締結部材(図示略)を介して夫々1箇所締結され、インナ下縦壁部44bが前側縦壁部41及び後側縦壁部42の車幅方向内側上端部に締結部材(図示略)を介して夫々2箇所締結されている。
固定部72aには、締結部材b4が設けられ、第1切欠部44s内にてストッパ部材70が位置決めされたとき、固定部72aとインナ上縦壁部44aとが締結部材b4を介して連結される。係合部72bは、内側脚部72の下端部内部分から車幅方向内方に突設されている。係合部72bの上端部は、インナ上縦壁部44aの下端部に係合しているため、締結部材b4の締結前において、ストッパ部材70が上方に向けて押圧されても、ストッパ部材70はインナ上縦壁部44aから離脱されない。
閉塞部74は、ストッパ部材70の前後位置に拘らず、車幅方向内側壁部がインナ上縦壁部44aの車幅方向内側壁部に略面当接している。この構成により、インナ上縦壁部44aの車幅方向外側から閉塞部74とインナ上縦壁部44aの隙間を通って車幅方向内側に侵入するノイズを遮断している。
それ故、第2切欠部44tは、上枠部23とアウタ上縦壁部43aとを締結固定する際、締結部材b1を回転駆動する作業工具(例えば、ナットランナ等)が車幅方向内側から各レイン取付部23tの締結部に接近可能に構成されている。
被覆部材48は、鉛直上方に延びると共に上端部分が車幅方向外方に屈曲された断面逆L字状に形成され、インナ上縦壁部44aに対して着脱可能に構成されている。この被覆部材48には、1対の第1切欠部44sに対応して1対の略矩形状の切欠が形成されている。この切欠の前後方向寸法は、第1切欠部44sの前後方向寸法よりも大きく設定されている。
被覆部材48は、上枠部23とアウタ上縦壁部43aの締結作業及びストッパ部材70とインナ上縦壁部44aの締結作業の後、インナ上縦壁部44aに複数の締結部材b3を介して取り付けられる。
Al合金製のスティフナ47は、側面視にて逆三角形状に形成され、上部3箇所がアウタ下縦壁部43bに締結され、下部1箇所がインパクトバー46に締結されている。スティフナ47には、軽量化を狙いとした複数(例えば、3個)の肉抜き部が形成され、これら肉抜き部の周囲にアウタパネル11の裏面に接着可能な複数のシーラ部材47aが設けられている。
レギュレータ機構62は、ドアガラス61をガイドする前後1対のガイドレールと、ドアガラス61を昇降駆動するモータ部等を備えている。レギュレータ機構62は、上部がインナ上縦壁部44aに2個所及びインナ下縦壁部44bに1個所固定され、下部が下壁部45に1個所固定されている。
図中、Si(i=1,2,…)は、各ステップを示す。
アウタパネル11及び枠部材12を準備する。枠部材12の上枠部23に、ヘム部23aと、シール取付部23s及びレイン取付部23tを備える接続壁部23bとを成形する。また、ドアガラスユニット60、ストッパ部材70等のドア付属品及び各種構成部材を準備する。尚、1対の押当部材63は、予めドアガラス61に固定されている。
S3では、前側縦壁部41と、後側縦壁部42と、レインアウタ部材43と、レインインナ部材44と、下壁部45とを接続してインナ部材30の中間体を成形する。
レインアウタ部材43は、前側縦壁部41及び後側縦壁部42の車幅方向外側壁部に締結され、レインインナ部材44は、前側縦壁部41及び後側縦壁部42の車幅方向内側壁部に締結される。
図18(a)に示すように、レインアウタ部材43のアウタ上縦壁部43aと接続壁部23b(上枠部23)のレイン取付部23tを締結部材b1を用いて締結固定する。
このとき、締結部材b1を回転駆動する作業工具は、車幅方向内側から水平状に第2切欠き部44t領域を通ってアウタ上縦壁部43a及びレイン取付部23tに対して接近する。
図18(a)に示すように、上枠部23には、ヘム部23aの下側にヘム部23aと接続壁部23bとが協働して凹部が形成されている。シールアウタ部材54は、ヘム部23aと接続壁部23bとが形成する凹部、具体的には、シール取付部23sに配置され、車幅方向内側で且つレインインナ部材44上方から締結部材b2を用いて締結固定する。
レギュレータ機構62をレインインナ部材44及び下壁部材45に締結固定する。
レギュレータ機構62のモータを回転駆動してドアガラス61を上昇させると共に、ガラス位置決め治具(図示略)を用いてドアガラス61を上限位置にて停止する。
そして、図18(b)に示すように、前後1対のストッパ部材70を前後1対の第1切欠部44sの後端位置に夫々載置する。
図18(c)に示すように、第1切欠部44sの後端位置に載置したストッパ部材70を前方に向かって摺動すると、ドアガラス61に固定された押当部材63のテーパ面とストッパ部材70のテーパ部73とが当接してストッパ部材70の前進が停止される。
図18(d)に示すように、ストッパ部材70が停止した位置において、固定部72aを締結部材b4を介してインナ上縦壁部44aに締結固定する。
図18(d)に示すように、予めシールインナ部材55が装着された被覆部材48の下部を、車幅方向内側からインナ上縦壁部44aに重ね合わせて締結部材b3を用いて締結する。
S9では、フランジ部41f,42f及びインナ下縦壁部44b等にインナパネル31を取り付ける。最後に、図18(e)に示すように、インナ部材30の内側壁部にドアトリム7をファスナ(図示略)にて装着する。
このサイドドア構造によれば、ドアガラス61よりも車幅方向外側で且つインナ部材30の上端部において前後方向に延びるレインアウタ部材43を有するため、インナ部材30の上端部周辺の剛性を確保することができる。アウタ部材10が、アウタパネル11と、このアウタパネル11の外周縁部にヘミング加工により接続された環状の枠部材12とを有するため、意匠面部を構成するアウタパネル11に皺や歪を発生させることなくアウタパネル11と枠部材12とを接続することができる。レインアウタ部材43は、前端部及び後端部がインナ部材30に連結されているため、レインアウタ部材43の前後両端部をインナ部材30の上端部において強固に支持することができる。アウタ部材10とドアガラス61との間をシールするシールアウタ部材54が、レインアウタ部材43に支持されているため、シールアウタ部材54をアウタパネル11の内周側下方部分に配置することができ、アウタ部材54が外部から視認されることを回避することができる。また、シールアウタ部材54が支持剛性の高いレインアウタ部材43に支持されているため、シールアウタ部材54の取付剛性を高くすることができ、ドアガラス61に対するリップ部54bの接触圧を確保することができる。
1〕前記実施形態においては、2ドアハードトップ型乗用車においてサッシュレスタイプのサイドドア1の例を説明したが、車両の型式は任意に選択することができ、また、サッシュタイプのサイドドアに適用することも可能である。
10 アウタ部材
11 アウタパネル
12 枠部材
23 上枠部(接続部材)
23a ヘム部
23b 接続壁部
23s シール取付部
23t レイン取付部
30 インナ部材
43 レインアウタ部材
44 レインインナ部材
54 シールアウタ部材
54a 基部
54b リップ部
61 ドアガラス
V 車両
Claims (6)
- アウタ部材と、このアウタ部材に連結されたインナ部材と、前記アウタ部材とインナ部材の間にドアガラスを含むドア部品とを備えた車両のサイドドア構造において、
前記ドアガラスよりも車幅方向外側で且つ前記インナ部材の上端部において車体前後方向に延びるベルトラインレインアウタ部材を有し、
前記アウタ部材が、アウタパネルと、このアウタパネルの外周縁部にヘミング加工により接続された環状の枠部材とを有し、
前記ベルトラインレインアウタ部材は、車体前後方向前端部及び後端部が前記インナ部材に連結され、
前記アウタ部材と前記ドアガラスとの間をシールするベルトラインシールアウタ部材が、前記ベルトラインレインアウタ部材に支持されたことを特徴とする車両のサイドドア構造。 - 前記ベルトラインレインアウタ部材は押出成形にて閉断面状に形成され、
前記枠部材は、前記アウタパネルの上側縁部にヘミング加工により接続されたヘム部と、前記ヘム部の下方に延設されて前記ベルトラインレインアウタ部材に取り付けられた接続壁部とが形成された接続部材とを有し、
前記ベルトラインシールアウタ部材は、前記接続部材を介して前記ベルトラインレインアウタ部材に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドドア構造。 - 前記接続部材は、前記ヘム部の車幅方向内側端部が前記ドアガラスに沿って略湾曲状に形成されると共に前記接続壁部が前記ベルトラインレインアウタ部材の中空部分から上方に延びる縦壁部に沿って略直線状に構成され、
前記ベルトラインシールアウタ部材は、前記ドアガラスに当接可能な上下1対のリップ部と、前記1対のリップ部の車幅方向外側部分を連結する基部とを有し、
前記基部が、前記ヘム部よりも車幅方向外側に配置された前記接続壁部に取り付けられたことを特徴とする請求項2に記載の車両のサイドドア構造。 - 前記接続壁部は、前記ベルトラインシールアウタ部材が締結される複数のシール取付部と、前記縦壁部に締結される複数のレイン取付部とを有し、
前記複数のシール取付部と複数のレイン取付部の境界部分が側面視にて波状に形成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両のサイドドア構造。 - 前記ドアガラスよりも車幅方向内側で且つ前記インナ部材の上端部において車体前後方向に延びるベルトラインレインインナ部材と、
前記ベルトラインレインインナ部材の上部に取り付けられる被覆部材とを有し、
前記被覆部材は、前記ベルトラインレインインナ部材に着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の車両のサイドドア構造。 - アウタ部材と、このアウタ部材に連結されたインナ部材と、ドアガラスよりも車幅方向外側で且つ前記インナ部材の上端部において車体前後方向に延びるベルトラインレインアウタ部材とを備えた車両のサイドドア製造方法において、
前記アウタ部材をアウタパネルとこのアウタパネルの外周縁部にヘミング加工により接続された環状の枠部材とにより形成するステップと、
前記ベルトラインレインアウタ部材の車体前後方向前端部及び後端部を前記インナ部材に連結すると共に前記ドアガラスよりも車幅方向内側で且つ前記インナ部材の上端部分において車体前後方向に延びるベルトラインレインインナ部材の車体前後方向前端部及び後端部を前記インナ部材に連結するステップと、
前記枠部材に前記インナ部材を車幅方向内側から締結するステップと、
前記アウタ部材と前記ドアガラスとの間をシールするベルトラインシールアウタ部材を前記枠部材に車幅方向内側から締結するステップと、
前記ベルトラインレインインナ部材の上部に着脱可能な被覆部材を取り付けるステップと、
を有することを特徴とする車両のサイドドア製造方法。
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