JPH09254186A - 転写箔用フィルム及びその製造法 - Google Patents

転写箔用フィルム及びその製造法

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JPH09254186A
JPH09254186A JP6813496A JP6813496A JPH09254186A JP H09254186 A JPH09254186 A JP H09254186A JP 6813496 A JP6813496 A JP 6813496A JP 6813496 A JP6813496 A JP 6813496A JP H09254186 A JPH09254186 A JP H09254186A
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JP
Japan
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film
layer
transfer foil
polyester
molding
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JP6813496A
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Mitsumasa Ono
光正 小野
Masayuki Fukuda
雅之 福田
Toshifumi Ishikawa
俊史 石川
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時の接着性に優れ、かつベースフィルム
の作業性に優れ、またフィルムそのものの成形性にも優
れる転写箔用フィルム及びその製造法を提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、金属塩基を有するジカルボン酸成分を2〜12mo
l%共重合した二次転移点が40〜85℃の共重合ポリ
エステルを主成分とし、厚さが0.05〜0.3μmの
被膜層を形成させた転写箔用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転写箔用フィルム及
びその製造法に関し、更に詳しくは射出成形等において
成形と同時に転写印刷するインモールド成形転写用の転
写箔(インモールド成形転写箔用フィルム)の支持フィ
ルムとして有用な転写箔用フィルム及びその製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形等において成形と同時に
転写印刷するインモールド成形転写用の転写箔として、
ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル
フィルムをベースフィルムとして用い、ベースフィルム
の表面に離型層(メジューム層)を設け、更にその上に
印刷層を塗工した積層フィルムが用いられている。
【0003】インモールド成形転写に用いられる積層フ
ィルムは、成形転写の後に離型層面と印刷層面との間で
分離される。即ち、成形転写の後に印刷層は成形品の表
面に接着して製品として取出され、離型層はベースフィ
ルムに積層した状態で成形後取り除かれる。
【0004】しかしながら、従来のインモールド成形転
写用の積層フィルムは、離型層とベースフィルムとの接
着性が不十分であったり、離型層面と印刷層面との離型
性が不十分であったりすることが多く、成形転写の後に
離型層面とベースフィルム面とが分離してしまい、離型
層が印刷層と共に成形品の表面に接着して取出されてし
まうことが頻繁に生じる欠点がある。このような欠点
は、インモールド成形転写において、積層フィルムが延
伸された際の歪みにより離型層とベースフィルムとが剥
離して生じることも多い。
【0005】このような欠点を改良するため、ベースフ
ィルムと離型層の間にポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、アクリル樹脂等からなる接着層を設けてベースフ
ィルムと離型層との接着性を改良する方法が採られる。
しかしながら、この方法では接着層を構成する樹脂の耐
溶剤性が低いため、印刷層を形成する際等に用いられる
溶剤により離型層とベースフィルムとの接着強度が低下
する新たな欠点が生じる。また、ベースフィルムに接着
層を積層したフィルムはフイルム同士が粘着し易く(耐
ブロッキング性が悪く)、このフィルムに離型層を更に
積層する際のハンドリング性に支障をきたす欠点もあ
る。
【0006】また、インモールド成形転写箔は、成形/
転写印刷の工程中で平面の状態から成形物と同じ形状ま
で変形される。その際ベースフィルムの成形性が低い場
合には、成形時に転写箔が十分延伸されることが出来
ず、時には転写箔の破れなどが発生することもあるた
め、成形物の形状を損ない、印刷層が正しく転写されな
い等のトラブルが発生する。
【0007】このようなトラブルを防ぐには、フィルム
の分子配向や結晶化度を低下させてベースフィルムの成
形性を向上させる方法、例えばフィルム製膜の際に延伸
温度、倍率、その他熱処理温度を最適化させる方法が採
られるが、接着層を製膜工程において形成させる場合、
接着層を構成する樹脂の種類によっては製膜の過程でベ
ースフィルムと接着層とが剥離してしまう等の問題が生
じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の欠点を解消し、成形転写の際に離型層面とベースフィ
ルム面との分離が無く、成形時の接着性に優れ、かつベ
ースフィルムの作業性に優れ、またフィルムそのものの
成形性にも優れる転写箔用フィルム及びその製造法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記本
発明の目的の一つは、ポリエステルフィルムの少なくと
も片面に、金属塩基を有するジカルボン酸成分を2〜1
2mol%共重合した二次転移点が40〜85℃の共重
合ポリエステルを主成分とし、厚さが0.05〜0.3
μmの被膜層を形成させた転写箔用フィルムによって達
成される。
【0010】また、本発明によれば、他の目的は、ポリ
エステルフィルムの少なくとも片面に、金属塩基を有す
るジカルボン酸成分を2〜12mol%共重合した二次
転移点が40〜85℃の共重合ポリエステルを主成分と
して含む水性液を塗布し、乾燥、延伸することにより被
膜層を形成させることを特徴とする前記転写箔用フィの
製造法によって達成される。
【0011】[ポリエステル]本発明の転写箔用フィル
ムのベースフィルムを形成するポリエステルは、ジカル
ボン酸成分とグリコール成分からなる飽和線状ポリエス
テルである。このジカルボン酸成分としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボ
ン酸等、グリコール成分としてはエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等
の脂肪族または脂環族グリコールを好ましく挙げること
ができる。上記ポリエステルの具体例としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レンジカルボキシレート等のホモポリマーを挙げること
ができる。また、これらのポリエステルを主成分とする
コポリマーを用いることができる。
【0012】これらのポリエステルには必要に応じて有
機や無機の微粒子を添加することができる。かかる微粒
子としては、通常ポリエステルフィルムに添加されるも
のが使用され、例えば、炭酸カルシウム、酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜
鉛、カーボンブラック、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリ
ル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂
粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等を挙げることができ
る。更にポリエステル中には着色剤、帯電防止剤、酸化
防止剤、有機滑剤、触媒、他の樹脂なども適宜添加する
ことができる。
【0013】[ポリエステルフィルム]本発明において
ベースフィルムであるポリエステルフィルムは、一般に
転写箔用フィルムとして使用される厚さを有していれば
良く10〜150μm、好ましくは20〜100μmの
厚さである。
【0014】本発明におけるポリエステルフィルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、乾燥したポリエステルを周知の押出装置を用いて
溶融し、溶融したポリエステルをシート状に押出し、回
転冷却ドラム上で急冷固化して得られた未延伸シートを
二軸方向に延伸して二軸延伸フィルムとする方法が挙げ
られる。
【0015】この延伸方法としては逐次二軸延伸法や同
時二軸延伸法を用いることができるが、後述の塗工工程
の作業性から逐次二軸延伸法が好ましい。逐次二軸延伸
法での延伸条件としては、前記未延伸シートを60〜1
30℃、好ましくは90〜125℃の温度で2〜6倍、
好ましくは2.5〜4.0倍延伸し、次いで一段目と直
交する方向に60〜130℃、好ましくは90〜125
℃の温度で2〜6倍、好ましくは2.5〜4.5倍延伸
する。尚、一方向の延伸は2段階以上の多段で行う方法
も用いることができるが、その場合も最終的な延伸倍率
が前記した範囲内にあることが望ましい。また、二段目
延伸後中間熱処理をしてから、再度一段目と同じ方向及
び/または二段目と同じ方向に延伸しても良い。
【0016】かくして得られる二軸延伸フィルムを、1
50〜250℃、好ましくは180〜230℃の温度で
1秒〜10分間熱処理する。その際、20%以内の制限
収縮もしくは伸長、または定長下で行い、また2段以上
で行っても良い。
【0017】[共重合ポリエステル]本発明の転写箔用
フィルムにおいては、前記ベースフィルムの少なくとも
片面に、金属塩基を有するジカルボン酸成分を2〜12
mol%共重合した二次転移点が40〜85℃の共重合
ポリエステルを主成分とする被膜層を形成させる。
【0018】この共重合ポリエステルの二次転移点(T
g)は40〜85℃であり、好ましくは45〜80℃で
ある。共重合ポリエステルのTgが40℃未満の場合、
得られたフィルムは耐熱性が低くなり、また耐ブロッキ
ング性が劣り、一方85℃を超えると接着性が劣る。
【0019】また、本発明における共重合ポリエステル
は、ジカルボン酸成分とグリコール成分からなり、金属
塩基を有するジカルボン酸成分を2〜12mol%共重
合成分として含む線状ポリエステルである。この金属塩
基を有するジカルボン酸成分の共重合割合が2mol%
未満の場合、被膜層の溶剤親和力が高くなりすぎるため
耐溶剤性が低くなるので不利であり、一方12mol%
を超えると耐ブロッキング性が劣るので望ましくない。
また、この共重合成分の割合が3〜10mol%である
と、共重合ポリエステルが、水に可溶または水に分散性
の良好な水性ポリエステルとなり、かつ耐ブロッキング
性が更に良好となるため好ましい。
【0020】本発明における共重合ポリエステルの金属
塩基を有するジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,
4’−ジフェニルジカルボン酸、フェニルインダンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸を
挙げることができる。また、トリメリット酸、ジメチロ
ールプロピオン酸等のポリカルボン酸成分を含むもので
あってもよい。
【0021】また、グリコール成分としては、エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,6−シクロヘキサンジメタノール、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ビスフェノールA
のアルキレンオキシド付加物等のポリヒドロキシ化合物
等を挙げることができる。
【0022】また、金属塩基を有するジカルボン酸成分
としては、残基中にSO3 M基やCOOM基(MはN
a,K,Li,NH4 等)等の官能基を導入しているも
のであり、具体例としては5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸などが例示される。
【0023】これら共重合ポリエステルは、被膜層を形
成させるために水溶液、水分散液あるいは乳化液の形態
で使用される。塗膜層を形成するために、前記水性ポリ
エステル以外に他の樹脂、帯電防止剤、着色剤、界面活
性剤、紫外線吸収剤などを添加することが出来る。
【0024】[粒子]上記被膜層中には、下記式
(1)、好ましくは下記式(2)を満足する粒子が0.
1〜20重量%、好ましくは0.1〜12重量%含まれ
る。
【0025】
【数2】0.25≦D/t≦3 ……(1) 0.3 ≦D/t≦2 ……(2)
【0026】ここで、Dは上記被膜層中に含まれる粒子
の平均粒径(μm)、tは上記被膜層の厚み(μm)で
ある。
【0027】上記式(1)の値が0.25未満の場合
は、耐ブロッキング性、特に湿熱時、露結時の耐ブロッ
キング性が劣るので望ましくない。一方上記式(1)の
値が3を越える場合は、後の工程での粒子脱落によるメ
ジューム層、印刷層の欠点のトラブルが生じ望ましくな
い。
【0028】上記粒子の添加量が20重量%を越える場
合は、被膜層の強度が低下し、後の工程で塗膜削れ等の
トラブルを生じる。
【0029】[被膜層]前記共重合ポリエステルは、そ
れを主成分とする水性液としてベースフィルム上に塗布
される。水性液としては水溶液、水分散液あるいは乳化
液などの形であるのが適当である。
【0030】塗布は、未延伸フィルム、一軸延伸フィル
ム、二軸延伸フィルムなどに適用されるが、縦方向に延
伸したフィルムに塗布することが好ましい。塗布後、横
延伸、さらに場合によっては再縦延伸や再横延伸も行う
ことが出来る。
【0031】塗布量は被膜層の厚さが0.05〜0.3
μm、好ましくは0.07〜0.25μmの範囲となる
ような量であるのが望ましい。被膜層の厚さが0.05
μm未満の場合接着力が不足し、一方0.3μmを越え
るとブロッキングを起こす可能性が高くなる。
【0032】[転写箔用フィルム]本発明における転写
箔用フィルムは、その10%延伸時の荷伸曲線の勾配
(dF10/dS)が0.001〜0.35kg/mm2
/伸度%、特に0.001〜0.30kg/mm2 /伸
度%であることが好ましい。このdF10/dSが0.3
5kg/mm2 /伸度%を超えると、成形時の応力が高
くなり、破れなどのトラブルの原因となることがある。
【0033】かくして得られた易接着性フィルムは、通
常メラミン樹脂などの溶液を塗布乾燥して作られるイン
モールド成形転写箔の離型層(メジューム層)と良好に
接着し、実用性が高いものとなる。
【0034】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
る。尚、本発明における種々の物性値及び特性は下記の
方法により測定した。
【0035】1.塗膜層厚み(t、単位:μm) 水性液の乾燥前塗布量(w、単位:g/m2 )、水性液
の濃度(c,単位:重量%)、塗膜の乾燥後密度(ρ、
単位:g/cm3 )及び、フィルム製膜工程中の水性液
塗工工程〜製膜完了後巻取工程間のフィルム延伸面積倍
率(R)を各々測定し、下記式(3)を用いて計算す
る。
【0036】
【数3】t=(w・c)/(ρ・R) ……(3)
【0037】2.添加粒子径(D、単位:μm) 粒子の500ppm水分散液をサンプルとし、Paci
fic Scientific社製、微小粒径分布測定
装置(Nicomp Model 270)を用いて光
散乱法により求められる全粒子の等価球形直径の内、全
体の50重量%の点にある粒子のものを添加粒子径とす
る。
【0038】3.10%延伸時荷伸曲線の勾配 フィルムを、幅10mm、長さ150mmにサンプリン
グし、周知の引張試験機にてチャック間100mm、速
度100mm/minで引張る。得られた応力−伸度曲
線の10%伸度に対応する位置での接線勾配を求める。
【0039】4.フィルムの実用特性 a)接着力評価 フィルムの塗布面の上にメラミン樹脂のメチルエチルケ
トン/トルエン溶液を塗布し1μm厚さの離型層の膜を
形成させ、ホットプレス法により積層体としてから型に
乗せて成形したときの離型層の状況を観察した。 A:変化なし B:一部分が剥離 C:全体的に剥離 ……Aまでが実用性能を満足する。
【0040】b)耐溶剤性評価 フィルムの塗布面に、メチルエチルケトン/トルエン混
合液に浸漬したガーゼを重ね、0.2kgの荷重を掛け
ながら擦過し、塗布面の状況を観察した。 A:変化なし B:一部分が欠落 C:全体的に欠落 ……Aまでが実用性能を満足する。
【0041】c)耐ブロッキング性評価 フィルムを重ね合わせて0.3kg/mm2 の張力を掛
けながら金属製コアに巻付けたものを水中に浸漬し、取
り出した後に50℃×17時間経時させる。コアからは
ずしたフィルムについて引張試験機を用いT型ピール試
験を行い、剥離力を測定した。 A:コアからはずした際に自然剥離する B:剥離力が2g/cm巾未満 C:剥離力が2g/cm巾以上 D:完全にブロッキングし、剥離時にフィルムが破断す
る ……A〜Bまでが実用性能を満足し、特にAが好まし
い。
【0042】d)成形性評価 フィルムの塗布面の上に、a)と同様に離型層の膜を形
成させ、型に乗せて成形したときのベースフィルムの状
況を観察した。 A:フィルム破断、クラック発生等なく、均等な厚さで
成形される B:破断はしないが、局所的にフィルムが極めて薄い部
分が存在する C:フィルムが破断する ……A〜Bまでが実用性能を満足し、特にAが好まし
い。
【0043】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
(固有粘度が0.65dl/g)を回転冷却ドラム上にシー
ト状に溶融押出して厚み510μmの未延伸シートを
得、この未延伸シートを機械軸方向(縦方向)に3.4
倍延伸して一軸延伸フイルムとした。次いでこの一軸延
伸フイルムの片面に、酸成分がテレフタル酸95モル%
および5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グ
リコール成分がエチレングリコール70モル%、ジエチ
レングリコール15モル%およびビスフェノールA・エ
チレングリコール付加体15モル%の共重合ポリエステ
ル(略称P、Tg=64℃)85重量%、平均粒径が
0.08μmのシリカ粒子8重量%およびポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル7重量%からなる組成物
を固形分濃度として8重量%含む水性液をロールコータ
ーで塗布し、乾燥しつつ横方向に3.6倍延伸し、更に
220℃で熱固定して厚み0.15μmの塗膜を積層し
た二軸延伸フィルム(40μm)を得た。このフィルム
の特性を表2および表3に示す。表3より明らかなよう
に実施例1のフィルムは全ての要求特性を満足するもの
であった。
【0044】[実施例2および比較例1〜4]共重合ポ
リエステルPの替わりに表1に示す共重合ポリエステル
Q〜Uを用いた以外は実施例1と同様にして厚み0.1
5μmの塗膜を積層した二軸延伸フィルム(40μm)
を得た。これらフィルムの特性を表2および表3に示
す。表3より明らかなように実施例2のフィルムは全て
の要求特性を満足するものであった。一方、本発明の必
須要件のいずれかを満たしていない比較例1〜4のフィ
ルムは表3より明らかなように要求特性のいずれかを満
足しないものであった。
【0045】[実施例3および比較例5〜7]塗膜の厚
みを表2に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様
にして二軸延伸フィルムを得た。これらフィルムの特性
を表2および表3に示す。表3より明らかなように実施
例3のフィルムは全ての要求特性を満足するものであっ
た。一方、比較例5のフィルムは塗膜の厚みが本発明の
範囲よりも薄いため、比較例6のフィルムは塗膜を塗設
していないため接着性に劣るものであった。また、比較
例7のフィルムは塗膜厚みが本発明の範囲を超えている
ため耐ブロッキング性に劣るものであった。
【0046】[実施例4〜5]添加したシリカ粒子の粒
径と塗膜構成成分の割合を表2に示すとおりの変更する
以外は実施例1と同様にして厚み0.15μmの塗膜を
積層した二軸延伸フィルム(40μm)を得た。これら
フィルムの特性を表2および表3に示す。表3より明ら
かなように実施例4のフィルムは全ての要求特性を満足
するものであった。また、実施例5のフィルムは耐ブロ
ッキング性がやや劣るが要求特性を一応満足するもので
あった。
【0047】[実施例6〜7]実施例6は縦方向及び横
方向の延伸倍率を4.05倍及び4.3倍とし、実施例
7は縦方向及び横方向の延伸倍率を4.2倍及び4.5
倍とした以外は実施例1と同様にして厚み0.15μm
の塗膜を積層した二軸延伸フィルムを得た。これらフィ
ルムの特性を表2および表3に示す。表3より明らかな
ように実施例6のフィルムは全ての要求特性を満足する
ものであった。また、実施例7のフィルムは成形性がや
や劣るが要求特性を一応満足するものであった。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明の転写箔用フィルムは、被膜層の
上に離型層を設け、更にその上に印刷層を塗工した積層
フィルムとしてインモールド成形転写に用いた場合、被
膜層と離型層との接着性が高く成形の際に被膜層と離型
層との界面が剥離することがないので印刷層を製品側に
均一に転写することができる。また、本発明の転写箔用
フィルムは、成形性に優れるので成形の際にフイルムの
破れなどによる成形不良や転写不良等のトラブルを防ぐ
ことができる。
【0052】更に、本発明の転写箔用フィルムの被膜層
は耐ブロッキング性、耐溶剤性に優れるので、転写箔用
フィルムの上に離型層を塗工する際の作業性に優れ、ま
た離型層を塗工する際に溶剤系の塗液を用いた場合で
も、溶剤により離型層とベースフィルムとの接着強度が
低下することがない。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、金属塩基を有するジカルボン酸成分を2〜12mo
    l%共重合した二次転移点が40〜85℃の共重合ポリ
    エステルを主成分とし、厚さが0.05〜0.3μmの
    被膜層を形成させた転写箔用フィルム。
  2. 【請求項2】 被膜層が下記式(1)を満足する粒子を
    0.1〜20重量%含む請求項1記載の転写箔用フィル
    ム。 【数1】0.25≦D/t≦3 ……(1) [式(1)中、Dは被膜層に含まれる粒子の平均粒径
    (μm)、tは被膜層の厚み(μm)である。]
  3. 【請求項3】 転写箔用フィルムの10%延伸時の荷伸
    曲線の勾配が、0.001〜0.35kg/mm2 /伸
    度%である請求項1または2記載の転写箔用フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、金属塩基を有するジカルボン酸成分を2〜12mo
    l%共重合した二次転移点が40〜85℃の共重合ポリ
    エステルを主成分として含む水性液を塗布し、乾燥、延
    伸することにより被膜層を形成させることを特徴とする
    請求項1記載の転写箔用フィルムの製造法。
JP6813496A 1996-03-25 1996-03-25 転写箔用フィルム及びその製造法 Pending JPH09254186A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009262443A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Teijin Dupont Films Japan Ltd インモールド転写箔用フィルム
KR101403170B1 (ko) * 2011-06-20 2014-06-03 소니 주식회사 성형품 및 인-몰드 전사박

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JP2009262443A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Teijin Dupont Films Japan Ltd インモールド転写箔用フィルム
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