JPH09253363A - 自動縫製ミシン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Ｙ軸ベース腕の振動を確実に防止して、被縫
製物に対して正常な縫製を行なうことができるととも
に、被縫製物を安定して移動させること。 【解決手段】 所定の縫製作業を行なう平板状のテーブ
ル１の両側部に、被縫製物をＸ方向に移動させるＸ軸移
動ガイドレール５が横架される一対のＹ軸ベース腕４を
その一端部をもって片持ち支持し、前記各Ｙ軸ベース腕
４の先端部に前記テーブル１の上面に向かって進退自在
とされた支持シャフト２１を有する支持シリンダ２０を
配設し、前記被縫製物の縫製時に前記支持シャフト２１
を下方に突出動作させてこの支持シャフト２１の下端部
を前記テーブル１の上面に圧接させるようにしたことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動縫製ミシンに係
り、特に、所定の被縫製物をＸ方向およびＹ方向に移動
させ、この被縫製物に対して自動的に所望の縫製を行な
うための自動縫製ミシンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、所定の縫製データに基づいて
所定の被縫製物をＸ方向およびＹ方向に移動させなが
ら、この被縫製物の縫製を自動的に行なう自動縫製ミシ
ンが多く用いられている。

【０００３】図４乃至図６はこのような従来の自動縫製
ミシンを示したもので、図示しない被縫製物を載置して
縫製作業を行なう平板状のテーブル１の上面中央には、
所定の縫製を行なうミシン本体２が配設されており、前
記テーブル１の両側部一端側には、一対のベース腕台３
が固定されている。また、これら各ベース腕台３の上面
には、一対のＹ軸ベース腕４，４の一端部が片持ち支持
されており、これにより、前記Ｙ軸ベース腕４の下面と
前記テーブル１との間に一定の間隙が形成されるように
なされている。

【０００４】また、前記各Ｙ軸ベース腕４の間には、Ｘ
軸移動ガイドレール５が横架されており、このＸ軸移動
ガイドレール５は、図示しない駆動装置により前記Ｙ軸
ベース腕４に沿ってＹ方向に移動自在とされている。さ
らに、前記Ｘ軸移動ガイドレール５には、前記被縫製物
を保持するチャック装置６が配設されている。

【０００５】このチャック装置６は、図６に示すよう
に、Ｘ軸移動ガイドレール５に取付けられこのＸ軸移動
ガイドレール５に沿ってＸ方向に移動自在に配設された
チャック本体７を有しており、このチャック本体７の下
方両側部には、図示しないエアシリンダによりＸ方向に
伸縮動作されるチャックアーム８が配設されている。こ
のチャックアーム８の先端部には、係止片９が固着され
ており、このチャック本体７の前面には、操作板１０が
配設されている。この操作板１０には、前記チャックア
ーム８を動作させるためのチャックスイッチ１１が配設
されている。

【０００６】また、前記テーブル１の上面には、所定の
被縫製物を保持するカセット１２が配設されており、こ
のカセット１２は、Ｙ方向に延びる平板状を有し中央部
に開口１３が形成された基板１４を有している。この基
板１４の上面側には、Ｘ方向に延びる平板状を有し一側
面に前記基板１４の開口１３部分に至る切欠き１５が形
成された押え板１６が配設されており、この押え板１６
は、例えば、蝶番等を介して前記基板１４に対して開閉
自在に取付けられている。そして、前記押え板１６を開
いた状態で、所定の被縫製物を基板１４上に載置して、
前記押え板１６を閉じることにより、前記基板１４と押
え板１６との間に被縫製物を挟持して保持することがで
きるようになっている。さらに、前記基板１４の上面に
は、前記係止片９に係合される係止爪１７が取付けられ
ている。

【０００７】前記従来の自動縫製ミシンにおいては、前
記基板１４と押え板１６との間に被縫製物を挟持したカ
セット１２を前記Ｙ軸ベース腕４とテーブル１との間隙
からテーブル１の上面に載置し、このカセット１２の係
止爪１７部分を前記チャック本体７の下方に位置させ
る。この状態で、前記チャックスイッチ１１を操作する
ことにより、前記チャックアーム８が側方に突出動作さ
れ、チャックアーム８の係止片９がカセット１２の係止
爪１７に係合されてカセット１２がチャック本体７に装
着される。

【０００８】その後、ミシンの縫製スタートスイッチを
ＯＮにすることにより、所定の縫製データに基づいて、
ミシン本体２が駆動され、これと共に、Ｘ軸移動ガイド
レール５がＹ軸ベース腕４に沿ってＹ方向に移動される
とともに、チャック装置６がＸ軸移動ガイドレール５に
沿ってＸ方向に移動され、前記カセット１２に保持され
た被縫製物がＸＹ方向に移動され、これにより、前記カ
セット１２に保持された被縫製物に対して所望の縫製が
行なわれるものである。

【０００９】そして、所定の縫製が終了したら、前記ミ
シン本体２の駆動が停止されるとともに、Ｘ軸移動ガイ
ドレール５およびチャック装置６の移動が停止され、そ
の後、前記チャックスイッチ１１を操作することによ
り、前記チャックアーム８が側方に引き込み動作され、
チャックアーム８の係止片９がカセット１２の係止爪１
７から外れてカセット１２がチャック本体７から離脱さ
れる。この縫製後の被縫製物を保持したカセット１２を
テーブル１から除去し、別の被縫製物が保持されたカセ
ット１２をテーブル１の上面に載置して、前記操作を同
様に行なうことにより、このカセット１２に保持された
被縫製物に対して縫製を行なう。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の自
動縫製ミシンにおいては、前記カセット１２を交換する
ための空間をテーブル１上に確保する必要上、前記Ｙ軸
ベース腕４の下面と前記テーブル１との間に一定の間隙
が形成されるようにＹ軸ベース腕４を片持ち支持するよ
うにしているため、縫製が開始されると、ミシン本体２
の駆動によりＹ軸ベース腕４の先端部が異常に振動して
しまい、被縫製物に対する縫い目が正常に形成されなく
なり、適正な自動縫製を行なうことができないという問
題を有している。

【００１１】また、前記Ｙ軸ベース腕４が振動してしま
うと、Ｘ軸移動ガイドレール５のＹ方向への移動が安定
して行なわれなくなり、その結果、被縫製物の移動が正
常に行なわれなくなるという問題をも有している。

【００１２】本発明は前記した点に鑑みなされたもの
で、Ｙ軸ベース腕の振動を確実に防止することができ、
被縫製物に対して正常な縫製を行なうことができるとと
もに、被縫製物を安定して移動させることのできる自動
縫製ミシンを提供することを目的とするものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項１に記載の発明に係る自動縫製ミシンは、ミシン
本体が載置されて所定の縫製作業を行なう平板状のテー
ブルの両側部に一対のＹ軸ベース腕をそのＹ軸ベース腕
の下面と前記テーブルとの間に一定の間隙が形成される
ようにその一端部をもって片持ち支持し、前記各Ｙ軸ベ
ース腕の間にＸ軸移動ガイドレールを前記Ｙ軸ベース腕
に沿ってＹ方向に移動自在に横架し、このＸ軸移動ガイ
ドレールに所定の被縫製物を保持するカセットが着脱自
在に装着されるチャック装置をこのＸ軸移動ガイドレー
ルに沿って移動自在に配設してなる自動縫製ミシンにお
いて、前記各Ｙ軸ベース腕の先端部に前記テーブルの上
面に向かって進退自在とされた支持シャフトを有する支
持シリンダを配設し、前記被縫製物の縫製時に前記支持
シャフトを下方に突出動作させてこの支持シャフトの下
端部を前記テーブルの上面に圧接させるようにしたこと
を特徴とするものである。

【００１４】この請求項１に記載の発明によれば、被縫
製物の縫製時に支持シリンダを動作させることにより、
支持シャフトを下方に突出動作させてこの支持シャフト
の下端部を前記テーブルの上面に圧接させるようにして
いるので、この支持シャフトによりＹ軸ベース腕の先端
部をテーブルに対して確実に支持することができ、その
結果、縫製時に前記Ｙ軸ベース腕の先端部が異常に振動
してしまうことを確実に防止することができるものであ
る。

【００１５】また、請求項２に記載の発明は、前記チャ
ック装置に前記カセットを着脱するためのチャックスイ
ッチを配設し、このチャックスイッチの操作による前記
カセットの装着動作に連動して前記支持シリンダの支持
シャフトを突出動作させるようにしたことを特徴とする
請求項１に記載の自動縫製ミシン。

【００１６】本発明に係る自動縫製ミシンによれば、チ
ャックスイッチの操作に連動して支持シリンダの支持シ
ャフトを突出動作させるようにしているので、被縫製物
を保持するカセットをチャック装置に装着する際に、自
動的にＹ軸ベース腕を支持シャフトにより支持すること
ができるものである。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図１乃
至図３を参照して説明する。

【００１８】図１および図２は本発明に係る自動縫製ミ
シンの実施の一形態を示したもので、図示しないミシン
本体が載置されて所定の縫製作業を行なう平板状のテー
ブル１の両側部には、断面形状コ字状を有する一対のＹ
軸ベース腕４が前記Ｙ軸ベース腕４の下面と前記テーブ
ル１との間に一定の間隙が形成されるようにその一端部
をもって片持ち支持されている。

【００１９】また、前記各Ｙ軸ベース腕４の内側には、
ガイドシャフト１８が前記Ｙ軸ベース腕４に沿って配設
されており、このガイドシャフト１８には、Ｘ軸移動ブ
ラケット１９がこのガイドシャフト１８に沿って移動自
在に装着されている。また、このＸ軸移動ブラケット１
９の互いに対向する面には、Ｘ軸移動ガイドレール５が
連結されており、図示しない駆動装置により前記Ｘ軸移
動ブラケット１９がガイドシャフト１８に沿って移動さ
れることにより、前記Ｘ軸移動ガイドレール５が前記Ｙ
軸ベース腕４に沿ってＹ方向に移動自在とされている。

【００２０】さらに、前記Ｘ軸移動ガイドレール５に
は、前記被縫製物を保持するカセット１２が装着される
チャック装置６が配設されており、このチャック装置６
には、前記カセット１２を着脱するためのチャックスイ
ッチ１１が配設されている。

【００２１】また、本実施形態においては、前記各Ｙ軸
ベース腕４の先端部には、支持シリンダ２０が配設され
ており、この支持シリンダ２０には、下方に向かって進
退自在とされた支持シャフト２１が配設されている。こ
の支持シャフト２１の下端部には、支持板２２が固着さ
れており、前記支持シリンダ２０は、本実施形態におい
ては、前記チャックスイッチ１１を操作して前記カセッ
ト１２を装着した場合に、このカセット１２の装着動作
に連動して前記支持シリンダ２０が下方へ突出動作され
るようになされている。

【００２２】その他の部分は、前記従来のものと同様で
あるため同一部分には同一符号を付してその説明を省略
する。

【００２３】次に、本実施形態の作用について図３に示
すタイミングチャートを参照して説明する。

【００２４】本実施形態においては、被縫製物を挟持し
たカセット１２を前記Ｙ軸ベース腕４とテーブル１との
間隙からテーブル１の上面に載置し、このカセット１２
を前記チャック装置６の下方に位置させた状態で、前記
チャックスイッチ１１を操作することによりカセット１
２がチャック装置６に装着される。一方、前記チャック
スイッチ１１の操作と同時に、前記支持シリンダ２０が
動作され、これにより、支持シャフト２１が下方に突出
してその支持板２２がテーブル１の上面に押圧される。
この支持板２２の押圧により、Ｙ軸ベース腕４の先端部
がテーブル１に対して支持されるようになっている。

【００２５】その後、ミシンの縫製スタートスイッチを
ＯＮにすることにより、ミシンの主モータクラッチがＯ
Ｎとされてミシン回転動作が開始されるとともに、縫製
開始信号が出力され、被縫製物の縫製が開始される。こ
の縫製の開始と共に、所定の縫製開始データに基づい
て、Ｘ軸移動ガイドレール５がＹ軸ベース腕４に沿って
Ｙ方向に移動されるとともに、チャック装置６がＸ軸移
動ガイドレール５に沿ってＸ方向に移動され、前記カセ
ット１２に保持された被縫製物がＸＹ方向に移動され、
これにより、前記カセット１２に保持された被縫製物に
対して所望の縫製が行なわれるものである。

【００２６】そして、縫製終了信号により、ミシンの主
モータクラッチがＯＦＦとされてミシン回転動作が停止
されるとともに、Ｘ軸移動ガイドレール５およびチャッ
ク装置６の移動が停止されて所定の縫製が終了する。こ
れと同時に、前記チャックスイッチ１１がＯＦＦとされ
て、カセット１２がチャック装置６から離脱されるとと
もに、前記支持シリンダ２０が動作されて支持シャフト
２１が上方に引き込まれてその支持板２２がテーブル１
の上面から離隔される。

【００２７】その後、縫製後の被縫製物を保持したカセ
ット１２をテーブル１から除去し、別の被縫製物が保持
されたカセット１２をテーブル１の上面に載置して、前
記操作を同様に行なうことにより、このカセット１２に
保持された被縫製物に対して縫製を行なう。

【００２８】したがって、本実施形態においては、被縫
製物を保持するカセット１２を装着するためのチャック
スイッチ１１の操作に連動して支持シリンダ２０を動作
させ、これにより、支持シャフト２１を下方に突出させ
てＹ軸ベース腕４の先端部をテーブル１に対して支持す
るようにしているので、縫製開始前に支持シャフト２１
の支持板２２により前記Ｙ軸ベース腕４をテーブル１に
対して確実に支持することができ、その結果、縫製時に
前記Ｙ軸ベース腕４の先端部が異常に振動してしまうこ
とがなく、安定した縫製を行なうことができる。しか
も、前記Ｙ軸ベース腕４を支持シャフト２１の支持板２
２により確実に支持することができるので、Ｘ軸移動ガ
イドレール５をＹ方向に安定して移動させることがで
き、被縫製物の移動を正常に行なうことができる。

【００２９】なお、前記実施形態においては、チャック
スイッチ１１に連動して支持シリンダ２０を動作させる
ようにしたが、その他、例えば、縫製開始信号やミシン
スタートスイッチ等に連動させて支持シリンダ２０を動
作させるようにしてもよく、縫製開始前であれば、いず
れの時期に支持シリンダ２０を動作させるようにしても
よい。

【００３０】また、本発明は前記実施形態のものに限定
されるものではなく、必要に応じて種々変更することが
可能である。

【００３１】

【発明の効果】以上述べたように請求項１に記載の発明
に係る自動縫製ミシンは、被縫製物の縫製時に支持シャ
フトを下方に突出動作させてこの支持シャフトによりＹ
軸ベース腕の先端部をテーブルに対して確実に支持する
ようにしたので、縫製時に前記Ｙ軸ベース腕の先端部が
異常に振動してしまうことを確実に防止することがで
き、安定した縫製を行なうことができる。しかも、Ｙ軸
ベース腕を支持シャフトにより確実に支持することがで
きるので、Ｘ軸移動ガイドレールをＹ方向に安定して移
動させることができ、被縫製物の移動を正常に行なうこ
とができる。

【００３２】また、請求項２に記載の発明は、チャック
スイッチの操作に連動して支持シリンダの支持シャフト
を突出動作させるようにしたので、被縫製物を保持する
カセットをチャック装置に装着する際に、自動的にＹ軸
ベース腕を支持シャフトにより支持することができる等
の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る自動縫製ミシンの一実施形態を
示すＹ軸ベース腕部分の正面図

【図２】 本発明の自動縫製ミシンのＹ軸ベース腕部分
の側面図

【図３】 本発明の自動縫製ミシンによる動作を示すタ
イミングチャート

【図４】 従来の自動縫製ミシンを示す斜視図

【図５】 従来の自動縫製ミシンのＹ軸ベース腕部分の
側面図

【図６】 従来の自動縫製ミシンのチャック装置部分の
分解斜視図

【符号の説明】

１ テーブル ４ Ｙ軸ベース腕 ５ Ｘ軸移動ガイドレール ６ チャック装置 １１ チャックスイッチ １２ カセット ２０ 支持シリンダ ２１ 支持シャフト ２２ 支持板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ミシン本体が載置されて所定の縫製作業
   を行なう平板状のテーブルの両側部に一対のＹ軸ベース
   腕をそのＹ軸ベース腕の下面と前記テーブルとの間に一
   定の間隙が形成されるようにその一端部をもって片持ち
   支持し、前記各Ｙ軸ベース腕の間にＸ軸移動ガイドレー
   ルを前記Ｙ軸ベース腕に沿ってＹ方向に移動自在に横架
   し、このＸ軸移動ガイドレールに所定の被縫製物を保持
   するカセットが着脱自在に装着されるチャック装置をこ
   のＸ軸移動ガイドレールに沿って移動自在に配設してな
   る自動縫製ミシンにおいて、前記各Ｙ軸ベース腕の先端
   部に前記テーブルの上面に向かって進退自在とされた支
   持シャフトを有する支持シリンダを配設し、前記被縫製
   物の縫製時に前記支持シャフトを下方に突出動作させて
   この支持シャフトの下端部を前記テーブルの上面に圧接
   させるようにしたことを特徴とする自動縫製ミシン。
2. 【請求項２】 前記チャック装置に前記カセットを着脱
   するためのチャックスイッチを配設し、このチャックス
   イッチの操作による前記カセットの装着動作に連動して
   前記支持シリンダの支持シャフトを突出動作させるよう
   にしたことを特徴とする請求項１に記載の自動縫製ミシ
   ン。