JPH09246231A - 処理装置および処理方法 - Google Patents

処理装置および処理方法

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JPH09246231A
JPH09246231A JP7138296A JP7138296A JPH09246231A JP H09246231 A JPH09246231 A JP H09246231A JP 7138296 A JP7138296 A JP 7138296A JP 7138296 A JP7138296 A JP 7138296A JP H09246231 A JPH09246231 A JP H09246231A
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processing tank
processing
wafer
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欽也 上野
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尚樹 新藤
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裕二 上川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理槽18内にIPA液の如き処理液の蒸気
を導入しながら被処理体Wを処理する際に、その処理時
間を短縮化する。 【解決手段】 処理液の蒸気を処理槽18内に導入して
処理槽18内に収納した被処理体Wを処理するに際し、
処理槽18内を排気して減圧状態とし、被処理体Wの表
面に付着した処理液の蒸気圧を相対的に高めて、乾燥を
早める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処理液の蒸気を用
いて被処理体を処理する装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体デバイスの製造工程にお
いては、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という)表面
のパーティクル、有機汚染物、金属不純物等のコンタミ
ネーションを除去するために洗浄システムが使用されて
いる。その中でもウェハを処理槽内の洗浄液に浸漬して
洗浄を行うウエット型の洗浄システムは、ウェハに付着
したパーティクルを効果的に除去できる長所がある。
【0003】この従来のウエット型の洗浄システムは、
連続バッチ処理を可能とするため、例えば25枚のウェ
ハをキャリア単位で装置内にロードするローダと、この
ローダによってロードされたキャリア2個分の50枚の
ウェハを一括して搬送する搬送手段と、この搬送手段に
よって搬送される50枚のウェハをバッチ式に洗浄、乾
燥するように配列されたユニットとしての処理槽を備
え、さらに各処理槽によって洗浄、乾燥されたウェハを
アンロードするアンローダとを備えた、ウエットステー
ションと呼ばれ、広く使用されている。このウエットス
テーションの各処理槽では、アンモニア処理、フッ酸処
理、硫酸処理、塩酸処理などの各種薬液処理と、純水な
どによる水洗処理とが交互に行われ、更に最終的に、乾
燥処理が行われる。
【0004】ここで、ウェハの乾燥処理を行う処理槽と
して、親水性の高いIPA[イソプロピルアルコール:
(CH32CHOH]蒸気をウェハの表面に供給しつつ
槽下部から排水して乾燥を行うクローズド方式の処理槽
は、IPAの揮発を利用してウェハの表面から純水の膜
を取り除くことができ、ウォーターマークを残さずに乾
燥できる利点があることから、広く普及している。そし
て、このクローズド方式の処理槽は、IPA液供給源か
ら供給されたIPA液を蒸気発生室内で加熱してIPA
蒸気を発生させ、そのIPA蒸気を洗浄システムの処理
槽に導入しながら処理槽内に収納したウェハを乾燥させ
るように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
なウェハの乾燥を行う処理槽では、乾燥時においては処
理槽内はすべてIPA蒸気に置換され、更に最終的にN
2ガスなどの不活性ガスに処理槽内雰囲気がパージされ
て、乾燥処理が終了する。そして、こうして処理槽内の
不活性雰囲気に保持されたウェハは、適当な時期に搬送
装置によって処理槽から取り出され、キャリアに装填さ
れて搬出される。
【0006】しかしながら、従来の洗浄システムにおい
ては、かようなIPA蒸気下で行われるウェハの乾燥を
短時間で終えることができない場合があった。かかる場
合、ウェハの表面が充分に乾燥しきっていない状態でウ
ェハを処理槽から取り出したのでは、ウェハの表面にパ
ーティクルが付着しやすくなってしまう。このため、従
来の洗浄システムにおいては、ウェハの乾燥に相当の時
間が必要であり、スループットの向上をはかり難かっ
た。
【0007】従って本発明の目的は、以上のように処理
槽内にIPA液の如き処理液の蒸気を導入しながら被処
理体を処理する際に、その処理時間を短縮化することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、処理液の蒸気を処理槽内に導入
して処理槽内に収納した被処理体を処理する処理装置に
おいて、処理槽内を排気する排気手段を設けたことを特
徴としている。
【0009】そして、請求項2の発明は、処理液の蒸気
を処理槽内に導入して処理槽内に収納した被処理体を処
理する処理方法において、処理槽内を排気することを特
徴としている。
【0010】また、請求項3の発明は、処理液の蒸気を
処理槽内に導入し、次いで、不活性ガスを処理槽内に導
入して処理槽内に収納した被処理体を処理する処理方法
において、処理槽内を排気することを特徴としている。
【0011】これら請求項1〜3の発明にあっては、処
理槽内を排気することにより、処理槽内の雰囲気を大気
圧よりも減圧した状態にする。これにより、処理槽内に
収納した被処理体の表面に付着した処理液の蒸気圧を相
対的に高めて、乾燥を早めることができる。
【0012】なお、処理槽内の排気は、請求項4に記載
したように、処理液の蒸気を処理槽内に導入していると
きに行っても良いし、あるいは請求項5に記載したよう
に、処理液の蒸気を処理槽内に導入した後に行っても良
い。更にまた、処理槽内の排気は、請求項6に記載した
ように、不活性ガスを処理槽内に導入しているときに行
っても良いし、請求項7に記載したように、不活性ガス
を処理槽内に導入した後に行っても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を、被処理体の一例としてのウェハWの表面に、処理
液としてのIPA[イソプロピルアルコール:(C
32CHOH]蒸気を供給しながら乾燥処理を行うも
のについて説明する。図1は、本発明の実施の形態にか
かる処理槽19を備えた洗浄システム1の斜視図であ
る。図2は、図1におけるA−A断面矢視図である。
【0014】この洗浄システム1は、キャリアC単位で
搬入された洗浄前のウェハWをキャリアCから整列した
状態で取り出す動作を行う搬入・ロード部2と、この搬
入・ロード部2からロードされた複数枚数の(例えば、
キャリアC2個分の50枚の)ウェハWを一括してバッ
チ式に洗浄、乾燥する処理部3と、この処理部3で洗
浄、乾燥されたウェハWをキャリアCに装填してキャリ
アC単位で搬出する搬出・アンロード部4の三つの箇所
に大別することができる。
【0015】搬入・ロード部2には、洗浄前のウェハW
を例えば25枚収納したキャリアCを搬入して載置させ
る搬入部5と、この搬入部5の所定位置に送られたキャ
リアCを、隣接するローダ6へ一度に適宜数(例えば2
個)ずつ移送するための移送装置7が設けられている。
【0016】この実施の形態においては、処理部3に
は、搬入・ロード部2側から搬出・アンロード部4側の
順に、後述する搬送装置30のウェハチャック36を洗
浄および乾燥するための処理槽11、洗浄液を用いてウ
ェハWを洗浄する処理槽12、この処理槽12で洗浄さ
れたウェハWをリンス洗浄する処理槽13、14、洗浄
液を用いてウェハWを洗浄する処理槽15、この処理槽
15で洗浄されたウェハWをリンス洗浄する処理槽1
6、17、搬送装置32のウェハチャック38を洗浄お
よび乾燥するための処理槽18、および、各洗浄槽12
〜17で洗浄されたウェハWを乾燥させるための処理槽
19が配列されている。
【0017】そして、処理槽11と処理槽18では、例
えば純水などを用いてウェハチャック36とウェハチャ
ック38の洗浄をそれぞれ行い、更に、ウェハチャック
36とウェハチャック38の乾燥も行う。また、処理槽
12と処理槽15では、互いに種類の異なる洗浄液によ
る洗浄を行うのが一般的である。その一例として、処理
槽12では、例えばアンモニア水過水の如きアルカリ系
洗浄液(NH4OH/H22/H2O)を用いたいわゆる
SC1洗浄を行って、ウェハW表面に付着している有機
汚染物、パーティクル等の不純物質を除去する。また、
処理槽15では、例えば塩酸過水(HCl+H22)を
用いたいわゆるSC2洗浄を行って、この酸系洗浄によ
り金属イオンの除去、ウェハW表面の安定化を図る。ま
た、処理槽13、14、および処理槽16、17では、
例えば純水の如き洗浄水を用いてウェハWのリンス洗浄
を行う。更にまた、処理槽19では、この実施の形態に
おいては、後述するように希フッ酸(HF/H2O)を
用いたいわゆるHF洗浄とリンス洗浄を行い、更にその
洗浄後に親水性の高いIPA[イソプロピルアルコー
ル:(CH32CHOH]蒸気をウェハWの表面に供給
しつつ槽下部から排水することにより、IPAの揮発を
利用してウェハWの表面から純水の膜を取り除き、ウォ
ーターマークを残すことのない乾燥を行うように構成さ
れている。
【0018】但し、ウェハチャック36とウェハチャッ
ク38の洗浄と乾燥を行う処理槽11と処理槽18およ
びウェハWの洗浄と乾燥を行う処理槽19を除く各処理
槽12〜17の配列、組合わせはウェハWに対する洗浄
の種類によって任意に組み合わせることができ、場合に
よってはある処理槽を省略したり、逆に他の処理槽を付
加してもよい。例えば、硫酸過水(H2SO4+H22
洗浄を行う処理槽などが組み合わされる場合もある。
【0019】搬出・アンロード部4には、先に説明した
搬入・ロード部2のローダ6と同様の構成を有するアン
ローダ20、搬入部5と同様の構成を有する搬出部2
1、および、移送装置7と同様の構成を有する移送装置
(図示せず)がそれぞれ設けられている。
【0020】そして、処理部3の前面側(図1における
手前側)には、搬入・ロード部2側から搬出・アンロー
ド部4側の順に、三つの搬送装置30、31、32が配
列されており、これら各搬送装置30、31、32は、
何れもガイド33に沿って洗浄システム1の長手方向に
スライド移動自在に構成されている。各搬送装置30、
31、32は、それぞれ対応するウェハチャック36、
37、38を備えていて、各搬送装置30、31、32
はそのウェハチャック36、37、38によって所定枚
数のウェハW(例えばキャリアC二個分の50枚のウェ
ハW)を一括して把持することが可能である。これらの
内、搬入・ロード部2側に位置する搬送装置30は、そ
のウェハチャック36で所定枚数のウェハWを保持して
ガイド33に沿ってスライド移動することにより、搬入
・ロード部2のローダ6から取り出したウェハWを、処
理部3において処理槽12、13、14の順に一括して
搬送する。また、中央に位置する搬送装置31は、その
ウェハチャック37で所定枚数のウェハWを保持してガ
イド33に沿ってスライド移動することにより、処理部
3において処理槽14、15、16、17の順にウェハ
Wを一括して搬送する。また、搬出・アンロード部4側
に位置する搬送装置32は、そのウェハチャック38で
所定枚数のウェハWを保持してガイド33に沿ってスラ
イド移動することにより、処理部3において処理槽1
7、19の順にウェハWを一括して搬送し、更に、処理
槽19から搬出・アンロード部4のアンローダ20にウ
ェハWを一括して搬送する。
【0021】ここで、以上の搬送装置30、31、32
は何れも概ね同様の構成を備えているので、例えば処理
槽17、19と搬出・アンロード部4のアンローダ20
の間でウェハWを搬送する搬送装置32を例にして説明
すると、搬送装置32のウェハチャック38は、図3に
示すように、例えばキャリアC二つ分としての50枚の
ウェハWを一括して把持する左右一対の把持部材41
a、41bを備えている。これら把持部材41a、41
bは左右対称形であり、各把持部材41a、41bが一
対の回動軸42a、42bによって搬送装置32の支持
部43に支持されることにより、把持部材41a、41
bが左右対称に回動して開脚、閉脚するように構成され
ている。支持部43は、駆動機構44によって上下方向
(図3においてZ方向)に昇降する。また、駆動機構4
4自体も、先に図1に示したガイド33に沿って処理部
3の長手方向(図3においてX方向)に沿ってスライド
移動する。なお、図示はしないが、ウェハチャック38
全体は支持部43に内蔵された図示しない駆動機構によ
って前後方向(図3においてY方向)に移動でき、更
に、支持部43自体も水平面内においてその角度を微調
整できるように構成されている。
【0022】回動軸42a、42bには把持部材41
a、41bの各上端部が固着され、また、これら各把持
部材41a、41bの下端部には、上下2段に石英製の
把持棒47a、47b、48a、48bが平行に渡され
ている。これら各把持棒47a、47b、48a、48
bの表面には、ウェハWの周縁部が挿入される把持溝が
例えば50本形成されている。そして、前述したよう
に、回転軸42a、42bの回動に伴って把持部材41
a、41bを閉脚させることにより、例えば50枚のウ
ェハWの周縁部を各把持棒47a、47b、48a、4
8bの把持溝にそれぞれ嵌入させ、各ウェハW同士を所
定の等間隔に保ちつつ立てた状態で整列させて一括把持
するようになっている。そして、こうして複数枚のウェ
ハWを一括して把持した状態で支持部43が駆動機構4
4によって上下方向(図3においてZ方向)に昇降し、
駆動機構44自体が先に図1に示したガイド33に沿っ
て処理部3の長手方向(図3においてX方向)に沿って
スライド移動することにより、処理槽17、19および
搬出・アンロード部4のアンローダ20の間でウェハW
を搬送するように構成されている。
【0023】なお、搬送装置32について代表して説明
したが、その他の搬送装置30、31およびそれらのウ
ェハチャック36、37も、搬送装置32およびウェハ
チャック38と概ね同一の構成を有しており、同様に例
えば50枚のウェハWを一括して把持し、搬送するよう
に構成されている。
【0024】一方、ウェハチャック36とウェハチャッ
ク38の洗浄と乾燥を行う処理槽11と処理槽18を除
く他の各処理槽12〜17、19の底部には、各槽内で
ウェハWを同士を所定の等間隔に保ちつつ立てた状態で
整列させて保持するための保持具となるボート50がそ
れぞれ設置されている。ここで、各処理槽12〜17、
19の底部には、何れも概ね同一の構造を有するボート
50が設けられているので、図3を基にして処理槽19
に設置されているボート50について代表して説明する
と、このボート50は、処理槽19内に垂設された前後
一対の支持体51、52の下端に渡って水平に取り付け
られた三本の平行な保持棒53、54、55を備えてい
る。これら保持棒53、54、55の内、中央の保持棒
54の高さが最も低く、左右の保持棒53、55は保持
棒54を中心に対称の位置に、かつ、保持棒54よりも
高い位置に配置されている。これら保持棒53、保持棒
54、および保持棒55の表面には、ウェハWの周縁部
が挿入される保持溝がそれぞれ50個ずつ形成されてい
る。
【0025】そして、前述のウェハチャック38によっ
て一括して把持された50枚のウェハWは、搬送装置3
2の駆動機構44による支持部43の下降に伴って処理
槽19内に挿入され、50枚のウェハWの下端がボート
50の保持棒53、54、55の保持溝にそれぞれ嵌入
すると、搬送装置32の駆動機構44による支持部43
の下降が停止するように構成されている。こうして、5
0枚のウェハWはボート50の保持棒53、54、55
の保持溝によって互いに所定の間隔を保ちつつ一括して
保持された状態となる。そして、ウェハチャック38は
回動軸42a、42bの回動により把持部材41a、4
1bを開脚し、ウェハWの把持状態を開放する。こうし
て、把持部材41a、41bの間で把持していた50枚
のウェハWを一括して離した後、搬送装置32の駆動機
構44による支持部43の上昇に伴って処理槽19上方
にウェハチャック38が退避する。その後、処理槽19
内においてボート50上に受け渡されたウェハWに対す
る所定の処理が行われるように構成されている。
【0026】また、後述するように処理槽19における
所定の処理が終了すると、再び搬送装置32の駆動機構
44による支持部43の下降に伴ってウェハチャック3
8が処理槽32内に挿入される。そして、回動軸42
a、42bの回動により把持部材41a、41bが閉じ
られてボート50の保持棒53、54、55上に保持さ
れた50枚のウェハWを一括して把持する。その後、支
持部43が上昇することによってウェハチャック38が
処理槽19内から上方に退避し、それに伴って50枚の
ウェハWは一括して処理槽42から取り出される。そし
て、搬送装置32の駆動機構44自体が先に図1に示し
たガイド33に沿って処理部3の長手方向(図3におい
てX方向)に沿ってスライド移動して、処理槽19から
取り出したウェハWを次の搬出・アンロード部4のアン
ローダ20にまで搬送するように構成されている。
【0027】なお、処理槽19以外の各処理槽12〜1
7にも、以上に説明したボート50と同様のものが設置
されており、上記と同様に、各処理槽12〜17におい
ても、50枚のウェハWを一括して保持できるように構
成されている。そして、所定枚数のウェハWを一括して
保持することにより、搬送装置30により搬入・ロード
部2のローダ6から処理槽12、13、14の順に搬送
し、搬送装置31により処理槽14、15、16、17
の順に搬送し、搬送装置32により処理槽17、19、
および搬出・アンロード部4のアンローダ20の順に搬
送する。
【0028】次に、本発明の実施の形態にかかる処理槽
19は、ウェハWに対して所定の洗浄と乾燥を行うもの
として次のように構成されている。即ち、この処理槽1
9は上面が開口した略箱型をなしており、図2に示した
処理槽19の周囲には、次に説明するように、処理槽1
9の底部から連続的に供給される洗浄液のオーバーフロ
ー分を受容する外槽60が設けられている。
【0029】即ち、図4に示すように、処理槽19から
溢れ出て、処理槽19周囲の外槽60によってオーバー
フロー分として受容された洗浄液は、外槽60の底部に
接続されている回路61から排出されるように構成され
ている。また、処理槽19の底面62には、例えば室温
以上で80℃以下程度に温度調節された温水や、冷水
(例えば室温程度の如き通常の温度の純水)、その他、
フッ化水素溶液(希フッ酸)などの洗浄液を適宜選択的
に供給可能な回路63が接続されている。後述する洗浄
液循環機構85によってこの回路63より槽内に導入さ
れた洗浄液が、槽底部のボート50と底面62との間に
介装された整流手段64を介して、乱流を生じることな
く均等にウェハWの周囲に供給されるように構成されて
いる。
【0030】そして、この整流手段64は、処理槽19
の底面62とボート50によって保持されている所定枚
数のウェハWを上下に区画するように水平に配設される
整流板65と、整流板65の下方に配置される拡散板6
6とから構成されている。整流板65には複数のスリッ
ト67とそれらスリット67の両側に位置する複数の小
孔68が穿設されており、回路63より槽内に導入され
た洗浄液は、まず拡散板66の裏面に衝突し、その拡散
板66の周縁部より整流板65の裏面全体に拡散され、
その後、整流板65のスリット67と小孔68を通過し
て、上記ボート50により保持されたウェハWの周囲に
洗浄液が供給されるので、乱流を生じることなく均等な
流速でウェハWを包み込み、ウェハW全体をむら無く均
等に洗浄することができる。
【0031】図2に示されるように、処理槽19の上面
開口部は、洗浄システム1の処理部3内部に上下に適当
な間隔をもって配置された仕切り板69、70で形成さ
れるケース73内に配置されている。このケース73の
上面(仕切り板69)は蓋体71によって閉鎖自在に構
成されており、この蓋体71を閉じた場合は、処理槽1
9はケース73内の密閉雰囲気におかれた状態となる。
また、ケース73の上方には、フィルタを備えたファン
フィルタユニットやファンユニットなどの空調機72が
設置されており、清浄化された空気のダウンフローがケ
ース73内の処理槽19に向けて形成されている。
【0032】図5に示すように、このケース73の底部
には回路75が設けられており、この回路75はトラッ
プ機構76と回路77を介して排気手段78に接続され
ている。排気手段78は、例えば吸引ポンプなどで構成
されており、その稼働によって、ケース73内の雰囲気
を回路75、77を介して吸引排気することにより、ケ
ース73内を減圧雰囲気にする。なお、ケース73内か
ら排気される雰囲気中に混入した例えばIPA蒸気など
の有機物質は、回路75、77の間に設けられたトラッ
プ機構76で捕捉され、トラップ機構76底部の回路7
9から廃棄(DRAIN)される。
【0033】ケース73の側面には回路80が接続され
ており、図示しないN2ガス供給源からこの回路80を
介してケース73内にN2ガスを供給することにより、
ケース73内を不活性雰囲気にできるようになってい
る。なお、不活性ガスとして、N2ガス以外の例えばA
rガスなどをケース73内に供給しても良い。
【0034】一方、処理槽19に対して洗浄液を供給す
るための洗浄液循環機構85は、図5に示すように、ケ
ース73の外側において、処理槽19周囲の外槽60に
接続された回路61と処理槽19底面に接続された回路
64の間に配置されている。この洗浄液循環機構85に
は、希フッ酸供給源86、純水供給源87、および温水
供給源88から各洗浄液が供給されるようになってい
る。即ち、希フッ酸供給源86からは、洗浄液としての
希フッ酸(DHF)が供給され、純水供給源87からは
例えば常温程度の水温の純水(リンス洗浄液)が供給さ
れ、更に温水供給源88からは例えば室温以上80℃以
下程度に水温が調節された温水が供給される。また、こ
の洗浄液循環機構85は、処理槽19内に充填されてい
る各洗浄液を廃棄(DRAIN)するための回路90も
備えている。この回路90は、前述のトラップ機構76
を経て回路79に接続されている。
【0035】そして、図4において示した如き処理槽1
9内のボート50上に保持したウェハWを、先ず希フッ
酸を用いてHF洗浄するに際しては、図5に示す洗浄液
循環機構85に希フッ酸供給源86から洗浄液としての
希フッ酸を供給する。そして、その洗浄液(希フッ酸)
を洗浄液循環機構85によって回路64を介して処理槽
19の底部に連続的に供給し、その洗浄液の上昇流を処
理槽19内に形成させる。また、処理槽19から溢れ出
た洗浄液は、処理槽19周囲の外槽60に受容した後、
回路61から再び洗浄液循環機構85に戻す。洗浄液循
環機構85はこうして戻された洗浄液を濾過して清浄化
し、更に温度や濃度等を所定のものに調整した後、再び
その洗浄液を回路64を介して処理槽19の底部に供給
する。こうして、処理槽19内に洗浄液(希フッ酸)が
循環供給されて、ウェハWのHF洗浄が行われるように
なっている。
【0036】次に、HF洗浄が終了し、リンス洗浄を行
う場合は、まだ処理槽19内に洗浄液としての希フッ酸
が充填されている状態で、洗浄液循環機構85に純水供
給源87からリンス洗浄液としての純水の供給を開始す
る。そして、そのリンス洗浄液(純水)を回路64を介
して処理槽19の底部に供給しつつ、処理槽19内に充
填されていた希フッ酸を処理槽19上部から外槽60に
溢れ出させ、溢れ出た希フッ酸は回路61から洗浄液循
環機構85に戻して回路90および回路79を経て廃棄
する。こうして、しばらくの間純水供給源87からリン
ス洗浄液を供給しながら回路90、79から廃棄を行う
ことにより、処理槽19内の洗浄液を純水に置換する。
なお、洗浄液が希フッ酸から純水に置換されたことは、
例えば回路61中において洗浄液の比抵抗を計測するこ
とにより検知することが可能である。
【0037】またリンス洗浄が終了した場合は、次に、
洗浄液循環機構85に温水供給源88から例えば室温以
上80℃以下程度に水温が調節された温水の供給を開始
する。そして、その温水を回路64を介して処理槽19
の底部に供給しつつ、処理槽19内に充填されていたリ
ンス洗浄液(例えば常温程度の水温の純水)を処理槽1
9上部から外槽60に溢れ出させ、溢れ出たリンス洗浄
液は回路61から洗浄液循環機構85に戻して回路90
および回路79を経て廃棄する。こうして、しばらくの
間温水供給源88から温水を供給しながら回路90、7
9から廃棄を行うことにより、処理槽19内の洗浄液を
温水に置換した後、回路90、79からの廃棄を停止す
る。こうして、処理槽19内に温水が循環供給されて、
ウェハWは室温以上80℃以下程度に加熱された状態と
なる。なお、洗浄液が温水に置換されたことは、例えば
回路61中において水温を計測することにより検知する
ことが可能である。
【0038】更に、この洗浄液循環機構85は、以上の
ようにして処理槽19内に充填した温水を処理槽19底
部の回路64から洗浄液循環機構85に戻し、その温水
を回路90、79から廃棄することによって、処理槽1
9内の温水を排水することもできるように構成されてい
る。
【0039】また、図5に示すように、処理槽19の周
囲に設けられている外槽60の側壁面には、回路95が
接続されており、後に詳しく説明するIPA蒸気発生室
96で作り出された処理液としてのIPA[イソプロピ
ルアルコール:(CH32CHOH]の蒸気がこの回路
95を介して処理槽19内に導入されるようになってい
る。この回路95の周りには、IPA蒸気が処理槽19
内に導入される前に凝縮することを防ぐために例えばテ
ープヒータなどのヒータ97が装着されており、回路9
5内の温度は約80℃に維持されている。
【0040】IPA蒸気発生室96には、IPA液供給
源98からIPA液が供給されている。IPA液供給源
98は、例えばキャニスタ容器などに充填されているI
PA液をIPA蒸気発生室96に回路99を介して圧送
するように構成されている。IPA蒸気発生室96は、
こうして供給されたIPA液を約80℃以上(例えば1
20℃)にまで加熱することにより、IPA蒸気を作り
出し、そのIPA蒸気を回路95を介してケース73内
の処理槽19内に導入する。
【0041】また、処理槽19の上部には回路100が
接続されており、この回路100は処理槽19の内壁に
接触した状態で開口するように設けられている。そし
て、IPA蒸気発生室96内の下方から取り出したIP
A液をこの回路100を介して処理槽19内に導入し、
そのIPA液を処理槽19の内壁上部に伝わらせながら
供給できるように構成されている。
【0042】その他、IPA蒸気は引火性が高いので、
以上に説明したケース73およびIPA蒸気発生室96
の内部には、消火手段としてのCO2消火器101によ
りCO2ガスを供給できるように構成されている。ま
た、処理槽19の全体の処理工程は、操作パネル102
での入力に従ってコントローラ103により制御されて
いる。
【0043】次に、IPA蒸気発生室96は、図6に示
すように、ケーシング110の内部に蒸気発生室本体1
11を配置した構成を備えており、前述の回路95、回
路99、および回路100は何れもこの蒸気発生室本体
111に接続されている。回路99の途中には、IPA
液供給源98から蒸気発生室本体111へ供給されるI
PA液の供給を制御するための弁112と、蒸気発生室
本体111へ供給する途中でIPA液中の不純物を濾過
除去するためのフィルタ113が設けられている。そし
て、蒸気発生室本体111の底部にはヒータ115が配
設されており、IPA液供給源98から回路99を介し
て蒸気発生室本体111内に供給されたIPA液を、こ
のヒータ115によりIPA液の沸点である約80℃以
上の温度(例えば120℃程度)にまで加熱するように
構成されている。このヒータ115による加熱時には、
蒸気発生室本体111内の上方にはIPA蒸気が充満
し、蒸気発生室本体111内の圧力はIPA蒸気の蒸気
圧で大気圧よりも高い状態となる。
【0044】処理槽19の外槽60側壁面に接続されて
いる回路95は蒸気発生室本体111の上面に開口して
おり、また、この回路95の途中には弁117が設けら
れている。そして、先に説明したヒータ115の加熱に
よって蒸気発生室本体111内の圧力をIPA蒸気の蒸
気圧で大気圧よりも高くした状態でこの弁117を開放
することにより、その蒸気圧でIPA蒸気を回路95か
ら処理槽19内に導入することができる。この場合、回
路95の周りには図5で示したヒータ97が装着してあ
って回路95内の温度は約80℃に維持されているの
で、IPA蒸気が処理槽19内に導入される前に回路9
5中で凝縮する心配がない。
【0045】前述の処理槽19の内壁上部に接続されて
いる回路100は、蒸気発生室本体111の内部の下方
に溜められたIPA液の液面下において開口しており、
この回路100の途中には弁120が設けられている。
また、蒸気発生室本体111内には弁121を備えた回
路122を介して図示しないN2加圧ガス供給源からの
2加圧ガスを供給できるようになっている。従って、
回路100の弁120を開放した状態で回路122の弁
121を開放して蒸気発生室本体111内にN2加圧ガ
スを供給することにより、蒸気発生室本体111の内部
下方に溜められているIPA液を回路100を介して処
理槽19内に導入することができる。また、IPA蒸気
の圧力を利用してIPA液を回路100を介して処理槽
19内に導入することも可能である。この場合、前述し
たように回路100は処理槽19の内壁上部に接触した
状態で開口しているので、回路100から処理槽19内
に導入したIPA液を処理槽19の内壁に伝えながら流
下させることができる。
【0046】その他、蒸気発生室本体111の上面には
温度センサ125が設けられると共に、回路126、1
27がそれぞれ接続されている。温度センサ125は、
例えば熱電対とすることができる。この温度センサ12
5によって蒸気発生室本体111内の上方に充満してい
るIPA蒸気の温度を測定し、その温度を図5で説明し
たコントローラ103に入力する。
【0047】回路126は大気圧雰囲気中にて開口して
おり、また、回路126の途中には弁128が設けられ
ている。この弁128を開放することにより、蒸気発生
室本体111内の雰囲気を大気圧に開放することができ
る。
【0048】回路127は弁130を介してトラップパ
イプ131の上端に接続されている。トラップパイプ1
31の周囲には冷却用のウォータージャケット132が
装着してあり、弁130を解放すると、蒸気発生室本体
111内のIPA蒸気が回路127からトラップパイプ
131内に流入し、ウォータージャケット132の冷熱
で冷却されてIPA液に凝縮するようになっている。ま
た、トラップパイプ131の下端は、弁133を備える
回路134を介して蒸気発生室本体111の下方に接続
されている。従って、ウォータージャケット132の冷
熱で凝縮したIPA液は、弁133の開放によって蒸気
発生室本体111の下方に戻される。
【0049】蒸気発生室本体111の周囲は、例えばシ
リコンスポンジの如き断熱材135によって覆われてお
り、蒸気発生室本体111内で発生したIPA蒸気を保
温することにより、IPA蒸気が凝縮するのを防いでい
る。
【0050】蒸気発生室本体111の側方には、前述の
IPA液供給源98から回路99を介して蒸気発生室本
体111内に供給されたIPA液の液面高さを示すレベ
ルゲージ136が設けられている。そして、このレベル
ゲージ136に現れる液面をセンサ137によって測定
することにより、蒸気発生室本体111内に溜められて
いるIPA液の液面高さを検出し、その液面高さを図5
で説明したコントローラ103に入力するようになって
いる。
【0051】そして、蒸気発生室本体111およびトラ
ップパイプ131を包んでいるケーシング110の内部
は、回路138を介して供給されたN2パージガスによ
って置換され、ケーシング110内は不活性雰囲気に保
たれている。
【0052】さて、図1の洗浄システム1全体において
は、図示しない搬送ロボットが未だ洗浄されていないウ
ェハWを例えば25枚ずつ収納したキャリアCを搬入・
ロード部2の搬入部5に載置する。そして、この搬入部
5に載置されたキャリアCを移送装置7によって隣接す
るローダ6へ移送する。ローダ6では、例えばキャリア
C二個分の50枚のウェハWをキャリアCから取り出
し、更にオリフラ合わせした状態で50枚のウェハWを
整列待機させる。
【0053】続いて、既に処理槽11において洗浄およ
び乾燥処理された搬送装置30のウェハチャック36
が、ローダ6に整列している待機状態のウェハWの上方
に移動し、その整列されたウェハWをウェハチャック3
6により50枚単位で一括して把持する。そして、それ
らウェハWを先ず処理槽12、13、14に順次搬送す
る。こうして、処理槽12では、例えばアンモニア水過
水の如きアルカリ系洗浄液(NH4OH/H22/H
2O)を用いたいわゆるSC1洗浄を行い、ウェハW表
面に付着している有機汚染物、パーティクル等の不純物
質を除去する。また、処理槽13、14では、例えば純
水の如き洗浄水を用いてウェハWのリンス洗浄を行う。
【0054】SC1洗浄とリンス洗浄を終了すると、次
の搬送装置31のウェハチャック37が処理槽14内に
下降し、処理槽14底部のボート上に保持された50枚
のウェハWを一括して把持して上昇する。そして、それ
らウェハWを一括して次の処理槽15、16、17へ順
次搬送する。こうして、処理槽15では、例えば塩酸過
水(HCl+H22)を用いたいわゆるSC2洗浄を行
い、金属イオンの除去、ウェハW表面の安定化を図る。
また、処理槽16、17では、例えば純水の如き洗浄水
を用いてウェハWのリンス洗浄を行う。
【0055】SC2洗浄とリンス洗浄を終了すると、次
の搬送装置32のウェハチャック38が処理槽17内に
下降し、処理槽17底部のボート上に保持された50枚
のウェハWを一括して把持して上昇する。こうして処理
槽17から取り出したウェハWを一括して次の処理槽1
9と搬出・アンロード部4のアンローダ20へ順次搬送
する。
【0056】ここで、本発明の実施の形態にかかる処理
槽19においては、以下に説明する工程に従ってウェハ
Wの洗浄、乾燥処理が行われる。
【0057】先ず、ウェハWが搬入される前において
は、処理槽19には所定の濃度に設定された希フッ酸
(HF/H2O)のごとき洗浄液が予め充填されてお
り、また、図5で説明した洗浄液循環機構85によって
回路64を介して処理槽19の底部に洗浄液が連続的に
循環供給されることにより、処理槽19内には洗浄液の
上昇流が形成された状態になっている。そして、処理槽
19の上方(ケース73の上方)には、処理槽17から
取り出した50枚のウェハWを一括把持した搬送装置3
2のウェハチャック38が待機した状態になっている。
【0058】そして、図2に示した蓋体71が開放され
てケース73の上面が開口すると、ウェハチャック38
が下降を開始し、ウェハチャック38によって把持され
た50枚のウェハWを処理槽19内に挿入して、それら
ウェハWを処理槽19底部のボート50上に保持させ
る。その後、ウェハチャック38は開脚してウェハWの
把持状態を開放した後上昇し、処理槽19上方に退避す
る。このウェハチャック38の退避後、蓋体71が再び
閉められて処理槽19はケース73内の密閉雰囲気にお
かれた状態となる。そして、図7(1)に示すようにし
て、処理槽19内においてウェハWを洗浄液(希フッ
酸)150に浸漬させた状態でHF洗浄が開始する。
【0059】次に、所定のレシピ(設定濃度/設定時
間)に従うウェハWのHF洗浄が終了すると、図5に示
す洗浄液循環機構85は処理槽19の底部からの洗浄液
(希フッ酸)の循環供給を中止する。そして、純水供給
源87から供給されたリンス洗浄液としての純水を処理
槽19の底部に供給し、希フッ酸を処理槽19上部から
外槽60に溢れ出させて洗浄液循環機構85に戻した
後、回路90、79から廃棄する。こうして、しばらく
の間純水供給源87からリンス洗浄液を供給しながら回
路90、79から廃棄を行うことにより、処理槽19内
の洗浄液を純水に置換し、置換後、回路90、79から
の廃棄を停止する。なお、洗浄液が希フッ酸から純水に
置換されたことは、例えば洗浄液の比抵抗を計測して検
知することができる。そして、図7(2)に示すように
して、処理槽19内においてウェハWを純水洗浄液15
1中に浸漬させてウェハWをリンス洗浄する。
【0060】そして、リンス洗浄を終了すると、洗浄液
循環機構85は処理槽19の底部からのリンス洗浄液
(純水)の循環供給を中止する。そして、温水供給源8
8から供給された温水洗浄液としての温水(室温以上8
0℃以下程度に水温が調節された温水)を処理槽19の
底部に供給し、リンス洗浄液を処理槽19上部から外槽
60に溢れ出させて洗浄液循環機構85に戻した後、回
路90、79から廃棄する。こうして、しばらくの間温
水供給源88から温水洗浄液を供給しながら回路90、
79から廃棄を行うことにより処理槽19内の洗浄液を
温水に置換し、図7(3)に示すようにして、処理槽1
9内においてウェハWを温水洗浄液152中に浸漬させ
てウェハWを加熱する。そして、ウェハWを加熱後、洗
浄液循環機構85は処理槽19の底部からの温水洗浄液
の供給を中止する。
【0061】次に、図6に示したIPA蒸気発生室96
の蒸気発生室本体111においてヒータ115で所定の
温度(例えばIPAの沸点である約80℃)に加熱した
IPA液を回路100を介して蒸気発生室本体111内
の下方から取り出し、そのIPA液を処理槽19内に導
入して処理槽19の内壁上部に伝わらせながら吐き出
す。こうして、図7(4)に示すように、処理槽19内
においてウェハWを温水洗浄液152中に浸漬させなが
ら、温水洗浄液152の液面にIPA液153の層を適
当な厚さで浮遊させた状態で形成する。
【0062】なお、この温水洗浄液152の液面に形成
されるIPA液153の浮遊層は、回路100から処理
槽19内にIPA液を導入する代わりに、図6に示した
IPA蒸気発生室96の蒸気発生室本体111で作り出
したIPA蒸気を回路95から処理槽19内に導入する
ことによっても形成することもできる。即ち、処理槽1
9内に溜められている温水洗浄液152の温度がIPA
液の沸点である約80℃よりも低い場合は、回路95か
らIPA蒸気を処理槽19内に導入すれば、その蒸気が
処理槽19内の温水洗浄液152の液面に触れた際に凝
縮するので、同様に図7(4)に示したように、温水洗
浄液152の液面にIPA液153の浮遊層を形成する
ことができる。
【0063】こうして回路100を介して処理槽19内
にIPA液を導入することにより温水洗浄液152の液
面にIPA液153の浮遊層を形成した後、図6に示す
IPA蒸気発生室96の蒸気発生室本体111において
作り出したIPA蒸気を回路95から処理槽19内に導
入し始める。あるいは、既に回路95からIPA蒸気を
処理槽19内に導入して処理槽19内の温水洗浄液15
2の液面にIPA液153の浮遊層を形成した場合は、
更に蒸気発生室本体111において作り出したIPA蒸
気を回路95から処理槽19内に導入し続ける。なお、
このように処理槽19内にIPA蒸気を導入する場合
は、IPA蒸気発生室本体111においてヒータ115
でIPA液を約80℃以上(例えば120℃)に加熱
し、IPA蒸気発生室86内のIPA液を沸騰させてI
PA蒸気発生室本体111内を大気圧よりも高くした状
態で弁117を開放し、蒸気圧によってIPA蒸気を回
路95から処理槽19内に導入する。
【0064】そして、処理槽19内にIPA蒸気を導入
している状態を保ちながら、処理槽19内の温水洗浄液
を図5に示した回路64から洗浄液循環機構85に少し
ずつ戻して回路90、79から廃棄し、処理槽19内の
温水洗浄液152を徐々に排水する。この排水工程の途
中においては、処理槽19内には、図7(5)に示すよ
うに、下方に温水洗浄液152の液層が位置し、上方に
IPA蒸気154の気層が位置し、それらの間にIPA
液153の液層が位置した状態となる。こうして、処理
槽19内においてウェハWの表面の温水洗浄液152を
直接気体に触れさせずに、ウェハW表面の温水洗浄液を
揮発性の高いIPA液153に置換しながら徐々に排水
する。
【0065】こうして、温水洗浄液152の液面にIP
A液153の層を形成させた状態で処理槽19内の温水
洗浄液152をゆっくりと排水することにより、ウェハ
Wの表面全体にIPA液153の層を通過させて、ウェ
ハW表面に付着していた洗浄液(純水)を揮発性の高い
IPA液153に置換することが可能となる。なお、ボ
ート50によって保持されているウェハWの周縁部に付
着している洗浄液(純水)もIPA液に完全に置換でき
るように、IPA液153の層が通過する際に、ボート
50によるウェハWの保持箇所を途中で変えてやること
が望ましい。
【0066】そして、図7(6)の乾燥工程−1に示す
ように、処理槽19内から温水洗浄液152を完全に排
水し、温水洗浄液152上に浮遊していたIPA液15
3の液層も完全に排水した後においても、更に処理槽1
9内にIPA蒸気154を導入し続ける。そして、処理
槽19内をよりIPA蒸気154雰囲気にして水分を排
出する。こうして、所定の間、処理槽19内にIPA蒸
気154を導入したら、回路95の弁117を閉じ、処
理槽19内へのIPA蒸気の導入を終了する。
【0067】乾燥工程−1を終了すると、次に、図5に
示した回路80を介して図示しないN2ガス供給源から
ケース73内にN2ガスを供給し、処理槽19内のIP
A蒸気を一掃(PURGE)する。これにより、処理槽
19内雰囲気はN2ガスに置換されて不活性雰囲気とな
る。こうして、図7(7)の乾燥工程−2においては不
活性雰囲気下で乾燥を行い、ウェハWの表面に付着した
IPA液を完全に蒸発させて取り除く。処理槽19内雰
囲気がN2ガスに置換されると、図示しないN2ガス供給
源からのN2ガスの供給は終了する。かくして、表面に
ウォーターマークを残すことなく乾燥されたウェハW
が、不活性雰囲気となった処理槽19内に収納された状
態となる。この場合、ケース73内に供給するN2ガス
は、例えば約80℃程度に加熱されていることが望まし
い。
【0068】そして、以上に説明した図7(6)の乾燥
工程−1や図7(7)の乾燥工程−2においては、ケー
ス73内を排気して処理槽19内の雰囲気を大気圧より
も減圧した状態にすることにより、ウェハWの表面に付
着したIPA液の乾燥を早めることができるようにな
る。即ち、例えば図7(6)に示す乾燥工程−1におい
て、処理槽19内にIPA蒸気154を供給してウェハ
Wを乾燥する処理を行いながら、図5に示した排気手段
78を稼働し、ケース73内の雰囲気を回路75、77
を介して排気する。すると、ケース73内におかれてい
る処理槽19は減圧雰囲気となり、これにより処理槽1
9内に収納しているウェハWの表面に付着したIPA液
の蒸気圧が相対的に高くなって、IPA液の乾燥を早め
ることができるようになる。
【0069】一方、このように排気手段78を稼働して
ケース73内の雰囲気を排気した場合は、ケース73底
部から回路75に排気される雰囲気中にIPA蒸気など
の有機物質が混入することになる。しかし、回路75に
混入した有機物質は、回路75、77の間に設けたトラ
ップ機構76で捕捉されてトラップ機構76底部の回路
79から廃棄(DRAIN)されるので、排気手段78
側には入り込む心配がない。
【0070】なお、以上は図7(6)の乾燥工程−1に
おいて処理槽19内にIPA蒸気154を供給している
際に処理槽19内を減圧雰囲気にする例について説明し
たが、その他、図7(6)の乾燥工程−1において処理
槽19内へのIPA蒸気154の供給を終了した後にケ
ース73内の排気を行っても良く、また、図7(7)の
乾燥工程−2において回路80からケース73内にN2
ガスを導入しているときにケース73内を排気して処理
槽19内を減圧雰囲気にするようにしても良く、更にま
た、処理槽19へのN2ガスの導入を終了した後に、ケ
ース73内を廃棄して処理槽19内を減圧雰囲気にして
も良い。何れにしても、図7(6)の乾燥工程−1およ
び図7(7)の乾燥工程−2の間の適当な時期に排気手
段78を稼働して処理槽19内を減圧雰囲気にすること
により、ウェハWの表面に付着したIPA液の乾燥を早
めることができるようになる。
【0071】かくして、処理槽19におけるウェハWの
洗浄および乾燥が終了すると、図2に示した蓋体71が
再び開放されてケース73の上面が開口し、既に処理槽
18において洗浄および乾燥処理されて、処理槽19の
上方に待機していたウェハチャック38が下降を開始す
る。そして、ウェハチャック38は処理槽19底部のボ
ート50上に保持されていた50枚のウェハWを一括し
て把持し、そのウェハWを処理槽19から取り出して、
次の搬出・アンロード部4のアンローダ20に搬出す
る。かくして、この洗浄システムによる一連の洗浄、乾
燥が終了したウェハWは、キャリアCに装填された状態
で搬出・アンロード部4の搬出部21から、例えば図示
しないロボットにより搬出されることになる。
【0072】なお、この実施の形態で説明した処理槽1
9のようにIPAなどの引火性の高い処理液を用いる場
合は、先に図5において説明したように、ケース73お
よびIPA蒸気発生室96の内部にCO2ガスを供給し
て消火を行うようなCO2消火器101を設置すると良
い。この場合、図6に示した温度センサ125の周辺の
みにCO2ガスを供給する構成としても良い。
【0073】また、処理槽19の全体の処理工程を、図
5に示したコントローラ103によって制御する例につ
いて説明したが、例えばIPA蒸気発生室96の制御を
行う各制御部や、処理槽19やその他の各洗浄槽11〜
17の制御を行う各制御部、搬入・ロード部2と搬出・
アンロード部4の制御を行う各制御部などをそれぞれ個
別に設け、それらの各制御部をマスターコンピュータで
制御するように構成しておけば、マスターコンピュータ
が故障しても、それぞれの各制御部で制御することによ
って、洗浄システム1の運転を継続できるので、安全性
を確保できる。
【0074】なお、この実施の形態においては、処理槽
19へのウェハWの搬入と、処理槽19からのウェハW
の搬出を一つの搬送装置32によって行う例を説明し
た。その場合、処理槽19へウェハWを搬入した際にウ
ェハチャック38に洗浄液が付着するので、処理槽19
内で洗浄および乾燥されたウェハWを搬出する際には、
ウェハチャック38を洗浄槽18にて洗浄、乾燥するこ
とが必要である。そこで、処理槽19へウェハWを搬入
する搬送装置と、処理槽19からウェハWを搬出する搬
送装置をそれぞれ別個に設けるようにしても良い。そう
すれば、処理槽19からウェハWを搬出する搬送装置の
ウェハチャックは常に清潔かつ乾燥した状態を保つこと
ができるので、ウェハチャックの洗浄と乾燥を行う処理
槽を省略できるようになる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、処理槽内の雰囲気を減
圧状態にすることにより、被処理体の表面に付着した処
理液を迅速に乾燥させることができる。従って、本発明
によれば、処理時間を短縮でき、スループットの向上を
はかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる処理槽を備えた洗
浄システムの斜視図である。
【図2】図1におけるA−A断面矢視図である。
【図3】搬送装置の斜視図である。
【図4】処理槽の斜視図である。
【図5】洗浄液循環機構の説明図である。
【図6】IPA蒸気発生室の説明図である。
【図7】処理槽における洗浄、乾燥の処理工程説明図で
ある。
【符号の説明】
W ウェハ 19 処理槽 75 回路 76 トラップ機構 77 回路 78 排気手段 85 処理液循環機構 96 IPA蒸気発生室 98 IPA液供給源

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理液の蒸気を処理槽内に導入して処理
    槽内に収納した被処理体を処理する処理装置において、 処理槽内を排気する排気手段を設けたことを特徴とする
    処理装置。
  2. 【請求項2】 処理液の蒸気を処理槽内に導入して処理
    槽内に収納した被処理体を処理する処理方法において、 処理槽内を排気することを特徴とする処理方法。
  3. 【請求項3】 処理液の蒸気を処理槽内に導入し、次い
    で、不活性ガスを処理槽内に導入して処理槽内に収納し
    た被処理体を処理する処理方法において、 処理槽内を排気することを特徴とする処理方法。
  4. 【請求項4】 前記処理液の蒸気を処理槽内に導入して
    いるときに、処理槽内を排気する請求項2、または3に
    記載の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記処理液の蒸気を処理槽内に導入した
    後に、処理槽内を排気する請求項2、3、または4に記
    載の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記不活性ガスを処理槽内に導入してい
    るときに、処理槽内を排気する請求項3、4、または5
    に記載の処理方法。
  7. 【請求項7】 前記不活性ガスを処理槽内に導入した後
    に、処理槽内を排気する請求項3、4、5、または6に
    記載の処理方法。
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