JPH09242552A - ２サイクル内燃エンジン - Google Patents

２サイクル内燃エンジン

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JPH09242552A
JPH09242552A JP8045091A JP4509196A JPH09242552A JP H09242552 A JPH09242552 A JP H09242552A JP 8045091 A JP8045091 A JP 8045091A JP 4509196 A JP4509196 A JP 4509196A JP H09242552 A JPH09242552 A JP H09242552A
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crank chamber
internal combustion
combustion engine
cylinder block
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JP8045091A
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Shiro Yamaguchi
史郎 山口
Masayoshi Miyamoto
真義 宮本
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Kioritz Corp
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Kioritz Corp
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Publication date
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    • F02B33/02—Engines with reciprocating-piston pumps; Engines with crankcase pumps
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業機の姿勢変化に伴って該作業機のエンジ
ンの姿勢が変化しても、クランク室の内周面等に付着し
た液状燃料に不所望な流動を生じ難くして、該液状燃料
が一気に燃焼室に流れ込むのを防止すると共に、該燃焼
室に流れ込んだとしても、燃焼に不具合を生じさせ難い
２サイクル内燃エンジンを提供する。 【解決手段】 クランク室２２を備えた２サイクル内燃
エンジン１０において、シリンダブロック１２が、排気
路２８を二分割する縦断面Ｆを挟んで対称的に掃気路２
７、２７を前記シリンダブロック１２の上下に沿って対
向配置し、該両掃気路２７、２７の通路断面積を互いに
異なる断面積とし、前記シリンダブロック１２の下側に
位置する前記通路断面積の小さい掃気路２７側の前記ク
ランク室２２の内周面２２ａに液状燃料の流動規制部４
０を備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、２サイクル内燃エ
ンジンに関し、特に、チェーンソー等の作業姿勢を変化
して使用する可搬式動力作業機用に好適な２サイクル内
燃エンジンに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、チェーンソー等の作業姿勢を変化
して使用する可搬式動力作業機においては、該作業機の
駆動源として小型空冷２サイクルガソリンエンジン（以
下、２サイクル内燃エンジン又は単にエンジンと云う）
が多用されており、該２サイクル内燃エンジンは一般に
横幅に比して縦（シリンダブロック内でのピストンの往
復動方向）が長い（高い）ので、小型のチェーンソー等
では前記エンジンを横に寝かせた姿勢で本体ケース内に
配備することが一般に行われている。
【０００３】前記エンジンを横に寝かせた姿勢でチェー
ンソー等の作業機の本体ケース内に配備するものとして
は、例えば実開昭５６−１４０４０２号公報記載のもの
がある。該公報記載のエンジンは、クランク室の底部
（機体の前側部）に混合気吸入口が開口され、気化器か
らの混合気がリードバルブを介してその混合気吸入口か
らクランク室に吸入されて予圧縮され、該クランク室に
連通すると共に前記シリンダブロックの上下に沿って配
設した掃気路を通じて燃焼室に送り込まれるような構造
となっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記エンジ
ンを装備した作業機（チェーンソー）を使用して作業を
行う場合に、該作業機の前部（作業部）を下方もしくは
斜め下に向けて暫くの間作業を行い、その後、その前部
を上方もしくは斜め上に向けると、エンジンが急に失速
し、エンジンが不測にストップしてしまうことが生じる
虞があった。
【０００５】これは、前記作業機の前側部を下方もしく
は斜め下方に向けている間、即ち、前記エンジンのクラ
ンク室に開口する前記混合気吸入口が下方もしくは斜め
下方に向けられている間に、適正に霧化した混合気とな
らずに前記クランク室の内周面等に付着した液状燃料が
前記混合気吸入口部に流下してそこに溜まり、前記作業
機の前側部を上方に向けた時、その液状燃料が前記クラ
ンク室の内周面をつたって前記掃気路にそのまま流入
し、該掃気路から燃焼室に一気に流れ込んで、燃焼に供
する混合気が過濃状態になってしまうこと、換言すれ
ば、前記エンジンの急な失速、ストップは、作業機の姿
勢変化に伴うエンジンの姿勢変化による液状燃料の不所
望な流動が原因となっていた。
【０００６】本出願人は、先に、前記エンジンの姿勢変
化による液状燃料の不所望な流動を回避する手段を、特
願平７−３１３３７１号として提案している。該提案
は、クランクケース内にクランク室と該クランク室に開
口する混合気吸入口とを有する２サイクル内燃エンジン
において、前記クランク室の内周面における前記混合気
吸入口近傍に、前記作業機の前側部を上方に向けた時、
前記クランク室の内周面をつたって液状燃料が流れるの
を抑制し、該液状燃料の流速を低下させる凸部等の流動
規制部を設けたものである。該流動規制部を設けること
により、前記液状燃料がクランク室の内周面を伝って液
状のまま一気に燃焼室に流れ込む事態が避けられ、エン
ジンがストップしてしまう等の不具合が回避できるもの
である。
【０００７】しかし、この種の２サイクル内燃エンジン
は、該エンジンのシリンダの内面に上下対称に同じ形状
の掃気路が配設されており、該掃気路の掃気口から燃焼
室に噴射される混合気は、互いに衝突するように、方向
付けられている。このため、燃焼室内における混合気の
スワール流が起こりずらい状態となっており、前記クラ
ンク室の内周面に前記の如く流動規制部を設けて一時的
に液状燃料を貯留させる構成としても、その後、前記液
状燃料が前記シリンダの燃焼室に流入する等の場合に、
液状燃料が空気と十分に混合されない状態を生じること
があり、このことが前記燃焼室での燃焼を阻害する要因
となっている。
【０００８】また、前記作業機の前側部を下方に向けた
時、前記凸部等の流動規制部のシリンダ側で、前記流動
規制部に接するクランク室の内周面に液状燃料が溜まる
場合があり、この場合には、前記作業機の前側部を上方
に向けた時、やはり前記クランク室の内周面をつたって
液状燃料が流れて、燃焼室に入る虞があった。
【０００９】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、作業機の姿
勢変化に伴って該作業機のエンジンの姿勢が変化して
も、クランク室の内周面等に付着している液状燃料に不
所望な流動を生じ難くして、液状燃料が一気に燃焼室に
流れ込むのを防止すると共に、仮に、該燃焼室に液状の
ままその一部が流れ込んだとしても、運転に不具合を生
じさせ難い２サイクル内燃エンジンを提供することにあ
る。
【００１０】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明に係る２サイクル内燃エンジンは、シリンダブロ
ック、クランクケース、及び、前記シリンダブロックと
前記クランクケースとによって画成されるクランク室を
備えたものであって、前記シリンダブロックが、排気路
を二分割する縦断面を挟んで対称的に掃気路を前記シリ
ンダブロックの上下に沿って対向配置し、該両掃気路の
通路断面積を互いに異なる断面積とし、前記シリンダブ
ロックの下側に位置する前記通路断面積の小さい掃気路
側の前記クランク室の内周面に液状燃料の流動規制部を
備えたことを特徴としている。
【００１１】また、本発明のより具体的な態様として
は、前記両掃気路は、各通路の溝の深さを異ならせるこ
とによって通路断面積を異ならしめたものであり、前記
流動規制部は凹状の堰としたことを特徴としている。更
に、前記凹状の堰の具体的形態は、前記クランク室の全
幅にわたって配設され、前記クランク室の内周面から前
記通路断面積の小さい掃気路へ向けて延びる滑面と、該
滑面から前記内周面へ向けて立ち上がる曲面とを備えた
ものであり、該曲面と前記掃気路の溝底とで鋭角状の接
部を構成していることを特徴としている。
【００１２】更にまた、本発明の２サイクル内燃エンジ
ンは、前記クランク室に開口する混合気吸入口の前記流
動規制部側の内面を、前記クランク室の内周面の接線に
沿って形成したことを特徴としている。このように構成
された本発明の２サイクル内燃エンジンにおいては、ク
ランク室の内周面における掃気路の入口近傍に設けた凹
状の堰形状の液状燃料の流動規制部により、エンジンの
姿勢変化によって、前記クランク室の混合気吸入口部に
溜まっていた液状燃料が前記クランク室の内周面を伝っ
て燃焼室に流れ込もうとしても、その流れが前記流動規
制部によって邪魔され、その流速が大きく低下せしめら
れる。
【００１３】また、前記流動規制部を備えた下側の掃気
路は、上側の掃気路よりもその溝の深さを浅くして通路
断面積を小さくしているので、混合気の通過速度が速く
なり、前記燃焼室に前記両掃気路から混合気が噴射され
た場合に、該両掃気路の出口で混合気流に速度差が発生
する。該噴射混合気の速度差によって、前記燃焼室内に
スワール流が起こり、混合気が効果的に旋回して燃焼の
促進が行われる。
【００１４】更に、前記流動規制部に一時貯留した液状
燃料が前記流動規制部としての堰の鋭角部を乗り越えて
前記下側の掃気路に流れた場合にも、前記鋭角部で微粒
子化されると共に、前記の如く燃焼室内には混合気のス
ワール流が生じているので、速やかに、混合気との攪拌
混合が行われて、燃焼の阻害要因とはならない。
【００１５】
【発明の実施の形態】図１には、本発明に係る２サイク
ル内燃エンジンの一実施形態が採用されているチェーン
ソー１が示されている。図１のチェーンソー１は、本体
ケース２を備え、該本体ケース２の前側部にはソーチェ
ーン等からなる作業部６が着脱可能に装着されており、
上部には主ハンドル３が取付られ、その前部の左側部に
はループ状の補助ハンドル４の上端部が取付られてい
る。
【００１６】前記本体ケース２の内部には、本実施形態
の小型空冷２サイクルガソリンエンジン１０が、点火プ
ラグ２９を取着したシリンダヘッド１２ａを後方に向け
て横に寝かせた姿勢、即ち、シリンダブロック１２が後
側に位置し、それに連結したクランクケース２０が前側
に位置するように配備されている。前記シリンダブロッ
ク１２内には、ピストン１４が往復動可能に嵌挿される
と共に、該ピストン１４の頂面側の前記シリンダブロッ
ク１２内に燃焼室１７が画成され、該燃焼室１７に臨む
ように前記シリンダブロック１２の頂部に前記点火プラ
グ２９が取着されている。
【００１７】前記ピストン１４の往復運動は、コンロッ
ド１９を介して、半円筒状のクランクケース２０と前記
シリンダブロック１２の下部とに挟まれるようにして取
着された軸受（図示省略）に軸支されたクランクシャフ
ト１５の回転運動に変換され、該クランクシャフト１５
の回転に伴って、それに取付られたバランスウエイト１
６が前記クランクケース２０と前記シリンダブロック１
２の下部とで画成されたクランク室２２内で、回転する
ようになっている。
【００１８】また、前記クランクケース２０における前
記クランク室２２の底部（寝かせられた状態で前側部）
の上方寄りには、混合気吸入口２５が開口し、ダイヤフ
ラム式気化器３０からインシュレータに形成された給気
通路３２を通じて送出される混合気が、リードバルブ３
５を介して前記混合気吸入口２５から前記クランク室２
２に吸入されて予圧縮され、その混合気が前記クランク
室２２に連通せしめられた前記シリンダブロック１２の
上下の掃気路２７、２７…を通じて前記燃焼室１７に送
り込まれるようにされている。
【００１９】そして、本実施形態においては、図２に示
されているように、前記シリンダブロック１２は、排気
路２８を二分割して前記シリンダブロック１２の軸心線
を通る縦断面Ｆを挟んで上下対称位置に一対ずつの壁な
し式溝状の前記掃気路２７、２７…を前記シリンダブロ
ック１２の上下に沿って備えた構成とされており、該掃
気路２７、２７…は、その溝の深さｈを図２に示す如
く、上下で異なる構造としている。図２において下側
（図１においては主ハンドル３から離れた下側）の前記
掃気路２７、２７の溝の深さ（ｈ1）を浅く、上側（図
１においては主ハンドル３に近い上側）の前記掃気路２
７、２７の溝の深さ（ｈ2）を深く構成している。前記
上下の掃気路２７、２７…は、それぞれ対応する上下の
溝の幅は同じくするが、該溝の深さｈを上下で異ならせ
ることによって、その通路断面積を異ならしめているの
で、混合気が前記上下の掃気路２７、２７…を通過する
時、混合気の流速に速度差が生じ、前記燃焼室１７内に
噴射される場合に、混合気は前記各掃気路２７、２７、
…から各々異なる速度となって噴射される。
【００２０】また、図３に示す如く、前記溝の深さ（ｈ
1）を浅くした前記下側掃気路２７、２７の入り口部の
前記クランク室２２の内周面２２ａには、液状燃料の流
動を規制する流動規制部としての堰４０を設ける。該堰
４０は前記クランク室２２の前記クランクシャフト１５
に沿った全幅にわたって横断するように設けられ、該ク
ランク室２２内に滞留した液状燃料を一時貯留する役目
を担うものであり、凹状に抉られており、前記液状燃料
の流入側は、該液状燃料が前記クランク室２２の内周面
２２ａから容易に流入するように、該内周面２２ａから
前記通路断面積の小さい下側掃気路２７、２７へ向けて
延びる滑面４０ａに構成され、前記堰４０の流出側（前
記下側掃気路２７、２７の入口側）は、該堰４０内に液
状燃料を保持するべく、前記クランク室２２の内周面２
２ａへ向けて立ち上がる曲面４０ｂに構成し、該曲面４
０ｂの流出端に接する状態で、前記下側掃気路２７、２
７の溝底２７ａを配置し、前記曲面４０ｂの流出端と前
記溝底２７ａとの接部４０ｃを鋭角状としている。前記
凹状の堰４０を前記のように構成することによって、前
記液状燃料を、該堰４０内にしっかりと貯留することが
できるようにせしめると共に、前記クランク室２２内の
混合気流に吹かれて微粒子化されて前記燃焼室１７へ供
給されるようにせしめる。
【００２１】更に、本実施形態においては、前記混合気
吸入口２５が、前記リードバルブ３５の周辺に液状燃料
が溜まらないように、該リードバルブ３５の自由端下部
の下方が斜めに傾斜した内面２５ａ形状とし、前記クラ
ンク室２２の内周面２２ａの接線に沿って形成せしめ
て、前記クランク室２２の下方に向けて液状燃料を含む
混合気を案内している。
【００２２】次に、このように構成された本発明実施形
態のエンジンを備えた前記チェーンソー１の作動につい
て説明する。前記チェーンソー１の前側部を下方もしく
は斜め下方に向けて暫くの間作業を行うと、前記クラン
ク室２２の内周面２２ａ等に付着した液状燃料は前記混
合気吸入口２５に前記内周面２２ａを伝って流れて導か
れ、そこに溜まる。
【００２３】その後、チェーンソー１の前側部を上方も
しくは斜め上方に向けると、前記混合気吸入口２５部に
溜まっていた液状燃料が前記クランク室２２の内周面２
２ａを伝って流れて前記堰４０内に導かれ、該堰４０に
よりその流れが邪魔されて、その流速が大きく低下す
る。そのため、従来の如く前記液状燃料が前記クランク
室の内周面２２ａを伝って一気に前記燃焼室１７に液状
のまま流入するような事態を回避でき、その結果、エン
ジンが不測にストップしてしまう等の不具合が生じ難く
なる。
【００２４】また、本実施形態は、前記堰４０を備えた
下側掃気路２７、２７を上側の掃気路２７、２７よりも
その溝の深さｈ1 を浅くして、その通路断面積を小さく
しているので、混合気の通過速度が速くなり、前記燃焼
室１７に前記上下の掃気路２７、２７…から混合気が噴
射された場合に、該上下の掃気路２７、２７…のそれぞ
れから噴射される混合気に速度差が発生する。該噴射混
合気の速度差によって、前記燃焼室１７内にスワール流
が起こり、混合気が効果的に旋回して燃焼の促進が行わ
れる。
【００２５】更に、前記堰４０に一時滞留した液状燃料
が、前記堰４０の鋭角部４０ｃを乗り越え微粒子となっ
て前記掃気路２７、２７に流れ、前記燃焼室１７に噴射
された場合にも、該燃焼室１７内に混合気のスワール流
が生じているので、速やかに、混合気との攪拌混合が行
われて、燃焼の阻害要因とはならない。本実施形態の排
気量２８ccの２サイクル内燃エンジンを備えたチェーン
ソーを用いて、−１０℃までの低温、及び、標高１００
０ｍの高地で、姿勢変化をさせつつ使用実験を実施した
が、前記２サイクル内燃エンジンが急に失速したり、該
エンジンが停止するようなことはなかった。
【００２６】また、本実施形態の前記２サイクル内燃エ
ンジンにおけるアイドリングセットにおいて、従来、１
０００rpm のリッチダウンが標準であったが、６００rp
m のリッチダウンの状態にして前記低温及び高地を含む
使用実験をしたが、特に問題は起こらなかった。
【００２７】更に、本実施形態の前記２サイクル内燃エ
ンジンの動力性能実験においても、従来の２サイクル内
燃エンジンと同等で、本実施形態の前記２サイクル内燃
エンジンが、掃気路の形状を変更したこと、及び、シリ
ンダブロックのクランク室の内周面に凹状の堰を設けた
ことによる該エンジンの馬力の低下も見られなかった。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明
は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求
の範囲に記載した本発明の精神を逸脱しない範囲で、設
計において、種々の変更ができるものである。
【００２８】例えば、前記実施形態は、流動規制部とし
て凹状の堰４０を設ける構成としているが、該流動規制
の形状は前記実施形態に限られず、他の構造の堰、溝、
窪み等液状燃料を貯留できる種々の形態を採用できるも
のである。また、前記実施形態は、上下の掃気路２７、
２７…の溝の深さｈを異なる深さとしているが、溝の幅
を変えてもよく、要は、上下の掃気路２７、２７…の通
路断面積を異ならしめて、両掃気路２７、２７…間に混
合気の流速の違いを生じさせる種々の形態を採用できる
ものである。
【００２９】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明の２サイクル内燃エンジンは、クランク室の内周面に
おける掃気路の入口近傍に凹状堰等の流動規制部を設け
たので、エンジンの姿勢変化によって燃焼室に一気に流
れ込もうとする液状燃料が流動規制部により邪魔され、
一気に燃焼室に流れ込む事態が回避され、エンジンが不
測にストップしてしまう等を防ぐことができる。また、
前記流動規制部を備えた側の掃気路を他の側の掃気路よ
りも通路断面積を小さくしたので、該両掃気路から噴射
される混合気に速度差が発生し、燃焼室内にスワール流
が起こり、混合気が効果的に旋回して燃焼の促進が行わ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態の２サイクル内燃エンジン
が採用されているチェーンソーの一例を示す一部切欠側
面図。
【図２】図１の２サイクル内燃エンジンのピストンを除
去したII-II矢視部分拡大断面図。
【図３】図１の２サイクル内燃エンジンのIII円内部分
の拡大図。
【符号の説明】
１０…２サイクル内燃エンジン １２…シリンダブロック ２０…クランクケース ２２…クランク室 ２２ａ…内周面（クランク室の） ２５…混合気吸入口 ２５ａ…内面（混合気吸入口の） ２７…掃気路 ２７ａ…溝底（掃気路の） ２８…排気路 ４０…堰（流動規制部） ４０ａ…滑面 ４０ｂ…曲面 ４０ｃ…鋭角状接部 ｈ…溝深さ Ｆ…縦断面（シリンダブロックの）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ０２Ｍ 29/14 Ｆ０２Ｍ 29/14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 シリンダブロック１２、クランクケース
    ２０、及び、前記シリンダブロック１２と前記クランク
    ケース２０とによって画成されるクランク室２２を備え
    た２サイクル内燃エンジン１０において、 前記シリンダブロック１２が、排気路２８を二分割する
    縦断面Ｆを挟んで対称的に掃気路２７、２７を前記シリ
    ンダブロック１２の上下に沿って対向配置し、該両掃気
    路２７、２７の通路断面積を互いに異なる断面積とし、
    前記シリンダブロック１２の下側に位置する前記通路断
    面積の小さい掃気路２７側の前記クランク室２２の内周
    面２２ａに液状燃料の流動規制部４０を備えたことを特
    徴とする２サイクル内燃エンジン。
  2. 【請求項２】 前記両掃気路２７、２７は、各通路の溝
    の深さｈを異ならせることによって通路断面積を異なら
    せたことを特徴とする請求項１に記載の２サイクル内燃
    エンジン。
  3. 【請求項３】 前記流動規制部は、凹状の堰４０である
    ことを特徴とする請求項１に記載の２サイクル内燃エン
    ジン。
  4. 【請求項４】 前記凹状の堰４０は、前記クランク室２
    ２の全幅にわたって配設され、前記クランク室２２の内
    周面２２ａから前記通路断面積の小さい掃気路２７へ向
    けて延びる滑面４０ａと、該滑面４０ａから前記内周面
    ２２ａへ向けて立ち上がる曲面４０ｂとを備え、該曲面
    ４０ｂと前記掃気路２７の溝底２７ａとで鋭角状接部４
    ０ｃを構成していることを特徴とする請求項３に記載の
    ２サイクル内燃エンジン。
  5. 【請求項５】 前記クランク室２２に開口する混合気吸
    入口２５の前記流動規制部４０側の内面２５ａを、前記
    クランク室２２の内周面２２ａの接線に沿って形成した
    ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項に記載
    の２サイクル内燃エンジン。
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