JPH0923838A - 豆乳組成物 - Google Patents

豆乳組成物

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JPH0923838A
JPH0923838A JP7201514A JP20151495A JPH0923838A JP H0923838 A JPH0923838 A JP H0923838A JP 7201514 A JP7201514 A JP 7201514A JP 20151495 A JP20151495 A JP 20151495A JP H0923838 A JPH0923838 A JP H0923838A
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soybean milk
tofu
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Takeshi Yasumasu
毅 安増
Masaki Nomura
正樹 野村
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凝固剤の過度の使用等による風味の低下が生
じることなく、凝固性や弾力性などの性能に優れ、また
外観、内部組織などの品質の点においても良好であり、
食感の改良された、豆腐、油揚げなどの豆乳加工品の調
製が可能な豆乳組成物を提供する。 【構成】 40〜50mg/mlの蛋白質濃度を有し、
かつ全蛋白質中の11Sグロブリンの含有量が48%〜
76%である豆乳組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凝固性などの物性、製
品の外観、そして食感などの品質の改良された豆乳加工
食品を作るのに好適な豆乳組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】豆腐、油揚げ、あるいは凍り豆腐などの
大豆蛋白製品(豆乳加工食品)の性能は、その原料とな
る豆乳の蛋白質濃度にほぼ左右されるといわれている。
通常上記のような製品を作るために使用される豆乳の蛋
白質濃度は、40〜50mg/mlであり、この蛋白質
濃度を調整することで、硬い製品にしたり、あるいは軟
らかい製品にしたりできるなど、特に製品の凝固性能は
蛋白質濃度によるところが大きい。そして上記のような
製品の性能予測は、製造初期の段階で蛋白質濃度の近似
値として豆乳の糖度、固形物含量あるいは粘度を測定す
ることによって行っている。ところが、製品の食感は、
いたずらに蛋白質濃度を高くしても改善することができ
ず、例えば、豆腐を作った場合には、硬さは増大する
が、粘度が増加し、口どけが悪化し食感が低下したり、
商品上好ましくない影響が生じるとの問題がある。この
ような問題に対して凝固剤を変えたり、凝固剤の濃度を
増加させるなどの方法で対処しているが、苦味、酸味を
呈するなど風味上好ましくない問題が生じ易くなる。
【0003】一方、上記のような問題に対して、大豆蛋
白質の中の特定の蛋白質成分に着目し、この特定成分を
調整した蛋白質を用いることで食品の性能をコントロー
ルする方法が提案されている。例えば、特開平3−23
2471号公報には、塩化マグネシウムを用いた充填豆
腐の製造に際して、11SグロブリンのA4サブユニッ
ト(後述するAS4 型サブユニット)を欠失した豆乳を
用いることにより、凝固速度を調整し、その製造を容易
する方法が開示されている。なお、加熱大豆ゲルの形成
に関して、11Sグロブリン酸性サブユニット(AS)
中、ゲルの形成については、AS4 型サブユニットが関
与し、ゲル強度については、AS3 型サブユニットが関
与しているとの森らによる報告がある(J. AGRIC. FOOO
D CHEM. 第32巻、647ページ、1984年)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、凝固
剤の過度の使用等による風味の低下が生じることなく、
凝固性や弾力性などの性能に優れ、また外観、内部組織
などの品質の点においても良好であり、食感の改良され
た、豆腐、油揚げなどの豆乳加工品の調製が可能な豆乳
組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、大豆蛋白質
を構成する主蛋白質である7Sグロブリンと11Sグロ
ブリンに着目し、これらの蛋白質の成分比の製品の物
性、品質などに及ぼす影響について検討を進めた。それ
によると、従来の通常の製法に従う豆乳には、後述する
電気泳動法による定量で35〜45%の11Sグロブリ
ンが含まれているが、意外にもこの11Sグロブリンの
含有量を相対的に高めることで、風味の低下を伴うこと
なく物性、品質、そして食感などの改良された豆乳加工
品が調製できることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。
【0006】本発明は、40〜50mg/mlの蛋白質
濃度を有し、かつ全蛋白質中の11Sグロブリンの含有
量が48%〜76%である豆乳組成物にある。なお、本
明細書において、大豆蛋白質に含まれる11Sグロブリ
ンの含有量は、常法によりSDS−ポリアクリルアミド
電気泳動を行った後、クーマシーブリリアントブルー
(CBB)染色し、ゲルスキャナーにより、バンド面積
を読み取り、百分率(%)で表わしたものである。
【0007】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)全蛋白質中の11Sグロブリンの含有量が50%
〜65%である豆乳組成物である。 (2)豆乳組成物が、加熱処理されている。 (3)豆乳組成物が、豆腐調製用である。
【0008】以下に、本発明の豆乳組成物について説明
する。本発明の豆乳組成物は、40〜50mg/mlの
蛋白質濃度を有し、かつ全蛋白質中に、48%〜76%
の11Sグロブリンを含むものである。本発明の豆乳組
成物の調製に使用できる原料としての大豆は、工業上使
用可能なものであれば、国内産、外国産の大豆のいずれ
でも良い。またこれらの大豆から調製した大豆粉(脱脂
大豆、全脂大豆)でも良い。
【0009】11Sグロブリンは、上記の大豆から公知
の分離・精製法を利用して分離することができる。分離
・精製方法としては、例えば、THANH 並びにSHIBASAKI
の方法(J. AGRIC. FOOD CHEM. 第24巻、6号、11
17ページ、1976年)、BIKVOVらが提案するような
熱処理による分別法(J. AGRIC. FOOD CHEM. 第34
巻、2号、297ページ、1986年)、あるいは未加
熱の豆乳より遠心沈降により11Sグロブリンを高濃度
で含んだ顆粒成分を分離する方法(ONO ら、AGRIC. BIO
L. CHEM. 第55巻、9号、2291ページ、1991
年)などの方法を挙げることができる。更に上記の方法
で分離・精製した11グロブリンから、森らにより開示
されたイオン交換カラムを用いる精製法(J. AGRIC. FO
OD CHEM. 第30巻、5号、828ページ、1982
年)を利用して更に精製度の高い11グロブリンを得る
ことができる。
【0010】本発明の豆乳組成物は、以下の方法を利用
して調製することができる。まず、通常の豆乳の製造法
に従って豆乳を調製する(ベース豆乳の調製)。豆乳
(ベース豆乳)は、前記の原料である大豆を用い、公知
の方法に従い大豆分散液として調製することができる。
この大豆分散液の調製に際して、必要により、濾別、蒸
煮、殺菌、均質化などの公知の処理を施してもよい。次
に、得られた豆乳を公知の方法で分離処理する。この分
離処理で構成蛋白質は分離される。すなわち、大部分の
11Sグロブリンは、沈殿液として、また11Sグロブ
リン以外の蛋白質はその上澄み液として分離される。次
いで上澄み液を、全系の蛋白質濃度を変えないように水
で置換する方法を利用することで11Sグロブリンの含
量が48%〜76%となるように調整された本発明に従
う豆乳組成物を得ることができる。
【0011】また上記とは別の方法として、上記と同様
にして調製したベース豆乳と、前記のような11Sグロ
ブリンの分離・精製方法で調製し、予めベース豆乳の蛋
白質濃度と同じ濃度に調整した11Sグロブリンを高濃
度で含む分離・精製液とを適当な混合比で混合する方法
を利用しても11Sグロブリンの含量が48%〜76%
となるように調整された本発明に従う豆乳組成物を得る
ことができる。
【0012】なお、上記のような豆乳組成物の調製に際
して、ベース豆乳は、一旦粉末状、ペースト状としたも
のを分散液として戻して使用してもよいし、また精製1
1Sグロブリンにおいても、同様な形態で利用してもよ
い。以上のようにして得られる本発明の豆乳組成物は、
11Sグロブリンの含量が50〜65%となるように調
整されていることが好ましい。
【0013】本発明の豆乳組成物は、豆腐、凍り豆腐、
油揚げ類(油揚げ、厚揚げ、がんもどき)、湯葉、かま
ぼこ様食品、チース様食品などの固形豆乳化加工食品の
原料として有利に用いることができる。特に豆腐調製用
としての利用が有利である。また、本発明の豆乳組成物
は、豆乳飲料、スープなどの液状食品の原料としても利
用することができる。本発明の豆乳組成物は、豆腐を作
る際の凝固性などを考慮した場合、加熱処理されている
ことが好ましい。加熱処理は、通常95℃〜110℃
で、1〜10分である。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載し、本発明を
更に具体的に説明する。 [実施例1]米国産丸大豆6.5kgを室温にて一昼夜
充分量の水に浸漬した後(7.2kg吸水)、これに更
に15.6kgの水道水を加え、大豆磨砕機(サワーボ
ーイNSG−15、長沢機械製作所製)を用い磨砕し、
生呉を得た。この生呉をニュートーファー(高橋商店
製)により圧搾濾別し、生豆乳(試料1)を得た。得ら
れた生豆乳2kgを500ml容量の遠心管を用い、8
000rpm、30分(5℃)の遠心分離を行い、上澄
み1.6kg(試料2)と沈殿0.4kg(試料3=1
1Sグロブリン画分)を得た。試料1、試料2、及び試
料3の蛋白質含有量をBCAプロテインアッセイ・キッ
ト(ピアス社製)を用い、測定した。またその糖度をブ
リックス値で示した。結果を表1に示す。
【0015】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 試料 蛋白質濃度(mg/ml) 蛋白質量(g) 糖度 ──────────────────────────────────── 試料1(生豆乳) 44.5 89 10.4 試料2(上澄み) 27.2 43.5 8.4 試料3(沈殿物) 113.5 45.5 1.8 ────────────────────────────────────
【0016】[豆乳1〜4の調製]上記試料3(沈殿物
=11Sグロブリン画分)に水道水0.58kgを加
え、蛋白質濃度を上記試料1(生豆乳)と同じになるよ
うに調整した。そして試料1と試料3とをそれぞれ以下
の配合(重量比)で混合し、これらから200gづつ分
取し、沸騰水浴中で7分間加熱してそれぞれ加熱豆乳1
〜4を作成した。得られた加熱豆乳1〜4をそれぞれ希
釈し、45℃、30分間SDS−メルカプタン変性処理
を施した後、ファストゲル8−25%グラジェントゲル
(ファルマシア社製)を用い、SDS−ポリアクリルア
ミド電気泳動を行った。クーマシーブリリアントブルー
により染色後、デンシトメーター(商品名:ファストイ
メージ、ファルマシア社製)により、バンド面積(面積
%)を計算した。なお、各豆乳の電気泳動パターンを図
1に示す。その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 試料の混合比 11Sグロブリン 7Sグロブリン 11Sグロブ 試料1:試料3 酸性 塩基性 αα’ β リンの合計 ──────────────────────────────────── 豆乳1(10: 0) 20.1 24.3 20.7 14.3 44.4 ──────────────────────────────────── 豆乳2( 7: 3) 22.8 26.5 19.1 12.9 49.3 豆乳3( 5: 5) 23.0 28.2 18.2 12.6 51.2 豆乳4( 3: 7) 27.8 30.3 15.4 12.5 58.1 ────────────────────────────────────
【0018】[豆乳組成物としての評価]上記で得た各
加熱豆乳を氷水中で冷却後、にがり(クリスタリン、赤
穂化成(株)製)0.7gを添加し、充分混和後、85
℃、で30分間加熱して凝固させ、豆腐を製造した。こ
のようにして得た各豆腐を直径28mm、高さ20mm
の円柱型に成型し、クリープメーター(レオナーRE−
3305、山電(株)製)により破断強度を測定し、豆
腐の硬さとした。破断強度は二回測定し、その平均値を
用いた。結果を以下の表3に示す。
【0019】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 試料の混合比 11Sグロブ 豆腐の破断強度(g) 試料1:試料3 リンの合計 1回目 2回目 平均値 ──────────────────────────────────── 豆乳1(10: 0)(比較品)44.4 336 328 332 ──────────────────────────────────── 豆乳2( 7: 3)(実施品)49.3 479 470 475 豆乳3( 5: 5)(実施品)51.2 624 601 613 豆乳4( 3: 7)(実施品)58.1 515 502 509 ────────────────────────────────────
【0020】上記の表3の結果から、11Sグロブリン
画分を48%〜76%の範囲で含有した豆乳組成物を使
用することにより、硬い豆腐が製造できることがわか
る。
【0021】[実施例2]米国産丸大豆6.5kgを室
温にて一昼夜充分量の水に浸漬し(7.2kg吸水)、
これに更に15.6kgの水道水を加えた後、大豆磨砕
機(サワーボーイNSG−15、長沢機械製作所製)を
用い磨砕し、生呉を得た。この生呉をニュートーファー
(高橋商店製)に圧搾濾別し、生豆乳を得た。得られた
生豆乳2kgのうち350gを500ml容量の遠心管
にとり、8000rpmで30分間(5℃)の遠心分離
を行い、上澄み305.2gと沈殿44.8g(11S
グロブリン画分)を得た。各々の蛋白質含量は5.77
g、4.40gであった。
【0022】[豆乳5〜9の調製]次に、上記で得た生
豆乳350gを8000rpmで30分間遠心処理を行
った試料を5個調製した。これらの生豆乳に対して、下
記の表4のように、上澄み、沈殿の分離を破壊しないよ
うに上澄みをそれぞれから除き、代わりに蛋白質濃度を
変えないように純水を加え、11Sグロブリン含量の異
なる生豆乳をそれぞれ調製した(豆乳5〜9)。
【0023】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 全量に対する 上澄み除去量 添加水分量 豆乳組成物 加水量(g) (g) (g) ──────────────────────────────────── 豆乳5 0 0 0 ──────────────────────────────────── 豆乳6 24.0 64.0 22.2 豆乳7 36.0 96.3 33.4 豆乳8 48.0 128.5 44.6 豆乳9 72.0 192.9 67.2 ────────────────────────────────────
【0024】得れた豆乳の蛋白質組成(11Sグロブン
リンの定量)を前記と同様に電気泳動法を行うことで測
定した。その結果を表5に示す。なお、各蛋白質組成中
の単位は、バンド面積(面積%)である。
【0025】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 11Sグロブリン 7Sグロブリン 11Sグロブ 酸性 塩基性 αα’ β リンの合計 ──────────────────────────────────── 豆乳5 20.3 21.6 18.4 10.4 41.9 ──────────────────────────────────── 豆乳6 30.8 31.4 13.7 8.3 62.2 豆乳7 32.7 35.0 11.1 7.4 67.7 豆乳8 35.3 40.6 6.9 6.5 75.9 ──────────────────────────────────── 豆乳9 35.5 42.0 4.2 8.3 77.5 ────────────────────────────────────
【0026】[豆乳組成物としての評価]上記で得た豆
乳5〜豆乳9を各200g用意し、前記実施例1と同様
に加熱処理を施した後、豆腐を製造した。得られた各豆
腐を前記実施例1と同様により破断強度を測定し、豆腐
の硬さとした。破断強度は4回測定し、その平均値を用
いた。結果を以下の表6に示す。
【0027】
【表6】 表6 ──────────────────────────────────── 11Sグロブ 豆腐の破断強度(g) リンの合計 1回目 2回目 3回目 4回目 平均値 ──────────────────────────────────── 豆乳5 51.9 349 386 393 392 381 ──────────────────────────────────── 豆乳6 62.2 702 698 632 639 693 豆乳7 67.7 624 573 608 699 624 豆乳8 75.9 282 346 414 419 348 ──────────────────────────────────── 豆乳9 77.5 全て200以下 ────────────────────────────────────
【0028】上記の表6の結果から、11Sグロブリン
画分を48%〜76%の範囲で含有した豆乳組成物を使
用することにより、硬い豆腐が製造できることがわか
る。
【0029】[実施例3]丸大豆350gをワーリング
ブレンダーで1分間破砕し、10mMの2−メルカプト
エタノールを含んだ0.03Mトリス塩酸緩衝液(pH
8.0)5.0リットルに分散させ、室温で1時間攪拌
した。その後、大豆の破砕片を遠心分離によって除き、
上澄みを濾紙により濾過した後、pHを濃塩酸にて6.
4に調整した。この液を8000rpmで30分間(5
℃)の遠心分離を行い、沈殿を集め、再度10mMの2
−メルカプトエタノールを含んだ0.03Mトリス塩酸
緩衝液(pH6.4)で洗浄した。沈殿を0.4Mの塩
化ナトリウムを含んだ0.35mM燐酸緩衝液(pH
7.6)50mlに分散し、11Sグロブリン溶液(試
料4)とした。この溶液は206mg/mlの蛋白質濃
度であり、11Sグロブリンの純度としては、87%で
あった。
【0030】次に、丸大豆350gを2500gの水道
水と共にワーリングブレンダーにて破砕した後、豆乳用
の濾布で破砕片を除去し、生豆乳を1260gを得た
(試料5)。この蛋白質濃度は、42mg/mlであっ
た。
【0031】[豆乳10〜15の調製]この生豆乳(試
料5)と、前記試料4を純水にて蛋白質濃度が42mg
/mlに希釈したものとを重量比で10:0、6:4、
3:7、2:8、1:9、及び0:10で混合してそれ
ぞれ豆乳(10〜15)を調製した。
【0032】[豆乳組成物としての評価]上記で得た豆
乳10〜豆乳15を各200gづつ分取し、沸騰水浴中
で8分間加熱した。その後、冷却し、塩化カルシウム
(凝固剤)を0.5%の添加量となるように加え、凝集
した豆乳を濾紙で集め、型に入れて圧縮を行った。この
後、常法に従い、凍り豆腐、油揚げを作った。得られた
油揚げについて、「湯戻り」、「外観」、及び「食感」
の評価を、また凍り豆腐について、「内部組織」、及び
「食感」の評価をそれぞれ行った。なお、各豆乳中の1
1Sグロブリンの含量を前記と同様に電気泳動により定
量した(面積%)。
【0033】評価基準は以下の通りである。 (油揚げについて) 「湯戻り」(約60℃の湯に5分間浸漬したとき) AA:全面にふっくらと膨潤し、非常に湯戻りが良い。 A:膨潤度において若干劣るが、全面にふっくらと膨潤
し、湯戻りが良い。 B:一部膨潤の不十分なところがあるが、ふっくらと膨
潤し、湯戻りは、許容範囲である。 「外観」 AA:全表面に渡って凹凸(かさ付き)が殆どなく、非
常に艶、照りがある。 A:僅かに凹凸のあるところがあるが、艶、照り共に良
好である。 B:部分的に凹凸が散在しているが、艶、照り共に許容
範囲である。 「食感」 AA:表面が適度に硬く、また内部も適度に柔らかく非
常に歯切れが良い。 A:表面の硬さが若干劣るが、問題のない程度であり、
また内部は適度に柔らかく、歯切れは良好である。 B:表面の硬さが充分とは言えないが、歯切れは許容範
囲である。
【0034】(凍り豆腐について) 「内部組織」 AA:全面にわたって空孔が非常に均一に形成されてい
る。 A:全面にわたって空孔がほぼ均一に形成されている。 B:周辺部分の空孔が部分的に不均一なところがある
が、許容範囲である。 「食感」 AA:全体に非常に良好な弾力性を有しており、また歯
切れも非常に良い。 A:良好な弾力性があり、歯切れも良い。 B:弾力性、歯切れ共に劣るが、許容範囲である。 結果を表7に示す。
【0035】
【表7】 表7 ──────────────────────────────────── 試料の混合比 11Sグロブ 油揚げの評価 凍り豆腐の評価 試料5:試料4 リンの合計 湯戻り 外観 食感 組織 食感 ──────────────────────────────────── 豆乳10(10: 0) 46.1 B B B B B ──────────────────────────────────── 豆乳11( 6: 4) 51.0 A A A A A 豆乳12( 3: 7) 54.2 A A A A A 豆乳13( 2: 8) 57.6 A AA AA A AA 豆乳14( 1: 9) 62.1 A AA AA A AA 豆乳15( 0:10) 65.2 A A B A B ────────────────────────────────────
【0036】上記の表7の結果から、11Sグロブリン
画分を48%〜76%含有した豆乳組成物を使用するこ
とにより、品質の良好な油揚げ、凍り豆腐が製造できる
ことがわかる。また得られた製品は、風味も良好であ
り、非常に商品価値の高いものが調製できた。
【0037】
【発明の効果】本発明の豆乳組成物を用いることによ
り、製品の性能、品質の向上のための添加剤を風味の低
下を伴う程使用しなくても、凝固性や弾力性などの性
能、また外観、内部組織などの品質の点においても優れ
たものが調製できる。従って、食感の改良された製品を
作ることができる。本発明の豆乳組成物は、豆腐、油揚
げなどの豆乳加工品の調製に特に有利に用いることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】11Sグロブリン含量の異なる豆乳の電気泳動
パターンを示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40〜50mg/mlの蛋白質濃度を有
    し、かつ全蛋白質中の11Sグロブリンの含有量が48
    %〜76%である豆乳組成物。
  2. 【請求項2】 加熱処理されている請求項1に記載の豆
    乳組成物。
  3. 【請求項3】 豆腐調製用である請求項1又は2に記載
    の豆乳組成物。
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