JPH09229296A - 摺動装置及び摺動部材 - Google Patents

摺動装置及び摺動部材

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JPH09229296A
JPH09229296A JP3184896A JP3184896A JPH09229296A JP H09229296 A JPH09229296 A JP H09229296A JP 3184896 A JP3184896 A JP 3184896A JP 3184896 A JP3184896 A JP 3184896A JP H09229296 A JPH09229296 A JP H09229296A
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JP
Japan
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sliding
ceramics
self
composite material
lubricating
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JP3184896A
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English (en)
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Toshio Mukai
俊夫 向井
Shoichi Sekiguchi
昭一 関口
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高剛性のセラミックス摺動装置及
びセラミックス摺動部材を提供することを目的とする。 【解決手段】 ヤング率が10000kgf/mm2 以上の一
対のセラミックス部材を互いに摺動させる装置におい
て、摺動面にヤング率が1000kgf/mm2 以上1000
0kgf/mm2 以下の金属系自己潤滑性複合材料を介在させ
ることを特徴とするセラミックス摺動装置である。より
詳しくは、一対のセラミックス部材の片方のセラミック
ス部材1の表面に自己潤滑性複合材料が組み込まれ、相
対するセラミックス部材2の摺動面はそれ自体の表面で
あり、その中心線平均粗さRa が0.05μm以上1μ
m以下であることを特徴とする装置である。また、本発
明の提供する部材は、上記セラミックス摺動装置に用い
るセラミックス摺動部材1であって、保持する自己潤滑
性複合材料が、Cu−Ni−Sn系合金をマトリックス
とし、その中に固体潤滑剤成分としてWS2 、MoS2
及びグラファイトの一種又は二種以上を20〜70 vol
%含有することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械部品において
使用されかつ高剛性を必要とする摺動装置及び摺動部材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミナ、窒化ケイ素等の構造用セラミ
ックスは、金属に比べて、ヤング率が高く熱膨張率が低
くかつ錆びないという特徴を活かして、高精度を要求す
る精密機械部品に数多く使われている。そのような機械
構造体においては、セラミックス同志が摺動する場所が
必然的に生まれ、そこにおける摩擦・摩耗対策が必要と
される。
【0003】一般に、セラミックス同士の摺動では、摩
擦係数が大きく、摩耗量も大きいために、潤滑油を媒介
させるのが通常であった。高清浄度を要求し、潤滑油が
使用不可の場合には、金属系の転がり部品を介在させる
か、テフロン等有機系の潤滑部品を摺動部に組み込むこ
となどが行われている。しかしながら、いずれの場合に
おいても、それらの媒介物質によって構造体の剛性が損
なわれ、高剛性のセラミックスを用いる意味が損なわれ
るのである。
【0004】自己潤滑性複合材料は、特開昭62−19
6351号公報、特開平4−99834号公報に示す様
に種々提案されているが、本発明のような機器の剛性に
着目した応用は未踏の分野である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高剛性でか
つ高摺動性の摺動装置及び摺動部材を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、セラミック
ス間の摺動部に金属系の自己潤滑性複合材料を適用する
ことを発明した。すなわち、本発明では、ヤング率が1
0000kgf/mm2 以上の一対のセラミックス部材を互い
に摺動させる装置において、摺動面にヤング率が100
0kgf/mm2 以上10000kgf/mm2 以下の金属系自己潤
滑性複合材料を介在させることを特徴とする摺動装置を
提供する。より詳しくは、一対のセラミックス部材の片
方のセラミックス部材1の表面に自己潤滑性複合材料が
組み込まれ、相対するセラミックス部材2の摺動面はそ
れ自体の表面であり、その中心線平均粗さRa が0.0
5μm以上1μm以下であることを特徴とする摺動装置
を提供する。
【0007】前記装置において、Cu−Ni−Sn系合
金をマトリックスとし、その中に固体潤滑剤としてWS
2 、MoS2 及びグラファイトの一種又は二種以上を2
0〜70 vol%含有することを特徴とする自己潤滑性複
合材料を適用することにより、目的とする高剛性かつ高
摺動性の摺動装置を提供することができる。また、本発
明では、摺動装置のみならず、上記自己潤滑性複合材料
を組み込んだセラミックス摺動部材1を新規性のある摺
動部材として提供する。
【0008】自己潤滑性複合材料(以降、略して自己潤
滑材と称する)は、金属系マトリックス中にWS2 、M
oS2 、C等の固体潤滑剤を分散させたものである。本
発明者らは、特定の自己潤滑材が高剛性であることに着
目し、これをセラミックスの摺動に応用することを発明
した。自己潤滑材はそれ自身が潤滑性を持つ材料である
が、その摺動機構は、相手材にも潤滑剤成分を含む転移
膜を形成することにより低摩擦係数の摺動を実現するも
のである。本発明者は、セラミックスとの摺動の一連の
検討の結果、セラミックスに安定な潤滑剤の転移膜を形
成するには、セラミックスの面粗度を規定する必要があ
ることを知見するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を示す。図1
に本発明の概念図を示す。本発明の特徴は、セラミック
スとセラミックスの直接摺動を避け、摺動面に自己潤滑
材を介在させたことである。概念図に示すセラミックス
1、2としては、精密機械に要求される高剛性から、ヤ
ング率が10000kgf/mm2 以上の構造用セラミックス
でなければならない。それらは、通常、アルミナ、窒化
ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素の中から選ばれる。こ
れらの高硬度セラミックスの直接摺動は、発生した摩耗
粉が硬く研磨作用を持つために、摩耗が加速され、高寸
法精度が要求される装置には不適である。本発明では、
特定の自己潤滑材3を摺動面に介在させることにより、
装置の剛性をそれほど下げずに摩耗の問題を回避できる
ことを見出すに至った。
【0010】本発明では、介在させる自己潤滑材3のヤ
ング率を1000kgf/mm2 以上10000kgf/mm2 以下
とした。なぜならば、自己潤滑材のヤング率が1000
kgf/mm2 未満では、摺動部の剛性が下がり、目的とする
高剛性の摺動装置が得られないからである。また、ヤン
グ率が10000kgf/mm2 を超える自己潤滑材は、セラ
ミックスベースのものでしか得られなく、相手材セラミ
ックスとの摺動では摩耗を回避することができない。選
択されるのは金属系の自己潤滑材である。
【0011】また、本発明者は、セラミックスとの摺動
において自己潤滑材に潤滑機能を発揮させるためには、
相手材セラミックスの表面粗さを規定する必要があるこ
とを見出した。セラミックスの表面粗さが小さすぎる場
合には、セラミックス表面に潤滑剤成分の転移膜が安定
に形成されず、摩擦係数を下げることができない。一
方、セラミックスの表面粗さが大きすぎると、セラミッ
クス表面突起による自己潤滑材の研磨作用が大きくな
り、一定の寸法精度を維持できない。一連の実験的検討
から、相手材セラミックスの表面粗さは、中心線平均粗
さRa (JIS B0601準拠)で0.05μm以上
1μm以下である必要があることを知見するに至った。
【0012】本発明の摺動装置は、図1の概念図に示す
ように、セラミックス1とセラミックス2の間に自己潤
滑材3を介在させることを特徴としている。摺動部材と
しては、概念図に示すセラミックス1に自己潤滑材を組
み込んだものを単体と見なして提示することができる。
自己潤滑材のセラミックス1への組み込みは、ネジ止め
もしくは熱硬化性樹脂等による接着で実施可能である。
組み込む自己潤滑材の形状は、セラミックス摺動装置の
特徴である高剛性を損なわないために、できるだけ薄い
方が好ましい。例えば、厚さ10mm以上の板状セラミッ
クス部材の場合には、自己潤滑材の厚さは0.1mm以
上、5mm以下とするのが好適である。
【0013】自己潤滑性複合材料(自己潤滑材)は、通
常の粉末冶金法によって製造される。すなわち、固体潤
滑剤粉末とマトリックス合金粉末とを混合し、加圧成形
の後に焼結を行い、十分に緻密化する方法が取られる。
通常の自己潤滑材では焼結性の良いCu−Sn合金がマ
トリックスとして選ばれるが、本発明では、Cu−Ni
−Sn系合金をマトリックスとした。Niの添加により
ヤング率及び強度が高められ、本発明で必要な1000
kgf/mm2 以上の剛性を自己潤滑材に付与することができ
る。また、Ni添加により自己潤滑材に耐食性が付与さ
れ、腐食による寸法変化の問題を回避できる。以上の諸
特性を満足するに望ましいマトリックス合金の成分範囲
は、Niが5〜40wt%、Snが4〜15wt%である。
固体潤滑剤としては、汎用的な固体潤滑剤であるW
2 、MoS2 、グラファイトから選ばれる。特に、摺
動相手材のセラミックスへの潤滑剤の転移性が良いのは
WS2であることがわかっており、単独もしくは他の潤
滑剤と混合して用いるのが好適である。
【0014】本発明に適合する自己潤滑材中の固体潤滑
剤の含有量は、体積百分率で20〜70 vol%である。
固体潤滑剤の含有量が20%未満では、セラミックスと
の摺動において低摩擦係数を実現できない。また含有量
が70%超では自己潤滑材のヤング率が下がり、期待す
る高剛性を得ることができない。
【0015】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって具体的に説
明する。図1に示す原理装置を試作した。セラミックス
1にヤング率が36000kgf/mm2 のアルミナを用い、
セラミックス2にヤング率が29000kgf/mm2 の窒化
ケイ素を用いた。自己潤滑性複合材料(自己潤滑材3)
には、マトリックスがCu−27wt%Ni−8wt%Sn
合金で、固体潤滑剤がWS2 とグラファイトの体積比で
2対1の混合体で、固体潤滑剤の全体に占める割合が、
40 vol%のものを用いた。本自己潤滑材の焼結体のヤ
ング率は5000kgf/mm2 であり、ミクロン単位の摺動
精度を得るに十分であった。
【0016】試作装置のセラミックス1、2は厚さが1
2mmで、自己潤滑材3は厚さ1mmである。自己潤滑材は
セラミックス1に熱硬化性樹脂で接着した。摺動相手材
のセラミックス2の表面粗さを決めるのに、中心線平均
粗さRa の異なる試料を作製し、摺動試験に供した。ま
た、比較のために、自己潤滑材を介在させずに、セラミ
ックス1と2を直接摺動させた場合も摺動試験を行っ
た。試験は、室温で、面圧0.4kgf/mm2 、摺動速度2
mm/sの条件で行った。結果を表1に示す。自己潤滑材を
介在させ、摺動相手材のセラミックス2の表面の面粗さ
を適度の範囲に選ぶことにより、低摩擦係数と低摩耗量
の両方を同時に実現できることがわかる。
【表1】
【0017】
【発明の効果】セラミックス同士が摺動する場所が必然
的に生まれる摩擦・摩耗の問題は、本発明において開示
したように、薄い自己潤滑性複合材料を介在させること
により解決可能である。これによって、高剛性のセラミ
ックス摺動装置が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自己潤滑性複合材料適用のセラミ
ックス摺動装置の断面概略図を示す。
【符号の説明】 1 一方のセラミックス 2 セラミックス1に相対するセラミックス 3 自己潤滑性複合材料

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヤング率が10000kgf/mm2 以上の一
    対のセラミックス部材を互いに摺動させる装置におい
    て、摺動面にヤング率が1000kgf/mm2 以上1000
    0kgf/mm2 以下の金属系自己潤滑性複合材料を介在させ
    ることを特徴とする摺動装置。
  2. 【請求項2】 一対のセラミックス部材の片方のセラミ
    ックス部材1の表面に自己潤滑性複合材料が組み込ま
    れ、相対するセラミックス部材2の摺動面の中心線平均
    粗さRa が0.05μm以上1μm以下であることを特
    徴とする請求項1記載の摺動装置。
  3. 【請求項3】 該自己潤滑性複合材料が、Cu−Ni−
    Sn系合金をマトリックスとし、その中に固体潤滑剤と
    してWS2 、MoS2 及びグラファイトの一種又は二種
    以上を20〜70 vol%含有することを特徴とする請求
    項1又は2記載の摺動装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の自己潤滑性複合材料の組
    み込まれたセラミックス部材1であって、該自己潤滑性
    複合材料が、Cu−Ni−Sn系合金をマトリックスと
    し、その中に固体潤滑剤としてWS2 、MoS2 及びグ
    ラファイトの一種又は二種以上を20〜70 vol%含有
    することを特徴とする摺動部材。
JP3184896A 1996-02-20 1996-02-20 摺動装置及び摺動部材 Withdrawn JPH09229296A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005297167A (ja) * 2004-04-15 2005-10-27 Tottori Univ すべり案内及び同すべり案内を備えた工作機械
CN103757464A (zh) * 2014-01-02 2014-04-30 江苏大学 一种铜基自润滑复合材料及其制备方法

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Effective date: 20030506