JP3513273B2 - 気体軸受けユニット - Google Patents

気体軸受けユニット

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザービームプ
リンターのスキャナーモーター等に用いられる気体軸受
けユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スキャナーモーター用軸受けとし
ては、通常、潤滑オイルを用いたベアリングが使用され
ていた。しかし近年の高画質化に伴い、必要回転数が8
000rpmから20000rpmへ増加しようとして
いる。このような高回転数でモーターを駆動すると、従
来の潤滑オイルを用いた軸受けでは、オイルの粘性抵抗
が大きくなるため、回転効率が急激に悪くなったり軸振
れが急激に増加したりする。そのため現在では、粘性抵
抗の小さい気体軸受けユニットが使用されようとしてい
る。
【0003】従来の高速小型モーターの気体軸受けユニ
ットの材質は、軸および軸受けともにセラミックスであ
ることが多い。この理由は、起動・停止の繰り返し回数
が非常に多いためである。実際、気体軸受けが気体を介
して潤滑するための回転数は10000rpm以上とい
われ、起動からその回転数にいたるまでの間、オイルレ
スの状態で軸と軸受けとが接触し、その結果、摩耗量が
多くなる。このような条件下で、セラミックスの代わり
に金属で軸受け部分を構成すると、凝着摩耗による焼き
付き現象を起こす。これは、高速で軸と軸受けが衝突す
ることによる摩擦熱などにより、接触部分が瞬時に焼き
付いてしまう現象である。したがって、一般にこのよう
な問題を防ぐためには、硬く、高温で安定な、かつ動摩
擦係数の低いセラミックス、例えば比較的加工しやすい
Si34等が用いられていた。
【0004】また、軸の密度が小さいことは気体軸受け
の回転質量を低減するため、軸振れを小さくする意味で
重要であり、このためセラミックスの中でも密度の低い
Si 34(ρ=3.2)が用いられていた。
【0005】しかし近年では、さらに密度の小さい軸材
料が要求されている。また、セラミックスの加工は砥石
による研削加工より主に行われ、特にスキャナーモータ
ー用などの小型で複雑な形状のものについては加工が困
難であり、寸法精度の高いものが得られにくかったり、
コストが非常に高かったりした。
【0006】そのため、金属基材にメッキを施した複合
材料を気体軸受けに応用する研究が盛んに行われてい
る。従来の複合材料の代表的なものとしては、Ni−P
中にSiCのセラミックス粒子を分散させた複合メッキ
(以下「Ni−P/SiC」という。)をアルミニウム
基材の表面にコーティングしたもの等がある。このよう
な複合メッキを用いる理由は、セラミックスの硬く、高
温で化学的に安定な性質を付与するためである。複合メ
ッキとしては、粒径2〜5μmのSiCのセラミックス
粒子をNi−Pの無電解メッキ浴中に分散させたものが
多く用いられている。
【0007】その他の材料としてテフロン等も検討され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
Ni−P/SiCは、そのSiCのセラミック粒子の密
度が大きく(ρ=3.12)かつ粒子形状が球形である
ため、浴中での沈降速度が大きく、その結果、浴中の姿
勢によりメッキの膜厚が部分的に変化して精密な寸法で
メッキを形成しにくい。そのため、摺動面はやはり多少
研削加工する必要があった。また、この複合メッキは動
摩擦係数が0.28程度であり、これはセラミックス単
体(Si34)の動摩擦係数0.12に比べて大きく、
焼き付き現象を完全に押えることは不可能であった。
【0009】また、セラミックス(Si34)同士が接
触した場合や、Ni−P/SiC同士が接触した場合に
おいては、摩耗量は少ないが摩耗痕が付きやすい欠点を
持っている。
【0010】その他の材料としてテフロン等で軸受けを
作製した場合は、焼き付き現象は発生しないが摩耗量が
多いため実用に耐えなかった。
【0011】そこで本発明の目的は、耐久性が高く、焼
き付き現象が発生せず、容易に且つ低コストで作製でき
る気体軸受けを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を
完成した。
【0013】第1の本発明は、軸部および軸受け部から
なり、この軸部または軸受け部の一方に溝付き部分を有
する気体軸受けユニットにおいて、少なくとも軸部と軸
受け部とが互いに対面している領域の軸部側または軸受
け部側のどちらか一方の領域がアルマイト処理され、他
方の領域が、黒鉛を含有したNi−P系メッキによって
表面処理され且つ硬度(Hv:ビッカース硬度)が70
0以上になるように加熱処理されていることを特徴とす
る気体軸受けユニットに関する。
【0014】第2の本発明は、軸部および軸受け部から
なり、この軸部または軸受け部の一方に溝付き部分を有
する気体軸受けユニットにおいて、少なくとも軸部と軸
受け部とが互いに対面している領域の軸部側または軸受
け部側のどちらか一方の領域が、アルマイト処理され、
他方の領域が、黒鉛を含有したNi−B系メッキによっ
て表面処理されていることを特徴とする気体軸受けユニ
ットに関する。
【0015】第3の本発明は、軸部および軸受け部から
なり、この軸部または軸受け部の一方に溝付き部分を有
する気体軸受けユニットにおいて、少なくとも軸部と軸
受け部とが互いに対面している領域の軸部側および軸受
け部側の両方の領域が、黒鉛を含有したNi−P系メッ
キによって表面処理され、且つ表面の硬度(Hv)が7
00以上になるように加熱処理されていることを特徴と
する気体軸受けユニットに関する。
【0016】第4の本発明は、軸部および軸受け部から
なり、この軸部または軸受け部の一方に溝付き部分を有
する気体軸受けユニットにおいて、少なくとも軸部と軸
受け部とが互いに対面している領域の軸部側および軸受
け部側の両方の領域が、黒鉛を含有したNi−B系メッ
キによって表面処理されていることを特徴とする気体軸
受けユニットに関する。
【0017】第5の本発明は、軸部および軸受け部から
なり、この軸部または軸受け部の一方に溝付き部分を有
する気体軸受けユニットにおいて、少なくとも軸部と軸
受け部とが互いに対面している領域の軸部側または軸受
け部側のどちらか一方の領域が、黒鉛を含有したNi−
P系メッキによって表面処理され且つ硬度(Hv)が7
00以上になるように加熱処理され、他方の領域が、黒
鉛を含有したNi−B系メッキによって表面処理されて
いることを特徴とする気体軸受けユニットに関する。
【0018】第6の本発明は、軸部および軸受け部の基
材が、アルミニウムを主成分としたジュラルミン系材料
である第1〜5のいずれか発明の気体軸受けユニットに
関する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明の気体軸受けユニットの基材として
は金属が最適である。切削加工やプレス、最近では金属
粉末のよる焼結品も形成することができ、複雑な形状も
追加工が少なくてすむためである。本発明に用いられる
基材としては、一般的に加工性のよい鉄や銅やアルミニ
ウム等が用いられる。さらにこのような基材としては、
軽く(密度が小さく)、且つ磁性を持たないことが望ま
しい。駆動コイルによる磁束分布に影響を与えないため
には磁性を持たないことが必要である。これらの条件を
満足するものとしてアルミニウム系の材料が最も適して
いる。アルミニウム系材料の中でも特にジュラルミンが
硬度も高いため適している。さらにその中でも2024
系(旧JIS)のものは硬度(Hv)が120以上ある
ため最も好ましい(通常のアルミニウム材料はHvが7
0である)。
【0021】本発明ではさらに硬度を高め耐久性をよく
するため、上記の基材に表面処理を施す。表面処理とし
ては、スパッタや蒸着のような物理的成膜方法があるが
それらは膜厚を厚くすることが困難であり、通常、3μ
m程度が最高膜厚となってしまう。これ以上の膜厚を形
成する場合、成膜時間が5時間以上も必要となり生産性
が低くなる。また、軸受け部の内部に均一に成膜するこ
とが困難であり、軸部を均一成膜するためにも回転させ
るような特殊装置が必要となる。
【0022】そこで本発明では、軸受け部の内部でも均
一に成膜できる無電解メッキ法を採用した。この無電解
メッキ法によれば、電気メッキに比べて均一な成膜が可
能であるのみならず、特にNi−P系やNi−B系のメ
ッキを用いる場合、メッキ材料の添加材である半原子の
リン(P)やボロン(B)等とマトリックス金属原子と
の化合物を200℃以上の加熱により析出させて表面の
硬度をHv700以上にも向上できるメリットを合わせ
持っている。また、成膜速度も5μm/hr程度であり
生産性は十分である。
【0023】本発明に用いるメッキ材料は、黒鉛を含有
したNi−P系やNi−B系のメッキに材料が用いられ
る。これらのメッキ材料中の黒鉛の含有量は1〜4wt
%が好ましい。また、黒鉛を含有したNi−P系のメッ
キ材料中のPの含有量は、8〜9wt%が好ましい。黒
鉛を含有したNi−B系のメッキ材料中のBの含有量
は、0.5〜2wt%が好ましい。このようなメッキに
含有される黒鉛は、各種環境下で化学的に安定な固体潤
滑剤として機能する。この黒鉛は密度(ρ=2.25)
が小さく燐片状であるため、メッキ浴中に浮遊しやす
く、この液を攪拌・振動させることによって、浴中の姿
勢による膜厚分布差も小さくなり、また軸受けの穴の内
部のメッキも良好に行われる。
【0024】上記の黒鉛を含有したNi−P系メッキ及
びNi−B系メッキは、基材の表面に形成したのち加熱
処理することによって、さらに硬度を高くすることがで
きる。本発明の目的を達成するためには、表面の硬度
(Hv)が700以上であることが望ましい。黒鉛を含
有したNi−P系メッキでは、200〜600℃で1時
間程度加熱することにより、表面の硬度(Hv)を70
0以上にすることができる。一方、黒鉛を含有したNi
−B系メッキにおいては、加熱処理を行わなくても表面
の硬度(Hv)が700以上となるが、加熱処理を行う
ことにより、条件によっては硬度(Hv)を1500に
まで向上させることができる。
【0025】表面処理は、軸部および軸受け部ともに、
上記の黒鉛を含有したNi−P系メッキやNi−B系メ
ッキで行ってもよいが、軸部および軸受け部のどちらか
一方をこれらのNi系メッキで表面処理し、他方をアル
マイト処理することが望ましい。
【0026】以上に説明した表面処理は、軸部および軸
受け部からなる気体軸受けユニットに対して次のように
行われる。
【0027】第1の発明では、少なくとも軸部と軸受け
部とが互いに対面している領域の軸部側または軸受け部
側のどちらか一方の領域を、アルマイト処理し、他方の
領域を、黒鉛を含有したNi−P系メッキによって表面
処理し且つ硬度(Hv)が700以上になるように加熱
処理する。
【0028】第2の発明では、少なくとも軸部と軸受け
部とが互いに対面している領域の軸部側または軸受け部
側のどちらか一方の領域をアルマイト処理し、他方の領
域を、黒鉛を含有したNi−B系メッキによって表面処
理する。
【0029】第3の発明では、少なくとも軸部と軸受け
部とが互いに対面している領域の軸部側および軸受け部
側の両方の領域を、黒鉛を含有したNi−P系メッキに
よって表面処理し、且つ表面の硬度(Hv)が700以
上になるように加熱処理する。
【0030】第4の発明では、少なくとも軸部と軸受け
部とが互いに対面している領域の軸部側および軸受け部
側の両方の領域を、黒鉛を含有したNi−B系メッキに
よって表面処理する。
【0031】第5の発明では、少なくとも軸部と軸受け
部とが互いに対面している領域の軸部側または軸受け部
側のどちらか一方の領域を、黒鉛を含有したNi−P系
メッキによって表面処理し且つ硬度(Hv)が700以
上になるように加熱処理し、他方の領域を、黒鉛を含有
したNi−B系メッキによって表面処理する。
【0032】アルマイト処理による効果は、理由ははっ
きりとはわからないが推察するに、アルマイト層の表面
は化学的に安定なAl23となっているため、駆動時に
溶着や化学反応を起こさないものと思われる。また、ア
ルマイト層の表面には孔が多く、この孔の中に潤滑性を
有した安定な物質が入ると耐摩耗性が向上するものと思
われる。その点でNi元素は金属の中では化学的に安定
であり、硬さも柔らかく相手部材に対して傷付けにくい
材料である。また黒鉛についても、温度等の種々の条件
下で安定であり潤滑性も有する材料であり、摩擦境界に
黒鉛が薄く付着して固体境界の潤滑が行われると考えら
れる。
【0033】アルマイト処理を行わず、黒鉛を含有させ
たNi−P系メッキやNi−B系メッキを軸部と軸受け
部との両側に形成した場合においても、摩擦境界に黒鉛
が薄く付着して固体境界の潤滑が行われると考えられ
る。
【0034】本発明において、メッキ表面の硬度をさら
に向上させるために、黒鉛を含有させたNi−P系メッ
キやNi−B系メッキ中に、少量の(1〜2vol%程
度)のセラミックス粒子(粒径2μm以内)を添加・混
合してもよい。添加量が多すぎると焼き付け現象を起こ
す。セラミックス粒子としてはSiCやWC等の炭化
物、Si34やTiN等の窒化物、その他、CrO2
TiO2・SiO2等の酸化物などが挙げられる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらに限定するものではない。
【0036】実施例1 図1には本発明の気体軸受けユニットの説明図を示す。
この図1はヘリングボーン溝付き動圧ラジアル気体軸受
けユニットを示す。1は軸受け部、2は軸部、3は溝付
き部分、4は軸部と軸受け部とが互いに対面している領
域である。
【0037】軸部(2)は、基材としてジュラルミン
(A2024T−6(旧JIS))を用い、旋盤加工に
より作製した。次いで、粒径1〜3μmの黒鉛がNi−
P素地中に3〜5vol%含有されているメッキを、無
電解メッキ法により表面に付着させた。このメッキの厚
さは20μmであり、2時間を要した。表面粗さは、初
期が0.2μmに対して0.5μm以内の平面度を得る
ことができた。
【0038】このようにメッキが形成された軸部を、大
気中300℃で1時間、加熱処理を行って硬度を向上さ
せた。その結果、硬度(Hv)は950であり、平面度
は熱処理により変化しなかった。
【0039】一方、軸受け部(1)には基材としてジュ
ラルミン(旧JIS:A5054)を用い、この表面に
厚さ6μmの硬質アルマイト層を形成した。
【0040】実施例2 Ni−Pに代えてNi−Bを用いた以外は実施例1と同
様にして本発明の気体軸受けユニットを作製した。
【0041】実施例3 軸部(2)及び軸受け部(1)ともに基材としてジュラ
ルミン(A2024T−6)を用い、軸受け部の表面に
硬質アルマイト層を形成せず、軸部と同様の黒鉛を含有
したNi−P系メッキを形成し加熱処理した以外は、実
施例1と同様にして気体軸受けユニットを作製した。
【0042】実施例4 軸部(2)及び軸受け部(1)ともに基材としてジュラ
ルミン(A2024T−6)を用い、軸受け部の表面に
硬質アルマイト層を形成せず、軸部と同様の黒鉛を含有
したNi−B系メッキを形成した以外は、実施例2と同
様にして気体軸受けユニットを作製した。
【0043】実施例5 軸部(2)及び軸受け部(1)ともに基材としてジュラ
ルミン(A2024T−6)を用い、軸受け部の表面に
硬質アルマイト層を形成せず、黒鉛を含有したNi−B
系メッキを形成した以外は、実施例1と同様にして気体
軸受けユニットを作製した。
【0044】評価方法1及び結果 実施例1〜5で作製したそれぞれの気体軸受けユニット
の初期起動停止耐久試験(回転数10000rpmで1
000万回まで)を行った。結果として、いずれの気体
軸受けユニットも最後まで使用に耐えるものであった。
【0045】評価方法2及び結果 図2に示す装置を用いてPin−on−Disk磨耗試
験を行い、磨耗量(μm)を測定した。図2において5
はピン、6はディスクを示す。測定条件は次の通りであ
る。ピン:φ5mm、長さ15mm、ディスク:80m
m角、厚さ5mm、荷重:0.5kg(2.55kg/
cm2)、速度:62.8m/min、距離:6.28
km。
【0046】結果を表1に示す。表1において、評価番
号1、2及び3の材料の組み合わせはそれぞれ実施例
1、2及び3に対応する。また、動摩擦係数はJISに
従って測定した。
【0047】なお、表1中の材料は次のとおりである。
Ni−P/Cメッキ:黒鉛を含有したNi−P系メッ
キ、Ni−P/C(TNA):黒鉛を含有したNi−P
系メッキを350℃で1時間加熱処理したもの、Ni−
Pメッキ:Ni−P系メッキ、Ni−B/Cメッキ:黒
鉛を含有したNi−B系メッキ、Ni−P/SiCメッ
キ:Ni−P系メッキにSiCセラミックス粒子を分散
混合したもの、PbPBB:リン青銅棒、Al(A40
00):旧JISのA4000のAl材、Cu−Zn
材:CuとZnの含有比が7対3の合金材。
【0048】
【表1】
【0049】評価方法3及び結果 評価方法2の磨耗試験後のディスク表面の状態を観察し
た。本発明の材料の組み合わせの場合は焼き付き現象を
起こしていなかった。一方、その他の組み合わせでは黒
く焼き付き現象を起こし、部分的に表面が荒れていた。
【0050】参考実施例 黒鉛を含有したNi−P系メッキの作製(基材:ジュラ
ルミン)において、種々の温度で熱処理(熱処理時間:
1時間)を行った。得られたメッキのそれぞれの硬度
(Hv)を、ダイヤモンド圧子の重さを500gとして
ビッカース試験機により測定した。
【0051】結果を表2に示す。表2から明らかなよう
に200度〜600度の範囲で熱処理を施すことによ
り、黒鉛を含有したNi−P系メッキの硬度(Hv)は
700以上となった。このような熱処理を行ってメッキ
のHvを700以上にすることにより、本発明の効果が
十分に発揮される(黒鉛を含有したNi−P系メッキを
用いた場合)。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、耐久性が高く、焼き付き現象が発生せず、容易
に且つ低コストで作製できる気体軸受けを提供すること
ができる。
【0054】また本発明においては、湿式系の欠点であ
る温度による動摩擦係数の変化がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気体軸受けユニットの説明図である。
【図2】Pin−On−Disk摩耗試験装置の説明図
である。
【符号の説明】
1 軸受け部 2 軸部 3 溝付き部分 4 軸受け部と軸部とが互いに対面している領域 5 ピン 6 ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 厚木 孝夫 埼玉県秩父市大字下影森1248番地 キヤ ノン電子株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−332365(JP,A) 特開 平5−149326(JP,A) 特開 平7−230056(JP,A) 特開 平6−10148(JP,A) 特開 昭59−89823(JP,A) 特開 昭60−69197(JP,A) 特開 昭58−37167(JP,A) 実開 昭59−164825(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 17/00 - 17/02 F16C 33/10 - 33/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部および軸受け部からなり、この軸部
    または軸受け部の一方に溝付き部分を有する気体軸受け
    ユニットにおいて、少なくとも軸部と軸受け部とが互い
    に対面している領域の軸部側または軸受け部側のどちら
    か一方の領域がアルマイト処理され、他方の領域が、黒
    鉛を含有したNi−P系メッキによって表面処理され且
    つ硬度(Hv)が700以上になるように加熱処理され
    ていることを特徴とする気体軸受けユニット。
  2. 【請求項2】 軸部および軸受け部からなり、この軸部
    または軸受け部の一方に溝付き部分を有する気体軸受け
    ユニットにおいて、少なくとも軸部と軸受け部とが互い
    に対面している領域の軸部側または軸受け部側のどちら
    か一方の領域がアルマイト処理され、他方の領域が、黒
    鉛を含有したNi−B系メッキによって表面処理されて
    いることを特徴とする気体軸受けユニット。
  3. 【請求項3】 軸部および軸受け部からなり、この軸部
    または軸受け部の一方に溝付き部分を有する気体軸受け
    ユニットにおいて、少なくとも軸部と軸受け部とが互い
    に対面している領域の軸部側および軸受け部側の両方の
    領域が、黒鉛を含有したNi−P系メッキによって表面
    処理され、且つ表面の硬度(Hv)が700以上になる
    ように加熱処理されていることを特徴とする気体軸受け
    ユニット。
  4. 【請求項4】 軸部および軸受け部からなり、この軸部
    または軸受け部の一方に溝付き部分を有する気体軸受け
    ユニットにおいて、少なくとも軸部と軸受け部とが互い
    に対面している領域の軸部側および軸受け部側の両方の
    領域が、黒鉛を含有したNi−B系メッキによって表面
    処理されていることを特徴とする気体軸受けユニット。
  5. 【請求項5】 軸部および軸受け部からなり、この軸部
    または軸受け部の一方に溝付き部分を有する気体軸受け
    ユニットにおいて、少なくとも軸部と軸受け部とが互い
    に対面している領域の軸部側または軸受け部側のどちら
    か一方の領域が、黒鉛を含有したNi−P系メッキによ
    って表面処理され且つ硬度(Hv)が700以上になる
    ように加熱処理され、他方の領域が、黒鉛を含有したN
    i−B系メッキによって表面処理されていることを特徴
    とする気体軸受けユニット。
  6. 【請求項6】 軸部および軸受け部の基材が、アルミニ
    ウムを主成分としたジュラルミン系材料である請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の気体軸受けユニット。
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