JP2000204437A - 摺動部材とその製造法及びロ―タリ―圧縮機 - Google Patents

摺動部材とその製造法及びロ―タリ―圧縮機

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JP2000204437A
JP2000204437A JP258899A JP258899A JP2000204437A JP 2000204437 A JP2000204437 A JP 2000204437A JP 258899 A JP258899 A JP 258899A JP 258899 A JP258899 A JP 258899A JP 2000204437 A JP2000204437 A JP 2000204437A
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sliding
shaft
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wear
test
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Masamitsu Taguchi
真実 田口
Shoichi Nakajima
昌一 中島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、セラミックス粒子を金属部材
からなる摺動材に塑性流動を伴う摺動をさせて練り込む
ことにより高い耐摩耗性を有する摺動部材とその製造法
及びロータリー圧縮機を提供する。 【解決手段】本発明は、金属部材よりなる摺動部材にお
いて、該部材に対し他の部材と摺接する表面に変形層が
形成され、該変形層内にセラミックス微粒子が機械的な
押圧によって埋込まれたセラミックス微粒子分散層を有
することを特徴とする摺動部材とその製造法及びそれを
用いたロータリー圧縮機にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な摺動部材と
その製造法及びロータリー圧縮機にあり、特に流体潤滑
とならない苛酷環境下で使用される摺動部材に係り、ま
た相手材が滑り軸受となるシャフト材等に関する。
【0002】
【従来の技術】使用用途により多種にわたる軸受材があ
る。使用環境で分類すると、主に潤滑液が存在する雰囲
気,ドライ雰囲気に分けられ、さらに高荷重下,低荷重
下,高速下,低速下などに分けられる。一般に装置の運
転状態により摺動環境は変化する。実際に軸受の置かれ
る環境はそれぞれの条件がさらに組み合わされ、多様な
環境での摺動であり、使用条件に適した軸受の選定が重
要となる。使用環境により、軸受自体の構成材料,構造
も様々である。
【0003】軸受全体が均質な材質で構成されるもの、
あるいは強度の高い鋼等を裏金に用い、強度の低い潤滑
性に優れる材料を表面層として用いる構造のいわゆるバ
イメタル,トリメタルといわれるものがある。
【0004】一方、シャフト材などの表面処理には窒化
あるいは浸炭焼入,メッキなどが用いられ表面層を硬化
させ耐摩耗性を向上させるのが一般的である。
【0005】一般的に、シャフトと軸受の摺動特性を向
上させる方法として、特開昭60−75570 号公報がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般的に潤滑油が存在
する雰囲気で用いられる軸受は、比較的低速高荷重条件
下でも油膜を保持し、流体潤滑を保つことが要求され
る。流体潤滑は固体同士の接触が無い為、流体潤滑状態
である間は、腐食摩耗し難い環境であるとすれば、軸受
あるいはシャフトの摩耗は全く無いといえる。ただし、
流体潤滑を実現するには、荷重を支える為に必要な油膜
圧力を確保する必要がある。一般に高い油膜圧力を発生
させるには高速で摺動させる必要がある。装置の起動時
等では軸受とシャフト間は低速摺動の状態になる。低速
高荷重下の条件では、一般に流体潤滑を保持するのは難
しく、固体同士の接触が発生する。固体同士の接触は材
料を摩耗させることになる。また、装置の起動時には潤
滑油の循環が十分に行われていない場合があり、軸受材
あるいはシャフトを摩耗させる。軸受材あるいはシャフ
トの摩耗を軽減する目的でシャフト等へ窒化あるいは浸
炭焼入れなど表面処理をする方法がある。浸炭焼入や窒
化等は専用の炉が必要であり、また材料全体の表面処理
となる。従って、本来処理を必要としない部分まで処理
が施されることになる。より安価で短時間で必要な部分
だけ行える表面処理方法の開発が望まれる。
【0007】軸受は使用用途に対応し、様々な種類があ
る。軸受の最も重要な役割は、相手材であるシャフトお
よび軸受自身の摩耗を抑えることである。軸受あるいは
シャフトの摩耗が進むと装置の性能の低下、あるいは最
悪の場合装置自体が機能を停止する恐れがある。特にド
ライ雰囲気中で用いられる軸受あるいはシャフトは厳し
い摺動環境に曝され摩耗が激しく、定期的な補修・交換
を必要とする場合が多い。ドライ雰囲気では、軸受ある
いはシャフトを摩耗させないことは極めて困難であり、
ドライ雰囲気中で用いられる軸受の重要な課題は、補修
・交換までの期間を延ばすこと、および焼付を生じさせ
ないこと、摩擦係数を低く抑えることが挙げられる。通
常、ドライ雰囲気中で用いられる軸受材はセラミックス
系あるいは樹脂系のものが用いられる場合がおおい。特
にセラミックス系ではカーボン材が安価で耐焼付性・耐
摩耗性・耐熱性で良好な特性を示すことから多用されて
いる。しかし、さらにシャフト材および軸受材の寿命を
延ばすためには、より摩耗を抑える必要がある。
【0008】境界潤滑あるいは混合潤滑下で、シャフト
材あるいは軸受材の摩耗を抑えるには表面を硬質材か軟
質材でコーティングする方法が有効である。軸受材はシ
ャフト材への攻撃を抑える必要があることから、表面に
鉛等をオーバレイし用いられることもある。シャフト材
は自身の摩耗を防ぐ必要があるため浸炭焼入あるいは窒
化される場合が多い。また分散強化型あるいは析出強化
型の合金も硬質粒子により、耐アブレッシブ摩耗および
耐焼付性に対して効果がある。但し分散強化型あるいは
析出強化型の合金は材料全体に硬質粒子が存在するため
加工性が悪くなる。
【0009】本発明の目的は、金属部材よりなる摺動部
表面に機械的にセラミックス微粒子を分散させることに
より顕著に高い耐摩耗性を有する摺動部材とその製造法
及びロータリー圧縮機を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では材料の極表面
だけに硬質粒子を分散させることにより分散強化型の合
金が持つ耐摩耗性を得ることができる。また、旋盤を用
いてシャフト加工時の延長として行える表面処理法であ
るので安価に短時間で、かつ部分的な表面処理が可能で
ある。
【0011】ドライ雰囲気中で、軸受あるいはシャフト
材の摩耗の軽減には、シャフト材表面に固体潤滑材コー
ティングするのが有効な手段の一つである。例えば、カ
ーボン軸受あるいはカーボン軸受の相手材がドライ雰囲
気中で摩耗が少ないのは相手材であるシャフト表面に固
体潤滑材であるカーボンが被膜を形成する為である。摩
耗が激しい摺動初期あるいは、摺動される以前にカーボ
ン膜が形成されていれば、より摩耗の軽減ができる。
【0012】本発明は、金属部材よりなる摺動部材にお
いて、該部材に対し他の部材と摺接する表面に変形層が
形成され、該変形層内にセラミックス微粒子が機械的な
押圧によって埋込まれたセラミックス微粒子分散層を有
することを特徴とする摺動部材にある。
【0013】前記微粒子は金属炭化物又は金属窒化物が
好ましい。
【0014】本発明は固体潤滑剤,金属硫化物及び黒鉛
を含むカーボンのうち少なくとも1種類を含むことが好
ましい。
【0015】前記変形層の深さは1〜200μmが好ま
しい。
【0016】前記金属炭化物はTi,Cr,W,Vの炭
化物のうち少なくとも1種であることが好ましい。
【0017】前記金属窒化物はTi,Crの窒化物のう
ち少なくとも1種であることが好ましい。
【0018】前記固体潤滑剤はC,Pb,Sn,Ag,
Znのうち少なくとも1種であることが好ましい。
【0019】本発明は、円筒部を有する金属部材よりな
る摺動部材の製造法において、前記部材の円筒部に接し
て互いに滑りを伴う転がり摩擦を生じる他の円筒状硬質
部材との間にセラミックス微粒子を介在させ、機械的な
押圧と前記滑りを伴う転がり摩擦によって前記金属部材
の円筒部表面に前記セラミックス微粒子を埋込むことを
特徴とする摺動部材の製造法にある。
【0020】本発明は、金属材料表面をブラスト処理あ
るいは機械加工により、平均表面粗さ3から500ミク
ロンにし、該金属材料表面を硬質粒子あるいは固体潤滑
剤,金属粉末,潤滑液の存在する雰囲気で、滑りを伴う
転がり摩擦により塑性流動を伴う摺動をさせることが好
ましい。
【0021】本発明は、モータに連動して回転するシャ
フトと、該シャフトの回転によって偏心運動するローラ
と、該ローラを収納するシリンダーと、前記ローラの運
動に伴って往復運動するように前記シリンダーに設けら
れたベーンとを備えたロータリー圧縮機において、前記
ローラは鉄系部材よりなり、前記シリンダー及びシャフ
トと接触する表面に変形層が形成され、該変形層内にセ
ラミックス微粒子が機械的な押圧によって埋込まれたセ
ラミックス微粒子分散層を有することを特徴とする。
【0022】潤滑油あるいは潤滑液,固体潤滑材のよう
な低剪断材料が存在する雰囲気では噛りあるいは焼付が
生じにくい為、高荷重下での摺動が可能となる。高荷重
下での摺動は摺動材表面の塑性流動を伴う場合がある。
本発明は、意図的に加えた粉末が存在する雰囲気で、塑
性流動を伴う摺動をさせることにより粉末を摺動材表面
に練り込ませ、表面改質を行うものである。
【0023】耐摩耗性を向上させる1つの手段としては
硬質粒子をマトリックス中に分散あるいは析出させる方
法があり、分散強化型合金あるいは析出硬化型合金が耐
摩耗材として用いられる場合が多い。分散強化型あるい
は析出強化型合金は硬質粒子が転移の移動を妨げること
により、材料の機械的強度を向上させる。硬質粒子は転
移の移動を抑えるため、高密度に分散しているもの程強
度が高まる。特に、耐摩耗性の向上を目的とした場合、
硬質粒子の大きさ,分散の度合い,硬質粒子の質が重要
である。凝着摩耗での硬質粒子の機能は、塑性流動して
きたマトリックス部を絶ち切ることである。
【0024】従って摩耗においては、硬質粒子が小さす
ぎると塑性流動してきたマトリックスを切断することが
できず、硬質粒子が塑性流動してきた組織に巻き込まれ
て、凝着部が増大するとともに、摩擦力の増大がおこ
り、焼付につながる恐れがある。硬質粒子が大き過ぎる
場合、相手材をアブレッシブに摩耗させる恐れがある。
従って、摩耗における硬質粒子が有効に機能するのは、
相手をアブレッシブに摩耗させず、かつ自身の凝着摩耗
を抑えることである。分散あるいは析出強化型合金に
は、摩耗を最小にする硬質粒子の大きさと分散の度合い
に最適値が存在すると考えられるが、硬質粒子の最適値
を予想しても、実際に所望の大きさの硬質粒子を分散
し、かつ機械的強度を満足する材料を作製するのは難し
い。
【0025】本発明は、滑りを伴う転がり摩擦による塑
性流動を用いて、粉末を材料表面付近に分散させるた
め、粉末の粒径を調整することでマトリックスに分散す
る硬質粒子の大きさを調整できる。また、表面付近のみ
分散強化型合金に近い組織とするため、材料全体の機械
的強度が低下する恐れは無い。分散させる炭化物の種類
を変えることも可能である。例えばW,Ti,Cr,V
等の成分を含まない材料にも表面のみW,Ti,Cr,
Vの炭化物、あるいはCr,Ti等の窒化物が分散した
組織を持つ材料を作製することが可能である。一般に
W,Ti,Cr,V等の炭化物あるいはCr,Ti等の
窒化物は材料の耐摩耗性を向上させる。また、硬質粒子
のみではなく、同様の方法で固体潤滑材を表面近傍に分
散させることも可能である。本発明により改質した表面
層は塑性流動により表面近傍は加工硬化されている。オ
ーステナイト系等の材料では加工硬化させたものは耐摩
耗性が向上する。本発明はオーステナイト系の合金のシ
ャフトの表面処理に用いた場合に特にシャフトの耐摩耗
を向上させる。オーステナイト系以外の合金の場合でも
硬質粒子の分散により大幅な耐摩耗性の向上が期待でき
る。
【0026】本発明は材料全体を高温にさらすことな
く、摺動のエネルギーのみ必要とするので、材料全体の
熱応力による変形、あるいは高温による組織の変化によ
る強度の低下などの恐れが少ない。また部分的な表面処
理が可能である。互いに回転運動をして摺動する摺動材
は常に摺動面が移動していく為、焼付や噛りを生じる可
能性は少なくなる。従って、高いPV値でも安定した摺
動が可能である。PV値は焼付易さの目安として用いら
れる場合が多い。PV値は混合潤滑や境界潤滑時には摺
動面に発生するエネルギーに比例する。すなわちPV値
が高い程、焼付や噛りを生じやすくなる。一方、塑性流
動を起こすには高いエネルギーを必要とする。塑性流動
を起こすようなエネルギーは通常、焼付や噛り、あるい
は切削を伴うものとなる。本発明で滑りを伴う転がり摩
擦を利用したのは、塑性流動を伴う高いPV値でも焼付
や噛りを生じさせない為である。焼付や噛りを生じさせ
ないで摺動させること、かつ転がり摩擦による圧延作用
により、平滑な表面を得ることができ、本発明の表面処
理後は直に製品に組み込むことが可能である。
【0027】シャフトあるいは軸受等の摺動部品は、性
能向上の為、数μmオーダーの寸法精度が要求される。
従って、軸受あるいはシャフトに数十〜数百μmの摩耗
が生じた場合は装置の性能低下を招くことになる。装置
の性能を低下させる程摩耗した軸受あるいはシャフトは
寿命を迎えたと判断してよい。すなわち、耐摩耗性を有
する表面相も数十〜数百μmのオーダーの厚さで十分で
あると考えられる。必要以上の表面相(硬質相あるいは
軟質相)の厚さは機械的強度の低下等につながる。
【0028】材料の耐摩耗性を向上させるには表面を硬
化させる他に、表面に潤滑性に優れるW,Mo等の硫化
物、あるいはSn,Ag,Zn,Pb等の低剪断(低融
点)材料を表面にコーティングすることが有効である。
【0029】特に固体潤滑材の中でもカーボンは熱的に
安定した材料であり、潤滑性,耐摩耗性にも優れ、比較
的安価である為、摺動材として多用されている。カーボ
ン材は特にドライ雰囲気中で優れた摺動特性を示し、焼
付く可能性は極めて少ない。カーボン材は相手材へ移着
し、相手材表面にカーボン被膜を形成したときに、さら
に耐摩耗性が向上する。摺動初期の最も単位時間当りの
摩耗量が激しい初期摩耗時に相手材に速やかにカーボン
膜を形成できれば、摩耗量を大幅に軽減できる。
【0030】カーボン材軸受と鋼のシャフトを摺動をさ
せた場合、カーボン材は相手材の加工傷などの凹凸によ
り切削される。切削されたカーボンは相手材の加工傷に
入り込み凹凸を埋め、平坦な表面状態を形成しようとす
る。鋼材シャフト等の場合は摺動の際に自然酸化膜が摩
滅し、相手材のカーボン成分が拡散してくると考えら
れ、密着性に優れる膜を形成する。
【0031】一方、経験的にカーボンと相手材に形成さ
れるカーボン被膜との摺動では、非常に摩耗が少ないこ
とが知られている。従って、カーボン軸受を用いる時は
カーボン被膜を形成しやすいシャフト材を選べば摩耗を
抑えることができると考えられる。カーボン被膜を形成
するには、カーボンをあまり固溶していない鉄系材料す
なわち低炭素鋼が有利であるが、カーボンを固溶しない
材料等でも表面に適当な凹凸を形成することで、カーボ
ン被膜を形成することが可能である。
【0032】例えば材料の切断時等にセラミック製砥石
を用いた場合、切削油が十分に供給されない時には、た
とえ砥石と被加工材料が互いに固溶しないもの同士だと
しても、砥石側は被加工材の切り粉により目詰まりを起
こすことがある。同じく表面凹凸により切削されたカー
ボン材の摩耗粉は相手材の凹凸を埋め平滑にする。従っ
て、カーボン軸受を用いる場合は、シャフト側の表面に
適当な凹凸をつけることでシャフトの凹部がカーボンで
埋められ、カーボン被膜が形成され、摩耗を軽減するこ
とができる。鉄系材料では表面に凹凸を付けることで形
成されるカーボン被膜を強固にすることができる。但
し、凹凸を大きくし過ぎた場合には、激しいアブレッシ
ブ摩耗がおこり、摩耗量は増大する。凹凸を大きくし過
ぎた場合、カーボンの摩耗粉が凹部を埋めることができ
ず、逆に接触面圧の増加と鋭利になった凸部が摩耗増大
の要因となる。従って、凹凸は摺動初期に素早く凹部が
カーボンの摩耗粉により埋められる程度のものでなくて
はならない。また雰囲気は潤滑液あるいはその他の液や
物質が存在しないドライ雰囲気中であれば速やかにカー
ボン被膜を形成することが可能である。
【0033】潤滑油等が存在する雰囲気では潤滑油等が
摩耗粉を運ぶ媒体となり、カーボンの摩耗粉が系外に運
びさられカーボン膜の形成が困難となる。また鉄系材料
でも潤滑油等が存在すると潤滑油分子などが先に摺動に
より現れた活性な面に吸着してしまいカーボン膜の形成
は困難である。但し、高荷重下で境界潤滑下では油膜は
極端に薄くなる為、カーボン被膜の形成も可能である。
【0034】通常、シャフトを装置に組み込んだ状態で
は潤滑油などの液が存在する場合もあり、表面凹凸が摺
動初期に切削する摩耗粉が全て凹部を埋めるとは限ら
ず、摺動面の系外に放出される可能性もある。カーボン
の摩耗粉が系外に放出された場合は寸法の変化いわゆる
シャフトと軸受のはめ合い寸法が大きくなり振動等を生
じ、更に摩耗を誘発し悪循環となる。従って、装置に組
み込む前にシャフト材表面にカーボン被膜を形成するこ
とが望ましい。
【0035】カーボン材以外にもW,Moの硫化物、S
n,Ag,Zn,Pb等の金属も固体潤滑であり、摺動
時にカーボンと同様、相手材表面凹凸を埋める作用があ
る。W,Moの硫化物およびSn,Ag,Zn,Pb等
の金属をあらかじめシャフト凹部に充填することでも初
期摩耗を軽減することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】(実施例1)それぞれ含まれる炭
化物の量、及び分布が異なるCo基の材料を7種類準備
した。各試料の作製においては、それぞれの試料が含有
する炭素量と炭化物を構成するCr,W等の元素の量を
調整することにより炭化物量(vol% )の異なる試料を
得た。各試料が含有する炭化物量(vol% )を表1に示
す。各試料の組織の概略を図1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】各試料の摩耗試験を実施した。摩耗試験方
法は往復動試験とし、固定片と可動片は同種の試験片の
組合せとした。摩耗試験は水中で行い、負荷荷重は10
0kgf、ストロークは10cmで、0.5Hzの条件で試験
を行った。摩耗試験結果を図2に示す。摩耗量は炭化物
量が5vol% 以上では殆ど摩耗しなかった。表面に占め
る炭化物の面積率が大きくなるほど摩耗が少なくなる傾
向が見られた。
【0039】それぞれ含まれる炭化物の粒径が異なるC
o基の材料を6種類準備した。各試料、それぞれの試料
が含有する炭素量(vol% )がほぼ同じであり、それぞ
れの試料に含まれる炭化物の平均直径が異なる。各試料
の平均炭化物粒径を表2に示す。各試料の組織図を図3
に示す。各試料に含まれる炭化物量(vol% )は同じで
ある為、炭化物粒径が大きいほど平均粒子間距離が大き
くなる。
【0040】
【表2】
【0041】各試料の摩耗試験を実施した。摩耗試験方
法は往復動試験とし、固定片と可動片は同種の試験片の
組合せとした。摩耗試験は水中で行い、負荷荷重は10
0kgf、ストロークは10cmで、周波数0.5Hzの条件
で試験を行った。摩耗試験結果を図4に示す。炭化物粒
径が約100μmまでは粒径が大きくなるほど摩耗量は
減少傾向にあるが100μm以上になると粒径が大きく
なるほど急激に摩耗量は増大傾向となる(曲線A)。負
荷荷重及び周波数を大きくし、ストロークを小さくし
た、より苛酷な条件で試験を行った場合もほぼ平均10
0μmで摩耗量が最小となった。一方、負荷荷重及び周
波数を小さくし、ストロークを長くした比較的苛酷でな
い条件で試験を行った場合は、摩耗量が最小となる平均
粒径が100μmよりも小さい方向へシフトする傾向が
見られた。
【0042】(曲線B 負荷荷重:50kgf 周波数:
0.4Hz ストローク:12cm) (曲線C 負荷荷重:25kgf 周波数:0.3Hz ス
トローク:15cm) (実施例2)主軸および従軸の回転数を個別に制御でき
る転がり試験機を用い表面処理を行った。試験片にはS
45CおよびSUJ2のローラを用いた。S45C製の
ローラの摺動面は試験前にAl23粒子によりブラスト
をした。ブラスト後の表面平均粗さは約34μmであ
る。SUJ2の摺動面の表面平均粗さは0.1μm であ
る。S45Cのローラを主軸、SUJ2のローラを従軸
に取付けて、回転速度をそれぞれ主軸1000rpm,従
軸500rpm,押しつけ力100kgf で滑りを伴う転が
り摩擦をさせた。摺動面には水溶性のスピンドル油にC
32粉末を分散させたものを滴下した。分散させたC
32粉末の粒径は1〜5μm程度の粉末を用いた。滴
下の方法はシリコンチューブとポンプを用い、単位時間
当り一定量摘下するようにした。試験の概略を図5に示
す。
【0043】試験中は主軸側につけたトルク検出器から
摩擦トルクを読み出し、摩擦トルクが一定になったとこ
ろで押しつけ荷重を除いて試験を終了した。試験時間は
約30分である。
【0044】図7及び図8はS45C表面に形成された
被覆層の断面を示す模式図である。試験後のS45C側
の表面組織は直径約1〜5μm程度のCr32粒子が1
5μm程度の間隔で分散しており、深さ方向には約60
μmまでCr32粒子が分散していた。摺動面近傍の断
面組織は塑性流動より、結晶粒が摺動方向に流れている
のが確認された。試験後のS45Cの表面平均粗さは
0.2μm であった。本実験で表面処理したS45Cリ
ングの焼付試験を実施した。比較材として未処理の表面
平均粗さ0.2μm のS45Cリングの試験も実施し
た。焼付試験方法はS45Cリングを1000rpm で回
転させ、先端を半円形に加工したベーン材を押しつけ荷
重10kgf で押しつけて行った。雰囲気は大気中であ
る。本発明で表面処理したS45Cは未処理のS45C
にくらべ焼付時間が20倍以上長かった。
【0045】本実験で表面処理したS45Cリングの摩
耗試験を実施した。比較材として未処理の表面平均粗さ
0.2μm のS45Cリングの試験も実施した。摩耗試
験方法はS45Cリングを100rpm で回転させ、先端
を半円形に加工したベーン材を押しつけ荷重10kgf で
押しつけて行った。雰囲気は水中で、試験時間は10h
である。本発明で表面処理したS45Cリングは未処理
のS45Cリングに比べ摩耗量が1/5となった。表3
に試験結果を示す。
【0046】
【表3】
【0047】(実施例3)主軸および従軸の回転数を個
別に制御できる転がり試験機を用い表面処理を行った。
試験の概略を図9に示す。試験片にはS45CおよびSi
AlON(サイアロン)製のローラを用いた。S45C製のロ
ーラの摺動面は試験前にAl23粒子によりブラストを
した。ブラスト後の表面平均粗さは約36μmである。
SiAlON製の摺動面の表面平均粗さは0.1μm である。
S45Cのローラを主軸、SiAlON製のローラを従軸に取
付て、回転速度をそれぞれ主軸1000rpm,従軸80
0rpm、押しつけ力100kgf で滑りを伴う転がり摩擦
をさせた。試料室内にはTiCおよびMoS2 粉末を入
れ、チャンバに設置したファンにより対流を起こしTiC
およびMoS2 を対流にのせて摺動面に運ぶようにし
た。試験前に試料室内はN2 ガスに置換した。
【0048】試験中は主軸側につけたトルク検出器から
摩擦トルクを読み出した。試験時間は約3分である。
【0049】図10はS45C表面に形成された被覆層
の断面を示す模式図である。
【0050】試験後のS45C側の表面組織は直径約1
〜5μm程度のTiC粒子が10μm程度の間隔で分散
しており、MoS2 は摺動面のほぼ全面を覆っていた。
深さ方向には約60μmまでTiC粒子およびMoS2
が分散していた。摺動面近傍の断面組織は塑性流動よ
り、結晶粒が摺動方向に流れているのが確認された。試
験後のS45Cの表面平均粗さは0.2μm であった。
【0051】本実験で表面処理したS45Cリングの焼
付試験を実施した。比較材として未処理の表面平均粗さ
0.2μm のS45Cリングの試験も実施した。焼付試
験方法はS45Cリングを1000rpm で回転させ、先
端を半円形に加工したベーン材を押しつけ荷重10kgf
で押しつけて行った。本発明で表面処理したS45Cは
未処理のS45Cにくらべ焼付時間が50倍以上長かっ
た。
【0052】本実験で表面処理したS45Cリングの摩
耗試験を実施した。比較材として未処理の表面平均粗さ
0.2μm のS45Cリングの試験も実施した。摩耗試
験方法はS45Cリングを100rpm で回転させ、先端
を半円形に加工したベーン材を押しつけ荷重10kgf で
押しつけて行った。雰囲気は水中で、試験時間は10h
である。本発明で表面処理したS45Cリングは未処理
のS45Cリングに比べ摩耗量が1/9となった。表4
に試験結果を示す。
【0053】
【表4】
【0054】(実施例4)シャフト材の軸受との接触部
をブラストしたものを旋盤のチャックに固定した。工具
台にはカーボン製ブラシを取付けた。表面処理の対照と
なるシャフト材にはS45Cを用いた。S45Cのシャ
フト材の軸受との摺動部はAl23粒子によりブラスト
した。ブラスト後の表面平均粗さは約10μmである。
【0055】試験は旋盤の回転速度すなわちシャフトの
回転速度は3000rpm とした。雰囲気は大気中で行っ
た。ブラシの押しつけ時間は約20分である。試験後の
平均表面粗さは0.05μm であった。
【0056】試験後に表面処理したシャフトをジャーナ
ル軸受試験機で摩耗試験を実施した。試験は大気中で行
い、軸受にはカーボン材を用いた。摺動速度は1000
rpmで負荷荷重は10kgfとした。比較材として無処理の
平均表面粗さ0.05μmのS45Cのシャフトを用い
て同様に摩耗試験を行った。試験時間は20hとした。
【0057】本発明により表面処理を行ったシャフト材
は未処理のものに比べ摩耗量が1/40程度であった。
相手材の摩耗量は本発明の表面処理を行ったS45Cの
相手材の摩耗量は無処理のS45Cの相手材の摩耗量と
比較し、1/5程度であった。
【0058】同様に本発明の表面処理を行ったシャフト
を冷凍機油中で摩耗試験を行った。軸受にはカーボン材
を用い、摺動速度は1000rpm、負荷荷重は100kgf
で試験を行った。比較材として無処理の平均粗さ0.0
5μm のS45Cのシャフトを用いて同様に摩耗試験
を行った。本発明の表面処理を行ったシャフトは無処理
のシャフトに比べ摩耗量が1/4程度であった。本発明
の表面処理を行ったシャフトの相手材の摩耗量は、無処
理のシャフトの相手材の摩耗量の1/3程度であった。
試験結果をまとめて表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】(実施例5)本発明の表面処理装置を図1
1及び図12に示す。図11は正面図、図12は側面図
である。工具台以外は通常の旋盤で構成している。工具
台には速度制御が可能なローラを取付けており、用途に
応じ取り外し、カーボンブラシの取付けが可能となって
いる。図13,図14に例を示す。工具台には荷重検出
部を設け、押しつけ荷重を検出できるようにした。2つ
のローラは加工対象物すなわちシャフト材をはさんで対
象に設置した。工具台のシャフトと垂直方向への送りは
一つのハンドルで行えるようにし、シャフトをはさんだ
2つの工具台は連動して動作する。2つの工具台が連動
して動作し加工対象物を挟み込むことによりシャフトの
たわみを抑えることができる。通常の旋盤のように、片
側から工具台に取付けたローラを押しつけた場合、シャ
フトがたわみ、振動を伴うことから本発明の実施例1の
ような塑性流動を伴う摺動をさせるに必要な荷重を負荷
することは困難であった。カーボンブラシを取付けて実
施例4の様な処理をする場合、本装置を用いれば、シャ
フトをたわませず大きな荷重を負荷できることから、よ
り短時間での処理が可能である。
【0061】シャフト材の軸受との接触部をブラストし
たものを本発明の表面処理装置のチャックに固定した。
工具台にはSiAlON(サイアロン)製のローラを取付け
た。図15に概略を示す。表面処理の対象となるシャフ
ト材にはFCD350を用いた。試験前に、シャフト材の軸受
との摺動部はAl23粒子によりブラストした。ブラス
ト後の表面平均粗さは38μmである。
【0062】試験は、旋盤の回転速度すなわちシャフト
の回転速度は2000rpm とした。用いた切削油には粒
径1〜5μmのCr32粉末を分散させたものを用い、
工具台に取付けたノズルから摺動面に切削油を吹き付け
るようにした。押しつけ荷重は100kgf であり、シャ
フトの両側からそれぞれ等しい荷重で押しつけた。ロー
ラの回転数は500rpm とした。摺動時間はおよそ1分
である。試験後の平均表面粗さは0.1μm であった。
【0063】試験後に表面処理したシャフトをジャーナ
ル軸受試験機で摩耗試験を実施した。潤滑油にはエーテ
ル油を用い、軸受にはカーボン材を用いた。摺動速度は
100rpmで負荷荷重は100kgfとした。試験時間は20
hとした。比較材として無処理の平均表面粗さ0.1μ
m のFCD350製のシャフトを用いて同様に摩耗試験を行
った。
【0064】試験結果を表6に示す。本発明により表面
処理を行ったシャフト材は未処理のものに比べ摩耗量が
1/10程度であった。相手材であるカーボン軸受の摩
耗量は同程度であった。
【0065】(実施例6)平面や板及び、円筒内面に本
発明を適用することを検討した。図16は平板の製品摺
動部を回転する工具により移動しながら順次摩擦し、同
時にノズルよりTiC,MoS2 を供給した。
【0066】図17は円筒内面を、回転する工具により
移動しながら順次摩擦し、同時にノズルよりTiC,M
oS2 を供給した。いずれも実施例3で得られた表面と
同様の処理が可能であった。
【0067】(実施例7)図18に冷蔵庫用ロータリー
圧縮機の全体構造を示す。図19に図18の冷蔵庫用圧
縮機の圧縮部の断面を示す。主な部品構成は、チャンバ
ー8内にシャフト9を支持する上軸受13,下軸受14
及びローラ12のジャーナル軸受とベーン11とシリン
ダー10及びベーン11とローラ12のスラスト軸受か
ら成っている。これらの軸受は製品の小型化及び高性能
化に伴い部品間では、面圧の増大と潤滑油膜の減少,冷
媒希釈による冷凍機油の粘度低下が起る。特にベーン対
ローラ,ローラ対シャフト,軸受対シャフト間の摩耗条
件は厳しくなり優れた耐摩耗性や耐焼付き性が要求され
る。
【0068】前述の実施例の方法により基材にFC25
0を用いて製作した部材を冷蔵庫用圧縮機のローラの全
面に適用し、ローラ対ベーンの実機試験を行った。ま
た、比較のため、無処理のFC250をローラ材として
用いている従来の圧縮機についても試験を行った。試験
の雰囲気は冷媒HAF134a とエステル油である。運転時間
は2000時間とした。その結果、従来の圧縮機のFC
250にはアブレッシブな摩耗痕が観察されたが、本発
明材の表面には摩耗痕等は発生せず、ほぼ試験前の様相
を呈しており、本発明材の効果が確証できた。
【0069】なお、本発明は冷蔵庫用圧縮機について説
明しているが、摺動部を有する他の機械装置等に適用す
ることにより、さらに優れた機能が発揮できる。
【0070】なお、圧縮機に代えてポンプにも適用でき
る。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、塑性流動を伴う摩擦に
より硬質粒子あるいは固体潤滑材を材料表面に練り込む
簡単な方法で、材料の耐摩耗を向上させることができ
る。また固体潤滑材においても同様に材料表面を摺動
し、材料表面の凹凸に固体潤滑材を充填することにより
耐摩耗性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化物量が異なる材料の組織を示す模式図。
【図2】炭化物量と摩耗量の関係を示す線図。
【図3】炭化物の粒径が異なる材料の組織を示す模式
図。
【図4】炭化物粒径と摩耗量の関係を示す線図。
【図5】硬質粒子を含む潤滑液を摺動面に供給し、表面
処理を行う装置の概略図。
【図6】図5の処理を行った結果得られる材料の表面状
態を示す模式図。
【図7】実施例2の処理を行った結果得られる材料の表
面状態を示す模式図。
【図8】図7の拡大図。
【図9】本発明の表面処理装置の概略図。
【図10】実施例3の処理によって得られる材料の表面
状態を示す拡大模式図。
【図11】本発明の表面処理装置の概略図。
【図12】図11の側面図。
【図13】本発明の表面処理装置の使用方法の例を示す
装置の概略図。
【図14】本発明の表面処理装置の使用方法の例を示す
装置の概略図。
【図15】本発明の表面処理装置を用い、シャフトの表
面改質を行った時の概略図。
【図16】本発明の処理方法を示す概略図。
【図17】本発明の処理方法を示す概略図。
【図18】ロータリー圧縮機の部分断面図。
【図19】ロータリー圧縮機の圧縮部の断面図。
【符号の説明】
9…シャフト、10…シリンダー、11…ベーン、12
…ローラ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属部材よりなる摺動部材において、該部
    材に対し他の部材と摺接する表面に変形層が形成され、
    該変形層内にセラミックス微粒子が機械的な押圧によっ
    て埋込まれたセラミックス微粒子分散層を有することを
    特徴とする摺動部材。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記微粒子は金属炭化
    物,金属窒化物であることを特徴とする摺動部材。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、固体潤滑剤,金
    属硫化物及び黒鉛を含むカーボンのうち少なくとも1種
    類を含むことを特徴とする摺動部材。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記変
    形層の深さが1〜200μmであることを特徴とする摺
    動部材。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、前記金
    属炭化物はTi,Cr,W,Vの炭化物のうち少なくと
    も1種であることを特徴とする摺動部材。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、前記金
    属窒化物はTi,Crの窒化物のうち少なくとも1種で
    あることを特徴とする摺動部材。
  7. 【請求項7】請求項3において、前記固体潤滑剤はC,
    Pb,Sn,Ag,Znのうち少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする摺動部材。
  8. 【請求項8】請求項3において、前記金属硫化物はM
    o,Wの硫化物のうち少なくとも1種であることを特徴
    とする摺動部材。
  9. 【請求項9】円筒部を有する金属部材よりなる摺動部材
    の製造法において、前記部材の円筒部に接して互いに滑
    りを伴う転がり摩擦を生じる他の円筒状硬質部材との間
    にセラミックス微粒子を介在させ、機械的な押圧と前記
    滑りを伴なう転がり摩擦によって前記金属部材の円筒部
    表面に前記セラミックス微粒子を埋込むことを特徴とす
    る摺動部材の製造法。
  10. 【請求項10】モータに連動して回転するシャフトと、
    該シャフトの回転によって偏心運動するローラと、該ロ
    ーラを収納するシリンダーと、前記ローラの運動に伴っ
    て往復運動するように前記シリンダーに設けられたベー
    ンとを備えたロータリー圧縮機において、前記ローラは
    鉄系部材よりなり、前記シリンダー及びシャフトと接触
    する表面に変形層が形成され、該変形層内にセラミック
    ス微粒子が機械的な押圧によって埋込まれたセラミック
    ス微粒子分散層を有することを特徴とするロータリー圧
    縮機。
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