JP2744856B2 - メカニカルシール用硼化チタン複合炭化珪素焼結体およびメカニカルシール - Google Patents
メカニカルシール用硼化チタン複合炭化珪素焼結体およびメカニカルシールInfo
- Publication number
- JP2744856B2 JP2744856B2 JP3145271A JP14527191A JP2744856B2 JP 2744856 B2 JP2744856 B2 JP 2744856B2 JP 3145271 A JP3145271 A JP 3145271A JP 14527191 A JP14527191 A JP 14527191A JP 2744856 B2 JP2744856 B2 JP 2744856B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sintered body
- mechanical seal
- silicon carbide
- titanium boride
- wear
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Mechanical Sealing (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、メカニカルシール用硼
化チタン複合炭化珪素焼結体とこの焼結体を用いて作製
された耐摩耗性部材、とくに、バルブポンプ、高粘性ポ
ンプ、各種薬品ポンプ等の軸封装置として用いられるメ
カニカルシールに関するものであって、炭化珪素（以下
は「SiＣ」で示す）と硼化チタン（以下は「TiB2」で示
す）およびSiとの複合焼結体からなる靭性および摩擦・
摩耗特性に優れる焼結材料に関するものである。なお、
この硼化チタン複合炭化珪素焼結体は、切削工具や軸受
あるいはダイスなどの耐摩耗性部材としての用途にも好
適に用いられる。
化チタン複合炭化珪素焼結体とこの焼結体を用いて作製
された耐摩耗性部材、とくに、バルブポンプ、高粘性ポ
ンプ、各種薬品ポンプ等の軸封装置として用いられるメ
カニカルシールに関するものであって、炭化珪素（以下
は「SiＣ」で示す）と硼化チタン（以下は「TiB2」で示
す）およびSiとの複合焼結体からなる靭性および摩擦・
摩耗特性に優れる焼結材料に関するものである。なお、
この硼化チタン複合炭化珪素焼結体は、切削工具や軸受
あるいはダイスなどの耐摩耗性部材としての用途にも好
適に用いられる。
【０００２】
【従来の技術】一般に、上記の用途（切削工具, 軸封装
置用メカニカルシール etc.)材としては、耐摩耗性に優
れた炭化タングステン基超硬合金などが広く使用されて
いる。近年、その使用条件が苛酷になるに従って、より
優れた材料の開発が強く望まれている。
置用メカニカルシール etc.)材としては、耐摩耗性に優
れた炭化タングステン基超硬合金などが広く使用されて
いる。近年、その使用条件が苛酷になるに従って、より
優れた材料の開発が強く望まれている。
【０００３】例えば、線引きダイスに関しては、従来、
超硬合金やダイヤモンドなどが賞用されている。ところ
が、この超硬合金ダイスで銅の線引きを行った場合、超
硬合金中の成分が銅線中に混入し不良品（断線）の原因
となりやすい。また、ニッケルの線引きを、ダイヤモン
ドダイスで行った場合には、ダイヤモンドとニッケルと
が反応してダイス直径が大きくなり、それ故に歩留りが
低下し（銅の約１／10) 、コスト高となる。その他、上
述したような異物の混入を避けるために、セラミックス
を用いた線引きダイスも考案されているが、同じような
課題を抱えている。
超硬合金やダイヤモンドなどが賞用されている。ところ
が、この超硬合金ダイスで銅の線引きを行った場合、超
硬合金中の成分が銅線中に混入し不良品（断線）の原因
となりやすい。また、ニッケルの線引きを、ダイヤモン
ドダイスで行った場合には、ダイヤモンドとニッケルと
が反応してダイス直径が大きくなり、それ故に歩留りが
低下し（銅の約１／10) 、コスト高となる。その他、上
述したような異物の混入を避けるために、セラミックス
を用いた線引きダイスも考案されているが、同じような
課題を抱えている。
【０００４】一方、メカニカルシールに関しては、従
来、カーボン材料、鋳鉄、超硬合金、アルミナ焼結体、
SiＣ焼結体などが主として用いられている。これらのう
ち、特に、鋳鉄や超硬合金は、高負荷時の使用に当たっ
ての耐久性が悪く、そのためにこの分野ではむしろアル
ミナ焼結体やSiＣ焼結体が用いられている。とりわけ、
SiＣ焼結体は、上記アルミナ焼結体と比べた場合、熱伝
導度が高く、かつ自身および相手材ともに摩耗量が少な
くなるという優れた摺動特性を有していることから、特
に賞用される材料である。
来、カーボン材料、鋳鉄、超硬合金、アルミナ焼結体、
SiＣ焼結体などが主として用いられている。これらのう
ち、特に、鋳鉄や超硬合金は、高負荷時の使用に当たっ
ての耐久性が悪く、そのためにこの分野ではむしろアル
ミナ焼結体やSiＣ焼結体が用いられている。とりわけ、
SiＣ焼結体は、上記アルミナ焼結体と比べた場合、熱伝
導度が高く、かつ自身および相手材ともに摩耗量が少な
くなるという優れた摺動特性を有していることから、特
に賞用される材料である。
【０００５】一方、このSiＣ焼結体についても、上述し
た用途への一層の適合を図るために、摩擦・摩耗特性を
より一層向上させたものが提案されている。例えば、特
開昭62−148384号公報、同62−270481号公報、同63−79
775 号公報に開示されているように多孔質SiＣ焼結体の
気孔中に種々の固体潤滑材を含浸させたもの、あるいは
特開平２−55273 号公報に開示されているように多孔質
SiＣ焼結体中の気孔のサイズを制限したものなどであ
る。
た用途への一層の適合を図るために、摩擦・摩耗特性を
より一層向上させたものが提案されている。例えば、特
開昭62−148384号公報、同62−270481号公報、同63−79
775 号公報に開示されているように多孔質SiＣ焼結体の
気孔中に種々の固体潤滑材を含浸させたもの、あるいは
特開平２−55273 号公報に開示されているように多孔質
SiＣ焼結体中の気孔のサイズを制限したものなどであ
る。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、SiＣ
焼結体は前記用途の素材として有用であり、とりわけ摩
耗特性などについては、それなりの効果があがってい
る。しかしながら、耐摩耗性部材としてのSiＣ焼結体の
脆さについての検討や改善は、未だほとんどなされてい
ないのが実情である。
焼結体は前記用途の素材として有用であり、とりわけ摩
耗特性などについては、それなりの効果があがってい
る。しかしながら、耐摩耗性部材としてのSiＣ焼結体の
脆さについての検討や改善は、未だほとんどなされてい
ないのが実情である。
【０００７】例えば、線引きダイスについては、このSi
Ｃ焼結体の靭性が低いために、ダイス交換時に破損しや
すいという問題が生じている。一方、メカニカルシール
についても、耐食性、摺動特性および破壊抵抗性が必要
とされるところ、このSiＣ焼結体は、耐食性および摺動
特性には優れているものの、他の材料と比較して破壊抵
抗値が低いという問題があった。
Ｃ焼結体の靭性が低いために、ダイス交換時に破損しや
すいという問題が生じている。一方、メカニカルシール
についても、耐食性、摺動特性および破壊抵抗性が必要
とされるところ、このSiＣ焼結体は、耐食性および摺動
特性には優れているものの、他の材料と比較して破壊抵
抗値が低いという問題があった。
【０００８】すなわち、SiＣ焼結体については、破壊靭
性値が低いために、摺動中にチッピングが起きたり、チ
ップが摺動面に入ってメカニカルシールリングが破損す
るというような問題が生じていたのである。
性値が低いために、摺動中にチッピングが起きたり、チ
ップが摺動面に入ってメカニカルシールリングが破損す
るというような問題が生じていたのである。
【０００９】本発明の目的は、従来のSiＣ焼結体が抱え
ている上述した問題を克服することにあり、とくに耐摩
耗・耐摩擦特性に優れるだけでなく、脆さおよび強度と
いった特性にも優れた複合SiＣ焼結体と、この材料を用
いたメカニカルシールに関して提案する。
ている上述した問題を克服することにあり、とくに耐摩
耗・耐摩擦特性に優れるだけでなく、脆さおよび強度と
いった特性にも優れた複合SiＣ焼結体と、この材料を用
いたメカニカルシールに関して提案する。
【００１０】
【課題を解決するための手段】摩擦・摩耗特性に加え靭
性にも優れるSiＣ焼結体について鋭意研究する中で本発
明者らは、硼化チタンを含む複合SiＣ焼結体に着目し、
さらに、Si注入法を用いてこのTiB2の配合量およびSi量
を調整するという新規な方法の採用により、このように
して得られた硼化チタン複合炭化珪素焼結体がメカニカ
ルシール用材料として有効であり、所期した本発明の目
的達成に極めて有効であることが判り、以下に説明する
ような本発明に想到した。
性にも優れるSiＣ焼結体について鋭意研究する中で本発
明者らは、硼化チタンを含む複合SiＣ焼結体に着目し、
さらに、Si注入法を用いてこのTiB2の配合量およびSi量
を調整するという新規な方法の採用により、このように
して得られた硼化チタン複合炭化珪素焼結体がメカニカ
ルシール用材料として有効であり、所期した本発明の目
的達成に極めて有効であることが判り、以下に説明する
ような本発明に想到した。
【００１１】すなわち、本発明は、15〜35 vol％の硼化
チタンと５〜30 vol％の珪素、残部炭化珪素からなるメ
カニカルシール用硼化チタン複合炭化珪素焼結体、およ
び、このような硼化チタン複合炭化珪素焼結体（以下は
「TiB2複合SiＣ焼結体」で示す）を用いて靭性および摩
擦・摩耗特性を改善した耐摩耗性部材、すなわちメカニ
カルシールを提案するものである。
チタンと５〜30 vol％の珪素、残部炭化珪素からなるメ
カニカルシール用硼化チタン複合炭化珪素焼結体、およ
び、このような硼化チタン複合炭化珪素焼結体（以下は
「TiB2複合SiＣ焼結体」で示す）を用いて靭性および摩
擦・摩耗特性を改善した耐摩耗性部材、すなわちメカニ
カルシールを提案するものである。
【００１２】本発明において、上記メカニカルシール
は、前記TiB2複合SiＣ焼結体を、固定環および回転環の
両方に用いることを特徴とする。また、このメカニカル
シールの構成は、前記TiB2複合SiＣ焼結体を、固定環あ
るいは回転環のいずれか一方に採用し、その他方にカー
ボン材、緻密質SiＣ焼結体、鋳鉄、アルミナ焼結体、超
硬合金等を用いることを特徴とするものであってもよ
い。ここで、緻密質SiＣ焼結体とは、HIP 、ホットプレ
スおよび常圧焼結などの方法により作成した気孔率３％
以下の焼結体を意味する。
は、前記TiB2複合SiＣ焼結体を、固定環および回転環の
両方に用いることを特徴とする。また、このメカニカル
シールの構成は、前記TiB2複合SiＣ焼結体を、固定環あ
るいは回転環のいずれか一方に採用し、その他方にカー
ボン材、緻密質SiＣ焼結体、鋳鉄、アルミナ焼結体、超
硬合金等を用いることを特徴とするものであってもよ
い。ここで、緻密質SiＣ焼結体とは、HIP 、ホットプレ
スおよび常圧焼結などの方法により作成した気孔率３％
以下の焼結体を意味する。
【００１３】
【作用】本発明者らの研究によれば、前記メカニカルシ
ール用TiB2複合SiＣ焼結体の摺動前の表面は、SiＣ、Ti
B2、酸化硼素（以下は「B2O3」で示す) および酸化チタ
ン( 以下は「TiO2」で示す) で構成されていた。ところ
が、摺動中ならびに摺動後のTiB2複合SiＣ焼結体摩耗痕
の表面を、ESCAにより分析したところ、その表面は、Si
Ｃ、TiB2、TiO2で構成されおり、B2O3およびTiO2の量が
摺動前に較べると大幅に減少していたことが判明したの
である。
ール用TiB2複合SiＣ焼結体の摺動前の表面は、SiＣ、Ti
B2、酸化硼素（以下は「B2O3」で示す) および酸化チタ
ン( 以下は「TiO2」で示す) で構成されていた。ところ
が、摺動中ならびに摺動後のTiB2複合SiＣ焼結体摩耗痕
の表面を、ESCAにより分析したところ、その表面は、Si
Ｃ、TiB2、TiO2で構成されおり、B2O3およびTiO2の量が
摺動前に較べると大幅に減少していたことが判明したの
である。
【００１４】このような知見から、前記TiB2複合SiＣ焼
結体を摺動材として使う場合、B2O3、TiO2の如き酸化物
（摺動前に存在）が、摺動中に減少（ないしは消滅)
し、優れた潤滑特性を有するSiＣ／TiB2皮膜が形成され
ることが推測された。そして、準備したTiB2複合SiＣ焼
結体を用いて摺動試験を行った結果、もちろん良好な摺
動結果が得られた。
結体を摺動材として使う場合、B2O3、TiO2の如き酸化物
（摺動前に存在）が、摺動中に減少（ないしは消滅)
し、優れた潤滑特性を有するSiＣ／TiB2皮膜が形成され
ることが推測された。そして、準備したTiB2複合SiＣ焼
結体を用いて摺動試験を行った結果、もちろん良好な摺
動結果が得られた。
【００１４】次に、本発明にかかるメカニカルシール用
TiB2複合SiＣ焼結体の組成が前述のように限定される理
由につき説明する。まず、TiB2の含有量が15 vol％より
少ないと、TiB2の破壊靭性値を改善する硬化が顕著に現
れず、一方、この量が35 vol％を超えると、焼結が進行
しにくくなって密度が低下し、曲げ強度や破壊靭性値の
低下が起こる。
TiB2複合SiＣ焼結体の組成が前述のように限定される理
由につき説明する。まず、TiB2の含有量が15 vol％より
少ないと、TiB2の破壊靭性値を改善する硬化が顕著に現
れず、一方、この量が35 vol％を超えると、焼結が進行
しにくくなって密度が低下し、曲げ強度や破壊靭性値の
低下が起こる。
【００１５】また、Siの含有量については、理論的にも
５ vol％以下にするのが困難であり、一方30 vol％を超
えると、曲げ強度亜鉛破壊靭性値のバラツキが大きくな
り好ましくない。
５ vol％以下にするのが困難であり、一方30 vol％を超
えると、曲げ強度亜鉛破壊靭性値のバラツキが大きくな
り好ましくない。
【００１６】以上説明したように、本発明のメカニカル
シール用TiB2複合SiＣ焼結体は、耐摩耗性ならびに耐摩
擦性が優れているだけでなく、曲げ強度および破壊靭性
値が向上することにより、各環境における使用時はもち
ろん、部品交換あるいは部材製造時の破壊損失を大幅に
低減させることができる。
シール用TiB2複合SiＣ焼結体は、耐摩耗性ならびに耐摩
擦性が優れているだけでなく、曲げ強度および破壊靭性
値が向上することにより、各環境における使用時はもち
ろん、部品交換あるいは部材製造時の破壊損失を大幅に
低減させることができる。
【００１７】また、従来のSiＣ焼結体は、強度や破壊靭
性値が低いために摺動部分に異物が混入した場合破損す
ることが多かったが、本発明のTiB2複合SiＣ焼結体は、
強度および破壊靭性値が著しく改善されているので、異
物混入時も破損し難くなり寿命の延長が期待できる。
性値が低いために摺動部分に異物が混入した場合破損す
ることが多かったが、本発明のTiB2複合SiＣ焼結体は、
強度および破壊靭性値が著しく改善されているので、異
物混入時も破損し難くなり寿命の延長が期待できる。
【００１８】
実施例１ TiB2を 15vol％, 20 vol％, 30 vol％、Siを15 vol％、
残部SiＣからなるTiB2複合SiＣ焼結体について、各種の
機械特性試験およびボールオンディスク法による摩擦・
摩耗試験を行った。ディスクおよびボールはともに、複
合焼結体および常圧焼結体を用いて試験を行った。な
お、ディスクの摩耗量は、摩耗痕の深さから、またボー
ルの摩耗量は、摩耗痕の直径から求めた。
残部SiＣからなるTiB2複合SiＣ焼結体について、各種の
機械特性試験およびボールオンディスク法による摩擦・
摩耗試験を行った。ディスクおよびボールはともに、複
合焼結体および常圧焼結体を用いて試験を行った。な
お、ディスクの摩耗量は、摩耗痕の深さから、またボー
ルの摩耗量は、摩耗痕の直径から求めた。
【００１９】表１に、本発明のメカニカルシール用TiB2
複合SiＣ焼結体の機械的特性を示す。表２に試験条件を
表２に示す。
複合SiＣ焼結体の機械的特性を示す。表２に試験条件を
表２に示す。
【表１】 複合焼結体特性
【表２】 試験条件
【００２０】この試験結果を、図１および図２に、白丸
印および中黒二重丸印で示す。この図から判るように、
複合焼結体の摩耗量は、水潤滑式の場合、常圧焼結体と
ほぼ同程度の結果を示した。ただし、乾式の場合、複合
焼結体の摩耗量は、TiB2量が少ないとわずかに高いが、
TiB2量の増加とともに低下する傾向を示した。また、こ
の複合焼結体の比摩耗量（ボールの摩耗量）は、常圧焼
結体に比べて小さく、特に、水潤滑式の場合には、ディ
スクに常圧焼結体、ボールに複合焼結体を用いた組合せ
の比摩耗量が最も小さい。
印および中黒二重丸印で示す。この図から判るように、
複合焼結体の摩耗量は、水潤滑式の場合、常圧焼結体と
ほぼ同程度の結果を示した。ただし、乾式の場合、複合
焼結体の摩耗量は、TiB2量が少ないとわずかに高いが、
TiB2量の増加とともに低下する傾向を示した。また、こ
の複合焼結体の比摩耗量（ボールの摩耗量）は、常圧焼
結体に比べて小さく、特に、水潤滑式の場合には、ディ
スクに常圧焼結体、ボールに複合焼結体を用いた組合せ
の比摩耗量が最も小さい。
【００２１】実施例２ 実施例１と同じような組成のTiB2複合SiＣ焼結体, すな
わち、TiB2を15〜30 vol％、Si 15 vol％、残部SiＣか
らなる複合焼結体について、上記と同じような摩擦・摩
耗試験を行った。ディスクにはTiB2複合SiＣ焼結体、常
圧焼結体およびアルミナ焼結体を使い、ボールにはアル
ミナ焼結体を使ったものについて試験を行った。試験条
件を表３に示す。
わち、TiB2を15〜30 vol％、Si 15 vol％、残部SiＣか
らなる複合焼結体について、上記と同じような摩擦・摩
耗試験を行った。ディスクにはTiB2複合SiＣ焼結体、常
圧焼結体およびアルミナ焼結体を使い、ボールにはアル
ミナ焼結体を使ったものについて試験を行った。試験条
件を表３に示す。
【表３】
【００２２】この試験の結果を図１および図２に黒丸印
で示す。これらの図から判るように、ディスクおよびボ
ールの摩耗量は、複合焼結体が最も小さく、次いで常圧
焼結体であった。アルミナ焼結体同士の組合わせが、デ
ィスクおよびボール共に、最も摩耗量が大であった。
で示す。これらの図から判るように、ディスクおよびボ
ールの摩耗量は、複合焼結体が最も小さく、次いで常圧
焼結体であった。アルミナ焼結体同士の組合わせが、デ
ィスクおよびボール共に、最も摩耗量が大であった。
【００２３】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、摩
擦・摩耗特性に優れると同時に曲げ強度および破壊靭性
値に優れた特性を有するメカニカルシール用TiB2複合Si
Ｃ焼結体を提供できる。しかも、この焼結体を耐摩耗部
材、例えばメカニカルシールに適用した場合には、摩擦
・摩耗特性の向上はもちろんのこと靭性にも優れている
ので、リング交換時の破損や摺動中のチッピングによる
破損を大幅に減少させることができる。
擦・摩耗特性に優れると同時に曲げ強度および破壊靭性
値に優れた特性を有するメカニカルシール用TiB2複合Si
Ｃ焼結体を提供できる。しかも、この焼結体を耐摩耗部
材、例えばメカニカルシールに適用した場合には、摩擦
・摩耗特性の向上はもちろんのこと靭性にも優れている
ので、リング交換時の破損や摺動中のチッピングによる
破損を大幅に減少させることができる。
【図１】図１は、ディスクの摩耗量とTiB2含有量との関
係を示すグラフ。
係を示すグラフ。
【図２】図２は、ボールの摩耗量とTiB2含有量との関係
を示すグラフ。
を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 敏紹 東京都中央区日本橋小網町８番４号 日 本重化学工業株式会社本社内 審査官 後谷 陽一
Claims (5)
- 【請求項１】 １５〜３５ vol％の硼化チタンと５〜３
０ vol％の珪素、残部炭化珪素からなるメカニカルシー
ル用硼化チタン複合炭化珪素焼結体。 - 【請求項２】 固定環および回転環が請求項１に記載の
硼化チタン複合炭化珪素焼結体にて作製されていること
を特徴とするメカニカルシール。 - 【請求項３】 固定環もしくは回転環のいずれか一方が
請求項１に記載の硼化チタン複合炭化珪素焼結体で作製
され、その他方のものがカーボン材料で作製されている
ことを特徴とするメカニカルシール。 - 【請求項４】 固定環もしくは回転環のいずれか一方が
請求項１に記載の硼化チタン複合炭化珪素焼結体で作製
され、その他方のものが緻密質炭化珪素焼結体にて作製
されていることを特徴とするメカニカルシール。 - 【請求項５】 固定環もしくは回転環のいずれか一方が
請求項１に記載の硼化チタン複合炭化珪素焼結体で作製
され、その他方のものが鋳鉄、アルミナ焼結体および超
硬合金などの耐摩耗性金属で作製されていることを特徴
とするメカニカルシール。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3145271A JP2744856B2 (ja) | 1991-05-22 | 1991-05-22 | メカニカルシール用硼化チタン複合炭化珪素焼結体およびメカニカルシール |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3145271A JP2744856B2 (ja) | 1991-05-22 | 1991-05-22 | メカニカルシール用硼化チタン複合炭化珪素焼結体およびメカニカルシール |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06279117A JPH06279117A (ja) | 1994-10-04 |
| JP2744856B2 true JP2744856B2 (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=15381279
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3145271A Expired - Lifetime JP2744856B2 (ja) | 1991-05-22 | 1991-05-22 | メカニカルシール用硼化チタン複合炭化珪素焼結体およびメカニカルシール |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2744856B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2941786B1 (ja) * | 1998-06-22 | 1999-08-30 | 日本ピラー工業株式会社 | 流体用ロータリジョイント |
| JP4606545B2 (ja) * | 2000-05-02 | 2011-01-05 | イーグル工業株式会社 | メカニカルシールによる圧縮機の軸封機構 |
-
1991
- 1991-05-22 JP JP3145271A patent/JP2744856B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06279117A (ja) | 1994-10-04 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4997192A (en) | Mechanical seal using pore-dispersed material, and pore-dispersed cemented carbide and method for manufacturing same | |
| JP2722182B2 (ja) | 三様式の細孔構成を有する多孔性ＳｉＣのベアリング材料及びその製造方法 | |
| JP3549239B2 (ja) | 転がり軸受 | |
| EP3199290B1 (en) | Friction stir welding tool member formed from silicon nitride sintered body and friction stir welding apparatus using same | |
| US6398991B1 (en) | Processes for making a silicon carbide composition | |
| JPH10203872A (ja) | 炭化珪素からなるスライド材料 | |
| JP4998458B2 (ja) | セラミック焼結体及びこれを用いた摺動部品、並びに、セラミック焼結体の製造方法 | |
| JP2744856B2 (ja) | メカニカルシール用硼化チタン複合炭化珪素焼結体およびメカニカルシール | |
| JP4635042B2 (ja) | 遊動環形メカニカルシール | |
| JP2006057725A (ja) | メカニカルシール装置 | |
| JP4865146B2 (ja) | 炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法 | |
| JP2004339587A (ja) | 自己潤滑性硬質材料 | |
| JP2543093B2 (ja) | シ−ル用摺動部品 | |
| JP2555465B2 (ja) | 自己潤滑硬質材料 | |
| JP3773080B2 (ja) | 転がり軸受 | |
| JPS6331003B2 (ja) | ||
| JP4417584B2 (ja) | メカニカルシール及びそのメカニカルシール用の炭化珪素焼結密封環の製造方法 | |
| JPH0743434B2 (ja) | 原子炉用シ−ルリング材 | |
| JP3155931B2 (ja) | 自己潤滑機能を有するシリコンカーバイドセラミックス及びそのシリコンカーバイドセラミックス利用の摺動部材 | |
| KR19980018365A (ko) | 습식 마찰 접촉장치 | |
| JP2002265271A (ja) | 摺動体及びその製造方法並びにメカニカルシール | |
| JPS6355163A (ja) | 耐摩耗材用窒化けい素質焼結体 | |
| Feinle et al. | Product development with SiC and B4C ceramics | |
| JPS6296367A (ja) | 炭化珪素質摩擦機構部材 | |
| JPWO2020090745A1 (ja) | 密封用摺動部材およびシール装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |