JP3389414B2 - 摺動装置 - Google Patents
摺動装置Info
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Description
ドレール、エアスライド、スピンドル等の軸受や、シー
ル部材、あるいはバルブ等の各種摺動装置に関する。
性に優れるため、あらゆる産業機械の摺動部材として使
用することが検討されている。
て非晶質硬質炭素膜を形成した摺動部材も提案されてい
る(特開平3−223190号、5−296248号公
報等参照)。例えば、フォーセットバルブ等のバルブ装
置において、互いに摺動する弁体をセラミックスで形成
し、このセラミックス製弁体の摺動面に、CVD法等に
よって厚み0.2〜2μm程度の非晶質硬質炭素膜を形
成することによって、潤滑油等を用いることのない摺動
装置を構成することができる。この非晶質硬質炭素膜は
耐摩耗性、摺動性に優れることから、互いの摩耗量を少
なくし、長期間にわたってリンキング等が生じることな
く、良好な摺動特性を維持することができる。
面に非晶質硬質炭素膜を形成し、他方の摺動面がセラミ
ックスからなる組合せの摺動装置において、セラミック
ス側の摺動面の表面状態によっては、非晶質硬質炭素膜
が摩耗しやすく、厚み0.2〜2μm程度の非晶質硬質
炭素膜はすぐに摩耗や剥離してしまうという問題があっ
た。そして、非晶質硬質炭素膜がなくなると、セラミッ
クス同士の摺動となり、摩耗が急激に進行してしまうと
いう不都合があった。
摺動するセラミック製摺動部材のうち、一方の摺動面に
非晶質硬質炭素膜を形成し、他方の摺動面をボイド占有
率6%以下で最大ボイド径10μm以下として摺動装置
を特徴とする。
相手側の摺動部材を、金属の酸化物、炭化物、窒化物の
一種以上からなる硬質相と金属相との複合焼結体で形成
したことを特徴とする。
なボイドが存在することを避けられず、非晶質硬質炭素
膜の相手側のセラミックス製摺動部材の摺動面にもボイ
ドが存在する。そして、本発明者等が種々実験の結果、
上記セラミックス製摺動部材の摺動面に存在するボイド
のエッジで非晶質硬質炭素膜を摩耗させること、及びこ
のボイドが多く、大きいほど非晶質硬質炭素膜を摩耗さ
せる作用も大きくなることがわかった。
面に存在するボイドの占有率を6%以下、最大ボイド径
を10μm以下とすれば、非晶質硬質炭素膜の摩耗を最
小限に抑えられることを見出したのである。
類やボイドの状態によって、非晶質硬質炭素膜との摺動
性が異なるが、ボール・オン・ディスク試験による摩擦
係数を測定することによって両部材の摺動性を評価する
ことができ、後述する条件における摩擦係数が0.30
以下となるような組合せにすることによって、特に優れ
た摺動装置を得ることができるのである。
ックス製摺動部材として、特に金属の酸化物、炭化物、
窒化物の一種以上からなる硬質相とNi,Co等の金属
相との複合焼結体を用いると、特に摺動性に優れ、互い
の摩耗量を低減できることを見出した。なお、上記複合
焼結体としては、サーメットや超硬合金等があるが、本
発明におけるセラミックスとは、これらの複合焼結体を
も含むものである。
態を説明する。
摺動部材としてセラミックス製の固定弁体1と可動弁体
2を有し、固定弁体1の摺動面1aには非晶質硬質炭素
膜3が形成されている。一方、可動弁体2の摺動面2a
はセラミックスのままであるが、この摺動面2aは、ボ
イド占有率が6%以下で、最大ボイド径が10μm以下
とボイドの少ない面としてある。
させて摺動させることにより、互いの流体通路1b、2
bの開閉を行い、流体の流量を調整することができる。
このとき、固定弁体1の摺動面1aには摺動性、耐摩耗
性に優れた非晶質硬質炭素膜3が形成され、一方の摺動
面2aはボイドの少ない面としてあることから非晶質硬
質炭素膜3を摩耗させることがない。そのため、互いの
摺動時に、潤滑油を用いなくても優れた摺動性を示し、
摩耗量を少なくして、長期間良好に使用することができ
る。また、非晶質硬質炭素膜3の母材となる固定弁体1
をセラミックスで形成することにより、変形しにくいこ
とから非晶質硬質炭素膜3の剥離を防止し、軽量とする
ことができる。
ように、2つの摺動部材として軸受部材11と軸部材1
2を有する軸受装置において、軸受部材11をセラミッ
クスで形成して、その摺動面11aに非晶質硬質炭素膜
13を形成し、一方の軸部材12をセラミックスで形成
して、その摺動面12aは、ボイド占有率が6%以下
で、最大ボイド径が10μm以下とボイドの少ない面と
してある。
摺動させることによって、軸部材12の回転方向や直線
方向への移動を軸受部材11で支持することができる。
このとき、非晶質硬質炭素膜13を形成するとともに、
相手側の摺動面12aはボイドの少ない面としてあるこ
とにより、優れた摺動性を示し、摩耗量を少なくして、
長期間良好に使用することができる。また、非晶質硬質
炭素膜13の母材となる軸受部材11をセラミックスで
形成することにより、変形しにくいことから非晶質硬質
炭素膜13の剥離を防止することができる。
士を摺動面で摺動させて作動させるような装置であれば
よく、上記以外にベアリング、ガイドレール、エアスラ
イド、スピンドル等の軸受装置や、シール装置、あるい
はバルブ等の各種摺動装置に使用することができる。
1、軸部材12等の各部材を構成するセラミックスとし
ては、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素、窒
化アルミニウム、炭化チタン等の一種以上を主成分と
し、これらの主成分に対して焼結助剤等の副成分を所定
量含有させた焼結体を用いる。例えば、アルミナに対し
ては、CaO,SiO2 ,MgOのうち少なくとも一種
を、炭化珪素に対しては、C,B,B4 C,Al
2 O3 ,Y2 O3 等を、さらに窒化珪素に対しては周期
律表2a,3a族元素の酸化物や窒化物をそれぞれ焼結
助剤として添加し、ジルコニアに対してはY2 O3 ,C
aO,MgO等の安定化材を添加すればよい。
て、金属の酸化物、炭化物、窒化物の一種以上からなる
硬質相と、Ni,Co等の金属相との複合焼結体を用い
ることもできる。そして、本発明の摺動装置において、
上記非晶質硬質炭素膜3、13の相手側となる摺動面2
a、12aをこのような複合焼結体で構成すれば、特に
摺動性を高めることができる。
iC,TiN等の硬質相と、Co,Ni等の金属相との
複合焼結体であるサーメット、あるいはWCからなる硬
質相とCoからなる金属相との複合焼結体である超硬合
金を用いる。なお、本発明におけるセラミックスとは、
これらのサーメットや超硬合金も含むものとする。
質炭素膜3、13の相手側の摺動部材を形成する場合
は、原料粉末を微粉として、緻密な焼結体が得られるよ
うに焼成するとともに、摺動面2a、12aを研磨する
際の条件を工夫して、そのボイド占有率を6%以下と
し、最大ボイド径を10μm以下とする必要がある。
率、最大ボイド径については、摺動面2a、12aを画
像解析装置で解析することによって測定することができ
る。
に形成する非晶質硬質炭素膜3、13は、別名アモルフ
ァスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、DLC等
とも呼ばれるものであり、イオンプレーティング法、C
VD法、PVD法等によって形成し、膜厚は0.2〜2
μmとすることが好ましい。
質硬質炭素膜3、13と摺動する相手側のセラミックス
の種類が異なると摺動特性が異なることになる。そこ
で、本発明では、ボール・オン・ディスク試験による摩
擦係数によって、摺動特性を評価できることを見出し
た。
図3に示すように、ボール21をディスク22上に点接
触させ一定荷重を加えた状態で、ディスクを回転させる
ようにした試験機である。
ィスク試験による摩擦係数とは、以下のようにして測定
する。
3、13の相手側の摺動部材から削り出すことによっ
て、元の摺動部材と同じ材質、表面状態のボール21を
作製し、一方非晶質硬質炭素膜を形成したディスク22
を用意する。そして、ボール21に1kgの荷重を加
え、ディスク22を周速5m/sで回転させ、両者を摺
動させた時の摩擦係数を測定する。
0以下となるような材質の組合せを用いれば、極めて摺
動特性に優れ、互いの摩耗が少なく、長期間良好に使用
することができるのである。
硬質炭素膜の効果を確認する実験を行った。
のディスク22を表1に示すような、各種セラミックス
単体、及びセラミックスに非晶質硬質炭素膜(DLC)
を2μmの厚みで形成したものを用いて形成した。な
お、非晶質硬質炭素膜の形成方法は、ベンゼン(C6 H
6 )ガスをフィラメントでイオン化した炭素イオンをイ
オン加速器によりディスク22表面に蒸着させるイオン
プレーティング法を採用した。
(SUJ2)で形成して、このボール21を1kgの荷
重でディスク22に押しつけ、ディスク22の周速5m
/s、温度20℃、湿度50〜60%で30分間の試験
を行った。その後、ボール21及びディスク22の摩耗
量、両者の摩擦係数を測定した。
母材に非晶質硬質炭素膜を形成したもの(No.7〜1
3)は、ボール21、ディスク22の摩耗量が共に少な
く、摩擦係数が低いことが判った。
晶質硬質炭素膜を形成したものであるが、試験中に非晶
質硬質炭素膜が剥離した。したがって、非晶質硬質炭素
膜の母材はセラミックスとすることが良い。
硬質炭素膜を形成したものとし、ボール21の材質を種
々に変化させ、上記と同じ実験を行った。
ラミックスで形成したもの(No.15〜20)はボー
ル21、ディスク22の摩耗量が小さく、摩擦係数も
0.30以下と低いことがわかる。
の組合せからなる本発明の摺動装置は、互いの摩耗を少
なくし、かつ摩擦係数を低くできることがわかる。
金属相との複合焼結体であるサーメットまたは超硬合金
を用いたもの(No.19,20)は、特に摩擦係数が
0.10以下と低く、摺動性に優れることがわかる。
ミナとし、焼成条件や研磨条件を変化させて、その表面
のボイド占有率、最大ボイド径の異なるものを用意し、
上記と同じ実験を行った。
すセラミックスの表面を観察したときに確認されるボイ
ドの面積の比率であり、 ボイド占有率(%)=(ボイド全面積/観察面積)×1
00 で定義される。具体的には、画像解析装置(ルーゼック
ス)を用いて、倍率400倍、評価面積2.32×10
-5μm2 、コントラスト25%で、1試料当たり10点
を観測して算出した。
けるボイドの最大径のことであり、同様に画像解析装置
を用いて測定した。
り、ボイド最大径及びボイド占有率が大きいほどボール
21、ディスク22の摩耗量が大きくなることがわか
る。そして、ボイド占有率が6%を超えるか、又はボイ
ド最大径が10μmを超えるもの(No.30〜34)
は、ディスク22の非晶質硬質炭素膜が剥離してしまっ
た。
ボイド最大径が10μm以下である本発明実施例(N
o.24〜29)では、ディスク22の非晶質硬質炭素
膜の剥離はなく、ボール21及びディスク22の摩耗量
が少なく、摩擦係数も低かった。したがって、非晶質硬
質炭素膜と摺動する相手の摺動面において、ボイド占有
率6%以下、かつボイド最大径10μm以下とすれば、
非晶質硬質炭素膜を剥離させることなく、好適に使用で
きることがわかる。
ィスク22との摩擦係数が0.30を超えたものは非晶
質硬質炭素膜が剥離し、摩擦係数が0.30以下のもの
は非晶質硬質炭素膜の剥離を防止できることがわかる。
も、摩耗の大きい比較例は摩擦係数が0.30を超えて
おり、本発明実施例は摩擦係数が0.30以下であるこ
とがわかる。
相関関係があり、上記実験例の条件における摩擦係数が
0.30以下となるようにすれば、非晶質硬質炭素膜の
剥離や摩耗を防止できることがわかる。
動するセラミック製摺動部材のうち、一方の摺動面に非
晶質硬質炭素膜を形成し、他方の摺動面をボイド占有率
6%以下で最大ボイド径10μm以下として摺動装置を
構成したことによって、互いの摩耗量を少なくし、長期
間にわたって良好な摺動特性を維持することができる。
素膜の相手側の摺動部材を、金属の酸化物、炭化物、窒
化物の一種以上からなる硬質相と金属相との複合焼結体
で形成したことによって、特に摩耗量を少なくし、摺動
特性を向上させることができる。
ルブの概略断面図である。
断面図である。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】互いに摺動するセラミック製摺動部材のう
ち、一方の摺動面に非晶質硬質炭素膜を形成し、他方の
摺動面をボイド占有率6%以下で最大ボイド径10μm
以下としたことを特徴とする摺動装置。 - 【請求項2】上記非晶質硬質炭素膜の相手側の摺動部材
を、金属の酸化物、炭化物、窒化物の一種以上からなる
硬質相と金属相との複合焼結体で形成したことを特徴と
する請求項1記載の摺動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13932596A JP3389414B2 (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 摺動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13932596A JP3389414B2 (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 摺動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09328381A JPH09328381A (ja) | 1997-12-22 |
JP3389414B2 true JP3389414B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=15242691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13932596A Expired - Lifetime JP3389414B2 (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 摺動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3389414B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010080462A (ko) | 1999-09-17 | 2001-08-22 | 오카야마 노리오 | 기동 특성을 개선한 동압 베어링 |
JP2003183078A (ja) * | 2001-12-17 | 2003-07-03 | Ngk Spark Plug Co Ltd | ガイドレール |
JP4597206B2 (ja) * | 2008-03-25 | 2010-12-15 | 株式会社オーエム製作所 | 工作機械の直線案内装置 |
-
1996
- 1996-05-31 JP JP13932596A patent/JP3389414B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09328381A (ja) | 1997-12-22 |
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