JPH08128448A - 摺動部材及びこれを用いた摺動装置 - Google Patents

摺動部材及びこれを用いた摺動装置

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JPH08128448A
JPH08128448A JP6267820A JP26782094A JPH08128448A JP H08128448 A JPH08128448 A JP H08128448A JP 6267820 A JP6267820 A JP 6267820A JP 26782094 A JP26782094 A JP 26782094A JP H08128448 A JPH08128448 A JP H08128448A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】緻密質セラミックス体10の摺動面11の一部
に、ディンプル12からなる潤滑材保持機構を備え、こ
の中に潤滑材13を保持する。 【効果】流体圧力により潤滑剤13が短期間のうちに流
出することがなく、長期間良好な摺動特性を維持できる
とともに、潤滑材保持機構以外の摺動面11は平坦性の
高い緻密質セラミックスからなるため高いシール性を維
持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバルブ、メカニカルシー
ル、スライダーなどの摺動部材に関し、特に流体の通路
の連通または遮断を行うバルブ用弁体に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術の課題】バルブ本体内に収納した固定弁体に
対し、可動弁体を操作レバーの操作によって摺接した状
態で相対移動させることにより、流体の通路の開閉、切
り替え、調節、混合等の制御を行わしめるようにしたバ
ルブは、既に数多くのものが提案されている。
【0003】湯水混合栓に用いられるフォーセットバル
ブについても、2枚のディスク状弁体を互いに摺接した
状態で相対移動させることによって、各弁体に形成した
流体通路の開閉を行うようになっている。
【0004】例えば、図7(A)に示されるように、固
定弁体30と可動弁体20を互いの摺接面21、31で
接した状態としておいて、図7(B)に示すようにレバ
ー40の操作で可動弁体20を動かすことによって、互
いの弁体に形成した流体通路22、32の開閉を行い、
供給流体の開閉、調整などの制御をするようになってい
る。
【0005】上記可動弁体20、固定弁体30として用
いられる摺動部材は、摺動性やシール性を保つために高
い寸法精度が要求されるうえ、互いに絶えず擦り合わさ
れるため摩耗が激しく、常に流体にさらされるため腐食
も激しかった。そこで近年、高精度に加工することが可
能であり、耐摩耗性や耐食性にも優れたセラミックスが
摺動部材として使われるようになってきた。
【0006】また、このフォーセットバルブ以外にも、
各種シール部品や軸受部品など、シール性の必要な摺動
部材にセラミックスが使われるようになっている。
【0007】ところで、フォーセットバルブに対して
は、「固定弁体と可動弁体が凝着することなく、常に操
作レバーによる操作が軽くスムースに行え、操作時に不
快な異音を発することがないこと」といった操作上の要
求の他に、当然のことながら供給流体のシールが必要で
あり、「水漏れ(リーク)のないこと」といった機能上
の要求がある。
【0008】しかし、摺動性とシール性は相反するもの
であり、シール性を高めようとすると摺動性が悪くなる
ことが知られている。この典型的な例がリンキング(凝
着)と呼ばれるもので、これは極めて平滑な面を持った
1対の部材同士を摺り合わせたときに発生する引っかか
りや張り付いて動かなくなる現象のことを指している。
【0009】しかも、一般にセラミックスは高精度加工
と高剛性によって優れたシール性が得られる反面、自己
潤滑性には劣る場合が多い。
【0010】そこで、潤滑性の改善を図り、前述のよう
な軽快な操作力を得るために、摺動面にシリコーングリ
スを塗布した状態で使う方法が一般に採られている。と
ころが、緻密なセラミックスの摺接面間にグリスを塗布
しただけでは数千回程の使用でグリスの流出がみられ、
これにともない操作力が上昇し、しまいには弁体どうし
が凝着してしまうなど、耐久性に乏しいものであった。
【0011】このような問題を改善する手段として、特
公昭58−161982号公報に「含フッ素重合体をセ
ラミックスに結合させたセラミックス複合体」に係わる
発明が、特開平2−239171号公報に「凹穴に潤滑
剤を保持させるセラミック」に係わる発明が、特公平2
−51864号公報に「β型SiC質の摺動部材」に係
わる発明が、特公平2−28548号公報に「3次元網
目構造SiC質の摺動部材」に係わる発明が、特公平3
−1274号公報に「網目構造SiCにスピンドル油を
含浸した摺動部材」に係わる発明が、特公平3−451
1号公報に「実質的に収縮しないSiCに合成樹脂を含
浸した摺動部材」に係わる発明が、特公平4−6911
8号公報に「3次元網目構造のセラミック多孔体にフッ
素系オイルを含浸した摺動部材」に係わる発明が、特公
平5−18790号公報に「3次元網目構造の多孔質酸
化物セラミックに合成樹脂を充填した摺動部材」に係わ
る発明が、特公平4−56908号公報に「3次元網目
構造のセラミック多孔体にフッ素系・シリコーン系樹脂
を含浸した摺動部材」に係わる発明がそれぞれ開示さ
れ、多孔質セラミック体の気孔中に樹脂等の潤滑剤を含
浸させた摺動部材が提案されている。
【0012】また、特開平2−239171号公報に
は、緻密質セラミックス体の摺動面に凹穴または溝部を
備え、この中に潤滑剤を保持させるようにした摺動部材
が提案されている。
【0013】さらに、以上のような液体潤滑剤を使った
もの以外にも、固体潤滑剤を使ったものとして、特開平
1−261570号公報に「摺動面にダイヤモンド状カ
ーボン薄膜を形成したメカニカルシール」に係わる発明
が、特公平3−223190号公報に「アモルファスダ
イヤモンド薄膜を形成したセラミック製摺動部構造」に
係わる発明が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで最近、おいし
い水への要求が非常に高まり、湯水混合栓などの吐水口
先端部に水のミネラル分だけを残し塩素分や不純物を取
り除くことのできるような浄水器を取り付けるケースが
増えてきている。そして、これに伴いバルブ内部の水
圧、特に吐水側の圧力が上昇するようになってきた。
【0015】このため、3次元網目構造などを持つ多孔
質セラミック体に潤滑剤を含浸したものでは、水圧によ
って含浸した潤滑剤が押し出され、しまいには弁体外部
に通じる微小な流路が無数に発生し、弁体から水がリー
クしてしまうといった致命的な欠陥が発生することがあ
った。
【0016】また、特開平2−239171号公報に示
すようにセラミックスの摺動面に単なる凹部や溝部を形
成し、この中に潤滑剤を保持したものでは、バルブ内の
高い水圧によって短期間のうちに潤滑剤が洗い出され、
耐久性のないものであった。
【0017】一方、緻密質セラミックスの表面にダイヤ
モンド状カーボン薄膜や非晶質硬質炭素膜など、いわゆ
る合成疑似ダイヤモンド(DLC)をコーティングした
ものは、自己潤滑性に乏しいセラミックを改質でき、リ
ークの恐れもなく、摺動性の著しい改善が図られるが、
摺動時に不快な異音を発することがあり、いまだ完全な
摺動部材とはなっていなかった。
【0018】
【課題を解決するための手段】以上のような問題に鑑み
て、本発明は緻密質セラミックス体の摺動面の一部に、
潤滑剤保持機構を備えたものである。
【0019】この潤滑剤保持機構とは、細長部及び/又
は鋭角部を有するディンプルを緻密質セラミックス体の
摺動面に複数備えたものである。ここでディンプルと
は、摺動面に備えた独立の凹部のことであり、その平面
形状が細長部及び/又は鋭角部を有するものである。ま
た、上記細長部とは、短径に対する長径の比が3以上で
あるような部分のことであり、鋭角部とは二つの直線ま
たは曲線が鋭角で交わるような部分のことを言う。これ
らの細長部や鋭角部では潤滑剤が保持されやすく、ディ
ンプルから潤滑剤が流出することを防止できるのであ
る。
【0020】また、上記潤滑剤保持機構とは、緻密質セ
ラミックス体の摺動面の一部に備えた多孔質体から成る
ものでも良い。例えば、摺動面に形成した凹部中に多孔
質体を配置したり、緻密質セラミックスと一体的に連続
した多孔質セラミックスであっても良い。これらの多孔
質体に潤滑剤を保持させれば、流出を防止することがで
きる。
【0021】また、本発明は、上記の潤滑剤保持機構を
有する摺動部材と、摺動面に合成疑似ダイヤモンド薄膜
をコーティングした摺動部材とを組み合わせて摺動装置
を構成することにより、その摺動特性を最大に引き出
し、滑らかな操作力と異音の発生のない快適な操作環境
を提供するものである。
【0022】
【作用】本発明によれば、摺動面の一部に潤滑剤保持機
構を有するため優れた摺動性を長期間維持し、かつ潤滑
剤保持機構以外の部分は平坦な緻密質セラミックスから
なるためシール性を高くすることができる。
【0023】
【実施例】以下本発明をディスクバルブに応用した実施
例を図によって説明する。
【0024】図1に示すように、ディスク状の緻密質セ
ラミックス体10の摺動面11の一部に、多数のディン
プル12を備え、このディンプル12内に潤滑剤13を
保持してある。そして、この摺動部材10の摺動面11
同士を摺接させればディスクバルブとして用いることが
できる。
【0025】このディンプル12は、摺動面11に形成
した凹部であり、その平面形状が、細長部及び/又は鋭
角部を有するものである。例えば図1(a)に示すディ
ンプル12は星型であり鋭角部12bを有し、図1
(b)に示すディンプル12は長方形で細長部12aを
有し、図1(c)に示すディンプル12は円形連鎖形で
あり鋭角部12bを有する。ここで、細長部12aと
は、短径に対する長径の比が3以上であるような細長い
部分のことであり、鋭角部12bとは二つの直線または
曲線が鋭角で交わるような部分のことを言う。例えばボ
イド等のように複雑な凹凸状の平面形状をした凹部は多
数の細長部及び/又は鋭角部を有することになる。
【0026】本発明のディンプル12は、少なくとも一
部にこれらの細長部12a及び/又は鋭角部12bを保
持しているため、潤滑剤13が保持されやすく、ディン
プル12から潤滑剤13が流出することを防止でき、潤
滑剤保持機構を成すのである。
【0027】なお、各ディンプル12は、シール性を保
つために摺動面11以外の面とは連通しない閉塞したも
のとしてある。また、ディンプル12が大きいと潤滑剤
13を保持する作用が乏しくなるため、ディンプル12
の長径の長さは1mm以下、好ましくは10〜300μ
mの範囲内とする。さらに、ディンプル12の深さは、
深いほど多くの潤滑剤13を保持できるため、長径の長
さと同じかそれ以上とすることが好ましい。また、ディ
ンプル12の合計面積は、摺動面11全体の3〜50%
を占めていることが好ましい。これは、3%未満である
と潤滑作用が乏しく、50%を越えると摺動面11の耐
摩耗性が低くなるためである。
【0028】さらに、ディンプル12を除く摺動面11
は平坦度3μm以下、好ましくは1μm以下の極めて平
坦な面となっている。これは、摺動面11におけるシー
ル性を高くするためである。
【0029】前記緻密質セラミックス体10としては、
耐摩耗性および耐チッピング性すなわち硬度および靱性
の高い材料を使用しなければならないが、これにはアル
ミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニ
ウムなどを主成分とするセラミックスが最適である。そ
して、これらの原料に対しアルミナであればSiO2
MgO等、窒化珪素に対しては周期律表2a、3a族元
素の酸化物・窒化物、ジルコニアに対してはY2 3
CaO、MgO、CeO2 等、炭化珪素に対してはC、
B、Al2 3 等の助剤を添加して焼成すれば、実質的
に3%以上の収縮を伴うことによって強固で堅牢かつ靱
性および耐摩耗性に優れたセラミック体を得ることがで
きる。
【0030】このとき、これらのセラミック原料に樹
脂、発泡剤、ウイスカー等を添加混合して、所定形状に
成形した後に焼成すれば、添加した樹脂や発泡剤が焼成
中に焼失して、閉塞したディンプル12を有する緻密質
セラミックス体10を容易に得ることができる。この
時、これらの樹脂や発泡剤の添加量、粒子径などを変化
させることで、粒子の凝集などにより、円形連鎖形など
変化に富んだ形状のディンプル12を得ることができ
る。
【0031】また、必ずしも樹脂や発泡剤を混入させる
必要はなく、通常のセラミック原料を用いて、成形時
に、加圧面にディンプル12に対応する凸形状を備えた
金型を用いてプレス加工したり、あるいは切削加工を施
すことによって、さまざまな形状のディンプル12を形
成することもできる。
【0032】最後に、得られた焼結体の摺動面11を研
磨して、平坦度3μm以下、好ましくは1μm以下とし
たのち、ディンプル12に潤滑剤13を充填すればよ
い。充填させる方法としては、ディスペンサー等で加圧
注入する方法や、加熱により低粘度化した潤滑剤中に浸
漬したのち、真空または加圧下で注入するなどの充填方
法を用いればよい。
【0033】また、潤滑剤13としては植物油、鉱物
油、合成潤滑油系の潤滑剤を用いる。植物油系として
は、例えば天然の植物油に含まれる食物ステリンまたは
食物油を精製して得られる脂肪酸グリセライトを基油に
した油を用い、鉱物油系としては、パラフィン、ナフテ
ン、芳香族から選択される液状飽和炭化水素を主体とす
る鉱物油を用い、合成潤滑油系としては、エーテル系、
エステル系、フッ素系、シリコーン系等を用いる。ま
た、これらの潤滑剤13は、液状、グリース状、ワック
ス状などいずれの状態であっても使用可能である。
【0034】次に本発明の他の実施例を説明する。
【0035】図2に斜視図を、図3(a)に断面図を示
すように、この摺動部材は、緻密質セラミックス体10
の摺動面11の一部に凹部10aを形成し、該凹部10
a中に金属、合成樹脂、セラミックス等からなる多孔質
体14を埋め込み、この多孔質体14に潤滑剤13を含
浸させたものである。そして、この緻密室セラミックス
体10の摺動面11同士を摺接させればディスクバルブ
として用いることができる。
【0036】この時、多孔質体14が潤滑剤保持機構と
なるため、潤滑剤13の流出を防止し、長期間良好な摺
動性を保つことができる。
【0037】また、上記凹部10aは摺動面11以外の
面には連通しない閉塞孔としてある。また、摺動面11
の面積に対する凹部10a(多孔質体14)の面積の合
計の割合は3〜50%とすることが好ましい。これは、
3%未満であると潤滑作用が乏しく、50%を越えると
摺動面11の耐摩耗性が低くなるためである。
【0038】また、摺動面11の多孔質体14を除く面
は平坦度3μm以下、好ましくは1μm以下の極めて平
坦な面とすることにより、シール性を高くしてある。
【0039】なお、母体となる緻密質セラミックス体1
0としては、前記実施例と同様に耐摩耗性および耐チッ
ピング性に優れたアルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭
化珪素、窒化アルミニウムなどを主成分とするセラミッ
クスが最適である。
【0040】そして、これらのセラミックス原料を成形
する時に金型や切削加工によって、あるいは焼成後の研
削加工によって凹部10aを設け、しかるのち該凹部1
0aに金属、合成樹脂、セラミックス等からなる多孔質
体14を埋め込むことによって本発明の摺動部材を得る
ことができる。
【0041】この場合、嵌め合いによる挿入でも、挿入
したあと機械的あるいは化学的に接合させたものでも、
焼き嵌めやその他による圧入であっても良いが、緻密質
セラミックス体10の摺動面11から、多孔質体14が
突出しないようにする必要がある。これは、多孔質体1
4が摺動面11から突出すると、もう一方の摺動部材と
組み合わせた時に、水圧によってリークしてしまうため
である。
【0042】そして、多孔質体14を除く摺動面11を
平坦度を3μm以下、好ましくは1μm以下に研摩した
のち、多孔質体14に潤滑剤13を含浸すればよい。含
浸させる方法としては、前記実施例と同様に、加熱によ
り低粘度化した潤滑剤中に多孔質体14を浸漬したの
ち、真空または加圧下で含浸するなどの含浸方法を用い
ればよい。あるいは、あらかじめ含油した多孔質体14
を用いることもできる。
【0043】また、他の実施例を図3(b)に示すよう
に、多孔質体14は凹部10aの全てを満たす必要はな
く、表面部のみに多孔質体14を備え、凹部10aの内
部に潤滑剤13を溜める構造としても良い。さらには、
図3(c)に示すように凹部10aの下部に押圧板15
とバネ16を備えて、潤滑剤13を表面に強制的に押し
出すような構造としたものであっても良い。
【0044】さらに本発明の他の実施例を図4、5に示
すように、緻密質セラミックス体10の摺動面11の一
部に、セラミックスの多孔質体14を一体的に形成した
傾斜性セラミックス材を用い、この多孔質体14に潤滑
剤13を含浸させたものであっても良い。
【0045】この多孔質体14は摺動面11以外の面に
は連通しない閉塞されたものであり、全体にわたって3
次元的な網目構造を持つものであってはならない。そし
て、多孔質体14となった部分は摺動面11全体の面積
に対し3〜50%を占め、また、多孔質体14を除く摺
動面11は平坦度3μm以下、好ましくは1μm以下の
極めて平坦な面となっている。
【0046】このような傾斜性セラミックス材の製造方
法は、セラミックス原料を成形する時に、摺動面11と
なる部分に凹部を設け、凹部中に母材よりも焼結温度の
高いセラミック原料を充填し、母材の焼結温度で焼成す
ることによって、凹部に充填したセラミック部分は焼結
不良となり、細目構造を持つ多孔質体14が形成された
傾斜型セラミックス材が得られる。また、成形圧力を母
材より低く設定することでも、多孔質体14は形成可能
である。
【0047】しかる後、多孔質体14を除く摺動面11
を研摩して、平坦度を3μm以下、好ましくは1μm以
下とし、多孔質体14に潤滑剤13を含浸すればよい。
含浸させる方法としては、前述のような方法を用いれば
よい。
【0048】また、以上の図2〜5に示す多孔質体14
を備えた実施例において、多孔質体14の気孔について
は、平均気孔径が200μm未満、好ましくは100μ
m以下の細かい穴を持った構造であることが望ましい。
このような細目構造であれば、潤滑剤13の流出がほど
よく調和され、いつまでも潤滑に適した量がにじみ出て
くるからである。
【0049】以上の本発明実施例に係る摺動部材をフォ
ーセットバルブとして用いる場合は、図6に示すよう
に、緻密質セラミックス体10に流体通路17を形成し
て弁体とし、二つの緻密質セラミックス体10同士を互
いの摺動面11を摺接させて摺動させれば良い。この
時、摺動面11には、ディンプル12や多孔質体14に
よる潤滑剤保持機構から常に潤滑剤13が導き出される
ことにより、摺動性の向上を図ることができる。
【0050】また、潤滑剤13が含まれる部分はディン
プル12あるいは多孔質体14による潤滑剤保持機構を
有しているため、高い水圧に対しても容易に潤滑剤13
が流れ出すことなく、潤滑に最適な量だけが、いつまで
も摺動面11に保たれることになる。
【0051】しかも、潤滑剤13が含まれる潤滑剤保持
機構は、摺動面11以外の面と連通していない閉塞され
た構造であるため、流体が外部に漏れ出すことはない。
【0052】なお、以上のような本発明の摺動部材にお
いては、母体となる緻密質セラミックス体10の吸水率
を1%未満として、流体が外部に漏れ出る恐れを皆無と
しなければならない。
【0053】また、母体となる緻密質セラミックス体1
0の摺動面11に対し、潤滑剤保持機構から成る含油部
分の面積比率は、3〜50%であることが望ましい。こ
の理由は、含油部分の面積率が3%より小さいと摺動時
に導き出される潤滑剤13の実質的な量が少なくなって
操作力を低減する効果が乏しいためであり、50%以上
では摺動面11の耐摩耗性が低くなってしまうからであ
る。
【0054】あるいは、前記緻密質セラミックス体10
の体積に対して、潤滑剤13の体積が3%以上含浸され
たものであることが好ましい。その理由は、潤滑剤13
の含浸量が3%より少ないと摺動特性を向上させること
が困難であるからである。
【0055】ところで、図6には、本発明の摺動部材同
士を摺動させる例を示したが、一方のみを本発明の摺動
部材とし、他方は潤滑剤保持機構を有しない緻密質セラ
ミック体としたものでも良い。例えば、可動弁体と固定
弁体からなるフォーセットバルブを構成する場合、2つ
の弁体の少なくとも一方を本発明のセラミック摺動部材
で構成すればよい。
【0056】さらに好ましくは、一方の弁体を本発明に
係る摺動部材とし、他方の弁体を緻密質セラミックスで
形成し、該緻密質セラミックスの摺動面上に、PVDや
CVDなどの蒸着手段によって得られる合成疑似ダイヤ
モンド薄膜(非晶質硬質炭素膜・ダイヤモンドライクカ
ーボン・DLC・I−カーボン)をコーティングしたも
のにすれば良い。この組合せによれば、さらに摺動性に
優れ、合成疑似ダイヤモンドだけでは解決が困難であっ
た異音の発生をも解消することができる。
【0057】これは、合成疑似ダイヤモンドの特性上、
潤滑油との親和性が極めて良いためであり、合成疑似ダ
イヤモンドからなる固体潤滑剤と液体潤滑剤の相乗効果
により、著しい摺動性の改善が図れるという理由によ
る。
【0058】さらに、以上の実施例では平面同士を摺動
させる例を示したが、この他に摺動面が円筒状や球面状
等となったものでも本発明のセラミック摺動部材を適用
することもできる。
【0059】したがって、本発明の摺動部材は、フォー
セットバルブに限らず、ボールバルブやスライダー、あ
るいは各種軸受など様々な用途に用いることができる。
【0060】実験例1 ここで、図1に示すディンプル12を有する本発明の摺
動部材において、ディンプル12の最適な形状などを求
める実験を行った。
【0061】摺動部材を成す緻密質セラミックス体10
をアルミナセラミックスにより形成し、図1に示すよう
な外径30mm、厚さ10mm、直径5mmのディスク
状体として流体通路を設けてフォーセットバルブを設計
した。この時、表1に示すように緻密質セラミックス体
10の吸水率、摺動面11に対するディンプル12の面
積の比率、および金型プレスによりディンプル12の形
状を様々に変化させたものを試作し、ディンプル12中
には潤滑剤13としてシリコーングリスを充填した。
【0062】なお、吸水率はアルキメデス法により測定
し、またディンプル12の形状は顕微鏡による拡大写真
をもとにして判定した。
【0063】
【表1】
【0064】まず、図6に示すように1対の緻密質セラ
ミックス体10を30kgの荷重で上下から押さえつけ
ながら、図7に示すような浄水器を取り付けた給水栓に
セットした。この時、吸水率が2%以上の緻密質セラミ
ックス体10を用いたものは、水圧により水漏れが発生
した。ゆえに、緻密質セラミックス体10は吸水率が2
%未満、望ましくは1%以下でなければならないことが
わかった。
【0065】さらに、一方の緻密質セラミックス体10
(可動弁体)のみを回転させ、まずディンプル12の形
状が星形のものについて、初期操作力とディンプル12
の面積比率との関係を調べたところ、図8に示す通りの
結果となった。
【0066】この結果より明らかに、摺動面11の面積
に対するディンプル12の面積の比率が3%未満では、
摺動性に劣り初期操作力が大きいことがわかった。これ
は、ディンプル12の面積比率が3%未満では、摺動面
11を覆うほどの潤滑剤13が表面に導き出されず、か
つ充填された潤滑剤13そのものの量が不十分であるた
めである。しかし、ディンプル12の面積比率が50%
を超えると摺動面11の摩耗が確認され、耐久性に難が
生じてきたことから、ディンプル12の面積比率は3〜
50%の範囲にすることが好ましい。
【0067】次に、ディンプル12の面積比率を3%と
し、その形状を種々変更して摺動試験を行った。その結
果を表2に示すように、ディンプル12の形状が真円形
状のものでは、軽快な操作力の数値基準である0.8k
g以下の操作力を、保証摺動回数である10万回まで維
持できないことがわかった。これに対し、本発明実施例
である長方形、星形、円形連鎖形のディンプル12を有
するものでは、0.8kg以下の操作力を10万回以上
維持することができた。
【0068】これは、ディンプル12の形状が真円の場
合、水圧によって潤滑剤13が洗い出されやすいのに対
し、本発明実施例である長方形、星形、円形連鎖形等の
細長部及び/又は鋭角部を有する形状のディンプル12
は潤滑剤13の保持力が強く、10万回以上の長期にわ
たって良好な摺動性を維持できるためである。
【0069】なお、表2はディンプル12の面積比率が
3%のときの結果であるが、面積比率を変化させても同
様の結果であった。
【0070】また、弁体として全体に貫通した気孔を持
つ多孔質体に潤滑剤13を含浸したものを用い、上記と
同様の方法で摺動試験したところ、8万回程度の操作回
数で弁体側面から水漏れが発生し、実用に供しないこと
を確認した。
【0071】
【表2】
【0072】なお、この実験例では緻密質セラミックス
体10としてアルミナを用いたが、窒化珪素、ジルコニ
ア、炭化珪素、窒化アルミニウム等の各セラミックスを
用いても、ほぼ同様の結果であった。
【0073】また、この実験例では潤滑剤13としてシ
リコーングリスを用いたが、植物油、鉱物油、その他の
合成潤滑油を用いても、ほぼ同様に異音の発生を伴うこ
となく良好な摺動特性が得られた。
【0074】このように、本発明のディンプル12を有
する摺動部材において、吸水率1%以下の緻密質セラミ
ックス体10を母体とし、摺動面11に対して3〜50
%の面積比率で、細長部及び/又は鋭角部を有するディ
ンプル12を設け、このディンプル12に潤滑剤13を
保持すれば、リークがなく、摺動特性に優れ、かつ摩耗
も少ないことから、長期間好適に使用できることがわか
る。
【0075】実験例2 次に、図2に示す多孔質体14を備えた本発明の摺動部
材について、多孔質体14の気孔径などの最適範囲を求
める実験を行った。
【0076】摺動部材を成す緻密質セラミックス体10
をアルミナセラミックスで形成し、図2に示すような外
径30mm、厚さ10mm、直径5mmのディスク状体
で流体通路を設けてフォーセットバルブを設計し、この
摺動面11に表3に示すような種々の面積比率で凹部1
0aを設け、該凹部10aに平均気孔径を様々に変化さ
せた窒化珪素からなる多孔質体14を装填し、これに潤
滑剤13として植物油を含油したものを試作した。
【0077】なお、平均気孔径は走査型電子顕微鏡(S
EM)による拡大写真をもとにして測定したものであ
る。
【0078】
【表3】
【0079】実験例1と同様に、1対の緻密質セラミッ
クス体10を30kgの荷重で上下から押さえつけなが
ら、図7のように給水栓にセットし、一方の緻密質セラ
ミッス体10(可動弁体)のみを回転させて操作力を調
べた。まず多孔質体14の平均気孔径が10μmのもの
について、初期操作力と凹部10aの面積比率との関係
を調べたところ、図9に示すとおりであった。
【0080】この結果より明らかに、凹部10aの面積
比率が摺動面11に対して3%未満では、摺動性に劣る
ことがわかった。これは、凹部10aには潤滑剤13が
充填された多孔質体14が装填されていることから、凹
部10aの面積比率が3%未満では、必要とする潤滑量
を満たし得ないためである。しかし、凹部10aの面積
比率が50%を超えると摺動面11に摩耗が確認され、
耐久性に難があることから、凹部10aの面積比率は3
〜50%の範囲が好ましい。
【0081】さらに、凹部10aの面積比率を3%と
し、多孔質体14の平均気孔径を種々変更して同様の摺
動試験を行った。その結果を表4に示すように、多孔質
体14の平均気孔径が200μm以上のものは、軽快な
操作力の基準である0.8kg以下を10万回以上維持
できないことがわかった。
【0082】これは、多孔質体14の気孔径が200μ
m以上のものでは、水圧によって潤滑剤13が洗い出さ
れやすいためである。これに対し、気孔径が200μm
未満、好適には100μm以下のものでは潤滑剤13の
保持力が強く、操作回数10万回以上の長期にわたって
軽快な摺動性を維持できた。
【0083】なお、凹部10aの面積比率を種々に変化
させても同様の結果であった。
【0084】
【表4】
【0085】ゆえに、装填する多孔質体14は平均気孔
径が200μm未満、望ましくは100μm以下、さら
に好ましくは10μm以下の細目構造を持つものが良い
といえる。
【0086】なお、多孔質体14の材質について、ここ
では多孔質の窒化珪素セラミックスを用いたが、他のセ
ラミックスや金属や合成樹脂を用いてもほぼ同様の結果
であった。
【0087】また、この実験例では潤滑剤13として植
物油を用いたが、鉱物油および合成潤滑油を用いても、
ほぼ同様に異音の発生を伴うことなく良好な摺動特性が
得られた。
【0088】このように、多孔質体14を備えた本発明
の摺動部材において、吸水率1%以下の緻密質セラミッ
クス体10を母体とし、摺動面11に対して3〜50%
の面積比率で凹部10aを設け、該凹部10aに200
μm未満の平均気孔径を持つ多孔質体14を装填し、こ
れに潤滑剤13を含浸させたものは、リークがなく、摺
動特性に優れ、かつ摩耗も少ないことから、長期間好適
に使用できることがわかる。
【0089】実験例3 次に、図4、5に示す傾斜性セラミックス材を用いた本
発明の摺動部材について、多孔質体14部分の気孔径な
どの最適範囲を求める実験を行った。
【0090】摺動部材を成す緻密質アルミナセラミック
ス体10をアルミナセラミックスで形成し、図4に示す
ような外径30mm、厚さ10mm、直径5mmのディ
スク状体で流体通路を設けてフォーセットバルブを設計
した。このアルミナ原料の成形時に、摺動面11となる
部分に凹部を設け、ここに母材である96%アルミナ成
形体より焼結温度の高い99%アルミナ粉末を充填した
のち、再プレスを行い、これを96%アルミナの焼成温
度である1610℃で焼成することによって、表5に示
すような種々の平均気孔径、及び面積比率を持つ多孔質
体14を一体的に形成し、これに潤滑材13として鉱物
油の1種である流動パラフィンを含浸したものを試作し
た。
【0091】なお、気孔径は走査型電子顕微鏡(SE
M)による拡大写真をもとにして測定したものである。
【0092】
【表5】
【0093】実験例1と同様に、1対の摺動部材を30
kgの荷重で上下から押さえつけながら、図7のように
給水栓にセットし、一方の摺動部材(可動弁体)のみを
回転させ、まず多孔質体14の気孔径が10μmのもの
について、初期操作力と多孔質体14の面積比率との関
係を調べたところ、図10に示す通りであった。
【0094】この結果より明らかに、摺動面11に対す
る多孔質体14の面積比率が3%未満では、摺動性に劣
ることがわかった。これは、多孔質体14には潤滑剤1
3が充填されていることから、多孔質体14の面積比率
が3%未満では、必要とする潤滑量を満たし得ないため
である。しかし、多孔質体14の面積比率が50%を超
えると摺動面11に摩耗が確認され、耐久性に難がある
ことから、多孔質体14の面積比率は3〜50%の範囲
が好ましい。
【0095】さらに、多孔質体14の面積比率を3%と
し、多孔質体14の平均気孔径を種々変更して摺動試験
を進めたところ、多孔質体14の平均気孔径が200μ
m以上のものは、軽快な操作力の基準である0.8kg
以下を10万回維持できないことがわかった。
【0096】ゆえに、多孔質体14の平均気孔径は20
0μm未満、望ましくは100μm以下、さらに好まし
くは10μm以下の細目構造を持つものが良いといえ
る。この結果は、多孔質体14の面積比率を種々に変化
させても同様であった。
【0097】また、この実験例ではアルミナセラミック
スを用いたが、窒化珪素、ジルコニア、炭化珪素、窒化
アルミニウム等の各セラミックスを用いても、ほぼ同様
の結果であった。また、この実験例では鉱物油系の潤滑
剤を用いたが、植物油および合成潤滑油を用いても、ほ
ぼ同様に異音の発生を伴うことなく良好な摺動特性が得
られた。
【0098】このように、本発明の傾斜性セラミックス
材を用いた摺動部材において、吸水率1%以下の緻密質
セラミックス体10を母体とし、摺動面11に対して3
〜50%の面積比率で200μm未満の平均気孔径を持
つ多孔質体14を一体的に形成し、該多孔質体14に潤
滑剤13を含浸したものは、リークがなく、摺動特性に
優れ、かつ摩耗も少ないことから、長期間好適に使用で
きることがわかる。
【0099】さらに、本発明に係る摺動部材と、緻密質
セラミックスの摺動面に合成疑似ダイヤモンド薄膜をコ
ーティングした摺動部材とを組み合わせたものは、操作
回数50万回を超えても軽快な操作力を維持するなど極
めて良好な摺動性が得られ、しかも異音の発生もないこ
とがわかった。
【0100】また、合成疑似ダイヤモンド薄膜をコーテ
ィングした摺動部材だけでは、摺動時にキーキーという
ような不快な異音の発生を伴うことがあったが、本発明
の潤滑材保持機構を有する摺動部材と組み合わせること
によって異音の発生が解消されることも確認した。
【0101】
【発明の効果】叙上のように本発明によれば、緻密質セ
ラミックス体の摺動面の一部に、ディンプルまたは多孔
質体からなる潤滑材保持機構を備え、この中に潤滑材を
保持したことによって、流体圧力により潤滑剤が短期間
のうちに流出することがなく、長期間良好な摺動特性を
維持できるとともに、潤滑材保持機構以外の摺動面は平
坦性の高い緻密質セラミックスからなるため高いシール
を維持することができる。
【0102】そして、本発明の摺動部材と、摺動面に合
成疑似ダイヤモンド薄膜を備えた摺動部材とを組み合わ
せれば、その摺動特性を最大に引き出し、滑らかな操作
力と異音の発生のない快適な操作環境を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明実施例による摺動部
材の斜視図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図3】(a)は図2中のX−X線拡大断面図、(b)
(c)はそれぞれ他の実施例を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図5】図5中のY−Y線拡大断面図である。
【図6】本発明の摺動部材を利用したディスクバルブを
示す斜視図である。
【図7】(A)(B)は給水栓に組み込まれた一般的な
フォーセットバルブの模式図である。
【図8】本発明の摺動部材における初期操作力とディン
プルの面積比率との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の摺動部材における初期操作力と凹部の
面積比率との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の摺動部材における初期操作力と多孔
質体の面積比率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 :緻密質セラミックス体 10a:凹部 11 :摺動面 12 :ディンプル 12a:細長部 12b:鋭角部 13 :潤滑剤 14 :多孔質体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緻密質セラミックス体の摺動面に、細長部
    及び/又はまたは鋭角部を有する複数のディンプルから
    成る潤滑剤保持機構を備え、この中に潤滑剤を保持した
    ことを特徴とする摺動部材。
  2. 【請求項2】緻密質セラミックス体の摺動面に、多孔質
    体から成る潤滑剤保持機構を備え、この中に潤滑剤を保
    持したことを特徴とする摺動部材。
  3. 【請求項3】前記、摺動面における潤滑剤保持機構の面
    積比率は3〜50%であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の摺動部材
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の摺動部材と、摺動
    面に合成疑似ダイヤモンド薄膜をコーティングした摺動
    部材とを組み合わせてなる摺動装置。
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