JPH0668332B2 - 多孔質複合体からなる弁体を備えたバルブ - Google Patents

多孔質複合体からなる弁体を備えたバルブ

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JPH0668332B2
JPH0668332B2 JP61181026A JP18102686A JPH0668332B2 JP H0668332 B2 JPH0668332 B2 JP H0668332B2 JP 61181026 A JP61181026 A JP 61181026A JP 18102686 A JP18102686 A JP 18102686A JP H0668332 B2 JPH0668332 B2 JP H0668332B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、流体の通路の連通又は遮断を行なうバルブに
関し、特に本発明は多孔質複合体からなる弁体を備えた
バルブに関するものである。
(従来の技術) バルブ本体内に収納した固定弁体に対し、移動弁体を操
作レバーの操作によって摺接した状態で相対移動させる
ことにより、流体の通路の連通又は遮断、換言すれば開
閉、切換、調節、混合等の制御を行なうようにしたバル
ブは、既に数多くのものが提案されてきている。
ところで、この種のバルブに対しては、次のような種々
な要望がある。
固定弁体と移動弁体とが常に摺接した状態であって
も、操作レバーにより操作は軽く行なえること。
操作レバーによる操作が軽いことを長期間維持できる
こと。
バルブのメンンテナンスが簡単で、出来れば全く不要
であること。
当然のことながら、各弁体間の密着性が変化せず、長
期の使用によっても流体の漏れがないこと。
各弁体の製造が簡単であること。
従来既に提案されてきている流体用に各種のバルブ、例
えば湯水混合栓用のバルブにあっては、各弁体間の耐摩
耗性を考慮して、各弁体を金属あるいは酸化アルミニウ
ム焼結体等の比較的硬質材料によって形成したものが多
かった。このようにすると、各弁体の耐摩耗性は向上す
るが各弁体間の摺動は円滑にはならず、例えば酸化アル
ミニウム焼結体を弁体として使用し、潤滑剤を全く使用
しない場合には、第4図(イ)に示すように、湯水混合
栓の操作レバーに掛る摺動トルクは初期において相当大
きくなる。これは、摺動により摩耗して、アルミナの固
定側とアルミナ可動側との接触面積が増大するためと考
えられている。従って、この摺動を円滑に行なうため、
各弁体の表面に潤滑剤を塗布しておかなければならない
ことになる。潤滑剤を使用すれば、さらに次のような問
題が発生することになる。
・潤滑剤には流体中のゴミ等の不純物が付着し易く、こ
れが各弁体間に入ると摺動性及び密着性を悪くする。
長期間使用すれば、潤滑剤が流出してしまい初期の操作
特性を維持し得なくなる。例えば第4図・ロの酸化アル
ミニウム焼結体を弁体として使用し、摺接面に潤滑剤を
塗布して摺動トルクを測定した結果に示すように、徐々
に摺接トルクが大きくなる。
そこで、例えば特開昭56−134671号公報に示された「水
栓弁」におけるように、「固定デイスク部材及び可動デ
イスク部材をセラミック材により構成し、両部材の各摺
動面の表面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.05〜0.5μ
m」にすることが提案されている。これにより、上述し
た潤滑剤を使用しなくてもある程度の潤滑性を得ること
ができた。
しかしながら、十分な平滑性のある摺動面を有したセラ
ミック材からなる固定デイスク部材及び可動デイスク部
材間で、今度は吸着現象が生ずることになって、逆に両
者間での摺動特性が悪くなってしまったのである。
(発明が解決しようとする問題点) このように、金属あるいはセラミックスそれ自体は高い
硬度を有し耐摩耗性に優れてはいるものの一般に自己潤
滑性に乏しいものであり、これを解決することのできる
バルブ用弁体として優れた材料は未だ提案されていなか
ったのである。
本発明は以上のような実状に鑑みてなされたもので、そ
の解決しようとする問題点は、長期間使用した場合であ
っても、操作レバーによる流体の連通・遮断操作を常に
軽くかつ安定した状態で行なうことのできるバルブを提
供することにある。
(問題点を解決するための手段) 以上の問題点を解決するために本発明が採った手段は、 バルブ本体内に固定的に収納されて流体の流路を形成し
た固定弁体、またはバルブ本体の操作レバーによって固
定弁体に接触した状態で相対移動させることにより移動
弁体の通路の連通または遮断を行なうようにした移動弁
体の少なくともいずれか一方の摺接面部分を、開放気孔
を有し、硬度がビッカース高度で200kg/mm2以上を有す
る多孔質体によって形成するとともに、前記開放気孔中
に潤滑剤を充填したことを特徴とする多孔質複合体から
なる弁体を備えたバルブである。
なお、前記開放気孔は、外部に連通している気孔を意味
する。
ところで、本発明の多孔質体は、出発原料であるたとえ
ばセラミックス粉末、金属粉末、金属粒子、ガラス粉末
あるいはガラス粒子等を任意の形状の生成形体に形成
し、この生成形体中に存在する気孔を閉塞させることな
く結合して多孔質体となすか、緻密体の表面を機械的に
サンドブラスト処理したり、化学的、あるいは電気的に
エッチング処理することによって開放気孔を形成し、次
いで前記多孔質体の開放気孔中に潤滑剤を充填すること
によって製造することができる。
前記セラミックス粉末、金属粉末あるいは金属粒子等を
任意の形状の生成形体に形成し、この生成形体中に存在
する気孔を閉塞させることなく結合させる方法として
は、種々の方法が適用できるが、例えば、粉末自体を常
圧焼結あるいは自己焼結させる方法、粉末にフリット、
粘土あるいはガラスセメントなどの結合剤を配合して常
圧焼結あるいは加圧焼結させる方法、前記粉末に熱硬化
性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を結合剤として配合して結
合させる方法を適用することができる。
一方、緻密体の表面に開放気孔を形成する方法として
は、アランダムや炭化珪素の高い硬度を有する粒子を高
圧で吹きつけて表面を削る方法、酸やアルカリ等で表面
を化学的に腐食させる方法、あるいは放電加工で表面を
部分的に加工する方法を適用することができる。
(発明の作用) 本発明に係るバルブは、上記のように構成されることに
よって、次のような作用がある。
まず、固定弁体または移動弁体の少なくともいずれか一
方の摺接面部分を、耐摩耗性に優れた高硬度の多孔質体
によって形成することにより、これらの固定弁体及び移
動弁体の耐摩耗性が向上している。
また、固定弁体または移動弁体の少なくともいずれか一
方の摺接面部分を、開放気孔を有し、高い硬度を有する
多孔質体によって形成するとともに、その開放気孔中に
潤滑剤を充填したことによって、この潤滑剤が有する潤
滑性により固定弁体と移動弁体との摺接が円滑に行なわ
れる。すなわち、固定弁体または移動弁体の表面に位置
する潤滑剤により摺動が円滑になされるのである。
そして、当該バルブにおいては、その各固定弁体または
移動弁体自体が潤滑剤を含有しているため、従来のよう
に定期的に潤滑剤を各弁体に塗布する等のメンテナンス
は全く不必要である。
次に、本発明に係る多孔質複合体からなる弁体を湯水混
合栓(10)の固定弁体(13)または移動弁体(14)に適
用した場合について、その機構の一例を図面を参照して
説明する。第1図には湯水混合栓(10)の縦断面図が示
してあり、この湯水混合栓(10)はこれに供給された水
または熱湯をこれら単独で、あるいはこれらを適宜混合
してその蛇口から導出するものである。
この湯水混合栓(10)のバルブ本体内には支持部材が収
納されていて、この支持部材上に固定弁体(13)が固定
的に配置してあり、さらにこの固定弁体(13)の上には
移動弁体(14)が配置してある。移動弁体(14)上部に
は連結部材(15)が固定してあり、この連結部材(15)
に係合した作動レバー(16)によって動かされたとき、
移動弁体(14)を固定弁体(13)に対して密着した状態
で前後左右に摺動し得るようになっている。勿論、上記
の支持部材と固定弁体(13)及び移動弁体(14)と連結
部材(15)とはそれぞれ一体的に形成して実施してもよ
く、この場合にはこの一体に形成したもののこの摺接面
部分を、後述のように開放気孔を有する高硬度の多孔質
によって形成するとともに、その開放気孔中に潤滑剤を
充填して形成すればよい。
固定弁体(13)及び移動弁体(14)は、第2図及び第3
図に示すようなもので、それぞれには一個または複数の
通路(13a)または通路(14a)が形成されている。これ
らの通路(13a)または通路(14a)は、移動弁体(14)
が操作レバー(17)の操作によって固定弁体(13)に対
して摺接移動することにより、水及び湯の混合を選択的
に行なえるようにその数及び位置が設定されている。勿
論、これらの通路(13a)または通路(14a)は貫通した
ものであってもよいし、また単なる凹所であってもよ
い。
そして以上説明したような各固定弁体(13)または移動
弁体(14)の少なくともいずれか一方の摺接面部分が、
開放気孔を有する高い硬度の多孔質体によって形成する
とともに、前記開放気孔中に潤滑剤を充填してあるので
ある。
以下の説明は、固定弁体あるいは移動弁体についての詳
説である。
固定弁体あるいは移動弁体の摺接面部分は開放気孔を有
していることが必要でる。この理由は、前記開放気孔は
後述する潤滑剤の保持性に優れており、潤滑効果を長く
維持することができるからであり、その深さは、3μm
〜25μmであることが好ましく、さらに請求項2に係る
実施態様項の発明においては、3μm〜25μmであるこ
とが必要である。これはJISで定められるRmax値であ
る。このように深さに範囲を設ける理由は、3μmより
も浅いと、保持性が弱くなる傾向があるためである。な
かでも8μm以上が好ましい。また、25μmを越えると
摺動面が粗すぎて、逆に摺動トルクが大きくなってしま
う。
前記開放気孔を有する多孔質体の硬度はビッカース硬度
で少なくとも200kg/mm2であることが必要である。この
理由は200kg/mm2よりも小さいと、使用時における前記
固定弁体(13)と移動弁体(14)の密着圧力が高いため
に、摺動時に摩耗し易くなり、長期の使用により摩耗を
生じ、流体の漏れを生じるようになるためであり、なか
でも400kg/mm2以上有することが望ましい。前述のよう
に摩耗性を向上させるためには、ビッカース硬度は、大
きいほどよく、それ故、ビッカース硬度の上限は特に限
定されるものではない。前記多孔質材料としては、金
属、合金、セラミックス、磁器、合成樹脂あるいはそれ
らの複合材料いずれをも利用することができる。なかで
も、セラミックス、磁器、硬質合金は、その硬度が高い
ため、さらに好適に使用できる。
次いで、前記開放気孔には、アセタール樹脂、ナイロン
樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂、スチレンアクリロニトリ
ル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン
樹脂、あるいはフッ素樹脂から選択れるいずれか少なく
とも1種の潤滑剤が充填されていることが必要である。
この理由は、前記の硬度の高い多孔質材料は、耐摩耗性
があるかわりに、相手材料を摩耗させる力が強い。ま
た、自己潤滑性に乏しいため、単独では使用が困難であ
る。そのため、前述の弁体相互の摩耗を防ぎ、自己潤滑
性を与えるための潤滑剤を充填する必要がある。さらに
これらの潤滑剤は、前記開放気孔を封止して、前記気孔
からの流体の漏出を防止する役目をも有する。そして、
前記潤滑剤の潤滑性と流体の漏出防止を効果的に発揮す
るには少なくとも前記開放気孔に50容量%充填させてい
ることが好ましく、更に請求項4に係る実施態様項の発
明においては50容量%充填されていることが必要であ
る。潤滑剤の量は、潤滑性と流体の漏出防止能力を確保
するという観点から、多い程よく、開放気孔中に100容
量%充填されていることがより望ましい。それ故に潤滑
剤の充填量の上限は、特に限定されるものではない。
本発明の弁体の摺接面部分はその摺接面の5〜45%が潤
滑剤からなるものであることが好ましく、更には請求項
4に係る実施態様項の発明においては、弁体の摺接面部
分に開口している気孔中に潤滑剤が充填してあるのであ
るが、その気孔率及び気孔中への潤滑剤の充填率を総合
してこの摺接面部分を観察したとき、摺接面の5〜45%
に潤滑剤が存在していることが必要なのである。その理
由は摺接面における潤滑剤の占める割合が5%より少な
いと本発明の目的とする摺動特性に優れた弁体となすこ
とが困難であり、一方45%より多いと弁体の摺接面にお
ける剛性が不足し、弁体の必須条件である密着性が劣る
ばかりでなく、長期的な使用における耐久性にも劣るか
らである。なかでも15〜40%の範囲でよりよい結果を得
ることができる。
一方、これらの潤滑剤の潤滑性をさらに発揮させるため
に、グラファイト粒子、フッ化黒鉛、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン、窒化ホウ素等の固体潤滑剤を
添加して前記開放気孔に充填せしめることができること
は当然である。
また、前記多孔質複合体の残留した気孔に、シリコング
リース、鉱油、フッ素オオイル等の潤滑剤を添加して使
用できることも有効である。
これらの潤滑剤の内合成樹脂を多孔質体の気孔中へ充填
する方法としては、樹脂を加熱して溶融させて含浸する
方法、樹脂を溶剤に溶解させて含浸する方法、樹脂をモ
ノマー状態で含浸した後ポリマーに転化する方法、ある
いは微粒化した樹脂を分散媒液中に分散させてこの分散
液を多孔質体に含浸させ、乾燥した後に樹脂の溶融温度
で焼きつける方法が適用できる。なお、前記多孔質体の
開放気孔径が特に小さい場合には、グリース状、ワック
ス状あるいは液状の各種潤滑剤を使用することもでき
る。
(実施例) 実施例1 出発原料は95%がβ型結晶よりなる炭化珪素粉末であ
り、0.3μmの平均粒径を有し、0.3重量%の遊離炭素、
0.2重量%の遊離シリカ、0.03重量%の鉄、0.04重量%
のアルミニウムを主として含有していた。
この粉末100重量部に対し、ポリビニルアルコール5重
量部と水100重量%を配合し、ボールミルで5時間混合
後、200℃で噴霧乾燥した。
この粉末を23g採取して、金属製成形型を用いて、1000k
gf/cm2の圧力でプレス成形を行い、外径36mmの第2,3図
符号14に示した如き形状の生成形体を得た。
この生成形体をタンマン炉に装入し5/分のアルゴン
ガス気流中で500℃まで2℃/分、500℃より1900℃まで
5℃/分で昇温し、最高温度1900℃で1時間保持した
後、自然冷却した。
得られた焼結体は硬度が1650kg/mm2,気孔率が45容量%
の開放気孔を有する多孔質体であった。この多孔質体の
摺接面に相当する面を800メッシュの炭化珪素砥粒によ
って研摩して、表面粗さRmax値が18μmの多孔質体を得
た。
この多孔質体に、平均粒径0.5μmのポリテトラフルオ
ロエテレンの微粒子の50重量%水溶液を真空含浸し、乾
燥した。この含浸操作を再度繰り返した後、エレマ炉に
装入し、大気中で350℃まで5℃/分の速度で加熱し、3
50℃で1時間保持した後、水中に投下した。その結果、
その気孔中にポリテトラフルオロエチレンが71容量%充
填された多孔質複合体が得られた。この多孔質複合体摺
接面を5μmのダイアモンド砥粒により研磨し、移動弁
体を得た。
一方、外径46mmの成形金型中に、純度が92%であるアル
ミナ粉末20gを装入し、1300kg/cm2の圧力でプレス成形
し、第2、3図に示す如き形状の生成形体を製造した。
この生成形体をシリコニット炉中に装填し、5℃/分の
昇温速度で1500℃まで加熱し、1時間保持した後冷却し
た。得られたアルミナ焼結体の密度は3.74/cm2、気孔
率は4容量%であった。このアルミナ質焼結体の摺接面
を6μmダイヤモンドで研摩し固定弁体を得た。
前記移動弁体と固定弁体を第1図に示す如き湯水混合栓
に挿入し、回転方向に往復摺動トルクを測定した。
その結果を第4図(ハ)に示す。第4図よりわかるよう
に摺動トルクは10万回摺動中常に2.5kg・cm以下であり
平均1.5kg・cm、変動幅は1kg・cm以下であり、低い摺動
トルクが極めて長期の間、維持される優れた弁体であっ
た。
実施例2 実施例1と同様の形状の、移動弁体を以下の方法で製造
した。SUS316Lを平均粒径3μmの微粉末に切削し、次
いで、この粉末を68g採取し、金型によって380kg/cm2
でプレス成形した。次いで、この成形体を15/分の水
素ガス気流中で、950℃まで10℃/分の昇温速度で加熱
し、1時間保持した後、500℃まで自然冷却した後水中
に投下、急冷した。このSUS−316L焼成体のビッカース
硬度は390kg/mm2、気孔率は32%、Rmax値は25μmであ
った。次いで焼成体の開放気孔中に実施例1と同様の方
法でポリテトラフルオロエチレを含浸した。
得られた移動弁体の気孔中には67容量%のポリテトラフ
ルオロエチレンが充填されていた。
この移動弁体を実施例1と同様に摺動トルクを測定した
ところ第4図(ニ)に示すように初期摺動トルクが4.5k
g・cm、平均摺動トルクが3.5kg・cm、変動幅が+1.0〜
−0.5kg・cmであり極めて安定した摺動トルクが長期間
維持された。
比較例1 実施例2と同様であるが、成形圧力を50kg/cm2に低め
てプレス成形し、次いでこの生成形体を実施例2と同様
の条件で焼成した。得られた焼結体の硬度は110kg/m
m2、気孔率は58%、Rmax値は39μmであった。この焼成
体に実施例2と同様であるが樹脂含浸処理を3回実施し
た。得られた移動弁体の気孔中には48容量%のポリテト
ラフルオロエチレンが充填されていた。この移動弁体を
実施例1と同様に摺動トルクを測定したところ、第4図
(ホ)に示す結果となり、摺動トルクが徐々に上昇して
ゆく傾向が見られた。
実施例3、比較例2 実施例1と同様であるが、95重量%がZrO2で残部がY2O3
からなる粉末を用い、第2、3図符号14の如き形状の生
成形体と成し、これをエレマ炉に装入し、1400℃まで2
℃/分の昇温速度で加熱し、1400℃にて1時間保持した
後徐冷した。得られたジルコニア焼結体は硬度が1300kg
/mm2、密度が5.9g/cm2、気孔率が1.9%であった。こ
の焼結体をGC#400の砥粒を利用してサンドブラスト処
理して、表面を荒し、Rmax値が6.5μmの面を得た。一
方、同様にしてGC#2000の砥粒を利用したサンドブラス
ト処理でRamx値が1.6μmの面を得た。これらの焼結体
の表面に120℃で溶融させた低密度ポリエチレン溶融液
を塗布し冷却固化せしめた。表面気孔は100%閉塞され
た。次いで、平均粒径が0.5μmのCeO2粒子により表面
を研磨した後、実施例1と同様の方法で摺動特性を調べ
た。その特性は第4図(ヘ),(ト)である。
図から明らかなように、Rmax値を6.5μmとした場合の
(ヘ)は安定したトルクが得られているがRmax値を1.6
μmとした場合の(ト)では若干のトルク上昇が認めら
れた。
(発明の効果) 以上詳述した通り、本発明によれば、固定弁体(13)ま
たは移動弁体(14)の少なくともいずれか一方の摺接面
部分を、外部に連通する気孔を有し、硬度がビッカース
硬度で200kg/mm2を少なくとも有する多孔質体によって
形成するとともに、前記開放気孔中に潤滑剤を充填した
ことにその特徴があり、これにより、固定弁体(13)と
移動弁体(14)とが常に摺接した状態であっても、操作
レバーによる連通・遮断操作を常に軽くかつ安定した状
態で行なうことのできるバルブを提供することができ
る。
従って、本発明のバルブにおいては、固定及び移動両弁
体の耐摩耗性が十分で、かつ表面に存在している気孔に
よる凹凸によって吸着現象が生じないものとなってお
り、しかも摺接面部分の潤滑剤が気孔内の潤滑剤と一体
化されていて、潤滑剤が長期にわたって摺接面平面に存
在するのであるから、そのレバー操作を常に軽く行える
のであり、その良好な操作性が長期にわたって維持され
るのである。従って、このバルブによれば、操作レバー
による操作を軽く行えるのであり(要望の達成)、そ
の軽い操作を長期にわたって維持することができるので
ある(要望の達成)。
そして、このように形成した当該バルブにあっては、操
作レバーによる操作を長期間に亙って軽く行なうことが
できるだけでなく、固定弁体(13)と移動弁体(14)と
の密着摺動を長期間に亙つて維持し流体の漏れを生ずる
ようなことがない。すなわち、本発明のバルブによれ
ば、両弁体を互いに接触した状態で相対移動するように
構成するとともに、両弁体の少なくともいずれか一方の
摺接面部分を、開放気孔を有し、硬度がビッカース硬度
で200kg/mm2を少なくとも有する多孔質体によって構成
したから、両弁体の相対摺動に対する耐摩耗性が十分な
ものとすることができるだけでなく、仮に流体中に砂等
が存在していたとしても、これが両弁体間に入り込んで
弁体を損傷させたり摩耗させたりすることがなく、流体
の漏れを生ずることはないのである(要望の達成)。
勿論、多孔質体の開方気孔中には潤滑特性を有する潤滑
剤が充填してあるから、各弁体のメンテナンスを殆ど必
要としないで、密着摺動を長期間にわたって維持するこ
とができるのである(要望の達成)。
しかも、本発明のバルブによれば、固定弁体(13)と移
動弁体(14)とを常に密着して摺接する構造のものとし
てあるから、これらの摺接面を平面的なものとして形成
すればよいため、その製造を簡単に行うことができる
(要望の達成)のである。
以上の通り、本発明に係るバルブによれば、これに要求
されている要望の〜の全てを同時に満足することが
できるのであり、産業上非常に有用なものである。
勿論、以上のことは、水や湯以外の流体、例えば油等の
液体、あるいはプロパンガスのような気体等の流体の通
路の連通または遮断を行なうようにしたあらゆる形態の
バルブについても同様である。
なお、本発明の複合体は上記の如き実施例に示した複合
体の他に例えば、ステンレス焼結合金、鋳鉄、アルミニ
ウム合金、青銅鋳物合金、Ni合金、Ni・Cr・Mo合金、Al
2O3、ZrO2、SiC、TIC、B4C、WC、コージェライト、ムラ
イト、Si3N4、BN、AlN、及び、TiB2から選ばれるいずれ
か少なくとも1種からなる多孔質体を基材として使用し
た複合体の場合においても、上記の作用と略同様の作用
があるものである。
また、各固定弁体(13)または移動弁体(14)の全体を
上述したようにして形成して実施する外、少なくとも各
固定弁体(13)または移動弁体(14)の互いに摺接する
る面部分のみを上記のようにして形成して実施した場合
にも同様な効果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した一実施例である湯水混合栓の
縦断面図、第2図は固定弁体と移動弁体との関係を示す
縦断面図、第3図は第2図を上方からみた透視平面図、
第4図は本発明に係る固定弁体と移動弁体間及び従来の
固定弁体と移動弁体との摺動トルク変動をそれぞれ比較
して示したグラフである。 符号の説明 10……湯水混合栓、11……バルブ本体、13……固定弁
体、14……移動弁体、17……操作レバー、18……蛇口。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルブ本体内に固定的に収納されて流体の
    通路を形成した固定弁体と、前記バルブ本体の操作レバ
    ーによって前記固定弁体に接触した状態で相対移動させ
    ることにより前記固定弁体の通路の連通または遮断を行
    うようにした移動弁体とを備えたバルブにおいて、 前記固定弁体または移動弁体の少なくともいずれか一方
    の摺動面部分を、開放気孔を有し、硬度がビッカース硬
    度で200kg/mm2を少なくとも有する多孔質体によって形
    成するとともに、前記開放気孔中に潤滑剤を充填したこ
    とを特徴とする多孔質複合体からなる弁体を備えたバル
    ブ。
  2. 【請求項2】前記多孔質体は表面の粗さRmax値が3μm
    〜25μmである特許請求の範囲第1項記載のバルブ。
  3. 【請求項3】前記潤滑剤は、アセタール樹脂、ナイロン
    樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
    ブチレンテレフタレート樹脂、スチレンアクリロニトリ
    ル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
    フェニレンサルファイド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン
    樹脂あるいはフッ素樹脂から選択されるいずれか少なく
    とも1種である特許請求の範囲第1項または第2項記載
    のバルブ。
  4. 【請求項4】前記潤滑剤は前記開放気孔中に開放気孔容
    積の少なくとも50容量%充填されてなる特許請求の範囲
    第1〜3項のいずれか一項に記載のバルブ。
  5. 【請求項5】前記摺接面部分は、その摺接面の5〜45%
    が潤滑剤からなる特許請求の範囲第1〜4項記載のいず
    れか一項に記載のバルブ。
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