JPH0456908B2 - - Google Patents

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JPH0456908B2
JPH0456908B2 JP14342785A JP14342785A JPH0456908B2 JP H0456908 B2 JPH0456908 B2 JP H0456908B2 JP 14342785 A JP14342785 A JP 14342785A JP 14342785 A JP14342785 A JP 14342785A JP H0456908 B2 JPH0456908 B2 JP H0456908B2
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JP
Japan
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valve body
sliding
porous
fixed valve
movable valve
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JP14342785A
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JPS624969A (ja
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Kyotaka Tsukada
Yoriichi Tsuji
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、流体の通路の連通又は遮断を行なう
バルブ用弁体に関し、特に本発明は、セラミツク
ス多孔質体の開放気孔中に潤滑剤が含浸されてな
るバルブ用弁体に関する。 〔従来の技術〕 バルブ本体内に収納した固定弁体に対し、移動
弁体を操作レバーの操作によつて摺接した状態で
相対移動させることにより、流体の通路の連通又
は遮断、換言すれば開閉、切換、調節、混合等の
制御を行なうようにしたバルブは、既に数多くの
ものが提案されてきている。 ところで、この種のバルブに対しては、次のよ
うな種々な要望がある。 固定弁体と移動弁体とが常に摺接した状態で
あつても、操作レバーによる操作は軽く行なえ
ること。 操作レバーによる操作の軽いことが長期間維
持できること。 各弁体のメンテナンスが簡単で、出来れば全
く不要であること。 当然のことながら、各弁体間の密着性が変化
せず、長期の使用によつても流体の漏れがない
こと。 各弁体の製造が簡単であること。 従来既に提案されてきている流体用の各種のバ
ルブ、例えば湯水混合栓用のバルブにあつては、
各弁体間の耐摩耗性を考慮して、各弁体を金属あ
るいは酸化アルミニウム焼結体等の比較的硬い材
料によつて稠密状態に形成したものが多かつた。
このようにすると、各弁体の耐摩耗性は向上する
が各弁体間の摺動は円滑にはならず、第4図に示
すように湯水混合栓の操作レバーに掛る摺動トル
クが初期において相当大きくなる。従つて、この
摺動を円滑に行なうため、各弁体の表面に潤滑剤
を塗布する。しかしながら、表面に塗布した潤滑
剤は流出し易く、長期間使用した場合に、初期の
操作特性を維持することが困難である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このように、セラミツクスそれ自体は高い硬度
を有し耐摩耗性に優れてはいるものの一般に自己
潤滑性に乏しいものであり、これを解決してバル
ブ用弁体として適用し得る材料としては未だ提案
されていなかつた。 本発明は以上のような実状に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、長期間使用した
場合であつても、操作レバーによる流体の連通・
遮断操作を常に軽くかつ安定した状態で行なうこ
とのできるバルブ用弁体を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明のバルブ用弁体は、バルブ本体内に固定
的に収納されて流体の流路を形成した固定弁体、
またはバルブ本体の操作レバーによつて固定弁体
に接触した状態で相対移動させることにより固定
弁体の通路の連通または遮断を行なうようにした
移動弁体の少なくともいずれか一方に使用される
ものであり、少なくとも摺接面部分が三次元網目
構造の開放気孔を有するセラミツクス多孔質体の
開放気孔中にフツ素系オイルあるいはシリコーン
系オイルから選択されるいずれか少なくとも1種
の潤滑剤が含浸されてなることを特徴とするバル
ブ用弁体である。 ところで、本発明のバルブ用弁体は、出発原料
であるセラミツクス粉末を任意の形状の生成形体
に成形し、この生成形体中に存在する気孔を閉塞
させることなく結合してセラミツクス多孔質体と
なし、次いで前記セラミツクス多孔質体の開放気
孔中にフツ素系オイルあるいはシリコーン系オイ
ルから選択されるいずれか少なくとも1種の潤滑
剤を含浸することによつて製造することができ
る。 前記セラミツクス粉末を任意の形状の生成形体
に成形し、この生成形体中に存在する気孔を閉塞
させることなく結合させる方法としては、種々の
方法が適用できるが、例えば、セラミツクス粉末
自体を常圧焼結あるいは加圧焼結して自己焼結さ
せる方法、セラミツクス粉末に反応によつてセラ
ミツクスを生成する物質を添加して反応焼結させ
る方法、セラミツクス粉末にCo、Ni、Moなどの
金属あるいはガラスセメントなどの結合剤を配合
して常圧焼結あるいは加圧焼結して結合させる方
法、セラミツクス粉末に熱硬化性樹脂あるいは熱
可塑性樹脂を結合剤として配合して結合させる方
法を適用することができる。 前記セラミツクス多孔質体は、開放気孔率が5
〜40容積%であることが有利である。その理由
は、前記開放気孔率が5容積%より低いと実質的
な潤滑剤の含浸剤が少なくなり、潤滑特性を充分
に発揮させることが困難であるからであり、一方
40容積%よりも高いと多孔質体の強度が低く粒子
が脱離し易いばかりでなく、潤滑剤が流出し易い
からである。 前記セラミツクス多孔質体は、結晶の平均粒径
が10μm以下であることが有利である。その理由
は、前記結晶の平均粒径が10μmよりも大きいと
多孔質体表面の面粗度が大きくなり易く、摺動特
性が劣化するからである。 前記出発原料であるセラミツクス粉末は、平均
粒径が10μm以下であることが有利である。その
理由は、平均粒径が10μmより大きいセラミツク
ス粉末を使用すると粒と粒との結合個所が少なく
なるため、高強度の多孔質体を製造することが困
難になるばかりでなく、表面の面粗度が劣化する
からである。 本発明のバルブ用弁体は、前述の如くして製造
されたセラミツクス多孔質体の開放気孔中にフツ
素系オイルあるいはシリコーン系オイルから選択
されるいずれか少なくとも1種の潤滑剤が含浸さ
れたものである。その理由は、耐摩耗性に優れた
セラミツク基材に潤滑特性に優れたフツ素系オイ
ルあるいはシリコーン系オイルから選択されるい
ずれか少なくとも1種を含浸することによつて、
摺動特性を著しく向上させることができるからで
ある。 前記フツ素系オイルとしては、フルオロエチレ
ン、フルオロエステル、フルオロトリアジン、ペ
ルフルオロポリエーテル、フルオロシリコーン、
これらの誘導体あるいはこれらの重合体から選択
される1種または2種以上の混合物を使用するこ
とが有利であり、また、前記シリコーン系オイル
としては、メチルシリコーン、メチルフエニルシ
リコーン、これらの誘導体あるいはこれらの重合
体から選択される1種または2種以上の混合物を
使用することが有利である。なお、前記フツ素系
オイルおよびシリコーン系オイルは液状、グリー
ス状あるいはワツクス状のいずれの状態であつて
も使用することができる。 なお、前記フツ素系オイルおよびシリコーン系
オイルは耐溶剤性、化学的安定性および耐熱性に
優れているため、長期間にわたつて極めて良好な
潤滑特性を付与することができる。 前記セラミツクス多孔質体の開放気孔中に潤滑
剤を含浸させる方法としては、加熱により低粘度
化した潤滑剤中にセラミツクス多孔質体を浸漬
し、真空または加圧下で含浸する方法など一般的
な方法が適用できる。 この場合、前記潤滑剤を前記多孔質体の開放気
孔100容積部に対し、少なくとも10容積部含浸す
ることが有利である。その理由は、潤滑剤の含浸
量が10容積部より少ないと潤滑特性を向上させる
ことが困難だからである。 〔発明の作用〕 本発明のバルブ用弁体は、上記のように構成さ
れることによつて、次のような作用がある。 まず、固定弁体または移動弁体の少なくともい
ずれか一方の摺接面部分をセラミツクス多孔質体
によつて形成することにより、このセラミツクス
多孔質体自体が高い硬度を有し、かつ耐摩耗性に
優れていることから、これらの固定弁体及び移動
弁体の耐摩耗性が向上している。 また、固定弁体または移動弁体の少なくともい
ずれか一方の摺接面部分を、三次元網目構造の開
放気孔を有するセラミツクス多孔質体によつて形
成するとともに、その開放気孔中に潤滑剤を含浸
することによつて、この潤滑剤が有する潤滑性に
より、固定弁体と移動弁体との摺接が長期間円滑
に行なわれるのである。 この実際の潤滑特性を、上記の固定弁体および
移動弁体のうち、固定弁体をアルミナ質焼結体、
移動弁体をペルフルオロポリエーテルが含浸され
た炭化珪素質多孔質体によつて構成するととも
に、これらを内部に組付け湯水混合栓の場合の実
験結果から考察してみると、第4図の通りであつ
た。この実験においては、固定弁体と移動弁体と
の摺接面における潤滑性を見るために、当該湯水
混合栓の操作レバーにおける摺動トルク変動を計
測することによつて行なつた。この実験による
と、操作レバーを10万回動かしても、操作レバー
に掛る摺動トルク(第4図中のイ)は、常に3Kg
fcm以下にあつた。そして、摺動トルクの変動幅
は、ほぼ1.5Kgfcm以下であつた。すなわち、従
来の湯水混合栓における操作レバーの摺動トルク
変動(第4図中のロ)と比較すれば、本発明に係
る弁体を使用した場合は、その操作レバーに掛る
摺動トルクが小さいだけでなく、長期間にわたつ
て使用しても摺動トルク変動は殆んどないのであ
る。 勿論、以上のことは、流体として油、各種洗浄
液、各種溶液等の液体、あるいは各種の気体につ
いても同様である。 また、上記の炭化珪素質多孔質体に代えて他の
セラミツクス多孔質体すなわち、Al2O3、SiO2
ZrO2、SiC、TiC、TaC、B4C、WC、Cr3C2
Si3N4、BN、TiN、AlN、TiB2、CrB2あるいは
これらの化合物から選択されるいずれか1種また
は2種以上を主として含有するセラミツクス多孔
質体を使用した場合においても、上記の作用とほ
ぼ同様の作用があるものである。 そして、当該バルブにおいては、その各固定弁
体または移動弁体自体が潤滑剤を含有しているた
め、従来のように潤滑剤を各弁体に塗布する等の
メンテナンスは全く不必要である。 (実施例) 次に、本発明を、湯水混合栓10における固定
弁体13または移動弁体14に適用した場合につ
いて、図面を参照して説明する。第1図には湯水
混合栓10の縦断面図が示してあり、この湯水混
合栓10はこれに供給された水または熱湯をこれ
ら単独で、あるいはこれらを適宜混合してその蛇
口18から導出するものである。 この湯水混合栓10のバルブ本体11内には支
持部材12が収納されていて、この支持部材12
上に固定弁体13が固定的に配置してあり、さら
にこの固定弁体13の上には移動弁体14が配置
してある。移動弁体14の上部には連結部材15
が固定してあり、この連結部材15に係合した作
動レバー16が操作レバー17によつて動かされ
たとき、移動弁体14を固定弁体13に対して密
着した状態で前後左右に摺動し得るようになつて
いる。勿論、上記の支持部材12と固定弁体13
及び移動弁体14と連結部材15とはそれぞれ一
体的に形成して実施してもよく、この場合にはこ
の一体に形成したもののこの摺接面部分を、後述
のように三次元網目構造の開放気孔を有するセラ
ミツクス多孔質体によつて形成するとともに、そ
の開放気孔中に潤滑剤を含浸して形成すればよ
い。 固定弁体13及び移動弁体14は、第2図及び
第3図に示すようなもので、それぞれには一個ま
たは複数の通路13a及び通路14aがそれぞれ
形成されている。これらの通路13a,14a
は、移動弁体14が操作レバー17の操作によつ
て固定弁体13に対して摺接移動することによ
り、水及び湯の混合を選択的に行なえるようにそ
の数及び位置が設定されている。勿論、これらの
通路13aまたは14aは貫通したものであつて
もよいし、また単なる凹所であつてもよい。 また、第5図には、本発明に係る固定弁体13
及び移動弁体14を使用した単水栓20の縦断面
図が示してある。この単水栓20にあつては、水
の一次側通路21と二次側通路22間の隔壁23
上にパツキングを介して固定弁体13が配置して
あり、さらにこの固定弁体13の上に移動弁体1
4が配置してある。この移動弁体14は、当該単
水栓20のバルブ本体24上に設けた操作レバー
27の操作によつて固定弁体13に密着した状態
で回動されるものであり、第6図に示したよう
に、固定弁体13の一対の通路13aを選択的に
連通させまたはこの連通を遮断する凹所14bを
その下面に有している。すなわち、移動弁体14
の凹所14bが、固定弁体13の各通路13aに
対して、第7図に示したような位置関係にある場
合には一次側通路21と二次側通路22との連通
を遮断でき、また第8図に示したような位置関係
にある場合には一次側通路21と二次側通路22
とを連通できるようになつているのである。 なお、第9図に示すように、移動弁体14の下
面に固定弁体13の各通路13aを覆蓋し得る遮
断突起部分14cを形成し、その周囲を通路14
dとなるように形成して、この遮断突起部分14
cが固定弁体13の各通路13aに対して、第1
0図の実線にて示すような位置関係にあるときは
一次側通路21と二次側通路22とを連通させ、
また第10図の仮想線に示した位置関係にあると
きには一次側通路21と二次側通路22との連通
を遮断するようにして実施してもよい。 そして、以上説明したような各固定弁体13ま
たは移動弁体14の少なくともいずれか一方の摺
接面部分が、三次元網目構造の開放気孔を有する
セラミツクス多孔質体によつて形成するととも
に、前記開放気孔中に潤滑剤を含浸してあるので
ある。 次に、各固定弁体13および移動弁体14を、
セラミツクスとして炭化珪素を主体としたものを
実際に製造する場合の実施例及び比較例について
説明する。 実施例 1 出発原料として使用した炭化珪素粉末は、94・
6重量%がβ型結晶で実質的に2H型結晶よりな
り、0.92重量%の遊離炭素、0.17重量%の酸素、
0.03重量%の鉄、0.03重量%のアルミニウムを主
として含有し、0.28μmの平均粒径を有しており、
ホウ素は検出されなかつた。 炭化珪素粉末100重量部に対し、ポリビニルア
ルコール5重量部、水300重量部を配合し、ボー
ルミル中で5時間混合した後乾燥した。 この乾燥混合物を適量採取して顆粒化した後、
金属製押し型を用いて3000Kg/cm2の圧力で成形し
た。この生成形体の寸法は50mm×50mm×30mmで密
度は2.0g/cm2(32容積%)であつた。 前記生成形体を黒鉛製ルツボに装入し、タンマ
ン型焼成炉を使用して1気圧の主としてアルゴン
ガス雰囲気中で焼成した。昇温過程は、まず450
℃/時間で2000℃まで昇温し、最高温度2000℃を
10分間維持した。焼結中のCOガス分圧は、常温
〜1700℃においては80Pa以下、1700℃よりも高
温域では300±50Paの範囲内となるようにアルゴ
ンガス流量を適宜調整して制御した。 得られた多孔質体の密度は2.05g/cm2、開放気
孔率は36容積%で、その結晶構造は走査型電子顕
微鏡によつて観察したところ、平均アスペクト比
が2.5の炭化珪素結晶が多方向に複雑に絡みあつ
た三次元網目構造を有しており、生成形体に対す
る線収縮率はいずれの方向に対しても0.25±0.02
%の範囲内で、多孔質体の寸法精度±0.05mm以内
であつた。また、この多孔質体の平均曲げ強度は
18.5Kg/mm2と極めて高い値を示した。 この多孔質体を外径が30mm、内径が15mm、厚さ
が5mmのリング状に加工したのち、ペルフルオロ
ポリエーテルに真空下で浸漬して含浸させた。こ
の多孔質体中に含浸されたペルフルオロポリエー
テルの開放気孔中に占める割合は約90容積%であ
つた。 このペルフルオロポリエーテルを含浸した多孔
質体のステンレス鋼(SUS304)に対する乾式摺
動試験を500mm/secの摺動速度で摺動させるリン
グオンリング法で10Kgf/cm2の端面荷重を負荷し
て行つたところ、摩擦係数は0.05〜0.10、また摩
耗係数は2.1×10-4mm/Km(Kgf/cm2)であり、
極めて優れた摺動特性を有していることが認めら
れた。 比較例 1 多孔質体は実施例1と同様であるが、潤滑剤を
含浸することなく摺動試験を行なつたところ、摩
擦係数は0.5〜0.7、摩擦係数は2.3×10-1mm/Km
(Kgf/cm2)であつた。 実施例 2 実施例1と同様であるが、ペルフルオロポリエ
ーテルに代えてメチルフエニルシリコーンを含浸
した。この多孔質体中に含浸されたメチルフエニ
ルシリコーンの開放気孔中に占める割合は約90容
積%であつた。 この多孔質体を実施例1と同様の方法で摺動特
性を測定したところ、摩擦係数は0.15〜0.25、摩
耗係数は4.7×10-4mm/Km(Kgf/cm2)であり、
上記の比較例と比べて約490倍の耐摩耗性を有し
ていることが認められた。 実施例 3 多孔質体は実施例1と同様であるが、フルオロ
エチレン、フルオロエステル、フルオロトリアジ
ン、フルオロシリコーン、メチルシリコーン、フ
ルオルプロピルメチルシリコーンをそれぞれ多孔
質体に含浸した。 前記潤滑剤を含浸した多孔質体はいずれも優れ
た摺動特性を有していることが認められた。 実施例 4 実施例1と同様の方法であるが、炭化珪素粉末
100重量部に対し、炭化ホウ素粉末を1重量部、
カーボンブラツク粉末を2重量部配合した乾燥物
を使用し、焼成温度を1900℃に低めて多孔質体を
得た。 得られた多孔質体は結晶の平均粒径が約2.7μm
で、三次元網目構造で結合しており、密度は2.86
g/cm2、平均曲げ強度は52Kgf/mm2であつた。 この多孔質体を、移動弁体14の形状に加工し
た後、実施例1と同様にペルフルオロポリエーテ
ルを多孔質体の開放気孔中に約90容積%含浸し
た。 次いで、このペルフルオロポリエーテルを含浸
した多孔質体よりなる移動弁体を第1図に示した
如き湯水混合栓に組付けて耐久試験を行つた。 結果は第4図に示した。 なお、固定弁体13としては緻密質のアルミナ
焼結体を使用した。 第4図に示した結果よりわかるように本実施例
の弁体は極めて長期間にわたつて良好な摺動特性
を有するものであつた。 実施例 5 実施例1と同様であるが、平均粒径が0.28μm
のβ型炭化珪素に換えて平均粒径が38μmで純度
が99.3重量%以上のα型炭化珪素と、平均粒径が
0.8μmで純度が99重量%以上のα型炭化珪素との
混合粉末を使用し、焼成温度を2300℃に高めて多
孔質体を得た。得られた多孔質体は結晶は三次元
網目構造で結合しており、密度は2.76g/cm2、平
均曲げ強度17.8Kgf/mm2であつた。 この多孔質体に実施例4と同様に移動弁体14
の形状に加工した後、ペルフルオロポリエーテル
を含浸し、耐久試験を行つた。 この移動弁体は、良好な摺動特性を有してお
り、耐久性も良好であつた。 以下は、セラミツクス材料として炭化珪素以外
の材料を使用して多孔質体を焼成する場合を、そ
れぞれ説明するものである。 実施例 6 平均粒径が0.4μmのα型アルミナ粉末100重量
部に対しポリビニルアルコール2重量部、ポリエ
チレングリコール1重量部、ステアリン酸0.5重
量部及び水100重量部を配合して噴霧乾燥した。 この乾燥物を適量採取し、金属製押し型を用い
て3.0t/cm2の圧力で成型し、直径50mm、厚さ20
mm、密度2.6g/cm2の生成形体を得た。 前記生成形体をアルミナ製ルツボに装入し、大
気圧下の空気中で焼結時に液相が5重量%以上生
成しない温度域であるところの1300℃の温度で1
時間焼成した。 得られた多孔質体は結晶の平均粒径が約2.4μm
で三次元網目構造で係合しており、密度は2.8
g/cm3、平均曲げ強度は8.1Kgf/cm2であつた。 この多孔質体を外径が30mm、内径15mm、厚さが
5mmのリング状に加工した後、ペルフルオロポリ
エーテルに真空下で浸漬して含浸させた。この多
孔質体中に含浸されたペルフルオロポリエーテル
の開放気孔中に占める割合は約90容積%であつ
た。 このペルフルオロポリエーテルを含浸した多孔
質体のステンレス鋼(SUS304)に対する乾式摺
動試験を500mm/secの摺動速度で摺動させるリン
グオンリング法で10Kgf/cm2の端面荷重を負荷し
て行つたところ、摩擦係数は0.11〜0.22、また摩
耗係数は4.9×10-4mm/Km(Kgf/cm2)であり、
極めて優れた摺動特性を有していることが認られ
た。 実施例 7 実施例6と同様であるが、α型アルミナ粉末に
換えて第1表に示したセラミツクス粉末を使用
し、焼結時に生成する液相の量が3〜5重量%の
範囲内となる温度域で焼結して多孔質体を得た。 得られた多孔質体は、いずれも三次元網目構造
を有していた。
〔発明の効果〕
以上詳述した通り、本発明によれば、固定弁体
13または移動弁体14の少なくともいずれか一
方の摺接面部分を、三次元網目構造の開放気孔を
有するセラミツクス多孔質体によつて形成すると
ともに、前記開放気孔中に潤滑剤を含浸したこと
にその特徴があり、これにより、固定弁体13と
移動弁体14とが常に摺接した状態であつても、
操作レバーによる連通・遮断操作を常に軽くかつ
安定した状態で行なうことのできるバルブを提供
することができる。 そして、このように形成した当該バルブにあつ
ては、操作レバーによる操作を長期間にわたつて
軽く行なうことができるだけでなく、固定弁体1
3と移動弁体14との密着摺動を長期間にわたつ
て維持し流体の漏れを生ずるようなことがない。 勿論、以上のことは、水や湯以外の流体、例え
ば油等の液体、あるいはプロパンガスのような気
体等の流体の通路の連通または遮断を行なうよう
にしたあらゆる形態のバルブについても同様であ
る。また、本発明を適用するにあたつては、その
材料としてAl2O3、SiO2、ZrO2、SiC、TiC、
TaC、B4C、WC、Cr3C2、Si3N4、BN、TiN、
AlN、TiB2、CrB2あるいはこれらの化合物から
選択されるいずれか1種または2種以上を主とし
て含有するものから自由に選択することができる
ものである。 また、各固定弁体13または移動弁体14の全
体を上述したようにして形成して実施する外、少
なくとも各固定弁体13または移動弁体14の互
いに摺接する面部分のみを上記のように形成して
実施した場合にも同様な効果を得ることができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した一実施例である湯水
混合栓の縦断面図、第2図は固定弁体と移動弁体
との関係を示す縦断面図、第3図は第2図を上方
からみた透視平面図、第4図は本発明に係る固定
弁体と移動弁体間及び従来の固定弁体と移動弁体
との摺動トルク変動をそれぞれ比較して示したグ
ラフである。また、第5図〜第10図は本発明を
単水栓に実施した例を示すもので、第5図はこの
単水栓の縦断面図、第6図は固定弁体と移動弁体
の斜視図、第7図及び第8図は固定弁体と移動弁
体との関係を示す平面図、第9図は移動弁体のさ
らに他の実施例を示す斜視図、第10図はこの場
合の固定弁体と移動弁体との関係を示す平面図で
ある。 符号の説明、10……湯水混合栓、11……バ
ルブ本体、13……固定弁体、14……移動弁
体、17……操作レバー、18……蛇口。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも摺接面部分が、三次元網目構造の
    開放気孔を有するセラミツクス多孔質体の開放気
    孔中にフツ素系オイルあるいはシリコーン系オイ
    ルから選択されるいずれか少なくとも1種の潤滑
    剤が含浸されてなることを特徴とするバルブ用弁
    体。 2 前記セラミツクス多孔質体は、Al2O3
    SiO2、ZrO2、SiC、TiC、TaC、B4C、WC、
    Cr3C2、Si3N4、BN、TiN、AlN、TiB2、CrB2
    あるいはこれらの化合物から選択されるいずれか
    1種または2種以上を主として含有する特許請求
    の範囲第1項記載のバルブ用弁体。 3 前記フツ素系オイルは、フルオロエチレン、
    フルオロエステル、フルオロトリアジン、ペルフ
    ルオロポリエーテル、フルオロシリコーン、これ
    らの誘導体あるいはこれらの重合体から選択され
    る1種または2種以上の混合物である特許請求の
    範囲第1あるいは2項記載のバルブ用弁体。 4 前記シリコーン系オイルは、メチルシリコー
    ン、メチルフエニルシリコーン、これらの誘導体
    あるいはこれらの重合体から選択される1種また
    は2種以上の混合物である特許請求の範囲第1あ
    るいは2項記載のバルブ用弁体。
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