JPH07102270A - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

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JPH07102270A
JPH07102270A JP26545793A JP26545793A JPH07102270A JP H07102270 A JPH07102270 A JP H07102270A JP 26545793 A JP26545793 A JP 26545793A JP 26545793 A JP26545793 A JP 26545793A JP H07102270 A JPH07102270 A JP H07102270A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、低摩擦係数で摩耗量を低減した表
面改質層と皮膜とを有する摺動部材を提供することであ
る。 【構成】 この摺動部材は、基体1の表面6に、4a
族、5a族又は6a族の元素及びSi又はAlの炭化
物、窒化物又は硼化物を母相とする皮膜2が形成され、
しかも該皮膜2上に4a族、5a族、6a族、7a族、
8族、1b族及び2bの元素少なくとも1種以上の元素
を含む表面皮膜3が形成されている。皮膜2は硬質で耐
摩耗性を向上させ、表面皮膜3は摩擦係数及び摩耗量を
低減する機能を果たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、基体表面に皮膜を有
する摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窒化ケイ素Si3 4 中に窒化硼
素BN等の固体潤滑材を分散させて摩擦係数を低減する
ものは、例えば、特開昭59−30769号公報に開示
されている。また、焼結助剤として、Fe3 4 等の鉄
Feの酸化物を添加した窒化ケイ素Si3 4 は、例え
ば、特開昭58−64268号公報、特開昭59−88
374号公報、特開昭61−72685号公報等に開示
されている。
【0003】また、摺動部材として、母材の表面にTi
N,TiC,Si3 4 等のセラミックコーティングを
行い、耐摩耗性を向上させるものは知られている。ま
た、複合摺動部材として、Al等の合金にセラミックス
を種々の方法で複合化し、例えば、セラミックプリフォ
ームを作製した後、含浸等により金属とセラミックスを
複合化させたものが知られている。そして、金属基体に
セラミックスを被覆する場合に、溶射等が一般的に実用
化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、母材の
表面にセラミックコーティングを施した摺動部材は、セ
ラミックスが金属に比較して一般に潤滑油の吸着性が劣
っており、そのため耐摩耗性が優れるが、摩擦係数が大
きくなるという性質を有している。また、上記複合摺動
部材は、セラミックスを主に耐摩耗性材料として機能さ
せており、摩擦係数μの低下を意図するものではなく、
あるいは摩擦係数μを大幅に低下させることを意図した
ものではない。また、上記のように、Al合金等の金属
にセラミックス粒子、ウィスカーを配した摺動部材で
は、摺動部材自体の耐摩耗性は金属基体に比較して向上
しているものの、オイル吸着性が優れているというもの
ではなく、一概に摩擦係数μは低いというものではな
い。更に、摺動条件の厳しい場所では、摺動部材の表面
の油膜が切れ、スティック等のトラブルが生じることに
なる。
【0005】そこで、本出願人は、上記の課題を解決す
るため、低摩擦セラミックスを開発して先に出願した
(特願平5−95048号)。該低摩擦セラミックス
は、Si3 4 又はSiCのSiを主成分とする母相中
にFeO,Fe2 3 ,Fe3 4 等のFeの酸化物を
分散させ、大気中において表面からやや内部にかけて酸
化させ、化合物として存在していたFe−Si系の化合
物をオイルとの吸着性に優れたFe−O系の酸化物に変
化させることによって低摩擦化したものである。
【0006】この発明の目的は、上記の課題を解決する
ことであり、硬質の基体表面にセラミックコーティング
等の硬質皮膜を形成し、更に硬質皮膜上に潤滑油の吸着
に優れる元素の酸化物層からなる表面皮膜を形成し、摩
擦係数及び摩耗量を低減した摺動部材を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、基体表面に、Hv800以上の硬度を有し
且つ4a族、5a族、6a族に属する元素及びSi,A
lの炭化物、窒化物、硼化物を母相とする皮膜が形成さ
れ、しかも前記皮膜上に4a族、5a族、6a族、7a
族、8族、1b族、2b族に属する1種以上の元素を含
む表面皮膜がコーティングされていることを特徴とする
摺動部材に関する。
【0008】また、この摺動部材において、前記表面皮
膜は、Fe、その酸化物、珪化物、窒化物、炭化物及び
それらの内2種以上の複合物から構成されているもので
ある。
【0009】また、この摺動部材において、前記表面皮
膜は、Cu,Cr,Ni,Mo,Co,Mn,W,P
b,Agの少なくとも1種以上の元素から構成されてい
るものである。
【0010】また、この摺動部材において、前記皮膜と
前記表面皮膜との境界層は、前記皮膜を構成する元素と
前記表面皮膜を構成する元素との混合層から形成されて
いるものである。
【0011】また、この摺動部材において、前記表面皮
膜及び前記混合層は前記皮膜に比較してO濃度が高いも
のである。
【0012】
【作用】この発明による摺動部材は、上記のように構成
されており、次のように作用する。即ち、この摺動部材
は、基体表面にHv800以上の硬度を有し且つ4a
族、5a族、6a族の元素及びSi,Alの炭化物、窒
化物、硼化物を母相とする皮膜が形成され、しかも前記
皮膜上に4a族、5a族、6a族、7a族、8族、1b
族、2b族に属する1種以上の元素を含む表面皮膜がコ
ーティングされているので、前記皮膜は硬質であり耐摩
耗性を向上させることができ、また、前記表面皮膜は潤
滑油の吸着性に優れ、摩擦係数及び摩耗量を低減でき
る。即ち、4a族〜2b族の元素は吸着性に優れている
ので、該元素の化合物を前記皮膜上にイオンプレーティ
ング等でコーティングすることによって、表面の油膜が
切れ難くなり、その結果、優れた耐摩耗性を発揮し、低
い摩擦係数を示すことになる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による摺動
部材の実施例を説明する。この摺動部材は、図1に示す
ように、金型用鋼材(例えば、SKD11)等の基体1
の表面6上に、Hv800以上の硬度を有し且つ4a
族、5a族、6a族の元素及びSi,Alの炭化物、窒
化物、硼化物を母相とする皮膜2が形成され、しかも皮
膜2の表面5に4a族、5a族、6a族、7a族、8
族、1b族、2b族に属する一種以上の元素を含む表面
皮膜3がコーティングされているものである。
【0014】ここで、4a族の元素はTi,Zr,Hf
であり、5a族の元素はV,Nb,Taであり、6a族
の元素はCr,Mo,Wであり、7a族の元素はMn,
Tc,Reであり、8族の元素はFe,Co,Ni,R
u,Rh,Pd,Os,Ir,Ptである。また、1b
族の元素はCu,Ag,Auであり、2b族の元素はZ
n,Cd,Hgである。
【0015】この摺動部材において、表面皮膜2は、F
e、Fe酸化物、Fe珪化物、Fe窒化物、Fe炭化物
及びそれらの内2種以上の複合物から構成されているも
のである。また、表面皮膜2は、Cu,Cr,Ni,M
o,Co,Mn,W,Pb,Agの少なくとも1種以上
の元素から構成されているものである。特に、この摺動
部材では、皮膜2と表面皮膜3との境界層は、皮膜2を
構成する元素と表面皮膜3を構成する元素との混合層4
から形成されているものである。また、表面皮膜3及び
混合層4は、図2に示すように、皮膜2に比較してO濃
度が高いものである。図2はこの摺動部材についてのオ
ージェ(Auger)電子分光によるFe−O膜とTi
N膜のプロフィールを示すグラフである。図2には、こ
の摺動部材における表面皮膜3の表面7からのイオンの
注入深さ(μm)に対するTi,O,Feの組成比
(%)が示されている。
【0016】この発明による摺動部材の一実施例を図1
を参照して実施例1として説明する。図1はこの発明に
よる摺動部材を誇張して示す説明図である。 〔実施例1〕この摺動部材を作製するには、まず、硬質
の基体1として金型用鋼材(例えば、SKD11)を使
用し、該金型用鋼材を大きさ16×10×70mmの直
方体形状の試験片即ち基体1を作製した。この金型用鋼
材の基体1の表面6にイオンプレーティングあるいはC
VD(化学蒸着)によってHv800以上の硬度を有す
る硬質皮膜2となるTiN,TiC,Si3 4 ,WC
をコーティングして各種の摺動試験片を作製した。更
に、これらの摺動試験片におけるコーティングした硬化
膜即ち皮膜2の表面5に、雰囲気ガス(O2 ,N2 ,C
4 )を用いたスパッタリングによりFeの酸化物、窒
化物、炭化物の膜をコーティングした。更に、イオンプ
レーティングによってFe膜、Fe−Si膜のコーティ
ングも行った。即ち、これらのコーティング即ち皮膜2
へのコーティングによって、皮膜2上に境界層4と表面
皮膜3とが形成される。
【0017】一方、摺動試験の相手材として、鋳鉄から
作製された鋳鉄ピンと、相対密度99%以上のSi3
4 焼結体から作製されたSi3 4 ピンを使用した。鋳
鉄ピンとSi3 4 ピンの各端面は曲率半径9mmの球
面であり、それらのサイズはφ8×23mmにそれぞれ
形成されている。往復動摺動試験機において、試験片の
面(即ち直方体形状の基体1上に皮膜2、境界層4及び
表面皮膜3を有する面)に対して鋳鉄ピンとSi3 4
ピンをほぼ垂直になるようにセットし、荷重1kgf、
温度150℃、摺動速度0.5m/sの条件で摺動試験
を行い、摩擦係数μ及び試験片、鋳鉄ピン及びSi3
4 ピンの摩耗量(×10- 6 mm3 /N・m)を測定し
た。それらの結果を、表1及び表2に示す。
【表1】
【表2】
【0018】表1は、皮膜2即ち硬化膜がTiN、Ti
C、Si3 4 及びWCであり、且つSi3 4 ピンを
使用した場合の摺動試験片についての摩擦係数と比摩耗
量(×10- 6 mm3 /N・m)を示しており、Si3
4 ピンについての比摩耗量も示している。表2は、皮
膜2即ち硬化膜がTiN、TiC、Si3 4 及びWC
であり、且つ鋳鉄ピンを使用した場合の摺動試験片につ
いての摩擦係数と比摩耗量(×10- 6 mm3 /N・
m)を示しており、Si3 4 ピンについての比摩耗量
も示している。
【0019】各摺動試験片に対する摺動試験を行った結
果を示す表1及び表2を考慮すると、表1から分かるよ
うに、基体1に表面硬化膜をコーティングした皮膜2及
び皮膜2にFe及びその化合物をコーティングした境界
層4及び表面皮膜3を有する摺動試験片は、基体1に皮
膜2の表面硬化膜のみをコーティングしたものに比較し
て、摩擦係数及び比摩耗量は小さくなっていることが分
かる。特に、表2から分かるように、基体1に表面硬化
膜をコーティングした皮膜2及び皮膜2にFe及びその
化合物をコーティングした境界層4及び表面皮膜3を有
する摺動試験片は、基体1に皮膜2の表面硬化膜のみを
コーティングしたものに比較して、比摩耗量が大幅に小
さくなっていることが分かる。
【0020】次に、この発明による摺動部材の別の実施
例を実施例2として説明する。この実施例1の摺動部材
は、実施例1のものと構造上は同一のものであるので、
実施例1と同様に図1を参照して説明する。 〔実施例2〕この摺動部材を作製するには、硬質の基体
1として金型用鋼材(例えば、SKD11)を使用し、
該金型用鋼材を大きさ16×10×70mmの直方体形
状の試験片即ち基体1を作製した。この金型用鋼材の基
体1の表面6にイオンプレーティング及びCVD(化学
蒸着)によってHv800以上の硬度を有する硬質皮膜
2となるTiN,TiC,Si3 4 ,WCをコーティ
ングして各種の摺動試験片を作製した。更に、これらの
摺動試験片におけるコーティングした硬化膜即ち皮膜2
の表面5に、雰囲気ガス(O2 )を用いたイオンプレー
ティング及びスパッタリングによりCu,Cr,Ni,
Mo,Co,Mn,W,Pb,Agの酸化物の膜をコー
ティングした。即ち、皮膜2へのコーティングによっ
て、皮膜2上に境界層4と表面皮膜3とが形成される。
【0021】一方、摺動試験の相手材として、鋳鉄から
作製された鋳鉄ピンと、相対密度99%以上のSi3
4 焼結体から作製されたSi3 4 ピンを使用した。鋳
鉄ピンとSi3 4 ピンの各端面は曲率半径9mmの球
面であり、それらのサイズはφ8×23mmにそれぞれ
形成されている。往復動摺動試験機において、試験片の
面(即ち直方体形状の基体1上に皮膜2、境界層4及び
表面皮膜35を有する面)に対して鋳鉄ピンとSi3
4 ピンをほぼ垂直になるようにセットし、荷重1kg
f、温度150℃、摺動速度0.5m/sの条件で摺動
試験を行い、摩擦係数μ、及び試験片、鋳鉄ピン及びS
3 4 ピンの摩耗量(×10- 6 mm3/N・m)を
測定した。それらの結果を、表3、表4、表5及び表6
に示す。
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0022】表3は、皮膜2即ち硬化膜がTiN及びT
iCであり、且つSi3 4 ピンを使用した場合の摺動
試験片についての摩擦係数と比摩耗量(×10- 6 mm
3 /N・m)を示しており、Si3 4 ピンについての
比摩耗量も示している。表4は、皮膜2即ち硬化膜がS
3 4 及びWCであり、且つSi3 4 ピンを使用し
た場合の摺動試験片についての摩擦係数と比摩耗量(×
10- 6 mm3 /N・m)を示しており、Si3 4
ンについての比摩耗量も示している。また、表5は、皮
膜2即ち硬化膜がTiN及びTiCであり、且つ鋳鉄ピ
ンを使用した場合の摺動試験片についての摩擦係数と比
摩耗量(×10- 6 mm3 /N・m)を示しており、鋳
鉄ピンについての比摩耗量も示している。表6は、皮膜
2即ち硬化膜がSi3 4 及びWCであり、且つ鋳鉄ピ
ンを使用した場合の摺動試験片についての摩擦係数と比
摩耗量(×10- 6 mm3 /N・m)を示しており、鋳
鉄ピンについての比摩耗量も示している。
【0023】各摺動試験片に対する摺動試験を行った結
果を示す表3〜表6を考慮すると、表3及び表4から分
かるように、基体1に表面硬化膜をコーティングした皮
膜2及び皮膜2に上記酸化物をコーティングした境界層
4及び表面皮膜3を有する摺動試験片は、基体1に皮膜
2の表面硬化膜のみをコーティングしたものに比較し
て、摩擦係数及び比摩耗量は小さくなっていることが分
かる。特に、表5及び表6から分かるように、基体1に
表面硬化膜をコーティングした皮膜2及び皮膜2に上記
酸化物をコーティングした境界層4及び表面皮膜3を有
する摺動試験片は、基体1に皮膜2の表面硬化膜のみを
コーティングしたものに比較して、比摩耗量が大幅に小
さくなっていることが分かる。
【0024】また、この摺動部材について、上記実施例
で得られた皮膜2の元素分析を行ったところ、図2に示
すように、皮膜2と表面皮膜3との間にはそれぞれの元
素から成る混合層即ち境界層4が形成されていることが
分かった。皮膜2のO濃度に比較して、境界層4及び表
面皮膜3のO濃度が高いことが分かる。
【0025】また、この発明による摺動部材の更に別の
実施例を説明する。この実施例は、上記実施例と同様に
基体として金型用鋼材(例えば、SKD11)を使用
し、該金型用鋼材を大きさ16×10×70mmの直方
体形状の試験片即ち基体を作製した。この金型用鋼材の
基体の表面に、上記実施例と同様のHv800以上の硬
度を有する皮膜としてAl2 3 ,TiB2 をコーティ
ングし、該皮膜上に表面皮膜3をコーティングした摺動
部材を作製し、それらの摺動部材について、上記実施例
と同様に摺動試験を行った。その結果は、上記実施例と
同様な摩擦係数μの低減と比摩耗量の低減が認められ
た。
【0026】この発明による摺動部材では、上記のこと
より、皮膜2はHv800以上の硬度を有するものであ
れば、その皮膜2に潤滑油を吸着する表面改質層5が存
在すれば、低摩擦係数μを示し、且つ摩耗量を低減でき
ることが分かる。即ち、この摺動部材については、硬質
の金属又はセラミックスから成る基体1の表面6に、耐
摩耗性を目的とするセラミックコーティング等の硬質皮
膜を形成し、その硬質皮膜の表面に潤滑油の吸着に優れ
るFe,Cu,Cr,Ni,Mo,Co,Mn,W,P
b,Agの少なくとも1種以上の元素から成る化合物を
コーティングして表面皮膜3を形成することにより、摩
擦係数μを低減し、摩耗量も低減することができるもの
である。
【0027】
【発明の効果】この発明による摺動部材は、上記のよう
に構成されており、次のような効果を有する。即ち、こ
の発明は、基体表面に、Hv800以上の硬度を有し且
つ4a族、5a族、6a族に属する元素及びSi,Al
の炭化物、窒化物、硼化物を母相とする皮膜が形成さ
れ、しかも前記皮膜上に4a族、5a族、6a族、7a
族、8族、1b族、2b族に属する1種以上の元素を含
む表面皮膜がコーティングされているので、前記皮膜が
硬質皮膜となって耐摩耗性を向上させ、また、前記表面
皮膜が潤滑油の吸着性を発揮し、摩擦係数を低減すると
共に、摩耗量を低減させることができ、摺動部材として
適用して極めて好ましいものである。しかも、4a族〜
2b族の元素を含む前記表面皮膜はFe化合物及びC
u,Cr,Ni,Mo,Co,Mn,W,Pb,Agの
少なくとも1種以上の元素を含む酸化物層を形成し、そ
の表面皮膜が前記皮膜にコーティングされて吸着性に優
れた膜として機能し、油膜の途切れ難い低摩擦化を確保
でき、耐摩耗性に富んだ安定したものとなり、摺動部に
使用してもスティック等のトラブルが発生することがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるセラミックス摺動部材の一実施
例を誇張して示す構造図である。
【図2】この摺動部材についてのオージェ(Auge
r)電子分光によるFe−O膜とTiN膜のプロフィー
ルを示すグラフである。
【符号の説明】
1 基体 2 皮膜 3 表面皮膜 4 境界層 5 皮膜の表面 6 基体の表面 7 表面皮膜の表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16D 69/00 M // C10N 10:08 10:10 10:12 10:14 10:16 20:00 20:06 30:06 40:02 50:02 70:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面に、Hv800以上の硬度を有
    し且つ4a族、5a族、6a族に属する元素及びSi,
    Alの炭化物、窒化物、硼化物を母相とする皮膜が形成
    され、しかも前記皮膜上に4a族、5a族、6a族、7
    a族、8族、1b族、2b族に属する1種以上の元素を
    含む表面皮膜がコーティングされていることを特徴とす
    る摺動部材。
  2. 【請求項2】 前記表面皮膜は、Fe、その酸化物、珪
    化物、窒化物、炭化物及びそれらの内2種以上の複合物
    から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    摺動部材。
  3. 【請求項3】 前記表面皮膜は、Cu,Cr,Ni,M
    o,Co,Mn,W,Pb,Agの少なくとも1種以上
    の元素から構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の摺動部材。
  4. 【請求項4】 前記皮膜と前記表面皮膜との境界層は、
    前記皮膜を構成する元素と前記表面皮膜を構成する元素
    との混合層から形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の摺動部材。
  5. 【請求項5】 前記表面皮膜及び前記混合層は前記皮膜
    に比較してO濃度が高いことを特徴とする請求項1に記
    載の摺動部材。
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