JP2979530B2 - セラミックディスクバルブ - Google Patents

セラミックディスクバルブ

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JP2979530B2
JP2979530B2 JP3127745A JP12774591A JP2979530B2 JP 2979530 B2 JP2979530 B2 JP 2979530B2 JP 3127745 A JP3127745 A JP 3127745A JP 12774591 A JP12774591 A JP 12774591A JP 2979530 B2 JP2979530 B2 JP 2979530B2
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勝治 鎌田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォーセットバルブな
どのディスク状をしたバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】湯水混合栓用フォーセットなど、2枚の
ディスク状弁体を互いに摺接した状態で相対移動させる
ことによって、各弁体に形成した流体通路の開通、遮断
を行うようにしたバルブが一般的に用いられている。例
えば、図1に示すように、固定弁体2と可動弁体1を、
互いの摺接面1a、2aで接した状態としておいて、レ
バー3の操作で可動弁体1を移動させることによって、
供給流体の開閉、切替え、調節、混合等の制御を行うこ
とができるようになっていた。
【0003】この種のバルブに対する要求特性は、下記
の通りであった。
【0004】(1) 各弁体間のシール性が保持されている
こと(日本水道協会規格耐圧17.5kg/cm2 での
水漏れが無いこと) (2) レバー操作トルクが小さいこと(10kgf・cm
以下) (3) レバー操作トルクが長期間の使用に際して変化しに
くいこと これらの要求特性を満たすために、近年では、各弁体の
材質として、アルミナ、炭化珪素等のセラミックが用い
られていた。この場合、可動弁体1、固定弁体2の摺接
面1a、2aの中心線平均粗さ(Ra)をそれぞれ、
0.2μm以下、および0.3〜0.6μmとし、かつ
各摺接面1a、2aの平坦度を1μm以下とすればよい
ことを、本出願人は既に提案した(特開平1−1163
86号公報参照)。
【0005】
【従来技術の課題】ところが、上記の如き従来のセラミ
ックディスクバルブでは、セラミックが耐磨耗性、耐蝕
性に優れているため、長期間安定なものであるが、各弁
体間の摺動特性を上記要求レベルとするために、潤滑剤
が不可欠であった。そのため、長期使用中には、この潤
滑剤が流出して操作トルクが大きくなるという問題点が
あった。また、潤滑剤の種類によっては、長期使用中に
劣化したり、ゴミ等の付着による摺動特性の悪化も避け
られなかった。
【0006】さらに、これらの問題を解決するために、
各弁体の少なくともいずれか一方を、三次元網目構造の
多孔質セラミックスで形成し、このセラミックスの開放
気孔中に樹脂やオイルなどを含浸させたものもあった
(特開昭61−206875号、61−244980
号、62−4949号、62−37517号公報等参
照)。しかし、これは、複合材料であり、異材質の組合
せであるため、各弁体間の硬度差により、一方の弁体の
磨耗が進み、初期の摺接面が維持されず、結果として操
作トルクが大きくなるという問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて本発明は、
セラミックディスクバルブにおいて、2枚の弁体のうち
一方の摺接面を中心線平均粗さ(Ra)0.2μm以下
の滑らかな面とし、他方の摺接面を中心線平均粗さ(R
a)0.3〜0.6μm、結晶曲率半径2μm以上とし
たものである。
【0008】なお、本発明において表面の結晶曲率半径
とは、セラミックス表面近傍部分の切断面を電子顕微鏡
で拡大して写真撮影し、この写真をもとにして、表面に
露出した結晶の最も鋭いエッジ部分の曲率半径を測定し
た値のことである。即ち、本発明のセラミックディスク
バルブは、摺接面の結晶曲率半径が2μm以上と大き
く、結晶が丸みを帯びていることから、摺接面の実体摺
動面積(Real Area of Contact)
が小さく、摺動性を高めることができる。
【0009】また、このような摺接面は、例えば焼結後
のセラミックス表面に研削等の加工を施した後、再焼成
することによって得ることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0011】図1に示す湯水混合栓のバルブは、セラミ
ックスからなる固定弁体2と可動弁体1が摺接した状態
で配置され、レバー3で可動弁体1を移動させることに
よって、流通路の連通、遮断を行うようになっている。
このとき、可動弁体1と固定弁体2の摺接面1a、2a
が摺動することとなるが、レバー3の操作トルクを低く
し、かつシール性を高めるためには、この摺接面1a、
2aの状態が重要である。
【0012】本発明のセラミックディスクバルブにおい
て、図1中のA部を1500倍に拡大した電子顕微鏡写
真の概略図を図2に示すように、固定弁体2の摺接面2
aを形成するセラミックスの結晶2bは、結晶曲率半径
が2μm以上と鋭いエッジのない丸みを帯びた形状であ
り、かつ摺接面2a全体として中心線平均粗さ(Ra)
0.3〜0.6μmと適度に凹凸を持っている。そのた
め、セラミックディスクバルブとして使用した時に、摺
接面1a、2aの実体摺動面積が小さく、かつ互いにキ
ズを付けにくいことから、長期にわたって低い操作トル
クを維持できる。
【0013】また、このように摺接面2aの結晶を丸み
を帯びた状態とするためには、セラミック体を再焼成す
ればよい。即ち、本発明のセラミックディスクバルブを
構成する固定弁体2の製造方法は以下の通りである。ま
ず、アルミナセラミック原料を所定の円盤形状に成形し
た後、1600〜1700℃の温度で焼成する。次に、
得られたセラミック体の表面をダイヤモンド砥粒で研磨
するが、このときのダイヤモンド砥粒の粒度を変化させ
ることで、自由にセラミック体の表面粗さを変化させる
ことができる。最後に、このセラミック体を再焼成する
が、このときの温度は、焼成温度以下の1000〜16
00℃とすればよい。そして、このように再焼成するこ
とによって、摺接面2aの結晶が、鋭いエッジのない丸
い形状となる。
【0014】参考までに、上記製造工程中、ダイヤモン
ド砥石による研摩後の摺接面2aの状態(従来のセラミ
ックディスクバルブの摺接面に相当する)を図3に示
す。これを図2と比較すれば明らかなように、再焼成す
ることによって、摺接面2aの結晶を丸くできることが
わかる。
【0015】なお、本発明では、上記のようにセラミッ
ク体表面の結晶の丸みの大きさを表すために結晶曲率半
径を測定した。これは、図2に示すように、摺接面2a
近傍の断面の拡大写真を撮影し、この写真上で、表面に
露出した結晶の最も鋭いエッジの曲率半径Rを測定した
ものである。したがって、結晶曲率半径が大きいほど結
晶が丸みを帯びたものであることになる。
【0016】また、上記実施例では、固定弁体2の摺接
面2aのみについて述べたが、可動弁体1の摺接面1a
は再焼成は行わずに、中心線平均粗さ(Ra)0.2μ
m以下の滑らかな面としてある。これは、両方の摺接面
を、再焼成するとシール性が悪くなってしまうためであ
る。即ち、本発明のセラミックディスクバルブは、可動
弁体1、固定弁体2のいずれか一方の摺接面を中心線平
均粗さ(Ra)0.3〜0.6μmで、再焼成を行って
結晶曲率半径2μm以上とし、他方の摺接面は中心線平
均粗さ(Ra)0.2μm以下で再焼成は行わないもの
が良い。
【0017】また、上記可動弁体1、固定弁体2のう
ち、再焼成を行う方の弁体は、Al2 3 を主成分と
し、SiO2 、CaO、MgOなどの公知の焼結助剤を
含むアルミナセラミックスを用いるが、他方の弁体は、
アルミナセラミックスに限らず、ジルコニア、炭化珪
素、窒化珪素などのセラミックスを用いてもよい。
【0018】実験例1 次に、本発明のセラミックディスクバルブを試作して、
実験を行った。
【0019】平均粒子径3μmのAl2 3 粉末にTi
を3〜5重量%、SiO2 を4重量%、MgOを0.5
重量%、CaOを0.5重量%添加し、さらに成形助剤
としてPVA、PEGを各々2重量%、その他有機物を
数重量%添加し、アルミナボールを用いてボールミル粉
砕混合を約50時間行った。得られたスラリー状原料を
スプレードライヤーで造粒し、乾式加圧成形後、酸化雰
囲気中、約1600℃で焼成を行った。得られた焼結体
は、平均結晶粒子径が5〜20μm の針状結晶で、Al
2 3 含有量が約90%、嵩比重3.6の緻密質で、ビ
ッカース硬度1200kg/mm2 (荷重500g)、
曲げ強度3500kg/mm2 、ヤング率2.7×10
6 kg/cm2 であった。
【0020】この焼結体を図1に示した可動弁体1、固
定弁体2とし、その摺接面1a、2aをGC砥粒により
荒研磨した後、ダイヤモンド砥粒により最終仕上げ加工
を行った。このとき、固定弁体2の摺接面2aを中心線
平均粗さ(Ra)0.3〜0.6μm、平坦度1μm以
下とし、また、可動弁体1の摺接面1aを中心線平均粗
さ(Ra)0.2μm以下、平坦度1μm以下とした。
【0021】その後、固定弁体2のみを約1200℃で
再焼成した。再焼成の前後での表面状態を比較したとこ
ろ、表1に示すように結晶曲率半径が大きくなり、その
結果実体摺動面積が減少することがわかった。なお、こ
こで実体摺動面積とは、画像解析によって摺接面2aの
摺動部分の面積を直接測定したもので、再焼成前を1と
したときの比を求めた。また、表1によれば、再焼成す
ることによって平坦度が悪くなるが、平坦度1μm以下
であれば問題ない。
【0022】
【表1】
【0023】次に、比較例として、可動弁体1と固定弁
体2の両方を再焼成したもの(比較例1)および可動弁
体1、固定弁体2のいずれも再焼成しないもの(比較例
2)を用意し、上記本発明実施例とともに、使用試験を
行った。いずれも、潤滑剤を用いずに、操作を繰り返し
た時の操作トルクの値を測定した。結果は、表2および
図4に示す通りである。
【0024】さらに、上記と同様にして、水圧を変化さ
せた時のシール性評価試験も実施した。この結果は表3
に示す通りである。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】これらの結果より明らかに、比較例2は摺
接面の結晶が丸みを帯びたものでないため、10万サイ
クルを越えると極端に操作トルクが大きくなるという問
題点があった。一方比較例1は、両方の摺接面1a、2
aを共に再焼成したため、操作トルクは低かったもの
の、表3に示すようにシール性が悪く、17.5kg/
cm2 での水漏れがあった。
【0028】これに対し、本発明実施例では、一方の摺
接面2aのみを再焼成したため、表2、図4に示すよう
に低い操作トルクを長期間維持でき、かつ表3に示すよ
うにシール性も優れていた。
【0029】実験例2 次に、上記本発明実施例において、固定弁体2の摺接面
2aの表面粗さを変化させて同様の試験を行った。結果
は表4に示すように、摺接面2aの中心線平均粗さ(R
a)が0.3μmより小さいと操作トルクが大きく、一
方中心線平均粗さ(Ra)が0.6μmより大きいとシ
ール性が悪かった。したがって、摺接面2aの中心線平
均粗さ(Ra)は0.3〜0.6μmのものが良かっ
た。
【0030】また、摺接面2aの平均結晶粒子径を変化
させて同様の試験を行ったところ、平均結晶粒子径は8
〜25μmの範囲が良いことが確認された。
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】このように本発明によれば、セラミック
ディスクバルブにおいて、2枚の弁体のうち一方の摺接
面を中心線平均粗さ(Ra)0.2μm以下の滑らかな
面とし、他方の摺接面を中心線平均粗さ(Ra)0.3
〜0.6μmとし、結晶曲率半径2μm以上としたこと
によって、潤滑剤を用いることなく、長期間にわたっ
て、高シール性を保ったまま、小さな操作トルクを維持
できる。したがって、前記したディスクバルブの要求特
性をすべて満たすことができ、湯水混合栓用フォーセッ
トなどに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックディスクバルブの構造を示す断面図
である。
【図2】図1中のA部の拡大断面図である。
【図3】図2に相当する、比較例の拡大断面図である。
【図4】本発明および比較例のディスクバルブにおけ
る、サイクル数と操作トルクの関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 ・・・可動弁体 1a・・・摺接面 2 ・・・固定弁体 2a・・・摺接面 3 ・・・レバー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックスの板状体からなる2枚の弁体
    を摺接させて流路の開通、遮断を行うようにしたディス
    クバルブにおいて、一方の弁体の摺接面を中心線平均粗
    さ(Ra)0.2μm以下の滑らかな面とし、他方の弁
    体の摺接面を中心線平均粗さ(Ra)0.3〜0.6μ
    m、結晶曲率半径2μm以上としたことを特徴とするセ
    ラミックディスクバルブ。
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