JP2018070413A - 摺動部品およびフォーセットバルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い摺動特性を有し、かつ長期間に亘って高い摺動特性を維持する摺動部品を提供する。【解決手段】 本開示の摺動部品は、固定部材と、該固定部材に当接して摺動する可動部材とを備えている。前記固定部材および前記可動部材のいずれか一方の部材は、グラファイトからなる複数の粒状部が分散して位置する、炭化珪素が主成分である第1セラミックスからなり、他方の部材は、酸化アルミニウムが主成分である多孔質の第2セラミックスからなる。【選択図】 図2
Description
本開示は、摺動部品およびフォーセットバルブに関する。
従来、シングルレバー混合栓、サーモスタッド混合栓をはじめとする水栓(湯水混合栓など)には、複数の板状の弁体(可動部材および固定部材)を互いに当接させた状態で相対摺動させることによって、各弁体に形成した流体通路の開閉を行うフォーセットバルブが使用されている。
このようなフォーセットバルブの例として、特許文献1では、セラミックス材よりなる固定ディスク部材と可動ディスク部材とを備え、少なくとも片方のディスク部材が自己潤滑性を有する炭化珪素−炭素系複合材料からなるディスクバルブが提案されている。
近年、従来のディスクバルブに比べてより高い摺動特性を有し、かつ、より長期間にわたって高い摺動特性を維持することができるディスクバルブが求められている。
本開示の摺動部品は、固定部材と、該固定部材に当接して摺動する可動部材とを備えた摺動部品であって、前記固定部材および前記可動部材のいずれか一方の部材は、グラファイトからなる複数の粒状部が分散して位置する、炭化珪素が主成分である第1セラミックスからなり、他方の部材は、酸化アルミニウムが主成分である多孔質の第2セラミックスからなる。本開示はまた、上記摺動部品を備えたことを特徴とするフォーセットバルブを併せて提供する。
高い摺動特性を有し、かつ長期間に亘って高い摺動特性を維持することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本明細書
の全図において、混同を生じない限り、同一部分には同一符号を付し、その説明を適時省略する。
の全図において、混同を生じない限り、同一部分には同一符号を付し、その説明を適時省略する。
図1は本実施形態の摺動部品の一例であるフォーセットバルブを示す、(a)は流体通路を開いた状態を示す斜視図であり、(b)は流体通路を閉じた状態を示す斜視図である。図2は、図1に示すフォーセットバルブの摺動部分を含む部分拡大断面図である。
図1に示すフォーセットバルブ10は、固定部材1と、固定部材1に当接して摺動する可動部材2とを備えた摺動部品である。固定部材1および可動部材2は、いずれも板状であり、固定部材1における摺動面1aと可動部材2における摺動面2aとが当接して摺動するように構成されている。固定部材1内および可動部材2内にはそれぞれ厚み方向に流路1b,2bを備えている。また、可動部材2にはレバー3が接続され、このレバー3を上下方向あるいは回転方向に動かすことにより可動部材2は可動するようになっている。そして、可動部材2の可動によって、流路1bと流路2bとが繋がったとき、流体通路が開いた状態、すなわち流体が流れる状態となる。
図1(a)に示すように、流体通路が開いた状態では、白抜き矢印方向から水、湯等の流体が流路2b、流路1bに順次流れ、フォーセットバルブ10に接続された蛇口(図示しない)から流体が吐出する。他方、図1(b)に示すように、レバー3で可動部材2を上下方向に動かすことによって流体通路を閉ざすことができ、蛇口からの流体の吐出を制止することができる。また、可動部材2を回転方向に動かすことによって流路1b,2bが繋がる部分の面積が調整されるので、蛇口から吐出する流体の温度を調整することができる。 本実施形態のフォーセットバルブ(摺動部品)10は、固定部材1と、固定部材1に当接して摺動する可動部材2とを備えた摺動部品であって、固定部材1および可動部材2のいずれか一方の部材は、グラファイトからなる複数の粒状部4が分散して位置する、炭化珪素が主成分である第1セラミックスからなる。また、他方の部材は、酸化アルミニウムが主成分である多孔質の第2セラミックスからなる。なお、本実施形態において多孔質とは、摺動面における開気孔の面積率が5%以上であることをいう。
以下、固定部材1が、グラファイトからなる複数の粒状部4が分散して位置する、炭化珪素が主成分である第1セラミックスからなり、可動部材2が、酸化アルミニウムが主成分である多孔質の第2セラミックスからなる例を挙げて説明する。そのため、以下の記載および図2においては、第1セラミックスに「1」の符号を付し、第2セラミックスに「2」の符号を付して説明する。
固定部材1である第1セラミックス1は、摺動面1aに、分散配置された状態でグラファイトからなる粒状部4が露出している。グラファイトは、炭素からなる結晶を主成分とする構造体である。グラファイトは摩擦抵抗が低いため、第1セラミックス1を備えたフォーセットバルブ10は摺動特性が比較的高い。
また、可動部材2である多孔質の第2セラミックス2は、摺動面2aに開気孔6が分散して位置している。本実施形態では、上述のように、第1セラミックス1の摺動面1aにはグラファイトからなる粒状部4が露出している。この粒状部4であるグラファイトは炭素からなる結晶を主成分としており、第2セラミックス2との摺動によって劈開して、比較的大きなサイズのグラファイト研磨屑2d(以降、単に研磨屑2dともいう)となり、摺動面2aの開気孔6に入り込む。
このとき、開気孔6の中に入り込んだ研磨屑2dの少なくとも一部は、開気孔6から突出して、第1セラミックス1の摺動面1aと当接する。このように、研磨屑2dと摺動面1aとが当接している部分では、研磨屑2dが第2セラミックス2を図中の上側に押し上
げるような力がはたらく。第1セラミックス1と第2セラミックス2とは比較的大きな力で押し合わされているが、このように研磨屑2dが第2セラミックス2を押し上げるような力が働いている部分の近傍では、第1セラミックス1と第2セラミックス2とが押し合わされる力が緩和されて摺動抵抗が小さくなるため、本実施形態のフォーセットバルブ(摺動部品)10は、摺動抵抗が小さい。
げるような力がはたらく。第1セラミックス1と第2セラミックス2とは比較的大きな力で押し合わされているが、このように研磨屑2dが第2セラミックス2を押し上げるような力が働いている部分の近傍では、第1セラミックス1と第2セラミックス2とが押し合わされる力が緩和されて摺動抵抗が小さくなるため、本実施形態のフォーセットバルブ(摺動部品)10は、摺動抵抗が小さい。
このように、本実施形態のフォーセットバルブ(摺動部品)10は、高い摺動特性が有している。また、摺動抵抗が小さいため、より長期間にわたって高い摺動特性を維持することができる。
図3は、第1セラミックスにおける摺動面の一例を示す顕微鏡写真であって、(a)はグラファイトを1質量%含む例であり、(b)はグラファイトを9質量%含む例である。
図3に示す摺動面は、グラファイトからなる複数の粒状部4が分散して位置している。グラファイトは脱離することによって、双方の摺動面に潤滑作用を与えるものである。また図3に示すように、第1セラミックスの摺動面にも、開気孔5が分散して位置していてもよい。
ここで、本実施形態における主成分とは、対象の部材を構成する全成分100質量%のうち、80質量%以上を占める成分をいう。各成分の同定はCuKα線を用いたX線回折装置(XRD)で行えばよく、各成分の含有量は、例えばICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(ICP)または蛍光X線分析装置(XRF)により求めればよい。同定された成分がSiCやB4Cであれば、ICPまたはXRFにより求めたSiおよびBの含有量の値を用いてSiCやB4Cに換算する。また、第1セラミックスに含まれるグラファイトは、炭素分析装置により、第1セラミックス中の炭素量(遊離炭素を除く)を求め、ここで得られた第1セラミックスの炭素量から、SiやBの炭化物換算に必要とした炭素量を差し引いた値をグラファイトの含有量とすればよい。
図4は、第2セラミックスにおける摺動面の一例を示す、(a)は顕微鏡写真であり、(b)および(c)は(a)のA部を拡大した顕微鏡写真である。図4に示す摺動面における開気孔6の面積率は11.1%である。第2セラミックスの摺動面における開気孔6の面積率が8%以上16%以下であるときには、フォーセットバルブとして必要な摺動面のシール性は維持しつつ、グラファイトの研磨屑が適度に配置されて高い摺動特性を実現することができる。
図4に示すように、摺動面に複数の開気孔6が分散して位置しており、摺動面における隣り合う開気孔6a,6b,6c,・・・の重心間距離x1,x2,x3,・・・の平均値xが、開気孔6a,6b,6c,・・・の円相当径d1,d2,d3,・・・の平均値dの2.7倍以上4.1倍以下であるときには、隣り合う開気孔6同士hの間隔が狭くなり過ぎず、研磨屑が入った開気孔6が適度な分散状態となるため、比較的良好な摺動特性を維持することができる。
具体的には、開気孔6a,6b,6c,・・・の重心間距離x1,x2,x3,・・・の平均値xは、例えば、8μm以上60μm以下であり、開気孔6a,6b,6c,・・・の円相当径d1,d2,d3,・・・の平均値dは、例えば、4μm以上16μm以下である。
また、開気孔6a,6b,6c,・・・の重心間距離x1,x2,x3,・・・の平均値xから開気孔6a,6b,6c,・・・の円相当径d1,d2,d3,・・・の平均値dを差し引いた値(x−d)が4μm以上であることが好適である。このような構成を満
たすときには、摺動を繰り返しても、開気孔同士が摺動面上で連通しにくくなるので、強度低下を抑制しつつ、シール性をより高くすることができる。
たすときには、摺動を繰り返しても、開気孔同士が摺動面上で連通しにくくなるので、強度低下を抑制しつつ、シール性をより高くすることができる。
次に、開気孔6a,6b,6c,・・・の重心間距離x1,x2,x3,・・・の測定方法は、まず、光学顕微鏡を用いて倍率を100倍として、ダイヤモンド砥粒で研磨して得られた摺動面を対象とする。この摺動面から開気孔6の大きさや分布が平均的に観察される部分を選択し、面積が1.0〜1.2mm2(例えば、横方向の長さが1.0〜1.2mm、縦方向の長さが1mm)となる範囲の画像を観察の対象として、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製、以下単に画像解析ソフトと記載する。)の重心間距離法という手法を適用する。また、開気孔6a,6b,6c,・・・の面積率および開気孔6a,6b,6c,・・・の円相当径d1,d2,d3,・・・の測定方法は、上記画像を観察の対象として、画像解析ソフトの粒子解析という手法を適用する。
重心間距離法および粒子解析の設定条件である粒子の明度、2値化の方法、小図形除去面積および雑音除去フィルタは、それぞれ暗、手動、1μm、有とする。そして、上述した手法により、開気孔6a,6b,6c,・・・の面積率,重心間距離x1,x2,x3,・・・および円相当径d1,d2,d3,・・・を求めることができる。
また、第1セラミックスは、グラファイトを1質量%以上9質量%以下含むものであってもよい。このような構成を満たすときには、摺動面の硬度が損なわれにくいので、摺動面の耐磨耗性を維持しつつ、摺動特性を向上させることができる。
また、第2セラミックスは、チタンを酸化物として含むものであってもよい。このような構成を満たすときには、チタンの酸化物は耐熱衝撃性が高いので、第2セラミックスの耐熱衝撃性が高くなる。
ここで、チタンの酸化物は、組成式が、例えば、TiOx(1.5≦x≦2.0)として示される酸化チタンやAl2TiO5として示されるチタン酸アルミニウムであり、その含有量はTiO2に換算して1質量%以上3.6質量%以下である。
また、第2セラミックスは、硼素を含むものであってもよい。このような構成を満たすときには、酸化アルミニウムとチタンの酸化物との結合力が高くなるので、摺動で発生する脱粒をさらに抑制することができる。硼素の含有量は、B2O3に換算して、例えば、0.26質量%以上0.66質量%以下である。
次に、本実施形態の摺動部品の製造方法について説明する。
第1セラミックスを得るには、まず、主成分である炭化珪素粉末と、水および必要に応じて炭化珪素粉末を分散させる分散剤とを、ボールミルまたはビーズミルにより40〜50時間混合してスラリーとする。このスラリーにグラファイト粉末と、このグラファイト粉末を分散させる分散剤(以下、グラファイト用分散剤という。)と、炭化硼素粉末および非晶質状の炭素粉末またはフェノール樹脂からなる焼結助剤と、バインダーとを添加して混合した後、噴霧乾燥することで主成分が炭化珪素である顆粒を得る。
なお、第1セラミックスの摺動面に複数の開気孔を分散配置する場合には、炭化珪素粉末および水とともに、予め、気孔形成剤として、シリコーンビーズ,スチレン,アクリル−スチレン共重合体の少なくとも1種からなる懸濁重合された樹脂ビーズ等を炭化珪素粉末100質量%に対して、例えば1質量%以上5質量%以下添加すればよい。
第1セラミックスにおけるグラファイトの含有量が1質量%以上9質量%以下となるようにするには、グラファイト粉末の添加量が炭化珪素粉末および焼結助剤の合計100質量%に対して、1質量%以上9質量%以下になるようにすればよい。
また、グラファイト用分散剤を用いることにより、疎水性であるグラファイト粉末に吸着して水を溶媒とするスラリー中に湿潤、浸透させることができるとともに、グラファイトの凝集を抑制するように作用するので、グラファイトを分散して含む顆粒を得ることができる。
そして、このグラファイト用分散剤としては、例えばポリカルボン酸ナトリウム等のカルボン酸塩,スルホン酸塩,硫酸エステル塩およびリン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤を用いることが好ましい。グラファイト粉末に吸着したアニオン界面活性剤は、グラファイト粉末に吸着することでグラファイト粉末はスラリー中に容易に湿潤、浸透し、アニオン界面活性剤が有する親水基の電荷反発により、グラファイト粉末の再凝集が抑制されるため、グラファイト粉末がスラリー中で凝集することなく十分に分散することができる。
また、このようなアニオン界面活性剤は、気孔形成剤を分散させることもできる。アニオン界面活性剤が気孔形成剤に吸着することで、気孔形成剤はスラリー中に容易に浸透するとともに、アニオン界面活性剤が有する親水基の電荷反発により、気孔形成剤の再凝集が抑制されるからである。
なお、焼結助剤は上述したもの以外、酸化アルミニウム粉末と酸化イットリウム等の希土類酸化物の粉末とを組み合わせてもよい。
次に、顆粒を所定の成形型に充填し、49〜147MPaの範囲で適宜選択される圧力で厚み方向から加圧、成形して第1セラミックスの前駆体である第1成形体を得る。
そして、第1成形体を窒素雰囲気中、温度を450〜650℃、保持時間を2〜10時間として脱脂して、脱脂体を得る。この脱脂体を不活性ガスの減圧雰囲気中、温度を1800〜2100℃、保持時間を3〜5時間として保持し、焼成することで第1セラミックスとすることができる。なお、不活性ガスについては特に限定されるものではないが、入手や取り扱いが容易であることから、アルゴンガスを用いることが好適である。
第1セラミックスは、研削、研磨等の加工後に摺動面となる主面を両頭研削盤や平面研削盤等で研削し、平均粒径が3μmのダイヤモンド砥粒を用いてアルミナ製のラップ盤で研磨した後、平均粒径が1μmのダイヤモンド砥粒を用いて錫製のラップ盤で研磨して摺動面とすることによって、固定部材および可動部材のいずれか一方の部材とすることができる。
主成分が酸化アルミニウムである第2セラミックスを得るには、まず、主成分である酸化アルミニウム粉末と、焼結助剤として酸化珪素、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムの各粉末と、酸化チタン粉末と、酸化鉄粉末、酸化ナトリウム粉末および酸化カリウム粉末の少なくともいずれか1種と、水および必要に応じて酸化アルミニウム粉末を分散させる分散剤と、バインダーとをボールミルまたはビーズミルにより40〜50時間混合してスラリーとする。
ここで、上記粉末の合計100質量%における酸化珪素粉末の含有量は4.7〜6.7質量%、酸化マグネシウム粉末の含有量は、0.37〜0.57質量%、酸化マグネシウム粉末の含有量は、0.22〜0.42質量%、酸化チタン粉末の含有量は1〜3.6質
量%以下、酸化鉄粉末、酸化ナトリウム粉末および酸化カリウム粉末の少なくともいずれか1種の含有量の合計は、0.05〜0.2質量%である。酸化鉄、酸化ナトリウムおよび酸化カリウムは、第2セラミックスを多孔質にする成分である。
量%以下、酸化鉄粉末、酸化ナトリウム粉末および酸化カリウム粉末の少なくともいずれか1種の含有量の合計は、0.05〜0.2質量%である。酸化鉄、酸化ナトリウムおよび酸化カリウムは、第2セラミックスを多孔質にする成分である。
また、硼素を含む第2セラミックスを得るには、上記粉末とともに、酸化硼素粉末を含めたスラリーにすればよい。
そして、スラリーを噴霧乾燥することで主成分が酸化アルミニウムである顆粒を得る。
次に、顆粒を所定の成形型に充填し、49〜147MPaの範囲で適宜選択される圧力で厚み方向から加圧、成形して第2セラミックスの前駆体である第2成形体を得る。
そして、第2成形体を大気雰囲気中、温度を1500〜1700℃、保持時間を2〜4時間として保持し、焼成することで酸化アルミニウムを主成分とする第2セラミックスを得ることができる。
第2セラミックスは、研削、研磨等の加工後に摺動面となる主面を両頭研削盤や平面研削盤等で研削した後、窒素雰囲気で温度を900〜1400℃として還元処理する。
そして、研削された主面を平均粒径が3μmのダイヤモンド砥粒を用いて銅製のラップ盤で研磨した後、平均粒径が1μmのダイヤモンド砥粒を用いて錫製のラップ盤で研磨して摺動面とすることによって、固定部材および可動部材のいずれかを他方の部材とすることができる。
そして、上述した製造方法によって得られた固定部材および可動部材の互いの摺動面を当接させることによって、本実施形態の摺動部品を得ることができる。
ここで、第1セラミックスを研磨して得られる摺動面は、算術平均高さ(Ra)が0.5μm以下であってもよい。このような構成を満たすときには、摺動面間の実質的な隙間を減少させられるので、シール性を高くすることができる。特に、この摺動面における算術平均高さ(Ra)は0.3μm以下であることが好適である。
ここで、算術平均高さRaは、JIS B 0601:2013(ISO 4287:1997、Amd.1:2009)に準拠して測定すればよく、測定長さおよびカットオ
フ値をそれぞれ5mmおよび0.8mmとし、触針式の表面粗さ計を用いて測定する場合であれば、例えば、摺動面に、触針先端半径が2μmの触針を当て、触針の走査速度は0.5mm/秒とすればよい。
フ値をそれぞれ5mmおよび0.8mmとし、触針式の表面粗さ計を用いて測定する場合であれば、例えば、摺動面に、触針先端半径が2μmの触針を当て、触針の走査速度は0.5mm/秒とすればよい。
上述したような製造方法によれば、潤滑剤の保持性能に優れ長期間に亘って高い摺動特性を維持することができるフォーセットバルブ、メカニカルシールリング等の摺動部品を得ることができる。
なお、例えば可動部材2を第1セラミックスで構成し、固定部材1を第2セラミックスで構成してもよい。このように本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
1 :固定部材
2 :可動部材
1a,2a :摺動面
1b,2b :流路
3 :レバー
4 :粒状部
5、6 :開気孔
2 :可動部材
1a,2a :摺動面
1b,2b :流路
3 :レバー
4 :粒状部
5、6 :開気孔
Claims (7)
- 固定部材と、該固定部材に当接して摺動する可動部材とを備えた摺動部品であって、
前記固定部材および前記可動部材のいずれか一方の部材は、グラファイトからなる複数の粒状部が分散して位置する、炭化珪素が主成分である第1セラミックスからなり、
他方の部材は、酸化アルミニウムが主成分である多孔質の第2セラミックスからなることを特徴とする摺動部品。 - 前記他方の部材は、摺動面における開気孔の面積率が8%以上16%以下であることを特徴とする請求項1に記載の摺動部品。
- 前記他方の部材は、摺動面における隣り合う開気孔の重心間距離の平均値が、前記開気孔の円相当径の平均値の2.7倍以上4.1倍以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の摺動部品。
- 前記第1セラミックスは、グラファイトを1質量%以上9質量%以下含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の摺動部品。
- 前記第2セラミックスは、チタンを酸化物として含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の摺動部品。
- 前記第2セラミックスは、硼素を含むことを特徴とする請求項5に記載の摺動部品。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の摺動部品を備えたことを特徴とするフォーセットバルブ。
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KR20200124269A (ko) * | 2018-04-03 | 2020-11-02 | 교세라 가부시키가이샤 | 플라즈마 처리 장치용 부재 및 이것을 구비하는 플라즈마 처리 장치 |
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