JP6196136B2 - 摺動装置 - Google Patents

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本発明は摺動装置に関する。
従来から、シングルレバー混合栓、サーモスタッド混合栓をはじめとする水栓(湯水混合栓など)には、複数の板状の弁体(可動弁体及び固定弁体)を互いに摺接させた状態で相対摺動させることによって、各弁体に形成した流体通路の開閉を行うフォーセットバルブが使用されている。このようなフォーセットバルブは互いに摺り合わされた状態で使用されることから高い耐摩耗性が求められており、高い耐摩耗性を有するセラミックスを主成分とする弁体が広く用いられている。フォーセットバルブにおいては、2つの弁体からの流体の漏れを防止するために、2つの弁体それぞれの摺動面の表面粗さはなるべく小さい方が良いと考えられており、フォーセットバルブに用いるセラミックスとしては例えば気孔率が0.2%未満である緻密質セラミックスが広く用いられている。
また、フォーセットバルブでは、弁体同士を相対移動するための操作力を比較的低くすることも求められており、弁体の摺動部分にグリース等の潤滑剤を介在させて弁体同士の滑り性を向上させたフォーセットバルブも広く用いられている。
しかし、潤滑剤を使用したフォーセットバルブでは弁体同士の摺動により比較的短い期間で摺動部分の潤滑剤が流出する為に、摺動面間で引っかかりや異音を生じるとともに徐々にレバーの操作力に必要な力が上昇するといった課題があった。
そこで近年では、例えば特許文献1に記載されているような、互いに摺動する弁体のうち少なくともいずれか一方の弁体の摺動面に、自己潤滑性を有するとともに耐摩耗性に優れたダイヤモンド状硬質炭素膜を被着したフォーセットバルブが提案されて実際に用いられている。
特開平09−292039号公報
自己潤滑性を有するとともに耐摩耗性に優れたダイヤモンド状硬質炭素膜は、それ自体はセラミックスとの密着性がそれほど高くない。このため従来のフォーセットバルブでは、緻密質セラミックスからなる基体の表面に直接ダイヤモンド状硬質炭素膜を形成するのではなく、特許文献1にも記載されているように、密着性を向上するためのチタン(Ti)やシリコン(Si)等の中間層を緻密質セラミックスからなる基体の表面に形成した後、この中間層の上にダイヤモンド状硬質炭素膜を形成する必要があった。このため、ダイヤモンド状硬質炭素膜が成膜された従来のフォーセットバルブでは、このダイヤモンド状硬質炭素膜の成膜にかかるコスト、ひいでは弁体の製造コストが大きくなり、フォーセットバルブが高価になっていた。また、流体の漏れを十分に抑制するために、弁体同士を押し合わせる力を大きくした場合など、ダイヤモンド硬質炭素膜であっても摺動抵抗が大きくなり操作に必要な力が大きくなることもあった。本発明はこのような課題を解決するためになされたものである。
上記課題を解決するために、本願発明は、互いに摺動する一対の摺動部材を備えた摺動装置であって、前記一対の摺動部材のうちの一方の摺動部材は、多孔質セラミックスを主成分とし表面に複数の開気孔を有する基体と、他方の摺動部材との当接領域に対応する前記基体の表面部分を覆って前記他方の摺動部材と当接する摺動面を構成するダイヤモンド状硬質炭素膜とを有し、前記表面部分にある前記開気孔の中に、ダイヤモンド状硬質炭素を主成分とする粒状体が配置されていることを特徴とする摺動装置を提供する。
本発明の摺動装置は、摺動抵抗が小さく、かつ製造コストが低く比較的安価にすることができる。
本発明の摺動装置の一実施形態であるフォーセットバルブを示す斜視図である。 図1に示すフォーセットバルブの一部を拡大した部分断面図である。 図1に示すフォーセットバルブの使用状態の一実施形態の斜視図であり、(A)はフォーセットバルブが閉じた状態を示し、(B)はフォーセットバルブが開いた状態を示している。 フォーセットバルブとして水栓に組み込まれる前の状態の固定弁体の概略断面図である。
以下、本発明の摺動装置の一実施形態であるフォーセットバルブ11について、図面を参照して説明する。図1はフォーセットバルブ11を示す斜視図である。また、図2はフォーセットバルブ11の一部を拡大した部分断面図である。さらに、図3はフォーセットバルブ11の使用状態の一実施形態の斜視図であり、(A)はフォーセットバルブ11が閉じた状態を示し、(B)はフォーセットバルブ11が開いた状態を示している。
本実施形態のフォーセットバルブ11は、互いに摺動する一対の摺動部材(固定弁体30および可動弁体20)を備えた摺動装置であって、一対の摺動部材(固定弁体30および可動弁体20)のうちの一方の摺動部材(本実施形態では固定弁体30)は、多孔質セラミックスを主成分とし表面に複数の開気孔62を有する基体60と、他方の摺動部材(本実施形態では可動弁体20)との当接領域に対応する基体60の表面部分61を覆って他方の摺動部材(可動弁体20)と当接する固定弁体摺動面31を構成するダイヤモンド状硬質炭素34とを有し、表面部分61にある開気孔62の中に、ダイヤモンド状硬質炭素を主成分とする粒状体66が配置されている。可動弁体20は第1流体通路22を備え、固定弁体30は第2流体通路32を備えている。
フォーセットバルブ11では、一方の摺動部材(固定弁体30)の基体60は炭化珪素(SiC)を主成分とし、他方の摺動部材(可動弁体20)はアルミナ(Al)を主成分としている。本明細書において主成分とは、50質量%以上であることをいう。基体60は炭化珪素(SiC)を75質量%以上含有し、可動弁体20はアルミナ(Al)を75質量%以上含有することが好ましい。
一方の摺動部材(固定弁体30)の基体60は、気孔率が0.5%以上かつ4.0%未満であり、平均気孔径が10μm以上かつ45μm以下となっている。気孔率はJISR2141に準拠したアルキメデス法による水中重量と乾燥重量の差による体積比換算といった測定方法で得られた値であり、気孔径は、まず、研磨砥粒を用いて研磨して得られる摺動面を工業顕微鏡を用いて観察する。研磨砥粒としては、例えば平均粒径1〜3μmのダイヤモンド砥粒を用いればよい。続いて工業顕微鏡を用いて、倍率を50倍とし、1箇所当たりの測定面積を2471μm×1853μmに設定した範囲を4箇所撮影して得られた画像を、画像解析ソフトを用いて解析する。この画像解析ソフトとしては、例えば、「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)を用い、円形粒子解析という手法を適用するといった測定方法で得られた値である。
また、ダイヤモンド状硬質炭素34の、固定弁体摺動面31を構成する部分の膜厚は0.8〜3.0μmとなっている。この膜厚は断面を電子顕微鏡写真で観察した画像から測定することができる。また粒状体66は、最大直径の平均値が2μm〜8μmとなっている。
ダイヤモンド状硬質炭素膜は、実質的に炭素からなり、若干の結晶質を含んでいても良いが基本的に非晶質構造をしたもので、規則的な結晶構造を持つダイヤモンド、立方晶窒化硼素(cBN)、六方晶窒化硼素(hBN)とは異なる組成のものである。この非晶質ダイヤモンド状硬質炭素膜をグラファイトやダイヤモンドの同定によく用いられるラマン分光分析装置を使って調べると、ダイヤモンドのピーク位置である1333cm−1と、グラファイトのピーク位置である1550cm−1の近傍にそれぞれピークを有するものである。なお、本実施形態のフォーセットバルブ11に用いるダイヤモンド状硬質炭素膜は、ピークがダイヤモンドあるいはグラファイトのいずれか一方に偏っていても良く、好ましくはダイヤモンドのピーク位置に偏っている方が良い。このようなダイヤモンド状硬質炭素膜は、ユニバーサル硬度が20〜50GPaと非常に硬い硬度を有しており耐摩耗性が高く、かつ表面の滑り性が高い。耐摩耗性と表面の滑り性の双方を高くする点で、ダイヤモンド状硬質炭素34の、固定弁体摺動面31を構成する部分の膜厚は0.8〜3.0μmであることが好ましい。
図3は、フォーセットバルブ11の使用状態について説明する図であり、フォーセットバルブ11が組み込まれた水栓19の内部の概略斜視図である。フォーセットバルブ11は、水栓19の図示しないケーシング部材の中に配置されており、可動弁体20がレバー40と組み合わされており、レバー40を操作することで可動弁体20が図3に記載の矢印の方向に摺動するように構成されている。レバー40には、流体が通る管路を備えた流体流入管42が設けられており、この流体流入管42と可動弁体20の第1流体通路22とが接続されている。このレバー40を操作することで、第1流体通路22と第2流体通路32とを連通させると、流体流入管42を通る流体が第1流体通路22と第2流体通路32とを通過して、固定弁体20の下側へ伝わっていく。一方、レバー40を操作することで可動弁体20を摺動させて、固定弁体30の固定弁体摺動面31によって第1流体通路22の下側の開口を閉じた場合、流体流入管42を通る流体はこの固定弁体摺動面31によって止められる。固定弁体30と可動弁体20とは、固定弁体摺動面31と可動弁体20の下側の主面21とが垂直な方向に沿って、例えば20N/mという大きな力で押し合わされており、固定弁体30と可動弁体20との当接部分に隙間が生じて流体が漏れることが抑制されている。このようにフォーセットバルブ11は、流体流入管42を通って流入する流体の流れを制御することができる。
本実施形態のフォーセットバルブ11は、固定弁体30が、固定弁体摺動面31を構成するダイヤモンド状硬質炭素34を有しているので、固定弁体30と可動弁体20との摺動抵抗が低く、可動弁体20を動かす操作に必要な力が小さくなっている。さらに固定弁体30の基体60が多孔質セラミックス(より詳しくは多孔質の炭化珪素(SiC))を主成分とし表面に複数の開気孔62を有している。このためフォーセットバルブ11では、例えば基体が緻密質セラミックスからなる場合に比べて、固定弁体摺動面31と主面21との当接面積が小さくなっており、固定弁体30と可動弁体20との摺動抵抗がさらに小さくされている。
また、フォーセットバルブ11は、複数の開気孔62を有する基体60の表面に例えばは物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)によってダイヤモンド状硬質炭素膜34が直接成膜されている。ダイヤモンド状硬質炭素膜34は、基体60の表面部分61に成膜されるとともに、表面部分61から開気孔62の内部の一部にまで連続して成膜されている。開気孔62を有する多孔質のセラミックスからなる基体60の表面に、このようにして成膜されたダイヤモンド状硬質炭素膜34は、アンカー効果によって基体60と比較的強く結合している。このように、フォーセットバルブ11の固定弁体30では、ダイヤモンド状硬質炭素膜64が基体60から剥がれ難い。
ダイヤモンド状硬質炭素はセラミックスとの結合性が比較的弱いので、従来は、セラミックスの表面にPVD等でダイヤモンド状硬質炭素膜を形成する場合は、予めチタン(Ti)やシリコン(Si)等のセラミックスともダイヤモンド状硬質炭素とも結合性が強い中間層をセラミックスの表面に設けて、その上にダイヤモンド状硬質炭素膜を形成していた。本実施形態のフォーセットバルブ11の固定弁体30では、このような中間層を形成せずに、多孔質炭化珪素セラミックスからなる基体60の表面に直接ダイヤモンド状硬質炭素膜34を形成しているが、上述のアンカー効果によってダイヤモンド状硬質炭素膜34が固定部材30と強固に結合している。本実施形態のフォーセットバルブ11は、固定弁体30の製造に必要な手間とコストとが少なく、ひいてはフォーセットバルブ11を安価に製造することができる。
また、フォーセットバルブ11では、固定弁体30が炭化珪素(SiC)を主成分としており、仮に固定弁体30の表面からダイヤモンド状硬質炭素膜が部分的に剥がれたとしても、露出するのは炭化珪素(SiC)を主成分とするセラミックスである。炭化珪素(SiC)を主成分とするセラミックスは、ダイヤモンド状硬質炭素膜には及ばないまでも、セラミックスと摺動させた場合の摺動抵抗が低くかつ耐摩耗性が高い。フォーセットバルブ11は、比較的長期間にわたって水漏れ等が発生し難く耐久性が高く、固定弁体30と可動弁体20との摺動抵抗が長期間にわたって比較的小さく抑制されている。
図4は、フォーセットバルブ11として水栓19に組み込まれる前の状態の固定弁体(前駆体70とする)について説明する概略断面図である。前駆体70は、複数の開気孔62を有する基体60の表面に例えば物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)によってダイヤモンド状硬質炭素膜34が成膜されて固定弁体摺動面31が形成されている。さらに開気孔62の開口の周縁部には、PVD成膜プロセスにおけるいわゆるエッジ効果によってその他の部分に比べてダイヤモンド状硬質炭素膜が厚く成膜されることで形成された、ダイヤモンド状硬質炭素からなる突起部72を有している。フォーセットバルブ11は、このような前駆体70の固定弁体摺動面31を、アルミナセラミックスを主成分とする可動弁体20の図中下側の主面21に、固定弁体摺動面31と垂直な方向に沿って、例えば20N/mという大きな力で押し付けている。フォーセットバルブ11を形成する際、この押し付ける力によって突起部72が割れて粒状の破片が開気孔62の中に入り込むことで、図2に示すように開気孔62に配置された粒状体66が形成される。
このようにフォーセットバルブ11では、基体60の表面部分61にある開気孔62の中に、ダイヤモンド状硬質炭素を主成分とする粒状体66が配置されている。複数の開気孔62の中に配置されている粒状体66の少なくとも一部は、開気孔62の底面部分に当接するとともに、一部が開気孔62から突出して、可動部材20の主面21と当接している。本実施形態では固定弁体30の基体60の平均気孔径が10μm以上かつ45μm以下であり、粒状体66の最大直径の平均値が2μm〜8μmとなっている。フォーセットバルブ11では、複数の開気孔62それぞれに配置された粒状体66のうち、約10%以上の個数の粒状体66において、一部が開気孔62から突出して、可動部材20の主面2
1と当接している。
この粒状体66と可動弁体20の主面21とが当接している部分では、粒状体66が主面21を図中の上側に押し上げるような力がはたらく。可動弁体20と固定弁体30とは比較的大きな力で押し合わされているが、このように粒状体66が主面21を押し上げるような力が働いてる部分の近傍では、固定弁体摺動面31を主面21に押し付ける力の大きさが緩和されて摺動抵抗が小さくなっている。開気孔62、すなわちこのように摺動抵抗が小さい部分は、表面部分61全体にわたって分散しており、固定弁体30と可動弁体20との摺動抵抗は小さくなっている。
また、開気孔62の中に配置された粒状体66は、可動弁体20の移動にともなって開気孔62内で回転することもできる。粒状体66と可動弁体20との摺動抵抗よりも、開気孔62内での粒状体66の回転抵抗が小さい場合、粒状体66が回転することで摺動抵抗がさらに低減される。フォーセットバルブ11では、粒状体66と可動弁体20との摺動抵抗よりも、開気孔62内での粒状体66の回転抵抗が小さい部分が複数存在し、この回転抵抗が小さい部分では、可動弁体20の移動にともなって粒状体66が開気孔62内で回転することもできるので、固定弁体30と可動弁体20との摺動抵抗はさらに低減されている。
摺動抵抗をより低くする点で、基体60の気孔率は0.5%以上かつ4.0%未満であり、平均気孔径が10μm以上かつ45μm以下であることが好ましい。また、突起部72が割れて粒状の破片が開気孔62の中に入り込んで摺動抵抗をより低くする点で、基体60の平均気孔径が10μm以上かつ45μm以下であることが好ましい。
フォーセットバルブ11の固定弁体30は、例えば以下のようにして製造することができる。例えば、出発原料として微量のシリカを含んだ炭化珪素粉末にアルミナ粉末及びイットリア粉末と水とを混合してスラリー化し、このスラリーに成形助剤としてグリセリン、アクリル樹脂及びソルビタン脂肪酸エステルを添加、混合後、噴霧乾燥することで造粒粉を作製し、この造粒粉と造孔剤として懸濁重合された非架橋性のポリスチレン又はスチレン−アクリル共重合体から成る樹脂ビーズとを混合して原料粉末を作製する。この原料粉末を所定形状に成形し、真空脱脂炉に入炉後、窒素雰囲気下で所定温度で所定時間だけ加熱した後、自然冷却する。この脱脂された粉末成形体を更に真空炉内アルゴン雰囲気にて所定温度で焼成し、得られた焼結体を所定形状に加工することで基体60を得る。
より具体的な例を示しておくと、例えば0.5質量%のシリカを含んだ炭化珪素粉末100質量部に対し、焼結助剤として3.7質量部のアルミナ粉末、0.6質量部のイットリア粉末と、122質量部の水、分散剤として0.3質量部のアンモニア水及び84質量部のウレタンボールとをボールミルに投入後、48時間混合してスラリー化する。このスラリーに成形助剤として、2.0質量部のグリセリンと4.0質量部のアクリル樹脂と1.8質量部のソルビタン脂肪酸エステルを添加、混合後、噴霧乾燥することにより造粒粉を作製する。次に、この造粒粉100質量部に対して、造孔剤として例えば平均粒径35μm〜45μmの懸濁重合された非架橋性スチレン−アクリル共重合体からなる樹脂ビーズを5質量部〜15質量部添加、混合し、混合原料を作成する。その後、この混合原料を1ton/cmの圧力で所定形状に成形する。その後、得られた粉末成形体を真空脱脂炉内窒素雰囲気下にて450〜650℃までを10〜40時間で昇温後、450〜650℃で2〜10時間保持し、その後、自然冷却とする条件で脱脂し、脱脂された粉末成形体を真空炉内アルゴン雰囲気にて1800〜1900℃の温度で焼成し、基体60を得る。このようにして得られた基体60は、気孔率が0.5%以上かつ4.0%未満であり、平均気孔径が10μm以上かつ45μm以下となっている。次に、研削盤等を用いて焼成体に厚み研削加工を施し、ダイヤモンドパウダー等を用いてラップ加工を行うことで、所定
の表面粗さ、及びボイドを持ったアルミナセラミックスから成る摺動部材を得る。
このようにして得られた基体60の表面に、例えば物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)によってダイヤモンド状硬質炭素膜34を成膜する。基体60にダイヤモンド状硬質炭素膜を成膜する手段としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PVD法、CVD法等の薄膜形成手段を用いることができ、例えば、低温で成膜が可能なプラズマCVD法により被着するには、まず、チャンバー室内に各被膜を被着するためのソースガスとキャリアガスを供給し、基体60を配置したカソード(陽極)電極とアノード(陰極)電極との間に電圧を印加することでカソード(陽極)電極から引き出された電子をソースガス及びキャリアガスと衝突させてプラズマを発生させ、プラズマ中のソースガス成分を可動弁体20の表面に堆積させることで、ダイヤモンド状硬質炭素膜を形成することができる。
また、フォーセットバルブ11の可動弁体20は、例えば以下のようにして製造することができる。まず出発原料として、例えば純度96%以上で、平均粒子径が1〜2μmのアルミナ粒子を作製し、SiO、MgO、CaO等の焼結助剤及び有機物添加剤を添加して、湿式状態にて混合、粉砕したあと、スプレードライヤによって乾燥、造粒を行い2次原料を作製する。得られた2次原料は金型に充填して2000kg/cm以下の圧力にて所定形状に成形する。次に、得られた成形体を焼成するのであるが、ムライトを析出させるためには温度コントロールが重要であり、トンネル炉に成形体を投入して、最高温度が1500〜1700℃の範囲となるように設定し、24時間程度かけて焼成する。次に、研削盤等を用いて焼成体に厚み研削加工を施し、ダイヤモンドパウダー等を用いてラップ加工を行うことで、所定の表面粗さ、及びボイドを持ったアルミナセラミックスからなる摺動部材を得る。
以上、本発明の実施形態および実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものでない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよいのはもちろんである。
1 フォーセットバルブ
19 水栓
20 可動弁体
22 第1流体通路
30 固定弁体
32 第2流体通路
31 固定弁体摺動面
34 ダイヤモンド状硬質炭素
40 レバー
60 基体
61 表面部分
62 開気孔
66 粒状体

Claims (5)

  1. 互いに摺動する一対の摺動部材を備えた摺動装置であって、
    前記一対の摺動部材のうちの一方の摺動部材は、多孔質セラミックスを主成分とし表面に複数の開気孔を有する基体と、他方の摺動部材との当接領域に対応する前記基体の表面部分を覆って前記他方の摺動部材と当接する摺動面を構成するダイヤモンド状硬質炭素膜とを有し、
    前記表面部分にある前記開気孔の中に、ダイヤモンド状硬質炭素を主成分とする粒状体が配置されていることを特徴とする摺動装置。
  2. 前記一方の摺動部材の前記基体は炭化珪素(SiC)を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の摺動装置。
  3. 前記他方の摺動部材はアルミナ(Al)を主成分とすることを特徴とする請求項1または2記載の摺動装置。
  4. 前記一方の摺動部材の前記基体は、気孔率が0.5以上かつ4.0%未満であり、平均気孔径が10μm以上かつ45μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の摺動装置。
  5. 前記ダイヤモンド状硬質炭素膜の膜厚が0.8〜3.0μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の摺動装置。
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