JPH09228241A - 抗菌・抗黴繊維とその製造方法 - Google Patents

抗菌・抗黴繊維とその製造方法

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JPH09228241A
JPH09228241A JP8058520A JP5852096A JPH09228241A JP H09228241 A JPH09228241 A JP H09228241A JP 8058520 A JP8058520 A JP 8058520A JP 5852096 A JP5852096 A JP 5852096A JP H09228241 A JPH09228241 A JP H09228241A
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ion
fiber
metal
antibacterial
antifungal
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JP8058520A
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Ryosuke Nishida
良祐 西田
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Japan Exlan Co Ltd
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Japan Exlan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工するに十分な繊維物性を有し、抗菌・抗
黴性を有する金属をイオン状、あるいは金属または該金
属化合物の超微粒子状で、かつ高濃度に含有することに
より、金属がもっている抗菌性、抗黴性を効率よく、か
つ持続的に発現できる抗菌・抗黴繊維とその製造方法を
提供するものである。 【構成】 イオン交換またはイオン配位可能な極性基を
有し、かつ架橋構造を有する繊維中に、銀、銅、亜鉛で
なる群から選ばれた少なくとも1種の金属を0.1重量
%以上含有してなることを特徴とする抗菌・抗黴繊維と
その製造方法よりなる。 【効果】 架橋繊維中に抗菌・抗黴性を有する金属を
イオン状、金属または該金属化合物の超微粒子状で、か
つ高濃度に含有することにより、金属がもっている抗菌
性、防黴性を効率よく、かつ持続的に発現できる抗菌・
抗黴繊維であり、これらの機能を活用できる該繊維を用
いた、繊維加工品、抄紙シート、不織布、編み物、織
物、フィルターなどの各種分野に用いることが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維中に抗菌・抗
黴性を有する金属をイオン状、金属または該金属錯体化
合物の超微粒子状で、かつ高濃度に含有することによ
り、金属がもっている抗菌性、防黴性を効率よく、かつ
持続的に発現できる抗菌・抗黴繊維とその製造方法に関
するものであり、これらの機能を活用できる該繊維を用
いた、繊維加工品、抄紙シート、不織布、編み物、織
物、フィルターなどの各種分野に用いることが可能とな
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、粒子径がミクロンオーダー程
度以下の金属微粒子を繊維マトリックス中に含有する様
々な機能を有する繊維が提案されている。最も一般的な
ものとしては、特開平1ー96244号公報、特開平2
ー16940号公報、特開平6ー293611号公報な
どにみられる通り、金属微粒子自体をポリマー中に添加
し分散後、繊維化することにより金属微粒子含有繊維を
得ている。また、特開平7ー165519号公報、特開
平7ー173392号公報等にみられる様に無機微粒子
に金属微粒子を担持させ、この無機微粒子を樹脂中に添
加、成形することにより金属微粒子含有繊維を得てい
る。しかしこれらの方法では、金属粒子または無機粒子
とポリマーとの比重の差、あるいは、親和性の不良等に
より金属微粒子または無機粒子をポリマー中に均一に分
散することが困難である。また、これらの方法において
添加する金属微粒子のうち、サブミクロン以下の金属粉
末は作製することが困難であり、コスト的にも高いもの
となる、そしてまた安全の面より、取り扱いが難しいと
いった問題がある。したがって、実際に工業的に使用で
きる金属微粒子の粒子径には限界がある。また、これら
の成形加工工程においては熱履歴を受ける場合が多く、
その際に金属自体が変性するといった問題もある。
【0003】特開平6ー287355号公報および特開
平6ー293611号公報では、母体である高分子中に
金属塩などを含有させたのち、加熱処理により金属塩を
還元することによって超微粒子を均一に含有した樹脂と
し、これを成形することにより繊維等の成形体としてい
る。しかし、これらの方法は、次のような問題点を含ん
でいる。1.金属錯体あるいは金属塩と、ポリマー原料
との混合の段階において不均一分散を生じる可能性があ
る。2.金属錯体あるいは金属塩自体のコストが高い。
3.金属錯体の配位子あるいは金属塩化合物の金属イオ
ンのカウンターイオンを有する化合物は、金属錯体ある
いは金属塩が金属微粒子に変換された後は不要物とな
る。また、これらの不要物は溶出等が起こるため基本物
性、他の物質等に影響をおよぼす。4.金属微粒子析出
後には不要物となる、金属錯体の配位子あるいは金属塩
化合物の金属イオンのカウンターイオンを有する化合物
を多量に含むため、金属微粒子の含有量をあまり高くす
ることはできない。5.前者の引用発明の場合ではマト
リックスが加熱成形加工できる熱可塑性樹脂であるため
耐熱性に優れるものは得られない。
【0004】また、特開昭56ー148965号公報に
おいては、金属銀を繊維表層部に含有してなる銀微粒子
含有繊維が記載されているが、この場合にも次のような
問題点を有している。1.繊維物性低下を防ぐためでき
るだけ繊維表層部の小さな部分にカルボン酸を局在化さ
せており、このため金属を担持できる極性基の量が少な
くなり、それに伴い含有できる金属微粒子の量に限界が
ある。2.一般に工業的に得られる繊維では、その繊維
径が10μ程度以上であり、このため単位重量あたりの
表面積が小さく、金属微粒子の機能を発現させようとす
るばあい機能発現効率が悪い。さらには、表層部以外の
内部の金属微粒子は有効に活用できない。これら1およ
び2のような問題があるため、金属の機能を利用しよう
とする場合、例えば抗黴など多量の金属が必要となる場
合には、金属微粒子含有繊維自体の添加量、混紡率を極
度に高める必要があり、このためコストの高いものとな
る。またさらには、金属自体の量が十分でないため、目
的とする機能が発現できない場合もある。3.表層部に
のみ金属微粒子が局在化しているため、比較的マイルド
な条件のときは問題ないが、後加工におけるような機械
的な摩擦等をうけた場合表面がこすれ、金属微粒子が脱
落して著しく機能低下を起こす。4.イオン交換された
銀イオンを一度銀化合物として析出沈殿させ、その後に
還元反応を行っているため、銀化合物析出の際銀化合物
が系外へ析出してしまい、銀イオンの利用効率を低下さ
せてしまう、また2段で反応を行うため工程が複雑とな
る、そしてこのためコスト的に不利なものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、少量
で優れた抗菌・抗黴性を発現することができ、かつその
抗菌・抗黴性能が長期間持続するという特徴を有し、し
かもコスト的にも、製造的にも有利で、上述のようなこ
れまでの技術にみられた問題点を有しない抗菌・抗黴繊
維とその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、抗菌・抗黴
繊維とその製造方法について、鋭意研究を続けてきた。
その結果、イオン交換またはイオン配位可能な極性基を
含有する架橋繊維中に、抗菌・抗黴性を有する金属を高
濃度に含有せしめることにより上記の課題を解決できる
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。即ち本発
明は、イオン交換またはイオン配位可能な極性基を有
し、かつ架橋構造を有する繊維中に、銀、銅、亜鉛でな
る群から選ばれた少なくとも1種の金属を0.1重量%
以上含有してなることを特徴とする抗菌・抗黴繊維であ
る。
【0007】さらに、本発明の抗菌・抗黴繊維は次の5
つの製造方法により達成される。即ち、 1.イオン交換またはイオン配位可能な極性基を含有す
る架橋繊維中の極性基に、銀、銅、亜鉛でなる群から選
ばれた少なくとも1種の金属イオンをイオン交換または
イオン配位せしめ、次いで該金属イオンを金属錯体化合
物として析出沈殿させることのできる配位子化合物で処
理することにより、粒子径が100nm以下の金属錯体
超微粒子を繊維中に析出・担持させる方法、 2.イオン交換またはイオン配位可能な極性基を含有す
る架橋繊維中の極性基に、銀、銅、亜鉛でなる群から選
ばれた少なくとも1種の金属イオンをイオン交換または
イオン配位せしめた後、還元反応により、架橋繊維中に
粒子径100nm以下の金属超微粒子を析出・担持させ
る方法、 3.イオン交換またはイオン配位可能な極性基を含有す
る架橋繊維中の極性基に、銀、銅、亜鉛でなる群から選
ばれた少なくとも1種の金属イオンをイオン交換または
イオン配位せしめ、次いで該金属イオンを金属錯体化合
物として析出沈殿させることのできる配位子化合物で処
理して、金属錯体化合物を繊維中に析出させた後、還元
反応により、繊維中に粒子径が100nm以下の金属超
微粒子を含有せしめる方法、 4.イオン交換またはイオン配位可能な極性基が、アニ
オン交換能を有する極性基である架橋繊維中の該極性基
に、後述の金属イオンを金属錯体化合物として析出沈殿
させることのできる配位子イオンをイオン交換又はイオ
ン配位せしめ、次いでかくして極性基に固定化された配
位子イオン部分に、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた
少なくとも1種の金属イオンを配位させることにより、
粒子径が100nm以下の金属錯体化合物の超微粒子を
繊維中に析出・担持させる方法、 5.イオン交換またはイオン配位可能な極性基が、アニ
オン交換能を有する極性基である架橋繊維中の該極性基
に、後述の金属イオンを金属錯体化合物として析出沈殿
させることのできる配位子イオンをイオン交換又はイオ
ン配位せしめ、次いでかくして極性基に固定化された配
位子イオン部分に、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた
少なくとも1種の金属イオンを配位させ金属錯体化合物
を繊維中に析出せしめた後、還元反応により、繊維中に
粒子径が100nm以下の金属超微粒子を含有せしめる
方法、である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明に用いる架橋繊維に含有される極性基としては、ア
ニオンあるいはカチオンのイオンをイオン交換またはイ
オン配位することが可能な極性基であれば特に限定はな
く例えば、カルボニル基、1級アミノ基、2級アミノ
基、3級アミノ基、4級アミノ基、リン酸基、リン酸エ
ステル基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エ
ーテル基、エステル基、スルホン酸基、スルホニル基、
硫酸エステル基、シアノ基などがあげられる。中でもカ
ルボキシル基、スルホン酸基、1級アミノ基、2級アミ
ノ基、3級アミノ基、4級アミノ基、リン酸基、シアノ
基を用いた場合良好な結果が得られ、特に金属イオンと
錯体あるいは塩を形成し易いスルホン酸基、カルボキシ
ル基を用いた場合良好な結果が得られる。また、1級ア
ミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アミノ基を
極性基として用いた場合、該極性基自体が抗菌・抗黴性
を助長し、相乗的な効果を発現するという意味で優れて
いる。
【0009】なお含有される極性基の量としては、含有
させるべき金属の量に応じて適宜選択することができる
が、繊維骨格を形成するポリマー部分を差し引いた量と
なるため、32mmol/g以下となる。一方抗菌・抗黴
といった金属の機能を十分に発現する必要があることか
ら、出来るだけ極性基の量を増やす必要があり、実際に
は少なくとも0.1mmol/g以上、より好ましくは
1.0mmol/g以上のの極性基を含むことが好まし
い。また繊維中への極性基の導入方法においても特に制
限はなく、極性基を有したモノマーを、骨格ポリマーの
重合段階で使用することによる導入、あるいは骨格繊維
形成後化学的、物理的な変性による極性基の導入などの
方法を用いることができる。ただ、極性基を出来るだけ
多量に含む必要がある点から、重合段階で極性基を有す
る単量体を多量に添加すると、重合の安定性が低下する
ため問題がある。従って、重合によりポリマーを得、こ
れを繊維状に成形した後に化学的、物理的な反応を行い
極性基を導入するほうが良好な結果が得られる。
【0010】なお、本発明の架橋繊維を構成しているポ
リマーマトリックスが有しているイオン交換あるいはイ
オン配位可能な極性基の、カウンターイオンあるいは配
位イオンとしては、特に限定はなく、その用途に応じて
適宜選択できる。そして、そのカウンターイオンあるい
は配位イオンにも機能を持たせることもでき、少なくと
も0.1mmol/g、より好ましくは1.0mmol
/g以上に、抗菌・抗黴性を有するカチオン性基を有し
た化合物をイオン交換またはイオン配位させることによ
り、抗菌・抗黴性を増長、あるいは付与させ、さらに広
い抗菌・抗黴スペクトルとすることが可能となり、本発
明をより有益なものとすることができる。
【0011】なお、本発明の抗菌・抗黴性を有するカチ
オン性基を有した化合物については、その必要とされる
用途に応じて適宜選択でき特に限定はない。例えば、3
−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシ
ルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、Nーポリオキ
シエチレンーN、Nートリメチルアンモニウム塩、セチ
ルトリメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモ
ニウム塩、オクタデシルジメチルアンモニウム塩、テト
ラデシルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第4級ア
ンモニウム塩系;NーニトロソーNーシクロヘキシルヒ
ドロキシルアミンアルミニウム、 NーニトロソーNー
シクロヘキシルヒドロキシルアミンカリウム等のヒドロ
キシルアミン系;2ー(4ーチアゾリル)ベンツイミダ
ゾール、2ーベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、
2ー(メトキシカルボミルアミノ)ベンツイミダゾー
ル、2ー(ベンツイミダゾール)カルバミン酸メチル、
1ー(ブチルカルバモイル)ー2ーベンツイミダゾール
カルバミン酸メチル等のイミダゾール系;2ーピリジン
チオールー1ーオキシド、2,3,5,6−テトラクロ
ロー4ー(メチルスルホニル)ピリジン等のピリジン
系;ヘキサヒドロー1、3、5ートリス(2ーヒドロキ
シエチル)ーS−トリアジン、ヘキサヒドロー1、3、
5ートリエチルーS−トリアジン等のトリアジン系;1
ー(3ークロルアリル)ー3、5、7ートリアザー1ー
アゾニアアダマンタン等のその他のアミノ化合物等をあ
げることができる。
【0012】本発明のマトリックスとなる繊維を構成す
るポリマーの基本骨格としては、架橋構造を有している
限りにおいては特に限定は無く、天然ポリマー、半合成
ポリマー及び合成ポリマーのいずれであってもよい。具
体的なポリマーとしては、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリスチレ
ン、ポリアセタール、ポリカーボネイト、アクリル樹
脂、フッ素樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエス
テルエラストマー、メラミン樹脂、ユリア樹脂、4フッ
化エチレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂及びフェノール樹脂等のプラスチック
系ポリマー;ナイロン、ポリエチレン、レーヨン、アセ
テート、アクリル、ポリビニルアルコール、ポリプロピ
レン、キュプラ、トリアセテート、ビニリデン等の一般
の繊維形成性のポリマー;天然ゴム及びシリコーンゴ
ム、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)、CR(ク
ロロプレンゴム)、EPM(エチレン・プロピレンゴ
ム)FPM(フッ素ゴム)、NBR(ニトリルゴム)、
CSM(クロルスルホン化ポリエチレンゴム)、BR
(ブタジエンゴム)、IR(合成天然ゴム)、IIR
(ブチルゴム)、ウレタンゴム及びアクリルゴム等の合
成ゴム系のポリマー等があげられる。
【0013】中でも金属のイオン交換、あるいは金属超
微粒子化合物を合成する際に伴う物理的、化学的変化に
耐えることができる様な特性、即ち耐熱性、耐薬品性の
点より炭素ー炭素結合に基づく基本骨格を有したポリマ
ー、例えばビニル系ポリマーが好ましく、かつイオン交
換またはイオン配位可能な極性基を容易に導入すること
のできるポリマー、具体的には、ポリスチレン系、ポリ
アクリロニトリル系、ポリアクリルエステル系、ポリメ
タアクリルエステル系の重合体を用いることにより良好
な結果を得ることができる。
【0014】基本骨格ポリマーにおける架橋の構造とし
ては、金属のイオン交換、あるいは金属超微粒子化合物
を合成する工程において該ポリマーが物理的、化学的に
変性をうけない限りにおいては特に限定はなく、共有結
合による架橋、イオン架橋、ポリマー分子間相互作用ま
たは結晶構造による架橋等いずれの構造のものでもよ
い。また、架橋を導入する方法においても、特に限定は
ないが、繊維を形成する必要があるため、繊維に成形後
行う必要がある。
【0015】なお、ポリアクリロニトリル系重合体を用
い、架橋構造としてヒドラジンによる架橋構造を導入し
たものは、化学的にも物理的にも安定であり、繊維物性
が良好で、金属微粒子の含有量を高めることができ、耐
熱性に優れ、コスト的にも良好な結果をえることができ
る。特に、窒素含有量の増加が1.0〜15.0重量%
であるヒドラジン架橋による場合さらにこのましい結果
を得ることができる。
【0016】ポリマーマトリックスが、ヒドラジン架橋
を行ったポリアクリロニトリル系ポリマーの場合、残存
ニトリル基を金属イオンを配位せしめる配位子として用
いることもできる。この場合は、処理工程が簡略とな
り、コスト的に有利なものとなる。また、ヒドラジン架
橋を行ったポリアクリロニトリル系ポリマーの残存ニト
リル基の0.1重量%以上をカルボキシル基に変換され
てなるものの場合、金属イオンをより効率的に繊維中に
担持できることより、より良い結果を得ることが出来
る。この場合、最終的には残存ニトリル基が全く無いも
のも許容される。
【0017】また、ポリマーマトリックス骨格中の架橋
構造の割合である架橋度についても、ポリマーマトリッ
クス骨格の形状が金属超微粒子生成に伴う物理的、化学
的反応においても保持できる限りにおいては特に制限は
ない。
【0018】本発明における抗菌・抗黴性を有する金属
としては、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくと
も1種である必要がある。なお、これらの金属のうち2
種類以上を同時に用いることは本発明の範囲をなんら逸
脱するものではない。なお含有される金属の量として
は、その機能が要求されるレベルにおいて任意に設定す
ることができ特に限定はなが、少量の抗菌・抗黴繊維の
添加で十分な抗菌・抗黴性を発現させる必要があるため
少なくとも1種の金属を0.1重量%以上、より好まし
くは1.0%以上含有してなる必要がある。
【0019】本発明において、銀、銅、亜鉛でなる群か
ら選ばれた少なくとも1種である金属を含有する方法に
ついては、特に制限はなく使用される用途に応じて適宜
選択できる。例えば、含有される金属を金属イオンとし
て、架橋繊維の極性基にイオン交換またはイオン配位せ
しめる方法。この方法は、耐熱、耐候性に難があるもの
の、製造が容易で、金属の利用効率が高く、また、金属
イオンがイオン状で含有されているため、抗菌・抗黴性
能の発現能に優れている。また別の方法としては、含有
される金属を、粒子径が100nm以下の金属錯体超微
粒子として、架橋繊維中に含有せしめる方法。この方法
は、前者よりも耐熱、耐候性が良く、また、非常に小さ
な微粒子であることより、抗菌・抗黴性能の発現能も良
好で、特にその配位子を自由に選択することができ、こ
のため金属イオンの解離速度を任意に設定できるという
利点を有する。さらなる方法としては、含有される金属
を、粒子径が100nm以下の金属超微粒子として、架
橋繊維中に含有せしめる方法である。この方法は、上記
2法に比べて、耐熱、耐候性に優れ、また、抗菌・抗黴
性能の持続性が良好であるという特徴を有する。
【0020】本発明における金属錯体超微粒子および金
属超微粒子の大きさは、利用される用途に応じて任意に
選択できるものであり特に限定はないが、抗菌・抗黴性
を効率よく発現させるためには、できるだけ小さな粒子
のほうが機能を発現できる表面積を大きくするという点
で好ましく、1.0μm以下のサブミクロンオーダー以
下、特に100nm以下のものが好ましい。
【0021】本発明における金属錯体超微粒子および金
属超微粒子の形状としては、特に限定はなく、球状、針
状、紡錘状、棒状、円柱状、多面体状、多針状等あらゆ
る形状をとることができる。また、架橋繊維中への分散
の状態としても、特に限定はなく、利用される用途に応
じて任意に選択することができる。特に、本発明は容易
に完全均一に金属錯体超微粒子または金属超微粒子を分
散担持することができることに特徴がある。ただ、表面
と中心部に濃度差をもうける、あるいはドメイン構造と
する等の方法もとることができ、この様な方法も本発明
をなんら逸脱するものではない。
【0022】本発明における抗菌・抗黴繊維の形状とし
ては、利用される用途に応じて任意に選択されるもので
あり特に制限はないが、機能発現能を向上させるため単
位重量あたりの表面積を大きくし、繊維内部の金属も有
効に利用するという意味から、多孔質体である繊維の場
合が良好な結果を得ることができる。特に、0.85μ
m以下の細孔径を有し、かつその細孔が連結し、さらに
繊維表面に連通開孔してなる多孔質繊維よりなる場合特
に好ましい。また、この様な多孔質体では、表面積が大
きく、多孔度も大きなもののほうが好ましく、実際に
は、表面積は1m2/g以上、多孔度は0.05cm3
/g以上であるもので良好な結果が得られる。ただし、
細孔径が0.85μmを超えるようなものであると、繊
維自体の物性が低下するとともに、表面積が減少し好ま
しい結果とならない。
【0023】なお表面積、多孔度、細孔径は、水銀封入
式多孔度測定装置を利用し、その累積押し込み体積(多
孔度のため)と累積表面積(内部表面積のため)とを2
0,000psiと200psiの圧力の間の差から計
算された。この圧力範囲は、0.009から0.85μ
mの細孔径を測定するものであり、気孔体積/気孔の表
面を、円筒状の形状とみなして測定するものである。
【0024】本発明の製造法において、極性基に金属イ
オンをイオン交換またはイオン配位せしめる方法につい
ては、特に限定はなく、金属イオンを含んだ化合物を極
性基を有する繊維を形成するポリマーマトリックスに接
触せしめることによりなされる。また、金属イオンを含
んだ該化合物は、無機系でも有機系でもよいが、イオン
交換あるいはイオン配位のし易さから無機系の化合物を
用いた場合良好な結果が得られる。また、ポリマーマト
リックスとの接触の方法としても特に限定はなく、有機
あるいは水等の溶剤へ金属イオンを溶解させこれをポリ
マーマトリックスと接触させる方法によりなされる。ま
た、抗菌・抗黴性を有するカチオン性基を有した化合物
をイオン交換またはイオン配位せしめる方法についても
同様である。
【0025】本発明における金属イオンを配位させ金属
錯体化合物として系中に析出させることができる配位子
化合物、および該イオンとしては特に限定はなく、例え
ばピロ燐酸、ポリ燐酸、珪酸、アルミン酸、タングステ
ン酸、バナジン酸、モリブデン酸、アンチモン酸、臭
素、塩素、沃素、フッ素、アンモニア、アセチルアセト
ン、アデニン、アデノシン3リン酸、2ーアミノエタノ
ール、2ーアミノエタンチオール、イミダゾール、エチ
ルアミン、エチレンジアミン、カテコール、グリシルグ
リシン、グリシン、酢酸、ジベンゾー18ークラウンー
6、ヒスチジン、2、2‘ービピリジン、ピリジン、
1、10ーフェナントロリン、フェノール、o−ベンゼ
ンジカルボン酸、硫黄、塩素酸、臭素酸、沃素酸、硫
酸、亜硫酸、チオ硫酸、チオシアン酸、炭酸、修酸、安
息香酸、フタル酸、石炭酸、青酸等およびそれらより誘
導されるイオンを用いることができる。
【0026】また、該金属錯体化合物を繊維中に析出・
担持させる方法においては、イオン交換またはイオン配
位可能な極性基を含有する架橋繊維中の極性基に、銀、
銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属イ
オンをイオン交換またはイオン配位せしめ、次いで該金
属イオンを金属錯体化合物として析出沈殿させることの
できる配位子化合物で処理することにより、粒子径が1
00nm以下の金属錯体超微粒子を繊維中に析出・担持
させることができ、良好な抗菌・抗黴性を発現すること
ができる。
【0027】また、イオン交換またはイオン配位可能な
極性基が、アニオン交換能を有する極性基である架橋繊
維中の該極性基に、後述の金属イオンを金属錯体化合物
として析出沈殿させることのできる配位子イオンをイオ
ン交換又はイオン配位せしめ、次いでかくして極性基に
固定化された配位子イオン部分に、銀、銅、亜鉛でなる
群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを配位させ
ることにより、粒子径が100nm以下の金属錯体化合
物の微粒子を繊維中に析出・担持させるという方法によ
りさらに良好な結果を得ることができる。この方法で
は、イオン解離平衡の関係より、金属イオンが架橋繊維
の極性基から解離しにくいものである場合、アニオン交
換能を有する極性基でなる架橋繊維とすることによりそ
の様な問題を無くす、さらには、架橋繊維中のアニオン
交換能を有する極性基自身が抗菌・抗黴性を助長すると
いった、相乗効果が得られる。
【0028】本発明の製造方法における還元法として
は、金属イオンをイオン交換あるいはイオン配位せしめ
た後に還元することによりに金属超微粒子を析出させる
方法であれば特に限定はないが、金属イオンをイオン交
換せしめることにより、架橋ポリマー中の極性基に金属
イオンが固定された状態で、直ちに還元反応を行うとい
う方法により、より良好な結果を得ることが出来る。一
般に、イオン交換した金属イオンを一度金属化合物とし
てポリマーマトリックス中へ析出させ、その後に還元反
応により金属超微粒子に変換せしめる方法もあるが、こ
の方法の場合、金属化合物としてポリマーマトリックス
中へ析出させる際に、金属化合物がポリマーマトリック
ス外で析出し易いこと、また還元反応時にも同様な傾向
が認められ経済的にも不利である。この現象は、反応に
伴う析出化合物の大きさが変化し、ポリマーマトリック
スの微細孔からはずれてゆくために起こるのではないか
と考えられる。このような点から、特に好ましくは、熱
処理による還元法を用いた場合であり、この場合イオン
交換した金属イオンの全量を金属超微粒子として完全に
架橋繊維中に含有することができ、良好な結果を得るこ
とができる。
【0029】また、アニオン交換能を有する極性基でな
る架橋繊維の場合、該繊維中の極性基に、金属化合物を
析出沈殿させることのできる配位子イオンをイオン交換
し、次にこのイオン交換した配位子イオン部分に、銀、
銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属イ
オンを配位させ金属化合物を繊維中に析出させた後、還
元反応により、繊維中に金属超微粒子を含有せしめる方
法により良好な結果を得ることが出来る。カチオン交換
能を有する極性基でなる架橋繊維の場合、イオン解離平
衡の関係より、金属イオンが架橋繊維の極性基から解離
しにくくなるといった問題が生じる場合があるが、アニ
オン交換能を有する極性基でなる架橋繊維を用いた方法
では、解離平衡を変化させることができるためこのよう
な問題をなくすことができる。さらには、架橋繊維中の
アニオン交換能を有する極性基自身が抗菌性を助長する
といった、相乗効果が得られる。
【0030】本発明の製造法における還元に用いられる
反応剤としては、金属イオンを金属に還元できる方法で
あれば特に限定はない。例えば、金属イオンに電子を与
える化合物である、水素化ホウ素ナトリウム、アスコル
ビン酸、ヒドラジン、ホルマリン、アルデヒド基を含む
化合物、硫酸ヒドラジン、青酸およびその塩、次亜硫酸
およびその塩、チオ硫酸塩、過酸化水素、ロッシェル
塩、ブドウ糖、アルコール基を含む化合物、次亜リン酸
とその塩等の還元剤を用い溶液中で還元させる方法、ま
た、水素、一酸化炭素、硫化水素などの還元性雰囲気中
での熱処理による方法、光照射による方法、あるいはこ
れらを組み合わせた方法などをあげることができる。
【0031】なお、溶液中での還元反応を行う際、 反
応系中へ水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等の塩
基性化合物、無機酸、有機酸等のpH調整剤、クエン酸
ナトリウム、酢酸ナトリウム等のオキシカルボン酸系統
のものあるいはホウ素、炭酸等の無機酸、有機酸、無機
酸のアルカリ塩等の緩衝剤、硫化物、フッ化物等の促進
剤、塩化物、硫化物、硝化物等の安定剤、界面活性剤等
の改良剤等を加えることは本発明をなんら逸脱するもの
ではない。また還元性雰囲気中での熱処理による方法の
際、不活性ガスとして窒素、アルゴン、ヘリウム等を併
用することについても同様である。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部及び百分率は、断りのない限り重量
規準で示す。なお実施例中での記号として、次のルール
に基づきサンプルに名称を付した。J;実施例、H;比
較例、A;原料繊維、B;架橋処理を施した繊維、C;
金属イオンをイオン交換担持した繊維、D;金属錯体超
微粒子を担持した繊維、E;金属超微粒子を担持した繊
維、F;金属錯体超微粒子または金属超微粒子を担持
し、かつカチオン性有機抗菌剤をイオン交換担持した繊
【0033】実施例 1 アクリロニトリル/アクリル酸メチル/メタリルスルホ
ン酸ソーダ=95/4.7/0.3の組成で作製したAN
系重合体を用い、48%ロダン酸ソーダ水溶液に溶解し
て紡糸原液を作製した。次に5℃の12%ロダン酸ソー
ダ水溶液中へ紡出、次いで水洗、l 0倍延伸を施し、得
られた未乾燥繊維を130℃×10分間の条件でスチームを
用いて湿熱処理を行い、さらにl 00℃で20分間乾燥する
ことにより繊維径18μm、平均細孔径0.04μmの
多孔質原料繊維J−A1を得た。
【0034】原料繊維JーA1を、10%ヒドラジン水
溶液中に添加し120℃で5時間ヒドラジン架橋反応を
行った。得られた架橋繊維は水洗、脱水後、さらに10
%苛性ソーダ水溶液に添加し、120℃、5時間で加水
分解反応を実施した。洗浄、脱水、乾燥後しヒドラジン
による架橋構造を有した原料繊維J−B1を得た。この
繊維のカルボキシル基量は、4.8mmol/gであっ
た。
【0035】原料繊維J−B1を、10%硝酸銀水溶液
中に添加し80℃、30分間イオン交換反応をした後、
洗浄、脱水、乾燥後することにより、銀イオンをイオン
交換担持した繊維J−C1を得た。次に該繊維J−C1
を170℃で20分間熱処理を実施することにより金属
銀の超微粒子を担持した繊維J−E1を得た。次に、該
繊維J−E1を0.2%塩化ベンザルコニウム水溶液に
添加し、60℃で2時間イオン交換処理を行い、処理
後、脱水、水洗、乾燥することにより、金属銀超微粒子
を担持し、かつカチオン性で抗菌性を有する、ベンザル
コニウムイオンをイオン交換担持した抗菌・抗黴繊維J
−F1を得ることができた。
【0036】一方、銀イオンをイオン交換担持した繊維
J−C1を5%シュウ酸ナトリウム水溶液に添加し、8
0℃で2時間処理し、脱水、洗浄、乾燥することにより
シュウ酸銀錯体超微粒子を含有した繊維J−D1を得
た。次に該繊維を170℃で2時間加熱処理を行った。
その結果、金属銀の超微粒子を含有した繊維J−E1ー
2を得ることができた。得られたポリマー粒子は13%
の銀超微粒子を含有しており、金属銀超微粒子の粒子径
は約0.03μmであった。また、シュウ酸銀錯体超微
粒子を含有した繊維J−D1を0.5%オクタデシルア
ンモニウムクロライド水溶液に添加し、60℃30分間
処理を行い、脱水乾燥することにより、シュウ酸銀錯体
超微粒子を含有担持し、かつカチオン性抗菌剤、オクタ
デシルアンモニウムイオンをイオン交換、担持したポリ
マー粒子J−F1ー2を得を得ることができた。得られ
たそれぞれの繊維の特性を表1にまとめる。
【0037】
【表1】
【0038】実施例 2 AN90%及びアクリル酸メチル(以下、MAという)1
0%からなるAN系重合体(30℃ジメチルホルムアミ
ド中での極限粘度〔η〕=1.2)10部を48%のロ
ダンソ−ダ水溶液90部に溶解した紡糸原液を、常法に
従って紡糸、延伸(全延伸倍率;10倍)した後、乾球
/湿球=120℃/60℃の雰囲気下で乾燥(工程収縮
率14%)して単繊維繊度1.5dの原料繊維J−A2
を得た。
【0039】原料繊維J−A2を、10%ヒドラジン水
溶液中に添加し120℃で5時間ヒドラジン架橋反応を
行った。得られた架橋繊維は水洗、脱水後、さらに10
%苛性ソーダ水溶液に添加し、120℃、5時間で加水
分解反応を実施し、洗浄、脱水、乾燥することにより架
橋構造を有しかつカルボキシル基を有した架橋繊維を得
た。得られた繊維J−B2は、窒素増加量2.5%であ
り、カルボキシル基量は、4.2mmol/gであっ
た。
【0040】原料繊維J−B2を、2%硫酸銅水溶液中
に添加し80℃、30分間イオン交換反応をした後、洗
浄、脱水、乾燥後することにより、銅イオンをイオン交
換担持した繊維J−C2を得た。次に180℃で30分
間熱処理を実施した。その結果、平均粒子径0.02μ
mの銅超微粒子を6.5%含有した抗菌・抗黴繊維J−
E2を得ることができた。
【0041】次にJ−E2繊維を、0.5%TBZ(2
ー(4ーチアゾリル)ベンツイミダゾール)水溶液に浸
漬し、60℃で30分間熱処理を行い、洗浄、脱水、乾
燥することにより、金属銅超微粒子を含有し、かつ抗菌
性の有機化合物をイオン交換担持した抗菌・抗黴繊維J
−F2をえることができた。実施例2で得られた各繊維
の特性を表1にまとめる。
【0042】実施例 3 実施例2で得られた、原料繊維J−B2を、5%塩化亜
鉛水溶液中に添加し80℃、30分間イオン交換反応を
した後、洗浄、脱水、乾燥後することにより、亜鉛イオ
ンをイオン交換担持した繊維J−C3を得た。次にこの
繊維J−C3を0.5%ピロリン酸水溶液に添加し、8
0℃で2時間処理を行い、水洗、脱水、乾燥することに
より、平均粒子径0.05μmの亜鉛超微粒子を8.5
%含有した抗菌・抗黴繊維J−E3を得ることができ
た。得られた各繊維の特性を表2にまとめる。
【0043】
【表2】
【0044】実施例 4 実施例1で得られた、多孔質原料繊維J−A1を、10
%ヒドラジン水溶液中に添加し120℃で5時間ヒドラ
ジン架橋反応を行い、水洗、脱水、乾燥することによ
り、ニトリル基を有した架橋繊維を得た。次に該架橋繊
維を5%硝酸銀水溶液に浸漬し、80℃で2時間反応
し、水洗、脱水後さらに、2%アスコルビン酸水溶液に
浸漬し、70℃で1時間還元反応を行い、水洗、脱水、
乾燥することにより、金属銀超微粒子を含有した多孔質
繊維J−E4を得た。得られた繊維の特性は表2にまと
める。
【0045】
【比較例】
【0046】比較例1 実施例1で得られた原料繊維J−A1を、苛性ソーダ3
%、ヒドラジン0.01%の水溶液中で100℃で20
分間加熱して架橋処理および加水分解処理した後、水洗
し、次いで酢酸0.5%水溶液で100℃で20分間処
理した後、水洗、乾燥することにより表面にカルボキシ
ル基を有した原料繊維H−B1を得た。この繊維を硝酸
銀0.5%水溶液中に40℃で10分間浸漬処理した
後、水洗、乾燥し、銀イオンが結合した銀イオン結合ア
クリル繊維H−C1を得た。さらに該繊維は、0.5%
炭酸ナトリウム水溶液中に70℃で30分間浸漬し炭酸
銀を析出させた後、水洗、脱水、乾燥し、更に130℃
の熱風乾燥機を用いて30分間乾燥処理し、表面に銀微
粒子を含有する比較例としての繊維H−E1を得た。得
られた繊維の銀含有量は1.5%であり、金属微粒子の
粒子径は0.05μmであった。得られた繊維の特性を
表2にまとめる。
【0047】実施例1のJ−E1、J−E1−2および
H−E1の3繊維について、銀イオン交換結合アクリル
繊維の銀濃度と最終的に得られた金属銀超微粒子含有原
綿における銀濃度を比較した結果を表3に示す。表3に
示されるとおり、一度金属化合物を繊維中に析出させ、
これを還元するという方法では、含有される銀濃度は、
イオン交換された銀イオン量に比べ低下しており、特に
比較例では、最終的な原綿の銀濃度は半分以下に低下し
ており銀イオンの利用効率が悪くコスト的にも望ましく
ない。これに対し、本発明の実施例1のJ−E1はイオ
ン交換された銀イオンの量がそのまま最終的な原綿に含
有されており、銀イオンの利用効率の優れたものとなっ
ている、また。J−E1−2では、銀含有量の低下は認
められるが、比較例と異なり機能を発現するに十分な銀
量を含有していることが確認できる。
【0048】
【表3】
【0049】実施例1のJ−E1、J−E1−2および
H−E1の3繊維を用い、それぞれ混率30%で紡績、
後加工を行い編み地を作成した。その際の、原綿と編み
地の銀含有量を測定した結果をあわせて表3に示す。表
3に示される通り、比較例1では、編み地での銀含有量
が極端に低下している。これは、紡績工程以降の加工工
程において、ガイド等の金属との摩擦により、繊維表面
に存在していた銀微粒子がはがれ落ちたためと考えられ
る。このような状態では、金属の機能を利用するのに十
分でないばかりか、コスト的にも非常に不利であること
は明らかである。一方、実施例1のJ−E1およびJ−
E1−2でもやはり銀含有量の減少は認められるが、全
体量に対する減少の割合は低く、また、最終的に含有さ
れている銀量も充分にあり、実用的なものである。
【0050】実施例1から3と比較例1の原綿を用い、
目付130g/m2で抄紙を行った。紙の原料構成は、
ビニロン1%と各原綿を表4に示すとおりとし、残りを
パルプとして混抄紙を作成した。得られた混抄紙は、シ
ェークフラスコ法による肺炎桿菌の菌減少率と、JIS
Z 2911の湿式法により黴抵抗性を評価した。菌
減少率は、コントロールに対しての菌が減少した割合を
示し、この値の大きいほうが抗菌性に優れている。ま
た、黴抵抗性は、14日間黴を成育させた結果に基づい
て次ぎの3ランクで表示してある。 1:黴の成育が試料面積の1/3以上 2:黴の成育が試料面積の1/3未満 3:黴の成育を認めない なお用いた菌株としては、Aspergillas n
iger、Penicillium citrinu
m、Chaetomium globosum、Myr
othecium verrucaria、Clado
sporiumcladosporioidesであ
る。
【0051】
【表4】
【0052】表4にみられるとおり、比較例1では抗菌
性および黴抵抗性とともに不十分な結果となっている。
これは、繊維表面にしか銀微粒子が存在しないため、銀
自体の含有量が低すぎるためこの様な結果となったと考
えられる。特に銀の量が多量に要求される黴抵抗性で
は、混率50%においても不十分となっている。抗菌性
および黴抵抗性ともに、混率を上げていけば効果は向上
すると考えられるが、コスト的に高いものとなり実用性
が無くなってしまう可能性がある。一方、実施例1から
4では、2%程度の添加でも抗菌、抗黴性が発現されて
いることが認められる。これは、比較例に比べ銀濃度が
高いため、容易にその機能が発現されたものと考えられ
る。また、特に多孔質である実施例1で、その効果が顕
著であり、2%混率でほぼ完全な抗菌、抗黴性が発現さ
れている。これは、多孔質となり表面積が増えたことに
より、外部と接触する銀微粒子が飛躍的に増えたこと、
さらに、繊維内部まで細孔があるため、機能発現できる
銀微粒子の量が実質的に増えたことによるものと考えら
れる。
【0053】
【発明の効果】本発明は、繊維中に抗菌・抗黴性を有す
る金属をイオン状、金属または該金属錯体化合物の超微
粒子状で、かつ高濃度に含有することにより、金属がも
っている抗菌性、防黴性を効率よく、かつ持続的に発現
できる抗菌・抗黴繊維とその製造方法に関するものであ
り、これらの機能を活用できる該繊維を用いた、繊維加
工品、抄紙シート、不織布、編み物、織物、フィルター
などの各種分野に用いることが可能となる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換またはイオン配位可能な極性
    基を有し、かつ架橋構造を有する繊維中に、銀、銅、亜
    鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を0.1
    重量%以上含有してなることを特徴とする抗菌・抗黴繊
    維。
  2. 【請求項2】 含有される金属が、金属イオンとして、
    架橋構造を有する繊維の極性基にイオン交換またはイオ
    ン配位してなることを特徴とする請求項1記載の抗菌・
    抗黴繊維。
  3. 【請求項3】 含有される金属が、粒子径が100nm
    以下の金属錯体超微粒子として、架橋構造を有する繊維
    中に含有されてなることを特徴とする請求項1記載の抗
    菌・抗黴繊維。
  4. 【請求項4】 含有される金属が、粒子径が100nm
    以下の金属超微粒子として、架橋構造を有する繊維中に
    含有してなることを特徴とする請求項1記載の抗菌・抗
    黴繊維。
  5. 【請求項5】 架橋構造を有する繊維が、架橋構造を有
    するアクリロニトリル系重合体、または該重合体の残存
    ニトリル基の0.1重量%以上がカルボキシル基に変換
    されてなるものであることを特徴とする、請求項1から
    4のいずれかに記載の抗菌・抗黴繊維。
  6. 【請求項6】 架橋構造を有する繊維のイオン交換また
    はイオン配位可能な極性基のうち、少なくとも0.1m
    mol/gに、抗菌・抗黴性を有するカチオン性基を有
    した化合物をイオン交換またはイオン配位してなること
    を特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の抗菌
    ・抗黴繊維。
  7. 【請求項7】 架橋構造を有する繊維のイオン交換また
    はイオン配位可能な極性基が、アニオン交換能を有する
    極性基であることを特徴とする、請求項1から5のいず
    れかに記載の抗菌・抗黴繊維。
  8. 【請求項8】 架橋構造を有する繊維が、細孔径が0.
    85μm以下の細孔を有する多孔質体でなり、該細孔は
    連結し、かつ繊維表面に連通開孔したものであることを
    特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の抗菌・抗
    黴繊維。
  9. 【請求項9】 イオン交換またはイオン配位可能な極性
    基を含有する架橋繊維中の極性基に、銀、銅、亜鉛でな
    る群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンをイオン
    交換またはイオン配位せしめ、次いで該金属イオンを金
    属錯体化合物として析出沈殿させることのできる配位子
    化合物で処理することにより、粒子径が100nm以下
    の金属錯体超微粒子を繊維中に析出・担持させることを
    特徴とする抗菌・抗黴繊維の製造方法。
  10. 【請求項10】 イオン交換またはイオン配位可能な極
    性基を含有する架橋繊維中の極性基に、銀、銅、亜鉛で
    なる群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンをイオ
    ン交換またはイオン配位せしめた後、直ちに還元反応に
    より、架橋繊維中に粒子径100nm以下の金属超微粒
    子を析出・担持させることを特徴とする抗菌・抗黴繊維
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 イオン交換またはイオン配位可能な極
    性基を含有する架橋繊維中の極性基に、銀、銅、亜鉛で
    なる群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンをイオ
    ン交換またはイオン配位せしめ、次いで該金属イオンを
    金属錯体化合物として析出沈殿させることのできる配位
    子化合物で処理し、金属錯体化合物を繊維中に析出させ
    た後、還元反応により、繊維中に粒子径が100nm以
    下の金属超微粒子を含有せしめることを特徴とする抗菌
    ・抗黴繊維の製造方法。
  12. 【請求項12】 金属錯体超微粒子または金属超微粒子
    を析出・担持させたのち、架橋繊維中のイオン交換また
    はイオン配位可能な極性基の内、少なくとも0.1mm
    ol/gに、抗菌・抗黴性を有するカチオン性基を有し
    た化合物をイオン交換またはイオン配位させてなること
    を特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の抗菌
    ・抗黴繊維の製造方法。
  13. 【請求項13】 イオン交換またはイオン配位可能な極
    性基が、アニオン交換能を有する極性基である架橋繊維
    中の該極性基に、後述の金属イオンを金属錯体化合物と
    して析出沈殿させることのできる配位子イオンをイオン
    交換又はイオン配位せしめ、次いでかくして極性基に固
    定化された配位子イオン部分に、銀、銅、亜鉛でなる群
    から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを配位させる
    ことにより、粒子径が100nm以下の金属錯体化合物
    の超微粒子を繊維中に析出・担持させることを特徴とす
    る抗菌・抗黴繊維の製造方法。
  14. 【請求項14】 イオン交換またはイオン配位可能な極
    性基が、アニオン交換能を有する極性基である架橋繊維
    中の該極性基に、後述の金属イオンを金属錯体化合物と
    して析出沈殿させることのできる配位子イオンをイオン
    交換又はイオン配位せしめ、次いでかくして極性基に固
    定化された配位子イオン部分に、銀、銅、亜鉛でなる群
    から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを配位させ金
    属錯体化合物を繊維中に析出せしめた後、還元反応によ
    り、繊維中に粒子径が100nm以下の金属超微粒子を
    含有せしめることを特徴とする抗菌・抗黴繊維の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 架橋構造を有する繊維が、架橋構造を
    有したアクリロニトリル系重合体、または該重合体の残
    存ニトリル基の0.1重量%以上がカルボキシル基に変
    換されてなる誘導体のいずれかよりなることを特徴とす
    る請求項9から12のいずれかに記載の抗菌・抗黴繊維
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 架橋構造を有する繊維が、細孔径0.
    85μm以下の細孔を有する多孔質体でなり、該細孔は
    連結し、かつ繊維表面に連通開孔したものであることを
    特徴とする請求項9から15のいずれかに記載の抗菌・
    抗黴繊維の製造方法。
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