JPH083868A - 殺菌性繊維及び殺菌性フィルター - Google Patents

殺菌性繊維及び殺菌性フィルター

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JPH083868A
JPH083868A JP6155389A JP15538994A JPH083868A JP H083868 A JPH083868 A JP H083868A JP 6155389 A JP6155389 A JP 6155389A JP 15538994 A JP15538994 A JP 15538994A JP H083868 A JPH083868 A JP H083868A
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JP
Japan
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fiber
water
filter
bactericidal
sterilizing
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JP6155389A
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Koji Tanaka
孝二 田中
Masao Ieno
正雄 家野
Toshihiro Ishihara
俊弘 石原
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Japan Exlan Co Ltd
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Japan Exlan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 殺菌能力に優れた繊維及び該繊維を濾過素材
とする浴槽水等の濾過殺菌フィルターを提供する。 【構成】 ヒドラジン架橋による窒素増加量,ニトリル
基変性によるカルボキシル基及びアミド基量,カルボキ
シル基の銀塩型を特定量に調整した架橋アクリル系繊維
及び該繊維又は該繊維と他の繊維とを混用した繊維を素
材とするフィルターからなる。 【効果】 銀イオンが物理的に剥離離脱せず、殺菌効果
の耐久性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルターなどの過酷
な使用条件に耐えうる繊維物性と優れた殺菌性能を有す
る繊維並びに、濾過性能と殺菌性能とを兼ね備えた水用
殺菌性フィルターに関する。更に詳しくは、本発明は家
庭用、公衆浴場、病院、及び各種福祉施設の入浴装置の
浴槽水やプール等の循環系に組み込まれて、簡単に濾過
殺菌が出来、しかも長時間使用によっても、殺菌効果の
低下が少ない殺菌性繊維及び水用殺菌性フィルターに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、浴槽水やプール水の殺菌に
は、塩素、オゾンガス、紫外線、電気分解、加熱などに
よる殺菌方法がある。しかし、例えば塩素、オゾンによ
る方法は、薬液注入装置やガス発生装置が必要であり、
その濃度を厳重に管理しなければならない。紫外線殺菌
では、ランプの劣化、表面汚染による殺菌効果の低下の
問題がある。電気分解、高周波加熱、電気加熱ではエネ
ルギー供給装置を必要とし、また一度殺菌しても再汚染
がおこる。
【0003】ところで従来から、銀イオンが殺菌に効果
があることは広く知られており、各種の殺菌装置や殺菌
材が提案されている。例えば、多孔質セラミックスに塩
化銀を担持させ、銀イオンを溶出せしめて殺菌剤とする
技術が提案されているが、塩化銀の脱落並びに殺菌効果
持続性が問題である。又ゼオライトの銀イオン交換体を
用いた殺菌剤が提案されているが、ゼオライトのイオン
交換容量が小さく、銀イオンの供給量が少なく、ヘヤキ
ャッチャー等の濾過器によって捕捉された異物が、細菌
増殖の温床となることを防ぐための物でしかなく浴槽水
の殺菌には難点がある。
【0004】さらに浴槽水や浴用シャワー水等の濾過に
ついては、繊維・多孔質セラミックス・活性炭・砂およ
び微細金網などを素材とする濾過技術があるが、いずれ
も湯垢・ヘアなどの浮遊物を取り除くものであり殺菌性
能を持たない。特に問題なのは、濾過機能と殺菌機能を
併せ有し且つ小型で保守容易な長時間使用に耐え得る濾
材が無かったことである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
した種々の問題がなく、簡単な操作で濾過殺菌が出来、
且つ耐久性、持続性があり、また殺菌に必要な最低の銀
イオン濃度を保持する事が出来る殺菌性繊維及び水用殺
菌性フィルターを提供する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
ヒドラジン架橋による窒素含有量の増加が1.0〜8.
0重量%である架橋アクリル繊維であって、残存ニトリ
ル基の一部には0.5〜4.5mmol/gのカルボキ
シル基が、残部にはアミド基が導入されており、該カル
ボキシル基の一部は、銀塩型であって該銀の含有量が
0.1〜30重量%であることを特徴とする殺菌性繊
維、及び該殺菌性繊維又は該殺菌性繊維と他の繊維との
混用でなることを特徴とする水用殺菌性フィルターによ
って達成される。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。まず本発
明の殺菌性繊維はヒドラジン架橋された架橋アクリル系
繊維であるが、その出発アクリル系繊維としてはアクリ
ロニトリル(以下、ANという)を40重量%以上、好
ましくは50重量%以上含有するAN系重合体により形
成された繊維であり、短繊維、トウ、糸、編織物、不織
布等いずれの形態のものでもよく、また、製造工程途中
品、廃繊維などでも構わない。
【0008】AN系重合体は、AN単独重合体、ANと
他のモノマーとの共重合体のいずれでも良く、他のモノ
マーとしては、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリ
デン;(メタ)アクリル酸エステル;メタリルスルホン
酸、p−スチレンスルホン酸等のスルホン酸含有モノマ
ー及びその塩;(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカ
ルボン酸基含有モノマー及びその塩;アクリルアミド、
スチレン、酢酸ビニル等のその他のモノマーが挙げられ
る。
【0009】該アクリル系繊維にヒドラジン架橋を導入
する方法としては、窒素含有量の増加が1.0〜8.0
重量%に調整しうる手段である限り採用出来るが、ヒド
ラジン濃度6〜80重量%の水溶液中温度50〜130
℃で1〜8時間処理する手段が工業的に好ましい。ここ
で窒素含有量の増加とは、原料アクリル系繊維の窒素含
有量とヒドラジン架橋後の架橋アクリル系繊維の窒素含
有量との差をいう。
【0010】なお、窒素増加量が1.0重量%未満であ
っては、水中で使用した際に該繊維が膨潤ないし溶崩し
てしまい、また8.0重量%を越えると、カルボキシル
基の導入が不十分となって、殺菌能力が劣る。ここで採
用出来るヒドラジンとしては、水加ヒドラジン、硫酸ヒ
ドラジン、塩酸ヒドラジン、硝酸ヒドラジン、臭素酸ヒ
ドラジン等が例示される。
【0011】また、ヒドラジン架橋されずに残存してい
るニトリル基を実質的に消失させ、0.5〜4.5mm
ol/gのカルボキシル基と残部にアミド基を導入する
方法としては、加水分解反応が専ら採用されアルカリ金
属水酸化物、アンモニア等の塩基性水溶液、或いは硝
酸、硫酸、塩酸等の鉱酸の水溶液を含浸、または該水溶
液中に前述の架橋アクリル系繊維を浸漬した状態で加熱
処理する手段が挙げられる。なお、前記架橋結合の導入
と同時に加水分解反応を行うことも出来る。
【0012】尚、カルボキシル基の導入量が4.5mm
ol/gを越えると繊維強度が低下し繊維形態の保持が
難しく繊維そのままでの使用やフィルター成形上支障を
来すことになって、また該カルボキシル基導入量が0.
5mmol/g未満では次に行う銀の導入が十分に為さ
れず殺菌能力が劣るものしか得られずやはり発明が達成
されない。また該繊維のアミド基の導入は、該繊維の製
造方法にも依存し一概に限定出来ないが、ヒドラジン架
橋後に残存したニトリル基が加水分解によりカルボキシ
ル基に変換した以外のニトリル基の全てである。しか
し、極めて一部ニトリル基のままで残存しているのはか
まわない。カルボキシル基を銀塩型にする方法として
は、上述した加水分解繊維を銀塩の水溶液に浸漬し、し
かる後水洗,乾燥する方法が用いられる。
【0013】この場合、銀の含有量が0.1 重量%未満で
は、殺菌に必要な銀イオンを供給する事が難しく長時間
の使用に耐えず、又かかる低銀含有量の繊維ではフィル
ターエレメントとして使用する場合大量が必要になり小
型の装置とは成り難い。また銀含有量が30重量%を越
えると、非銀塩型カルボキシル基が過少となり繊維強度
が低下し繊維形態の保持が難しく、該繊維単独での使用
はもとよりフィルター成形上支障を来すこととなって、
発明の目的が達成されない。なお、ここで銀含有量は、
該繊維重量に対する銀の重量%で表示している。
【0014】かかる繊維は、好ましくは1g/d以上の
引張強度を有する物が望ましい。引張強度が低いと該繊
維の使用範囲あるいは該繊維でなるフィルターエレメン
トとして採用しうる形態が狭められる。引張強度1g/
d以上であれば他繊維との混紡等、あるいはコアにワイ
ンデングしてフィルターエレメントとする、といった加
工取扱性もよく、フィルターエレメント成形時の形態上
の制約もない。このような実用上問題のない繊維物性を
備えた繊維を提供するためには、特に下記特性を備えた
出発アクリル系繊維を採用することが望ましい。
【0015】即ち、繊維を形成するAN系重合体分子が
十分に配向しておりコンゴーレッド(以下CRという)
二色性比が0.4以上、更に好ましくは0.5以上のア
クリル系繊維を採択することが望ましい。なお、CR二
色性比は、高分子化学23(252)193(196
6)記載の方法に従って求められるものである。
【0016】なお、かかるアクリル系繊維の製造手段に
限定はなく、上記CR二色性比が満たされる限り、適宜
公知の手段を用いることができるが、中でも全延伸倍率
を6倍以上、好ましくは8倍以上とし、かつ工程収縮率
を30%以下、好ましくは20%以下とする手段の採用
により工業的有利に所望のアクリル系繊維を作製するこ
とが出来る。
【0017】更に出発アクリル系繊維として、延伸後熱
処理前の繊維(AN系重合体の紡糸原液を常法に従って
紡糸し、延伸配向されてはいるが、乾燥緻密化、湿熱緩
和処理等の熱処理の施されていない繊維、中でも湿式又
は乾/湿式紡糸、延伸後の水膨潤ゲル状繊維:水膨潤度
30〜150%)を使用することにより、反応液中へ
の繊維の分散性、繊維中への反応液の浸透性などが改善
され、以て架橋結合の導入や加水分解反応及び銀導入反
応が均一かつ速やかに行われるので望ましい。言うまで
もないが、水膨潤度とは乾燥繊維重量基準で表した含有
水分量の百分率である。
【0018】このようにして、引張強度が1g/d以上
で成型しやすく殺菌能力に優れた繊維を提供することが
出来る。なお、アクリル系繊維を、ボンプ循環系を備え
た容器内に充填し、上記架橋結合の導入、加水分解反
応、及び金属塩の形成の各反応を逐次行う手段が、装置
上、安全性、均一反応性等の諸点から望ましい。かかる
装置(ポンプ循環系を備えた容器)の代表例としては、
オーバーマイヤー染色機が挙げられる。
【0019】次に本発明のフィルターについて1実施例
により詳細に説明する。図1は、本発明の水用殺菌性フ
ィルター9の1実施例における概略断面図である。図中
フィルターエレメント1は殺菌性繊維でなるエレメン
ト、コア2は該エレメントを保持し通水孔を有するプラ
スチック製筒、外筒3は、注水口4及び排水口5を有
し、コア2を内装固定できるプラスチック製筒である。
かくの如く被処理水は注水口4より外筒3内に入り、エ
レメント1により濾過と殺菌を施されて排水口5より出
る。
【0020】次に図2は、例えば浴槽水の循環系に本発
明の水用殺菌性フィルターを組み込んだ例における概略
フロー図である。浴槽6中の被処理水は、浴槽水循環ポ
ンプ7を介し異物を主に捕集する異物フィルター8(必
ずしも用いなくてもよい)、本願発明の水用殺菌性フィ
ルター9を経由して、濾過処理,殺菌処理を受けて浴槽
6に戻り循環される。
【0021】異物フィルター8は、浴槽水の湯垢、毛髪
などの浮遊物を粗取りするものであるが、該フィルター
に捕捉された異物が細菌増殖の温床となることを防ぐた
めにセルローズ系、およびポリエステル、ポリプロピレ
ン系などの合成繊維素材に、本願発明の殺菌性繊維を適
量混合したもので成形し細菌増殖を抑制する事もでき、
好ましい。尚、本願フィルターの使用は循環系に限定さ
れるものではなく、非循環系でも勿論採用しうる。
【0022】本発明の殺菌性繊維並びに水用殺菌性フィ
ルターに採用する殺菌性繊維や混用する他の繊維は長繊
維状、短繊維状いずれでもよく、必要に応じてフイラメ
ント状、ウェブ、スライバー、撚糸、編織物、不織布な
どとして使用する。また本発明の殺菌性フィルターは、
殺菌性繊維単独でも、殺菌性繊維と他の繊維の混用でも
良く、採用し得る他の繊維にも何等の限定も無いので、
既存の天然繊維,合成繊維あるいは無機繊維などが採用
できる。
【0023】さて、かかる殺菌性繊維を濾過素材とした
フィルターは、例えば直径35mm×長さ250mmで
6mm角の多数の通水口をもつ円筒のコア2に前述の殺
菌性繊維の100gを担持し固定する。これを外筒3に
内装し水用殺菌性フィルターとする。もちろんコアの大
きさ、繊維の量(即ちこれは殺菌能力であるが)は浴槽
中被処理水の量、採用する系が循環系か非循環系か、有
効寿命をどう設定するかにあわせて変えることが出来
る。
【0024】かかる本願発明の殺菌性フィルターでの処
理対象は非飲用の硬水であり、なかでも人の体外に触れ
る硬水である。即ち、本願フィルターは浴槽水あるいは
浴用シャワー水に適用される。なお処理に際し、それら
の水の温度は問わない。ここで硬水とは少なくともアル
カリ土類金属イオン並びにハロゲンイオンを含有するこ
とをいう。また使用方法としては、図2の如き所謂循環
系中に組み込む事も出来るし、被処理水が一度通過する
だけの非循環系において用いても良い。
【0025】循環系であれば図2において、浴槽水を浴
槽水循環ポンプ7によって、本願発明の水用殺菌性フィ
ルター9を経由して所定量を循環させる。この過程で溶
出する微量の銀イオンを含む浴槽水は元の浴槽6に返送
され循環される。この水/殺菌性フィルター9の接触過
程において、浴槽水中の大腸菌群、一般細菌等が殺菌さ
れる。即ち、本発明の水用殺菌性フィルターと浴槽水を
接触せしめるだけの簡単な操作で濾過はもちろん、殺菌
に必要な微量で且つ一定濃度の銀イオンを溶出せしめ、
浴槽水中の細菌類を殺菌する事が出来るのである。
【0026】なお本例示ではコアにフィルターエレメン
トを巻き付けた物を示したが、フィルターの形態は各様
なものを採用しうることは言うまでも無い。例えば、円
筒型または角形容器にセラミックス、活性炭、その他の
濾過素材と該殺菌性繊維を配列し一方向から通水するも
の等がある。
【0027】
【作用】銀イオンが細菌、カビなどを効果的に殺菌する
ことは広く知られており、極めて低濃度、例えば10〜
50ppbで殺菌効果を発現し100ppbの濃度で完
全に細菌類を殺菌する。本発明の殺菌性繊維は、アクリ
ル架橋体で三次元の網目構造をもち、かつカルボキシル
基の一部が銀イオンでイオン交換され銀含有量が0.1
〜30重量%導入されており、浴槽水など特定の硬水と
接触することにより、該水中に溶存するアルカリ土類金
属とのイオン交換により当量の銀イオンを溶出する。
【0028】かくして溶出した銀イオンは、該水中のあ
るいは人体から分泌されて存在するハロゲンイオン、例
えば塩素イオンと反応して難溶性の塩化銀を生成する。
この銀塩の溶解度は非常に小さく、水溶液中において
はイオン濃度が当該銀塩の溶解度積といわれる非常に小
さい値に達するまでは溶けるものの、それ以上は溶けな
い。例えば、塩化銀の場合、その溶解度積は1×10
-9.75 mol/lであり、従って一定温度において、純
水中の銀イオン濃度は、1.2〜1.3ppm以上には
成りがたい。
【0029】又、浴槽原水は一般に水道水が使用される
ため、塩素イオン濃度が通常10ppm程度、最大20
0ppmであり、その共通イオン効果により塩化銀の溶
解度は減少し、殺菌に必要な銀イオン濃度である10〜
100ppb程度で安定することが出来、余分の銀塩を
溶出消費する事がなく、継続的に殺菌効果を維持するの
である。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中の部及び百分率は断りのない限り重量規準
で示す。なお、カルボキシル基量(mmol/g),殺
菌可能水量(m3 ),大腸菌群数(個/ml),一般細
菌数(個/ml),銀イオン濃度(ppb)は以下の方
法により求めた。
【0031】(1) カルボキシル基量(mmol/
g) 銀塩で処理する前の繊維約1gを精秤し(Xg)、これ
に200mlの1N塩酸水溶液を加え30分間放置した
のちガラスフィルターで濾過し水を加えて水洗する。こ
の塩酸処理を3回繰り返したのち、濾液のpHが5以上
になるまで十分に水洗する。次にこの繊維試料を200
mlの水に入れ1N塩酸水溶液を添加してpH2にした
後、0.1N−苛性ソーダ水溶液で常法に従って滴定曲
線を求めた。該滴定曲線からカルボキシル基に消費され
た苛性ソーダ水溶液消費量(Ycc)を求め、次式によ
ってカルボキシル基量を算出した。
【0032】(2)殺菌可能水量(m3 ) 大腸菌群数10個/mlの使用済浴槽水を実施例1に示
した方法により通水し、処理水の大腸菌群数がゼロを維
持する総水量を殺菌可能水量とした。
【0033】(3)大腸菌群数(個/ml) デスオキシコーレート培地(極東製薬製)法,衛生試験
法注解1.3.1.2(1)3により求めた。
【0034】(4)一般細菌数(個/ml) 標準寒天培地(極東製薬製)法,衛生試験法注解4.
1.1.4(1)により求めた。
【0035】(5)銀イオン濃度(ppb) 常法に従い原子吸光法により求めた。
【0036】実施例1 AN90%及びアクリル酸メチル(以下、MAという)
10%からなるAN系重合体(30℃ジメチルホルムア
ミド中での極限粘度〔η〕:1.2)10部を48%の
ロダンソーダ水溶液90部に溶解した紡糸原液を、常法
に従って紡糸、延伸(全延伸倍率;10倍)した後、乾
球/湿球=120℃/60℃の雰囲気下で乾燥(工程収
縮率14%)して単繊維繊度1.5dの原料繊維(CR
二色性比0.58)を得た。
【0037】原料繊維100gを表1に示した条件で5
Lのヒドラジン水溶液及び5LのNaOH水溶液で処理
した後、水洗した。次に得られた繊維を表1に示す条件
で5L硝酸銀水溶液で処理した。引き続き、十分に水洗
した後乾燥し繊維No.1〜9を得、物性を表2に示し
た。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】得られた繊維の内100gを、本実施例を
示す図1のように、6mm角の通水孔192個を有する
直径35mm×長さ250mmのプラスチック製筒コア
2に沿って均一に巻き、外径65mmのフィルターエレ
メント1にして固定した。これを注水口4、排出口5を
有するプラスチック製筒、外筒3内に装着して水用殺菌
性フィルター9とした。
【0041】得られたフィルター9を図2の如く構成し
て(但し、フィルター9からの排出水は浴槽6に戻らな
いようにして)、浴槽水の濾過殺菌用に組み込んだ。即
ち図2で浴槽6の中の使用済浴槽水を流量30L/mi
nでポンプ7によりフィルター8(粗大異物を粗取りす
る。)フィルター9を経由して系外に排出した。排出さ
れた処理水を出口で採取し、大腸菌群数を測定し、殺菌
可能水量を求め結果を表2に併記した。
【0042】本発明の繊維1〜5は優れた繊維物性と殺
菌能力を兼備した繊維であることが判る。なお殺菌可能
水量のこのレベルは実用上十分な殺菌能力を有すると認
められるものである。これに対してヒドラジン処理によ
る窒素含有量の増加の少ない比較例繊維No6は、銀含
有量は多く殺菌能力は十分であるものの水により膨潤す
るため通水路を閉塞し、実用上処理水量の低いものであ
った。窒素増加量の多い比較例繊維No7及び銀の導入
量の少ない比較例繊維No8は殺菌能力の劣るものであ
った。銀含有量の多い比較例繊維No9は引張強度が
0.4g/dと低く脆い繊維で通水すると粉末状繊維が
流出し、実用に耐えうるものではなかった。尚比較例繊
維No6については他繊維を混合することによって繊維
の膨潤による閉塞を防止でき通水可能となるが、処理水
中に粉末状繊維が流出するため、実用に耐えるものでは
なかった。
【0043】実施例2 本発明の繊維No2を濾過素材として実施例1と同様に
水用殺菌性フィルター試料名Bを作成し、図2の如く組
み込んで使用済浴槽水400Lを流量30l/minで
循環通水した。通水時間毎の浴槽内の水について銀イオ
ン濃度及び大腸菌群数,一般細菌数,濁度を測定し表3
に示した。本発明の殺菌性繊維を濾材としたフィルター
を使用することにより循環時間と共に大腸菌群数,一般
細菌数共に減少し優れた殺菌効果があることが認められ
た。また浴槽水中の銀イオン濃度は、循環時間経過と共
に平衡に達し、殺菌に必要な濃度を保持することが確認
された。さらに、濁度は循環時間経過と共に低下し、濾
過性能にも優れるものであった。なお濁度はJIS,K
0101の9,2により測定した。
【0044】比較例として濾過素材としてポリエステル
系繊維を使用したフィルター試料名Aで同様に試験し大
腸菌群数及び一般細菌数他を測定し結果を表3に併記し
た。大腸菌群数及び一般細菌数は時間経過とともにわず
かに低下しているものの、ほとんど殺菌効果のないもの
であった。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明の水用殺
菌性フィルターによれば、簡単な操作で濾過と共に硬水
中の細菌類を容易に殺菌することが可能である。従って
家庭用.業務用に関わらず各種容量の浴槽等に適用出
来、浴槽水の濾過清浄化及び、殺菌が可能であり感染予
防等衛生面の改善が出来る。更に、当該フィルターに採
用する殺菌性繊維は、銀イオンが化学的に結合している
ため、物理的に剥離脱落することがない。
【0047】また、三次元網目構造を有する細デニール
の繊維集合体であるため接触面積が大きく、銀イオンの
溶出を容易にすると共に、良好な濾過性能を兼ね備えた
ものである。従ってとくに循環系で使用する場合フィル
ターを小型にする事も出来る。また当該フィルターは、
殺菌性能以外にアンモニア、硫化水素、メルカプタンな
どの臭いをとる特性もあり清潔な水を長期間にわたり維
持することが出来る。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水用殺菌性フィルターの一実
施例における概略断面図である。
【図2】図2は、浴槽水の循環系に本発明の水用殺菌性
フィルターを組み込んだ一実施例における概略フロー図
である。
【符号の説明】
1 フィルターエレメント 2 コア 3 外筒 4 注水口 5 排水口 6 浴槽 7 浴槽水循環ポンプ 8 異物フィルター 9 水用殺菌性フィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 13/332 // D06M 101:28

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドラジン架橋による窒素含有量の増加
    が1.0〜8.0重量%である架橋アクリル繊維であっ
    て、残存ニトリル基の一部には0.5〜4.5mmol
    /gのカルボキシル基が、残部にはアミド基が導入され
    ており、該カルボキシル基の一部は銀塩型であって該銀
    の含有量が0.1〜30重量%であることを特徴とする
    殺菌性繊維。
  2. 【請求項2】 濾過素材が、請求項1記載の殺菌性繊維
    又は該殺菌性繊維と他の繊維との混用でなることを特徴
    とする水用殺菌性フィルター。
JP6155389A 1994-06-13 1994-06-13 殺菌性繊維及び殺菌性フィルター Pending JPH083868A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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