JPH09226348A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH09226348A
JPH09226348A JP3971496A JP3971496A JPH09226348A JP H09226348 A JPH09226348 A JP H09226348A JP 3971496 A JP3971496 A JP 3971496A JP 3971496 A JP3971496 A JP 3971496A JP H09226348 A JPH09226348 A JP H09226348A
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Tatsuhide Kawahara
辰英 川原
Yuki Izawa
友樹 井澤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、精度を必要とせず、円滑な作動を損
わず、全閉時、シールケースとロータリダンパを風もれ
なくシールできる車両用空調装置を提供する。 【解決手段】本発明は、二つの吹出口22,23に近接
した位置に、下部が開放した円筒形状のシールケース2
9をケーシング21の両側面に接触させて嵌め込み設置
し、このシールケースに各吹出口と相対する通風口3
4,35を設け、シールケースの内面に通風口の一端
側、通風口の他端側、通風口間にそれぞれ三つの半径方
向に突出するシール壁36〜38を設置し、シールケー
スの内側に同ケースの中心を軸中心として回転可能な二
つのロータリダンパ39,40を半径方向に二重に設
け、このロータリダンパに各シール壁とシールケースの
周方向から接離するシール面36a〜38aを設けて、
各ロータリダンパの回動変位により、各通風口をシール
ケースの周方向の接離でシールして全閉させるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に乗用車等の車
両に設置して用いられる冷暖房併用型の車両用空調装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車(車両)は冷暖房併用型
の空調装置がインスツルメントパネル部に設置されてい
て、エンジンの熱と冷凍サイクルとを併用して、車室内
を快適に空調することが行われている。
【0003】こうした車両用空調装置は、図6および図
7に示されるようにケーシング1内に、冷凍サイクルの
エバポレータ(図示しない)、エンジン冷却水の熱を放
熱するヒータ2と呼ばれる熱交換器、さらにはヒータ2
を通過する空気とヒータ2をバイパスする空気とを分配
するエアミックスダンパ3を設けた構造が用いられてい
る。
【0004】そして、ケーシング1の図示しない一端側
に設けてある空気吸込口(図示しない)から吸込まれた
空気を、エアミックスダンパ3の開度(左右の移動)に
よって所定に温調して、ケーシング1の他端側に設けて
ある吹出口、例えばFACE吹出口4(第1の吹出
口)、DEF吹出口5(第2の吹出口)といった各種の
吹出口から吹き出せるようにしてある。
【0005】具体的には、エバポレータにて熱交換され
て冷却された空気は、ヒータ2の上流にあるエアミック
スダンパ3の左右方向の作動によって、ヒータ2を通過
する空気とヒータ2をバイパスする空気とに所定に分配
されて分配量が調整され、さらにヒータ2の後流側の空
気流路部分で合流、混合されて所定の温度に調節された
後、各種の吹出口から吹き出される。
【0006】こうした車両用空調装置では、通常、車体
の所望の部位に在る吹出口から車室内へ温調された空気
を吹き出させるために、ヒータ2と吹出口、例えばFA
CE吹出口4,DEF吹出口5との間の流路部分に流路
切換装置7が設けてある。
【0007】一般には、板状のダンパを用いた構造が採
用される(図示していない)。ところが、この板状のダ
ンパを用いた構造だと、構造が複雑である上、ケーシン
グ1内の空気流路の抵抗が大きいといった難点がある。
【0008】そこで、図5および図6に示されるよう
に、構造が簡単となり、空気流路の抵抗が小さくてすむ
などの利点があるロータリダンパ8を用いた流路切換装
置7が提案されている。
【0009】これは、並行に配置されているFACE吹
出口4、DEF吹出口5の直下の空気流路部分に同部位
を遮蔽するよう円弧側を吹出口側に向けて略半円筒形の
シールケース9を設け、このシールケース9にロータリ
ダンパ8を組合わせた構造が用いられている。
【0010】詳しくは、シールケース9は、両端面壁が
ケーシング1の内側面に密着して、ケーシンング1の内
面とシールケース9の外面との間で風もれが無いよう、
ねじ等の固定具10で固定してある。
【0011】シールケース9の下部開口は、ヒータ2側
の空気流路中に開放されて流入通路としてあり、所定の
温度に調節された空気の全量がシールケース9内へ送り
込まれるようにしている。
【0012】そして、このシールケース9の円弧壁の
ち、FACE吹出口4およびDEF吹出口5と相対する
部分には、FACE通風口11およびDEF通風口12
が穿設してある。
【0013】こうしたシールケース9の内側に、同シー
ルケース9の内面と摺接自在な扇状形をなしたロータリ
ダンパ8が組合わせてある。すなわち、ロータリダンパ
8は、シールケース9の円弧壁の内面と接する、シール
ケース9の円弧形と同心円の円弧面形をなした円弧壁1
5、この円弧壁15の両端からシールケース9の端面壁
と接しながら中心側に延びて端部がシールケース9の円
弧壁と同一な軸中心となる部位に挿通してある駆動軸1
4に固定された端面壁16とを有して構成されている。
【0014】これにより、ロータリダンパ8は、駆動軸
14を回転させると、円弧壁15がシールケース9の円
弧壁の内面を摺動しながら回動変位して、FACE通風
口11あるいはDEF通風口12を開閉したり、両FA
CE通風口11,DEF通風口12を閉塞して、吹出側
の流路切換が行われるようにしてある。
【0015】この流路切換にて、シールケース9に送り
込まれた空気をFACE通風口11を通過してFACE
吹出口4から、DEF通風口12を通過してDEF吹出
口5から、車室内へ吹き出させるようにしている。
【0016】すなわち、今、ロータリダンパ8を、駆動
軸14を介し、図6に示す位置から図上において右方向
に回転させて、円弧壁15の内面で形成されるダンパシ
ール面8aをFACE通風口11を完全に通過した位置
で止めると、シールケース9の内部とケーシング1のF
ACE吹出口4との間に、FACE通風口11を通じる
風路が形成され、シールケース9内に至る空気がFAC
E吹出口4から車室内へ吹き出される。
【0017】同様にロータリダンパ8を、図6に示す位
置から図上において左方向に回転させて、ダンパシール
面8aをDEF通風口12を完全に通過した位置で止め
ると、シールケース9の内部とケーシング1のDEF吹
出口5との間に、DEF通風口12を通じる風路が形成
され、シールケース9内に至る空気がDEF吹出口5か
ら車室内へ吹き出される。
【0018】ところで、車両に搭載される空調装置は、
ロータリダンパ8で、同ロータリダンパ8とシールケー
ス9との間から風もれなく、吹出口、すなわちFACE
通風口11、DEF吹出口5を全閉させることが求めら
れている。
【0019】そこで、従来では、ロータリダンパ8とシ
ールケース9との隙間からの風もれを防ぐために、同隙
間を可能な限り小さくしたり、図8に示されるようにロ
ータリダンパ8の円弧壁14の両側端などのシール面に
シールケース9の円弧壁内面と接するシール部材17
(緩衝材等などが用いられる)を設けて、FACE通風
口11,DEF吹出口5の全閉状態時、ロータリダンパ
8とシールケース9との隙間から風がもれるのを抑制す
ることが行われている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の構造
は、シールケース9とロータリダンパ8との間の隙間を
小さく保つことが要求される。このため、両部品の加工
及びこれらの組立精度を維持するのが難しいといった難
点があった。
【0021】これに対し後者の構造は、隙間の対策では
良好な結果は得られるものの、常にシール部材17はシ
ールケース9の円弧壁に接しているために、ロータリダ
ンパ8の移動にはかなりの抵抗を伴い、ロータリダンパ
13の作動は重たくなりやすい。
【0022】このため、ロータリダンパ8の操作性が損
なわれる、すなわちロータリダンパ8の円滑な駆動が損
なわれる難点があり、こうした不具合を改善できるもの
が要望されている。
【0023】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、高い加工および組立精度
を必要とせず、かつロータリダンパの円滑な作動を損な
わずに、全閉状態時、シールケースとロータリダンパと
を風もれのない状態にシールすることができる車両用空
調装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した発明は、ケーシング中の熱交換器
と第1、第2の吹出口との間の同吹出口に近接した位置
に、両端が閉塞され、熱交換器側に面する側面が空気流
路と連なるように開放された円筒形状のシールケースを
その両端をケーシングの両側面に接触させて嵌め込み設
置し、この円筒形状のシールケースの第1、第2の吹出
口と相対する位置にそれぞれ第1、第2の通風口を設
け、さらに円筒形状のシールケースの内側壁の第1の通
風口の一端側に第1のシール壁、2の通風口の他端側に
第2のシール壁、第1と第2の通風口の間に第3のシー
ル壁をそれぞれ半径方向に突出させて設置し、かつ第
1、第2の通風口に対し、円筒形状のシールケースの中
心を軸中心として回転可能で、かつ第1、第2及び第3
のシール壁と面接触して第1、第2の通風口を開閉する
シール面を有する第1、第2のロータリダンパを設置し
たことにある。
【0025】請求項1に記載の発明によると、第1のロ
ータリダンパが第1のシール壁、第3のシール壁と接触
する位置にまで回動されると、同ロータリダンパのシー
ル面が第1のシール壁、第3のシール壁と面接触して、
第1の通風口は全閉される。また戻せば第1の通風口は
開放される。
【0026】第2のロータリダンパが第2のシール壁、
第3のシール壁と接触する位置にまで回動されると、同
ロータリダンパのシール面が第2のシール壁、第3のシ
ール壁と面接触して、第2の通風口は全閉される。また
戻せば第2の通風口は開放される。
【0027】かくして、第1、第2の通風口は、シール
ケースの周方向で接離する、第1、第2及び第3のシー
ル壁と第1、第2のロータリダンパのシール面とで全閉
状態のシールがなされる。
【0028】こうしたシールは、部品の高い加工および
組立精度を必要とせずに、第1、第2の通風口が風もれ
のない状態にシールできるようになる。しかも、各ロー
タリダンパは、開側に移動するときには、シール面がシ
ール壁から完全に離れて回動、すなわちシール壁とは摺
動(接触)せずに回動するので、摩擦抵抗の付加はな
く、円滑な作動が約束される。
【0029】請求項2に記載した発明は、上記目的に加
え、第1、第2のロータリダンパの支持構造の簡素化を
図るために、請求項1に記載の第1、第2のロータリダ
ンパをそれぞれ回転可能に支持する軸を円筒形状のシー
ルケースの中心を軸中心とする二重同心軸で構成したこ
とにある。
【0030】請求項3に記載した発明は、上記目的に加
え、コンパクトなダンパ構造にするために、請求項1又
は請求項2に記載の第1、第2のロータリダンパを相互
に独立して、かつ互いに半径方向に重なり合うように摺
動可能な構成としたことにある。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図5に
示す一実施形態にもとづいて説明する。図1は、本発明
を適用した車両用空調装置の吹出系廻りの側断面図、図
2は同部位の縦断面図をそれぞれ示し、図中21は例え
ば自動車のインスツルメントパネル部(図示しない)に
設置された空調装置のケーシングである。
【0032】ケーシング21は、例えば箱状に形成さ
れ、一端側となる図示しない下部側には空気吸込口が遠
心ファン(いずれも図示せず)と共に設けられている。
またケーシング21の、他端側となる上部壁には、温調
した空気を車室内に配風するための吹出口、例えば第1
の吹出口としての細長のFACE吹出口22と第2の吹
出口としてのDEF吹出口23とが並設されている。
【0033】そして、ケーシング21の内部に、空気吸
込口とFACE吹出口22,DEF吹出口23との間を
連通するような空気流路24を形成している。この空気
流路24中には、空気吸込口側から、冷凍サイクルのエ
バポレータ(図示しない)、エンジン冷却水の熱を放熱
するヒータ25と呼ばれる熱交換器、同ヒータ25を通
過する空気とヒータ25をバイパスする空気とを分配す
るエアミックスダンパ26が設けられている。
【0034】またヒータ25と吹出口22,23との間
の流路部分、具体的には吹出口22,23の直下には、
ロータリダンパ式の流路切換装置28が設けられてい
て、エアミックスダンパ26の開度によって所定に温調
された空気をFACE吹出口22,DEF吹出口23か
ら車室内へ吹き出せるようにしている。
【0035】この流路切換装置28に本発明が適用され
ている。この流路切換装置28の構造について説明すれ
ば、図中29は略半円筒形をなしたシールケースであ
る。
【0036】シールケース29は、両端が閉塞され、円
弧側が吹出口側に向き、開放側がヒータ26側に向いた
円筒形をなしていて、FACE吹出口22,DEF吹出
口23と近接した位置となる空気流路中に介装してあ
る。
【0037】詳しくは、シールケース29は、例えばF
ACE吹出口22,DEF吹出口23の直下のケーシン
グ21の側壁30,30に形成してあるくびれ部31に
嵌め込まれて、FACE吹出口22,DEF吹出口23
の長手方向沿いに横向きに配置してある。この嵌め込み
により、シールケース29の円弧壁29aの外面と側壁
30,30との間を密着させてある。
【0038】シールケース29の円弧壁29aの中間
は、FACE吹出口22とDEF吹出口23との間に在
るケーシング21の上壁部分の内面に密着している。ま
たシールケース29の端壁29a,29bは、ケーシン
グ21の端壁30a,30bの内面に密着され、ねじな
どの固定具32で同端壁30a、30bに固定されてい
て、シールケース全体を風もれがないようにケーシング
21に取付けてある。
【0039】つまり、シールケース29は、円弧壁29
aがFACE吹出口22とDEF吹出口23との直下の
空気流路部分を遮り、開放部が流入通路として作用すベ
くケーシング21中の空気流路24と連なるように、設
置してある。
【0040】なお、シールケース29の円弧壁29a
は、ケーシング21内の在る点、例えば図1および図2
に示されるようにヒータ25の上側となるケーシング1
の端壁30a,30b間を貫通している二重同心軸、例
えば中空の駆動軸27a(第1)および同駆動軸27a
内を摺動自在に挿通している駆動軸27b(第2)の軸
心を中心とした円弧形状をなしているものである。
【0041】シールケース29の円弧壁29aには、F
ACE吹出口22と相対する位置に例えば同吹出口22
と同形状のFACE通風口34(第1の通風口に相当)
が設けられ、DEF吹出口23と相対する位置に例えば
同吹出口23と同形状のDEF通風口35(第2の通風
口に相当)が設けられていて、シールケース29に到達
した空気をFACE吹出口22、DEF吹出口23へ導
けるようにしている。
【0042】また円弧壁29aの内面には、FACE通
風口34の一端側となる、円弧壁29aの周方向左側の
開口縁と近接した部位から、第1のシール壁36が円弧
壁29aの半径方向に沿って突き出ている。
【0043】この第1のシール壁36は、所定の高さ、
厚み及び半径方向に延びる平面部を有した断面形状をな
し、FACE通風口34の開口縁に沿って例えば円弧壁
29aの長手方向全体に形成してあり、FACE通風口
34側の側面をシール面36aとしてある。
【0044】さらに円弧壁29の内面には、DEF通風
口35の他端側となる、円弧壁29aの周方向右側の開
口縁と近接した内面部分に、同様に円弧壁29aの半径
方向に向かって突き出る第2のシール壁37が突設され
ている。
【0045】この第2のシール壁37には、例えば第1
のシール壁36と同一形状の壁部が第1のシール壁36
と同じように用いられている。第2のシール壁37は、
DEF通風口35側の側面をシール面37aとしてあ
る。
【0046】またFACE通風口34とDEF通風口3
5との間に在る円弧壁部分33の内面からは、第3のシ
ール壁38が円弧壁29aの半径方向に沿って突き出て
いる。
【0047】第3のシール壁38は、例えば第1、第2
のシール壁36,37に対し高さ寸法を低く設定した壁
部で構成されていて、第1、第2のシール壁36,37
と同様、円弧壁29aの長手方向全体に形成されている
もので、両側面をシール面38aとしてある。
【0048】そして、このように構成されたシールケー
ス29の円弧壁29aの内側に、FACE通風口34、
DEF通風口35を開閉する二つの独立した回動可能な
扇形のロータリダンパ39,40(第1のロータリダン
パ、第2のロータリダンパに相当)が互いに重なり合う
ように設けられている。
【0049】このうち内側に配置されるロータリダンパ
39は、円弧壁29aと同心な円弧形状で、同円弧壁2
9aの略半分(シール壁36,38間)を覆う大きさを
もつプレート状の円弧部39aを有している。
【0050】この円弧部39aの長手方向一方の端部
は、シールケース29の一方の内壁、例えば左側の端壁
29bの内面に沿って下方へ延びる端面部39bを介し
て駆動軸27aに連結されていて、駆動軸27aの軸中
心を中心として左右に回動させることにより、円弧部3
9aをFACE通風口34、DEF通風口35の全開・
全閉位置へ導けるようにしている。
【0051】そして、この円弧部39aの円弧方向一方
の端部側、例えば第1のシール壁36側の端部全体に
は、上方へ突き出る当接壁41が突設されている。この
当接壁41の外側面(左側面)には、円弧部39aがF
ACE通風口34の全閉位置に配置されたとき、第1の
シール壁36のシール面36aと面接触するシール面4
1aが形成されている。
【0052】また残る円弧部39aの端部全体(第2の
シール壁37側)には、第3のシール壁38と相対、例
えば第3のシール壁38と隙間(後述する円弧部40a
が通過するためのもの)を介して半径方向に直列に並ぶ
高さ寸法の低い当接壁42が上方に突き出ている。な
お、当接壁42は内・外側面の双方にシール面42aを
有している。
【0053】一方、ロータリダンンパ39の外側に配置
されるロータリダンパ40は、ロータリダンパ39の円
弧部39aとシール29の円弧壁29aとの間に配置さ
れる円弧部40aを有している。
【0054】この円弧部40aも、円弧壁29aと同心
な円弧形状をなし、同円弧壁29aの略半分(シール壁
37,38間)を覆う大きさをもつプレート状の円弧部
39aを有している。
【0055】この円弧部40aの長手方向他方の端部
は、シールケース29の他方の内壁、例えば右側の端壁
30aの内面に沿って下方へ延びる端面部40bを介
し、駆動軸27bに連結されていて、駆動軸27bの軸
中心を中心として左右に回動させることにより、円弧部
40aを上記円弧部39aと独立してFACE通風口3
4、DEF通風口35の全開・全閉位置へ導けるように
している。
【0056】この円弧部40aの円弧方向一方の端部
側、例えば第1のシール壁36側の端部全体からは当接
壁43が突き出ている。この当接壁43の内側面には、
円弧部40aがDEF通風口35の全閉位置に配置され
たとき、第3のシール壁38のシール面38a(左面)
と面接触するシール面43aが形成されている。
【0057】また残る円弧部40aの端部全体(第2の
シール壁37側)には、円弧部40aがDEF通風口3
5の全閉位置に配置されたとき、第2のシール壁37の
シール面36aと面接触するシール面44aをもつ当接
壁44が突き出ている。
【0058】こうしたダンパ構造により、ロータリダン
パ39とロータリダンパ40とを片側、例えば左側へ回
動させれば、図3に示されるように円弧部39aが第1
のシール壁36と面接触、さらには円弧部40aの当接
部44を介して第3のシール壁38と面接触し、FAC
E通風口34を風もれなく閉塞させて、DEF通風口3
5を開放させるようにしてある。
【0059】また逆にロータリダンパ39とロータリダ
ンパ40とを右側へ回動させれば、図4に示されるよう
に円弧部39aが全閉位置に納められたまま、円弧部4
0aが第2のシール壁37、第3のシール壁38と面接
触して、DEF通風口35を風もれなく閉塞させて、F
ACE通風口34を開放させるようにしてある。
【0060】さらにロータリダンパ39、ロータリダン
パ40を左右両側に回動させれば、図5に示されるよう
にFACE通風口34、DEF通風口35の双方が閉じ
られるようにしてある。
【0061】すなわち、こうした流路の切換えに係る作
用について説明すれば、今、図示しない空気吸込口から
空気が導入されたとする。すると、この空気は、図示し
ない遠心ファンにて圧送され、図示しないエバポレータ
と熱交換して冷却された後、ヒータ25の上流部に在る
エアミックスダンパ26により、ヒータ25を通過して
加熱(熱交換による)される空気と、ヒータ25をバイ
パスする空気とに分配される。
【0062】この冷却空気と加熱空気とに分流された空
気は、ヒータ25の後流の空気流路部分で合流し、所定
の温度に調整されて、シールケース29内に導入され
る。そして、この温調された空気が、流路切換装置28
を通じて、各種の吹出口、つまりFACE吹出口22、
DEF吹出口23から車室内へ吹き出される。
【0063】すなわち、DEF吹出口23から車室内へ
温調空気を吹き出させるときは、駆動軸27a,27b
を図上において左回転する。すると、ロータリダンパ3
9の円弧部39aは、図3に示されるようにFACE通
風口34の全閉位置まで回動し、回動方向前側に在る当
接壁41のシール面41aが第1のシール壁36のシー
ル面36aと面接触して、同部分をシールする。また円
弧部39aの回動方向後側に在る当接壁42は、第3の
シール壁38のシ−ル面38aと面一となる位置に配置
される。
【0064】一方、ロータリダンパ40の円弧部40a
は、図3に示されるようにFACE通風口34の全閉位
置まで回動し、回動方向前側に在る当接壁43のシール
面43aが、第1のシール壁36と当接している当接壁
41の背面と接触して、同部分をシールする。また円弧
部40aの回動方向後側に在る当接壁44は、その背面
が第3のシール壁38のシール面38aおよびこれと面
一の位置に在る円弧部39aの当接壁42のシール面4
2aと面接触して、同部分をシールする。
【0065】このようにしてロータリダンパ39,40
がFACE吹出口22の全閉位置に位置決められると、
シールケース29のFACE通風口34は風もれのない
全閉状態、DEF通風口35は開放状態となって、温調
された空気が同通風口35を経DEFE吹出口23から
車室内へ吹き出される。
【0066】またFACEF吹出口22から車室内へ温
調空気を吹き出させるときは、駆動軸27a,27bを
図上において右回転する。すると、ロータリダンパ40
の円弧部40aは、図4に示されるようにDEF通風口
35の全閉位置まで回動し、回動方向前側に在る当接壁
44のシール面44aが第2のシール壁37のシール面
37aと面接触して、同部分をシールする。また円弧部
40aの回動方向後側に在る当接壁43は、第3のシー
ル壁38の背面(左側)側のシ−ル面38aと面接触し
て、同部分をシールする。
【0067】一方、ロータリダンパ39の円弧部39a
は、図4に示されるようにDEF通風口35の全閉位置
まで回動し、回動方向前側に在る当接壁42のシール面
42aが、第2のシール壁36と当接している当接壁4
4の背面と接触して、同部分をシールする。また円弧部
39aの回動方向後側に在る当接壁41のシール面41
aは、第3のシール壁38と当接している当接壁43の
背面と接触して、同部分をシールする。
【0068】このようにしてロータリダンパ39,40
がDEF吹出口23の全閉位置に位置決められると、シ
ールケース29のDEF通風口35は風もれのない全閉
状態、FACE通風口34は開放状態となって、温調さ
れた空気が同通風口34を経てFACE吹出口22から
車室内へ吹き出される。
【0069】またFACE吹出口22、DEF吹出口2
3の双方を閉塞するときは、例えば図3のDEF吹出口
23が開放した状態から、回動軸27bを右回転させ、
ロータリダンパ40だけをDEF吹出口23の全閉位置
にまで回動させる。
【0070】すると、図5に示されるように円弧部40
aの回動方向前側に在る当接壁44のシール面44aが
第2のシール壁37と面接触して同部分をシールと共
に、回動方向後側に在る当接壁43が第3のシール壁3
8およびこれと面一の位置にあ円弧部39aの当接壁4
2と面接触して同部分をシールする。
【0071】これにより、FACE通風口34、DEF
通風口35は、いずれも全開状態に維持される。かくし
て、シールケース29の周方向でシール部を接離させる
ロータリダンパ34,35の開閉構造により、FACE
通風口32、DEF通風口33共、部品の高い加工およ
び組立精度を必要とせずに、全閉状態時、風もれのない
状態にシールすることができる。
【0072】しかも、各ロータリダンパ34、35は、
開閉の作動過程においてシール面41a〜44aがシー
ル壁36〜38とは完全に離れて回動、すなわちシール
ケース29とは摺動(接触)せずに回動するので、摩擦
抵抗の付加はなく、円滑な作動が約束され、円滑な駆
動、効率のよい各ロータリダンパ34,35の操作が可
能となる。
【0073】そのうえ、ロータリダンパ34,ロータリ
ダンパ35をそれぞれ回転可能に支持する軸部(軸)を
二重同心軸27a,27bで構成したので、両ロータリ
ダンパ34,35の支持構造の簡素化が図れる。
【0074】加えて、ロータリダンパ34,35の相互
を独立、かつ互いに半径方向に重なり合うように摺動可
能に構成したので、ダンパ構造(流路切換装置28)の
コンパクト化が図れ、車両用空調装置の小型化に寄与す
る。
【0075】なお、上述した一実施形態では、本発明を
FACE吹出口、DEF吹出口を有する車両用空調装置
に適用したが、これに限らず、それ以外の吹出口を有す
る車両用空調装置、例えばFOOT吹出口等などを有す
る車両用空調装置に本発明を適用してもよい。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、円弧形のシールケースに対して周方向でシ
ール部を開閉させる第1、第2のロータリダンパの採用
により、部品の高い加工および組立精度を必要とせず
に、全閉状態時、シールケースとロータリダンパとの間
を風もれのない状態にシールできる。
【0077】しかも、各ロータリダンパは、開閉の作動
過程においてシール面がシール壁から完全に離れて回
動、すなわちシールケースとは摺動(接触)せずに回動
するので、摩擦抵抗の付加はなく、円滑な作動が約束さ
れ、ロータリダンパを円滑に作動させることができ、同
ロータリダンパの効率の良い操作が可能となる。
【0078】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加え、両ロータリダンパの支持構造を簡
素化できるといった効果を奏する。請求項3に記載の発
明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加
え、、ダンパ構造のコンパクト化が図れ、車両用空調装
置の小型化に寄与するといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用空調装置の流
路切換構造廻りを示す側断面図。
【図2】同流路切換構造廻りの縦断面図。
【図3】半径方向に重なるように配置された二つのロー
タリダンパで、DEF通風口を開放、FACE通風口を
全閉したときを説明するための図。
【図4】同じく二つのロータリダンパで、FACE通風
口を開放、口DEF通風口を全閉したときを説明するた
めの図。
【図5】同じく二つのロータリダンパで、FACE通風
口および口DEF通風口を全閉したときを説明するため
の図。
【図6】従来の車両用空調装置の流路切換構造を説明す
るための側断面図。
【図7】同流路切換構造の縦断面図。
【図8】同流路切換構造を構成しているロータリダンパ
のシール構造を説明するための図。
【符号の説明】
21…ケーシング 22…FACE吹出口(第1の吹出口) 23…DEF吹出口(第2の吹出口) 24…空気流路 25…ヒータ(熱交換器) 27a,27b…駆動軸(二重同心軸) 29…シールケース 29a…円弧壁 29b,29c…端壁 31…くびれ部 34…FACE通風口(第1の通風口) 35…DEF通風口(第2の通風口) 36…第1のシール壁 36a…シール面 37…第2のシール壁 37a…シール面 38…第3のシール壁 38a…シール面 39,40…ロータリダンパ(第1、第2のロータリダ
ンパ) 41〜44…当接壁 41a〜44a…シール面。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの一端側に空気吸込口を設
    け、他端側に至る空気流路中に吸込み空気を温調する熱
    交換器を配設し、他端側に温調した空気を車室内に配風
    する第1、第2の吹出口を設けた車両用空調装置におい
    て、 前記ケーシング中の前記熱交換器と第1、第2の吹出口
    との間の同吹出口に近接した位置に両端が閉塞され、前
    記熱交換器側に面する側面が前記空気流路と連なるよう
    に開放された円筒形状のシールケースをその両端を前記
    ケーシングの両側面に接触させて嵌め込み設置し、 同円筒形状のシールケースの前記第1、第2の吹出口と
    相対する位置にそれぞれ第1、第2の通風口を設けると
    共に、同円筒形状のシールケースの内側壁の前記第1の
    通風口の一端側に第1のシール壁、前記2の通風口の他
    端側に第2のシール壁、前記第1と第2の通風口の間に
    第3のシール壁をそれぞれ半径方向に突出させて設置
    し、 前記第1、第2の通風口に対し、前記円筒形状のシール
    ケースの中心を軸中心として回転可能で、かつ前記第
    1、第2及び第3のシール壁と面接触して前記第1、第
    2の通風口を開閉するシール面を有する第1、第2のロ
    ータリダンパとを設置してなることを特徴とする車両用
    空調装置。
  2. 【請求項2】 前記第1、第2のロータリダンパをそれ
    ぞれ回転可能に支持する軸を前記円筒形状のシールケー
    スの中心を軸中心とする二重同心軸となしたことを特徴
    とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2のロータリダンパを相互
    に独立して、かつ互いに半径方向に重なり合うように摺
    動可能に構成してなることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の車両用空調装置。
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