JPH09221647A - 粘着剤組成物とその粘着シ―ト類およびこれらに用いる分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物の製造方法 - Google Patents

粘着剤組成物とその粘着シ―ト類およびこれらに用いる分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物の製造方法

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JPH09221647A
JPH09221647A JP8030224A JP3022496A JPH09221647A JP H09221647 A JPH09221647 A JP H09221647A JP 8030224 A JP8030224 A JP 8030224A JP 3022496 A JP3022496 A JP 3022496A JP H09221647 A JPH09221647 A JP H09221647A
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group
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composition
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Yukio Arimitsu
幸生 有満
Kunio Nagasaki
国夫 長崎
Toshiyuki Oshima
俊幸 大島
Toshimitsu Okuno
敏光 奥野
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Nitto Denko Corp
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/54Polycondensates of aldehydes
    • C08G18/542Polycondensates of aldehydes with phenols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2170/00Compositions for adhesives
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鍍金工程中でのマスキング効果にすぐれ、と
くに常温圧着でも十分に使用できるマスキングテ―プと
して有用な粘着シ―ト類を提供する。 【解決手段】 基材上に分子内にアルデヒド基を持つフ
エノ―ル系化合物を含有させてなる粘着剤組成物の層を
設けて粘着シ―ト類を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍍金工程中でのマ
スキング時の鍍金液や脱脂液の侵入を防止するためのマ
スキングテ―プ用として有用な粘着剤組成物とそのシ―
ト状、テ―プ状などの粘着シ―ト類に関するものであ
り、またこれらに用いるマスキング性に効果のある化合
物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鍍金工程中,鍍金を必要としない部分に
マスキングテ―プを貼り合わせることにより、鍍金工程
中の鍍金液や鍍金の前工程で必要となる電解脱脂の工程
中の脱脂液が鍍金を必要としない部分にさらされること
を防いでいる。
【0003】しかしながら、電解脱脂の工程では、被鍍
金体である金属の表面の油脂、付着物などの除去を目的
して行うため、被鍍金体である金属の表面に貼られたマ
スキングテ―プ自体も電解脱脂により徐々に剥離してく
るおそれがある。このため、後の鍍金工程で鍍金液が剥
離部分にさらされ、鍍金不良の原因となつていた。ま
た、鍍金時に酸性溶液やアルカリ溶液中に一定時間浸漬
されてさらされるため、被鍍金体である金属とその金属
の表面に貼られたマスキングテ―プとの間に鍍金液が侵
入して、鍍金不良の原因となることがあつた。
【0004】とくに、近年では、鍍金の条件、電解脱脂
の条件が厳しくなつており、よりすぐれたマスキングテ
―プの開発が強く望まれている。また、被着体にテ―プ
を貼り付ける際に、マスキング性を上げるため、加熱を
伴う圧着が行われているが、作業環境、作業効率および
テ―プ貼り合わせ時の精度向上などの点から、加熱を伴
わない圧着、つまり常温圧着でも十分にマスキング性を
示すマスキングテ―プの開発が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に照らし、鍍金工程中の電解脱脂時や鍍金時に被着体か
らのテ―プ剥がれ、脱脂液や鍍金液の侵入などが起こり
にくく、鍍金不良を少なくでき、また常温圧着でも十分
に使用できるマスキングテ―プ用として有用な粘着剤組
成物とその粘着シ―ト類を提供すること、またこれらに
用いるマスキング性に効果のある化合物の製造方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対し、鋭意検討した結果、分子内にアルデヒド基を
持つフエノ―ル系化合物がマスキング性に効果を示し、
この化合物を粘着剤中に含ませた粘着テ―プ類による
と、被着体への常温圧着による貼り付けでも、鍍金工程
中での電解脱脂時や鍍金時に被着体からのテ―プ剥が
れ、脱脂液や鍍金液の侵入などが起こりにくく、十分な
マスキング効果を発揮するマスキングテ―プが得られる
こと、またこのようなアルデヒド基を持つフエノ―ル系
化合物が汎用樹脂として知られるフエノ―ル樹脂やアル
キルフエノ―ル樹脂を酸化することで容易に生成できる
ことを見い出し、本発明を完成するに至つた。
【0007】すなわち、本発明は、つぎの一般式
(1);
【0008】
【化3】
【0009】で表される分子内にアルデヒド基を持つフ
エノ―ル系化合物を含有することを特徴とする粘着剤組
成物(請求項1)、とくに、上記の一般式(1)中のR
2 がつぎの一般式(2);
【0010】
【化4】
【0011】で表される有機基からなる分子内にアルデ
ヒド基を持つフエノ―ル系化合物を含有する粘着剤組成
物(請求項2)、さらには、基材上に上記のような分子
内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物を含有する
粘着剤組成物の層を設けてなるシ―ト状、テ―プ状など
の粘着シ―ト類(請求項3)に係るものである。
【0012】また、本発明は、フエノ―ル樹脂またはア
ルキルフエノ―ル樹脂を酸化して、IRによるベンゼン
環のC=C伸縮振動の吸収を示す吸光度(α1 )とアル
デヒド基のC=O伸縮振動の吸収を示す吸光度(α2
との比(α=α2 /α1 )が0.02以上である、前記
の一般式(1),(2)で表されるフエノ―ル系化合物
を生成することを特徴とする分子内にアルデヒド基を持
つフエノ―ル系化合物の製造方法(請求項4)に係るも
のである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いる分子内にアルデヒ
ド基を持つフエノ―ル系化合物は、前記一般式(1)で
表されるものであつて、たとえば、式中のR2 が水素原
子であるものとして、下記の一般式(3)で表されるも
の、また、式中のR2 がアルデヒド基を持つ芳香環との
間で複素環を構成する二価の基であるものとして、下記
の一般式(4),(5)で表されるもの、さらに、式中
のR2 が前記一般式(2)で表されるものとして、下記
の一般式(6),(7)で表されるものがある。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】これらの化合物は、分子内に存在するフエ
ノ―ル系のアルデヒド基によつて、その理由は必ずしも
明らかとはいえないが、この化合物を粘着剤組成物の層
中に含有させた粘着シ―ト類をマスキングテ―プとして
被鍍金体である金属に貼り付けたとき、このテ―プと被
着体の金属との間に電解脱脂工程時の脱脂液や鍍金工程
時の鍍金液が侵入するのを防止するという効果がある。
【0020】このような化合物の中でも、とくに上記の
一般式(6),(7)で表されるような前記一般式
(1)中のR2 が前記一般式(2)で表されるものにつ
いては、汎用樹脂として知られるフエノ―ル樹脂または
アルキルフエノ―ル樹脂を出発原料として使用し、これ
らの樹脂を適宜の方法で酸化することにより、容易に製
造できることが見い出された。
【0021】一般に、フエノ―ル樹脂またはアルキルフ
エノ―ル樹脂には、レゾ―ル型とノボラツク型とがある
が、そのどちらも、酸化により、分子内にアルデヒド基
を持つフエノ―ル系化合物を得ることが可能である。た
とえば、下記の一般式(8)で示されるレゾ―ル型や、
下記の一般式(9)で示されるノボラツク型の樹脂を用
いて、加熱による酸化、光や紫外線による酸化、酸化剤
を用いる酸化などにより、分子内にアルデヒド基を持つ
フエノ―ル系化合物を生成できる。
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】加熱による酸化の場合は、加熱温度は60
℃以上、好ましくは100〜180℃で行うのがよい。
加熱時間は1時間以上で、好ましくは1日間〜300日
間とするのがよいが、加熱時間は加熱温度により適宜に
決めることができるため、この限りではない。また、加
熱中の酸化進行を速やかにするために、酸素の投与、撹
拌を伴つていてもかまわない。また、加熱は連続である
必要はなく、断続的な加熱であつてもかまわない。
【0025】光や紫外線による酸化の場合は、太陽光、
または波長が1mm〜1Åの電磁波を用いるのがよい。照
射時間は1時間以上で、好ましくは1日間〜300日間
とするのがよいが、照射時間は電磁波の波長により適宜
に決めることができるため、この限りではない。また、
照射中の酸化進行を速やかにするため、加熱、酸素の投
与、撹拌を伴つていてもかまわない。また、照射は連続
である必要はなく、断続的な照射であつてもかまわな
い。
【0026】酸化剤による酸化の場合は、酸化剤とし
て、たとえば、クロム酸、有機過酸、硝酸、ハロゲン、
過マンガン酸塩などを用い、またOppenauer酸
化などの一般的な酸化方法を用いて行うことができる。
酸化条件としては、それぞれの酸化剤について適宜に決
めることができる。
【0027】このように酸化して得られる生成物は、通
常、分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物の
単体ではなく、この化合物を含む原料樹脂との混合物と
なつている。本発明においては、分子内にアルデヒド基
を持つフエノ―ル系化合物を粘着剤組成物中に含ませる
にあたり、上記の混合物から分子内にアルデヒド基を持
つフエノ―ル系化合物を単離して用いてもよいが、一般
には、この化合物を単離することなく上記の混合物のま
まで用いることができる。
【0028】分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系
化合物の生成は、IR分析によりアルデヒド基のC=O
伸縮振動の吸収を測定することにより、確認することが
できる。通常では、IR分析にてベンゼン環のC=C伸
縮振動の吸収(通常1,400〜1,550cm-1に吸収
がある)を示す吸光度(α1 )とアルデヒド基のC=O
伸縮振動の吸収(通常1,600〜1,800cm-1に吸
収がある)を示す吸光度(α2 )との比(α=α2 /α
1 )が0.02以上、好ましくは0.1以上となると
き、生成物中に分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル
系化合物が十分に存在し、この生成物をそのまま粘着剤
組成物中に含ませたときに、良好なマスキング性を発現
させることが可能である。
【0029】なお、本発明においては、上記のような酸
化により生成したものだけでなく、その他の製法によつ
て得られる分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化
合物またはこれを含む混合物を用いてもよい。また、既
に存在する分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化
合物やこれを含む混合物を用いてもよい。ただし、分子
内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物が低分子量
または低沸点であると、これが粘着シ―ト類の製造時や
貯蔵時などに経日的に気化し、マスキング効果が低下す
るおそれがあるため、低分子量および低沸点のものはあ
まり好ましくない。分子量としては、重量平均で、一般
に100以上、好ましくは500以上(通常10万ま
で、好ましくは1万まで)であるのがよい。
【0030】本発明の粘着剤組成物は、公知の種々の粘
着剤、たとえば、常温で接着力を示す一般の粘着剤、融
点が約200℃以下などの熱溶融性樹脂を用いた耐クリ
―プ性にすぐれる粘着剤、常温では低接着力で加熱によ
り強い接着力を発現する粘着剤などを基剤として、これ
に上記の分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合
物(またはこれを含む混合物)を含有させてなるもので
ある。これらの粘着剤組成物は、架橋剤、可塑剤、充填
剤、老化防止剤、粘着性付与剤、顔料などの各種の添加
剤を含有するものであつてもよい。
【0031】常温で接着力を示す一般の粘着剤として
は、たとえば、天然ゴムや各種の合成ゴムをベ―スポリ
マ―としたゴム系粘着剤、下記の構成モノマ―からなる
アクリル系ポリマ―をベ―スポリマ―としたアクリル系
粘着剤、スチレン−共役ジエンブロツク共重合体系粘着
剤、シリコ―ン系粘着剤などが挙げられる。その他に、
紫外線硬化型の粘着剤などを使用することもできる。
【0032】アクリル系ポリマ―は、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イ
ソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル
基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、エイコシル基などの炭素数が通常20以下のア
ルキル基を有するアクリル酸ないしメタクリル酸のアル
キルエステルを主モノマ―とし、必要により、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、
N−メチロ―ルアクリルアミド、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル
酸グリシジル、酢酸ビニル、スチレン、イソプレン、ブ
タジエン、イソブチレン、ビニルエ―テルなどを共重合
モノマ―としたものである。
【0033】粘着剤組成物中に含有させる分子内にアル
デヒド基を持つフエノ―ル系化合物の量は、上記化合物
の構造やアルデヒド基の割合などにより適宜決めること
ができる。たとえば、フエノ―ル樹脂またはアルキルフ
エノ―ル樹脂を酸化して得られる、IR分析によるベン
ゼン環のC=C伸縮振動の吸収を示す吸光度(α1 )と
アルデヒド基のC=O伸縮振動の吸収を示す吸光度(α
2 )との比(α=α2/α1 )が0.02以上となる生
成物をそのまま用いる場合、粘着剤のベ―スポリマ―1
00重量部あたり、上記生成物が0.1〜100重量
部、好ましくは1〜20重量部となるような割合で用い
ればよい。上記以外の分子内にアルデヒド基を持つフエ
ノ―ル系化合物についても、これに準じた割合で使用で
きる。
【0034】本発明の粘着シ―ト類は、このような分子
内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物を含有する
粘着剤組成物の層を基材上に設けてシ―ト状、テ―プ状
などの形態としたものである。その際、基材と上記の粘
着剤組成物の層との間に下地層として別の層を設けても
よく、またこの層中に分子内にアルデヒド基を持つフエ
ノ―ル系化合物を含ませてもよいし含ませなくてもよ
い。また、基材の背面側に別の層を設けてもよく、また
その層中に分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化
合物を含ませてもよいし含ませなくてもよい。さらに、
粘着剤組成物の層に含ませた上記化合物の機能を損なわ
ない限り、粘着剤組成物の層の上に別の層を設けるよう
にすることもできる。
【0035】基材としては、プラスチツク、紙、織布、
不織布ないしフエルト、金属箔、発泡体、それらのラミ
ネ―ト体などからなるものが適宜用いられる。また、粘
着シ―ト類をロ―ル状に巻回する場合、基材の被粘着面
にシリコ―ン、長鎖アルキル基含有ポリマ―などの離型
剤を塗布する、いわゆる離型処理を施してもよい。基材
の厚さは、6μm〜5mmが一般的であるが、これに限定
されない。
【0036】本発明では、このような粘着シ―ト類をマ
スキングテ―プとして用いることにより、これを被着体
に対し常温圧着により貼り付けたときでも、鍍金工程中
での電解脱脂時や鍍金時に被着体からのテ―プ剥がれ、
脱脂液や鍍金液の侵入などを効果的に防止でき、十分な
マスキング効果を発揮させることができる。
【0037】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。以下、部とあるのは重量部を意味す
る。また、IR分析において、IRはPERKIN E
LMER製の「Paragon 1000 FT−I
R」を用いた。
【0038】実施例1 ノボラツク型t−ブチルフエノ―ル樹脂(重量平均分子
量1,300)を130℃の条件下10日間加熱酸化
し、分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物を
含む生成物を得た。この生成物について、IR分析によ
るベンゼン環のC=C伸縮振動の吸収を示す吸光度(α
1 )とアルデヒド基のC=O伸縮振動の吸収を示す吸光
度(α2 )との比(α=α2 /α1 )を調べたところ、
0.37であつた。
【0039】参考のために、上記生成物についてのIR
分析によるIRチヤ―トを図1に示す。また、比較のた
め、加熱酸化前のノボラツク型t−ブチルフエノ―ル樹
脂について、上記同様の比(α=α2 /α1 )を調べた
ところ、0であつた。また、この加熱酸化前のノボラツ
ク型t−ブチルフエノ―ル樹脂についてのIR分析によ
るIRチヤ―トを図2に示す。
【0040】実施例2 レゾ―ル型オクチルフエノ―ル樹脂(重量平均分子量
1,000)を150℃の条件下3日間加熱酸化し、分
子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物を含む生
成物を得た。この生成物につき、IR分析にてベンゼン
環のC=C伸縮振動の吸収を示す吸光度(α1 )とアル
デヒド基のC=O伸縮振動の吸収を示す吸光度(α2
との比(α=α2 /α1 )を調べたところ、0.35で
あつた。
【0041】参考のために、上記生成物についてのIR
分析によるIRチヤ―トを図3に示す。また、比較のた
め、加熱酸化前のレゾ―ル型オクチルフエノ―ル樹脂に
ついて、上記同様の比(α=α2 /α1 )を調べたとこ
ろ、0であつた。また、この加熱酸化前のレゾ―ル型オ
クチルフエノ―ル樹脂についてのIR分析によるIRチ
ヤ―トを図4に示す。
【0042】実施例3 アクリル酸n−ブチル100部とアクリル酸3部とアク
リロニトリル20部との共重合体からなる重量平均分子
量が90万のベ―スポリマ―100部に、実施例1で得
た比(α=α2 /α1 )が0.37である生成物5部お
よびイソシアネ―ト系架橋剤5部を配合して、粘着剤組
成物のトルエン溶液を調製した。つぎに、この粘着剤組
成物の溶液を、厚さが25μmのポリエステルフイルム
の片面に、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布した
のち、加熱乾燥処理して、粘着テ―プを作製した。
【0043】比較例1 実施例1で得た比(α=α2 /α1 )が0.37である
生成物5部に代えて、加熱酸化前の未処理のノボラツク
型t−ブチルフエノ―ル樹脂5部を用いた以外は、実施
例3と同様にして、粘着テ―プを作製した。
【0044】実施例4 アクリル酸n−ブチル100部とアクリル酸エチル10
0部とアクリル酸10部との共重合体からなる重量平均
分子量が40万のベ―スポリマ―100部に、実施例2
で得た比(α=α2 /α1 )が0.35である生成物1
0部、イソシアネ―ト系架橋剤6部および顔料2部を配
合して、粘着剤組成物のトルエン/酢酸エチル混合溶液
を調製した。つぎに、この粘着剤組成物の溶液を、厚さ
が25μmのポリエステルフイルムの片面に、乾燥後の
厚さが5μmとなるように塗布したのち、加熱乾燥処理
して、粘着テ―プを作製した。
【0045】比較例2 実施例2で得た比(α=α2 /α1 )が0.35である
生成物10部に代えて、加熱酸化前の未処理のレゾ―ル
型オクチルフエノ―ル樹脂10部を用いた以外は、実施
例4と同様にして、粘着テ―プを作製した。
【0046】実施例5 アクリル酸n−ブチル100部とアクリル酸3部とアク
リロニトリル20部との共重合体からなる重量平均分子
量が90万のベ―スポリマ―100部に、2−ヒドロキ
シ−1−ナフトアルデヒド0.5部およびイソシアネ―
ト系架橋剤4部を配合して、粘着剤組成物のトルエン溶
液を調製した。つぎに、この溶液を、厚さが25μmの
ポリエステルフイルムの片面に、乾燥後の厚さが3μm
となるように塗布したのち、加熱乾燥処理して、粘着テ
―プを作製した。
【0047】なお、上記の2−ヒドロキシ−1−ナフト
アルデヒドにつき、IR分析によるベンゼン環のC=C
伸縮振動の吸収を示す吸光度(α1 )とアルデヒド基の
C=O伸縮振動の吸収を示す吸光度(α2 )との比(α
=α2 /α1 )を調べたところ、1.08であつた。ま
た、IR分析によるIRチヤ―トを図5に示す。
【0048】比較例3 粘着剤組成物中に2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒ
ドを配合しなかつた以外は、実施例5と同様にして、粘
着テ―プを作製した。
【0049】上記の実施例3〜5および比較例1〜3で
作製した各粘着テ―プについて、以下のマスキング性試
験を行つた。結果は、表1に示されるとおりであつた。
【0050】<マスキング性試験>RT圧着(室温圧
着)として、ステンレス板(SUS304BA仕上げ
品)に10mm幅の粘着テ―プを貼り合わせ、ラミネ―タ
ロ―ルにて4Kg/cm2 ,1m/分の条件で圧着した。ま
た、130℃圧着として、上記のRT圧着後、熱プレス
機にて130℃,6Kg/cm2 ,3秒の条件で圧着した。
【0051】このように貼り合わせた試験テ―プを、マ
スキング性試験液(NaOH:30g/リツトル、Na
2 CO3 :15g/リツトル、Na3 PO4 :20g/
リツトル)中、液温60℃,電流密度10A/dm2 にて
各時間処理し、テ―プマスク部への試験液侵入の様子を
観察して、以下のとおり、評価した。 ○ : 液侵入がなくテ―プに性状変化が全くみられない △ : マスク両端部または一方の端部にごく僅かな液侵 入がみられる × : マスク両端部への液侵入がみられる ×× : マスク両端部への液侵入が非常に著しい
【0052】
【0053】上記の表1の結果から明らかなように、本
発明の実施例3〜5の粘着テ―プでは、加熱圧着(13
0℃圧着)はもちろんのこと、常温圧着(RT圧着)に
おいても、すぐれたマスキング効果が得られていること
がわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明により、鍍金工程でのマスキング
部分への鍍金液や脱脂液の侵入を防止でき、とくに常温
で貼り付けても同様のマスキング効果が得られる。ま
た、このような効果を発揮する分子内にアルデヒド基を
持つフエノ―ル系化合物がフエノ―ル樹脂やアルキルフ
エノ―ル樹脂を酸化することにより容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たノボラツク型t−ブチルフエノ
―ル樹脂の酸化生成物のIRチヤ―トを示す特性図であ
る。
【図2】実施例1で原料として用いた加熱酸化前のノボ
ラツク型t−ブチルフエノ―ル樹脂のIRチヤ―トを示
す特性図である。
【図3】実施例2で得たレゾ―ル型オクチルフエノ―ル
樹脂の酸化生成物のIRチヤ―トを示す特性図である。
【図4】実施例2で原料として用いた加熱酸化前のレゾ
―ル型オクチルフエノ―ル樹脂のIRチヤ―トを示す特
性図である。
【図5】実施例5で用いた2−ヒドロキシ−1−ナフト
アルデヒドのIRチヤ―トを示す特性図である。
フロントページの続き (72)発明者 奥野 敏光 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 つぎの一般式(1); 【化1】 で表される分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化
    合物を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル
    系化合物は、一般式(1)中のR2 がつぎの一般式
    (2); 【化2】 で表される有機基からなる化合物である請求項1に記載
    の粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 基材上に請求項1または請求項2に記載
    の分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物を含
    有する粘着剤組成物の層を設けてなる粘着シ―ト類。
  4. 【請求項4】 フエノ―ル樹脂またはアルキルフエノ―
    ル樹脂を酸化して、IRによるベンゼン環のC=C伸縮
    振動の吸収を示す吸光度(α1 )とアルデヒド基のC=
    O伸縮振動の吸収を示す吸光度(α2 )との比(α=α
    2 /α1 )が0.02以上である、請求項2に記載の分
    子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物を生成す
    ることを特徴とする分子内にアルデヒド基を持つフエノ
    ―ル系化合物の製造方法。
JP8030224A 1996-02-19 1996-02-19 粘着剤組成物とその粘着シ―ト類およびこれらに用いる分子内にアルデヒド基を持つフエノ―ル系化合物の製造方法 Pending JPH09221647A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249736A (ja) * 2001-02-22 2002-09-06 Nitto Denko Corp コンデンサ素子巻止め用粘着テープ
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