JP4020611B2 - 剥離ライナ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着テープに使用される剥離ライナ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粘着テープの製品形態は、コイル状の巻き上げ巻重体あるいは、何層も積層する積層体とするのが一般的である。これらの場合においては、粘着剤層と基材背面とが密着するため、使用時に巻き戻したり、引き剥がしたりするのが困難とならないように基材背面に離型剤を付与する剥離処理がなされる。本発明では、このように剥離処理を施された基材を剥離ライナと称する。
【0003】
この剥離ライナは、基材と離型剤層から構成され、通常、基材に離型剤を塗布することにより製造される。剥離ライナに使用される離型剤としては、長鎖アルキル基含有ポリマー、シリコーン系ポリマー、パーフルオロ系ポリマー、フッ化ポリオレフィン、ポリオレフィンなどが挙げられる。また、使用される基材としては、プラスチックフィルム、紙、布、発泡体、金属箔などが挙げられる。塗布方法としては、離型剤を溶剤に溶解し、その溶液を塗工する方法、離型剤を水に乳化し、そのエマルションを塗工する方法、離型剤を溶融し、基材とラミネートするホットメルト法などが挙げられるが、離型剤を溶剤に溶解して塗工する方法が最も一般的である。この溶剤型塗布法に使用される溶剤としては、トルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記溶剤型塗布法では、多量の溶剤で希釈した離型剤溶液を塗工した場合に、塗工機のコーター部と基材との接触摩擦により離型剤溶液が帯電し、形成される離型剤層に静電気に起因する塗布ムラを生じさせてしまう。この静電気による塗布ムラは、離型剤層に部分的な光干渉を起こさせるため、外観が損なわれるということが問題となっている。
【0005】
この問題に対して、装置に設置されている除電バーなどの静電気除去装置を利用することができるが、コーター部と基材との接触摩擦が局所的であるため、静電気を有効に除去できない。また、帯電防止剤を基材にコーティングまたは練り込んだ、いわゆる帯電防止型基材を使用する方法があるが、コスト面で不利であるため実用的ではない。
【0006】
本発明は、上記の従来技術の欠点を解消し、特別な装置や基材を使用することなく静電気を防止でき、静電気による塗布ムラのない品質の良好な剥離ライナとその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の有する課題を克服するために、鋭意研究を重ねた結果、0.01μS/cmを越える電導度を有する溶剤を選択すると、静電気による塗布ムラのない離型剤層を形成できること、よって品質が良好な剥離ライナが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、基材表面に離型剤層を有する剥離ライナであって、前記離型剤層は、離型剤が電導度0.01μS/cmを越える溶剤(ただし、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤を除く)に溶解された離型剤溶液をコーティングして形成されたものであることを特徴とする剥離ライナを提供する。
【0009】
本発明は、また、離型剤が電導度0.01μS/cmを越える溶剤(ただし、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤を除く)に溶解された離型剤溶液を基材表面にコーティングして離型剤層を形成することを特徴とする剥離ライナの製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、基材を構成する材料としては、例えば、クラフト紙、和紙などの紙;例えば、レーヨン、ガラス、ポリエステル等の繊維からなる単独又は混紡の織布等の布;例えば、セロハン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックからなるプラスチックフィルム又はシート;例えば、天然ゴム、ブチルゴムなどのゴムからなるゴムシート;例えば、ポリウレタン、ポリクロロプレンゴムなどの発泡体からなる発泡体シート;例えば、アルミニウム、銅などの金属箔;及びこれらの複合体(積層体)などが使用できる。
基材の厚さは、剥離ライナの用途等によって異なり、広い範囲を採りうるが、一般には10〜500μm程度、好ましくは20〜200μm程度である。
【0011】
本発明において、離型剤層を構成する離型剤としては、剥離性を有し且つ固形状態になりうるものであれば特に限定されない。この離型剤としては、慣用乃至公知のものを使用でき、その代表的な例として、例えば、長鎖アルキルアクリレート重合物、長鎖アルキル変成物などの長鎖アルキル基含有ポリマー;例えば、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン系ポリマー;例えば、ポリジメチルシランなどのシラン系ポリマー;例えば、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシ樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、パーフルオロアクリレートなどのパーフルオロ系ポリマー;例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィンなどが挙げられる。
【0012】
本発明においては、離型剤を溶解させる溶剤(希釈溶剤)として、電導度が0.01μS/cmを越える(例えば0.01μS/cm〜10.0μS/cm程度の)溶剤を用いることが主な特徴である。電導度が0.01μS/cmを越える溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。また、溶剤としては、電導度が0.01μS/cmを越える溶剤を単独で、又は二種以上混合して用いてもよいし、電導度が0.01μS/cmを越える範囲内で電導度が0.01μS/cmを越える溶剤と他の溶剤を混合した混合溶剤を用いることもできる。他の溶剤としては、慣用のものを使用でき、例えば、トルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられる。ただし、本発明における希釈溶剤は、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤を除く意味である。離型剤を溶解させる溶剤の電導度は、より好ましくは0.02μS/cm〜1.0μS/cm程度である。離型剤溶液の濃度は、離型剤固形分濃度として0.1〜50重量%で用いるのが好ましく、0.1〜30重量%であるのがより好ましい。
【0013】
本発明における離型剤層は、慣用のコーター、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどを用いて基材上に離型剤溶液を塗工することにより形成することができる。乾燥後の離型剤層の厚みが、例えば0.01〜1.0μm程度となるように塗布される。
【0014】
本発明においては、電導度が0.01μS/cmを越える溶剤を用いることにより、コーター部と基材の接触摩擦により発生した静電気を溶剤を通して放電させることができ、離型剤溶液の帯電を防ぐことができる。このような溶剤を用いれば、静電気による塗工ムラのない良好な離型剤層を形成することができ、ひいては高品質の剥離ライナを製造することができる。従って、塗工機に特別な静電気除去装置を設ける必要が無く、帯電防止剤を基材にコーティング又は練り込んだ帯電防止型基材を必要としないため、従来の装置を利用でき、コストの面からも有利である。
【0015】
本発明の剥離ライナは、巻重体や積層体の製品形態をとる粘着テープの基材や、粘着テープの粘着剤層を使用時まで保護するための保護材などとして使用できる。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、0.01μS/cmを越える電導度を有する溶剤を用いるため、離型剤層形成時の静電気による塗工ムラを抑制することができ、光干渉のない品質のよい剥離ライナを製造することができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、電導度は、CG−511Bセル(セル定数0.997)を用い、25℃、55R.H.%の条件下、東亜電波工業製Conductivity Meter CM20Eにより測定した。この測定機における電導度の下限限界値は0.01μS/cmである。
【0018】
実施例1
シリコーン系ポリマー離型剤(商品名「KS−847H」、信越化学工業(株)製)をメチルエチルケトン溶剤(電導度:0.4μS/cm)に希釈して固形分3重量%の離型剤溶液(電導度:0.4μS/cm)を調製した。
次に、上記離型剤溶液を厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラー」、東レ(株)製)上にコーティングして離型剤層を形成し、剥離ライナを作製した。
【0019】
実施例2
実施例1において、溶剤としてメチルエチルケトンの代わりにメチルイソブチルケトン(電導度:0.9μS/cm)を用いて離型剤溶液(電導度:0.9μS/cm)を調製した以外は実施例1と同様の方法で剥離ライナを作製した。
【0020】
参考例1
実施例1において、溶剤としてメチルエチルケトンの代わりにトルエン・メチルエチルケトン混合溶剤(重量比50:50、電導度0.03μS/cm)を用いて離型剤溶液(電導度0.03μS/cm)を調製した以外は、実施例1と同様の方法で剥離ライナを作製した。
【0021】
比較例1
実施例1において、溶剤としてメチルエチルケトンの代わりにトルエン(電導度測定下限限界以下)を用いて離型剤溶液(電導度測定下限限界以下)を調製した以外は、実施例1と同様の方法で剥離ライナを作製した。
【0022】
比較例2
実施例1において、溶剤として、メチルエチルケトンの代わりに酢酸エチル(電導度測定下限限界以下)を用いて離型剤溶液(電導度測定下限限界以下)を調製した以外は、実施例1と同様の方法で剥離ライナを作製した。
【0023】
比較例3
実施例1において、溶剤としてメチルエチルケトンの代わりにヘプタン(電導度測定下限限界以下)を用いて離型剤溶液(電導度測定下限限界以下)を調製した以外は、実施例1と同様の方法で剥離ライナを作製した。
【0024】
評価試験(静電気による塗布ムラの観察)
実施例、参考例及び比較例で作製した剥離ライナの離型剤表面を目視観察し、静電気による塗布ムラを下記の基準で評価した。結果を表1に示す。なお、表中の電導度の欄の「N.D.」は、測定機における測定下限限界以下であったことを示している。
評価基準(静電気による塗布ムラについて)
○:静電気による塗布ムラに起因する光干渉が見られない
×:静電気による塗布ムラに起因する光干渉が部分的又は全体に見られる
【表1】
【0025】
実施例では、静電気による塗布ムラのない離型剤層を形成できているが、比較例では、形成された離型剤層に光干渉が観察されることから、静電気による塗布ムラを生じていることがわかる。
Claims (2)
- 基材表面に離型剤層を有する剥離ライナであって、前記離型剤層は、離型剤が電導度0.01μS/cmを越える溶剤(ただし、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤を除く)に溶解された離型剤溶液をコーティングして形成されたものであることを特徴とする剥離ライナ。
- 離型剤が電導度0.01μS/cmを越える溶剤(ただし、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤を除く)に溶解された離型剤溶液を基材表面にコーティングして離型剤層を形成することを特徴とする剥離ライナの製造方法。
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