JPH09221396A - 炭化珪素単結晶の製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法

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JPH09221396A
JPH09221396A JP2539696A JP2539696A JPH09221396A JP H09221396 A JPH09221396 A JP H09221396A JP 2539696 A JP2539696 A JP 2539696A JP 2539696 A JP2539696 A JP 2539696A JP H09221396 A JPH09221396 A JP H09221396A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の技術により成長させた炭化珪素単結晶イ
ンゴットは、6H型と4H型および15R型さらに3C
型の多形が成長面内および成長方向内で混在する問題が
ある。 【解決手段】本発明は、黒鉛製るつぼ1内に載設された
炭化珪素単結晶基板3上に成長する炭化珪素単結晶面と
平行に対向して配置される遮蔽板9を任意温度に維持さ
せ、前記炭化珪素単結晶面と該遮蔽板との間の距離が一
定に保つように駆動装置18,19で移動させつつ、炭
化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置及
び炭化珪素単結晶の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素単結晶基
板(種結晶)上に成長される炭化珪素単結晶インゴット
の多形を一定に保つ炭化珪素単結晶の製造装置および前
記炭化珪素単結晶インゴットの多形を4H型あるいは6
H型に成長可能な炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、炭化珪素単結晶基板は、
高耐圧電力用トランジスタや高耐圧ダイオード等の高耐
圧大電力用半導体装置に用いられる半導体基板として製
造されている。この炭化珪素単結晶基板の製造方法とし
ては、アチソン法、レーリー法、昇華再結晶法(改良レ
ーリー法)等が知られている。このうち半導体基板の製
造方法としては、大面積且つ高品質の炭化珪素単結晶結
晶成長に有利な昇華再結晶法が主に採用されている。
【0003】この昇華再結晶法は、特公昭63−574
00号公報に開示されており、黒鉛製るつぼ1内に配置
された炭化珪素原料粉末2を誘導コイル7で加熱昇華さ
せ、同じく黒鉛製るつぼ1内の炭化珪素原料粉末2の表
面と対面するように配置された炭化珪素単結晶からなる
炭化珪素種結晶3の表面上に炭化珪素単結晶4を成長さ
せる方法である。この方法により、得られた炭化珪素単
結晶4は、半導体基板に用いるのに適した大面積且つ多
形が制御された基板として供給されている。
【0004】さらに、この炭化珪素単結晶基板上に必要
に応じて、液相エピタキシャル法(LPE)または、気
相エピタキシャル法(CVD)により、導電型もしくは
キャリア濃度が基板とは異なる炭化珪素単結晶層を成長
させ、半導体素子製作用基板が製造される。
【0005】また、炭化珪素には結晶構造の異なる数多
くの多形が存在し、α型とβ型に分けられる。このうち
α型は、六方晶系と菱面体晶系に属する結晶構造を有
し、更に六方晶系は、原子面の積み重なりの周期の数の
違いにより、一般には、6H型、4H型などと称される
ものが存在する。同様に菱面体晶系は、15R型や21
R型と称されるものが存在する。また、β型は、立方晶
系に属する結晶構造を有し、3C型のみ存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術にお
いて、炭化珪素単結晶基板の電気的特性は、これらの多
形によって異なり、作製される半導体装置の種類に従っ
て、炭化珪素単結晶基板の多形の種類が選ばれる。特
に、高耐圧大電力用半導体装置の特性向上には、α型
(6H型・4H型)の多形をもつ炭化珪素単結晶基板が
適しており、大口径かつ高品位のα型の多形を持つ炭化
珪素単結晶基板が安価に大量に供給されることが望まれ
る。
【0007】しかし、特公平6−39360号公報には
炭化珪素単結晶の面方位および面極性を限定し炭化珪素
単結晶の成長条件すなわち温度、温度勾配、成長速度を
限定することにより、6H型あるいは4H型の炭化珪素
単結晶を成長させているが、この方法においても、たし
かに所望の結晶構造を持つ炭化珪素単結晶はできるが、
成長面内および成長方向内の炭化珪素単結晶インゴット
全てを同一多形にすることは困難である。
【0008】さらに、特開平2−48495号公報に開
示されている成長方法においても、成長面内および成長
方向内の炭化珪素単結晶インゴット全てを同一多形にす
ることは困難である。
【0009】従って、従来の技術により成長させた炭化
珪素単結晶インゴットは、6H型と4H型および15R
型さらに3C型の多形が成長面内および成長方向内で混
在する問題がある。
【0010】そこで本発明は、同一多形をもつ炭化珪素
単結晶インゴットを効率良く製造するための炭化珪素単
結晶の製造装置および4H型あるいは6H型炭化珪素単
結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上のような構成によ
り、 (1)炭化珪素原料粉末を不活性ガス雰囲気中で加熱昇
華させ、炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の
製造装置において、前記炭化珪素原料を充填し、加熱に
より該炭化珪素原料から昇華ガスを生成し、底部の中央
に開孔を形成されたるつぼと、前記開孔に外部からるつ
ぼ内部に挿入可能な支軸棒と、前記支軸棒の最上部に設
けられた遮蔽板と、前記遮蔽板の上方で前記るつぼの上
部に載設され、該るつぼと前記遮蔽板よりもやや低温に
なる炭化珪素単結晶基板(種結晶)を前記遮蔽板と平行
に対向して取り付けられた上蓋と、前記支軸棒および前
記遮蔽板を同時に上下動可能とする上下駆動装置とを具
備する炭化珪素単結晶の製造装置を提供する。
【0012】従って、(1)項によれば、炭化珪素単結
晶の成長中に炭化珪素単結晶成長面と常に一定間隔で遮
蔽板が対向しており、結晶成長面と遮蔽板の温度差が一
定に保たれ、結晶成長面の温度が均一的に一定温度に保
たれ、同一多形をもつ炭化珪素単結晶インゴットを効率
良く製造できる。
【0013】(2)前記(1)項記載の前記上下駆動装
置が前記遮蔽板及び支軸棒を0.1〜1.5mm/hの速
度で上下駆動させる炭化珪素単結晶の製造装置を提供す
る。従って、(2)項によれば、同一多形をもつ炭化珪
素単結晶インゴットを効率よく製造できる。
【0014】(3)前記(1)項記載の炭化珪素単結晶
の製造装置により、前記るつぼ内に載設された炭化珪素
単結晶基板上に成長する炭化珪素単結晶面と平行に対向
して配置される遮蔽板との間の距離が一定に保つように
移動させつつ、炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単
結晶の製造方法を提供する。
【0015】従って、前記(3)項によれば、炭化珪素
単結晶インゴット成長中、前記遮蔽板と前記炭化珪素単
結晶基板(種結晶)上に成長する炭化珪素単結晶インゴ
ット表面との距離を一定に保つことによって、成長面の
温度変化が無くなり、同一多形をもつ炭化珪素単結晶イ
ンゴットを効率良く製造できる。
【0016】(4)前記炭化珪素単結晶基板表面の面方
位を(0001)炭素面とし、且つ、前記遮蔽板と炭化
珪素単結晶表面との距離を0.2〜15mmとすることに
より、4H型炭化珪素単結晶を成長させる前記(3)項
記載の炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。
【0017】従って、前記(4)項によれば、4H型炭
化珪素単結晶インゴットを効率よく製造できる。 (5)前記炭化珪素単結晶基板表面の面方位を(000
1)珪素面とし、且つ、前記遮蔽板と炭化珪素単結晶表
面との距離を15〜50mmとすることにより、6H型炭
化珪素単結晶を成長させる前記(3)項記載の炭化珪素
単結晶の製造方法を提供する。
【0018】従って、前記(5)項によれば、6H型炭
化珪素単結晶インゴットを効率よく製造できる。 (6)前記炭化珪素単結晶基板表面の面方位を(000
1)炭素面とし、且つ、前記遮蔽板と炭化珪素単結晶表
面との距離を0.2〜50mmとすることにより、6H型
炭化珪素単結晶を成長させる前記(3)項記載の炭化珪
素単結晶の製造方法を提供する。
【0019】従って、前記(6)項によれば、6H型炭
化珪素単結晶インゴットを効率よく製造できる。 (7)前記炭化珪素単結晶を成長させる方法において、
炭化珪素原料温度を2300℃〜2350℃とし、炭化
珪素単結晶基板温度を2200℃〜2300℃とし、結
晶製造装置内の圧力を0.1〜10Torrとする(3)項
記載の炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。
【0020】従って、(7)項によれば、炭化珪素単結
晶を成長させる方法において、炭化珪素原料温度を23
00℃〜2350℃とし、炭化珪素単結晶基板温度を2
200℃〜2300℃とし、結晶製造装置内圧力を0.
1〜10Torrとすることにより、同一多形をもつ成長速
度の大きい炭化珪素単結晶インゴットを効率良く製造で
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。図1には、本発明による実施
形態としての炭化珪素単結晶製造装置の構成断面図を示
し説明する。
【0022】この炭化珪素単結晶製造装置13は、底部
に炭化珪素原料粉末2がドーナツ状に充填され、その底
部の中央部に開孔12が形成された黒鉛製るつぼ1と、
前記黒鉛製るつぼ1の中央部に設けられた開孔12を通
して外部から黒鉛製るつぼ1内部に挿入可能な支軸棒1
0と、該支軸棒10の最上部に配置された遮蔽板9と、
この遮蔽板9の上方で前記黒鉛製るつぼ1の上部に載設
され、前記黒鉛製るつぼ1及び遮蔽板9の温度よりもや
や低温を維持する炭化珪素単結晶基板(種結晶)3を略
中央部に取り付け可能な黒鉛製上蓋5と、前記支軸棒1
0及び遮蔽板9とを同時に、駆動速度0.1〜1.5mm
/hの上下方向に微動可能な上下駆動装置11と、黒鉛
製るつぼ1を誘導加熱するための誘導コイル7と、黒鉛
製るつぼ1を覆い外部と熱遮蔽するための断熱材6と、
これら全部の部材を収納する真空容器8とで構成され、
さらに図示しない、真空容器8の内部を高真空まで排気
できる真空排気装置及び前記真空容器8側面に取り付け
た不活性ガス導入配管が設けられている。
【0023】次に図2には、前記上下駆動装置11の構
成例を示し、その動作について詳細に説明する。この上
下駆動装置11においては、CPU21が各構成部位を
集中管理し、支軸棒10の移動距離および移動速度を制
御している。この支軸棒10を上下駆動させる機構とし
ては、2系統備えられ、その1つは単結晶の成長時に遮
蔽板9を上下駆動させるためのもので、支軸棒10を駆
動速度0.1〜1.5mm/hの微動駆動可能な系統であ
り、他の1つは、遮蔽板9を初期設定位置へ位置調整す
るためのもので、支軸棒10を駆動速度1〜10mm/se
c の高速駆動可能な系統である。それぞれの系統につい
て簡単に説明する。
【0024】前記微動駆動系統は、CPU21により命
令された、予め定められた実施項目に基づき、制御機器
20を制御して、例えばサーボモータ等からなる駆動装
置19に伝達される。この駆動装置19の駆動により、
歯車16が回転する。歯車16の回転に伴う動力は、昇
降装置22に伝達され、前記支軸棒10を上下駆動させ
る。
【0025】一方、高速駆動系統においては、前者と同
様に、CPU21により命令された実施項目に基づき、
制御機器20を制御して、例えばサーボモータ等からな
る駆動装置18に伝達される。この駆動装置18の駆動
により歯車17が回転する。歯車17の回転に伴う動力
は、昇降装置23に伝達され、前記支軸棒10を上下駆
動させる。
【0026】この駆動時の支軸棒10の移動距離及び移
動速度の検出は、位置検出器14,15により検出さ
れ、前記制御機器20がその検出情報に基づき、微動駆
動の駆動装置19及び高速駆動駆動装置18をそれぞれ
制御している。
【0027】また図1に示した前記遮蔽板9の位置調整
方法としては、種結晶3の厚みを長さ測定器(例えばマ
イクロメータ)により測定する。測定した結果をCPU
21に入力する。更に、遮蔽板9と種結晶3の表面との
距離をCPU21に入力する。その後、実施項目を実行
することにより、制御機器20で前記高速駆動機構系統
を制御して、駆動装置18に歯車17を回転させて、昇
降装置23を支軸棒10が種結晶3と対向する方向に移
動させ、位置検出器14で移動距離を確認しつつ、駆動
させて、遮蔽板9の位置調整を行う。
【0028】図3は、4H型および6H型炭化珪素単結
晶を成長するための遮蔽板9の位置調整値を示す図であ
る。また、遮蔽板9は黒鉛製で直径が炭化珪素単結晶基
板(種結晶)3の直径より大きい円盤である。
【0029】次に、このような炭化珪素単結晶製造装置
13を用いた炭化珪素単結晶の成長について説明する。
まず、黒鉛製るつぼ1のドーナツ状空間内に成長時間に
応じた分量の炭化珪素原料粉末2を充填する。例えば、
5時間成長の場合では、約100g程度充填する。本実
施形態では、この炭化珪素原料粉末2は、研磨材として
市販されている平均粒径500μm のものを予め真空中
で1800〜2000℃で熱処理して使用している。勿
論これに限定されるものではない。
【0030】次に、黒鉛製上蓋5の略中央部に炭化珪素
単結晶基板(種結晶)3を取り付ける。この種結晶3の
面方位は、(0001)炭素面とする。黒鉛製上蓋5は
取り付けた種結晶3を炭化珪素粉末2と対向するように
黒鉛製るつぼ1の上部に設置する。
【0031】そして断熱材6の上部を取り付け、真空容
器8内部を1×10-3〜10-4Torr台の高真空まで真空
排気装置(図示せず)により真空排気する。本実施形態
における到達真空度は、さらに可能な限り高い方が望ま
しい。その後、真空容器8内部にアルゴンガスを導入し
てアルゴンガス雰囲気とし、誘導コイル7により黒鉛製
るつぼ1を加熱して、黒鉛製るつぼ1の温度を2300
〜2350℃にして、炭化珪素原料粉末2の昇華温度に
する。
【0032】このときの種結晶3の温度は、黒鉛製るつ
ぼ1と誘導コイル7の相対的な位置関係により、50〜
150℃だけ炭化珪素原料粉末2の温度より低くなって
おり、2200〜2300℃とする。但し、炭化珪素原
料粉末2の温度が2350℃より高くなると、原料の昇
華量が多くなるため、成長速度が大きくなり多結晶化し
やすくなる。一方、2300℃より低くなると、原料の
昇華量が少なくなるため、成長速度が小さくなり生産性
が悪くなる。
【0033】そして、炭化珪素原料粉末2と種結晶3の
温度が安定した後、真空排気装置(図示せず)により真
空容器8を減圧する。減圧とともに炭化珪素原料粉末2
から昇華が始まり結晶成長が開始される。
【0034】この時、真空度を0.1〜10Torrまで減
圧した圧力を成長圧力とする。また結晶成長中は、アル
ゴンガスを10リットル/min 流し、真空排気装置(図
示せず)のバルブ等の調整により圧力を制御する。ここ
で、圧力が10Torrより高くなると、原料の昇華量が少
なく成長速度が小さくなり生産性が悪くなる。また圧力
が0.1Torrより低いと原料の昇華量が多く成長速度が
大きくなり多結晶化しやすくなる。
【0035】そして、炭化珪素原料粉末2から昇華した
ガスは種結晶3との温度差を駆動力として種結晶3まで
到達して、結晶成長が進行する。次に結晶成長開始と同
時に、結晶成長速度と同等な速度で、支軸棒10と支軸
棒10の最上部に配置された遮蔽板9とを同時に、上下
駆動装置11により、種結晶3と対向する方向に駆動さ
せることにより、遮蔽板9と炭化珪素単結晶インゴット
4の成長表面との距離を一定に保ちながら結晶成長させ
る。
【0036】この結晶成長速度は、炭化珪素原料粉末2
の温度、炭化珪素単結晶基板(種結晶)3の温度、結晶
製造装置内圧力および遮蔽板9と炭化珪素単結晶インゴ
ット4との距離などの成長条件により変化するが、予め
成長実験により結晶成長速度とこれらの成長条件との関
係を求めておき、これらの成長条件の情報をCPU21
に記憶させておく。
【0037】次に、成長条件をCPU21に入力すれ
ば、該CPU21が結晶成長速度を計算する。計算され
た結晶成長速度によりCPU21からの制御信号に基づ
き、制御機器20が駆動装置19を駆動制御する。前記
駆動装置19の駆動により、歯車16を回転させ、昇降
装置22に伝わり支軸棒10を種結晶3と対向する方向
に駆動させる。すなわち、前記微動駆動機構系統を動作
させて行っている。その際の移動速度は、位置検出器1
4及び位置検出器15による検出信号が制御機器20に
伝えられ、駆動装置19の動作が制御される。
【0038】また、結晶成長中に結晶多形が変化する理
由については次の様に推定される。結晶多形は、例えば
炭化珪素原料粉末2の温度、黒鉛製上蓋5の略中央部に
配置した種結晶3の温度および支軸棒10の最上部に配
置された遮蔽板9の温度により変化する。特に、種結晶
3と遮蔽板9の温度差により、多形が大きく左右され
る。前記遮蔽板9が固定されている場合には、単結晶成
長中に炭化珪素単結晶インゴット4の成長面が成長と共
に遮蔽板9に近づき、炭化珪素単結晶インゴット4の成
長面と遮蔽板9との距離が変化する。
【0039】前記距離が変化すれば、炭化珪素単結晶イ
ンゴット4の成長面の温度および炭化珪素単結晶インゴ
ット4の成長面と遮蔽板9との温度差が変化する。前記
炭化珪素単結晶インゴット4の成長面の温度および前記
温度差が変化すれば、多形が変化する。
【0040】従って、結晶成長中に前述した方法、すな
わち、結晶成長中は、遮蔽板9と炭化珪素単結晶インゴ
ット4の成長表面との距離を常に一定に保つことによ
り、炭化珪素単結晶インゴット4の成長面と遮蔽板9と
の温度差が一定に保たれ、その結果、成長面の温度が均
一的な一定温度に保たれ、炭化珪素単結晶インゴット4
の多形を一定に成長させることができる。
【0041】本実施形態は、種結晶3の表面の面方位を
(0001)炭素面とし、且つ、遮蔽板9と炭化珪素単
結晶インゴット4の表面との距離を0.2〜15mmに一
定に保った。
【0042】そして、5時間に渡り成長させた後、アル
ゴンガスを真空容器8に導入するとともに、誘導コイル
7への電力供給を停止し、温度を下げて成長終了とす
る。炭化珪素単結晶インゴット4を黒鉛製上蓋5から取
り外し、得られた結晶をスライス研磨して半導体基板に
形成する。この半導体基板の多形をラマン分光にて測定
したところ基板面内および基板断面方向共に4H型の均
一な多形であった。この半導体基板は、大電力の縦型M
OSFET、pnダイオード、ショットキーダイオード
等の半導体装置に好適する。
【0043】本実施形態では、支軸棒10と該支軸棒1
0の最上部に配置された遮蔽板9とを同時に、上下駆動
させる上下駆動装置11により、多形を一定にする炭化
珪素単結晶の製造を可能にしているが、前記遮蔽板9を
固定し、前記種結晶3側を前記上下駆動装置11によ
り、上下駆動させた場合についても同等に多形を一定に
できるものと考える。すなわち、結晶成長中に本発明で
ある遮蔽板9と炭化珪素単結晶インゴット4の表面との
距離を一定に保つことを行えば多形を一定にすることが
可能になる。
【0044】次に、前述した実施形態の変形例について
説明する。前述した実施形態では、種結晶3の表面の面
方位を(0001)炭素面とし、且つ、遮蔽板9と炭化
珪素単結晶インゴット4の表面との距離を0.2〜15
mmとしたが、前記距離を15〜50mmに変更することに
より、6H型炭化珪素単結晶インゴットを成長させるこ
とができる。
【0045】又、種結晶3の表面の面方位を(000
1)珪素面とし、且つ、遮蔽板9と炭化珪素単結晶イン
ゴット4の表面との距離を0.2〜50mmとすることに
より、6H型炭化珪素単結晶インゴットを成長させるこ
とができる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、炭化珪素
基板(種結晶)上に成長した炭化珪素単結晶の成長面内
および成長方向内の多形を常に一定にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態としての炭化珪素単結晶
製造装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した上下駆動装置の構成例を示す図で
ある。
【図3】4H型及び6H型炭化珪素単結晶を成長するた
めの遮蔽板の位置調整値を示す図である。
【符号の説明】
1…黒鉛製るつぼ 2…炭化珪素原料粉末 3…炭化珪素単結晶基板(種結晶) 4…炭化珪素単結晶インゴット 5…黒鉛製上蓋 6…断熱材 7…誘導コイル 8…真空容器 9…遮蔽板 10…支軸棒 11…上下駆動装置(サーボモータ) 12…開孔 13…炭化珪素単結晶製造装置 14,15…位置検出器 16,17…歯車、 18,19…駆動装置(サーボモータ) 20…制御機器 21…CPU 22,23…昇降装置(ラック&ピニオン)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素原料粉末を不活性ガス雰囲気中
    で加熱昇華させ、炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素
    単結晶の製造装置において、 前記炭化珪素原料を充填し、加熱により該炭化珪素原料
    から昇華ガスを生成する、中央部に開孔が形成されたる
    つぼと、 前記中央部の開孔に外部から前記るつぼ内部に挿入可能
    な支軸棒と、 前記支軸棒の最上部に配置された遮蔽板と前記遮蔽板の
    上方で前記るつぼの上部に載設され、前記るつぼ及び前
    記遮蔽板の温度よりも低温を維持可能な炭化珪素単結晶
    基板を前記遮蔽板と平行に対向させて取り付け可能な上
    蓋と、 前記支軸棒および前記遮蔽板を同時に上下動可能とする
    上下駆動装置と、を具備することを特徴とする炭化珪素
    単結晶の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記上下駆動装置が前記遮蔽板及び支軸
    棒を0.1〜1.5mm/hの速度で上下駆動することを
    特徴とする請求項1記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の炭化珪素単結晶の製造装
    置による炭化珪素単結晶の製造方法において、 前記るつぼ内に載設された前記炭化珪素単結晶基板上に
    成長する炭化珪素単結晶面と平行に対向する遮蔽板との
    間の距離が一定に保つように移動させつつ、炭化珪素単
    結晶の成長面の温度変化を無くして、炭化珪素単結晶を
    成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記炭化珪素単結晶基板表面の面方位を
    (0001)炭素面とし、且つ、前記遮蔽板と炭化珪素
    単結晶表面との距離を0.2〜15mmとすることによ
    り、4H型炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とす
    る請求項3記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記炭化珪素単結晶基板表面の面方位を
    (0001)炭素面とし、且つ、前記遮蔽板と炭化珪素
    単結晶表面との距離を15〜50mmとすることにより、
    6H型炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする請
    求項3記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記炭化珪素単結晶基板表面の面方位を
    (0001)珪素面とし、且つ、前記遮蔽板と炭化珪素
    単結晶表面との距離を0.2〜50mmとすることによ
    り、6H型炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とす
    る請求項3記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記炭化珪素単結晶を成長させる方法に
    おいて、 炭化珪素原料温度を2300℃〜2350℃とし、炭化
    珪素単結晶基板温度を2200℃〜2300℃とし、結
    晶製造装置内の圧力を0.1〜10Torrとすることを特
    徴とする請求項3記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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