JPH09217221A - フライフィッシング用リーダー原糸の製造方法 - Google Patents
フライフィッシング用リーダー原糸の製造方法Info
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- JPH09217221A JPH09217221A JP8038945A JP3894596A JPH09217221A JP H09217221 A JPH09217221 A JP H09217221A JP 8038945 A JP8038945 A JP 8038945A JP 3894596 A JP3894596 A JP 3894596A JP H09217221 A JPH09217221 A JP H09217221A
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Abstract
ペット部の平均糸径よりも細い形状不安定な部分(くび
れ)が生じない様にしてフライフィッシング用リーダー
原糸を収率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】バット部、テーパー部、ティペット部から
構成されるフライフィッシング用リーダー原糸の製造方
法であって、紡糸ノズルから吐出されたフッ化ビニリデ
ン樹脂系モノフィラメントを冷却浴中の冷媒体に通して
冷却することから成り、そして、上記のバット部および
ティペット部の糸径に応じ、吐出量および引取速度の両
者を変化させる。
Description
グ用リーダー原糸の製造方法に関するものであり詳しく
は、バット部、テーパー部、ティペット部から構成され
たフッ化ビニリデン系樹脂製のフライフィシング用リー
ダー原糸であって、テーパー部からティペット部への結
合部にティペット部の平均糸径よりも細い形状不安定な
部分(くびれ)が生じない様に改良されたフライフィッ
シング用リーダー原糸の製造方法に関するものである。
い離れた場所から、オモリもウキも付けずにフライをキ
ャストし、水面または水中にフライをドリフトさせて魚
を釣る方法である。この様なフライフィッシングに対す
る要求に対応するために、フライフィッシングでは、フ
ライロッド、リール、フライライン、リーダー及びフラ
イの5つのパーツが使用される。
リフトさせるために糸径を小さくした方が好ましいが、
フライを静かに水面に落下させるために、キャスティン
グ時のフライラインからの慣性力をスムーズに伝達する
テーパー部を有することが必要である。このため、通
常、リーダーは、フライラインと接続される糸径の大き
いバットと呼ばれる部分、テーパー形状を有するテーパ
ーと呼ばれる部分およびフライを取り付ける糸径の小さ
いティペットと呼ばれる部分から構成されている。な
お、図1(a)は、上記のリーダーの説明図であり、図
中、符号(1)はリーダー、(2)はバット部(A)、
(3)はテーパー部(B)、(4)はティペット部
(C)を表す。
吐出されたモノフィラメントを冷却浴中の冷媒体に通し
て冷却することによって原糸を得、次いで、当該原糸
(未延伸糸)を延伸することによって製造されるが、原
糸の外観形状はリーダーの外観形状にそのまま反映され
る。
めに水との屈折率に近い素材を使用することが好まし
い。水との屈折率に近い素材として、フッ化ビニリデン
系樹脂が挙げられる。しかし、フッ化ビニリデン系樹脂
は、結晶化速度が極めて速いため、従来法に従い吐出量
および引取速度の何れか一方を変化させて、上記のA
部、B部、C部、C部、B部およびA部の順に繰返し連
続製造する場合、A部からC部の前半の工程において、
テーパー部(B)からティペット部(C)への結合部
(5)にティペット部の平均糸径よりも細い形状不安定
な部分(くびれ)が生じ、魚を釣り上げる際に糸切れの
原因となる。この形状を有するリーダーは、A部からC
部の前半の工程において得られるリーダーの殆どに生じ
る。
(1)の結合部(5)の拡大説明図であり、図中、符号
(6)は、上記のくびれ部を表し、くびれ部(6)は、
原糸の段階で生じる。したがって、フライフィッシング
用リーダーの製造方法においては、如何にして、くびれ
部の無い外観良好なリーダー原糸を製造するかが重要な
課題である。
に鑑みなされたものであり、その目的は、上記のA部、
B部、C部、C部、B部およびA部の順に繰返し連続製
造する場合、テーパー部からティペット部への結合部に
ティペット部の平均糸径よりも細い形状不安定な部分
(くびれ)が生じない様にしてフライフィッシング用リ
ーダー原糸を収率よく製造する方法を提供することにあ
る。
は、バット部、テーパー部、ティペット部から構成され
るフライフィッシング用リーダー原糸の製造方法であっ
て、紡糸ノズルから吐出されたフッ化ビニリデン樹脂系
モノフィラメントを冷却浴中の冷媒体に通して冷却する
ことから成り、そして、上記のバット部およびティペッ
ト部の糸径に応じ、吐出量および引取速度の両者を変化
させることを特徴とするフライフィッシング用リーダー
原糸の製造方法に存する。
本発明のフライフィッシング用リーダー原糸(以下リー
ダー原糸と略称する)は、フッ化ビニリデン樹脂系モノ
フィラメントから構成され、結び目がない所謂ノットレ
ステーパーリーダーを製造するために使用される。原料
のフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデン
系単独重合体、フッ化ビニリデン系共重合体またはこれ
らの混合物を挙げることが出来る。
や強度がノットレステーパーリーダーとして許容される
範囲から選択する必要がある。斯かる条件を満足するフ
ッ化ビニリデン系共重合体としては、フッ化ビニリデン
成分が70重量%以上であり、四フッ化エチレン、六フ
ッ化プロピレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチ
レン、フッ化ビニル等との共重合体が挙げられる。前記
単量体は、1種または2種以上を使用することが出来
る。フッ化ビニリデン系樹脂のインヘレント粘度は、通
常1.00以上である。
塑剤、熱安定剤、アクリル系樹脂、結晶核剤、滑剤など
を添加することが出来る。特に、リーダーのスムーズな
キャスティング及び狙った位置に正確にフライを落とす
には、糸の巻き癖の取れ易いことが必要であるが、この
ために、可塑剤を1〜10重量%添加することが好まし
い。
剤としては、脂肪族系ポリエステルが挙げられる。例え
ば、炭素数2〜4の脂肪族ジアルコールと炭素数2〜6
の脂肪族ジカルボン酸のエステルから成る脂肪族ポリエ
ステル及び3〜7員環の環状エステルから成る脂肪族ポ
リエステルが好ましい。炭素数2〜4の脂肪族ジアルコ
ールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオー
ル等を挙げることが出来、また、炭素数2〜6の脂肪族
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸などを挙げることが出来
る。また、3〜7員環の環状エステルとしては、β−プ
ロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラク
トン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
は上述した通りであるが、フッ化ビニリデン系樹脂に可
塑剤などを添加し、リボンブレンダー、高速ミキサー
(ヘンシェルミキサー)、固定V型ブレンダー、タンブ
ラー、ボールミル等により混合後、さらに、ブレンダー
にて必要に応じて添加剤を混合後、押出機にて溶融混練
する方法で得られる組成物を使用することが好ましい。
の融点以上より熱分解以下の範囲のいずれの温度でも可
能であるが、安定な紡糸性を維持するには、通常200
〜300℃、好ましくは230〜280℃の温度範囲で
ある。
フッ化ビニリデン系樹脂の吐出量およびリーダー原糸の
引取速度は、バット部、テーパー部、ティペット部の糸
径と長さに応じて調節する。そして、本発明において
は、上記のバット部およびティペット部の糸径に応じ、
吐出量および引取速度の両者を変化させることが重要で
ある。すなわち、上記の各部の糸径は、従来法に従っ
て、吐出量および引取速度の何れか一方を変化させるこ
とによって容易に調節することが出来、かつ、その方が
簡便である。しかし、本発明においては、従来法では回
避できない前述のくびれの発生を防止して形状の安定し
たリーダー原糸を収率よく製造するため、敢えて、吐出
量および引取速度の両者を変化させるのである。
0μm のバット部に続いてテーパー部を形成した後に糸
径280〜610μm のティペット部を形成する場合、
バット部の吐出量は1.5〜2.5cc/min 、引取速度
は1〜3m /min 、ティペット部の吐出量は0.5〜
2.0cc/min 、引取速度は3〜10m /min とされ、
そして、ギャポンプの回転数およびピンチロールの周速
度を変化さることにより、0.5〜3秒間でバット部の
吐出量を20〜90%減少させ、引取速度を200〜1
000%増加させる。上記の吐出量および引取速度の変
化過程(0.5〜3秒の過程)において、テーパー部が
形成され、ティペット部が形成される。次いで、ティペ
ット部、テーパー部およびバット部の順に形成する場合
も同様に行えばよい。また、吐出量変化開始時間と引取
速度変化開始時間は必ずしも同時でなくてもよい。開始
時間のずれは2秒以内で最適条件を選べばよい。
から冷却浴間(エアーギャップ)距離は、通常20〜3
00mm、好ましくは30〜250mmの範囲で定めるのが
よい。
リデン系樹脂は、冷却浴で冷却され固化される。冷却浴
の冷媒としては、水、無機塩を含有する水、アルコール
類、ポリエチレングリコール、グリセリン及びこれらの
混合系が挙げられる。冷却温度は、溶融樹脂との界面で
沸騰による気泡を生じない温度以下がよく、例えば、冷
媒が水の場合には通常20〜50℃、好ましくは30〜
45℃とするのがよい。
ーパー付リーダー原糸は、通常、延伸温度150〜30
0℃の浴中で延伸されリーダーとされる。延伸浴で使用
される熱媒体としては、沸水、グリセリン等の液体状熱
媒体、空気、水蒸気、窒素ガス等の気体状熱媒体が挙げ
られるが、特に、グリセリンが好ましい。液体状熱媒体
を使用した場合の延伸温度は、90〜175℃が好まし
い。特に、グリセリンでは延伸温度を150〜172℃
とするのが更に好ましく、165〜169℃とするのが
最も好ましい。気体状熱媒体を使用した場合の延伸温度
は、200〜250℃が好ましい。
たは2段以上の多段で行うことが出来るが、破断強度と
結節強度の向上の観点から、総延伸倍率は、通常4.0
〜7.0倍、好ましくは4.5〜6.5倍、さらに好ま
しくは4.8〜6.3倍である。
い。緩和熱処理温度は、通常70〜180℃、緩和率
は、通常2〜10%で行う。また、水面に浮かせて使用
する場合は、上記方法で得られたリーダーの表面に溌水
剤、オイリング剤を塗布してもよい。
の通りである。バット部の糸径は、通常300〜800
μm 、好ましくは360〜600μm 、ティペット部の
糸径は、通常50〜600μm 、好ましくは70〜50
0μm である。バット部の糸径に対するティペット部の
糸径比が0.1〜0.7であるリーダーが一般的に使用
されている。
6.0m 、好ましくは2.0〜4.0m であり、バット
部、テーパー部およびティペット部の各部位の長さ比
は、通常1:0.5〜2.0:0.5〜2.0、好まし
くは1:0.6〜1.5:0.6〜1.5である。
時における吐出量および引取速度を変化させてことによ
り、リーダー原糸のテーパー部からティペット部への結
合部にティペット部の平均糸径よりも細い形状不安定な
部分が生じない様にすることが出来る。したがって、本
発明によれば、フッ化ビニリデン系樹脂から成るリーダ
ー原糸を収率よく製造することが出来る。
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、評価方法は、次
の通りである。
会社製、レーザー外径測定器「L−3100」)を使用
し、糸の走行速度2m /min の条件で糸径変化を測定し
た。前記の糸径測定結果のティペット部の最大糸径と最
小糸径の平均値またはバット部の最大糸径と最小糸径の
平均値を、ティペット部とバット部の平均糸径とした。
測定した糸径変化から判定した。
#1100」、インへレント粘度=1.1dl/g )10
0重量部およびポリエステル可塑剤(プロピレングリコ
ール、ブタンジオールの脂肪族ジオール2種とアジピン
酸の脂肪族ジカルボン酸1種から成る脂肪族ポリエステ
ル)2重量部をヘンシェルミキサーで混合し、直径35
mmの押出機を使用してペレットを製造した。
有するノズルから、1ホール当たり表1に示す吐出量A
cc/min にして前記のペレットを押出し、温度43℃の
冷却浴を通し、引取速度Am /min のピンチロールで1
5秒間(バット部)リーダー原糸を引取った。次いで、
表1に示す吐出量Bcc/min 及び引取速度Bm /min
(ティペット部)に1秒間で変更して30秒間おき、さ
らに、この条件から吐出量Acc/min 及び引取速度Am
/min に1秒間で変更して15秒間(バット部)放置し
た。この工程を周期的に行い、テーパー付リーダー原糸
を得た。
ット部の紡糸条件および前記のテーパー部からティペッ
ト部への結合部にティペット部の平均糸径よりも細い形
状不安定な部分の有無について表1に示す。A部からC
部の前半の工程とC部からA部の後半の工程とから得ら
れるリーダー原糸のテーパー部からティペット部への結
合部にティペット部の平均糸径よりも細い形状不安定な
部分は認められなかった。
ように変更した以外は、実施例1と同様にしてテーパー
付リーダー原糸を製造した。評価結果を表2に示す。A
部からC部の前半の工程で得られるリーダーの殆どがテ
ーパー部からティペット部への結合部にティペット部の
平均糸径よりも細い形状不安定な部分が生じた。
よるリーダー原糸の製造方法は、前記のテーパー部から
ティペット部への結合部にティペット部の平均糸径より
も細い形状不安定な部分が生じない様にしてフッ化ビニ
リデン系樹脂から成るリーダー原糸を収率よく製造する
ことが出来る。
図1(a)に示すリーダー(1)の結合部(5)の拡大
説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 バット部、テーパー部、ティペット部か
ら構成されるフライフィッシング用リーダー原糸の製造
方法であって、紡糸ノズルから吐出されたフッ化ビニリ
デン樹脂系モノフィラメントを冷却浴中の冷媒体に通し
て冷却することから成り、そして、上記のバット部およ
びティペット部の糸径に応じ、吐出量および引取速度の
両者を変化させることを特徴とするフライフィッシング
用リーダー原糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03894596A JP3779765B2 (ja) | 1996-02-01 | 1996-02-01 | フライフィッシング用リーダー原糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03894596A JP3779765B2 (ja) | 1996-02-01 | 1996-02-01 | フライフィッシング用リーダー原糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09217221A true JPH09217221A (ja) | 1997-08-19 |
JP3779765B2 JP3779765B2 (ja) | 2006-05-31 |
Family
ID=12539359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03894596A Expired - Lifetime JP3779765B2 (ja) | 1996-02-01 | 1996-02-01 | フライフィッシング用リーダー原糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3779765B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011089950A1 (ja) * | 2010-01-19 | 2011-07-28 | 株式会社クレハ | モノフィラメント原糸及びモノフィラメントの製造方法、並びに釣り糸 |
DE102014209601A1 (de) | 2014-05-20 | 2015-11-26 | Itv Denkendorf Produktservice Gmbh | Kern-Mantel-Faden, Herstellungsverfahren für einen Kern-Mantel-Faden, medizinisches Produkt sowie medizinisches Kit |
DE102014209606A1 (de) | 2014-05-20 | 2015-11-26 | Itv Denkendorf Produktservice Gmbh | Fäden mit variierendem Fadendurchmesser sowie Herstellungsverfahren für solche Fäden |
-
1996
- 1996-02-01 JP JP03894596A patent/JP3779765B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011089950A1 (ja) * | 2010-01-19 | 2011-07-28 | 株式会社クレハ | モノフィラメント原糸及びモノフィラメントの製造方法、並びに釣り糸 |
JP5632859B2 (ja) * | 2010-01-19 | 2014-11-26 | 株式会社クレハ | モノフィラメント原糸及びモノフィラメントの製造方法、並びに釣り糸 |
DE102014209601A1 (de) | 2014-05-20 | 2015-11-26 | Itv Denkendorf Produktservice Gmbh | Kern-Mantel-Faden, Herstellungsverfahren für einen Kern-Mantel-Faden, medizinisches Produkt sowie medizinisches Kit |
DE102014209606A1 (de) | 2014-05-20 | 2015-11-26 | Itv Denkendorf Produktservice Gmbh | Fäden mit variierendem Fadendurchmesser sowie Herstellungsverfahren für solche Fäden |
WO2015176993A1 (de) | 2014-05-20 | 2015-11-26 | Itv Denkendorf Produktservice Gmbh | Kern-mantel-faden, herstellungsverfahren für einen kern-mantel-faden, medizinisches produkt sowie medizinisches kit |
DE102014209606B4 (de) | 2014-05-20 | 2018-11-29 | Itv Denkendorf Produktservice Gmbh | Fäden mit variierendem Fadendurchmesser sowie Herstellungsverfahren für solche Fäden |
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---|---|
JP3779765B2 (ja) | 2006-05-31 |
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