JP3548288B2 - フライフィッシング用リーダー及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライフィシング用リーダー及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、フッ化ビニリデン系樹脂からなり、ティペット部の糸ムラが小さく、合わせのショックに耐えられる強度を有するフライフィシング用リーダー及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フライフィッシングは、魚に気付かれない離れた場所から、オモリもウキも付けずにフライをキャストし、水面または水中にフライをドリフトさせて魚を釣る方法である。この様なフライフィシングに対する要求に対応するために、フライフィシングではフライロッド、リール、フライライン、リーダー及びフライの5つのパーツが使用される。
【0003】
この中でも、リーダーは、ナチュラルにドリフトさせるために糸径を小さくした方が好ましいが、フライを静かに水面に落下させるため、リーダーは、キャスティング時のフライラインからの慣性力をスムーズに伝達するテーパー部を有することが必要である。このため、通常、リーダーは、フライラインと接続される糸径の大きいバットと呼ばれる部分、テーパー形状を有するテーパーと呼ばれる部分およびフライを取り付ける糸径の小さいティペットと呼ばれる部分から成っている。
【0004】
そして、リーダーは、魚に気付かれないために水との屈折率に近い素材を使用することが好ましい。水との屈折率に近い素材として、フッ化ビニリデン系樹脂が挙げられる。しかし、フッ化ビニリデン系樹脂は、結晶化速度が極めて速いため、バット部とティペット部を有する、すなわち、モノフィラメントで糸径の異なる部分を有するフライフィシング用テーパー付きリーダーについて糸ムラの小さいものを得るのは困難であった。
【0005】
実開平3−10770号公報には、合成樹脂製テーパー状モノフィラメントから成るアユ釣り用下ハリスに関する記載がある。考案の詳細な説明には、合成樹脂製テーパー状モノフィラメントの一般的な製造方法として、合成樹脂を押出機で溶融混合して押出紡糸し、紡糸ノズルから押出紡糸する際の吐出量を経時的に変化させる方法、および通常の方法で溶融紡糸された紡出糸条を次いで延伸する際に、その延伸速度を変化させる方法が記載されているが、フッ化ビニリデン系樹脂からなるテーパー付きリーダーの具体的な製造方法の記載はない。
ここで、アユ釣り用下ハリスは5〜10cmと寸法が小さいため、糸ムラも小さくそれほど問題にならない。
【0006】
上記の様に、フライフィシングのリーダーはテーパー部を有し、ティペット部の糸径は細いほどよいが、魚を釣り上げる際に応力がかかり、ティペット部で糸切れが生じ易くなるので、ティペット部の強度は大きいほどよい。さらに、ティペット部の糸ムラが大きいと糸径の小さい部分に応力が集中し、糸切れを起こし易いので、糸ムラは小さい方がよい。
【0007】
また、リーダーはフライ及びフライラインと結び付けるために、その結び目の強度が大きく合わせのショックに耐えられる強度を有することが重要である。そして、フライの動きを制約しない嫋やかさを有し且つ巻きぐせのとれ易いことも重要である。とくに、釣り糸は巻かれて市販されているが、この巻きぐせをとるのには、釣り糸を両手で引っ張ることにより行われる。この際、ティぺット部の最も強力の弱い部分に応力が集中し糸切れを起こし易い。したがって、十分なテンションをかけることが出来ないので巻きぐせをとることが困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、糸ムラの小さい、嫋やかさを有し、巻きぐせのとれ易く、且つ合わせのショックに耐えられる強度を有するフッ化ビニリデン系樹脂から成るフライフィシング用リーダーを提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記の様なフッ化ビニリデン系樹脂から成るフライフィシング用リーダーの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の要旨は、フッ化ビニリデン樹脂系モノフィラメントにて構成され、連続的に成形されたバット部、テーパー部およびティぺット部から成り、且つティペット部の糸ムラが10%以下でバット部の糸ムラが20%以下であることを特徴とするフライフィシング用リーダーに存し、第2の要旨は、紡糸ノズルから押し出されたフッ化ビニリデン樹脂系フィラメントを冷却浴中の冷媒体に通して冷却した後引取速度を変化させて引取り、次いで得られた未延伸糸を延伸することから成る、バット部、テーパー部およびティぺット部を有するフライフィッシング用リーダーの製造方法において、ティペット部の製造条件として、押し出されたフィラメントの紡糸ノズルから冷却浴間通過時間を0.15〜3.0秒、引取速度を14m/分以下、且つ前記通過時間と引取速度の積を1.0〜10.0の範囲にして未延伸糸を引取ることを特徴とするフライフィシング用リーダーの製造方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のフライフィッシング用リーダー(以下、リーダーと略称する)は、フッ化ビニリデン樹脂系モノフィラメントから構成され、結び目がない所謂ノットレステーパーリーダーである。
原料のフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデン系単独重合体、フッ化ビニリデン系共重合体またはこれらの混合物を挙げることが出来る。
【0011】
フッ化ビニリデン系共重合体は、嫋やかさや強度がノットレステーパーリーダーとして許容される範囲から選択する必要がある。斯かる条件を満足するフッ化ビニリデン系共重合体としては、30モル%以下の4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン、3フッ化エチレン、3フッ化塩化エチレン、フッ化ビニル等から成る共重合体が挙げられる。前記単量体は、1種または2種以上を使用することが出来る。フッ化ビニリデン系樹脂のインヘレント粘度は、通常1.00以上、好ましくは1.05〜1.70の範囲である。
【0012】
さらに、フッ化ビニリデン系樹脂に、可塑剤、熱安定剤、アクリル系樹脂、結晶核剤、滑剤などを添加することが出来る。特に、リーダーのスムーズなキャスティング及び狙った位置に正確にフライを落とすには、糸の巻きぐせのとれやすいことが必要であるが、このために、可塑剤を1〜10重量%添加することが好ましい。
【0013】
フッ化ビニリデン系樹脂に添加される可塑剤としては、脂肪族系ポリエステルが挙げられる。例えば、炭素数2〜4の脂肪族ジアルコールと炭素数2〜6の脂肪族ジカルボン酸のエステルからなる脂肪族ポリエステル及び3〜7員環の環状エステルからなる脂肪族ポリエステルが好ましい。炭素数2〜4の脂肪族ジアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール等を挙げることが出来、また、炭素数2〜6の脂肪族ジカルボン酸としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などを挙げることが出来る。また、3〜7員環の環状エステルとしては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
【0014】
本発明のリーダーの第1の特徴は、ティペット部の糸ムラが10%以下でバット部の糸ムラが20%以下であることである。ティペット部の糸ムラが10%よりも大きいと、魚を釣り上げる際に、ティペット部の中でも糸径の最も小さい部分に応力が集中し、その部分の糸切れが生じ易くなる。さらに、高強度のティペット部を得るためには、後述する特定の製造方法により紡糸および延伸することが必要となるが、高強度のティペット部を得ようとすると糸ムラを1%以下におさえることは困難である。
【0015】
ティペット部の糸切れを防止するために、ティペット部の糸ムラを小さくすることと強度を上げることをバランスよく設定するには、ティペット部の糸ムラは、通常1〜10%の範囲、好ましくは1〜6%の範囲、さらに好ましくは1〜4%の範囲にすることである。一方、バット部の糸径は太いため、応力集中による糸切れの問題はティペット部ほどでないが、バット部の糸ムラが2 0%よりも大きくなると、キャスティングの際にフライラインがスムーズな弧を描かなくなる。それ故、フライを正確に狙ったポイントにキャスティングすることが困難になる。したがって、バット部の糸ムラは、2 0%以下にする必要がある。
【0016】
さらに、本発明のリーダーの第2の特徴は、ティペット部の複屈折率が通常33×10−3〜40×10−3、好ましくは35×10−3〜40×10−3の範囲であることである。複屈折率が大きいほど、破断強度は大きくなるが、結節強度は複屈折率が40×10−3より大きいと低下する。複屈折率は分子の配向に関係するパラメーターであるから、複屈折率が大きくなるほど破断強度は増大する。結節強度も複屈折率が大きくなるほど増大するが、複屈折率がある値以上になるとかえって結節強度は低下する。この限界値が上記の40×10−3である。
【0017】
図1は、本発明に係るリーダーの一例の側面図である。図中(1)はリーダーであり、(2)はフライラインと結ぶバット部、(3)はバット部から滑らかに糸径が減少しているテーパー部および(4)はフライを結ぶティぺット部である。本発明において、これら3つの部位は、フッ化ビニリデン樹脂系モノフィラメントから成りノットレス型である。
【0018】
各部位の糸径は、通常次の通りである。バット部の糸径は、通常300〜800μm、好ましくは360〜600μm、ティペット部の糸径は、通常50〜600μm、好ましくは70〜500μmである。バット部の糸径に対するティペット部の糸径の比が0.1〜0.7であるリーダーが一般的に使用されている。
【0019】
また、本発明のリーダーの長さは、通常1.5〜6.0m、好ましくは2.0〜4.0mであり、バット部、テーパー部およびティペット部の各部位の長さの比は、通常1:0.5〜2.0:0.5〜2.0、好ましくは1:0.6〜1.5:0.6〜1.5である。
【0020】
以下、本発明のリーダーの製造方法について説明する。本発明で使用するフッ化ビニリデン系樹脂は上述した通りであるが、フッ化ビニリデン系樹脂に可塑剤などを添加し、リボンブレンダー、高速ミキサー(ヘンシェルミキサー)、固定V型ブレンダー、タンブラー、ボールミル等により混合後、さらに、ブレンダーにて必要に応じ添加剤を混合後、押出機にて溶融混練する方法で得られる組成物を使用することが好ましい。
【0021】
本発明の製造方法では、バット部、テーパー部およびティペット部を有するチーダーの形状は、フッ化ビニリデン系樹脂を溶融押出紡糸し、引取速度を変化させることにより、バット部、テーパー部およびティペット部を有するテーパー付き未延伸糸を得るわけであるが、以下に、テーパー付き未延伸糸の製造方法の条件を示す。
【0022】
溶融紡糸温度は、フッ化ビニリデン系樹脂の融点以上より熱分解以下の範囲のいずれの温度でも可能であるが、安定な紡糸性を維持するには、通常200〜300℃、好ましくは230〜280℃の温度範囲である。
【0023】
押出機の紡糸ノズルから溶融押出された樹脂は、バット部とティペット部の希望する糸径と長さに合わせ、引取速度および引取時間を調節する。テーパー部は、バット部を得る引取速度からティペット部を得る引取速度に漸次速くすることにより得られ、その長さは、バット部からティぺット部の引取速度までの変化時間により決定される。
【0024】
本発明のリーダーの製造方法は、紡糸ノズルから冷却浴間通過時間を0.15〜3.0秒とすることが特徴の一つである。フッ化ビニリデン系樹脂は結晶化速度が極めて速いため、バット部、テーパー部およびティペット部において溶融状態から固体状態の挙動は各部位によって異なる。
【0025】
ティペット部の製造条件を紡糸ノズルから冷却浴間通過時間を0.15秒より短くすると、溶融状態の表面部分が冷却浴中の媒体の影響を受け易く、糸ムラが大きくなる。一方、3.0秒よりも長くすると、溶融状態における引取速度による張力の影響の時間が長くなるために、糸ムラが大きくなる。
【0026】
ティペット部の強度の向上という観点からは、紡糸ノズルから冷却浴間通過時間は、0.4秒以上であることが好ましい。0.4秒より短い通過時間では、溶融状態から急激に固化されるために、複屈折率の大きいテーパー付き未延伸糸しか得ることが出来ない。このような未延伸糸は、延伸工程で延伸出来ないか、又は、延伸倍率を高く設定することが出来ないので、高破断強度および高結節強度を有するリーダーを得ることが出来ない。ティペット部の糸ムラ及び強度の両方を考慮に入れた場合には、紡糸ノズルから冷却浴間通過時間を0.4〜3.0秒の範囲とすることが好ましい。
【0027】
また、本発明のリーダーの製造方法は、引取速度を14m/分以下(遅くする)にすることが、もう一つの特徴である。引取速度が14m/分よりも速いと溶融状態におかれる紡糸ノズルから冷却浴通過までにかかる張力が大きくなるために、テーパー付き未延伸糸の糸ムラが大きくなる。したがって、紡糸ノズルから冷却浴間通過時間(t)と引取速度(V)との積(tV)が1.0〜10.0の範囲にあることが好ましい。
【0028】
テーパー付き未延伸糸の製造は、紡糸ノズルから冷却浴間通過時間を、紡糸ノズルから冷却浴間距離とティペット部の引取速度により調節することが出来、上記の範囲内で適宜に選択することが出来る。紡糸ノズルから冷却浴間(エアーギャップ)距離は、通常20〜300mm、好ましくは30〜250mm、更に好ましくは50〜200mmの範囲で定めるのがよい。
【0029】
フッ化ビニリデン系樹脂は、紡糸ノズルから溶融状態で押出され、エアーギャップを通過し、次いで、冷却浴で冷却され固化されるが、ここで使用される冷却浴の冷媒としては、水、無機塩を含有する水、アルコール類、ポリエチレングリコール、グリセリン及びこれらの混合系が挙げられる。冷却温度は、溶融樹脂との界面で沸騰による気泡を生じない温度以下がよく、例えば、冷媒が水の場合には通常70℃以下、好ましくは40℃以下とするのがよい。
【0030】
上記方法で得られたフッ化ビニリデン系樹脂からなるテーパー付き未延伸糸を、次いで、延伸温度150〜300℃の延伸浴中で延伸する。延伸浴で使用される熱媒体としては、沸水、グリセリン等の液体状熱媒体、空気、水蒸気、窒素ガス等の気体状熱媒体が挙げられるが、特に、グリセリンが好ましい。液体状熱媒体を使用した場合の延伸温度は、90〜175℃が好ましい。特に、グリセリンでは延伸温度を150〜172℃とするのがさらに好ましく、165〜169℃とするのが最も好ましい。気体状熱媒体を用いた場合の延伸温度は、200〜250℃が好ましい。
【0031】
テーパー付き未延伸糸の延伸は、1段または2段以上の多段で行うことが出来るが、破断強度と結節強度の向上の観点からは、総延伸倍率は、通常4.0〜7.0倍、好ましくは4.5〜6.5倍、さらに好ましくは4.8〜6.3倍である。
【0032】
延伸後、さらに、緩和熱処理を行ってもよい。緩和熱処理温度は、通常90〜180℃、緩和率は、通常2〜10%で行う。
また、水面に浮かせて使用する場合は、上記方法で得られたリーダーの表面に、溌水剤、オイリング剤を塗布してもよい。
【0033】
本発明の製造方法によって得られるフッ化ビニリデン系樹脂からなるリーダーは、ティペット部の糸ムラが10%以下、複屈折率が33×10−3〜40×10−3、破断強度が55kg/mm2 以上、結節強度が45kg/mm2 以上であり、フライの動きを制約しない嫋やかさを有し、巻きぐせのとれ易い、実用に十分に耐え得るものである。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
<評価方法>
(1)糸径:外径測定器(キーエンス株式会社製レーザー外径測定器LS−3100)を使用し、糸の走行速度2m/分の条件で糸径を測定した。前記外径測定結果のティペット部の最大糸径と最小糸径の平均値またはバット部の最大糸径と最小糸径の平均値を、ティペット部とバット部の糸径とした。
【0036】
(2)糸ムラ評価:外径測定器(キーエンス株式会社製レーザー外径測定器LS−3100)を使用し、糸の走行速度2m/分の条件で糸径を測定した。前記外径測定結果のティペット部の最大糸径と最小糸径またはバット部の最大糸径と最小糸径を読み取り、ティペット部またはバット部の糸ムラを次式より算出して求めた。
【0037】
【数1】
【0038】
(3)複屈折率:Berek型コンベンセーターを備えた偏光顕微鏡(オリンパス社製BH−2)を使用し、NaのD線を光源として温度23℃の条件下でレタデーション法により測定した値を複屈折率とした。
【0039】
(4)結節強度:引張試験器(オリエンテック社製テンシロンUTM−III−100)を使用し、10サンプルを対象に、リーダーのティペット部に一重の結び目をつくり、試長30cm、温度23℃、引張速度300mm/分の条件下で結節強力の測定を行った。結節強度は、結節強力をティペット部の平均糸径で割り求めた。
【0040】
(5)破断強度:引張試験器(オリエンテック社製テンシロンUTM−III−100)を使用し、10サンプルを対象に、ティペット部について試長30cm、温度23℃、引張速度300mm/分の条件下で破断強力の測定を行った。破断強度は、破断強力をティペット部の平均糸径で割り求めた。
【0041】
(6)巻きぐせのとれ易さ:10人のモニターにより、フイールドテストを行い、巻きぐせが「とれ易い」を○、「ややとれ易い」を△、「とれ難い」を×として3段階の基準で評価した。その分布から最大値を与える基準で評価した。
【0042】
実施例1〜6、比較例1〜3:
フッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業株式会社製KF#1100)100重量部に対し、ポリエステル可塑剤(プロピレングリコール、ブタンジオールの脂肪族ジオール2種とアジピン酸の脂肪族ジカルボン酸1種からなる脂肪族ポリエステル)2重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、口径35mmφの押出機を使用してペレット化した。ただし、比較例3ではポリエステル可塑剤を添加しなかった。
【0043】
紡糸ノズル温度280℃、1.3mm×6穴のノズルから、前記ペレットを押出量2.3g/分の一定量で押出し、表1又は表2に示すエアーギャップで温度40℃の冷却浴を通し、ピンチロールで引取った。この際の引取方法は、ベクトルインバーターモーターを使用し、表1又は表2に示す引取速度Aで60秒間(バット部)おき、次いで、引取速度Aから表1又は表2に示す引取速度Bに1秒間で変化させ(テーパー部)、表1又は表2に示す引取速度Bで30秒間(ティペット部)おき、さらに、表1又は表2に示す引取速度Bから引取速度Aに1秒間で変化させ(テーパー部)、これを周期的に行い、テーパー付き未延伸糸を得た。
【0044】
得られたテーパー付き未延伸糸を、温度169℃のグリセリン浴中で延伸倍率5.6倍に延伸した。更に、120℃の乾熱で3%緩和熱処理後、バット部とティペット部の長さがそれぞれ1mになる様に切断してリーダーを得た。
得られたリーダーのバット部、テーパー部とティペット部の糸長および上記評価方法で測定した糸径、糸ムラ、複屈折率、結節強度、破断強度、巻きぐせのとれ易さを表1及び表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
上記の表の結果より、本発明のリーダーは、十分実用に耐えるものであると言える。
【0047】
【発明の効果】
上述の記載から明らかな様に、本発明のリーダーは、フライの動きを制約しない嫋やかさを有し、巻きぐせのとれ易い、ティペット部の糸ムラが少なく、且つ、合わせのショックに耐えられる強度を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリーダーの一例の断面図である。
【符号の説明】
1:リーダー
2:バット部
3:テーパー部
4:ティペット部
Claims (2)
- 紡糸ノズルから押し出されたフッ化ビニリデン樹脂系モノフィラメントを冷却浴中の冷媒体に通して冷却した後引取速度を変化させて引取り、次いで、得られた未延伸糸を延伸することから成る、バット部、テーパー部およびティぺット部を有するフライフィッシング用リーダーの製造方法において、ティペット部の製造条件として、押し出されたフィラメントの紡糸ノズルから冷却浴間通過時間を0.15〜3.0秒、引取速度を14m/分以下、且つ前記通過時間と引取速度の積を1.0〜10.0の範囲にして未延伸糸を引取ることを特徴とするフライフィシング用リーダーの製造方法。
- 未延伸糸の延伸倍率が4.0〜7.0倍である請求項1記載のフライフィシング用リーダーの製造方法。
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