JP2002129427A - ポリトリメチレンテレフタレート繊維の製造方法 - Google Patents
ポリトリメチレンテレフタレート繊維の製造方法Info
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Abstract
が抑制され、工業的に安定して製造可能なPTT−PO
Yの製造方法を提供する。 【解決手段】 PTTポリマーを溶融紡糸する方法にお
いて、紡口より押出して冷却固化した繊維を、50〜1
70℃で熱処理を行った後、55℃以下、且つ、熱処理
温度以下のロールにて冷却してから巻き取る、PTT−
POYの製造方法。 【効果】 巻締まりを抑制でき、且つ、糸ゆれを抑制で
きることによって、糸切れ、糸管の自動切替ミスを無く
し、工業的に安定してPTT−POYを製造することが
できる。
Description
テレフタレート部分配向繊維の製造方法に関する。更に
詳しくは、巻締まりや、糸切れ無く、工業的に安定して
製造することが可能なポリトリメチレンテレフタレート
部分配向繊維の製造方法に関する。
「PTT」と略す)を用いた繊維は、低弾性率(ソフト
な風合い)、優れた弾性回復性、易染性といったポリア
ミドに類似した性質と、耐光性、熱セット性、寸法安定
性、低吸水率といったポリエチレンテレフタレート(以
下「PET」と略す)繊維に類似した性能を併せ持つ画
期的な繊維である。PTT繊維の特性を最大限に生かせ
る繊維形態の一つとして仮撚加工糸がある。PTT繊維
の仮撚加工糸は、特開平9−78373号公報、特開平
11−093026号公報に開示されているように、P
ET繊維等のポリエステル繊維に比較して、弾性回復
性、ソフト性に富むので、ストレッチ用原糸として極め
て優れたものとなる。
して、幅広い分野に用いる場合、PET繊維やポリアミ
ド繊維と同様に、1段階の工程で製造した繊維を用いて
生産性を高め、製造コスト低減を図ることが非常に重要
となる。1段階の工程で製造したPTT部分配向繊維
(以下「PTT−POY」という)の技術としては、
「Chemical Fibers Internat
ional」50巻、2000年2月発行、53〜56
頁にPTTポリマーを245〜265℃で押出して冷却
固化した後、仕上げ剤を付与し、ゴデットロールを用い
ず、あるいはゴデットロールを介した後600〜300
0m/分で巻き取ったPTT−POYが記載されてい
る。
と、上記文献に記載されているPTT−POYは糸管上
で糸が大きく収縮して糸管を締め付けるために、糸管が
変形し、チーズ状パッケージを巻取機のスピンドルより
取り外すことができなくなったり、バルジと呼ばれるパ
ッケージ側面が膨れたりする、いわゆる巻締まりが発生
する。上記文献では、巻締まりを抑制するために、巻取
り張力を下げる方法、巻取機の綾角を変化させて巻き取
る方法等が記載されている。しかしながら本発明者らの
検討によると、上記文献記載の方法では、張力を下げて
も、巻締まりを十分抑制できないばかりか、糸ゆれが激
しくなって、糸切れが多発してしまう。また、綾角を変
化させても、繊維の収縮を抑えることはできず、巻締ま
りを改善することはできない。
000−239921号公報に、最終引き取りローラ上
で熱処理を行い、巻き取られた繊維の放縮率が0.2〜
1.5%となるようにして、2500m/分以上で巻き
取るPTT−POYの製造方法が開示されている。しか
しながら、本発明者らの検討によると、上記公報に開示
されている方法では繊維の収縮は抑えられるものの、最
終ローラと巻取機との間の繊維の温度が高いために繊維
が柔らかくなりすぎて、糸ゆれが激しくなり、糸切れが
多発したり、糸管を自動的に交換する際の切替ミスが多
発してしまう。また、糸ゆれを抑えて、糸切れ、切替ミ
スを抑制するために、最終ローラと巻取機との間の張力
を高くすると、巻締まりを抑制することができない。こ
のように巻締まりが発生せず、糸切れや糸管の自動切替
ミスなくPTT−POYを製造できる技術について開示
している先行技術は全くない。
果、巻締まりを抑制したPTT−POYの製造法におい
て従来技術では以下の問題があることがわかった。すな
わち、繊維の収縮を抑えるために巻取り張力を下げて
も、巻締まりを十分抑制できないばかりか、糸ゆれが激
しくなり、糸切れや糸管の自動切替ミスが多発する。ま
た、繊維の収縮を抑えるために最終ローラで繊維を熱処
理すると、巻取り前の繊維が柔らかくなりすぎ、糸ゆれ
が激しくなって、糸切れや糸管の切替ミスが多発してし
まう。
管の自動切替ミス無く、工業的に安定して製造可能なP
TT−POYの製造方法を提供することである。本発明
の目的を達成するために解決すべき課題は、上記の問題
に対応して、糸切れや糸管の自動切替ミスを無くすため
に、糸ゆれを抑制し、且つ、繊維の収縮を抑制して、巻
締まりの発生を抑制することである。
た結果、驚くべきことに、PTTポリマーを溶融紡糸す
る繊維の製造方法において、紡口より押出して冷却固化
した繊維を、熱処理を行った後、ロールにて冷却してか
ら、巻き取ることにより、巻締まりを抑制でき、且つ、
糸ゆれを抑制して、糸切れ、糸管の自動切替ミスを抑制
でき、PTT−POYを工業的に安定して製造できるこ
とを見出し本発明を完成した。
る。 (I)90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰
返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレート
を溶融紡糸する繊維の製造方法であって、紡口より押出
して冷却固化した繊維を、50〜170℃で熱処理を行
った後、55℃以下、且つ、熱処理温度以下のロールに
て冷却してから、巻き取ることを特徴とするPTT−P
OYの製造方法。 (II)(I)において、0.02〜0.20cN/d
texの巻取張力にて2000〜4500m/分の速度
で巻き取ることを特徴とするPTT−POYの製造方
法。
用いるPTTは、90モル%以上がトリメチレンテレフ
タレート繰返し単位から構成されるポリトリメチレンテ
レフタレート(PTT)である。ここでPTTとは、テ
レフタル酸を酸成分としトリメチレングリコール(1,
3−プロパンジオールともいう)をジオール成分とした
ポリエステルである。該PTTには、10モル%未満で
他の成分を含有させてもよい。そのような成分として
は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、3,5−ジカ
ルボン酸ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、アジピン酸等のエステル形成性モノマーが挙げられ
る。
て、各種の添加剤、例えば、艶消剤、熱安定剤、酸化防
止剤、などを含有させてもよい。特に、紡糸時や後加工
時の毛羽や糸切れを抑制するために、平均粒径0.01
〜2μmの酸化チタンを0.01〜3重量%含有するこ
とが好ましい。本発明に用いるポリマーの極限粘度
[η]は0.5〜1.6の範囲であることが好ましい。
この範囲のポリマーを用いることで仮撚加工に適したP
TT−POYを安定して製造することが容易となる。極
限粘度[η]が0.5未満の場合は、紡糸の際に糸切れ
が発生しやすくなる。一方、極限粘度が1.6を越える
場合は、溶融粘度が高すぎるために紡糸不良が生じやす
くなる。極限粘度[η]は、更に好ましくは0.7〜
1.2の範囲である。なお、ここでの極限粘度[η]は
後述する測定方法により測定したものである。本発明に
用いるポリマーは、公知の方法を用いて製造することが
できる。
製造方法を説明する。図1は、本発明に用いる紡糸装置
の概略図である。まず、乾燥機1で100ppm以下の
水分率まで乾燥したPTTペレットを250〜295℃
に設定した押出機2で溶融し、250〜295℃に設定
したスピンヘッド4に送液して、ギヤポンプで計量す
る。その後、紡口パック5に装着した複数の孔を有する
紡口6を経て紡糸チャンバー7内に押出す。押出機の温
度は、押出機の能力、PTTペレットの極限粘度や形状
によって上記範囲内から最適な温度を選ぶことが好まし
い。
製造する場合は、直径が0.2〜0.7mmであること
が好ましい。直径が0.2mm未満だと、押出圧力が高
くなったり、紡口が異物により詰まったりしやすい。一
方、直径が0.7mmを越えると繊維のムラが大きくな
りやすい。紡口の直径は好ましくは、0.3〜0.5m
mである。丸以外の断面の繊維を製造する場合は、上記
の紡口と同程度の紡口口径面積とすることが好ましい。
紡口より押出したポリマーは、冷却固化されて繊維とな
る。この際、均一に冷却させるためには、0〜40℃の
冷風を当て冷却固化することが好ましい。冷却固化され
た繊維は、50〜170℃の温度で熱処理する必要があ
る。熱処理を行うことで、繊維が結晶化して構造を固定
することができる。この結果、巻き取った繊維の収縮を
抑制でき、チーズ状パッケージを巻取機のスピンドルよ
り取り外すことができなくなったり、バルジと呼ばれる
パッケージ側面が膨れたりする、いわゆる巻締まりを抑
制することができる。
する。図3−(イ)は糸が望ましい形状に巻かれたチー
ズ状パッケージ(100)を示す。糸が糸管等の巻芯
(103)上に平らな端面(102)を形成した円筒状
糸層(104)に巻かれている。バルジとは、図3−
(ロ)に示すように巻糸の収縮による締め付け力が強く
働き、巻糸が滑った時に起こるチーズ状パッケージ(1
00)の膨らみのある端面(102a)のことである。
この膨らみが大きい場合、すなわちバルジが大きい場合
は、運搬時に巻糸が崩れ解舒できなくなったり、解舒張
力の斑による糸切れ、毛羽、染色斑等が起こりやすい。
最悪の場合は端面が糸管よりも出っ張るために運搬する
ことができなくなる。
1ロール11にて熱処理する方法の他に、図2−(イ)
の第1ネルソンロール16で熱処理する方法、図2−
(ロ)の第1ヒーター18により熱処理する方法、図2
−(ハ)の第1ヒーター18により熱処理する方法など
が挙げられる。ここで12は自己駆動しないフリーロー
ルである。図2−(ハ)の場合は、第1ヒーター18で
の熱処理に加えて第1ロール11で熱処理を行っても良
い。熱処理に用いるヒーターとしては、接触式のヒータ
ー、非接触式のヒーターいずれを用いてもかまわない。
また、加熱気体を繊維に接触させて繊維を熱処理しても
良い。これらのうち、糸条の走行を安定させて、糸切れ
を抑制するためには、ロールを用いる方法が最も好まし
い。
がある。50℃未満では繊維を十分結晶化して構造を固
定することができないので、巻締まりを十分抑制できな
い。一方、170℃を越えると、熱処理時に糸切れが発
生しやすくなる。熱処理の温度は、好ましくは60〜1
50℃、更に好ましくは80〜130℃である。繊維を
熱処理する時間は0.001〜1秒であることが好まし
い。熱処理時間が0.001秒未満では熱処理時間が短
く十分な結晶化を進めることができないため巻締まりが
発生しやすい。熱処理時間の上限は特に限定されない
が、熱処理装置のサイズ等より考えて、1秒以下である
ことが好ましい。熱処理時間は、巻締まりが発生しない
よう、熱処理温度、巻取速度に応じて選定することがよ
り好ましい。
つ、熱処理温度以下のロールで冷却してから、巻取機1
4を用いて巻き取る必要がある。本発明においては、温
度が高い状態で過度に張力をかけて繊維を引き伸ばさな
いようにする必要があるとともに、巻取時は適度な張力
を繊維にかける必要がある。これらを両立させるために
は、繊維を熱処理するゾーンと巻取機の間に繊維を冷却
するためのロールを設置して、張力を制御することが必
要である。このようにすることで初めて、巻締まりと糸
切れ、糸管の自動切替ミスを抑制することが可能とな
る。
自動切替ミスを無くすために張力を高くすると、温度が
高い状態で繊維が引き伸ばされるため、巻き取ったあと
大きく収縮して巻締まりが発生してしまう。一方巻締ま
りを抑制するために張力を下げると、糸切れや糸管の自
動切替ミスが発生してしまう。ロールの温度が55℃を
越えると、PTTのガラス転移点を越えるために糸ゆれ
が激しくなってしまう。また、55℃以下でも熱処理温
度を越えると繊維の構造がルーズになるために糸ゆれが
激しくなってしまう。下限は特に限定されないが、特殊
な冷却器が必要とならない0℃以上が好ましい。ロール
の温度は、好ましくは0〜50℃、更に好ましくは5〜
40℃である。
0.02〜0.20cN/dtexであることが好まし
い。ここで巻取り張力とは、巻取機に入る直前の繊維の
張力である。このような範囲内の張力とすることで、巻
締まりや糸切れ、糸管の自動切替ミスを抑制することが
容易となる。張力が0.02cN/dtex未満では張
力が弱すぎるために巻取機の綾振りガイドでの綾振りが
良好にできず、巻フォームが悪くなってしまったり、ト
ラバースより糸が外れ、糸切れが起こったりしやすい。
また、0.20cN/dtexを越えると、巻締まりが
発生しやすい。巻き取る時の張力は好ましくは0.02
5〜0.15cN/dtex、更に好ましくは0.03
〜0.10cN/dtexである。
は熱処理ロールの周速度に対して0.80〜1.1倍の
速度範囲であることが好ましい。これらの周速度は、糸
ゆれ、巻締まりが抑制できるよう、上記範囲内より適宜
選択することが好ましい。繊維を巻取る速度は2000
〜4500m/分が好ましい。巻取速度が2000m/
分未満では、繊維の配向が低いために、保管中に物性が
経時変化したり、繊維が脆くなったりして、繊維の取扱
や仮撚加工が困難となる。また、4500m/分を越え
ると、繊維の配向や結晶化が進みすぎ、また巻取時の張
力が下げられないために、糸管上で繊維が大きく収縮
し、巻締まりが発生しやすい。好ましくは、2200〜
4000m/分であり、更に好ましくは2500〜36
00m/分である。
取られるまでに、仕上げ剤付与装置10によって仕上げ
剤を付与されることが好ましい。仕上げ剤を付与するこ
とにより、繊維の集束性、制電性、滑り性などが良好と
なり、巻取時や仮撚加工時に毛羽や糸切れが発生するこ
とができる。ここで仕上げ剤とは、乳化剤を用いて油剤
を乳化した水エマルジョン液、油剤を溶剤に溶かした溶
液、あるいは油剤そのものであり、繊維の集束性、制電
性、滑り性などを向上させるものである。油剤は、濃度
1〜20重量%の水エマルジョン液として繊維に0.2
〜3重量%付着させることが好ましい。
オイリングロールを用いる方法や例えば特開昭59−1
16404号公報などに記載されるガイドノズルを用い
る方法を用いることができるが、仕上げ剤付与装置自体
の摩擦による糸切れ、毛羽の発生を抑制するためにはガ
イドノズルを用いる方法が好ましい。本発明では、紡糸
過程で必要に応じて、交絡処理を行ってもよい。交絡処
理は、仕上げ剤付与前、熱処理前、巻取前のいずれか、
あるいは複数の場所で行っても良い。
ル駆動方式、タッチロール駆動方式、スピンドルとタッ
チロールの双方が駆動している方式のいずれの巻取機で
もかまわないが、スピンドルとタッチロールの双方が駆
動している方式の巻取機が糸を多量に巻き取るためには
好ましい。繊維を巻き取る際の綾角は3.5〜8°であ
ることが好ましい。3.5°未満では糸同士があまり交
差していないために滑りやすく、綾落ちやバルジの発生
が起こりやすい。また8°を越えると、糸管の端部に巻
かれる糸の量が多くなるために中央部に比べ端部の径が
大きくなる。このため巻き取っている際は端部のみがタ
ッチロールに接触してしまい糸品質が悪化してしまった
り、また巻き取った糸を解舒する際の張力変動が大きく
なり、毛羽や糸切れが多発したりしてしまいやすい。綾
角は4〜7°が更に好ましく、特に好ましいのは5〜
6.5°の範囲である。
ッケージとして巻き取ることが好ましい。チーズ状パッ
ケージとすることで大量巻きが可能となるとともに、繊
維を解舒する際の張力変動が小さくなり、安定した仮撚
加工が容易となる。この際、チーズ状パッケージのバル
ジ率が20%以下となるように巻き取ることが好まし
い。バルジ率とは、図3−(イ)又は図3−(ロ)に示
す最内層の巻幅Q及び最も膨らんでいる部分の巻幅Rを
測定して、下記式を用いて算出した値である。 バルジ率={(R−Q)/Q}×100% チーズ状パッケージのバルジ率が20%を越えるものは
運搬時に巻糸が崩れ解舒できなくなったり、解舒張力の
斑による糸切れ、毛羽、染色斑等が起こりやすい。最悪
の場合は端面が糸管よりも出っ張るため運搬することが
できなくなる。また巻締まりが大きく、巻取機のスピン
ドルからはずれなくなる場合も多い。好ましくはバルジ
率が15%以下、更に好ましくは10%以下となるよう
に巻き取ることが好ましい。もちろん0%が最も好まし
い。
して、PTT−POYを1kg以上巻きつけることが好
ましく、更に好ましくは2kg以上、一層好ましくは4
kg以上である。1kg未満では糸管交換の頻度やつな
ぎ込みの頻度が高過ぎ、工業的に製造するのは困難とな
ってしまう。工業的に製造する上では紡糸の際に糸管を
交換する頻度を減らすためや、仮撚工程において、チー
ズ状パッケージを使用した後、次のチーズ状パッケージ
につなぎ込んで使用する頻度を減らして、作業効率の向
上、コストダウンさせるために、より大量の繊維を巻き
付けることが好ましい。また、糸管上の繊維の巻幅Qを
40〜300mm、糸管の直径を50〜250mmとす
ることが好ましい。この範囲の巻幅、糸管の直径とする
ことで、PTT−POYを仮撚加工を行うために糸管か
ら繊維を解除する際の張力を下げるとともに、張力の変
動を抑えること容易となるからである。
PTT−POYを得ることができる。仮撚加工に適した
PTT−POYとするためには、繊維の破断伸度を40
〜140%、沸水収縮率を3〜40%の範囲とすること
が好ましい。本発明で製造するPTT−POYは、マル
チフィラメントが好ましい。総繊度は特に限定はされな
いが、通常5〜400dtex、好ましくは10〜30
0dtex、単糸繊度は特に限定はされないが0.1〜
20dtex、好ましくは0.5〜10dtex、更に
好ましくは1〜5dtexである。繊維の断面形状は、
丸、三角、その他の多角形、扁平、L型、W型、十字
型、井型、ドッグボーン型等、制限はなく、中実繊維で
あっても中空繊維であってもよい。また、本発明の目的
を損なわない範囲であれば、艶消し剤含有量や、極限粘
度[η]等の異なる2種類以上のポリマーを用いて、鞘
芯、サイドバイサイド、積層構造等の複合構造繊維とし
たり、単糸によって断面形状やポリマー種を変えた複合
混繊繊維としても良い。
どを用いて具体的に説明する。言うまでもなく本発明は
実施例などにより何ら限定されるものでない。尚、実施
例中の主な測定値は以下の方法で測定した。 1.極限粘度 極限粘度[η]は、オストワルド粘度計を用い、35
℃、o−クロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C
(g/100ミリリットル)の比ηsp/Cを濃度ゼロ
に外挿し、以下の式に従って求めた。 [η]=lim(ηsp/C) C→0
(紡口が8個設置してある装置)を用いて、4kg巻の
PTT−POYを10回製造して評価を行った。(合計
80個のチーズ状パッケージ) 2−1.糸切れ 80個のチーズ状パッケージのうち、糸管の自動切替時
または巻取り中に糸が切れたものが1個以下の場合を
「良」、2個以上の場合を「悪」とした。 2−2.巻締まり 80個のチーズ状パッケージのうち、巻締まりによりチ
ーズ状パッケージが巻取機のスピンドルより取り出せな
かったものが0個の場合を「良」、1個以上の場合を
「悪」とした。
ダムに10個を選び、図3−(イ)または図3−(ロ)
に示す糸層(104)の最内層の巻幅Q及び、最も膨ら
んでいる部分の巻幅Rを測定して、以下の式に従って算
出した値の平均値を用いた。この平均値が20%以下の
場合を「良」、20%を越える場合を「悪」とした。 バルジ率={(R−Q)/Q}×100% 3.伸度(破断伸度) JIS−L−1013に基づいて定速伸長形引張試験機
であるオリエンテック(株)社製テンシロンを用いて、
つかみ間隔20cm、引張速度20cm/分にて測定し
た。 4.沸水収縮率 JIS−L−1013に基づき、かせ収縮率として求め
た。
POYの紡糸を行った。紡糸では酸化チタンを0.05
重量%含有した極限粘度[η]0.9のPTTポリマー
を用いて、定法により乾燥し、水分を50ppmにした
後、260℃に設定した押出機にて溶融させた後、26
0℃に設定したスピンヘッドに送液し、直径0.35m
m、長さ0.35mmの孔が36個開いた一重配列の紡
口より押出した。押し出したポリマーは、温度20℃、
風速0.4m/分の冷風にて冷却固化させた後、ガイド
ノズルを用いて、ステアリル酸オクチル60重量%、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル15重量%、リン酸
カリウム3重量%を含有する油剤を濃度5重量%の水エ
マルジョン仕上げ剤として、繊維に対して油剤付着率が
0.5重量%となるように付与した。
理、冷却を行った後、スピンドルとタッチロールの双方
を駆動する方式の巻取機を用いて、第一表に示した条件
にて、綾角5°として直径124mm、厚み7mmの紙
製の糸管に巻幅90mmにて4kg巻き取って100d
tex/36fの繊維を製造した。得られた繊維につい
ての紡糸性評価、繊維物性を第一表に示した。いずれの
条件においても、糸切れ、糸管の自動切替ミス、巻締ま
りは発生せず、バルジ率も良好な範囲であった。
第一表に示した温度として繊維を加熱した以外は、実施
例1と同様にして繊維を得た。得られた繊維についての
紡糸性評価、繊維物性を第一表に示した。比較例1で
は、繊維を熱処理していないため、巻締まりが発生し
て、チーズ状パッケージを巻取機より取り出せない場合
が多発した。比較例2では、繊維を熱処理した後、ロー
ルで冷却せずに、張力を下げて巻き取ったために、糸ゆ
れが激しく、糸切れ、糸管の自動切替ミスが発生した。
比較例3では、比較例2同様にして、ただし、糸ゆれを
抑えるために巻取り張力を高めて巻き取ったために、糸
切れは見られなかったものの、巻締まりが発生して、チ
ーズ状パッケージを巻取機より取り出せない場合が多発
した。
巻締まりや、糸切れ、糸管の自動切替ミスを抑制するこ
とができる。このため、生産性の高い1段階の紡糸工程
にて、仮撚加工により、ソフトな風合いを有した、スト
レッチ素材として好適な仮撚加工糸とすることができる
PTT−POYを工業的に安定して製造することができ
る。
ある。
却するゾーンの他の態様の概略を示す模式図である。
状パッケージの状態を示す略図である。図3−(イ)
は、望ましいチーズ状パッケージの概略図である。図3
−(ロ)は、バルジのあるチーズ状パッケージの概略図
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 90モル%以上がトリメチレンテレフタ
レート繰返単位から構成されるポリトリメチレンテレフ
タレートを溶融紡糸する繊維の製造方法であって、紡口
より押出して冷却固化した繊維を、50〜170℃で熱
処理を行った後、55℃以下、且つ、熱処理温度以下の
ロールにて冷却してから、巻き取ることを特徴とするポ
リトリメチレンテレフタレート部分配向繊維の製造方
法。 - 【請求項2】 0.02〜0.20cN/dtexの巻
取張力にて2000〜4500m/分の速度で巻き取る
ことを特徴とする請求項1記載のポリトリメチレンテレ
フタレート部分配向繊維の製造方法。
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