JP2001254226A - 部分配向ポリエステル繊維 - Google Patents

部分配向ポリエステル繊維

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JP2001254226A
JP2001254226A JP2000062882A JP2000062882A JP2001254226A JP 2001254226 A JP2001254226 A JP 2001254226A JP 2000062882 A JP2000062882 A JP 2000062882A JP 2000062882 A JP2000062882 A JP 2000062882A JP 2001254226 A JP2001254226 A JP 2001254226A
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fiber
winding
package
cheese
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Katsuhiro Fujimoto
克宏 藤本
Jinichiro Kato
仁一郎 加藤
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻締まりおよびバルジの発生を抑制すること
により工業的に製造が可能であり、かつ染めムラ等のな
い高品位の仮撚加工糸を、毛羽や糸切れの発生なく安定
して工業的に製造可能なPTT−POYを提供する。 【解決手段】 特定の接圧、綾角で巻き取ることによ
り、巻取時の巻糸の温度を下げ、巻糸にダメージを与え
ずに、低い巻取り張力にて巻き取る特殊な紡糸方法を用
いて製造し、高伸度、低放縮率かつ糸径や構造ムラの無
いPTT−POYとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仮撚加工に適した
ポリトリメチレンテレフタレート繊維及びそのチーズ状
パッケージに関する。更に詳しくは、工業的に製造可能
で、安定してムラの少ない高品位の仮撚加糸を得ること
のできる部分配向ポリトリメチレンテレフタレート繊維
およびそのチーズ状パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチ
ルに代表されるテレフタル酸の低級アルコールエステル
と、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオー
ル)を重縮合させて得られるポリトリメチレンテレフタ
レート(以下「PTT」と略す)は、それを用いた繊維
が、低弾性率(ソフトな風合い)、優れた弾性回復性、
易染性といったポリアミドに類似した性質と、耐光性、
熱セット性、寸法安定性、低吸水率といったポリエチレ
ンテレフタレート(以下「PET」と略す)繊維に類似
した性能を併せ持つ画期的なポリマーであり、その特徴
を生かしてBCFカーペット、ブラシ、テニスガット等
に応用されている(米国特許第3584108号明細
書、米国特許第3681188号明細書、「J.Pol
ymer Science」Polymer Phys
ics 編、14巻、263〜274頁、1976年発
行、「Chemical Fibers Intern
ational」45巻、1995年4月発行、110
〜111頁、特開平9−3724号公報、特開平8−1
73244号公報、特開平5−262862号公報)。
【0003】PTT繊維の上記の特性を最大限に生かせ
る繊維形態の一つとして仮撚加工糸がある。PTT繊維
の仮撚加工糸は、特開平9−78373号公報、特開平
11−093026号公報に開示されているように、P
TTと類似の構造を有する繊維、例えばPET繊維等の
ポリエステル繊維に比較して、弾性回復性、ソフト性に
富むので、ストレッチ用原糸として極めて優れたものと
なるからである。しかしながら、上記公報で用いている
仮撚加工に用いる供給原糸は、紡糸、延伸といった2段
階の工程により製造する延伸糸であるため、生産性を上
げることが困難であり、繊維製造コストが高くなってし
まう。また延伸糸であるため、生産性の高い高速での延
伸仮撚加工を行うことはできない。PET繊維と同様
に、1段階の工程で製造したPTTの部分配向繊維(以
下「POY」と略す)を用いて仮撚加工を行うことも考
えられる。
【0004】仮撚加工に用いるPTT−POYに関する
先行技術は、「ChemicalFibers Int
ernational」47巻、1997年2月発行、
72〜74頁に開示がある。この技術文献には、ポリマ
ーを押出して冷却固化した後、仕上げ剤を付与し、ゴデ
ットロールを用いず、あるいは冷たいゴデットロールを
介した後、3〜6000m/分で巻き取った繊維が開示
されている。また、特開平11−229276号公報に
は、特定の仕上げ剤を付与し、3300m/分で巻き取
った複屈折率が0.059、伸度71%のPTT−PO
Yが、大韓民国公開特許98049300号公報には、
固有粘度0.75〜1.1のポリマーを用いて2500
〜5500m/分の紡糸速度で紡糸したPTT−POY
が、WO99−39041号公開パンフレットには、特
定の仕上げ剤を付与し、3500m/分で巻き取った複
屈折率が0.062、伸度74%のPTT−POYが開
示されている。
【0005】しかしながら、本発明者らの検討による
と、上記の技術文献や公開公報などに示されているPT
T−POYは糸管上で糸が大きく収縮して糸管を締め付
けるために、通常工業生産している糸量を巻取ると糸管
が変形し、チーズ状パッケージを巻取機のスピンドルよ
り取り外すことができなくなる。このような状況では、
たとえ強度の大きい糸管を使って糸管の変形を抑えたと
しても、バルジと呼ばれるパッケージ側面が膨れる現象
が見られたり、チーズの内層で糸が堅く締まったりす
る。このためチーズ状パッケージの運搬が困難になった
り、糸を解舒する時の張力が高くなると共に、張力変動
も大きくなり、延伸仮撚加工時に毛羽、糸切れが多発し
たり、倦縮むらや染色むらが発生したりする。
【0006】上記のように繊維が収縮する理由としては
次の2つが考えられる。 PETと異なり、PTTはジグザグ状の分子構造を
してるのでガラス転移点(以下「Tg」と略す)が50
℃程度と低いので室温でも分子が運動して収縮してしま
うからである。 弾性回復率が高いために巻き取った際の応力が緩和
されずに残るためである。また本発明者らによると、上
記技術文献や公開公報などに示されているPTT−PO
Yでは、チーズパッケージ端面に巻かれている糸の太
さ、形、構造が異なり、ムラの大きい繊維となってしま
う。このようなムラの大きい繊維を用いて仮撚加工を行
うと、加工時に毛羽や糸切れが発生したり、染めムラや
倦縮ムラの大きい仮撚加工糸しか得られなくなったりし
てしまう。
【0007】上記のようなムラが発生する原因としては
次のように考えられる。 PTTは巻き取った後に繊維が収縮するため、端部
の径が大きくなるいわゆる耳高という現象が発生する。
このため端部のみが巻取機のタッチロールと接触し、繊
維に過度に力が加わって変形する。 PTTはTgが低いため、巻取り時にチーズ状パッ
ケージと巻取機のタッチロールとの摩擦発熱により、繊
維が不均一に熱処理されて結晶化したり変形したりす
る。このように巻締まり、バルジ、糸ムラが発生せず、
安定してムラの少ない高品位の仮撚加糸を得ることので
きるPTT−POYについて記載している先行技術は全
くない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの検討の結
果、仮撚加工に適したPTT−POY及びその製造にお
いて、従来技術では以下の問題があることが判明した。 (1)巻糸が収縮して、糸管を締め付け、チーズ状パッ
ケージを巻取り機のスピンドルより取り外すことができ
なくなったり、バルジが発生したりする。このため、工
業的に製造されているPET並みの糸量のチーズ状パッ
ケージを巻き取ることができない。 (2)Tgが低く、収縮率が大きいので、チーズパッケ
ージ端面に巻かれている糸の太さ、形、構造が異なり、
ムラの大きい繊維となってしまう。このようなムラの大
きい繊維を用いて仮撚加工を行うと、加工時に毛羽や糸
切れが発生したり、染めムラや倦縮ムラの大きい仮撚加
工糸しか得られなくなったりしてしまう。
【0009】本発明の目的は、工業的に製造可能で、か
つ染めムラ等のない高品位の仮撚加工糸を、毛羽や糸切
れの発生なく安定して工業的に製造可能なPTT−PO
Yおよびその製造方法の提供である。本発明の目的を達
成するために解決すべき課題は、上記(1)問題に対応
して工業的な製造を可能とするために巻締まりおよびバ
ルジの発生を抑制し、上記(2)問題に対応して工業的
に染めムラ等のない高品位の仮撚加工糸を毛羽や糸切れ
の発生なく得るために、糸の太さ、形、構造のムラがな
いPTT−POYとすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、驚くべきことに、巻取り速度、接圧、綾角、巻
張力を適正化して巻取時のチーズパッケージ表面温度を
下げ、巻糸にダメージを与えずに巻き取る特殊な紡糸方
法を用いて製造した、高伸度、低放縮率のPTT−PO
Yでは、巻締まりおよびバルジの発生を抑制できること
を見出した。また、本発明の繊維は、糸の太さ、形、構
造にムラがないため、染めムラ等のない高品位の仮撚加
工糸を毛羽、糸切れの発生なく安定して得ることができ
ることを見出し、本発明を完成した。
【0011】即ち本発明は以下のとおりのものである。 1.ポリエステル繊維 (I)90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰
返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレート
からなり、下記(A)〜(F)の要件を満足することを
特徴とするポリエステル繊維。 (A)密度 : 1.300〜1.325 (B)複屈折率 : 0.015〜0.06 (C)熱応力のピーク値 : 0〜0.1cN/dtex (D)沸水収縮率 : 20〜60% (E)破断伸度 : 60〜210% (F)U%が0〜2%で、かつ糸径変動が5%以上のムラが繊維1000 m当たり1個以下であること
【0012】2.チーズ状パッケージ (I)90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰
返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレート
からなり、下記(A)〜(F)の要件を満足することを
特徴とするポリエステル繊維が巻き付けられ、バルジ率
が20%以下であることを特徴とするチーズ状パッケー
ジ。 (A)密度 : 1.300〜1.325 (B)複屈折率 : 0.015〜0.06 (C)熱応力のピーク値 : 0〜0.1cN/dtex (D)沸水収縮率 : 20〜60% (E)破断伸度 : 60〜210% (F)U%が0〜2%で、かつ糸径変動が5%以上のムラが繊維1000 m当たり1個以下であること (II)(I)において巻き付けられている繊維の放縮率
が0〜4%であることを特徴とするチーズ状パッケー
ジ。
【0013】3.ポリエステル繊維の製造方法 (I)90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰
返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレート
を溶融紡糸してなるポリエステル繊維の製造方法におい
て、紡口より押出した溶融マルチフィラメントを急冷し
て固体マルチフィラメントに変えた後、該繊維に対して
仕上げ剤を付与し、その後0.02〜0.20cN/d
texの巻取張力にて、チーズ状パッケージの表面温度
を0〜50℃に保って1000〜4000m/minの
速度で巻き取ることを特徴とするポリエステル繊維の製
造方法。 (II)(I)において、3〜6°の綾角、かつチーズパ
ッケージ一つ当たり1〜5kgの接圧にて巻取ることを
特徴とするポリエステル繊維の製造方法。 (III )(I)または(II)において、スピンドルとタ
ッチロールの双方が駆動している方式の巻取機を用いて
巻取ることを特徴とするポリエステル繊維の製造方法。
【0014】4.仮撚加工糸 (I)90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰
返単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレート
からなり、下記(A)〜(F)の要件を満足することを
特徴とするポリエステル繊維を用いて製造した仮撚加工
糸。 (A)密度 : 1.300〜1.325 (B)複屈折率 : 0.015〜0.06 (C)熱応力のピーク値 : 0〜0.1cN/dtex (D)沸水収縮率 : 20〜60% (E)破断伸度 : 60〜210% (F)U%が0〜2%で、かつ糸径変動が5%以上のムラが繊維1000 m当たり1個以下であること
【0015】以下、本発明を詳細に説明する、 (1)ポリマー原料等 本発明に用いるポリマーは、90モル%以上がトリメチ
レンテレフタレート繰返し単位から構成されるポリトリ
メチレンテレフタレートである。ここでPTTとは、テ
レフタル酸を酸成分としトリメチレングリコール(1,
3−プロパンジオールともいう)をジオール成分とした
ポリエステルである。該PTTには、10モル%以下で
他の共重合成分を含有していてもよい。そのような共重
合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
5−カリウムスルホイソフタル酸、3,5−ジカルボン
酸ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
3,5−ジカルボン酸ベンゼンスルホン酸トリブチルメ
チルホスホニウム塩、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、アジピン酸、ドデカン二酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のエステル形成
性モノマーが挙げられる。
【0016】また、必要に応じて、各種の添加剤、例え
ば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍
光増白剤などを共重合、または混合してもよい。本発明
に用いるポリマーの極限粘度[η]は0.5〜1.4が
好ましく、更に好ましくは0.75〜1.2である。こ
の範囲で強度、紡糸性に優れた繊維を得ることができ
る。極限粘度が0.5未満の場合は、ポリマーの分子量
が低すぎるため紡糸時や加工時の糸切れや毛羽が発生し
やすくなるとともに、仮撚加工糸に要求される強度の発
現が困難となる。逆に極限粘度が1.4を越える場合
は、溶融粘度が高すぎるために紡糸時にメルトフラクチ
ャーや紡糸不良が生じるので好ましくない。なお、極限
粘度[η]は、発明の実施の形態の項で後述する測定値
である。
【0017】本発明に用いるポリマーの製法として、公
知の方法をそのまま用いることができる。即ち、テレフ
タル酸またはテレフタル酸ジメチルとトリメチレングリ
コールとを原料とし、チタンテトラブトキシド、酢酸カ
ルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸コバルト、酢酸マン
ガン、二酸化チタンと二酸化ケイ素の混合物といった金
属塩の1種あるいは2種以上を加え、常圧下あるいは加
圧下で反応させ、次にチタンテトラブトキシド、酢酸ア
ンチモンといった触媒を添加し、250〜270℃で減
圧下反応させる。重合の任意の段階で、好ましくは重縮
合反応の前に、安定剤を入れることが白度の向上、溶融
安定性の向上、PTTオリゴマーやアクロレイン、アリ
ルアルコールといった分子量が300以下の有機物の生
成を制御できる観点で好ましい。この場合の安定剤とし
ては、5価または/および3価のリン化合物やヒンダー
ドフェノール系化合物が好ましい。
【0018】(2)ポリエステル繊維 (I)本発明のポリエステル繊維としては、下記(A)
〜(F)の要件を満足する必要がある。 (A)密度 : 1.300〜1.325 (B)複屈折率 : 0.015〜0.06 (C)熱応力のピーク値 : 0〜0.1cN/dtex (D)沸水収縮率 : 20〜60% (E)破断伸度 : 60〜210% (F)U%が0〜2%で、かつ糸径変動が5%以上のムラが繊維1000 m当たり1個以下であること 本発明の課題の一つである繊維の巻締まりを解消するた
めには、糸管上で糸が大きく収縮しないように、分子が
過度に配向して緊張した状態になっていないことが重要
である。また、本発明の他の課題である高品質の仮撚加
工糸を毛羽、糸切れの発生なく安定して生産することを
可能とするには、破断伸度、熱応力のピーク値が一定の
範囲内であるとともに、糸のU%が一定の範囲内であり
かつ一定以上の糸径ムラが存在しないことが必要であ
る。
【0019】このためには分子が過度に配向して緊張し
た状態になっていないことが必要である。従ってこれら
の課題を達成するためには、ある特定の範囲内の結晶
性、配向性をもつ特殊な構造とする必要がある。結晶性
の指標としては、一般的に知られているように、繊維の
密度測定が適している。非晶部に比べ結晶部の密度が大
きいので、密度が大きいほど配向、結晶化していると言
える。配向性の指標としては、繊維の複屈折率が適して
いる。また、巻締まりや延伸仮撚加工性に大きく関与す
る分子の配向状態、緊張状態を表すことのできる値とし
ては、熱応力のピーク値、沸水収縮率及び破断伸度が適
している。従って、繊維の密度、複屈折率、熱応力のピ
ーク値、沸水収縮率、破断伸度および繊維のU%が前記
の範囲を満足することで、はじめて巻締まりやバルジの
発生がなく工業的に製造可能で、安定して品質の高い仮
撚加工糸を得ることができるPTT−POYとなる。
【0020】(i)密度(A) 密度は1.300〜1.325g/cm3 の範囲である
必要がある。密度が1.325g/cm3 を越えると仮
撚加工の際に毛羽や糸切れが発生しやすくなり、工業的
に安定して仮撚加工を行うことが困難となる。また、P
TTの密度の下限は1.300g/cm3 であり、これ
以下の値をとることはない。密度は好ましくは1.31
0〜1.320g/cm3 の範囲である。 (ii)複屈折率(B)と熱応力のピーク値(C)との関
係 繊維の複屈折率は0.015〜0.06、熱応力のピー
ク値は0〜0.1cN/dtexである必要がある。繊
維の複屈折率が0.06を越えるか、あるいは熱応力の
ピーク値が0.1cN/dtexを越えると繊維の収縮
する力が強く、巻き取った後に大きく収縮し、巻締まり
が発生してしまう。
【0021】繊維の複屈折率が0.015未満では、配
向性が低いために室温で保存した場合、繊維が脆くなり
仮撚加工時に糸切れや毛羽が多発し、仮撚加工を工業的
に行うことはできない。繊維の複屈折率は好ましくは
0.02〜0.055、更に好ましくは0.03〜0.
05である。また熱応力のピーク値は好ましくは0.0
1〜0.05cN/dtexである。このような熱応力
のピーク値を示す温度は40〜70℃であることが好ま
しい。熱応力のピーク値温度が40℃以下では繊維を室
温付近で保管した場合、沸水収縮率等が変化してしまっ
たり、糸が脆くなってしまったりする。また、熱応力の
ピーク値温度が70℃を越える場合は変形しにくくなっ
ているため仮撚加工の際に毛羽や糸切れが発生しやすく
なってしまう。熱応力のピーク値温度は好ましくは45
〜65℃、更に好ましくは50〜60℃である。
【0022】(iii )沸水収縮率(D) 繊維の沸水収縮率は20〜60%である必要がある。沸
水収縮率が60%を越える場合は、配向が進んでいない
ため構造が固定されず、室温で保存していても繊維が脆
くなり毛羽、糸切れの発生なく安定して仮撚加工糸を生
産することができなくなる。また20%未満では、結晶
化が進行しているために繊維が脆くなったり、変形しに
くくなったりするため、毛羽、糸切れが多発し仮撚加工
が困難となる。沸水収縮率は好ましくは30〜55%で
ある。
【0023】(iv)破断伸度(E) 破断伸度は60〜210%であることが必要である。破
断伸度が60%未満では伸度が低すぎるために、紡糸時
や仮撚加工時に毛羽や糸切れが発生しやすくなる。破断
伸度が210%を越える場合は、繊維の配向度が低すぎ
るために経時変化しやすく、また室温で保管していても
繊維が非常に脆くなってしまう。このため工業的に品質
の一定した仮撚加工糸を安定して得ることができない。
破断伸度の好ましい範囲は70〜180%、より好まし
い範囲は80〜160%である。
【0024】(v)U%及び糸径変動 U%が0〜2%で、かつ糸径変動が5%以上のムラが繊
維1000m当たり1個以下であることが必要である。
U%及び糸径変動は、ツェルベガーウスター株式会社製
USTERTESTER3により繊維試料の質量の変動
より求めた値である。該装置では電極間に繊維試料を通
した際の誘電率の変化により質量の変動を測定すること
ができる。一定速度にて該装置を通すと図1に示すよう
なむら曲線が得られる。この結果より図1中の式(1)
に従ってU%を求めることができる。
【0025】また、糸径変動は繊維10mの平均に対し
て5%以上質量が変動しているムラの個数を図1のよう
なむら曲線より数えて求めた。U%が2%を越えるか、
あるいは糸径変動が5%以上のムラが繊維1000m当
たり1個を越える場合は、仮撚加工時に毛羽や糸切れが
多発したり、染めムラや倦縮ムラの大きい仮撚加工糸し
か得られなくなってしまう。U%は1.5%以下である
ことが好ましく、更に好ましくは1.0%以下である。
もちろんU%は低ければ低いほど良い。また、糸径変動
は4%以上のムラが繊維1000m当たり1個以下であ
ることが好ましく、3%以上のムラが繊維1000m当
たり1個以下であることが更に好ましい。
【0026】(III )ポリエステル繊維の物性等 (i)強度 本発明のポリエステル繊維の強度は、1.0cN/dt
ex以上であることが好ましい。1.0cN/dtex
未満では強度が低いために、糸を解舒する際や仮撚加工
を行う際に毛羽や糸切れが多発してしまう。好ましくは
1.3cN/dtex以上、更に好ましくは1.5cN
/dtex以上である。 (ii)広角X線回折による結晶由来の回折ピークの観察 本発明においては、繊維が結晶化していないこと、すな
わち広角X線回折にて結晶由来の回折ピークが観察され
ないことが好ましい。
【0027】以下、広角X線回折について図面を用いて
詳述する。X線を繊維に対して垂直方向より照射した際
の繊維軸に対して直行方向の回折パターンの代表的な例
として、図2の(イ)に結晶に由来する回折ピークが観
察される場合のパターンを、図2の(ロ)に結晶に由来
する回折ピークが観察されない場合のパターンを示す。
ここでX線はCuKα線を用いている。PTTは三斜晶
形に属した結晶形をとることが知られており、(Pol
ym.Prepr.Jpn.,Vol.26,p427
(1997))このため繊維が結晶化している場合は、
繊維軸に対して直行方向の2θ=15.5°付近に(0
10)面に由来する回折ピークが観察される。
【0028】本発明においては、図2の(ロ)で示した
ように非晶に由来するブロードな回折が観察されるだけ
であり、繊維軸に対して直行方向の広角X線回折強度が
下記の式を満足するかどうかで、回折像が観察されたか
どうかを判定した。 I1 /I2 ≦1.1 ただし式中、I1 :2θ=15.5〜16.5°の最大
回折強度 I2 :2θ=18〜19°の平均回折強度 一方、図2の(イ)のような結晶に由来するピークが観
察される場合は上記式を満足しない。広角X線回折にて
結晶に由来する回折ピークが観察されないことで、繊維
が明らかに結晶化していないことが分かる。結晶に由来
する回折像が観察される場合は繊維が結晶化しているた
め、仮撚時に毛羽や糸切れが発生しやすい。I1 /I2
の値は好ましくは1.0以下である。
【0029】(iii )繊維のSSカーブ 本発明のポリエステル繊維は、図3に示した引張り試験
より得られるSSカーブにおいてSmax /Smin が1.
1〜2.0あること好ましい。Smax /Smin が1.1
未満の場合は、繊維が巻取り時のチーズ状パッケージと
巻取機のタッチロールとの摩擦発熱などにより熱処理を
受けたことを示す。このように熱処理を受けた場合すな
わち、Smax /Smin が1.1未満の場合は加工時に毛
羽や糸切れが発生したり、染めムラや倦縮ムラの大きい
仮撚加工糸しか得られなくなったりしてしまう。Smax
/Smin が2.0を越える場合は仮撚時に糸切れが発生
しやすくなる。PTT−POYの場合、特にチーズ状パ
ッケージの端部に巻かれている繊維が熱処理を受けやす
いため、端部のSmax /Smin が上記の範囲を満足して
いることが重要である。Smax /Smin は好ましくは
1.15〜1.9の範囲である。
【0030】(iv)本発明のポリエステル繊維は、マル
チフィラメントが好ましい。総繊度は限定はされない
が、通常5〜400dtex、好ましくは、10〜30
0dtex、単糸繊度は限定はされないが0.1〜20
dtex、好ましくは0.5〜10dtex、更に好ま
しくは1〜5dtexである。繊維の断面形状は丸、三
角、その他の多角形、扁平、L型、W型、十字型、井
型、ドッグボーン型等、制限はなく、中実繊維であって
も中空繊維であってもよい。
【0031】(3)チーズ状パッケージ 本発明の繊維はチーズ状パッケージに巻かれていること
が好ましい。近年の仮撚加工工程の近代化・合理化に追
随するには、パッケージのラージ化、即ち大量巻きの可
能なチーズ状パッケージで巻かれていることが好まし
い。またチーズ状パッケージとすることで、仮撚加工時
に糸を解舒する際、解舒張力の変動が小さくなり、安定
した加工が可能となる。 (i)バルジ率 本発明の繊維が巻かれたチーズ状パッケージはバルジ率
が20%以下であることが好ましい。図4の(イ)は糸
が望ましい形状に巻かれたチーズ状パッケージ(10
0)を示し、糸が糸管等の巻芯(103)上に平らな端
面(102)を形成した円筒状糸層(104)に巻かれ
ている。
【0032】バルジは、図4の(ロ)に示すように、巻
締まりによってパッケージ糸の収縮による締め付け力が
強く働いた時に起こるチーズ状パッケージ(100)の
膨らみのある端面(102a)である。バルジ率とは、
図4の(イ)または図4の(ロ)に示す最内層の巻幅Q
及び最も膨らんでいる部分の巻幅Rを測定して、下記式
を用いて算出した値である。 バルジ率={(R−Q)/Q}×100% バルジ率は巻締まりの程度を示すパラメーターとなる。
チーズ状パッケージのバルジ率が20%を越えるものは
巻締まりが大きく、巻取機のスピンドルからはずれなく
なる場合が多い他、解舒張力の斑による糸切れ、毛羽、
染色斑等が起こりやすい。バルジ率は好ましくは15%
以下であり、更に好ましくは10%以下である。もちろ
ん0%が最も好ましい。
【0033】(ii)糸管 工業的に製造する上では紡糸の際に糸管を交換する頻度
を減らすことが作業効率の向上、コストダウンの観点よ
り極めて重要である。また、延伸仮撚工程においては、
チーズ状パッケージを使用した後、次のチーズ状パッケ
ージにつなぎ込んで使用するが、このつなぎ込みの頻度
を減らすことも作業効率の向上、コストダウンの観点か
ら極めて重要である。従って、該チーズ状パッケージに
は1kg以上の本発明の繊維が巻かれていることが好ま
しく、更に好ましくは2kg以上であり、一層好ましく
は4kg以上である。1kg未満では糸管交換の頻度や
つなぎ込みの頻度が高過ぎ、工業的に製造するのは困難
となってしまう。本発明に用いる糸管は、フェノール樹
脂などの樹脂、金属、紙のいずれでできていても良い。
紙の場合は5mm以上の厚みであることが好ましい。糸
管のサイズとしては、直径が50〜250mmであるこ
とが好ましく、より好ましくは80〜150mmであ
る。また、糸管上の繊維の巻幅は40〜300mmであ
ることが好ましく、より好ましくは60〜200mmで
ある。この範囲内の糸管、巻幅とすることで、巻姿が良
好で、かつ解舒性の良好なチーズ状パッケージを得るこ
とが容易になる。
【0034】(iii )放縮率 チーズ状パッケージに巻き付けられている繊維の放縮率
は0〜4.0%であることが好ましい。ここで放縮率と
は下記式で表される値である。 放縮率=(L0 −L1 )/L0 ×100(%) ここで、L0 :チーズ状パッケージ上での繊維の長さ
(cm) L1 :チーズ状パッケージより解舒して、7日間放置後
の繊維の長さ(cm) この放縮率の値は、糸管上で繊維がどれだけ縮もうとし
ているかを示す値なので巻締まりの指標となる。放縮率
が4.0%を越えると繊維が大きく収縮して巻締まりが
発生し、チーズ状パッケージが巻取機のスピンドルより
抜けなくなったり、バルジ率が大きくなったりしてしま
う。また放縮率が負の値を示す時は、繊維がゆるんでし
まうために、巻崩れが発生してしまう。放縮率は0.1
〜3.5%が好ましく、0.2〜3.0%が更に好まし
い。
【0035】(4)ポリエステル繊維の製造方法 次に本発明のポリエステル繊維およびチーズ状パッケー
ジを得る方法を例示する。本発明のポリエステル繊維
は、基本的に、紡口より押出した溶融マルチフィラメン
トを急冷して固体マルチフィラメントに変えた後、該繊
維に対して仕上げ剤を付与し、その後0.02〜0.2
0cN/dtexの巻取張力にて、チーズ状パッケージ
の表面温度を0〜50℃に保って1000〜4000m
/minの速度で巻き取ることにより得られる。
【0036】以下に本発明のポリエステル繊維の好まし
い製造方法を図5を用いて詳述する。まず、乾燥機1で
100ppm以下の水分率まで乾燥されたPTTペレッ
トを250〜290℃に設定された押出機2に供給し溶
融する。溶融PTTは押出機の後の250〜290℃に
設定されたスピンヘッド4に送液され、ギヤポンプで計
量される。その後パック5に装着された複数の孔を有す
る紡口口金6を経て溶融マルチフィラメントとして紡糸
チャンバー14内に押出される。押出機に供給するPT
Tペレットの水分率は、ポリマーの重合度低下を抑制す
るという観点から50ppm以下が好ましく、更に好ま
しくは30ppm以下である。
【0037】押出機およびスピンヘッドの温度はPTT
ペレットの極限粘度や形状によって上記範囲内より最適
なものを選ぶ必要があるが、好ましくは255〜280
℃の範囲である。紡糸温度が250℃未満では、糸切れ
や毛羽が多発したり、糸径むらが発生したりしてしま
う。また、紡糸温度が290℃を越えると熱分解が激し
くなり、得られた糸は着色し、また満足し得る強度を示
さなくなる。紡糸チャンバー内に押し出された溶融マル
チフィラメントは冷却風9によって室温まで冷却されて
固体マルチフィラメント8に変えられる。
【0038】この際、紡口直下に設けた30〜250℃
の雰囲気温度に保持した長さ2〜80cmの保温領域7
を通過させて急激な冷却を抑制した後、この溶融マルチ
フィラメントを急冷して固体マルチフィラメントに変え
て続く工程に供することが好ましい。この保温領域を通
過させることで固化むらを抑制し、高い巻取速度あるい
は第一ロール速度まで固化むら(太さむらや配向度む
ら)を生じること無く固体マルチフィラメントに変える
ことができる。保温領域の温度が30℃未満では急冷と
なり固体マルチフィラメントの固化むらが大きくなる。
また、200℃以上では糸切れが起こりやすくなる。こ
のような保温領域の温度は40〜200℃が好ましく、
更に好ましくは50〜150℃である。また、この保温
領域の長さは5〜30cmが更に好ましい。
【0039】次に固体マルチフィラメントは、仕上げ剤
付与装置10によって仕上げ剤を付与することが好まし
い。仕上げ剤を付与することにより、繊維の集束性、制
電性、滑り性などが良好となり、巻取時や後加工時に毛
羽や糸切れが発生することを抑制したり、巻き取ったパ
ッケージのフォームを良好に保つことができる。ここで
仕上げ剤とは、乳化剤を用いて油剤を乳化した水エマル
ジョン液、油剤を溶剤に溶かした溶液、あるいは油剤そ
のものであり、繊維の集束性、制電性、滑り性など向上
させるものである。付与される仕上げ剤としてはこれら
のいずれでもよい。ここで油剤とは、滑り性を向上させ
るために脂肪酸エステル及び/又は鉱物油及び/又は分
子量1000〜20000のポリエーテルを10〜80
重量%含み、制電性や保存時の安定性を向上させるため
にイオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤
を1〜50重量%含む混合物が好ましく、必要に応じて
成分を選択することが好ましい。
【0040】油剤は水エマルジョンに希釈した場合が好
ましく、この場合、油剤が仕上げ剤に対して1〜30重
量%含まれていることが好ましく、2〜20重量%であ
ることが更に好ましいく、3〜10重量%であることが
特に好ましい。油剤が上記割合の水エマルジョンに希釈
されていることにより、繊維に均一に付着しやすくなる
とともに巻姿を良好にすることが容易になる。油剤の割
合が1重量%未満では、仕上げ剤の量が多くなりすぎる
ために、一定量油剤を繊維に付与することができなくな
る。油剤の割合が30重量%を越えると、仕上げ剤の粘
度が高く、付与する仕上げ剤の量が少なくなるため、繊
維に均一に油剤を付与することが困難となってしまう。
【0041】また付与する仕上げ剤は、繊維に対して油
剤が0.1〜3重量%付着するように付与するのが好ま
しく、0.2〜2重量%付着するように付与するのが更
に好ましい。油剤の付着率が0.1重量%以下では、仕
上げ剤を付与する目的である繊維の集束性、制電性、滑
り性などが悪化してしまい、巻取時や、後加工時に毛羽
や糸切れが多発してしまう。油剤の付着率が3重量%を
越えると、繊維がべとついて取扱性が悪化したり、紡
糸、巻取りの際に用いるガイド類、ロール類に油剤が付
着して汚れてしまい、毛羽や糸切れの原因となってしま
ったりする。
【0042】仕上げ剤を付与する方法としては、公知の
オイリングロールを用いる方法や例えば特開昭59−1
16404号公報などに開示されるガイドノズルを用い
る方法などを用いることができるが、仕上げ剤付与装置
自体の摩擦による糸切れ、毛羽の発生を抑制するために
はガイドノズルを用いる方法が好ましい。より繊維に均
一に仕上げ剤を付与するために、これらの方法を併用し
たり、あるいは同じ方法にて複数の場所で仕上げ剤を付
与してもよい。仕上げ剤を繊維に付与する位置は、溶融
マルチフィラメントが冷却風9によって室温まで冷却さ
れて固体マルチフィラメント8に変えられた直後で最も
紡口口金に近い位置が好ましい。繊維は仕上げ剤を付与
すると同時に集束されるので、この位置が紡口口金に近
いほど空気抵抗を下げることができ、糸切れ、毛羽の発
生を抑えることができるからである。
【0043】固体マルチフィラメント8は仕上げ剤を付
与した後に巻き取られるが、この際直接巻取機にて巻き
取っても良いが、好ましくは回転しているロールに一度
巻き付けた後に、巻取機で巻き取ることが好ましい。ロ
ールと巻取機の速度を調節することで巻き取り張力を制
御することが容易になるからである。本発明では、紡糸
過程で必要に応じて、交絡処理を行ってもよい。交絡処
理は、仕上げ剤付与前、仕上げ剤付与後、巻取前のいず
れか、あるいは複数の場所で行っても良い。
【0044】仕上げ剤を付与した固体マルチフィラメン
トは、巻取機13を用いて巻き取られる。巻取速度は1
000〜4000m/minであることが必要である。
巻取速度が1000m/min未満では、繊維の配向が
低いために、繊維を室温付近で保存しておくと、繊維が
脆くなり、繊維の取扱や延伸仮撚加工が困難となる。ま
た、4000m/minを越えると、繊維の配向や結晶
化が進みすぎ、本発明の目的である熱応力のピーク値、
密度を兼ね備えた部分配向繊維を得ることができず、糸
管上で繊維が大きく収縮し、巻締まりが発生してしま
う。好ましくは1500〜3200m/minであり、
更に好ましくは2000〜2800m/minである。
【0045】本発明においては、巻き取る時の張力が
0.02〜0.20cN/dtexであることが必要で
ある。従来行われてきたPETやナイロンの溶融紡糸で
このように低い張力で巻き取ろうとすると、糸の走行が
安定せず、糸が巻取機のトラバースから外れたりして糸
切れが発生したり、巻糸を次の糸管に自動で切り替える
時に切替ミスが発生したりする。しかしながら驚くべき
ことにPTT−POYでは本発明のように極低い張力で
巻き取ってもこのような問題が発生せず、しかも低い張
力とすることで初めて巻締まりなく良好な巻姿のチーズ
状パッケージを得ることができる。
【0046】張力が0.02cN/dtex未満では張
力が弱すぎるために巻取機の綾振りガイドでの綾振りが
良好にできず、巻フォームが悪くなってしまったり、ト
ラバースより糸が外れ、糸切れが起こったりしてしま
う。0.20cN/dtexを越えると巻締まりが発生
してしまう。巻き取るときの張力は好ましくは0.02
5〜0.15cN/dtex、更に好ましくは0.03
〜0.10cN/dtexである。ロールに巻き付けた
後に巻き取る場合は、巻取張力が上記の範囲内になるよ
うにロールの周速度を調整することが好ましい。ロール
の速度は巻取速度に対して0.80〜1.1倍の速度で
あることが好ましい。ロールを用いる以外に、繊維を加
速空気中に通したりして巻取り張力を制御しても良い。
もちろんこれらの方法を併用してもかまわない。
【0047】本発明では巻取時のチーズ状パッケージの
表面温度を0〜50℃に保つことが必要である。部分的
にでも表面温度が50℃を越えると、Tgを越えるため
に繊維が変形したり、結晶化したりする。このようなP
TT−POYを用いた場合、高品位の仮撚加工糸を糸切
れ、毛羽の発生なく得ることが困難となってしまう。表
面温度は5〜45℃が好ましく、10〜40℃が更に好
ましい。このようにチーズ状パッケージの表面温度を0
〜50℃に保つためには、巻取機中のチーズ状パッケー
ジに冷却風等を当てて冷却しても良いが、綾角、接圧を
適正な条件として巻き取ることで表面温度を0〜50℃
に保つことがパッケージのフォームを良好に保つために
より好ましい。
【0048】好ましい綾角の範囲は3〜6°である。綾
角が3°未満では糸同士があまり交差していないために
チーズ状パッケージ端部の糸が滑りやすく、綾落ちやバ
ルジの発生が起こりやすい。綾角が6°を越えると糸管
の端部に巻かれる糸の量が多くなるために中央部に比べ
端部の径が大きくなるいわゆる耳高現象が発生してしま
う。このため巻き取っている際は端部のみが巻取機のタ
ッチロールに接触してしまい端部の温度が高くなってし
まうとともに、端部の繊維が変形してしまい糸径ムラな
どの糸品質が悪化してしまう。また、巻き取った糸を解
舒する際の張力変動が大きくなり、毛羽や糸切れが多発
したりしてしまう。綾角は3.5°〜5.5°が更に好
ましい。
【0049】接圧の好ましい範囲はチーズ状パッケージ
一つあたり1〜5kgである。接圧とは、巻取時にチー
ズ状パッケージに巻取機のタッチロールによって加わる
荷重のことである。接圧がチーズ状パッケージ一つあた
り5kgを越えるとチーズ状パッケージの温度が高くな
るとともに、繊維に加わる力が大きくなるために、繊維
がダメージを受け変形したり、結晶化してしまう。接圧
がチーズ状パッケージ一つあたり1kg未満では巻取機
の振動が激しくなり、巻取機が破損してしまう恐れがあ
る。接圧はチーズ状パッケージ一つあたり1.2〜4k
gが好ましく、1.5〜3kgが更に好ましい。
【0050】本発明に用いる巻取機としては、スピンド
ル駆動方式、タッチロール駆動方式、スピンドルとタッ
チロールの双方が駆動している方式のいずれの巻取機で
もかまわないが、スピンドルとタッチロールの双方が駆
動している方式の巻取機が糸を多量に巻き取るためには
好ましい。タッチロールあるいはスピンドルどちらか一
方のみが駆動する場合、他方は駆動軸からの摩擦により
回転する。このためスピンドルに取り付けられている糸
管とタッチロールの間で滑りが発生し、表面速度が異な
ってしまう。この結果タッチロールを介してスピンドル
に糸が巻き付けられる際に、糸が伸ばされたり、ゆるん
だりしてしまい張力が変わって巻姿が悪化したり、糸が
こすられてダメージを受けたりしする。スピンドルとタ
ッチロールの双方が駆動することによりタッチロールと
糸管の表面速度の差を制御することが可能となって滑り
を減らすことができ、糸の品質や、巻姿を良好にするこ
とができる。
【0051】本発明のPTT−POYは、延伸仮撚加工
を行うことにより非常にソフトで良好な弾性回復性、お
よびその持続性を有した仮撚加工糸とすることができ
る。延伸仮撚加工の方法としては、一般に用いられてい
るピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイ
プ、エアー加撚タイプ等いかなる方法でも良いが、本発
明のPTT−POYの特徴を生かすためには、生産性の
高い高速での延伸仮撚加工ができるフリクションタイ
プ、ニップベルトタイプが好ましい。仮撚加工条件は特
に限定されるものではなく、以下に例示する公知の条件
範囲より適宜選択して行うことができる。 フリクションタイプでの仮撚加工条件の一例 仮撚速度 : 300〜1000m/min 仮撚温度 : 100〜200℃ ドロー比(延伸倍率) : 伸度40%となるように調整 (通常1.05〜2.0倍) 加撚ディスク : セラミック、ウレタン等 ディスク速度/糸速度の比(D/Y比) : 1.7〜3
【0052】
【発明の実施の形態】以下、実施例などを挙げて本発明
をより詳細に説明するが、言うまでもなく本発明は実施
例などにより何ら限定されるものでない。尚、実施例中
の主な測定値は以下の方法で測定した。 (1)極限粘度[η] 極限粘度[η]は、オストワルド粘度計を用い、35
℃、o−クロロフェノール中での比粘度ηspと濃度C
(g/100ミリリットル)の比ηsp/Cを濃度ゼロ
に外挿し、以下の式(1)に従って求めた。 [η]=lim(ηsp/C) ・・・(1) C→0 (2)密度 JIS−L−1013に基づいて四塩化炭素およびn−
ヘプタンにより作成した密度勾配管を用いて密度勾配管
法にて測定を行った。
【0053】(3)複屈折率 繊維便覧−原料編、p.969(第5刷、1978年丸
善株式会社発行)に準じ、光学顕微鏡とコンペンセータ
ーを用いて、繊維の表面に観察される偏光のリターデー
ションから求めた。 (4)熱応力のピーク値 鐘紡エンジニアリング社製のKE−2を用いた。初過重
0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分で測
定した。得られたデーターは横軸に温度、縦軸に熱応力
をプロットし温度−熱応力曲線を描く。熱応力の最大点
の値を熱応力のピーク値とした。
【0054】(5)沸水収縮率沸 JIS−L−1013に基づき、かせ収縮率として求め
た。 (6)強度(繊維破断強度)、破断伸度(繊維破断伸
度)、SSカーブ JIS−L−1013に基づいて定速伸長形引張試験機
であるオリエンテック(株)社製テンシロンを用いて、
つかみ間隔20cm、引張速度20cm/分にて測定し
た。Smax /Smin は、チーズ状パッケージ端部の繊維
を10ヶ所サンプリングして引張り試験を行い、最も大
きいSmax /Smin の値を用いた。
【0055】(7)U%及び糸径変動 U%及び糸径変動はツェルベガーウスター株式会社製U
STER TESTER3により下記の条件にて測定し
て求めた。 測定速度 : 100m/min 測定時間 : 1分(U%) (糸長=100m) 10分(糸径変動) (糸長=1000m) 測定回数 : 2回 撚り種類 : S撚り
【0056】(8)広角X線回折(カウンター法) 理学電機株式会社(現、株式会社リガク)製広角X線回
折装置ロータフレックスRU−200を用いて下記の条
件にて観察を行った。 X線種 : CuKa線 出力 : 40KV 120mA ゴニオメーター : 理学電機株式会社(現株式会社リ
ガク)製 検出器 : シンチレーションカウンター 計数記録装置 : RINT2000、オンラインデー
タ処理システム スキャン範囲 : 2θ=5〜40° サンプリング間隔 : 0.03° 積算時間 : 1秒 回折強度は、サンプルを測定して得た回折強度と空気散
乱強度より次の式に従って求めた真の回折強度を用い
た。 真の回折強度 = サンプルの回折強度 − 空気散乱
強度
【0057】(9)油剤付着率 JIS−L−1013に基づき、繊維をジエチルエーテ
ルで洗浄し、ジエチルエーテルを留去して繊維表面に付
着した純油剤量を繊維重量で割って求めた比率を油剤付
着率とした。 (10)バルジ率 図4の(イ)または図4の(ロ)に示す糸層(104)
の最内層の巻幅Q及び、最も膨らんでいる部分の巻幅R
を測定して、次の式に従って算出した。 バルジ率={(R−Q)/Q}×100%
【0058】(11)繊維の放縮率 繊維を10分間糸管に巻き取ったチーズ状パッケージを
用いて、下記の式に従って求めた。 放縮率=(L0 −L1 )/L0 ×100(%) ここで、L0 :チーズ状パッケージ上での繊維の長さ
(cm) L1 :チーズ状パッケージより解舒して、7日間放置後
の繊維の長さ(cm) L0 はチーズ状パッケージ上の巻糸の径と綾角より計算
で求めた。また、L1は巻き取り後30分以内に繊維を
チーズ状パッケージより解舒し、無荷重で7日間放置し
た後、1/34cN/dtexの荷重をかけた時の長さ
を測定して求めた。
【0059】
【実施例1】テレフタル酸ジメチルと1,3−プロパン
ジオールを1:2のモル比で仕込み、テレフタル酸ジメ
チルの0.1重量%に相当するチタンテトラブトキシド
を加え、常圧下ヒーター温度240℃でエステル交換反
応を完結させた。次にチタンテトラブトキシドを更に理
論ポリマー量の0.1重量%、二酸化チタンを理論ポリ
マー量の0.5重量%添加し、270℃で3時間反応さ
せた。得られたポリマーの極限粘度は0.9であった。
得られたポリマーを図5に示した装置を用いて、定法に
より乾燥し、水分を50ppmにした後、265℃で溶
融させ、直径0.35mmの36個の孔の開いた一重配
列の紡口を通して押出した。
【0060】押出した溶融マルチフィラメントを、長さ
5cm、温度100℃の保温領域を通過後、風速0.4
m/分の風を当てて急冷し固体マルチフィラメントに変
えた後、ガイドノズルを用いてステアリル酸オクチル6
0重量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル15重
量%、リン酸カリウム3重量%を含んだ油剤を濃度10
重量%の水エマルジョン仕上げ剤として繊維に対して油
剤付着量が0.6重量%となるように付着させた。次い
で、固体マルチフィラメントを加熱していない周速度2
510m/分のロールに6回巻き付けた後、スピンドル
とタッチロールの双方を駆動する方式の巻取機を用い
て、巻取速度2500m/分、巻取張力0.03cN/
dtex、綾角4.5°、チーズ状パッケージ一つ当た
り2kgの接圧にて直径124mm、厚み7mmの紙製
の糸管に巻幅90mmにて3kg巻き取って100dt
ex/36fの繊維の巻かれたチーズ状パッケージを得
た。巻取中のチーズ状パッケージ表面温度を赤外線温度
計にて測定したところ、最高で35℃であった。
【0061】得られた繊維物性を表1に記す。得られた
繊維は本発明の範囲に相当するものであり、紡糸過程で
糸切れ、毛羽の発生は認められなかった。また、巻き取
ったチーズ状パッケージは巻取機のスピンドルより容易
に抜け、バルジ率も良好な範囲であった。実施例1で得
た繊維を用いて、帝人製機(株)SDS1200仮撚加
工機にてセラミック製の加撚ディスクを4枚用いて、加
工速度400m/分、ヒーター温度170℃、ディスク
速度/糸速度の比(D/Y比)2.3、ドロー比(延伸
倍率)1.4で延伸仮撚加工を行った。仮撚加工の際に
毛羽や糸切れは見られず、またPET並みの倦縮形態を
有し、しかもPTT特有のソフトさ、弾性回復性を持っ
た優れた仮撚加工糸を得ることができた。また、3ヶ月
後でも得られたPTT−POYの物性に経時変化はほと
んど見られず、仮撚加工を行ったところ同品質の仮撚加
工糸を得ることができた。
【0062】
【実施例2〜5】実施例1と同様にして、表1に示した
条件で36fの繊維を得た。紡糸状態及び得られた繊維
物性を表1に記す。いずれの繊維も本発明の範囲に相当
するものであり、紡糸過程で糸切れ、毛羽は認められな
かった。また巻き取ったチーズ状パッケージは巻取機の
スピンドルより容易に抜け、バルジ率も良好な範囲であ
った。
【比較例1】実施例1と同様にして、表1に示した条件
で36fの繊維を得た。得られた繊維物性を表1に記
す。比較例1では巻取り速度が早すぎるために巻締まり
が発生し、巻取機のスピンドルよりチーズ状パッケージ
を取り出すことができなかった。この繊維を少量サンプ
リングして物性を測定したところ、伸度や熱応力のピー
ク値等が本発明より外れており、配向が高すぎる繊維で
あった。
【0063】
【比較例2】実施例1と同様にして、表1に示した条件
で36fの繊維を得た。得られた繊維物性を表1に記
す。比較例2では巻取速度が低すぎ、得られた繊維は伸
度、複屈折率等が本発明の範囲を外れており、ほとんど
配向していない繊維であった。この繊維を用いて、ドロ
ー比以外は実施例1と同様にして仮撚を行ったが、糸切
れが多発し仮撚加工糸を得ることができなかった。
【比較例3】実施例1と同様にして、表1に示した条件
で36fの繊維を得た。得られた繊維物性を表1に記
す。比較例3では巻取り張力が高すぎるために巻締まり
が発生し、巻取機のスピンドルよりチーズ状パッケージ
を取り出すことができなかった。この繊維を少量サンプ
リングして物性を測定したところ、糸径変動が5%以上
のムラが5個と多く、本発明の範囲を外れていた。
【0064】
【比較例4、5】実施例1と同様にして、表1に示した
条件で36fの繊維を得た。得られた繊維物性を表1に
記す。比較例4では綾角が大きすぎ、比較例5では接圧
が高すぎるために巻取時のチーズ状パッケージ端部の径
が大きくなり、端部の表面温度が50℃を越えてしまっ
た。得られた繊維はいずれの場合もU%が2%を越え、
糸径変動が5%以上のムラも10個以上あり、本発明の
範囲を外れていた。この繊維を用いて、実施例1と同様
にして仮撚を行ったところ、毛羽、糸切れが多発した。
また得られた仮撚加工糸を筒編み後に染色したところ、
非常に染めムラの多いものであった。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維は、適度な結
晶性と配向性を兼ね備えたPTT−POYである。この
ため巻取の際に巻締まりが起こりにくく良好な巻姿のチ
ーズ状パッケージを得ることができ、工業的に製造する
ことができる。また糸の太さ、形、構造のムラがないた
め、工業的に染めムラ等のない高品位の仮撚加工糸を毛
羽や糸切れの発生なく得ることができる。本発明のPT
T−POYを用いて製造した仮撚加工糸は、ソフトな風
合いと高い伸縮伸長率、伸縮弾性率を持った極めて優れ
たストレッチ素材として好適な仮撚加工糸となる。この
ためいわゆるゾッキや交編タイプのパンティストッキン
グ、タイツ、ソックス(裏糸、口ゴム)、ジャージー、
弾性糸のカバリング糸、交編パンティストッキング等交
編品の伴糸等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維をUSTER TESTER 3に通した
際のむら曲線(繊維の質量変化)である。
【図2】繊維の広角X線回析チャートであり、(イ)
は、結晶性に由来するピークの観察される広角X線回析
チャートであり、(ロ)は、結晶性に由来するピークの
観察されない広角X線回析チャートである。
【図3】本発明のポリエステル繊維のSSカーブを示す
模式図である。
【図4】本発明のポリエステル繊維を糸管に巻き付けた
チーズ状パッケージの状態を示す概略図であり、(イ)
は、望ましいチーズ状パッケージの概略図であり、
(ロ)は、バルジのあるチーズ状パッケージの概略図で
ある。
【図5】本発明を実施する紡糸機の概略を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 乾燥機 2 押出機 3 ベンド 4 スピンヘッド 5 紡口パック 6 紡口口金 7 保温領域 8 マルチフィラメント 9 冷却風 10 油剤付与装置 11 ロール 12 フリーロール 13 巻取機、パッケージ 13a スピンドル、パッケージ 13b タッチロール 14 紡糸チャンバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 BB33 BB53 BB56 BB60 CC13 DD20 EE01 FF08 4L036 MA05 MA26 MA33 PA05 PA14 RA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 90モル%以上がトリメチレンテレフタ
    レート繰返単位から構成されるポリトリメチレンテレフ
    タレートからなり、下記(A)〜(F)の要件を満足す
    ることを特徴とするポリエステル繊維。 (A)密度 : 1.300〜1.325 (B)複屈折率 : 0.015〜0.06 (C)熱応力のピーク値 : 0〜0.1cN/dtex (D)沸水収縮率 : 20〜60% (E)破断伸度 : 60〜210% (F)U%が0〜2%で、かつ糸径変動が5%以上のムラが繊維1000 m当たり1個以下であること
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル繊維が巻き
    付けられ、バルジ率が20%以下であることを特徴とす
    るチーズ状パッケージ。
  3. 【請求項3】 巻き付けられている繊維の放縮率が0〜
    4%であることを特徴とする請求項2記載のチーズ状パ
    ッケージ。
  4. 【請求項4】 90モル%以上がトリメチレンテレフタ
    レート繰返単位から構成されるポリトリメチレンテレフ
    タレートを溶融紡糸してなるポリエステル繊維の製造方
    法において、紡口より押出した溶融マルチフィラメント
    を急冷して固体マルチフィラメントに変えた後、該繊維
    に対して仕上げ剤を付与し、その後0.02〜0.20
    cN/dtexの巻取張力にて、チーズ状パッケージの
    表面温度を0〜50℃に保って1000〜4000m/
    minの速度で巻き取ることを特徴とするポリエステル
    繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 3〜6°の綾角、かつチーズパッケージ
    一つ当たり1〜5kgの接圧にて巻取ることを特徴とす
    る請求項4記載のポリエステル繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 スピンドルとタッチロールの双方が駆動
    している方式の巻取機を用いて巻取ることを特徴とする
    請求項4または5記載のポリエステル繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のポリエステル繊維を用い
    て製造した仮撚加工糸。
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