JP4036617B2 - 高速仮撚用延伸糸及びその製造方法 - Google Patents

高速仮撚用延伸糸及びその製造方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、直接紡糸延伸法で得られるポリトリメチレンテレフタレート延伸糸及びその製造方法に関する。
更に詳しくは、直接紡糸延伸法によって得られる高伸度のポリトリメチレンテレフタレート延伸糸であって、高伸度であるにもかかわらず染めの均一性に優れ、高温暴露性に優れ、高速延伸仮撚加工に適したポリトリメチレンテレフタレート延伸糸及びその延伸糸を工業的に安定に製造する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート繊維(以下「PET繊維」と称す)は衣料用途に最も適した合成繊維として世界中で大量に生産されて、一大産業となっている。
ポリトリメチレンテレフタレート繊維(以下「PTT繊維」と称す)は、(A)J.Polymer Science:Polymer Phisics Edition Vol.14 P263ー274(1976)及び、
(B)Chemical Fibers International Vol.45,April(1995)110ー111、
(C)Chemical Fibers International Vol.47,Februry(1997)P72、
(D)WO99/27168号公報、
(E)特許第3073963号公報、
(F)特開2000−178828号公報、
(G)特開2000−239921号公報等の先行技術に知られている。
【0003】
先行技術(A)及び(B)には、PTT繊維の応力ー伸長特性についての基本特性が記載され、PTT繊維が初期モジュラスが小さく且つ弾性回復性に優れており衣料用途やカーペット用途などに適していることが示唆されている。
また、先行技術(C)にはPTT繊維の延伸仮撚加工適した部分配向糸パッケージが提案されている。
一方、先行技術(D)〜(G)には直接紡糸延伸法が、特に(D)には同法で得られるPTT繊維で、適切な破断伸度,熱応力,沸水収縮率を備えたPTT繊維とすることにより編織物に使用した際に低モジュラスでソフトな風合いを発現可能なPTT繊維が提案されている。
このようなPTT繊維は、インナー,アウター,スポーツ,レッグ,裏地,水着等の衣料用に好適であることが開示されている。
そして、該先行技術(E)〜(G)には、直接紡糸延伸法で得られる延伸糸のパッケージフォームに係わる課題とその解決方法や、巻取中に生じる巻締りを回避する方法が開示されている。
【0004】
繊維に嵩高性を付与する仮撚加工には、破断伸度が約60%以上の原糸を使用し、1.1〜2.0倍の延伸を行いつつ仮撚加工する、いわゆる延伸仮撚加工法が好ましい。
この理由の一つは、延伸仮撚加工によって得られる加工糸が、延伸せずに仮撚して得られる加工糸に比較して、捲縮伸長率や加工糸品位が良好であることによる。
他の一つは、仮撚加工速度の高速化に容易に対応可能であることによる。
直接紡糸延伸法で得られ、かかる延伸仮撚に適した提案として、(F)および(G)には破断伸度が60%以上の高伸度延伸糸が開示されている。
【0005】
本発明者らの検討によれば、直接紡糸延伸法で得られる高伸度延伸糸は、上記パッケージフォームや巻締りに関する問題以外に、以下のような問題があることが新たに明らかになった。
a.延伸仮撚加工糸の染め品位
一方、先行技術(H)には、直接紡糸延伸法で得られる破断伸度が65〜73%の延伸糸の例が開示されている。
しかし、本発明者らの検討によれば、単に延伸糸の破断伸度を60%以上にすると、いわゆる特開平9−209228号公報に開示されるようなシックアンドシン調の染め斑が生じることや、パッケージの端面に相当する繊度の周期的変動などに起因する染め異常が生じることが明らかになった。このような延伸糸の染め欠点は仮撚加工によっても解消されない。
また、直接紡糸延伸法によって破断伸度を大きくするには、延伸倍率を下げることが考えられるが、単に延伸倍率を小さくするとゴデットロールでの糸揺れが大きく、糸切れや毛羽の発生などにより工業的水準で安定した生産が困難であることが明らかになった。
【0006】
b.高温暴露
仮撚加工用の原糸は、一般に直ちに後加工に供することは少なく、通常1週間〜1年間保管された後に使用される。また、保管温度も近年のグローバル化に対応して赤道を越えた輸送を経ることもあり、この場合には延伸糸の温度が約50〜60℃にも達することもある。
先行技術(F)に開示される高伸度延伸糸は、高温暴露によって染めの均一性が低下する問題があった。
従って、かかる高温の保管によっても染の均一性が変化しない、高伸度延伸糸が要求される。
従って、先行技術(D)〜(G)には、PTT延伸糸の巻フォームや巻締りを改良する方法についての開示はあるものの、染めの均一性や、高温暴露性についての影響について、その課題の存在及び解決法については全く記載も示唆もされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、破断伸度が高いPTT延伸糸の問題点であった、染め品位の低下や、高温暴露による加工糸染め品位の低下を解消することである。
本発明の目的は、PTTの直接紡糸延伸法によって得られる延伸糸であって、高伸度でありながら染めの均一性や高温暴露性に優れ、高速延伸仮撚加工性に優れ、得られる加工糸染め品位も良好であるPTT延伸糸及びその安定な製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、PTTを直接紡糸延伸法で得られる延伸糸の繊維構造と熱収縮特性を特定することにより、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1の発明は、;ポリトリメチレンテレフタレートの直接紡糸延伸法において、延伸糸を製造するに際し、以下の(a)〜()の要件を満足することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート延伸糸(単に、PTTと言う)の製造方法に関する。
(a)紡糸速度V(km/分)と延伸応力T(cN/dtex)が下記式(1) を満足する条件で延伸した後、
T≦−0.08・V+0.375・・・(1)
但し、V=1.5〜3.5(km/分)
T=0.04〜0.20(cN/dtex)
(b)延伸温度が50〜65℃で、
(c)熱処理ゴデットローラーにより、80〜150℃で熱処理すること。
d)得られたPTT延伸糸の破断伸度が60〜78%である
本発明の第2の発明は;
95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3のPTTからなり、以下に示す(1)〜(5)を満足することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート延伸糸に関する。
(1)結晶配向度が88〜95%であり、
(2)破断伸度が60〜78%であり、
(3)乾熱収縮応力の極値温度が180℃以上かもしくは極値温度を有せず、且つ200℃における応力値が0.01〜0.10cN/dtexであり、
(4)乾熱収縮応力の発現開始温度が60℃以上であり、
(5)繊度変動値U%が1.2%以下で、且つ繊度変動周期の変動係数が0.4%以下であること。
更に、上記延伸糸の破断伸度が75〜78%である点にも特徴を有する。
更に、延伸温度が50〜60℃である点にも特徴を有する。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の発明について説明する。
本発明において、PTT延伸糸を構成するPTTポリマーは、95モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰り返し単位からなり、5モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなることを要する。
即ち、本発明におけるPTT延伸糸はPTTホモポリマー及び5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位を含む共重合PTTである。
共重合成分の代表例は、以下のごときものが挙げられる。
酸性分としては、イソフタール酸や5−ナトリウムスルホイソフタル酸に代表される芳香族ジカルボン酸、アジピン酸やイタコン酸に代表される脂肪族ジカルボン酸等々である。
グリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等々である。
また、ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸もその例である。これらの複数が共重合されていても良い。
更に、本発明のPTT延伸糸には本発明の効果を妨げない範囲で、酸化チタン等の艶消剤、熱安定剤、酸化防止剤、制電剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、種々の顔料等々の添加剤を含有又は共重合として含んでいてもよい。
【0010】
本発明におけるPTT前配向糸の固有粘度は、0.7〜1.3(dl/g)の範囲であることが必要である。
固有粘度が0.7(dl/g)未満では、得られる延伸糸の強度が低く、布帛の機械的強度が低下し強度を要求されるスポーツ用途などへの使用が制約される。固有粘度が1.3(dl/g)を越えると、延伸糸の製造段階で糸切れが生じ、安定した製造が困難となる。
好ましい固有粘度は、0.8〜1.1(dl/g)である。
本発明におけるPTTポリマーの製造方法は、公知のもので良く、その代表例は一定の固有粘度までは溶融重合で重合度を上げ、続いて固相重合で所定の固有粘度に相当する重合度まで上げる2段階法である。
【0011】
本発明のPTT延伸糸は、結晶配向度が88〜95%であることが必要である。結晶配向度は、後述する測定によって得られる結晶部の配向の指標である。結晶配向度が88%未満では、高温での長期間保管で繊維構造が変化し、本発明の目的が達成されない。95%を越えると、高温での保管に対しては安定となるが、仮撚加工糸に染め斑が生じ品位を低下させる。
本発明のPTT延伸糸は、破断伸度が60〜78%であることが必要である。
破断伸度が60%未満では、仮撚加工速度を約500m/分以上更には700m/分以上の高速仮撚に対応できない。破断伸度が78%を越えると、延伸時に糸切れや毛羽が発生し、また高温暴露時に繊維構造が変化し、染めの安定性が損なわれる。好ましい破断伸度は、75〜78%である。
【0012】
本発明のPTT延伸糸は、熱収縮極値温度が180℃以上かもしくは極値温度を有せず、且つ200℃における応力値が0.01〜0.10cN/dtexであることが必要である。
熱収縮極値温度が180℃以上かもしくは極値温度を有しないことと、同時に200℃における応力値が0.01〜0.10cN/dtexであることは、高速で延伸仮撚する際の仮撚加工安定性を保証するための必要要件である。
PTTの延伸仮撚温度は、通常160〜200℃が採用される。
熱収縮極値温度が180℃未満や200℃での応力値が0.01未満では、加工糸が仮撚ヒーターを走行する際にヒーター上で周期的な糸揺れ(サージング現象)が生じ、安定した仮撚加工が困難となる。
【0013】
図1に、本発明のPTT延伸糸の熱収縮応力曲線の一例を示す。
図からも判るように、本発明のPTT延伸糸の熱収縮曲線は従来の延伸糸には見られない特徴を有する。
仮撚加工の安定性から、200℃における応力値は高い方が好ましいが、0.10cN/dtex以上とするには延伸糸の破断伸度を60%未満とする必要があり、本発明の目的が達成されない。
本発明のPTT延伸糸は、乾熱収縮応力測定において、応力発現開始温度が60℃以上であることが必要である。
応力発現開始温度は、分子鎖のミクロブラウン運動が開始する温度とも言える。従って、PTT延伸糸の乾熱収縮応力測定における応力発現開始温度は、長期間安定に保つための条件である。
応力発現開始温度が60℃未満では、長期間の保管や高温を経る輸送時に糸物性や染めが変化する。
応力発現開始温度は、約65℃以上であることが更に好ましい。
【0014】
従来の仮撚加工においては、単に紡糸速度をある程度高速にして配向度を高めた、いわゆる前配向糸が用いられていた。
しかし、この前配向糸は熱収縮応力の発現開始温度が約50℃未満で、しかも熱収縮極値温度温度が、100℃未満であった。このために、延伸仮撚の高速化のためにヒーター温度を約160℃以上に高温化しようとすると、ヒーター上で糸切れなどが頻発し、安定した高速延伸仮撚加工が困難であった。
本発明では、パッケージからPTT延伸糸を解じょして測定される繊度変動値U%が1.2%以下で、且つ繊度変動周期の変動係数が0.4%以下であることが必要である。
繊度変動値U%は、公知の繊度変動測定で得られる測定値である。本発明では、この繊度変動値U%が1.2%以下でなければならない。1.2%を越えると、仮撚加工糸の染め品位が低下する。具体的には、1.2%以下であれば、仮撚加工糸を編物などに使用しても工業的に使用可能な品位が得られるが、1.2%を越えると品位が不良となりこの分野での使用が不可能となる。
繊度変動値U%は、小さいほど布帛の品位が良好となる。好ましい繊度変動値U%は1.0%以下、更に好ましくは0.9%以下である。
【0015】
本発明では、この繊度変動値U%が1.2%以下であるとともに、繊度変動周期解析による繊度変動周期の変動係数が0.4%以下であることが必要である。
繊度変動値U%が1.2%以下であっても、繊度変動周期の変動係数が0.4%以上であると、仮撚加工糸を編織物に使用した際に延伸糸パッケージの耳部に起因する染め異常が発生し、良好な品位の布帛が得られない。具体的には、仮撚加工糸を織物の経糸や緯糸のように組織が密に製織される場合に、この問題が顕在化する。
変動係数(Coefficient of Variation)は、後述するように繊度変動測定に付属して設置される繊度変動の周期解析により測定することによって求められる。
この繊度変動周期解析において、延伸糸パッケージの一方の耳部から他方の耳部までの糸長に対応する周期長に着目する。
この糸長は、延伸糸パッケージを形成する際のトラバース幅によって異なるが、通常は約0.5〜10mである。耳部の繊度変動に起因するシグナルは、この周期長において変動係数に特異なピークとして認識される。
変動係数が0.4%を越えると、耳部に起因する繊度変動が布帛の品位欠点として顕在化する。
変動係数は小さいほど好ましいが、0.2%以下であれば布帛の品位は極めて良好となる。
【0016】
本発明に用いるPTT延伸糸の繊度や単糸繊度は、特に限定されないが、繊度は20〜300dtex、単糸繊度は0.5〜20dtexが使用される。
また、PTT延伸糸の単糸断面形状は、丸,Y,W字状の異型断面や、中空断面形状など特に限定されない。
制電性を付与する目的で、仕上げ剤を0.2〜2重量%付与していることが好ましい。
更に、解じょ性や仮撚加工時の集束性を一層向上させる目的で、50ヶ/m以下の単糸交絡を付与していても良い。
【0017】
本発明の第2の発明である、PTT延伸糸の製造方法について説明する。
本発明の製造法には、公知の直接紡糸延伸設備が用いられる。
本発明において、PTT延伸糸の製造方法を図2を用いて詳述する。
図2において、ポリマーチップ乾燥機1で30ppm以下の水分率に乾燥されたPTTペレットを255〜265℃の温度に設定された押出機2に供給し溶融する。溶融PTTは、その後ベンド3を経て250〜265℃に設定されたスピンヘッド4に送液され、ギヤポンプで計量される。その後、スピンパック5に装着された複数の孔を有する紡糸口金6を経て、マルチフィラメント7として紡糸チャンバー内に押出される。
押出機2及びスピンヘッド4の温度は、PTTペレットの固有粘度や形状によって上記範囲から最適なものを選ぶ。
紡糸チャンバー内に押出されたPTTマルチフィラメントは、冷却風8によって室温まで冷却固化され、仕上剤を付与した後、所定の速度で回転する引取ゴデットロール兼延伸ロール10によって引取られ、一旦巻取ることなく、次いで延伸ロール(本図では、最終ゴデットロール)11との間で連続的延伸した後、巻取機によって所定の繊度の延伸糸パッケージ12として巻取られる。
固化したマルチフィラメント7には、引取ゴデットロール10に接する前に、仕上げ剤付与装置9によって仕上げ剤が付与される。付与する仕上げ剤は、水系エマルジョンタイプが使用される。
仕上剤の水系エマルジョンの濃度は、10重量%以上、好ましくは15〜30重量%が採用される。
ゴデットロールの数は2対以上が用いられる。例えば図2において、引取ゴデットロールの前に1対のプレテンションロールを設けても良い。
【0018】
本発明の製造方法において、紡糸速度と延伸応力を下記式(1) の範囲とすることが必要である。
(a) 紡糸速度V(km/分)と延伸応力T(cN/dtex)が下記式(1)を満足する条件で延伸した後、以下 (b)、(c) で示す条件で延伸、熱処理する必要がある。
T≦ −0.08・V + 0.375 ・・・(1)
但し、V=1.5〜3.5(km/分)
T=0.04〜0.20(cN/dtex)
本発明の製造方法においては、紡糸速度と延伸応力の関係を上記範囲に特定することにより、60%以上の高い破断伸度を有するにもかかわらず、染めの均一性が良好な延伸糸を得ることが初めて可能となった。
【0019】
図3に、式(1)で示す紡糸速度と延伸応力の範囲を示す。
図3の線A−B−C−D−E−Aで囲まれる斜線部が本発明の範囲である。
延伸応力は図2に例示される2対のゴデットロール10、11間で、両者のゴデットロールの周速度比および引取ゴデットロール10の温度を調整することにより設定することができる。
延伸応力が0.04cN/dtex未満では、延伸時にゴデットロール上での糸揺れが大きく、糸切れや毛羽が発生する。延伸応力が0.20cN/dtexを越えると、PTT延伸糸の破断伸度が60%未満となり、本発明の目的が達成できない。
好ましい延伸応力は、0.05〜0.15cN/dtexである。
紡糸速度は、1.5km/分〜3.5km/分であることが必要である。
紡糸速度は、引取ゴデットロールの速度で設定される。
紡糸速度が1.5km/分未満では、いかに延伸応力を調整しても、延伸糸にThick & Thin調の染め斑が生じ、本発明の目的が達成されない。紡糸速度が3.5km/分では、延伸糸の伸度が60%未満となり、本発明の目的が達成されない。
好ましい紡糸速度は、1.8〜3.0km/分である。
【0020】
(b)本発明の製造方法において、延伸温度が50〜65℃であることが必要である。
延伸温度は、引取ゴデットロールの温度で設定される。
延伸温度が50℃未満では、延伸糸の繊度変動値U%が1.2%を越えるか、もしくは繊度の周期的変動が発生し、糸長方向に不規則な濃染斑が生じ、染め品位が低下する。65℃を越えると、延伸応力が著しく低下し、安定した延伸が継続できなくなる。
好ましい延伸温度は、50〜60℃である。
【0021】
(c) 本発明の製造方法においては、熱処理温度が80〜150℃であることが必要である。
延伸後の糸熱処理は、最終ゴデットロールで必要な熱処理を施される。
熱処理温度が80℃未満では、乾熱収縮応力の極値温度が180℃未満となり、本発明の目的が達成できない。熱処理温度が150℃を越えると、最終ゴデットロール上での糸揺れが大きく、延伸時の糸切れや毛羽が生じ安定した延伸が困難となる。
好ましい熱処理温度は、90〜120℃である。
【0022】
本発明により得られるPTT延伸糸を延伸仮撚加工して得られる布帛は、染めスジやヒケなどの欠点のない良好な品位と、ソフトな風合いを呈する編織物が得られる。
編織物には、全て本発明で得られる延伸仮撚加工糸を使用してもよく、または他の繊維と混合して一部に使用てもよい。
混繊複合する他の繊維としては、ポリエステル、セルロース、ナイロン6、ナイロン66、アセテート、アクリル、ポリウレタン弾性繊維、ウール、絹等の長繊維及び短繊維などがあげられるが、ころらに限定されるものではない。
または、仮撚加工糸と他の繊維とを混繊複合した編織物とするには、混繊複合糸は、他の繊維をインターレース混繊、インターレース混繊後延伸仮撚、どちらか一方のみ仮撚しその後インターレース混繊、両方別々に仮撚後インターレース混繊、どちらか一方をタスラン加工後インターレース混繊、インターレース混繊後タスラン加工、タスラン混繊、等の種々の混繊方法によって製造することができる。かかる方法によって得た混繊複合糸には、交絡が10個/m以上、好ましくは15〜50個/m付与することが好ましい。
【0023】
本発明のPTT延伸糸は、延伸仮撚加工を施すことなく、そのまま編織物に供することも可能である。
この場合にも本発明のPTT延伸を単独で使用してもよく、また他の繊維と混繊複合して使用してもよい。
延伸仮撚加工を施すことなく、編織物に用いる利点は、優れた易染性が得られることである。
【0024】
【発明の実施形態】
以下に実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、言うまでもなく本発明は実施例により限定されるものではない。
なお、実施例において行った物性の測定方法及び測定条件を説明する。
(1) 極限粘度
極限粘度[η]は、次式の定義に基づいて求められる値である。
[η]=Lim(ηrー1)/C
C→0
定義中のηrは純度98%以上の0−クロロフェノール溶媒で溶解したPTTポリマーの稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cはg/100mlで現されるポリマー濃度である。
【0025】
(2) 結晶配向度
X線回折装置を用い、試料の厚みを約0.5mmとして以下の条件で回折角2θが7度から35度までの回折強度曲線を描いた。
測定条件は、30KV、80A、スキャンニング速度1度/分、チャート速度10mm/分、タイムコンスタント1秒、レシービングスリット0.3mmとした。2θ=16度及び22度に描かれる反射を各々(010)、(110)とする。更に、(010)面を−180度〜+180度方位角方向に回折強度曲線を描く。
±180度で得られる回折強度曲線の平均値をとり、水平線を引きベースラインとする。ピークの頂点からベースラインに垂線を下ろし、その高さの中点を求める。中点を通る水平線を引き、これと回折強度曲線との2つの交点間の距離を測定し、この値を角度に換算した値を配向角Hとする。
結晶配向度は、次式(2)で与えられる。
結晶配向度(%)=(180−H)×100/180 ・・・(2)
【0026】
(3) 破断強度,破断伸度
JIS−L−1013に基づいて測定した。
(4) 乾熱収縮応力値
熱応力測定装置(例えば、カネボウエンジニアリング社製 商品名KE−2)を用いて測定する。延伸糸を20cmの長さに切り取り、これの両端を結んで輪を作り測定器に装填する。初荷重0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分の条件で測定し、熱収縮応力の温度変化をチャートに書かせる。
測定されたチャートで、熱収縮応力が発現開始する温度を応力発現開始温度とする。熱収縮応力は高温域で山型の曲線を描くが、このピーク値を発現する温度を極値温度、またこの応力を極値応力とする。
【0027】
(5) 繊度変動
以下の方法で繊度変動値チャート(グラフ;Diagram Mass)を求めると同時にU%を測定する。
測定器 イブネステスター(ツエルベガーウースター社製 ウースターテスター UT−3)
測定条件
糸速度 100m/分
デイスクテンション強さ(Tension force)12.5%
テンション設定(Tension) 1.0
入力圧力(Entry Pressure) 2.5 hp
撚り(Twist) Z1.5
測定糸長 250m/分
スケール 糸の繊度変動に応じて設定
繊度変動値U%
変動チャート及び表示される変動値を直読した。
繊度変動係数
測定器付属の繊度変動周期解析ソフトを利用して、周期解析図、即ち繊度変動の分散CVの周期性図を得て、山状突出シグナルの高さ、即ち変動係数を測定した。
【0028】
(6) 紡糸・延伸安定性
1錘当たり8エンドの紡口を装着した溶融紡糸―連続延伸機を用いて、各実施例ごとに2日間の溶融紡糸―連続延伸を行った。
この期間中の糸切れの発生回数と、得られた延伸糸パッケージに存在する毛羽の発生頻度(毛羽発生パッケージの数の比率)から、以下のように判定した。
◎ ; 糸切れ0回、毛羽発生パッケージ比率 5%以下
○ ; 糸切れ2回以内、毛羽発生パッケージ比率 10%未満
× ; 糸切れ3回以上、毛羽発生パッケージ比率 10%以上
【0029】
(7) 仮撚加工性
下記条件で仮撚加工を行なった。
Figure 0004036617
加工安定性の判断は、以下のように行った。
◎ ;仮撚糸切れ本数 10回/日・台未満
○ ;仮撚糸切れ本数 20〜10回/日・台
× ;仮撚糸切れ本数 20回/日・台を越える
【0030】
(8) 加工糸染め品位
仮撚加工糸を一口編みした後、精練・染色して品位を判定した。
◎ ;染め斑などの欠点なく、極めて良好
○ ;染め斑などの欠点なく、良好
× ;染め斑があり、不良
(9) 総合評価
◎ ;紡糸安定性、仮撚加工安定性、加工糸品位共に極めて良好
○ ;紡糸安定性、仮撚加工安定性、布帛品位共に良好
× ;紡糸安定性、仮撚安定性、布帛品位のいずれかが不良
【0031】
【実施例】
(実施例1〜4、比較例1〜3)
本実施例では、紡糸速度と延伸応力の効果について説明する。
酸化チタンを0.4重量%含む固有粘度0.91のPTTペレットを図2のような紡糸機及び延伸機と巻取機が一体となった直接紡糸延伸設備を用いて、紡糸ー連続延伸を行った。
巻取に際して、紡糸速度は引取ゴデットロール(図2では、10)の速度で設定し、延伸応力は最終ゴデットロール(図2では、11)との速度比を異ならせた。
紡糸速度と延伸応力を表1に示すように異ならせて、延伸後84dtex/36フィラメントPTT延伸糸を製造した。
本実施例及び比較実施例における紡糸条件は、以下のごとくである。
【0032】
Figure 0004036617
【0033】
(非接触温度計により測定)
(延伸糸パッケージ)
繊度/フィラメント 83.2dtex/36f
水分含有率 0.6重量%
巻幅 85 mm
巻径 320mmΦ
巻重量 5.2kg/1ボビン
表1からも明らかなように、本発明の紡糸速度と延伸応力で製造されたPTT延伸糸は、破断伸度60%以上でありながら、良好な紡糸―延伸安定性と、高速延伸仮撚加工性および加工糸品位を有していた。
【0034】
【表1】
Figure 0004036617
【0035】
(実施例5〜8、比較例4〜5)
本実施例では、延伸温度の効果について説明する。
引取ゴデットロールの温度により延伸温度を表2のごとく異ならせた以外は、実施例2と同一条件で延伸を行い、PTT延伸糸を得た。
表2から明らかなように、延伸温度が本発明の範囲であれば、繊度変動が小さく、染め品位の良好なPTT延伸糸および、それからの仮撚加工糸が得られた。
【0036】
【表2】
Figure 0004036617
【0037】
(実施例9〜12、比較例6〜7)
本実施例では、熱処理温度の効果について説明する。
実施例2と同様な溶融紡糸―延伸を行い、延伸糸パッケージを得るにあたり最終ゴデットロール温度を表3のように異ならせて巻取を行った。
表3から明らかなように、熱処理温度が本発明の範囲であれば、結晶配向度が好適な範囲となり、高速延伸仮撚加工性と染めの良
好な延伸糸であった。
【0038】
【表3】
Figure 0004036617
【0039】
(実施例13〜15)
本実施例では、保管温度の効果について説明する。
実施例2の延伸糸を、表4に示す保管温度に各々10日間静置し保管した。
各温度に保管した延伸の物性および延伸仮撚加工性を表4に示す。
表4からも明らかなように、本発明のPTT延伸糸は、高温の保管にもかかわらず良好な仮撚加工性および品位を有していた。
一方、比較例6のPTT延伸糸を40℃以上に保管したものは、バッケージ形状が樽状に変形し、延伸仮撚加工に供することができなかった。
【0040】
【表4】
Figure 0004036617
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリトリメチレンテレフタレートの直接紡糸延伸法によって得られる延伸糸であって、高伸度でありながら染めの均一性に優れ、且つ高温暴露性に優れ、得られる加工糸染め品位も良好であるポリトリメチレンテレフタレート延伸糸及びその安定な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPTT延伸糸の熱収縮応力曲線を示す概略図である。
【図2】本発明のPTT延伸糸の製造に用いる直接紡糸延伸設備の概略図を示す。
【図3】紡糸速度と延伸応力の関係を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ポリマーチップ乾燥機
2 押出機
3 ベンド
4 スピンヘッド
5 スピンパック
6 紡糸口金
7 マルチフィラメント
8 冷却風
9 仕上剤付与装置
10 引取ゴデットロール
11 最終ゴデットロール
12 延伸糸パッケージ
13 コンタクトロール
14 ボビン軸

Claims (4)

  1. 95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成されるポリトリメチレンテレフタレートの直接紡糸延伸法において、延伸糸を製造するに際し、以下の(a)〜(d)の要件を満足することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート(単に、PTTと言う)延伸糸の製造方法。
    (a)紡糸速度V(km/分)と延伸応力T(cN/dtex)が下記式(1) を満足する条件で延伸した後、
    T≦ −0.08・V + 0.375 ・・・(1)
    但し、V=1.5〜3.5(km/分)
    T=0.04〜0.20(cN/dtex)
    (b)延伸温度が50〜65℃で、
    (c)熱処理ゴデットローラーにより、80〜150℃で熱処理すること。
    (d)得られたPTT延伸糸の破断伸度が60〜78%である
  2. 延伸温度が50〜60℃であることを特徴とする請求項1のポリトリメチレンテレフタレート延伸糸の製造方法。
  3. 95モル%以上のトリメチレンテレフタレート繰り返し単位と5モル%以下のその他のエステル繰り返し単位から構成され、極限粘度が0.7〜1.3(dl/g)のポリトリメチレンテレフタレートからなり、以下に示す(1)〜(5)を満足することを特徴とする、請求項1又は2記載の製造方法により得られるポリトリメチレンテレフタレート延伸糸。
    (1)結晶配向度が88〜95%であり、
    (2)破断伸度が60〜78%であり、
    (3)乾熱収縮応力の極値温度が180℃以上かもしくは極値温度を有せず、且つ200℃における応力値が0.01〜0.10cN/dtexであり、
    (4)乾熱収縮応力の発現開始温度が60℃以上であり、
    (5)繊度変動値U%が1.2%以下で、且つ繊度変動周期の変動係数が0.4%以下であること。
  4. 延伸糸の破断伸度が75〜78%であることを特徴とする請求項3のポリトリメチレンテレフタレート延伸糸。
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