JPH09209A - 食肉及び魚介類の軟化処理剤乃至食味改善剤 - Google Patents

食肉及び魚介類の軟化処理剤乃至食味改善剤

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JPH09209A
JPH09209A JP7150068A JP15006895A JPH09209A JP H09209 A JPH09209 A JP H09209A JP 7150068 A JP7150068 A JP 7150068A JP 15006895 A JP15006895 A JP 15006895A JP H09209 A JPH09209 A JP H09209A
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meat
weight
treatment
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extract
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Kiyoshi Kumabe
潔 熊部
Hiroyuki Yanaka
博之 谷中
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KITEII KK
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KITEII KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食肉及び魚介類の軟化処理剤乃至食味改善剤
を提供する。 【構成】 炭酸ナトリウムと、デキストリンと、有機酸
と、食塩と、卵白エキスと、白子蛋白エキスとを含有す
る粉末状混合物である。 【効果】 本発明による剤は水溶液の形で使用され、こ
の溶液を処理すべき食肉や魚介類の肉組織内部に浸透さ
せると、該食肉や魚介類が加熱調理される場合に炭酸塩
と有機酸とが反応して炭酸ガスが発生し、該ガスの膨張
圧力により肉の組織構造を変化させると共に、殊に卵白
エキス及び白子蛋白エキスに含まれる成分が相乗効果を
発揮して肉質を柔らかなものとなし、旨味や歯切れ等の
食味を向上させる。更に、これらの効果は、調理品が冷
たくなっても持続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食肉及び魚介類の軟化処
理剤乃至食味改善剤に係る。本発明による剤は水溶液の
形で使用され、食肉や魚介類の処理に供せられ、この場
合に食肉や魚介類の組織内部に水溶液が浸透し、加熱調
理時に肉質の軟化や食味を改善、即ち無処理であるとパ
サパサ感を呈するものがジューシー感を有するものとな
り、又歯切れ等が良好となるので、食肉や魚介類の加工
に利用される。
【0002】
【従来の技術】本発明による剤は、基本的には炭酸ナト
リウムと有機酸とを共存させ、水溶液の形で食肉や魚介
類の内部に浸透させ、加熱調理時に内部で炭酸ガス発生
させて該ガスの圧力により肉組織を膨張させて当該組織
構造に変化を与えることにより軟化をもたらすものであ
り、このような原理を利用する従来の処理剤としては、
(a) 重炭酸ナトリウムを主成分とするもの (市販品 A)
及び(b) 炭酸ナトリウムと有機酸とを主成分とし、分散
性向上のためにデキストリンを配合したもの (市販品
B)が知られており、又炭酸ガスによる膨張を利用するも
のではないが、呈味改善剤を主剤とする水溶液を組織内
部に浸透させ、水分蒸発により軟化をもたらそうとする
処理剤としては(c) 砂糖、食塩等の調味料にアミノ酸、
ソルビトール、脱脂粉乳、卵白末等の呈味改善剤を配合
し、浸透性を向上させるために、自体周知の燐酸ナトリ
ウムを配合したもの (市販品 C)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題乃至発明の目的】本発明
者等は市販されている上記の処理剤について検討を行な
った処、重炭酸ナトリウムを主成分とする処理剤は、水
溶液になした場合に、肉組織内部への浸透性が左程良好
ではなく、軟化能力も低く、加熱調理後における食味の
向上に及ぼす効果は殆どないことが判明し、炭酸ナトリ
ウムと有機酸とを主成分とし且つ分散性向上のためにデ
キストリンを配合した処理剤は浸透性が向上し、軟化能
力が幾分高くなるが、食味の改善に及ぼす効果は比較的
低いことが判明し、又アミノ酸やソルビトール等の呈味
改善剤を配合し且つ浸透性を向上させるために燐酸ナト
リウムを配合した処理剤は浸透性が更に高くなるが、食
味の改善に及ぼす効果は低いことが判明した。
【0004】そこで、本発明者等は市販の上記処理剤が
余り有効ではない理由について検討を重ねた結果、これ
ら処理剤の水溶液は肉組織内部に浸透するも、保液性が
低く、処理品の加熱調理時に殆どが早期に流出してしま
うために軟化能力が充分に発揮されず且つ食味改善剤を
配合しても効果が充分に発揮されないものと推定される
に至った。
【0005】斯くて、本発明の目的は、水溶液の形で使
用され、肉組織内部への浸透力高く、保液性において優
れていて処理品の加熱調理時にも早期に流出せず、従っ
て肉質の軟化能力が高く、しかも食味の改善効果をも有
する、食肉の軟化処理剤乃至食味改善剤を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決し目的を達成する手段】本発明によれば、
上記の課題は、炭酸ナトリウムと、デキストリンと、ク
エン酸ナトリウムと、クエン酸と、カゼインナトリウム
と、食塩と、リンゴ酸と、卵白エキスと、白子蛋白エキ
スとの粉末混合物であることを特徴とする、食肉又は魚
介類の軟化処理剤乃至食味改善剤により解決されると共
に、既述の目的が達成される。
【0007】本発明による剤を構成する成分の内で炭酸
ナトリウム、デキストリン、クエン酸ナトリウム、クエ
ン酸、カゼインナトリウム、食塩及びリンゴ酸は、個々
的には、従来の処理剤においても配合が検討されてきた
成分である。又、市販されている処理剤の内には、既述
のように卵白末を配合したものも存在している。本発明
による剤の本質的な特徴は、卵白エキスと白子蛋白エキ
スとを併用することにある。即ち、本発明による剤を水
溶液となし、該水溶液に肉組織を浸漬し、更に揉む、攪
拌する等の刺激を与えた場合に、卵白エキスは肉組織内
部への処理液の浸透力の向上に寄与し、白子蛋白エキス
は処理品の調理時における保液力を向上させ、その結果
処理液による肉の軟化能力を高め且つ食味の改善に寄与
するのである。尚、水溶液中に肉組織を浸漬するのみで
は処理所要時間が長くなるので好ましくなく、又上記の
刺激に関して、理由は解明されていないが、一定時間刺
激を与え、次いで若干の休止時間をおいた後に再び刺激
を与えるのが効果的である。
【0008】本発明による剤に配合される卵白エキスの
量は 2 - 10 重量% 程度が適当である。何故ならば、2
重量% 以下では、水溶液となした場合に肉組織内部への
浸透力の向上に与える効果が低く、又 10 重量% 以上に
設定するとコスト高となり且つ浸透力はそれ程上昇しな
いからである。一方、白子蛋白エキスとしては魚類由来
のものであれば何れでも使用可能であるが、鮭由来のも
のが好ましく、その配合量は 5 重量% 程度又はそれ以
上である。何故ならば、5 重量% 程度以下であると処理
品の加熱時における保液性が低下して食味改善効果が低
いからである。尚、白子蛋白エキスの配合量に上限はな
いが、コストの面から約 20 重量% 程度となる。
【0009】次に、製造例及び試験例により本発明を更
に詳細に且つ具体的に説明する。製造例 下記の諸成分を配合して、食肉及び魚介類の軟化処理剤
乃至食味改善剤を調製した。 成 分 配 合 比 率 (重量 %) カゼインナトリウム 5.0 食塩 (焼き塩) 10.0 炭酸ナトリウム 30.0 クエン酸 10.0 クエン酸ナトリウム 15.0 DL-リンゴ酸 5.0 デキストリン 17.5 卵白エキス 2.5 鮭白子蛋白エキス 5.0 100.0
【0010】試験例 1 製造例により得られた製品を分析した結果を規格値と共
に示せば下記の通りである。
【表1】
【0011】試験例 2 (輸入牛肉の軟化処理及び呈味試
験) 輸入牛肉のモモを適当な大きさにカットし、総重量を測
定をした処、242.5gであった。一方、製造例による剤を
水道水に溶解させて、その 6 重量% 水溶液を調製して
処理液とする。上記のカットした肉塊をポリエチレン袋
に入れ、肉重量とほぼ同重量 (240g)の処理液を導入
し、空気を抜いた上で袋の口を縛る。これを、水を張
り、氷片を入れて水温を 5℃ 程度まで低下させた洗濯
槽に入れ、20 分攪拌 - 10 分休止 -10 分攪拌 の要領
で処理する (室温下の手揉みでも差し支えないが、水温
を低温にするのは肉の変質を極力防止するため)。次い
で、袋を引き上げ開封し、肉塊を充分に水切りし、重量
測定を行なった処、311.3g であり、74.1g の処理液が
肉組織内部に浸透したことが判明した。この処理済み肉
又は無処理の対照肉 (総重量 : 242.5g) 及び調味基材
を用いて常法により調理して角煮を調製した。この角煮
の重量は処理済み肉を用いた場合が 251.2g (増加量 :
14.0g、増加率 : 5.9%) であるのに対して、未処理の対
照肉を使用した場合は 175.0g (減少量 : 67.5g、減少
率 : 27.8%) であった。これらの調理品の色調は、処理
済み肉を用いた被験品が赤褐色を呈していて良好と認め
られたのに対して対照品は黒ずんでいた。更に、官能試
験をパネラーにより実施した処、被験品は肉質が柔らか
く且つ美味であると判断され、一方対照品は硬く且つ不
味い旨判断された。
【0012】試験例 3 (鶏肉の軟化処理及び食味試験) 鶏の胸肉を一口大にカットしたもの 508g を試験例 2
と同様に肉重量とほぼ同重量 (500g) ・同濃度の処理液
を用いて処理した後に肉を計量した処、641.4gであり、
133.4g の処理液が肉組織内部に浸透したことが判明し
た。この処理済み肉又は無処理の対照肉 (重量 : 136.2
g) を用いて常法により調理して唐揚げを調製した。得
られた唐揚げの重量は被験品が 652.7g (増加量 :144.7
g、増加率 : 28.5%) であり、対照品は 113.4g (減少量
: 22.8g、減少率: 16.7%) であった。これらの調理品
をパネラーによる官能試験に供した処、被験品は大変柔
らかくてジューシーと判断され、一方対照品は硬くて不
味いと判断された。尚、被験品に該当する調理品の幾つ
かを切断して内部組織構造を観察した処、多数の微細な
空洞がほぼ均斉に存在していたが、無処理の対照品は空
洞を均斉に有する断面組織構造を呈していなかった。更
に、被験品及び対照品に該当する調理品の一部を放置
し、冷たくなった後にも、試食した処、被験品は肉質が
柔らかい状態を保っていたのに対して、対照品は硬化し
ており、揚げ直しても軟質化しなかった。
【0013】試験例 4 (イカの軟化処理及び食味試験) スルメイカを胴部と足部とに分離して臓物等を除去し、
胴部についてはリング状にカットし、足部については 1
本 1 本に切り離した。水洗して水切りした後のサンプ
ルの総重量は胴部が 236.5g であり、足部が 80.4g で
あった。これらを試験例 2 と同様に肉重量とほぼ同重
量・同濃度の処理液を用いて処理した後に計量した処、
胴部が 248.6g であり、足部が 81.2g であり、それぞ
れ 12.1g 及び 0.8g の処理液が肉組織内部に浸透した
ことが判明した。これらの処理済み胴部又は足部或いは
無処理の胴部 (重量 : 236.1g) 又は足部 (重量 : 54.0
g) を用い、調味し且つフライ用衣をつけた処、総重量
は処理済み胴部が 335.6g、処理済み足部が 112.5g、無
処理胴部が 335.0g、無処理足部が 112.5g となった。
これらを常法によりサラダ油にて揚げた処、被験品の内
で胴部の総重量は311.0g (増加量 : 74.5g、増加率 : 3
1.5%)、足部は 93.1g (増加量 : 12.7g、増加率 : 15.8
%) となり、一方対照品の内で胴部は 52.5g (増加量 :
53.2g、増加率 : 22.5%)、足部は 52.2g (減少量 : 1.8
g、減少率 : 3.3%) となった。これらの調理品の色調を
観察し、又パネラーによる官能試験に供した結果は下記
の通りであった。 被験品 胴部 : 褐色・良好、肉質が柔らかく美味、 足部 : 褐色・良好、肉質の硬さは普通であるが美味、 対照品 胴部 : 白っぽい、肉質の硬さ及び味覚共に普通、 足部 : 白っぽい、肉質は硬いが美味。
【0014】試験例 5 (ホタテ貝のヒモ処理) 干物にすると噛み切ることが一般に困難とされるホタテ
貝のヒモの部分を集めて水洗し、これに製造例により得
られた剤の 6 重量% 溶液を同重量添加し、試験例 2 と
同様に処理した。但し、処理時間は若干長めに、即ち 3
0 分攪拌 - 10分休止 - 30 分攪拌 に設定した。このホ
タテ 貝のヒモに関しては室温下、手揉みであっても何
等差し支えはない。次いで、充分に水を切って被験品と
する。この被験品の重量は無処理のものと殆ど変わらな
かった。この処理品又は無処理の対照品を使用し、水及
び調味料を添加し加熱処理し、次いで熱風乾燥させて味
付け干物を得た。これらの干物の外観・色調に明確な相
違は認められなかったが、パネラーによる官能試験に供
した処、被験煮物は、対照煮物よりも、歯切れ及び食味
において明らかに良好であることが判明した。
【0015】試験例 6 (エビの処理) 冷凍ムキエビを解凍し、これに製造例により得られた剤
の 5 重量% 溶液をほぼ同重量添加し、試験例 2 と同様
に処理する。尚、6 重量% 溶液であれば、処理時間を短
めに設定しても差し支えはない。この処理品又は無処理
の対照品並びに適宜カットした各種の野菜を使用し、常
法により野菜炒めを調理した。これらの調理品におい
て、処理品を用いて得られた炒め物に混在しているエビ
は丸い状態となっている点を除いて調理前と全く変わら
ない大きさを有しており、試食した処、肉質が柔らかで
あるが、対照品を用いて得られた炒め物中のエビは脱水
状態となって寸法が著しく小さくなっており、肉質も硬
くなっていた。
【0016】次に、製造例による処理剤と市販の処理剤
とを用いた比較試験について説明する。尚、比較用の市
販処理剤としては、(a) 重炭酸ナトリウムを主成分とす
るもの (市販品 A)、(b) 炭酸ナトリウムと有機酸とを
主成分とし、分散性向上のためにデキストリンを配合し
たもの (市販品 B) 及び(c) 砂糖、食塩等の調味料に、
アミノ酸、ソルビトール、脱脂粉乳、卵白末等の呈味改
善剤を配合し、浸透性を向上させるために、自体周知の
燐酸ナトリウムを配合したもの (市販品 C)が用いられ
た。
【0017】比較試験例 1 (肉組織内部への処理液の浸
透力試験) 20g 前後の鶏の胸肉塊 10 個を 1 群とし、各処理剤の
5 重量% 水溶液 200gと共に 1 リットル容のポリエチレ
ン製袋内に入れて 20 分間手揉みを行なった。次いで、
内容物をザルにあけて処理液を水切りし、残留した肉塊
の重量を測定した。結果は下記の表 2 に示される通り
であり、何れの処理剤を用いても重量増加が認められ、
処理液は肉組織内部に浸透することが判明した。
【0018】
【表2】
【0019】比較試験例 2 (肉の軟化力) 輸入牛肉であり筋の多い部位 20g 前後の塊 10 個を 1
群とし、各処理剤の 5重量% 水溶液 200g と共に 1 リ
ットル容のポリエチレン製袋に入れ、20 分間手揉みを
行い、次いで 10 分間放置した後に、更に 20 分間手揉
みを続けた。その後、水切りし、調味し、フライパンで
焼き、7 名のパネラーによる官能試験を実施し、下記の
5 段階評価法により判定した。 食 感 スコア 噛み切れない程であり、ゴムのようである : 1 硬く感じる : 3 普通 : 5 柔らかく感じる : 8 大変柔らかく、歯切れも良好 : 10 結果は下記の表 3 に示されている通りであり、市販の
処理剤は肉の軟化力が低く、殊に市販品 A は無処理の
対照区と比較して殆ど差が認められなかった。
【0020】
【表3】
【0021】比較試験例 3 (肉の旨味評価試験) 20g 前後の豚ヒレ肉塊 10 個を 1 群とし、各処理剤の
5 重量% 水溶液 200gと共に 1 リットル容のポリエチレ
ン製袋内に入れて 20 分間手揉みを行なった。次いで、
内容物をザルにあけて処理液を水切りし、キッチン・ペ
ーパーにて表面水分を拭き取った後に、ミンチ処理し
た。これに 100g の水道水を添加し、ミキサーを用いて
3 - 4 分磨砕した後に濾過し、濾液上清中の遊離アミ
ノ酸及び遊離核酸を定量して旨味評価の指標とした。
尚、アミノ酸の定量はガス分析法であるバンスライク法
(Van Slyke method)により行ない、又核酸の定量は分
画定量法であるシュナイダー法 (Schneider'smethod)
により行なった。結果は下記の表 4 に示されている通
りであり、本発明の製造例による処理剤を用いた場合に
は、他の処理剤を用いた場合と比較して、遊離アミノ酸
及び遊離核酸の量が著しく多かった。処理により、肉塊
中の水分量が処理前の初期状態よりも増加しているにも
拘らずにアミノ酸及び核酸の量が多い理由は、卵白エキ
ス及び白子蛋白エキス中の酵素により不溶性のものが可
溶化したか、細胞内オルガネラ中の可溶性アミノ酸及び
核酸が細胞外に出たためとも考えられる。
【0022】
【表4】
【0023】比較試験例 4 (加熱調理時における保液
力) 加熱処理により最も水分を放出し易い鶏肉塊を試験に供
した。即ち、比較試験例 1 と全く同様に、20g 前後の
鶏の胸肉塊 10 個を 1 群とし、各処理剤の 5 重量% 水
溶液 200g と共に 1 リットル容のポリエチレン製袋内
に入れて 20 分間手揉みを行ない、次いで内容物をザル
にあけて処理液を水切りし、残留した肉塊の重量を測定
した。各群の処理済み肉塊を 180℃ に調温されたサラ
ダ油中に投入し、4 分間唐揚げ処理を行なった後に油切
りし、次いで重量測定を行なった。結果は下記の表 5
に示されている通りであり、処理剤水溶液の浸透により
肉塊の重量は増加するが、油による揚げ処理により水分
が放出されて重量が減少した。この表から明らかなよう
に、無処理の対照区及び市販品 A による処理区におい
ては処理前よりも重量が減少し、市販品 B による処理
区においては若干増加 (23g、約 10% 増)、市販品 C
による処理区においてはほぼ同等に対して、本発明の製
造例による剤の処理区においては 37.7g (18% 増) を示
し、保液力が最も高かった。このことは本発明による剤
が、その有効性を充分に発揮して肉の組織を軟化させた
ことを示し、又試験例 3 の末尾に記載した結果、即ち
断面構造において多数の微細な空洞が均斉に存在してお
り、又冷たくなっても硬い食味を呈しないと云う意外な
効果をもたらすことを裏付けているものと考えられる。
【0024】
【表5】
【0025】
【発明の効果】本発明による剤の水溶液により食肉や魚
介類を処理して肉組織内部に処理液を浸透させておく
と、処理品を加熱調理する場合に肉質が柔らかくなり、
旨味や歯切れ等の食味が向上し、これらの効果は調理品
が冷たくなっても持続する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸ナトリウムと、デキストリンと、ク
    エン酸ナトリウムと、クエン酸と、カゼインナトリウム
    と、食塩と、リンゴ酸と、卵白エキスと、白子蛋白エキ
    スとの粉末混合物であることを特徴とする、食肉又は魚
    介類の軟化処理剤乃至食味改善剤。
  2. 【請求項2】 卵白エキスの配合量が 2 - 10 重量% で
    あり、白子蛋白エキスの配合量が 5 重量% 又はそれ以
    上であることを特徴とする、請求項 1 又は 2に記載の
    食肉又は魚介類の軟化処理剤乃至食味改善剤。
  3. 【請求項3】 白子蛋白エキスが鮭由来のものであるこ
    とを特徴とする、請求項 1 - 3 の何れか 1 つに記載の
    食肉又は魚介類の軟化処理剤乃至食味改善剤。
JP7150068A 1995-06-16 1995-06-16 食肉及び魚介類の軟化処理剤乃至食味改善剤 Pending JPH09209A (ja)

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