JPH09209582A - 補強用構造体およびこれを用いた構造物の補強方法 - Google Patents

補強用構造体およびこれを用いた構造物の補強方法

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JPH09209582A
JPH09209582A JP1689096A JP1689096A JPH09209582A JP H09209582 A JPH09209582 A JP H09209582A JP 1689096 A JP1689096 A JP 1689096A JP 1689096 A JP1689096 A JP 1689096A JP H09209582 A JPH09209582 A JP H09209582A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工場等においてあらかじめ曲げ加工される鋼
板に歪みが生じ易く、これが建築構造物の補強工事を長
引かせる原因となっていた。 【解決手段】 被補強構造物1の外側に、鋼板20を対
向させて補強用構造体10を配置してこれを固定し、被
補強構造物1と鋼板20との間にモルタルMを注入し、
モルタルMが硬化した後、被補強構造物1側に鋼板20
を残して補強用構造体10から補剛枠30のみを取り外
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設の建築構造物
や土木構造物等を補強するための補強用構造体および構
造物の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既設の鉄筋コンクリート構造物等の構造
物は十分な耐震性を備えているが、近年、これら既設の
コンクリート構造物、例えば鉄道や道路の橋梁につい
て、大規模な地震に対しても有効な耐震性を発揮すべく
種々の補強が進められている。
【0003】ここで、一般的な円柱状の橋脚を対象とす
る補強の方法としては、あらかじめ橋梁の形状に合わせ
て曲げ加工された短冊状の鋼板を、橋梁の外面との間に
間隙を設けた状態で橋梁を囲むように複数配置し、隣り
合う鋼板の辺部どうしを溶接して鋼板を筒状としたうえ
で間隙にエポキシ樹脂やモルタル等を充填する方法があ
る。この補強方法によれば、橋脚に作用する圧縮等の負
荷による径方向への膨張力に対して特に有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような補強方法には次のような問題が残されている。す
なわち、工場等においてあらかじめ曲げ加工された鋼板
を現場まで搬送する間や、現場において鋼板を吊り下げ
支持したときに鋼板に歪みが生じ、これによって鋼板ど
うしの合わせ目にずれが生じることがあり、このずれを
正さなければ溶接が行えなかった。
【0005】加えて、施工規模に応じて多数の熟練した
溶接工を確保する必要があり、さらに溶接作業そのもの
についても、野外の気温や湿度が変化しやすい環境下に
おいて作業を実施するために溶接部分を均質に保つのが
非常に困難であった。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、従来の工法に比べて格段に合理化、省力化する
ことができ、工期の大幅な短縮と工費の削減を実現する
ことができる補強用構造体およびこれを用いた構造物の
補強方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された補
強用構造体は、被補強構造物の外面に沿う形状とされた
鋼板と、該鋼板の外面側に配置されるとともに鋼板の外
面に固定され、鋼板の形状を一定に保つ補剛枠とを備え
ていることを特徴とする。
【0008】請求項2に記載された補強用構造体は、請
求項1に記載された補強用構造体における補剛枠が、前
記鋼板の外面から離間して配置されるとともに、連結部
材により鋼板に固定されていることを特徴とする。
【0009】請求項3に記載された補強用構造体は、請
求項1、2のいずれかに記載された補強用構造体に対す
る被補強構造物を柱状体とし、前記鋼板が柱状体の周囲
を囲んで縦割りに分割された形状とされ、前記補剛枠は
分割された鋼板のそれぞれに取り付けられていることを
特徴とする。
【0010】請求項4に記載された補強用構造体は、請
求項3に記載された補強用構造体における被補強構造物
としての柱状体を囲んで配置された鋼板に、その隣り合
う辺部をお互いに重ね合せた状態で接合する継手部がそ
れぞれ設けられ、これら継手部の重ね合わせ面にはお互
いに係合し鋼板の隣接方向への移動を拘束する凹凸部が
それぞれ形成されるとともに、重ね合わされた継手部は
螺子止めによって固定されていることを特徴とする。
【0011】請求項5に記載された構造物の補強方法
は、請求項1、2、3、4のいずれかに記載された補強
用構造体を用いた構造物の補強方法であって、被補強構
造物の外側に、該被補強構造物の外面に鋼板を対向させ
て前記補強用構造体を配置してこれを固定し、被補強構
造物と鋼板との間に硬化性充填材を注入し、該硬化性充
填材が硬化した後、被補強構造物側に鋼板を残して補強
用構造体から補剛枠のみを取り外すことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る補強用構造体および
これを用いた構造物の実施の形態を図1ないし図6に示
して説明する。なお、本実施の形態における被補強構造
物は、鉄道等の橋梁に備わる円柱状の橋脚とし、特に、
下部ほど太く、上部に向かうほど細く形成されたテーパ
形状を有するものとする。
【0013】図1に示す補強用構造体10は、橋脚1の
外面に沿う形状とされた鋼板20と、この鋼板20の外
面21側に配置されるとともに鋼板20の外面21に固
定され、鋼板20の形状を一定に保つ補剛枠30とを備
えている。
【0014】鋼板20は、橋脚1の周囲を囲んで縦割り
に均等に3分割された短冊状であり、その幅方向に沿っ
て円弧状に曲げ加工されている。ここで、鋼板20の曲
げ加工は、鋼板20と橋脚1との間に一定の間隙を持た
せつつ、橋脚1のテーパ形状に合わせて橋脚1の下部に
配される側ほどの曲率が大きく、上部に配される側ほど
曲率が小さく施されている。
【0015】また、鋼板20には、橋脚1を囲んで配置
されたときに隣り合う辺部に、お互いに重ね合せた状態
で接合する継手部22、23がそれぞれ設けられてい
る。
【0016】継手部22、23は、鋼板20の長さにほ
ぼ等しく幅の狭い板状部材であり、図2に示すように、
鋼板20とは別に加工されて溶接により固定されてい
る。
【0017】継手部22、23の重ね合わせ面22a、
23aは、鋼板20と同様の曲面状に加工されており、
その曲率は鋼板20の下部の最小曲率と同一とされて長
さ方向のどの部分についても同様の曲面が与えられてい
る。さらに、この重ね合わせ面22a、23aには、お
互いに係合し鋼板20どうしの隣接方向への移動を拘束
する凹凸部22b、23bがそれぞれ形成されており、
これら凹凸部22b、23bには、お互に当接し隣接方
向に対して垂直な係止面Hが、鋼板20の長さ方向に沿
って複数形成されている。
【0018】さらに、一方の継手部22には貫通孔22
cが形成され、他方の継手部23には継手部22と接合
されたときに貫通孔22cと連通する貫通孔23cが形
成されており、継手部23の内面には、貫通孔23cと
同一の軸線を有してナット24が配され、溶接により固
定されている。このナット24には、継手部22側から
ボルト25が螺入されるようになっており、このボルト
25をナット24に締着させることによって鋼板20ど
うしを接合することができる。
【0019】補剛枠30は、図1に示すように、鋼板2
0の幅方向に沿って配された横棧31と、横棧31に交
して鋼板20の長さ方向に配された縦棧32とを備え、
その交わりの部分で強固に接合されている。このうち横
棧31は、鋼板20の上部側および下部側に配される主
横棧31a、31aと、これら主横棧31aの間に複数
配される副横棧31bとからなる。主横棧31aと縦棧
32とはH鋼によって構成され、主横棧31aの間に配
される副横棧31bはT字状に組み合わされた2本のL
字鋼によって構成されている。
【0020】主横棧31aは、3枚の鋼板20が組み合
わされたときに他の補剛枠30の主横棧31aとともに
水平面に沿って正六角形をなすように両端が鋼板20側
に120゜の角度を有して屈曲状態に形成されている。
また、副横棧31bは、同じく3枚の鋼板20が組み合
わされたときに他の副横棧31bとともに水平面に沿っ
て円をなすように円弧状に形成されている。ここで、主
横棧31aどうしは同じ大きさであり、副横棧31bも
すべて同じ大きさであり、これによって補助枠30は軸
線方向に内径の等しい円筒形の骨組をなすような形状と
されている。
【0021】補剛枠30は、図3に示すように、鋼板2
0の外面21から離間して配置され、連結プレート(連
結部材)40により鋼板20に固定されている。連結プ
レート40は、副横棧31bに、鋼板20の幅方向に間
隔を空けて一端が固定され、さらに他端が相対する鋼板
20に固定されている。
【0022】連結プレート40は複数のボルト41によ
って固定された2分割式となっており、その一片42は
副横棧31bに溶接により固定されている。また、連結
プレート40の他片43の先端はL字形に屈曲されて貫
通孔44が形成されており、かたや相対する鋼板20に
も貫通孔26が形成され、その内面には貫通孔26と同
一の軸線を有してナット27が配されて溶接により固定
されており、連結プレート40は貫通孔44、26を通
してナット27にボルト45が締着されることにより鋼
板20に固定されている。
【0023】上記のように構成された補強用構造体10
によれば、堅固な補剛枠30を、橋脚1の形状に合わせ
て曲げ加工された鋼板20に連結プレート40を介して
固定しておくことによって、工場からの搬出時、搬送途
中、現地で積み下ろし時、および現地での組み立て作業
時においてもその形状を一定に保つことができ、これに
よって鋼板20の歪みを防止して鋼板20どうしの合わ
せ目を正確に一致させることができる。
【0024】また、鋼板20どうしを接合する際、鋼板
20の隣り合う辺部に設けられた継手部22、23を重
ね合わせて凹凸部22b、23bを係合させるととも
に、継手部22、23どうしをボルト25およびナット
24によって固定することによって、溶接を行わなくて
も鋼板20どうしを強固に接合することができ、これに
よって鋼板20の幅方向、すなわちお互いに固定された
鋼板20を引き離す方向に作用する負荷に対して高い強
度を有する。
【0025】また、補剛枠30は、鋼板20から離間し
て配置されて連結プレート40によって鋼板20に固定
されており、さらに連結プレート40は他片43を交換
することによって長さの変更が可能であるので、連結プ
レート40の長さを変更することによって大きさ、形状
の異なる鋼板20に取り付けることが可能である。
【0026】次に、上記のように構成された補強用構造
体10を用いた構造物の補強方法を説明する。 [1.鋼板製作]工場において、橋梁1の形状に合わせ
て鋼板に曲げ加工を行い、必要に応じて切断、溶接を行
って補剛枠30に取り付けられる大きさの鋼板20を製
作する。さらに、連結プレート40を固定するための貫
通孔26の形成およびナット27の固定を行った後、鋼
板20にブラスト処理および亜鉛ジンク処理を施して下
地の耐錆処理を終らせておく。
【0027】[2.鋼板と補剛枠との一体化]あらかじ
め製作された補剛枠30に鋼板20を組み付け、連結プ
レート40と鋼板20とをボルト45によって固定し、
鋼板20と補剛枠30とを一体化する。
【0028】[3.補強用構造体の搬走]工場において
一体化された補強用構造体10を、トラックを使って橋
梁1が設置された現地に搬走する。
【0029】[4.補強用構造体の現地組み立て]現地
に搬入された補強用構造体10を、クレーンを使用して
吊り下げ支持し、橋脚1の外側に鋼板20を沿わせ、図
4に示すように橋脚1との間に一定の間隙Kを持たせた
状態で立設する。同様の要領で橋脚1の周囲に補強用構
造体10を次々に立設し、3個の補強用構造体10によ
って橋脚1を取り囲んだ状態とする。続いて、立設され
た各補強用構造体10の継手部22、23を重ね合わ
せ、凹凸部22b、23bを噛み合わせて係合状態とし
たうえで、ボルト25をナット24に締着して鋼板20
どうしを接合する。その際足場は組まず、高所作業車を
用いて締着作業を行う。
【0030】[5.モルタル(硬化性充填材)の注入お
よび養生]図5に示すように、鋼板20と橋脚1との間
隙KにモルタルMを注入して充填するとともに、十分に
固化するまで養生させる。このとき、鋼板20のはら
み、すなわち注入されるモルタルMによる鋼板20の膨
らみを防止するために、必要に応じて鋼板20と補剛枠
30との間に束等の支保工をたてておく。
【0031】[6.補剛枠撤去]モルタルMが硬化して
養生が終了したら、連結プレート40と鋼板20とを固
定しているボルト45を外し、橋脚1側に鋼板20を残
して補剛枠30のみを橋脚1から撤去する。撤去に際し
ては、補強用構造体10の現地組み立ての際に使用した
クレーンを再び使用するものとし、撤去された補剛枠3
0は工場に送り返して新たな鋼板20に取り付け、繰り
返して使用する。
【0032】[7.塗装および防水処理]鋼板20の外
面21に仕上げの塗装を行った後、塗装の乾燥を待って
外部に露出した継手部22、23の合わせ目に沿ってコ
ーキング材を付設するとともに、鋼板20の上端に水切
りプレートを配して橋脚1の補強を完了する。ここで、
水切りプレートは、鋼板20の上端と橋脚1との間に露
出したモルタルMを覆って橋脚1の周囲に笠状に配置さ
れて鋼板20の内側に水が侵入するのを防ぐもので、鋼
板20の外側に折り曲げられた部分を鋼板20にリベッ
ト止めするとともに橋脚1と接する部分に周方向に沿っ
てコーキング材を付設することによって橋脚1に固定す
る。
【0033】以上のように、補強用構造体10を用いて
橋脚1の補強を行うことによって、橋脚1への鋼板20
の設置や鋼板20どうしの接合に係わる作業を従来の工
法に比べて格段に合理化、省力化することができ、工期
の大幅な短縮と工費の削減を実現することができる。
【0034】例えば、補剛枠30によって鋼板20の形
状を一定に保つことができるので、鋼板20どうしの目
合わせを行なう作業が廃される。また、螺子止めによっ
て鋼板20どうしの接合がなされるので、従来のような
溶接による接合作業が廃されるとともに、大掛かりな足
場を設置する必要がなくなる。さらに、従来は多くの溶
接作業を現地で行なっていたため、溶接後に下地の耐錆
処理から仕上げ塗装までを現地で行なっていたが、現地
での溶接作業が廃されるので、下地の耐錆処理はあらか
じめ工場にて行ない、現地での塗装作業を大幅に省略す
ることができる。
【0035】なお、本実施の形態においては連結プレー
ト40と鋼板20とを螺子止めするように構成したが、
これに代えて連結プレート40を鋼板20に直接溶接に
よって固定し、補剛枠30を撤去する際にはこの溶接部
分を切断するようにしても構わない。
【0036】また、本実施の形態における補剛枠30
は、主横棧31aを補剛枠30の上部と下部に1本ずつ
配して構成したが、補剛枠30自体の剛性をさらに高め
るために主横棧31aを増やして補剛枠30を構成して
も構わない。
【0037】上記実施の形態においては、被補強構造物
として円柱状の橋脚1を取り上げ、この橋脚1を補強す
るための補強構造体10およびこれを用いた橋脚1の補
強の方法について説明したが、本発明は形状の異なる別
の建築構造物に対しても実施可能である。
【0038】例えば、橋脚1のような柱状体ではなく、
図6(a)に示すような壁体101を補強する場合に
は、まず、壁体101の全面を覆う鋼板120を製作
し、この鋼板120に補剛枠130を取り付けて補強用
構造体110を組み立てる。このとき、連結プレートを
用いず、鋼板120に直接補剛枠130を取り付けるこ
とも可能である。そして、補強用構造体110を壁体1
01の両面に相対してそれぞれ配置し、壁体101を貫
通する固定部材140で壁体101の厚さ方向への広が
りを制限した状態で固定し、壁体101と鋼板120と
の間にモルタルMを注入して充填し、養生が終了したら
補剛枠130を取り外す。このようにして壁体101を
補強して高い強度を与えることができる。さらに、図6
(b)に示すように、壁体101とその上方に張り出し
た梁102とを同時に補強することも可能である。この
とき、連結プレート140の長さは、鋼板120の段付
き形状に合わせて2段階に設定される。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る補強用構造体によれば、補
剛枠を、橋脚の形状に合わせて曲げ加工された鋼板に固
定しておくことによって、工場からの搬出時、搬送途
中、現地で積み下ろし時、および現地での組み立て作業
時においてもその形状を一定に保つことができ、これに
よって鋼板の歪みを防止して鋼板どうしの合わせ目を正
確に一致させて溶接や螺子止め等による接合作業を行な
い易くすることができる。また、鋼板どうしを接合させ
る際、鋼板の隣り合う辺部に設けられた継手部を重ね合
わせて凹凸部を係合させるとともに、継手部どうしを螺
子止めによって固定することによって、溶接を行わなく
ても鋼板どうしを強固に接合することができ、これによ
って鋼板の幅方向、すなわちお互いに固定された鋼板ど
うしを引き離す方向に作用する負荷に対して高い強度を
得ることができる。さらに、補剛枠は、鋼板から離間し
て配置されて連結部材によって鋼板に固定されているの
で、連結部材の長さを変更することによって大きさ、形
状の異なる鋼板に取り付けることが可能である。
【0040】さらに、本発明に係る補強用構造体を用い
た構造物の補強方法によれば、補剛枠によって鋼板の形
状を一定に保つことができるので、鋼板どうしの目合わ
せを行なう作業を省略することができる。また、螺子止
めによって鋼板どうしの接合がなされるので、従来のよ
うな溶接による接合作業が廃されるとともに、大掛かり
な足場を設置する必要がなくなる。さらに、従来は多く
の溶接作業を現地で行なっていたため、溶接後に下地の
耐錆処理から仕上げ塗装までを現地で行なっていたが、
現地での溶接作業が廃されるので、下地の耐錆処理はあ
らかじめ工場にて行なっておき、現地での塗装作業を大
幅に省略することができる。これらのことから、橋脚へ
の鋼板の設置や鋼板どうしの接合に係わる作業を従来の
工法に比べて格段に合理化、省力化することができ、工
期の大幅な短縮と工費の削減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る補強用構造体の実施の形態を示す
斜視図である。
【図2】鋼板に設けられる継手部の接合状態を示す概略
断面図である。
【図3】図1におけるIII−III線矢視断面図であ
る。
【図4】橋脚の周囲に補強用構造体が立設された状態を
示す概略側方図である。
【図5】橋脚と鋼板との間にモルタルが注入された状態
を示す概略断面図である。
【図6】本発明に係る補強用構造体を形状の異なる別の
構造物に適用した他の実施の形態を示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 橋脚(被補強構造体) 10 補強用構造体 20 鋼板 22、23 継手部 22a、23a 重ね合わせ面 22b、23b 凹凸部 30 補剛枠 31 横棧 32 縦棧 40 連結プレート(連結部材) 101 壁体(被補強構造体) 110 補強用構造体 120 鋼板 130 補剛枠 140 連結プレート(連結部材) K 間隙 H 係止面 M モルタル(硬化性充填材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 利仁 千葉県千葉市中央区浜野町605番地山一コ ーポ102号 ヨコハマ鋼業有限会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被補強構造物の外面に沿う形状とされた
    鋼板と、 該鋼板の外面側に配置されるとともに鋼板の外面に固定
    され、鋼板の形状を一定に保つ補剛枠とを備えているこ
    とを特徴とする補強用構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された補強用構造体にお
    いて、 前記補剛枠は、前記鋼板の外面から離間して配置される
    とともに、連結部材により鋼板に固定されていることを
    特徴とする補強用構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載された補
    強用構造体において、 被補強構造物を柱状体として、 前記鋼板は柱状体の周囲を囲んで縦割りに分割された形
    状とされ、 前記補剛枠は分割された鋼板のそれぞれに取り付けられ
    ていることを特徴とする補強用構造体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された補強用構造体にお
    いて、 前記柱状体を囲んで配置された鋼板には、その隣り合う
    辺部をお互いに重ね合せた状態で接合する継手部がそれ
    ぞれ設けられ、 これら継手部の重ね合わせ面にはお互いに係合し鋼板の
    隣接方向への移動を拘束する凹凸部がそれぞれ形成され
    るとともに、重ね合わされた継手部は螺子止めによって
    固定されていることを特徴とする補強用構造体。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3、4のいずれかに記載
    された補強用構造体を用いた構造物の補強方法であっ
    て、 被補強構造物の外側に、該被補強構造物の外面に鋼板を
    対向させて前記補強用構造体を配置してこれを固定し、 被補強構造物と鋼板との間に硬化性充填材を注入し、 該硬化性充填材が硬化した後、被補強構造物側に鋼板を
    残して補強用構造体から補剛枠のみを取り外すことを特
    徴とする構造物の補強型枠を用いた構造物の補強方法。
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JP2011043013A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Fuji Kentetsu:Kk 既存建築物の耐震補強方法及び耐震補強構造
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