JPH09209269A - 繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

繊維構造物およびその製造方法

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JPH09209269A
JPH09209269A JP8319242A JP31924296A JPH09209269A JP H09209269 A JPH09209269 A JP H09209269A JP 8319242 A JP8319242 A JP 8319242A JP 31924296 A JP31924296 A JP 31924296A JP H09209269 A JPH09209269 A JP H09209269A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】セルロース繊維とポリエステル繊維を用い
てなる繊維構造物において、該セルロース繊維に親水性
ビニル系モノマが重合されており、かつKES(Kawaba
ta Evaluation System)測定による曲げ剛性測定値
(B)と目付(W)の比B/Wが0.0001以上0.
005以下であることを特徴とする繊維構造物。ポリエ
ステル繊維とセルロース繊維を用いてなる繊維構造物
を、親水性ビニル系モノマと重合開始剤を含有する水溶
液の含浸処理を施した後、熱処理を施す重合加工の前ま
たは後に、減量加工することを特徴とする繊維構造物の
製造方法。 【効果】優れた吸湿性を有するため着用時に優れた快適
性を有し、かつ柔軟性に優れるため、衣料用途で広範に
利用できる繊維構造物を提供できる。加えて本発明に係
る繊維構造物は、薄地でも十分実用的な強度特性を有
し、婦人ブラウス地などの用途での使用にも適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース繊維と
ポリエステル繊維とからなる繊維構造物であって、セル
ロース繊維からなる繊維構造物と同等あるいはそれ以上
の優れた吸湿性を持ち、しかも風合いが柔軟な繊維構造
物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、セルロース繊維とポリエステ
ル繊維を用いてなる繊維構造物は、セルロース繊維から
なる繊維構造物と比較して吸湿性が劣ることが指摘され
ている。そのため綿/ポリエステルの混紡糸からなる布
帛などでは快適性を向上させるため、この吸湿性を向上
させることが課題となっている。このため、セルロース
繊維からなる繊維構造物に親水性ビニル系モノマを重合
して改質する加工が考えられる。しかし、このような技
術では重合で生成する化合物が繊維に存在するため、繊
維構造物の風合いが硬化する傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セル
ロース繊維とポリエステル繊維を用いてなる繊維構造物
の吸湿性を向上させ、セルロース繊維からなる繊維構造
物と同等あるいはそれ以上の優れた吸湿性を有し、しか
も高度に柔軟な風合いをもつ繊維構造物を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維構造物は、
上記目的を達するため、次の構成を有する。
【0005】すなわち、セルロース繊維とポリエステル
繊維を用いてなる繊維構造物において、該セルロース繊
維に親水性ビニル系モノマが重合されており、かつKE
S(Kawabata Evaluation System)測定による曲げ剛性
測定値(B)と目付(W)の比B/Wが0.0001以
上0.005以下であることを特徴とする繊維構造物で
ある。
【0006】また、本発明の繊維構造物の製造方法は、
次の構成を有する。
【0007】すなわち、ポリエステル繊維とセルロース
繊維を用いてなる繊維構造物を、親水性ビニル系モノマ
と重合開始剤を含有する水溶液の含浸処理を施した後、
熱処理を施す重合加工の前または後に、減量加工するこ
とを特徴とする繊維構造物の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0009】本発明において、セルロース繊維として
は、綿、麻などの天然セルロース繊維、レーヨン、ポリ
ノジック、キュプラ、テンセルなどの再生セルロース繊
維が挙げられるが、これに限定されるものではない。ま
た、ポリエステル繊維には、ポリエチレンテレフタレー
トなどの繊維形成性を有するポリエステル重合体からな
る繊維が用いられる。ここでいうポリエステル重合体に
はホモポリマーのみならず共重合体も含まれる。
【0010】本発明の繊維構造物とは、ポリエステル繊
維とセルロース繊維を混紡あるいは混繊した糸を織物、
編物若しくは不織布等に織成、編成などしたもの、また
はこれらの縫製品が挙げられる。
【0011】本発明の繊維構造物は、ポリエステル繊維
を含んでなるものであるため、セルロース繊維のみから
なるものに比べて収縮が抑えられ、形態安定性に優れ、
しかも減量加工を行っても強度特性に優れたものとな
る。かかる観点から、セルロース繊維の含有率が10重
量%以上90重量%以下、ポリエステル繊維の含有率が
90重量%以上10重量%以下であることが好ましい。
より好ましくは、セルロース繊維の含有率が20重量%
以上80重量%以下、ポリエステル繊維の含有率が80
重量%以上20重量%以下であり、さらに好ましくは、
セルロース繊維の含有率が30重量%以上70重量%以
下、ポリエステル繊維の含有率が70重量%以上30重
量%以下である。
【0012】本発明の繊維構造物は、セルロース繊維に
親水性ビニル系モノマが重合されているものである。
【0013】本発明において、親水性ビニル系モノマと
は、分子構造内に重合性のビニル基を有し、かつカルボ
ン酸、スルホン酸等の酸性基および/またはその塩、水
酸基、アミド基等の親水性基を有するモノマをいう。
【0014】具体的には、アクリル酸、アクリル酸ナト
リウム、アクリル酸アルミニウム、アクリル酸亜鉛、ア
クリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウム等のアク
リル酸塩類モノマー、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、メタクリル酸、アリルアルコー
ル、アリルスルホン酸ナトリウム、アクリルアミド、ビ
ニルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリ
ウム、スチレンスルホン酸ナトリウム等を用いることが
できる。これらは、1種単独で用いてもよく、または2
種以上を併用してもよい。
【0015】これらの中でも、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸および/またはそのナトリ
ウム塩、アリルスルホン酸ナトリウム等の分子構造内に
スルホン酸および/またはその塩を含有するモノマが、
反応性に優れる点で好ましい。
【0016】本発明の繊維構造物は、ポリエステル繊維
を含んでなるものでありながら、セルロース繊維に上記
の親水性ビニルモノマが重合されているものからなるた
め、吸湿性に優れたものとなる。
【0017】ここで「セルロース繊維に親水性ビニル系
モノマが重合されている」とは、セルロース繊維に親水
性ビニル系モノマがグラフト重合していること、セルロ
ース繊維の空隙内(中空部など)で親水性ビニル系モノ
マがラジカル重合していること、またはセルロース単繊
維内部で親水性ビニル系モノマがラジカル重合している
ことをいう。なお、親水性ビニル系モノマがセルロース
繊維の空隙内やセルロース単繊維内部にグラフト重合や
ラジカル重合していることは、吸湿性の耐久性を格別な
ものとし、かつ織編物の風合いを阻害しないので好まし
い。親水性ビニル系モノマが重合していることは、例え
ば切片染色法により確認できる。切片染色法は次のよう
に行う。パラフィンで包埋した繊維束を繊維軸に垂直方
向に切断し、切片を作製する。この切片を有機溶媒等で
脱包埋した後、適切な染料(例えば塩基性染料)を用い
て染色し、水洗する。これを光学顕微鏡で観察すること
により親水性ビニル重合体の存在を確認できる。
【0018】親水性ビニル系モノマの繊維構造物に対す
る反応率は、繊維構造物の風合いを良好に保持しつつ優
れた吸湿性を得る観点から、1重量%以上20重量%以
下であることが好ましい。3重量%以上17重量%以下
であることはより好ましく、5重量%以上15重量%以
下であることはさらに好ましい。なお、ここでいう反応
率とは、繊維構造物が親水性ビニル系モノマの重合によ
って増加した重量の割合(重量%)のことをいい、10
0×[(親水性ビニル系モノマの重合をした後の繊維構
造物の絶乾重量)−(親水性ビニル系モノマの重合をす
る前の繊維構造物の絶乾重量)]/(親水性ビニル系モ
ノマの重合をする前の繊維構造物の絶乾重量)から算出
される。
【0019】また、本発明の繊維構造物は、温度30
℃、湿度90%における繊維構造物の吸湿率MR2
(%)から温度20℃、湿度65%における繊維構造物
の吸湿率MR1(%)を差し引いた値で表されるΔMR
が、下記式を満足することが好ましい。 0.04×
(100−x)<ΔMR≦0.14×(100−x) ここで、xは繊維構造物におけるポリエステル繊維の割
合(重量%)を表す。
【0020】温度20℃、湿度65%における繊維構造
物の吸湿率MR1(%)は、標準的な環境下での衣服の
もつ吸湿性と考えることができるものであり、温度30
℃、湿度90%における繊維構造物の吸湿率MR2
(%)は、軽く運動した後の衣服のもつ吸湿性と考える
ことができるものである。
【0021】また、本発明の繊維構造物は、収縮率が3
%以下であることが好ましい。収縮率が2%以下である
ことがより好ましい。
【0022】本発明の繊維構造物は、セルロース繊維に
は親水性ビニル系モノマがグラフト重合等しているので
高い吸湿性が発現し、一方疎水性のポリエステル繊維自
体には親水性ビニル系モノマが重合しないのでポリエス
テル繊維本来の特徴である防縮性を保持することができ
る。
【0023】本発明において、KES(Kawabata Evalu
ation System)測定とは、川端季雄著、繊維機械学会誌
(繊維工学), vol.26, No.10, P721-P728(1973)に記載
されているように、KESの曲げ特性測定機(カトーテ
ック製)を用いて繊維構造物を曲げたときの各曲率での
反発力を測定するものである。そして、曲率0.5から
1.5の間での反発力の平均値をB(単位:g・cm2
/cm)とし、さらに繊維構造物の縦、横の2つの方向
それぞれについてこの測定を行い、平均値をBとする。
このBの値と繊維構造物の目付W(単位:g/m2)と
の比B/Wを求めるものである。
【0024】本発明の繊維構造物は、このKES(Kawa
bata Evaluation System)測定による曲げ剛性測定値
(B)と目付(W)の比B/Wが0.0001以上0.
005以下であることが必要である。
【0025】このKES測定によるB/Wが0.005
を超える場合は、風合いが硬くなり品位が低下する。こ
のB/Wが0.004以下であることが好ましく、0.
003以下であることはより好ましい。
【0026】次に、本発明の繊維構造物の製造方法につ
いて説明する。
【0027】ポリエステル繊維とセルロース繊維を混紡
あるいは混繊した糸を用いてなる織物、編物、または不
織布等に織成、編成などして得られる繊維構造物を、親
水性ビニル系モノマと重合開始剤を含有する水溶液の含
浸処理を施した後、熱処理を施す重合加工の前または後
に、減量加工することにより本発明の繊維構造物を得る
ことができる。
【0028】ポリエステル繊維とセルロース繊維を用い
てなる繊維構造物に親水性ビニル系モノマと重合開始剤
を含有する水溶液の含浸処理を施す方法としては、例え
ば、一定時間浸漬する方法やパディングする方法を採用
できる。含浸温度は、特に制限はなく、常温で行うこと
ができる。
【0029】本発明において、重合開始剤にはラジカル
重合で一般に用いられる重合開始剤が好ましく用いられ
る。具体的には、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイ
ル等の過酸化物、アゾ系触媒、セリウム触媒等が好まし
く用いられる。
【0030】親水性ビニル系モノマと重合開始剤を含有
する水溶液中における親水性ビニル系モノマの濃度は、
特に制限はないが、反応を効率的に行う観点から10重
量%以上30重量%以下の濃度が好ましい。13重量%
以上27重量%以下であることがより好ましく、15重
量%以上25重量%以下であることがさらに好ましい。
【0031】親水性ビニル系モノマと重合開始剤を含有
する水溶液中における重合開始剤の濃度は、特に制限は
ないが、反応を効率的に行うため観点から、親水性ビニ
ル系モノマに対して1重量%以上5重量%以下であるこ
とが好ましく、2重量%以上4重量%以下であることが
より好ましい。
【0032】また、ポリエステル繊維とセルロース繊維
を用いてなる繊維構造物の強度物性低下を抑制し、また
反応を効率的に行う観点から、親水性ビニル系モノマと
重合開始剤を含有する水溶液のpHは6以上12以下で
あることが好ましく、pHが7以上11以下であること
がより好ましい。
【0033】本発明の繊維構造物の製造方法では、含浸
処理後、熱処理を行うが、熱処理は重合反応を行うため
に必須である。熱処理は、乾熱処理、湿熱処理など特に
限定されず採用できる。この重合を行うための熱処理温
度は、特に制限はないが、反応を効率的に行う観点か
ら、80℃以上200℃以下の温度で行うことが好まし
い。1段階または2段階以上で熱処理を行う。熱処理時
間は、目的とするグラフト反応率との関係から熱処理温
度を勘案して定められるが、20秒以上5分以下である
ことがこのましい。
【0034】さらに、前記重合加工において、熱処理を
行った後、繊維構造物に付着している未反応モノマなど
を除去するために洗浄を行うことが好ましい。洗浄する
方法としては、水洗、湯洗など特に限定されずに行える
が、洗浄効率などの観点から湯洗が好ましく採用でき
る。なお、重合加工を行った後で後述する減量加工を行
う場合には、この減量加工が洗浄作用をも奏することと
なる。
【0035】このようにして得られた繊維構造物は、ポ
リエステル繊維が有する高い防縮性をほとんど損なうこ
となく、かつ従来のポリエステル繊維とセルロース繊維
を用いてなる繊維構造物より高い吸湿性を有するものと
なる。
【0036】そして、前記重合加工に加えて、減量加工
を施すことが必要である。ここでいう減量加工とは、繊
維構造物を構成する繊維の一部を分解除去し、その重量
を減少せしめる処理をいう。
【0037】セルロース繊維についての減量加工法とし
て一般的に知られているのはセルロース分解酵素による
処理や酸による加水分解などが知られているが、セルロ
ース繊維についての減量加工としてはセルロース分解酵
素による処理を用いることが好ましい。セルロース分解
酵素としては、トリコデルマ(Tricoderma)属、フミコ
ラ(Fumicola)属、アスペルギルス(Aspergills)属、
バチルス(Bacillus)属などの菌体を培養して得られる
ものを用いることができる。これらのセルロース分解酵
素は既に市販されており、そのものをそのまま用いて差
し支えない。
【0038】一方、ポリエステル繊維の減量加工法とし
ては、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性化合物による
減量加工を用いることができる。
【0039】本発明において、減量加工の減量率とは、
加工の前後で分解除去された部分の割合をいい、具体的
には、(重量減少分/加工前の重量)×100から算出
される。
【0040】本発明において、繊維構造物に柔軟性を付
与しつつ強度を保持するという観点から、減量率として
は3%以上10%以下が好ましい。
【0041】減量加工方法としては、例えば、前述のセ
ルロース分解酵素の濃度が1g/l以上30g/l以下
の水溶液に、繊維構造物を浸漬して30℃以上90℃以
下の温度で処理することが好ましい。または、前記アル
カリ性化合物の濃度が10g/l以上300g/l以下
の水溶液に繊維構造物を浸漬して50℃以上200℃以
下の温度で処理することが好ましい。
【0042】本発明において、重合加工と減量加工の処
理の順序は、重合加工を施した後に減量加工を施しても
よいし、逆に減量加工を先に施してもよい。重合加工の
後に減量加工を施す場合には、より大きな繊維間空隙が
生じるため、風合い柔軟化効果を大きく得ることができ
る。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に
説明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法によっ
て求めた。
【0044】(1)吸湿率 吸湿率は、繊維構造物を絶乾した時の重量と、温度20
℃、湿度65%あるいは温度30℃、湿度90%の雰囲
気下、恒温恒湿器中に24時間放置した後の繊維構造物
の重量との重量変化から、次式により求めた。
【0045】吸湿率(%)=100×[(一定温度、湿
度下に放置後の繊維構造物の重量)−(繊維構造物の絶
乾重量)]/(繊維構造物の絶乾重量) 上記した式により求めた、温度20℃、湿度65%の条
件下での吸湿率MR1と、温度30℃、湿度90%の条
件下での吸湿率MR2から、次式によりΔMRを算出し
た。
【0046】ΔMR = MR2 − MR1 ここでΔMRは大きければ大きいほど、吸湿性が高く快
適性が良好であることに対応する。
【0047】(2)反応率 反応率は、親水性ビニル系モノマの重合を行う前の繊維
構造物の絶乾重量と、親水性ビニル系モノマの重合を行
った後の繊維構造物の絶乾重量から、次式により算出し
た。
【0048】反応率(%)=100×[(親水性ビニル
系モノマの重合をした後の繊維構造物の絶乾重量)−
(親水性ビニル系モノマの重合をする前の繊維構造物の
絶乾重量)]/(親水性ビニル系モノマの重合をする前
の繊維構造物の絶乾重量) (3)減量率 減量率は、減量加工を行う前の繊維構造物の絶乾重量
と、加工を行った後の繊維構造物の絶乾重量から、次式
により算出した。
【0049】減量率(%)=(加工前の繊維構造物の絶
乾重量−加工後の繊維構造物の絶乾重量)/(加工前の
繊維構造物の絶乾重量)×100 (4)B/W KES(Kawabata Evaluation System)測定機を用いて
の曲げ剛性のたて、よこの平均値B(単位:g・cm2
/cm)と繊維構造物の目付W(単位:g/m2)との
比B/Wを測定した。
【0050】実施例1 45番手の綿/ポリエステル混紡糸(混合率:綿55重
量%/ポリエステル(0.17テックス、繊維長40m
m)45重量%)を経糸および緯糸に用いてなり、精
練、漂白処理を施した平織物(織密度:経115×緯7
6本/inch、目付:110g/m2)に、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸を20%、過硫
酸アンモニウムを0.6%(モノマ比3%)の濃度で含
有する水溶液をパディングにより付与した。しぼり率は
90%であった。それからこの綿織物を160℃で3分
間熱処理した。熱処理後60℃の湯で洗浄を行った。こ
の後上記の方法で反応率を測定するとその値は8%であ
った。
【0051】その後、セルロース分解酵素(セルソフト
L、ノボノルディスク社製)を5g/lの濃度で含む処
理液中にその綿織物を浸漬し、60℃で2時間処理し
た。この結果、酵素処理前の織物に比べて織物の重量は
8.0%減少した。
【0052】上記の重合加工と減量加工の後、染色、仕
上げ処理を通常の方法で行い、その後上記の方法で各特
性値を測定すると、△MR=6.5%で、Bは0.30
6g・cm2/cmで、Wは109g/m2であり、B/
Wは0.0028であった。
【0053】一方、重合加工と減量加工が施されていな
い、精練、漂白処理をした直後の織物のBは0.913
g・cm2/cmで、Wは110g/m2であり、B/W
は0.0083であった。
【0054】実施例2 45番手の綿/ポリエステル混紡糸(混合率:綿55重
量%/ポリエステル(0.17テックス、繊維長40m
m)45重量%)を経糸および緯糸に用いてなり、精
練、漂白処理を施した平織物(織密度:経115×緯7
6本/inch、目付:110g/m2)を、セルロース分
解酵素(セルソフトL、ノボノルディスク社製)を5g
/lの濃度で含む処理液中に浸漬し、60℃で2時間処
理した。この結果、酵素処理前の織物に比べて重量は
9.5%減少した。
【0055】その後、この織物に2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸を20%、過硫酸アンモ
ニウムを0.6%(モノマ比3%)の濃度で含有する水
溶液をパディングにより付与した。しぼり率は90%で
あった。それからこの織物を160℃で3分間熱処理し
た。熱処理後60℃の湯で洗浄を行った。この後上記の
方法で反応率を測定するとその値は7%であった。
【0056】上記の重合加工と減量加工の後、染色、仕
上げ処理を通常の方法で行ったところ、△MR=4.5
%で、Bは0.320g・cm2/cmで、Wは107
g/m2であり、B/Wは0.0030であった。
【0057】実施例3 実施例1でセルロース分解酵素で処理する代わりに、水
酸化ナトリウムを5g/lの濃度で含む水溶液中に織物
を浸漬し、95℃で1時間処理した。このときの減量率
は15.2%であった。
【0058】その後上記の方法で各特性値を測定する
と、△MR=6.9%で、Bは0.242g・cm2
cmで、Wは101g/m2であり、B/Wは0.00
24であった。
【0059】比較例1 45番手の綿/ポリエステル混紡糸(混合率:綿55重
量%/ポリエステル(0.17テックス、繊維長40m
m)45重量%)を経糸および緯糸に用いてなり、精
練、漂白処理を施した平織物(織密度:経115×緯7
6本/inch、目付:110g/m2)に、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸を20%、過硫
酸アンモニウムを0.6%(モノマ比3%)の濃度で含
有する水溶液をパディングにより付与した。しぼり率は
90%であった。それからこの織物を160℃で3分間
熱処理した。熱処理後60℃の湯で洗浄を行った。この
後上記の方法で反応率を測定するとその値は8%であっ
た。
【0060】この後、上記の方法で各特性値を測定する
と、△MR=6.2%で、Bは1.093g・cm2
cmで、Wは119g/m2であり、B/Wは0.00
92であった。この場合、高度の吸湿性は得られたが柔
軟性に劣るものであった。
【0061】比較例2 45番手の綿/ポリエステル混紡糸(混合率:綿55重
量%/ポリエステル(0.17テックス、繊維長40m
m)45重量%)を経糸および緯糸に用いてなり、精
練、漂白処理を施した平織物(織密度:経115×緯7
6本/inch、目付:110g/m2)を、セルロース分
解酵素(セルソフトL、ノボノルディスク社製)を5g
/lの濃度で含む処理液中に浸漬し、60℃で2時間処
理した。この結果、酵素処理前の織物に比べて重量は
9.5%減少した。
【0062】この後、上記の方法で各特性値を測定する
と、△MR=2.8%で、Bは0.239g・cm2
cmで、Wは100g/m2であり、B/Wは0.00
24となった。この処理では柔軟性は得られたが、吸湿
性に劣るものであった。
【0063】比較例3 比較例2でセルロース分解酵素で処理する代わりに、水
酸化ナトリウムを5g/lの濃度で含む水溶液中に織物
を浸漬し、95℃で1時間処理した。このときの減量率
は14.5%であった。
【0064】この後、上記の方法で各特性値を測定する
と、△MR=3.4%で、Bは0.207g・cm2
cmで、Wは94g/m2であり、B/Wは0.002
2となった。この処理では柔軟性は得られたが、吸湿性
に劣るものであった。
【0065】実施例4〜6 ポリエステル繊維の混合率を変更したこと以外は実施例
1と同様に行った。結果を表1に示す。いずれも優れた
吸湿性と柔軟性を有していた。
【0066】
【表1】 実施例7〜10 親水性ビニル系モノマの種類を変更したこと以外は実施
例1と同様に行った。結果を表2に示す。いずれも優れ
た吸湿性と柔軟性を有していた。
【0067】
【表2】 実施例11〜14 親水性ビニル系モノマと開始剤を含有する水溶液のpH
を変更したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を
表3に示す。いずれも優れた吸湿率と柔軟性を有してい
た。
【0068】
【表3】 実施例15〜18 水溶液中の親水性ビニル系モノマの濃度を変更したこと
以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
いずれも優れた吸湿性と柔軟性を有していた。
【0069】
【表4】 実施例19〜22 親水性ビニル系モノマに対する開始剤の濃度を変更した
こと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表5に示
す。いずれも優れた吸湿性と柔軟性を有していた。
【0070】
【表5】 実施例23〜26 熱処理温度を変更したこと以外は、実施例1と同様に行
った。結果を表6に示す。いずれも優れた吸湿性と柔軟
性を有していた。
【0071】
【表6】
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、優れた吸湿性を有する
ため着用時に優れた快適性を有し、かつ柔軟性に優れる
ため、衣料用途で広範に利用できる繊維構造物を提供で
きる。加えて本発明に係る繊維構造物は、薄地でも十分
実用的な強度特性を有し、婦人ブラウス地などの用途で
の使用にも適する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 16/00 D06M 14/04 5/02 Z

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース繊維とポリエステル繊維を用い
    てなる繊維構造物において、該セルロース繊維に親水性
    ビニル系モノマが重合されており、かつKES(Kawaba
    ta Evaluation System)測定による曲げ剛性測定値
    (B)と目付(W)の比B/Wが0.0001以上0.
    005以下であることを特徴とする繊維構造物。
  2. 【請求項2】温度30℃、湿度90%における繊維構造
    物の吸湿率MR2(%)から温度20℃、湿度65%に
    おける繊維構造物の吸湿率MR1(%)を差し引いた値
    で表されるΔMRが、下記式を満足することを特徴とす
    る請求項1記載の繊維構造物。 0.04×(100−x)<ΔMR≦0.14×(10
    0−x) ここで、xは繊維構造物におけるポリエステル繊維の割
    合(重量%)を表す。
  3. 【請求項3】前記親水性ビニル系モノマの繊維構造物に
    対する反応率が1重量%以上20重量%以下であること
    を特徴とする請求項1記載の繊維構造物。
  4. 【請求項4】ポリエステル繊維の割合が10%以上90
    %以下であることを特徴とする請求項1記載の繊維構造
    物。
  5. 【請求項5】前記親水性ビニル系モノマが、スルホン酸
    および/またはスルホン酸塩を含有するビニル系モノマ
    であることを特徴とする請求項1記載の繊維構造物。
  6. 【請求項6】B/Wが0.0001以上0.004以下
    であることを特徴とする請求項1記載の繊維構造物。
  7. 【請求項7】B/Wが0.0001以上0.003以下
    であることを特徴とする請求項1記載の繊維構造物。
  8. 【請求項8】ポリエステル繊維とセルロース繊維を用い
    てなる繊維構造物を、親水性ビニル系モノマと重合開始
    剤を含有する水溶液の含浸処理を施した後に熱処理を施
    す重合加工の前または後に、減量加工することを特徴と
    する繊維構造物の製造方法。
  9. 【請求項9】ポリエステル繊維の割合が10%以上90
    %以下であることを特徴とする請求項8記載の繊維構造
    物の製造方法。
  10. 【請求項10】前記親水性ビニル系モノマが、スルホン
    酸および/またはスルホン酸塩を含有するビニル系モノ
    マであることを特徴とする請求項8記載の繊維構造物の
    製造方法。
  11. 【請求項11】前記水溶液のpHが6以上12以下であ
    ることを特徴とする請求項8記載の繊維構造物の製造方
    法。
  12. 【請求項12】前記水溶液中における前記親水性ビニル
    系モノマの濃度が10重量%以上30重量%以下である
    ことを特徴とする請求項8記載の繊維構造物の製造方
    法。
  13. 【請求項13】前記重合開始剤が前記親水性ビニル系モ
    ノマに対して1重量%以上5重量%以下含有しているこ
    とを特徴とする請求項8記載の繊維構造物の製造方法。
  14. 【請求項14】前記熱処理温度が80℃以上200℃以
    下であることを特徴とする請求項8記載の繊維構造物の
    製造方法。
  15. 【請求項15】前記減量加工がセルロース分解酵素によ
    るセルロース繊維の減量加工であることを特徴とする請
    求項8記載の繊維構造物の製造方法。
  16. 【請求項16】減量率が3%以上20%以下であること
    を特徴とする請求項15記載の繊維構造物の製造方法。
  17. 【請求項17】前記セルロース分解酵素の濃度が1g/
    l以上30g/l以下の水溶液に繊維構造物を浸漬して
    30℃以上90℃以下の温度で処理することを特徴とす
    る請求項15記載の繊維構造物の製造方法。
  18. 【請求項18】前記減量加工がアルカリ性化合物による
    ポリエステル繊維の減量加工であることを特徴とする請
    求項8記載の繊維構造物の製造方法。
  19. 【請求項19】減量率が3%以上20%以下であること
    を特徴とする請求項18記載の繊維構造物の製造方法。
  20. 【請求項20】前記アルカリ性化合物の濃度が10g/
    l以上300g/l以下の水溶液に繊維構造物を浸漬し
    て50℃以上200℃以下の温度で処理することを特徴
    とする請求項18記載の繊維構造物の製造方法。
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