JPH09208720A - 金属板ラミネート用積層ポリエステルフイルム - Google Patents

金属板ラミネート用積層ポリエステルフイルム

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JPH09208720A
JPH09208720A JP8020043A JP2004396A JPH09208720A JP H09208720 A JPH09208720 A JP H09208720A JP 8020043 A JP8020043 A JP 8020043A JP 2004396 A JP2004396 A JP 2004396A JP H09208720 A JPH09208720 A JP H09208720A
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JP
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polyester
film
laminated
metal plate
layer
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JP8020043A
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Nobutaka Funayama
信孝 舟山
Takeshi Tsuchiya
剛 土屋
Katsumi Kida
克己 木田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板ラミネート用ポリエステルフイルムに
関するもので、接着性、耐衝撃性、味特性、成形性に優
れた、食品用容器に好適な金属板ラミネート用積層ポリ
エステルフイルムを提供する。 【解決手段】 フイルムの一方の面が金属板とラミネー
トして用いられる積層フイルムにおいて、金属板にラミ
ネートされるポリエステル層(B)のカルボキシ末端基
の含有量が40当量/トン以上であり、かつ表面にコロ
ナ放電処理が施されていることを特徴とする金属板ラミ
ネート用積層ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属板ラミネート用
ポリエステルフイルムに関するものである。詳しくは、
接着性、耐衝撃性、味特性、成形性に優れた、食品用容
器に好適な金属板ラミネート用積層ポリエステルフイル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来金属製の食品容器の内面及び外面は
腐蝕防止を目的として、エポキシ系、フェノール系等の
各種熱硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたものを
塗布し、金属板表面を被覆することが広く行われてき
た。しかし、このような熱硬化性樹脂の被覆方法は塗料
の乾燥に長時間を要し、生産性が低下したり、多量の有
機溶剤による環境汚染など好ましくない問題がある。
【0003】これらの問題を解決するために、金属容器
の材料である鋼鈑、アルミニウム板あるいは該金属板に
メッキ等各種の表面処理を施した金属板にポリエステル
フイルムをラミネートしたり、ポリエステルフイルムが
ラミネートされている金属板を成型加工あるいは、絞り
成型加工して金属容器をすることが行われているが、か
かるポリエステルフイルムには次のような特性が要求さ
れる。
【0004】(1)金属容器に対する衝撃によって、ポ
リエステルフイルムが剥離したり、クラック、ピンホー
ルが発生したりしないこと。
【0005】(2)ポリエステルフイルムから発生する
臭いを伴う成分によって内容物の風味が損なわれないこ
と。
【0006】(3)金属容器の香り成分がポリエステル
に吸着しないこと。
【0007】これらの要求を満足させるために多くの提
案がなされており、例えば特開平5−33948号公報
には金属板との接着性を向上させるために一定量カルボ
キシル基を導入することが開示されている。しかし、こ
の方法では金属板との密着性には優れるものの、耐熱性
に劣るため、金属容器に加工後レトルト処理等によりク
ラックが入ったり、また味特性に関しては満足できるレ
ベルであるとは言えなかった。また特開平6−7174
7号公報では、金属板との接着性を向上するために金属
板とラミネートする面に片面にコロナ処理を施すことが
開示されているが、初期の密着性には優れるもの、金属
容器に加工後の時間経過とともに接着性が低下する欠点
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記し
た従来技術の問題点を解消することにあり、耐衝撃性、
味特性、加工性に優れた、食品用容器に好適な金属板ラ
ミネート用積層ポリエステルフイルムを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、フイルムの一方の面が金属板とラミネートして用い
られる積層フイルムにおいて、金属板にラミネートされ
るポリエステル層(B)のカルボキシ末端基の含有量が
40当量/トン以上であり、かつ表面にコロナ放電処理
が施されていることを特徴とする金属板ラミネート用積
層ポリエステルフイルムによって達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルと
は、ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリマ
であり、ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、フタル酸等芳香族ジカルボン酸、シュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
マレイン酸、フタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロ
ヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オ
キシ安息酸等のオキシカルボン酸等を挙げることができ
る。なかでもこれらのジカルボン酸成分の内テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が耐衝撃
性、味特性の点で好ましい。一方、グリコール成分とし
ては、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、
ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、
シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコー
ル等が挙げられる。中でもこれらのグリコール成分の内
エチレングリコールが耐衝撃性、味特性の点から好まし
い。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分
は2種類以上を併用してもよい。
【0011】また、本発明の効果を阻害しない限りにお
いて、共重合ポリエステルにトリメリット酸、トリメシ
ン酸、トリメチロールプロパン等の多官能化合物を共重
合してもよい。
【0012】本発明の積層ポリエステルフイルムとして
は、金属板にラミネートされるポリエステル層(B)は
カルボキシル末端基の含有量が40当量/トン以上であ
る。45当量/トン以上であることが好ましい。カルボ
キシ末端基の含有量が40当量/トン未満であると金属
板と熱接着する際の密着性がおとり、フイルムが金属板
から剥がれやすくなる。カルボキシル末端基の含有量を
40当量/トン以上にする方法としては、特に限定しな
いが重合反応温度を融点+20℃以上に上げる方法、エ
ステル化反応率94%以下に下げる方法、製膜時に自身
の回収率を高くする方法、製膜時に押出し温度を融点+
50℃以上あげて押出す方法などを適宜組合わせて採用
することができる。
【0013】本発明の積層ポリエステルフイルムにおい
ては、上述の金属板とラミネートする面にコロナ放電処
理が施されている。コロナ放電処理は、自己放電方式、
直流放電方式、交流放電方式等の従来公知の方法を採用
できる。コロナ放電処理の程度は、濡れ張力が45〜6
0dyne/cm になるように処理するのが金属板との接着性
の点で好ましい。放電処理の強度は10〜50W・min
/mが適当であり、空気中で処理しても良いが、特に窒
素雰囲気中で行うのが金属板との接着性の点で好まし
い。
【0014】また、金属板にラミネートされないポリエ
ステル層(A)のアセトアルデヒド含有量が20ppm
以下であることが、味特性の点で好ましく、さらに好ま
しくは10ppm以下である。フイルム中のアセトアル
デヒドの含有量を20ppm以下にする方法としては、
特に限定するものではないが、例えばポリエステルの重
縮反応時等で熱分解によって発生するアセトアルデヒド
を除去するために、ポリエステルを減圧下あるいは不活
性ガス雰囲気中において(融点−150℃)〜(融点−
50℃)の温度で固相重合する方法、ベント付押出機を
使用して溶融時に発生するアセトアルデヒドを取除きな
がら製膜する方法、ポリエステルを溶融押出しする際に
押出し温度を融点以上融点+50℃以下、好ましくは融
点以上融点+40℃以下で、溶融してから冷却固化する
までの時間を10分以内として押出す方法等を挙げるこ
とができる。
【0015】また、ポリエステル層(A)の固有粘度
(IVA )が0.6〜0.9であって、ポリエステル層
(B)の固有粘度との差(IVA −IVB )が0.05
未満であることが好ましく、0.02以下であることが
より好ましい。ポリエステル層(A)の固有粘度(IV
A )が0.6未満であると耐衝撃性、加工性に劣り、ラ
ミネート鋼板に折り曲げ加工を施した際にフイルムのク
ラックが入り金属板の表面に錆が発生することがある。
ポリエステル層(B)の固有粘度との差が0.05以上
あると積層した際にカールが発生しやすくなり金属板に
ラミネートすることが困難となることがある。
【0016】本発明のポリエステルフイルムはポリエス
テル層(A)の表面粗さ(Ra)が5nm以上15nm
未満であり、ポリエステル層(B)の表面粗さ(Ra)
が15nm以上30nm以下であることが好ましい。ポ
リエステル層(B)の表面粗さが15nm未満であると
フイルムを巻取り性が悪化することがあり、30nmを
超えると金属板との密着性が悪化することがある。ポリ
エステル層(A)の表面粗さ(Ra)が5nm未満であ
るとフイルムを巻き取った際にフイルム同士が密着しブ
ロッキングが発生し、15nmを超えると炭酸飲料を入
れる際に泡立ちが発生し炭酸飲料の封入が困難になるこ
とがある。かかるポリエステル(A)層の表面粗さを得
るためには、平均粒子径0.01〜0.5μmの無機粒
子及び/または有機粒子を0.001〜0.1重量%添
加することが好ましい。かかるポリエステル(B)層の
表面粗さを得るためには0.5〜3.0μmの無機粒子
及び/または有機粒子が0.001〜0.1重量%含有
されていることが好ましい。無機粒子及び/または有機
粒子としては、例えば湿式シリカ、乾式シリカ、コロイ
ド状シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カル
シウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、
クレー等の無機粒子、スチレン、シリコ−ン、アクリル
酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼン等
を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。こ
れらの無機粒子及び/または有機粒子は2種類以上を併
用してもよい。
【0017】また本発明のポリエステルは味特性の点か
らポリエステル中のオリゴマの含有量を0.8重量%以
下とすることが好ましく、さらには0.6重量%以下と
することが好ましい。ポリエステル中のオリゴマの含有
量が0.8重量%を超えると味特性に劣ることがある。
ポリエステル中のオリゴマ量を0.8重量%以下とする
方法は特に限定されていないが、上述のポリエステルの
アセトアルデヒド含有量を減少させる方法と同様の方法
等を採用することで達成できる。
【0018】本発明のポリエステルフイルム製造は、従
来公知の任意の方法を採用することができ、特に限定さ
れるものではない。例えばポリエチレンテレフタレート
にイソフタル酸成分を共重合する場合で説明する。テレ
フタル酸成分、イソフタル酸成分とエチレングリコール
をエステル交換又はエステル化反応せしめ、ついで重合
触媒として二酸化ゲルマニウムを添加し、引続き高温、
減圧化で重縮合反応せしめ重合体を得る。本発明のポリ
エステルを製造する際には、従来公知の反応触媒、着色
防止剤を使用することができ、反応触媒としては例えば
アルカリ金属化合物、アリカリ土類金属化合物、亜鉛化
合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ア
ルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物
等、着色防止剤としては例えば、リン化合物等を挙げる
ことができる。
【0019】さらに本発明の積層ポリエステルフイルム
を製造するにあたり、必要により酸化防止剤、可塑剤、
帯電防止剤、耐候剤などの添加剤も適宜使用することが
できる。本発明におけるポリエステルフイルムは、未延
伸のシート状のものでもよいし、一軸または二軸に延伸
された延伸フイルムであってもよい。
【0020】本発明のポリエステルフイルムの厚さは特
に限定されないが、金属容器への成形加工性、耐衝撃
性、味特性を考慮すると、10〜50μmが好ましく、
さらに好ましくは15〜40μmである。さらに積層フ
イルムとしては、ポリエステル(A)層の厚みとポリエ
ステル(B)層の厚みの比として、1:10〜1:1
(A:B)であることが味特性、耐衝撃性の点で好まし
く、特に1:8〜1:3であることが味特性の点で好ま
しい。
【0021】本発明のポリエステルフイルムは従来公知
の任意の方法を用いて製膜することができる。次に本発
明の積層フイルムの製造方法の一例について述べるが本
発明はこれに限定されるものではない。
【0022】ポリエステルAとしてイソフタル酸16モ
ル%共重合ポリエチレンテレフタレート( [η] =0.
69、融点215℃、アセトアルデヒド8ppm)、ポ
リエステルBとしてイソフタル酸16モル%共重合ポリ
エチレンテレフタレート( [η] =0.70、融点21
5℃、カルボキシル末端基45当量/トン)を用い、ポ
リエステルAは、2軸ベント式の押出機(押出温度は、
融点+20℃に設定)に、またポリエステルBは150
℃で4時間真空乾燥した後、通常の一軸押出し機にそれ
ぞれ供給し溶融する。次にフィードブロックにて二層に
積層して通常のTダイから吐出後、冷却ドラムにて冷却
固化して未結晶フイルムを得る。
【0023】また前記したポリエステル未結晶フイルム
を同時あるいは逐次2軸延伸する方法を行ってもよい。
また逐次2軸延伸の場合、フイルムの長手方向あるいは
幅方向の延伸を2回以上行うことも可能である。フイル
ムの長手方向及び幅方向の延伸倍率は目的とするフイル
ムの配向度、強度、弾性率に応じて設定できるが、それ
ぞれ好ましくは2.0〜4.0倍である。
【0024】長手方向、幅方向の延伸倍率はどちらかを
大きくとってもよいが、好ましくは長手方向に対する幅
方向の延伸倍率の比は0.7〜1.3、更に好ましくは
0.8〜1.2の範囲である。
【0025】また延伸温度はポリエステルのガラス転移
温度以上、結晶化温度以下の範囲であれば任意の温度と
することができるが、通常は80〜150℃が好まし
い。更に2軸延伸の後にフイルムの熱処理を行うことが
できる。
【0026】熱処理温度はポリエステルの結晶化温度以
上、軟化点以下の任意の温度とすることができるが、好
ましくは120〜240℃である。また熱処理時間は任
意とすることができるが、通常5〜120秒間処理する
のが好ましい。熱処理はフイルムをその長手方向及び/
または幅方向に弛緩させつつ行ってもよい。
【0027】本発明の金属板については特に限定されな
いが、成形性の点で鉄やアルミニウムなどを素材とする
金属板が好ましい。さらに、鉄を素材とする金属板の場
合、その表面に接着性や耐腐蝕性を改良する無機酸化物
被膜層、例えばクロム酸処理、リン酸処理、クロム酸/
リン酸処理、電解クロム酸処理、クロメート処理等で代
表される化成処理被覆層を設けてもよい。特に金属クロ
ム換算値でクロムとして6.5〜150mg/m2のク
ロム水和酸化物が好ましく、さらに展延性金属メッキ
層、例えばニッケル、スズ、亜鉛、アルミニウム、砲
金、黄銅などを設けてもい。スズメッキの場合0.5〜
15mg/m2、ニッケルまたはアルミニウムの場合
1.8〜20g/m2のメッキ量を有するものが好まし
い。
【0028】本発明の金属板ラミネート用フイルムは絞
り成形やしごき成形によって製造される2ピース金属缶
の内面または外面被覆用に好適に使用できる。また2ピ
ース缶の蓋部分、あるいは3ピース缶の胴、蓋、底の被
覆用としても良好な金属板との接着性、成形性を有する
ため好ましく使用することができる。特に外面被覆用に
は着色した本発明フイルムを使用することができる。こ
のため、ポリエステル(B)層に着色剤を配合すること
ができ、着色剤としては白色系、赤色系などが好ましく
使用され、酸化チタン、亜鉛華、リトホン、無機または
有機顔料などから選ばれた着色剤を10〜40重量%添
加することが好ましい。添加量が10重量%未満である
と色調、白色性などの点でおとり好ましくないことがあ
る。必要に応じて、ピンキング剤、ブルーイング剤、増
白剤などを併用してもよい。
【0029】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳細に説明す
る。なおポリエステルフイルムの特性は以下の方法によ
り測定した。
【0030】(1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し25℃
において測定した。
【0031】(2)ポリエステルまたはフイルム中のア
セトアルデヒド含有量 ポリエステルフイルムの微粉末を2g採取しイオン交換
水と共に耐圧容器に入れ、120℃で60分間水抽出
後、高感度ガスクロで定量測定した。
【0032】(3)カルボキシル末端基(当量/トン) ポリエステルをo−クレゾール/クロロホルム(重量比
7/3)に90〜100℃、20分の条件で溶解し、ア
ルカリで電位差滴定をして測定した。
【0033】(4)フイルムの濡れ張力の測定(dyne/c
m) JIS−K6768の方法に準じて測定した。
【0034】(5)ポリエステル中のオリゴマ含有量 ポリエステル100mgをオルソクロロフェノール1m
lに溶解し、液体クロマトグラフ(Varian社製モデル8
500)で環状三量体を測定しオリゴマ量とした。
【0035】(6)接着性 180〜230℃の温度に加熱された金属ロールとシリ
コンゴムロールの間にポリエステルフイルム面とSnメ
ッキしたブリキ板とを合わせ、圧力20kg/cmで加
圧接着し、その直後水槽で急速に冷却した。該ラミネー
ト板の接着力を角度180°での剥離テストにより求め
て接着力250g/cm以上のものを合格とした。
【0036】(7)成形性 上記(6)の方法でフイルムをラミネートした金属板を
プレス成形機(センバ鉄工製、VAS−33P型)で1
00kg/cm2の圧力でポリエステルフイルムのガラ
ス転移温度以上結晶化温度以下の温度で成形を行い、径
Dが100mm、深さhが130mmの絞り比(h/
D)1.3のカップを得た。このカップ内に1%の食塩
水を入れて、全体を90℃に加熱して7日間放置後、缶
内に発生する錆の状況から以下の基準で成形性を判断し
た。 A:錆の発生なし B:1mm以下の錆が5個以内 C:多数の錆が発生
【0037】(8)耐衝撃性 上記(7)で成形後、ポリエステルの融点−10℃の温
度で5分間熱処理を行い、容器側面及び容器底の外面に
300gの金属球を落とし衝撃を加えてと(6)と同様
の方法で1週間放置後衝撃を加えた部分の錆の発生を観
察し(6)同様の評価を行った。
【0038】(9)味特性 15cm×15cmに切り出したラミネートした金属板
を、香料水溶液(d−リモネン20ppm水溶液)に5
日間浸漬し、ついで金属板を80℃で30分間窒素気流
中で加熱し追い出される成分を、ガスクロマトグラフィ
ーによりフイルム1gあたりのd−リモネンの吸着量を
定量しフイルムの味特性を評価した。また成形した金属
容器に香料水溶液(d−リモネン20ppm水溶液)を
入れ、密封後1ヶ月放置し、その後開封して官能検査に
よって臭気変化を以下の基準で評価した。 A:臭気に変化が見られない。 B:臭気に僅かに変化が認められる。 C:臭気に変化が認められる。
【0039】(10)表面粗さ 触針式2次元表面粗さ計(小坂研究所SE-SFA)でフイル
ムの長手方向に4mm測定し(カットオフ0.25m
m)粗さを測定し、JISB0601で規定された表面
平均粗さをもとめた。
【0040】(11)泡立ち性 (7)の方法で作られた金属容器に20℃に調温された
炭酸飲料(コカコーラ)を入れ、泡立ちを観察し以下の
基準で評価した。 A:僅かに泡が発生するが液面は波立ない。 B:泡立ち液面が波立つ。 C:液面が波立ち炭酸飲料が容器からこぼれる。
【0041】(12)巻取り性 製膜したポリエステルフイルムを巻きとったロールを観
察し以下の基準で評価した。 A:問題なし B:軽いシワが認められる C:巻取り不良
【0042】(13)カール 製膜したフイルムを10cm×10cmの大きさに切り
取り、ガラスの上に置きガラス面からの端部の浮上がり
を測定し以下の基準で評価した。 A:1mm以下 B:2mm〜4mm C:5mm以上
【0043】実施例1 ポリエステルAとしてイソフタル酸16モル%共重合ポ
リエチレンテレフタレート( [η] =0.69、アセト
アルデヒド量8ppm、ポリエステルBとしてイソフタ
ル酸16モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(
[η] =0.66)を重合し、ポリエステルAは、2軸
ベント式の押出し機(押出し機の温度は、融点+30℃
に設定、平均滞留時間8分)で溶融、ポリエステルBは
150℃で3時間熱風乾燥したのち1軸の押出機で溶融
し、しかる後にフィードブロックにて2層(積層比ポリ
エステルA:ポリエステルB=1:6)に積層しTダイ
から吐出後冷却ドラムにて冷却し315μmのキャスト
フイルムを得た。得られたキャストフイルムを90℃に
て長手方向に3.2倍延伸した。この1軸フイルムをス
テンタを用いて100℃で幅方向に3.1倍延伸し定長
下で175℃で20秒間熱処理したのち、窒素雰囲気中
でポリエステルB層にコロナ放電処理を施し巻取り機で
ロール状に巻きり、厚さ35μmの積層フイルムを得
た。
【0044】かくして得られた2層積層フイルムの物性
を表1に示す。巻きとったロールの巻き姿はシワはなく
良好であった。またフイルムのカールも少なく、積層フ
イルム(B層を金属板とのラミネート面)と金属板のラ
ミネートは問題なかった。表からわかるように、ラミネ
ート接着性、成形性、耐衝撃性、味特性、泡立ち性、臭
気変化とも良好であった。
【0045】実施例2〜5 共重合成分量、共重合成分、重合条件、フイルム積層比
等を変更し、実施例1と同様の方法で積層ポリエステル
フイルムを得た。表1に結果を示す。この結果、本発明
の積層ポリエステルフイルムは優れたラミネート接着
性、成形性、耐衝撃性、味特性、泡立ち性を有している
ことがわかった。
【0046】比較例1 ポリエステルAのアセトアルデヒドの量が30ppm、
ポリエステルBのカルボキシル末端基の量が30当量/
トンであること以外は、実施例1と同様の方法で積層ポ
リエステルフイルムを得た。この結果アセトアルデヒド
が多いため臭気変化が大きく、またカルボキシル末端基
が少ないために金属板との接着性が劣っていた。
【0047】比較例2 ポリエステルBの [η] を0.59にしてコロナ処理を
せずに、他は実施例1と同じ方法で積層ポリエステルを
得た。ポリエステルB層の [η] が低いために成形性、
耐衝撃性が劣った。また積層フイルムのカールが大きく
ラミネート時にシワが発生した。コロナ放電処理をしな
いとカルボキシル基が多くても金属板との接着性が劣っ
ていた。
【0048】比較例3 ポリエステルAの表面粗さを22nmとし、比較例2と
同じ方法で積層ポリエステルフイルムを得た。また、ポ
リエステルA層の表面粗さが大きいために炭酸飲料を入
れた時の泡立ちが大きく容器から炭酸飲料がこぼれた。
また積層フイルムのカールが大きくラミネート時にシワ
が発生した。コロナ放電処理をしないとカルボキシル基
が多くても金属板との接着性が劣っていた。
【0049】比較例4 ポリエステルBの表面粗さを12nmにし、コロナ処理
をせずに他は実施例3と同じ方法で積層フイルムを得
た。フイルムを巻きとった際、フイルムの滑りが悪くシ
ワが入った状態で巻きとられた。
【0050】
【発明の効果】本発明の金属板ラミネート用積層ポリエ
ステルフイルムは接着性、成形性、耐衝撃性、味特性、
泡立ち性、臭気変化に優れており、成形加工によって製
造される金属容器に好適に使用することができる。
【0051】
【表1】
【表2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルムの一方の面が金属板とラミネー
    トして用いられる積層フイルムにおいて、金属板にラミ
    ネートされるポリエステル層(B)のカルボキシ末端基
    の含有量が40当量/トン以上であり、かつ表面にコロ
    ナ放電処理が施されていることを特徴とする金属板ラミ
    ネート用積層ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 金属板にラミネートされないポリエステ
    ル層(A)の固有粘度(IVA )が0.6〜0.9であ
    って、前記ポリエステル層(B)の固有粘度(IVB )
    との差(IVA −IVB )が0.05未満であることを
    特徴とする請求項1記載の金属板ラミネート用積層ポリ
    エステルフイルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル層(A)のアセトアル
    デヒド含有量が20ppm以下であることを特徴とする
    請求項1または2記載の金属板ラミネート用積層ポリエ
    ステルフイルム。
  4. 【請求項4】 前記ポリエステル層(A)の表面粗さ
    (Ra)が5nm以上15nm未満であり、前記ポリエ
    ステル層(B)の表面粗さ(Ra)が15nm以上30
    nm以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか
    に記載の金属板ラミネート用積層ポリエステルフイル
    ム。
  5. 【請求項5】 前記コロナ処理が、窒素雰囲気で行われ
    たものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の金属板ラミネート用積層ポリエステルフイル
    ム。
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