JPH0971667A - 金属板ラミネート用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた金属ラミネート体 - Google Patents

金属板ラミネート用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた金属ラミネート体

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JPH0971667A
JPH0971667A JP22805295A JP22805295A JPH0971667A JP H0971667 A JPH0971667 A JP H0971667A JP 22805295 A JP22805295 A JP 22805295A JP 22805295 A JP22805295 A JP 22805295A JP H0971667 A JPH0971667 A JP H0971667A
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善紀 武川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板へのラミネート体が、製缶時の絞り・
しごき工程でピンホール、クラック、剥離の発生が少な
く、従って優れた加工性および耐蝕性を有するような金
属板ラミネート用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルと不活性粒子とを含有する
ポリエステルフィルムであって、特定の厚みのポリエス
テルフィルムに対して、下記式[1]および [2]を満
たす不活性粒子がポリエステルに対して特定量が有され
ている金属板ラミネート用ポリエステルフィルム。 0<R−t<10 [1] 1<R/t<1.5 [2] (式中、Rは不活性粒子の粒径(μm)、tはポリエス
テルフィルムの全厚み (μm)を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板ラミネート
用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた金属ラミネ
ート体に関し、より詳しくは、金属ラミネート体が、製
缶時の絞り・しごき工程において、優れた加工性および
耐蝕性を有するような金属板ラミネート用ポリエステル
フィルムおよびそれを用いた金属ラミネート体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ビール、ジュース等の缶を製
造する際には、まず、ブリキ、ティンフリースチール
(TFS)、アルミニウム等の金属板に1回あるいは複
数回にわたって塗装を行い、次いでこれを製缶してい
た。しかし、このように複数回の塗装を行うことは、焼
き付け工程が煩雑であるばかりでなく、多大な時間を必
要としていた。また、塗装時に大量の溶剤を排出するた
め、環境、衛生上の問題を有していた。
【0003】これらの問題を解決するために、熱可塑性
樹脂フィルムを金属板にラミネートし、これを製缶する
方法が試みられており、特に、耐熱性、安全性の面から
熱可塑性樹脂フィルムとしてポリエステルフィルムを用
いたものが注目されている。その一例としては、ポリエ
ステルフィルムを接着剤層を介して金属板にラミネート
したものを製缶する方法(特公昭62−61427号公
報)、あるいはポリエステルフィルムを接着剤を用いる
ことなく金属板にラミネートしたものを製缶する方法
(特公昭60−47103)等が開示されている。
【0004】しかし、これらの方法はいずれも製缶時の
絞り・しごき加工等の激しい加工条件でのポリエステル
フィルムのピンホール、クラック、剥離等の発生し、さ
らにそれらに伴う金属板表面の腐蝕等の問題が生じるこ
とがわかった。
【0005】上記の問題を解決する方法として、特開昭
61−149340号公報には、二軸配向ポリエステル
フィルムの融点以上の温度に加熱した金属板に二軸配向
ポリエステルフィルムをラミネートし、次いで急冷する
ことによりポリエステルの熱溶融部分の接着層のみを未
配向のポリエステル樹脂層とする方法が開示されてい
る。また、特表平2−501638号公報には、ポリエ
ステルフィルムを金属板にラミネートする際、ポリエス
テルフィルムの外側表面の温度がポリエステルの融点以
下となるように金属板を加熱してラミネートし、次いで
これをポリエステルの融点以上の温度に再加熱しその温
度に保持した後、ポリエステルのガラス転移点以下の温
度まで急冷することにより、全フィルム層を非晶化する
方法が試みられている。また、特開平4−105922
号公報には、平均粒径が2.5μm以下、粒径比が1.
0〜1.2の球状単分散滑剤粒子を含有し、フィルム面
の全方向に均一に配向した共重合ポリエステルフィルム
を用いることにより、ポリエステルフィルムの耐ピンホ
ール性、耐クラック性を改良する方法が示されている。
さらに、特公平6−102646号公報には、ポリエス
テルフィルムの表面より内部にアンチブロッキンク剤粒
子を埋没させることにより、製缶時のアンチブロッキン
グ剤粒子による内面欠陥を防ぐ方法が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報の方
法はそれぞれに以下のような問題点があり、いまだ十分
な加工性、耐蝕性を有するラミネート材を得ることがで
きなかった。特開昭61−149340号公報の方法で
は、二軸配向ポリエステルフィルムの配向結晶層が残っ
ているために、絞り・しごき加工に十分に耐えることが
できなかった。また、特開平4−105922号公報の
方法でも、金属ラミネート体の絞り加工工程における成
形性は満足するが、さらに過酷な条件が課されるしごき
加工工程における成形性が十分ではなかった。さらに、
特表平2−501638号公報の方法では、ポリエステ
ルフィルムの加熱による溶融と急冷により金属板との接
着性、変形性は向上するが、表面が平坦であるため金属
ラミネート体の絞り・しごき加工工具との滑り性が悪く
なり、特殊な加工条件を選択しない限りそれだけでは加
工性が十分ではなかった。さらにまた、特公平6−10
2646号公報の方法では、金属板へのラミネート時に
溶融する場合を想定すると、フィルム表面の突起を形成
している粒子がフィルムの溶融によって表面より内部へ
埋没するため表面が平坦化し、上記と同様に金属ラミネ
ート体の絞り・しごき加工工具との滑り性が悪くなり、
特殊な加工条件を選択しない限りそれだけでは加工性が
十分ではなかった。
【0007】本発明は上記の点を解決しようとするもの
であり、その目的は、金属板へのラミネート体が、製缶
時の絞り・しごき工程でピンホール、クラック、剥離の
発生が少なく、従って優れた加工性および耐蝕性を有す
るような金属板ラミネート用ポリエステルフィルムおよ
びそれを用いた金属ラミネート体を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
と不活性粒子とを含有するポリエステルフィルムであっ
て、ポリエステルフィルムの厚さ7〜50μmであり、
かつ下記式[1]および[2]を満たす不活性粒子の含
有量がポリエステルに対して1〜100ppmであるこ
とを特徴とする金属板ラミネート用ポリエステルフィル
ムである。 0<R−t<10 [1] 1<R/t<1.5 [2] (式中、Rは不活性粒子の粒径(μm)、tはポリエス
テルフィルムの全厚み(μm)を示す) また本発明は、金属板と、この金属板上に積層された請
求項1に記載の金属板ラミネート用ポリエステルフィル
ムとを含有する金属ラミネート体である。好適な実施態
様は、上記金属ラミネート体は、ポリエステルフィルム
の少なくとも表面が配向していないことであり、金属板
にポリエステルフィルムを熱融着させ、次いでポリエス
テルフィルムの融点以上の温度で再度加熱し、ポリエス
テルフィルムが融点以上の温度に達した後で直ちに急冷
してなる。
【0009】次に本発明を詳細に説明する。本発明の金
属板ラミネート用ポリエステルフィルムは、ポリエステ
ルと不活性粒子とを含有する。このポリエステルは、芳
香族ジカルボン酸残基とグリコール残基を主な構成単位
とする。その酸成分としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が好ましく、
またグリコール成分としては、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール等が好ましい。とりわけ、ポリ
エチレンテレフタレートが耐衝撃性、耐熱性、保香性の
点で好ましい。このポリエチレンテレフタレートには、
本発明の目的を達成するためにテレフタル酸およびグリ
コール以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他の
共重合成分は酸成分でもグリコール成分でもどちらでも
よく、酸成分としては、イソフタル酸、オルトフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸等が挙げられる。また、グリコール成
分としては、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール等があげられる。こ
れらは単独または2種類以上を併用することができる。
【0010】上記の他の共重合成分の割合は、ポリエス
テルを構成するジカルボン酸成分およびグリコール成分
の全モル数に対して、好ましくは30モル%以下、より
好ましくは15%以下である。この成分の割合が30%
を超えると、得られるポリエステルフィルムの耐衝撃
性、耐熱性が悪くなるばかりでなく、保香性も悪くなる
ので好ましくない。
【0011】ポリエステルフィルムに含有される不活性
粒子は、ポリエステルフィルムの成形時およびこのフィ
ルムの金属板へのラミネート時にフィルム中に粒子とし
て残り得る粒子であり、有機系、無機系のいずれでもよ
く、無機系粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸
化チタン等の金属酸化物およびそれらの複合酸化物;カ
オリン、タルク、ゼオライト、ムライト等の天然、合成
の酸化物;炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の難溶性無
機金属塩等が挙げられる。有機系粒子としては、例えば
架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子等の有機粒子;
カルシウム、マグネシウム、リチウム等のポリエステル
生成触媒金属と、テレフタル酸等の酸成分およびポリエ
ステル生成中間体オリゴマ−等のエステル残基との有機
塩等が挙げられる。中でも、透明性、耐けずれ性、フィ
ルム製膜時の破断防止の点から、無機の金属酸化物、と
りわけシリカが好ましい。これらの粒子は単独でも2種
以上併用してもよい。
【0012】上記不活性粒子中、上記式[1]および
[2]を満足する不活性粒子の含有量は1〜100pp
mである。この不活性粒子の粒径が上記式[1]および
[2]の範囲よりも小さい場合、得られる金属ラミネー
ト体の絞り・しごき工程で、ポリエステルフィルムのピ
ンホール、クラック、剥離が発生して加工性および耐蝕
性が悪くなる。逆にこの不活性粒子の粒径が上記式
[1]および[2]の範囲よりも大きい場合、得られる
金属ラミネート体の絞り・しごき工程でのポリエステル
フィルムの破断、クラックが多くなり、さらに含有量が
大きくなるにつれてピンホールによる耐蝕性の悪化が顕
著になってくる。また、得られるポリエステルフィルム
製膜時に破断が発生する。
【0013】上記の不活性粒子の含有量がlppm未満
では、得られる金属ラミネート体の絞り・しごき工程
で、ポリエステルフィルムのピンホール、クラック、剥
離が発生して加工性および耐蝕性が悪くなる。逆に、1
00ppmを超えると、金属ラミネート体の製缶時の加
工性にもはやそれ以上の効果が発揮されないばかりでな
く、耐蝕性、保香性において悪影響が現れる。不活性粒
子の含有量は、好ましくは10〜50ppm、より好ま
しくは10〜30ppmである。
【0014】上記の不活性粒子は、必要に応じて、それ
自体公知の方法により湿式、乾式の粉砕、分級等の処理
を行い、粒径を整えることができる。また上記不活性粒
子の形状は、特に限定されるものではないが、硬度、ポ
リエステル樹脂との密着力等の点から、一次粒子の凝集
してなる球状粒子、塊状粒子または無定形粒子が好まし
い。また、上記不活性粒子の粒度分布は、フィルムの厚
みを大きく超過する粗大粒子の存在を未然に防ぐため
に、均一で単分散なものが好ましい。
【0015】本発明のポリエステルフィルムは、上記不
活性粒子以外に、本発明の目的を阻害しない範囲内で、
一般にフィルムの滑り性を付与する滑剤粒子を含有して
もよい。この滑剤粒子の種類としては公知のものを用い
ることができ、上記不活性粒子と同一の粒子でもよい
し、異なっていてもよい。滑剤粒子の例としては、シリ
カ、アルミナ、カオリン、タルク、ゼオライト、酸化チ
タンが挙げられるが、これらに限定されない。また2種
類以上の粒子を併用することもできる。用いる滑剤粒子
の平均粒径は0.5〜2.5μmの範囲内であることが
滑り性その他の点で好ましい。滑剤粒子の含有量は平均
粒径の大小によって決められ、平均粒径の大きいものは
少量、小さいものは多量に添加される。例えば、平均粒
径が2.0μmのシリカ粒子の添加量は1000ppm
程度が好ましい。
【0016】本発明のポリエステルフィルムの厚みは、
所望の缶の種類、用途や、用いる金属板の種類と厚み、
さらには絞り・しごき加工工具の種類により様々である
が、7〜50μm、好ましくは10〜25μm、特に好
ましくは15〜20μmである。フィルム厚みが7μm
未満では、ポリエステルフィルムが上記不活性微粒子を
含有しても、十分な加工性および耐蝕性を有する金属ラ
ミネート体を得ることができない。逆にフィルム厚みが
50μmを超えると、絞り・しごき加工における激しい
加工変形にポリエステルフィルム自体の特性が追随でき
なくなり、十分な加工性を得ることができないのみでな
く、生産性、コスト面での不利益が無視できなくなる。
【0017】本発明のポリエステルフィルムをラミネー
トして成形加工する金属板としては、ブリキ、ティンフ
リースチール(TFS)、アルミニウム等をあげること
ができる。これらの金属板は必要に応じてリン酸塩処
理、クロム酸処理、スズめっき、亜鉛めっき、ニッケル
めっき等の表面処理を施していてもよい。
【0018】次に本発明のポリエステルフィルムの製造
方法の一例を説明するが、これに制約されるものではな
い。ポリエステルフィルムの原料となるポリエステル樹
脂の製法は、従来のエステル交換法、直接重合法等の方
法を用いて行われるが、直接重合法で合成する方法が保
香性の点で好ましい。また、固相重合等の方法で環状オ
リゴマー等を減少させることにより、保香性をさらに向
上することができる。また必要に応じて酸化防止剤、紫
外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、着色剤、顔料等を
添加してもよい。
【0019】ポリエステル中に不活性粒子を添加する方
法としては、例えば、ポリエステル樹脂の製造過程でポ
リエステル重縮合反応が実質的に完了する前の任意の段
階で不活性粒子のスラリーを添加し、次いで重縮合反応
を完結させる方法、また、ポリエステル樹脂と不活性粒
子または不活性粒子のスラリーを混練押出しする方法等
があるが、これに制約するものではない。
【0020】次に、得られたポリエステル樹脂を用いて
ポリエステルフィルムに成形する方法としては、押出機
で溶融した樹脂を円形のダイを用いてチューブ状に押出
して、内外の気圧差によって膨張させるインフレーショ
ン法、押出機で溶融した樹脂をTダイを用いてシート状
に押出し、次いで同時あるいは逐次に二軸延伸する方
法、あるいは一軸のみ延伸する方法、あるいは延伸をし
ない方法等があるが、二軸延伸による方法が好ましい。
例えば、まず不活性粒子を含有するポリエステル樹脂を
乾燥させ、押出機を用いて溶融し、Tダイ口金から吐出
し冷却ドラム上で冷却して未延伸フィルムを得る。この
とき押出機からTダイ直前までのメルトラインに必要に
応じて適当な孔径のポリマーフィルターを設置して粗大
粒子の解砕、除去を行うことが好ましい。引き続いてこ
のフィルムを加熱ロールを用いて60〜120℃に加熱
し、回転速度の異なる2つ以上のロール間で2〜6倍に
延伸する。さらにこのフィルムをテンター内に導入し、
60〜130℃で横方向に2〜6倍に延伸し、引き続い
て120〜240℃で緩和および熱処理することにより
二軸配向フィルムを得る。
【0021】上記のようにして得られたポリエステルフ
ィルムを金属板に貼り合わせ金属ラミネート体を製造す
る。その方法としては、例えば、 (1)金属板を加熱炉、
誘導加熱ロール、熱媒加熱ロール等でポリエステルフィ
ルムの融点以上の温度に加熱しラミネートロールに導入
しフィルムを熱融着させる方法、 (2)金属板にポリエス
テルフィルムを熱融着させた後の金属ラミネート体を加
熱炉に導入してポリエステルフィルムの融点以上の温度
で再度加熱し、ポリエステルフィルムが融点以上の温度
に達した後で直ちに急冷する方法、 (3)ポリエステルフ
ィルムの粘着開始温度以上、融点以下の温度に加熱した
ラミネートロールに金属板とポリエステルフィルムを導
入して金属板にポリエステルフィルムを熱接着した後、
金属ラミネート体を加熱炉に導入してポリエステルフィ
ルムの融点以上の温度で再度加熱しポリエステルフィル
ムが融点以上の温度に達した後で直ちに急冷する方法等
があるが、ラミネートされたポリエステルフィルムの少
なくとも表面が配向していない点で (2)または (3)の方
法が特に好ましい。 (1)の方法ではポリエステルフィル
ムの金属板と接していない面は配向が破壊されずに残っ
ている。またラミネート後フィルムの再結晶を防ぐため
直ちに冷却ロール、冷却槽などで冷却する方法が好まし
い。
【0022】本発明のポリエステルフィルムを金属ラミ
ネート体の製缶方法としては特に限定されないが、公知
の絞り・しごき(DI)缶、あるいは、特開昭62−2
1428号公報、特開昭62−94543号公報に開示
された絞り缶、あるいは、特開平2−269647号公
報、特開平3−47514号公報に開示された絞り・再
絞り(DRD)缶が好ましい。
【0023】
【作用】本発明のポリエステルフィルムには、特定の大
きさの不活性粒子を特定量に含有しているので、金属板
へのラミネート後の再加熱によっても、この不活性粒子
がポリエステルフィルムフィルム表面より内部に埋没す
ることなく表面に突出する。この突起が、金属ラミネー
ト体の製缶時の絞り・しごき加工工程でのポリエステル
フィルムのピンホール、クラック、剥離の発生を低減
し、その結果、加工性および耐蝕性に優れたものとな
る。またこの不活性粒子の含有量が少ないため、保香性
にも優れる。さらに、ポリエステルフィルムを金属板に
ラミネートする際には、熱融着後ポリエステルフィルム
の融点以上の温度で再度加熱しポリエステルフィルムが
融点以上の温度に達した後で直ちに急冷するため、得ら
れる金属ラミネート体におけるポリエステルフィルムの
少なくとも表面が配向していない状態であり、従って、
金属ラミネート体の製缶時の絞り・しごき加工工程での
ポリエステルフィルムのピンホール、クラック、剥離の
発生をさらに低減することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、ポリエス
テルフィルムの厚さ10〜25μmであり、かつ前記式
[1]および[2]を満たす不活性粒子の含有量がポリ
エステルに対して10〜50ppmであるポリエステル
フィルムである。そして金属ラミネート体は、金属板上
に、このポリエステルフィルムを熱融着させ、次いでポ
リエステルフィルムの融点以上の温度で再度加熱し、ポ
リエステルフィルムが融点以上の温度に達した後で直ち
に急冷してポリエステルフィルムの少なくとも表面を配
向させないように積層した積層体である。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。なお、ポリエステルフィルムおよび金属ラミネート
体の特性は以下の方法により測定した。 (1)粒子径 島津製作所(株)製の遠心沈降式粒度分布測定装置(S
A−CP3)によって等価球状分布における積算重量比
50%の点を平均粒径とした。またポリマーフィルム中
の粒子径と濃度は顕微鏡および画像解析装置(ニレコ
(株)製、ルーゼックス2D)を用いて測定した粒子の
円相当径と粒子数から計算によって求めた。 (2)成形性 240℃に加熱したアルミニウム板に所定のフィルムを
貼り合わせた後、アルミニウム板を260℃に再度加熱
しフィルムを溶融し急冷する。このようにして得られた
ラミネートアルミ体を公知のDI加工法により350m
1ビール缶サイズのDI缶を得た。製缶後の缶内外面を
目視にて観察し、傷、剥離等の有無を判定した。また、
缶の中に1%NaCl溶液を入れ、缶体を陽極、炭素棒
を陰極として+6Vの電圧をかけたときに流れる電流値
を測定した(ERVという)。電流値が0.25mV以
下であれば良好と判断した。 (3)保香性 オレンジ飲料を缶に封入し、一週間後にその香りを評価
した。封入前の香りと同等に感じられるものを良好と判
断し、以下、やや劣る、大きく劣ると判定した。
【0026】実施例1 共重合ポリエステル樹脂として、酸成分がテレフタル酸
90モル%、イソフタル酸10モル%、グリコール成分
としてエチレングリコールからなるポリエステルを直接
重合法により製造した。その際、平均粒径2.5μmで
25μm未満に実質的な粒度分布を持ち、15μmを超
えかつ25μm未満の粒子の積算重量比が2重量%であ
る無定形シリカ粒子をポリエステルに対して1000p
pm添加し重合反応を完結した。上記ポリエステル樹脂
を押出機に供給し、280℃で溶融押出しして口金から
シ−ト状に吐出して、冷却ドラム上にキャストした。こ
の未延伸シートをロール延伸機にて延伸温度103℃、
倍率3.3倍で縦延伸した。得られたフィルムをテンタ
ーに導入し延伸温度120℃、倍率3.4倍で横延伸し
た。引き続いて延伸されたフィルムを230℃で横方向
に5%弛緩処理しつつ熱固定し、厚み15μmの二軸延
伸フィルムを得た。このポリエステルフィルムの融点は
245℃であった。
【0027】実施例2 実施例1において、添加する粒子を、粒径20μmの球
状単分散シリカ粒子20ppmおよび平均粒径2.0μ
mの無定形シリカ1000ppm(15μmを超える粒
子の積算重量比0%)に変えた以外は実施例1と同様に
してフィルムを得た。
【0028】比較例1 実施例2において、粒径20μmの球状単分散シリカ粒
子の添加量を0.1ppmに変えた以外は実施例2と同
様にしてフィルムを得た。
【0029】比較例2 実施例2において、粒径20μmの球状単分散シリカ粒
子の添加量を120ppmに変えた以外は実施例2と同
様にしてフィルムを得た。
【0030】比較例3 実施例1において、添加する粒子を、平均粒径1.0μ
mで9μm未満の範囲に実質的な粒度分布を持ち、6μ
mを超えかつ9μm未満の範囲の粒子の積算重量比が2
重量%である無定形シリカ粒子1000ppmに変え、
フィルムの厚みを6μmに変えた以外は実施例1と同様
にしてフィルムを得た。
【0031】比較例4 実施例1において、添加する粒子を、平均粒径10μm
で70μm未満の範囲に実質的な粒度分布を持ち60〜
70μmの範囲の粒子の積算重量比が3重量%である無
定形シリカ粒子1000ppmに変え、フィルムの厚み
を60μmに変えた以外は実施例1と同様にしてフィル
ムを得た。
【0032】比較例5 実施例1において、添加する粒子を、平均粒径が2.0
μmで17μm未満の範囲に実質的な粒度分布を持ち、
8μmを超え12μm未満の粒子の積算重量比が6重量
%、かつ12μmを超え17μm未満の粒子の積算重量
比が2重量%である無定形シリカ粒子1000ppmに
変え、フィルムの厚みを8μmに変えた以外は実施例1
と同様にしてフィルムを得た。
【0033】比較例6 実施例1において、添加する粒子を、平均粒径が3.5
μmで40μm未満の範囲に実質的な粒度分布を持ち、
30μmを超え40μm未満の粒子の積算重量比が3重
量%である無定形シリカ粒子を500ppmに変え、フ
ィルムの厚みを30μmに変えた以外は実施例1と同様
にしてフィルムを得た。実施例1〜2および比較例1〜
6で得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、金属ラミネート体の製缶時の絞り・しごき加工
工程で優れた加工製および耐蝕性を有し、さらには充填
物の保香性に優れた製缶用に最適な金属板ラミネート用
ポリエステルフィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/00 KKF C08L 67/00 KKF // B29K 67:00 105:16 B29L 7:00 (72)発明者 武川 善紀 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 鈴木 慎司 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルと不活性粒子とを含有する
    ポリエステルフィルムであって、 ポリエステルフィルムの厚さ7〜50μmであり、かつ
    下記式[1]および[2]を満たす不活性粒子の含有量
    がポリエステルに対して1〜100ppmであることを
    特徴とする金属板ラミネート用ポリエステルフィルム。 0<R−t<10 [1] 1<R/t<1.5 [2] (式中、Rは不活性粒子の粒径(μm)、tはポリエス
    テルフィルムの全厚み(μm)を示す)
  2. 【請求項2】 金属板と、この金属板上に積層された請
    求項1に記載の金属板ラミネート用ポリエステルフィル
    ムとを含有する金属ラミネート体。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフィルムの少なくとも表面
    が配向していないことを特徴とする請求項2に記載の金
    属ラミネート体。
  4. 【請求項4】 金属板にポリエステルフィルムを熱融着
    させ、次いでポリエステルフィルムの融点以上の温度で
    再度加熱し、ポリエステルフィルムが融点以上の温度に
    達した後で直ちに急冷してなることを特徴とする請求項
    3に記載の金属ラミネート体。
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