JP2007307824A - 反射フィルム積層金属体 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレス加工時においても剥離しない密着性と共に、優れた耐湿熱性を備えた反射フィルム積層金属体を提供せんとする。
【解決手段】金属板(A)の少なくとも片面側に、接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層してなる構成を備えた反射フィルム積層金属体であって、積層状態の接着層(B)は、加熱速度10℃/分で昇温した時の結晶化融解熱量をΔHmとし、且つ、結晶化により発生する結晶化熱量をΔHcとした時の(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5より小さいことを特徴とする反射フィルム積層金属体を提案する。
【選択図】図1
【解決手段】金属板(A)の少なくとも片面側に、接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層してなる構成を備えた反射フィルム積層金属体であって、積層状態の接着層(B)は、加熱速度10℃/分で昇温した時の結晶化融解熱量をΔHmとし、且つ、結晶化により発生する結晶化熱量をΔHcとした時の(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5より小さいことを特徴とする反射フィルム積層金属体を提案する。
【選択図】図1
Description
本発明は、蛍光灯などの照明装置の反射板、表示装置や複写機器などが内蔵する光反射機構を構成する反射板等に用いることのできる反射フィルム積層金属体に関する。
プラスチックフィルムからなる反射フィルムは、軽量で且つ可撓性に優れているので、これをアルミニウム製薄板などの金属板と貼り合わせた反射フィルム積層金属体は、プレス加工などの加工を施すことにより、複写機用反射板、蛍光灯用高光反射板、液晶表示装置の照明装置のリフレクターなどとして使用されている。
この種の反射フィルムとして、従来は、ポリエチレンテレフタレート樹脂に無機充填剤或いは有機充填剤を添加して延伸発泡させた反射フィルムが、光反射性能やコスト等の点で優れているため多用されてきたが、近年、ディスプレイ装置の高性能化に伴い一層の高輝度化が求められるようになり、屈折率の低い脂肪族ポリエステル樹脂(例えばポリ乳酸)に無機充填剤或いは有機充填剤を添加して2軸延伸発泡させた反射フィルムが提案されている(特許文献1参照)。
反射フィルム積層金属体としては、接着剤を介して、ステンレスやアルミニウム製薄板などの金属板に白色ポリエステルフィルムを貼り合わせたものが知られている。
例えば特許文献2には、発泡白色ポリエステルフィルムからなる前記反射層、接着剤及び金属板をこの順に積層し、所定の形状に成型加工してなる反射板が開示されている。
また、特許文献3には、透明高分子フィルム(A)、銀薄膜層(B)、ガラス転移温度が5℃〜45℃のポリエステル系接着剤からなる接着層(C)、アルミニウムなどからなる金属支持体(D)からなる構成A/B/C/Dの透明高分子フィルム側を反射面とする反射体が開示されている。
また、特許文献4には、少なくとも一方の表層が融点160℃〜240℃であるポリエステル樹脂からなる白色ポリエステルフィルムを、当該ポリエステル樹脂面を内面にして金属板と熱融着してなる光反射体が開示されている。
この種の反射フィルム積層金属体は、曲げ、打ち抜き、絞り等のプレス加工により所定の形状に加工するのが一般的であるが、従来の反射フィルム積層金属体は、加工した際に金属板と反射フィルムの接着(密着)面が剥離し易いという課題を抱えていた。特に上記の如く2軸延伸発泡させた場合の脂肪族ポリエステルフィルムは、未延伸の脂肪族ポリエステルフィルムに比べて、積層時にシワや破断が生じ難い有利な点を有する反面、密着性に劣るため、成形加工時並びに反射板用途に求められる耐久性試験時、特に高温高湿試験時において剥離し易いという課題を抱えていた。
そこで本発明は、プレス加工時においても剥離しない密着性と共に、優れた耐湿熱性を備えた反射フィルム積層金属体を提供せんとするものである。
本発明は、金属板(A)の少なくとも片面側に、接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層してなる構成を備えた反射フィルム積層金属体であって、
積層状態の接着層(B)は、加熱速度10℃/分で昇温した時の結晶化融解熱量をΔHmとし、且つ、結晶化により発生する結晶化熱量をΔHcとした時の(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5より小さいことを特徴とする反射フィルム積層金属体を提案する。
積層状態の接着層(B)は、加熱速度10℃/分で昇温した時の結晶化融解熱量をΔHmとし、且つ、結晶化により発生する結晶化熱量をΔHcとした時の(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5より小さいことを特徴とする反射フィルム積層金属体を提案する。
このように接着層(B)の相対結晶化度(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5より小さければ、金属板(A)と反射フィルム(C)との接着性(密着性)を高く維持することができ、耐湿熱性も高めることができるから、例えば打ち抜き加工や曲げ加工などのプレス加工をしても剥離しない接着性(密着性)を維持することができ、また、反射板用途に要求される高温高湿試験時における剥離をも防ぐことができる。
なお、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものを称し(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、通常はその厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品を称する。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
以下、本発明の実施形態の一例について詳しく説明するが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
また、本発明において、「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含し、特に当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占める意を包含するものである。
また、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」を意図し、「Xより大きくYよりも小さいことが好ましい」旨の意図も包含する。
また、本発明において、「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含し、特に当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占める意を包含するものである。
また、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」を意図し、「Xより大きくYよりも小さいことが好ましい」旨の意図も包含する。
<本積層金属板>
本実施形態に係る反射フィルム積層金属体(以下「本積層金属板」という)は、図1に示すように、金属板(A)の少なくとも片面側に、接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層してなる構成を備えた反射フィルム積層金属体である。金属板(A)の両面側に、接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層してなる構成を備えていてもよい。
本実施形態に係る反射フィルム積層金属体(以下「本積層金属板」という)は、図1に示すように、金属板(A)の少なくとも片面側に、接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層してなる構成を備えた反射フィルム積層金属体である。金属板(A)の両面側に、接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層してなる構成を備えていてもよい。
<金属板(A)>
金属板(A)は、その素材を特に限定するものではなく、例えば、鉄、各種ステンレス、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、錫合金、鋼板、ニッケル、亜鉛などの各種金属を挙げることができる。
金属板(A)は、その素材を特に限定するものではなく、例えば、鉄、各種ステンレス、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、錫合金、鋼板、ニッケル、亜鉛などの各種金属を挙げることができる。
金属板(A)の表面には、単層めっき、複層めっきまたは合金めっきが施されていてもよいし、また、浸漬クロム酸処理、リン酸クロム酸処理が施されていてもよい。
また、接着層(B)との密着性をさらに向上させる目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等によるカップリング剤処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、イオン処理等の化学処理、プラズマ処理、グロー放電処理、アーク放電処理、コロナ処理等の放電処理、紫外線処理、X線処理、ガンマ線処理、レーザー処理等の電磁波照射処理、その他火炎処理等の表面処理やプライマー処理等の各種表面処理が施されていてもよい。
また、接着層(B)との密着性をさらに向上させる目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等によるカップリング剤処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、イオン処理等の化学処理、プラズマ処理、グロー放電処理、アーク放電処理、コロナ処理等の放電処理、紫外線処理、X線処理、ガンマ線処理、レーザー処理等の電磁波照射処理、その他火炎処理等の表面処理やプライマー処理等の各種表面処理が施されていてもよい。
金属板(A)の厚みは、0.05mm〜0.8mmが一応の目安であるが、このような厚みの金属板に限定するものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。
<接着層(B)>
接着層(B)のベース樹脂は、熱可塑性樹脂、中でもポリエステル樹脂であるのが好ましく、その中でも特にポリエチレンテレフタレート単位をポリエステル樹脂全体に対して少なくとも75モル%含むポリエステル樹脂であるのが好ましい。ポリエチレンテレフタレート単位が75モル%以上含むポリエステルであれば、耐ボイル試験時に金属板(A)との密着性が低下したり、反射フィルム(C)との密着性が低下したりして剥離することがない。
なお、本発明において、「ベース樹脂」とは主成分をなす樹脂の意味である。
接着層(B)のベース樹脂は、熱可塑性樹脂、中でもポリエステル樹脂であるのが好ましく、その中でも特にポリエチレンテレフタレート単位をポリエステル樹脂全体に対して少なくとも75モル%含むポリエステル樹脂であるのが好ましい。ポリエチレンテレフタレート単位が75モル%以上含むポリエステルであれば、耐ボイル試験時に金属板(A)との密着性が低下したり、反射フィルム(C)との密着性が低下したりして剥離することがない。
なお、本発明において、「ベース樹脂」とは主成分をなす樹脂の意味である。
接着層(B)と金属板(A)との密着性をさらに高めるため、上記ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂全体の1モル%以上の共重合成分を含有することが好ましい。その際の上限は25モル%であるのが好ましく、特に5〜25モル%の範囲が好ましい。
このような共重合されたポリエステル樹脂は、本発明が規定する相対結晶化度の低い接着層(B)、好ましくは非晶質無配向の接着層(B)を形成するのに好適である。
このような共重合されたポリエステル樹脂は、本発明が規定する相対結晶化度の低い接着層(B)、好ましくは非晶質無配向の接着層(B)を形成するのに好適である。
共重合成分としては、ジカルボン酸成分、ジオール成分、オキシカルボン酸成分、トリカルボン酸成分、トリオール成分などを挙げることができる。
ジカルボン酸成分としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、ダイマ−酸、インダンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、スルホイソフタル酸金属塩などが挙げられる。
ジオール成分としては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
また、オキシカルボン酸成分としてはオキシ安息香酸などが挙げられ、トリカルボン酸成分としてはトリメリット酸などが挙げられ、トリオール成分としてはトリメチロールプロパンなどが挙げられる。
これらの成分のポリエチレンテレフタレートへの共重合は、重合初期、重合途中、重合後の押出機中など、いずれの段階で行われてもよい。
ジカルボン酸成分としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、ダイマ−酸、インダンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、スルホイソフタル酸金属塩などが挙げられる。
ジオール成分としては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
また、オキシカルボン酸成分としてはオキシ安息香酸などが挙げられ、トリカルボン酸成分としてはトリメリット酸などが挙げられ、トリオール成分としてはトリメチロールプロパンなどが挙げられる。
これらの成分のポリエチレンテレフタレートへの共重合は、重合初期、重合途中、重合後の押出機中など、いずれの段階で行われてもよい。
好ましい共重合ポリエステルを具体的に例示するならば、ポリエチレンテレフタレート・エチレンイソフタレート共重合体(PETI)や、ポリエチレンテレフタレート(PET)のエチレングリコール部分の約30%が1,4シクロヘキサンジメタノールである共重合体(PETG)、或いはこれらの樹脂を2種以上混合したブレンド樹脂などを挙げることができる。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、20〜80℃の範囲にあることが好ましい。ガラス転移温度が20℃以上であれば十分な耐熱性を得ることができる。他方、ガラス転移温度が80℃以下であれば、反射フィルム(C)との密着性を十分に得ることができる。
必要に応じて、上記ポリエステル樹脂に公知の添加剤を含有させることもできる。例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤等を含有させることができる。
接着層(B)は、単層であってもよいが、2層以上の複層とすることもできる。
接着層(B)が単層であっても2層であっても、各層は、2軸配向してなるポリエステルフィルムを用いて形成するのが好ましい。2軸配向してなるポリエステルフィルムを用いて形成すれば、無配向のフィルムに比べてフィルム積層時にフィルムしわが入り難いなどの作業性に優れているほか、積層体の厚み精度においても優れている。
この際、ポリエステルフィルムを製膜及び延伸する方法は、公知の方法を採用すればよい。例えば、Tダイより溶融押し出した未延伸のフィルムをロール式延伸機で縦方向に延伸した後、テンター式延伸機で横方向に延伸する方法(逐次2軸延伸法)を採用することも可能であるし、又、未延伸フィルムをテンター式同時二軸延伸機で縦横同時に延伸する方法(同時2軸延伸法)を採用することも可能である。又、チューブ状に溶融押し出したフィルムを気体の圧力で膨張させ延伸する方法(インフレーション法)、その他の方法を採用することも可能である。なお、後述するように、接着層(B)の相対結晶化度が適切な範囲となるように製膜条件及び延伸条件を設定するのが好ましい。
接着性や濡れ性を良くするために、上記ポリエステル樹脂フィルムに対してコロナ処理、コーティング処理又は火炎処理等の表面処理を行っても良い。
接着層(B)が単層であっても2層であっても、各層は、2軸配向してなるポリエステルフィルムを用いて形成するのが好ましい。2軸配向してなるポリエステルフィルムを用いて形成すれば、無配向のフィルムに比べてフィルム積層時にフィルムしわが入り難いなどの作業性に優れているほか、積層体の厚み精度においても優れている。
この際、ポリエステルフィルムを製膜及び延伸する方法は、公知の方法を採用すればよい。例えば、Tダイより溶融押し出した未延伸のフィルムをロール式延伸機で縦方向に延伸した後、テンター式延伸機で横方向に延伸する方法(逐次2軸延伸法)を採用することも可能であるし、又、未延伸フィルムをテンター式同時二軸延伸機で縦横同時に延伸する方法(同時2軸延伸法)を採用することも可能である。又、チューブ状に溶融押し出したフィルムを気体の圧力で膨張させ延伸する方法(インフレーション法)、その他の方法を採用することも可能である。なお、後述するように、接着層(B)の相対結晶化度が適切な範囲となるように製膜条件及び延伸条件を設定するのが好ましい。
接着性や濡れ性を良くするために、上記ポリエステル樹脂フィルムに対してコロナ処理、コーティング処理又は火炎処理等の表面処理を行っても良い。
接着層(B)の厚みは、0.005mm〜0.05mmであるのが好ましく、中でも0.01mm〜0.03mmであるのが、金属板(A)に積層する場合の作業性、耐湿熱性の点から特に好ましい。
<反射フィルム(C)>
反射フィルム(C)は、反射フィルムとして機能し得るフィルムであれば特にその材料及び構成が限定するものではない。
例えば、ベース樹脂に酸化チタン等の充填剤を添加し、ベース樹脂と充填剤との屈折率差による屈折散乱から反射性能を得る構成の反射フィルムであっても、また、延伸や発泡等によってフィルム内に空隙を設け、ベース樹脂と空隙(空気)との屈折率差による屈折散乱からも反射性能を得る構成の反射フィルムであっても、また、それら両方の構成を備えた反射フィルムであっても、その他の反射フィルムであってもよい。
反射フィルム(C)は、反射フィルムとして機能し得るフィルムであれば特にその材料及び構成が限定するものではない。
例えば、ベース樹脂に酸化チタン等の充填剤を添加し、ベース樹脂と充填剤との屈折率差による屈折散乱から反射性能を得る構成の反射フィルムであっても、また、延伸や発泡等によってフィルム内に空隙を設け、ベース樹脂と空隙(空気)との屈折率差による屈折散乱からも反射性能を得る構成の反射フィルムであっても、また、それら両方の構成を備えた反射フィルムであっても、その他の反射フィルムであってもよい。
反射フィルム(C)のベース樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン、ポリカーボネート、その他の透明樹脂等を挙げることができるが、これらに限定するものではない。
中でも、ポリエステル樹脂は、反射フィルム(C)のベース樹脂として好ましい樹脂の一つであり、そのポリエステル樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1.4シクロヘキサンジメタノール、などのグリコールとを重縮合して得られる芳香族系ポリエステル樹脂、ポリε−カプロラクタム等、ラクトンを開環重合して得られる脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリテトラメチレンサクシネート、シクロヘキサンジカルボン酸/シクロヘキサンジメタノール縮合体等、二塩基酸とジオールとを重合して得られる脂肪族ポリエステル樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール等ヒドロキシカルボン酸を重合して得られる脂肪族ポリエステル樹脂、前記脂肪族ポリエステルのエステル結合の一部、例えば全エステル結合の50%以下がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合等に置き換えられた脂肪族ポリエステル等を挙げることができる。
また、微生物により発酵合成された脂肪族ポリエステル樹脂として、ポリヒドロキシブチレート、ヒドロキシブチレートとヒドロキシバリレートとの共重合体等を挙げることができる。
なお、分子鎖中に芳香環を含まない脂肪族ポリエステル樹脂であれば、紫外線吸収を起こさないから、紫外線に晒されることによって、或いは、液晶表示装置等の光源から発せられた紫外線を受けることによって劣化したり、黄変したりすることがなく、光反射性が経時的に低下するのを抑えることができる。
また、微生物により発酵合成された脂肪族ポリエステル樹脂として、ポリヒドロキシブチレート、ヒドロキシブチレートとヒドロキシバリレートとの共重合体等を挙げることができる。
なお、分子鎖中に芳香環を含まない脂肪族ポリエステル樹脂であれば、紫外線吸収を起こさないから、紫外線に晒されることによって、或いは、液晶表示装置等の光源から発せられた紫外線を受けることによって劣化したり、黄変したりすることがなく、光反射性が経時的に低下するのを抑えることができる。
反射フィルム(C)のベース樹脂は、屈折散乱を利用して光反射性を得るため、空気や充填剤との屈折率の差が大きい樹脂を用いるのが好ましい。この点から、充填剤との屈折率差を主として利用する場合には、ベース樹脂の屈折率は小さい方が好ましく、屈折率(n)が1.46未満であるポリ乳酸は好適である。
好ましい反射フィルム(C)として、例えば、上記ベース樹脂に充填剤を添加し、公知の方法により製膜および延伸して得られる、発泡樹脂からなる反射フィルムを挙げることができる。このような反射フィルムは、ベース樹脂と充填剤との屈折率差による屈折散乱と共に、ベース樹脂と空隙(空気)との屈折率差による屈折散乱の両方から反射性能を得ることができ、優れた光反射性能を実現することができる。
この際、充填剤として、硫酸酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム等の無機顔料や、スチレン等の中空粒子や、オレフィン樹脂などの有機系充填剤を挙げることができる。中でも、光反射性をより一層向上させる観点から、ポリエステル樹脂との屈折率差がより大きい炭酸カルシウムや硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛などが特に好ましい。
この際、充填剤として、硫酸酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム等の無機顔料や、スチレン等の中空粒子や、オレフィン樹脂などの有機系充填剤を挙げることができる。中でも、光反射性をより一層向上させる観点から、ポリエステル樹脂との屈折率差がより大きい炭酸カルシウムや硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛などが特に好ましい。
必要に応じて、上記ベース樹脂に公知の添加剤を含有させることもできる。例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤等を含有させてもよい。
反射フィルム(C)の製膜及び延伸方法は、公知の方法を採用すればよい。例えば、Tダイより溶融押し出した未延伸のフィルムをロール式延伸機で縦方向に延伸した後、テンター式延伸機で横方向に延伸する方法(逐次2軸延伸法)を採用することも可能であるし、又、未延伸フィルムをテンター式同時二軸延伸機で縦横同時に延伸する方法(同時2軸延伸法)を採用することも可能である。又、チューブ状に溶融押し出したフィルムを気体の圧力で膨張させ延伸する方法(インフレーション法)、その他の方法を採用することも可能である。
反射フィルム(C)は、反射率などの表面特性をさらに向上させる目的で複層構成とすることもできる。例えばAg、Al、Sn等を含有する高反射性の金属薄膜層を設けて光反射率をさらに高めることも可能である。
また、接着性や濡れ性を良くするために、コロナ処理、コーティング処理又は火炎処理等の表面処理を行ってもよい。
また、接着性や濡れ性を良くするために、コロナ処理、コーティング処理又は火炎処理等の表面処理を行ってもよい。
反射フィルム(C)として、市販品を用いることも可能である。例えば、東レ社製:ルミラーE60LやE60V、帝人・デュポン社製:メリネックス、東洋紡績社製:クリスパー、きもと社製:レフホワイト、三菱樹脂製:エコロージュSWなどの白色ポリエステルフィルムを挙げることができる。但し、これらに限定されるものではない。
反射フィルム(C)の厚みは、特に制限するものではないが、例えば10μm〜500μmの範囲であれば、成形性及び積層性の点で好ましい。
<製法>
本積層金属板は、例えば金属板(A)の片面に、接着層(B)を積層し、該接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層する。その際に、接着層(B)の相対結晶化度を低下させるようにすればよい。
接着層(B)を金属板(A)に積層する方法としては、接着層(B)を構成するフィルム(以下「接着層フィルム」という)を軟化点以上に加熱して一部溶融させて金属板(A)に圧着する方法や、接着層フィルムの融点以上に加熱した金属板(A)上に接着層フィルムを融着する方法、或いは、金属板(A)に予め接着剤を塗布して置き、その上に接着層フィルムを圧着する方法等を挙げることができる。
この際、積層した接着層フィルムを加熱溶融して相対結晶化度を低下させるための具体的手段として、例えば熱風加熱、ロール加熱、通電加熱、誘電加熱、高周波加熱等を挙げることができる。例えば熱風加熱を用いて接着層フィルムを融着する場合、通常、フィルムの融点〜融点+40℃の温度で15秒〜120秒間、好ましくは融点+5℃〜融点+20℃の温度で30秒〜60秒間加熱して接着層フィルムを完全に溶融させ、その状態で反射フィルム(C)を積層し急冷固化することで接着層(B)の相対結晶化度を0.5より小さくすることができる。
本積層金属板は、例えば金属板(A)の片面に、接着層(B)を積層し、該接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層する。その際に、接着層(B)の相対結晶化度を低下させるようにすればよい。
接着層(B)を金属板(A)に積層する方法としては、接着層(B)を構成するフィルム(以下「接着層フィルム」という)を軟化点以上に加熱して一部溶融させて金属板(A)に圧着する方法や、接着層フィルムの融点以上に加熱した金属板(A)上に接着層フィルムを融着する方法、或いは、金属板(A)に予め接着剤を塗布して置き、その上に接着層フィルムを圧着する方法等を挙げることができる。
この際、積層した接着層フィルムを加熱溶融して相対結晶化度を低下させるための具体的手段として、例えば熱風加熱、ロール加熱、通電加熱、誘電加熱、高周波加熱等を挙げることができる。例えば熱風加熱を用いて接着層フィルムを融着する場合、通常、フィルムの融点〜融点+40℃の温度で15秒〜120秒間、好ましくは融点+5℃〜融点+20℃の温度で30秒〜60秒間加熱して接着層フィルムを完全に溶融させ、その状態で反射フィルム(C)を積層し急冷固化することで接着層(B)の相対結晶化度を0.5より小さくすることができる。
ここで、好ましい製造例を挙げると、接着層フィルムとして、延伸、特に2軸延伸された2軸延伸ポリエステルフィルムを用い、これの融点以上に加熱した金属板(A)上に前記2軸延伸ポリエステルフィルムを積層し、次いで、この積層体を再度前記融点以上に加熱してそのポリエステルフィルム上に反射フィルム(C)を積層し、急冷固化することによって本積層金属板を製造することができる。
このように、接着層フィルムとして延伸ポリエステルフィルムを用いることで、薄くしても厚み精度を高く維持でき、且つフィルムのしわ、破断などを抑えることができる。その一方、該ポリエステルの融点以上に加熱した金属板(A)上に2軸延伸ポリエステルフィルムを積層し、さらにこの積層体を再度前記融点以上に加熱してこのポリエステルフィルム上に反射フィルム(C)を積層し、急冷固化することによって、接着層(B)の相対結晶価度を低下させて0.5より低くすることができ、接着層(B)の接着性(密着性)を高く維持することができる。
このように、接着層フィルムとして延伸ポリエステルフィルムを用いることで、薄くしても厚み精度を高く維持でき、且つフィルムのしわ、破断などを抑えることができる。その一方、該ポリエステルの融点以上に加熱した金属板(A)上に2軸延伸ポリエステルフィルムを積層し、さらにこの積層体を再度前記融点以上に加熱してこのポリエステルフィルム上に反射フィルム(C)を積層し、急冷固化することによって、接着層(B)の相対結晶価度を低下させて0.5より低くすることができ、接着層(B)の接着性(密着性)を高く維持することができる。
これに対し、2軸延伸ポリエステルフィルムは相対結晶化度が高いため、このような2軸延伸ポリエステルフィルムをそのまま接着層として介在させると、十分な密着強度を得ることができないばかりか、プレス加工時の変形に追従できないため接着層(B)に亀裂が入り、加工時のフィルム剥がれなどが起き易くなる。
他方、相対結晶化度の低い非晶質のポリエステルフィルムなどを接着層(B)の構成原料として使用することも考えられるが、得られた積層体は、耐ボイル性に劣るばかりか、高温に曝されると、接着層(B)は脆化し、衝撃が加わると接着層(B)に亀裂が入りやすくなる。特に非晶質無配向のポリエステル樹脂は、熱履歴による脆化が著しく、衝撃が加わった場合、亀裂が入りやすくなる。
このような点から、上記の如く2軸延伸ポリエステルフィルムを接着層(B)の構成原料として使用し、且つ、製造過程でその相対結晶化度を低下させる製造方法を採用するのが好ましい。
他方、相対結晶化度の低い非晶質のポリエステルフィルムなどを接着層(B)の構成原料として使用することも考えられるが、得られた積層体は、耐ボイル性に劣るばかりか、高温に曝されると、接着層(B)は脆化し、衝撃が加わると接着層(B)に亀裂が入りやすくなる。特に非晶質無配向のポリエステル樹脂は、熱履歴による脆化が著しく、衝撃が加わった場合、亀裂が入りやすくなる。
このような点から、上記の如く2軸延伸ポリエステルフィルムを接着層(B)の構成原料として使用し、且つ、製造過程でその相対結晶化度を低下させる製造方法を採用するのが好ましい。
<本積層金属板の特性>
本積層金属板は、金属板(A)上に接着層(B)が積層し、且つ接着層(B)上に反射フィルム(C)が積層した状態で、その接着層(B)を構成する樹脂の相対結晶化度(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5より小さいことが重要である。この際、ΔHmは、加熱速度10℃/分で昇温した時の結晶化融解熱量であり、ΔHcは結晶化により発生する結晶化熱量である。
ここで、ΔHc及びΔHmは、接着層(B)を構成する樹脂の冷結晶化の発熱量および融解の吸熱量を示差走査型熱量計(DSC)を用いて後述する方法で測定し、計算した値である。結晶化熱量ΔHcは、重合体の結晶性に対するその時のフィルムの結晶化度に関係する指標であり、結晶化熱量ΔHcが大きいときには、昇温過程でフィルムの結晶化が進行する。すなわち接着層の樹脂が有する結晶性を基準に接着層の結晶化度が相対的に低かったことを表す。逆に、結晶化熱量ΔHcが小さい時は、接着層の樹脂が有する結晶性を基準にフィルムの結晶化度が相対的に高かったことを表す。
接着層(B)を構成する樹脂の相対結晶化度(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5以上であると、反射フィルム(C)との接着性、金属板(A)に対する接着層(B)の接着性などが低下し、成形加工時にそれらの部分で剥がれたりするようになる。
このような観点から、接着層(B)を構成する樹脂の相対結晶化度(ΔHm−ΔHc)/ΔHmは0.1〜0.4であるのがより好ましい。
本積層金属板は、金属板(A)上に接着層(B)が積層し、且つ接着層(B)上に反射フィルム(C)が積層した状態で、その接着層(B)を構成する樹脂の相対結晶化度(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5より小さいことが重要である。この際、ΔHmは、加熱速度10℃/分で昇温した時の結晶化融解熱量であり、ΔHcは結晶化により発生する結晶化熱量である。
ここで、ΔHc及びΔHmは、接着層(B)を構成する樹脂の冷結晶化の発熱量および融解の吸熱量を示差走査型熱量計(DSC)を用いて後述する方法で測定し、計算した値である。結晶化熱量ΔHcは、重合体の結晶性に対するその時のフィルムの結晶化度に関係する指標であり、結晶化熱量ΔHcが大きいときには、昇温過程でフィルムの結晶化が進行する。すなわち接着層の樹脂が有する結晶性を基準に接着層の結晶化度が相対的に低かったことを表す。逆に、結晶化熱量ΔHcが小さい時は、接着層の樹脂が有する結晶性を基準にフィルムの結晶化度が相対的に高かったことを表す。
接着層(B)を構成する樹脂の相対結晶化度(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5以上であると、反射フィルム(C)との接着性、金属板(A)に対する接着層(B)の接着性などが低下し、成形加工時にそれらの部分で剥がれたりするようになる。
このような観点から、接着層(B)を構成する樹脂の相対結晶化度(ΔHm−ΔHc)/ΔHmは0.1〜0.4であるのがより好ましい。
また、接着層(B)が金属板(A)に積層された製品状態において、接着層(B)を構成する樹脂の還元粘度は0.5〜1.1dl/gであるのが好ましい。還元粘度が0.5dl/g未満の場合、沸騰水やプレッシャークッカーテストすると、接着層(B)が白化したり、反射フィルム(C)との密着性が落ちるとともに耐衝撃性が悪くなる可能性がある。更に還元粘度が0.5dl/g未満の場合、耐屈曲性も悪くなり成形加工を行う時に亀裂が発生して、反射フィルム(C)が剥離しやすくなる。
他方、還元粘度が1.1dl/gを越えると、重合工程や押出し工程が経済的でなくなるから好ましくない。
なお、還元粘度は、フェノール/テトラクロルエタンの重量比6/4の混合溶媒を用い、溶液濃度が0.4g/dl、温度30℃で測定した値である。
他方、還元粘度が1.1dl/gを越えると、重合工程や押出し工程が経済的でなくなるから好ましくない。
なお、還元粘度は、フェノール/テトラクロルエタンの重量比6/4の混合溶媒を用い、溶液濃度が0.4g/dl、温度30℃で測定した値である。
接着層(B)を構成する樹脂の還元粘度を上記のように0.5〜1.1dl/gに調整するには、溶融押出す前の原料樹脂の還元粘度を0.5dl/g以上にするのが好ましく、特に0.9dl/g以上とするのが好ましい。この際の上限は特に制限されないが1.3dl/g程度が好ましい。また後述するように、接着層(B)は押出ラミネートされた後、再溶融されるので、熱安定性が改良された樹脂を原料として使用するのが好ましい。
<用途>
本積層金属板は、高度な反射性能を備えているほか、上記の如く接着性(密着性)が高く、特に抜き加工や曲げ加工などのプレス加工工程で反射フィルム(C)と金属板(A)との接着(密着)面が剥離することがなく、さらには反射板用途に求められる耐久性試験時、例えば高温高湿試験時において剥離し難いから、反射板をプレス加工して用いる用途、例えば液晶表示装置のリフレクター等の部品として好適に利用することができる。
本積層金属板は、高度な反射性能を備えているほか、上記の如く接着性(密着性)が高く、特に抜き加工や曲げ加工などのプレス加工工程で反射フィルム(C)と金属板(A)との接着(密着)面が剥離することがなく、さらには反射板用途に求められる耐久性試験時、例えば高温高湿試験時において剥離し難いから、反射板をプレス加工して用いる用途、例えば液晶表示装置のリフレクター等の部品として好適に利用することができる。
以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
先ず、実施例及び比較例に示す測定値及び評価の測定方法及び評価方法について説明する。
先ず、実施例及び比較例に示す測定値及び評価の測定方法及び評価方法について説明する。
<相対結晶化度:(ΔHm−ΔHc)/ΔHm>
金属板(A)に接着層(B)を積層し、且つ、反射フィルム(C)はラミネートしていない状態において、金属板(A)を溶解させて接着層(B)のみを取り出し、その試料10mgを、JIS K 7122に準じて、パーキンエルマー製DSC−7を用いて、加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラムを求め、そのサーモグラムから結晶融解熱量ΔHm及び結晶化熱量ΔHcを求め、(ΔHm−ΔHc)/ΔHmを算出した。
金属板(A)に接着層(B)を積層し、且つ、反射フィルム(C)はラミネートしていない状態において、金属板(A)を溶解させて接着層(B)のみを取り出し、その試料10mgを、JIS K 7122に準じて、パーキンエルマー製DSC−7を用いて、加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラムを求め、そのサーモグラムから結晶融解熱量ΔHm及び結晶化熱量ΔHcを求め、(ΔHm−ΔHc)/ΔHmを算出した。
<井形エリクセン加工性>
JIS K 6744に準じて、押出量=4mmで井形エリクセン加工したときに、頂部に反射フィルムの浮きなどの剥がれがある場合は×、全く剥がれがない或いはわずかな浮きがある場合は○と評価した。
JIS K 6744に準じて、押出量=4mmで井形エリクセン加工したときに、頂部に反射フィルムの浮きなどの剥がれがある場合は×、全く剥がれがない或いはわずかな浮きがある場合は○と評価した。
<積層品の耐ボイル試験>
金属板(A)上に接着層(B)を介して反射フィルム(C)が積層された積層板を60mm×60mmに裁断し、沸騰水中に5時間浸漬した。5時間後に取り出して、試験片の剥離している部分の面積が、全体の3%以上である場合は×、全体の1%以上3%未満の場合は○、全体の1%未満の場合は◎と評価した。
金属板(A)上に接着層(B)を介して反射フィルム(C)が積層された積層板を60mm×60mmに裁断し、沸騰水中に5時間浸漬した。5時間後に取り出して、試験片の剥離している部分の面積が、全体の3%以上である場合は×、全体の1%以上3%未満の場合は○、全体の1%未満の場合は◎と評価した。
<曲げ加工試験>
金属板(A)上に接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層してなる積層板を30mm×120mmに裁断し、反射フィルム(C)面側からフェザー刃でノッチを入れたものを試験片とした。反射フィルム(C)面を外面側にして、JIS K 5400に準じて、0℃で180度曲げ加工した。
曲げ加工後に反射フィルム(C)の剥がれを目視確認し、接着層(B)と反射フィルム(C)との界面、又は金属板(A)から剥離した場合は×、反射フィルム(C)が凝集破壊した場合を○と評価した。
金属板(A)上に接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層してなる積層板を30mm×120mmに裁断し、反射フィルム(C)面側からフェザー刃でノッチを入れたものを試験片とした。反射フィルム(C)面を外面側にして、JIS K 5400に準じて、0℃で180度曲げ加工した。
曲げ加工後に反射フィルム(C)の剥がれを目視確認し、接着層(B)と反射フィルム(C)との界面、又は金属板(A)から剥離した場合は×、反射フィルム(C)が凝集破壊した場合を○と評価した。
(接着層(B):B層用ポリエステルフィルムの製造)
表1に示した組成のポリエステル樹脂からなるペレットを真空乾燥し、水分率0.1重量%未満にした後、280℃でTダイ押出機により溶融押出し、40℃以下の冷却ロールに引取り、未延伸フィルムを得た後、直ちにロール延伸機で、表1に示す条件により、縦方向に延伸し、更にテンター式延伸機で横方向に延伸し、次いで10%以下で緩和させつつ、熱固定した後に巻取り、厚み15μmのB層用ポリエステルフィルム(主成分の組成、エチレンテレフタレート単位の割合、還元粘度、ガラス転移温度などは表1を参照)を得た。
なお、比較例1の組成については、延伸が困難であったため、未延伸フィルム50μmを得た。
表1に示した組成のポリエステル樹脂からなるペレットを真空乾燥し、水分率0.1重量%未満にした後、280℃でTダイ押出機により溶融押出し、40℃以下の冷却ロールに引取り、未延伸フィルムを得た後、直ちにロール延伸機で、表1に示す条件により、縦方向に延伸し、更にテンター式延伸機で横方向に延伸し、次いで10%以下で緩和させつつ、熱固定した後に巻取り、厚み15μmのB層用ポリエステルフィルム(主成分の組成、エチレンテレフタレート単位の割合、還元粘度、ガラス転移温度などは表1を参照)を得た。
なお、比較例1の組成については、延伸が困難であったため、未延伸フィルム50μmを得た。
(実施例1−3、比較例1)
重量平均分子量20万のポリ乳酸系重合体(D体含有量0.5%、ガラス転移温度65℃)のペレットと、平均粒径0.25μmの酸化チタンとを、質量割合50:50で混合し、二軸押出機を用いてペレット化してマスターバッチを作製した。
このマスターバッチと前記ポリ乳酸系重合体とを、質量割合40:60で混合して樹脂組成物を作製した。その後、この樹脂組成物を、一軸押出機を用いて、220℃でTダイより押し出し、冷却固化してフィルムを形成した。得られたフィルムを温度65℃で、MD方向に3倍、TD方向に3倍の二軸延伸した後、140℃で熱処理し、厚さ80μmの2軸延伸脂肪族ポリエステル反射フィルムを得た。
重量平均分子量20万のポリ乳酸系重合体(D体含有量0.5%、ガラス転移温度65℃)のペレットと、平均粒径0.25μmの酸化チタンとを、質量割合50:50で混合し、二軸押出機を用いてペレット化してマスターバッチを作製した。
このマスターバッチと前記ポリ乳酸系重合体とを、質量割合40:60で混合して樹脂組成物を作製した。その後、この樹脂組成物を、一軸押出機を用いて、220℃でTダイより押し出し、冷却固化してフィルムを形成した。得られたフィルムを温度65℃で、MD方向に3倍、TD方向に3倍の二軸延伸した後、140℃で熱処理し、厚さ80μmの2軸延伸脂肪族ポリエステル反射フィルムを得た。
アルミニウム板(JIS H 400 A1100P−H18)0.3mmを260℃に加熱し、このアルミニウム板上に、1対のラミネートロールにより、前記B層用ポリエステルフィルムをラミネートして積層体とした。その後、この積層体を再度200℃に加熱溶融し、この積層体のB層用ポリエステルフィルム上に、二軸延伸ポリエステル反射フィルム188μm(白色度(JIS L 1015):129%、反射率(JIS Z 8722):97%)を200℃でラミネートし、冷風を吹きつけ冷却して急冷固化して反射フィルム積層金属体を得た。
得られた反射フィルム積層金属体の評価を行い、その結果を表1に示した。
得られた反射フィルム積層金属体の評価を行い、その結果を表1に示した。
(比較例2)
上記実施例2において、B層用ポリエステルフィルムをラミネートして得た積層体を再度加熱溶解させずに、150℃でラミネートした以外は実施例2と同様に反射フィルム積層金属体を得た。
得られた反射フィルム積層金属体の評価を行い、その結果を表1に示した。
上記実施例2において、B層用ポリエステルフィルムをラミネートして得た積層体を再度加熱溶解させずに、150℃でラミネートした以外は実施例2と同様に反射フィルム積層金属体を得た。
得られた反射フィルム積層金属体の評価を行い、その結果を表1に示した。
実施例1〜3の反射フィルム積層金属体は、耐ボイル性、加工性が良好であった。
その一方、(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5以上である比較例2は、耐ボイル性に劣り、耐ボイル試験時に剥がれが生じた。また、比較例2では、アルミニウム板に被覆したB層を構成するポリエステル樹脂の熱量比が大きかったため、耐ボイル性共に曲げ加工にも劣るものであった。
その一方、(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5以上である比較例2は、耐ボイル性に劣り、耐ボイル試験時に剥がれが生じた。また、比較例2では、アルミニウム板に被覆したB層を構成するポリエステル樹脂の熱量比が大きかったため、耐ボイル性共に曲げ加工にも劣るものであった。
A 金属板
B 接着層
C 反射フィルム
B 接着層
C 反射フィルム
Claims (2)
- 金属板(A)の少なくとも片面側に、接着層(B)を介して反射フィルム(C)を積層してなる構成を備えた反射フィルム積層金属体であって、
積層状態の接着層(B)は、加熱速度10℃/分で昇温した時の結晶化融解熱量をΔHmとし、且つ、結晶化により発生する結晶化熱量をΔHcとした時の(ΔHm−ΔHc)/ΔHmが0.5より小さいことを特徴とする反射フィルム積層金属体。 - 接着層(B)の主成分が、エチレンテレフタレート単位を少なくとも75モル%含むポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の反射フィルム積層金属体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006140271A JP2007307824A (ja) | 2006-05-19 | 2006-05-19 | 反射フィルム積層金属体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111562636A (zh) * | 2020-04-14 | 2020-08-21 | 浙江永盛科技有限公司 | 一种可热粘合型光学反射膜及其制备方法 |
CN111645386A (zh) * | 2020-04-14 | 2020-09-11 | 浙江永盛科技有限公司 | 一种微发泡型反射膜及其制备方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0971667A (ja) * | 1995-09-05 | 1997-03-18 | Toyobo Co Ltd | 金属板ラミネート用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた金属ラミネート体 |
JPH10206614A (ja) * | 1997-01-23 | 1998-08-07 | Mitsui Chem Inc | 反射体および反射体の製造方法 |
JPH11198284A (ja) * | 1998-01-19 | 1999-07-27 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | プレス加工性に優れた光反射体 |
-
2006
- 2006-05-19 JP JP2006140271A patent/JP2007307824A/ja active Pending
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CN111562636B (zh) * | 2020-04-14 | 2021-11-02 | 浙江永盛科技有限公司 | 一种可热粘合型光学反射膜及其制备方法 |
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