JPH09206022A - 調味ソース用乳化香料 - Google Patents

調味ソース用乳化香料

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JPH09206022A
JPH09206022A JP8014284A JP1428496A JPH09206022A JP H09206022 A JPH09206022 A JP H09206022A JP 8014284 A JP8014284 A JP 8014284A JP 1428496 A JP1428496 A JP 1428496A JP H09206022 A JPH09206022 A JP H09206022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化作業が簡便であり、且つ乳化安定性が高
く容器の首部への沈殿物の析出が少なく、しかも長期間
にわたり香辛精油分のフレーバーを保持することができ
る調味ソース用乳化香料及びその製造方法並びにそれを
含有する調味ソース類を提供することを課題とする。 【解決手段】 香辛料の精油分を、水溶性ヘミセルロー
ス(大豆抽出繊維)を有効成分とする乳化剤を用いて乳
化し、調味ソース用乳化香料を得る。また、これをウス
ターソース、こいくちソース等の調味ソース類に配合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、調味ソース用の乳
化香料に関するものである。詳しくは、本発明は、水溶
性ヘミセルロースを有効成分とする乳化剤を用いて香辛
精油成分を乳化して得られる乳化香料及びその製造方
法、並びにそれを用いた調味ソース類に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ウスターソース、こいくちソースなどの
調味ソース類には、香辛料が必須成分として添加され
る。通常の添加方法としては、香辛料の粉末を添加する
方法が一般的であるが、風味が長持ちする反面、沈殿物
の原因となる。もう一つの添加方法として、香辛料の香
辛成分である精油分を乳化させた乳化香料を添加する方
法があり、少しの添加量でフレーバーを付与することが
できる。
【0003】ソース製品において使用される乳化香料と
しては、精油分を大豆レシチンによって乳化して得られ
るものが一般的であるが、大豆レシチンを使用する方法
では乳化作業が複雑で手間と時間がかかる上、これによ
って得られる乳化香料は乳化安定性に劣るため、フレー
バーが損なわれやすく、また長時間静置しておくと、精
油分のソース液面への分離に起因して、容器の出口付近
(首部)にリング状にオイル分等が固化する現象が起き
る(首部リングの発生)等の問題があった。
【0004】一方、乳化安定性に優れた乳化剤として、
水溶性ヘミセルロースを有効成分とする乳化剤及びそれ
を使用した乳化組成物が開発されている(特開平6−1
21922号公報)が、これを調味ソース類に使用する
ことは知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、乳化作業が
簡便であり、且つ乳化安定性が高く容器の首部でのオイ
ル分固化が少なく、しかも長期間にわたり香辛料のフレ
ーバーを保持することができる調味ソース用乳化香料及
びその製造方法、並びにそれを用いた調味ソース類を提
供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、水溶性ヘミセルロースを有効成分とする乳化
剤を用いることにより、乳化作業を簡便に行うことがで
き、しかも乳化安定性に優れ且つ長期間にわたり香辛料
のフレーバーを保持できる乳化香料が得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、乳化された香辛料の
精油分を含む調味ソース用乳化香料であって、前記精油
分が、水溶性ヘミセルロースを有効成分とする乳化剤に
よって乳化されていることを特徴とする調味ソース用乳
化香料に関するものである。前記水溶性ヘミセルロース
は、好ましくは大豆抽出繊維である。
【0008】また、本発明は、香辛料の精油分を、水溶
性ヘミセルロースを有効成分とする乳化剤を用いて乳化
する乳化工程を含む前記調味ソース用乳化香料の製造方
法に関するものである。前記乳化工程は、好ましくは酸
の存在下に行う。
【0009】また、本発明は、水溶性ヘミセルロースを
有効成分とする乳化剤によって乳化された香辛料の精油
分を含む乳化香料を含有する調味ソース類に関するもの
である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)調味ソース用乳化香料 本発明の調味ソース用乳化香料は、水溶性ヘミセルロー
スを有効成分とする乳化剤によって乳化された香辛料の
精油分を含むものである。
【0011】香辛料の精油分としては、通常調味ソース
類に使用されるものであれば特に制限はなく、例えばタ
イム油、セージ油、桂皮油、ブラックペッパー油、コリ
アンダー油、セロリシード油、タイムオレオレジン、ク
ローブオレオレジン、ナツメグオレオレジン等が挙げら
れる。
【0012】乳化剤の有効成分である水溶性ヘミセルロ
ースは、一般に、穀類等の陸生植物の細胞壁構成成分
で、セルロース、ペクチンを除く多糖区分であり、ヘミ
セルロースを含む原料から、水抽出や、場合によっては
酸又はアルカリ条件下で加熱溶出させるか、酵素により
分解溶出させることによって得ることができる。
【0013】原料としては、具体的には油糧種子、例え
ば大豆、パーム、ヤシ、コーン、綿実などの油脂やタン
パク質を除いた殻、或いは穀類、例えば米、小麦などの
澱粉等を除いた粕等の植物を挙げることができる。原料
が大豆であれば豆腐や豆乳、分離大豆蛋白を製造すると
きに副生するオカラを利用することができる。これらの
原料を酸性又はアルカリ性の条件下、好ましくは各々の
タンパク質の等電点付近のpHで、好ましくは80〜1
30℃、より好ましくは100〜130℃にて加熱分解
し、水溶性画分を分画した後そのまま乾燥するか、例え
ば活性炭処理、樹脂吸着処理、エタノール沈殿処理等を
行って疎水性物質或いは低分子物質を除去した後乾燥す
ることによって、水溶性ヘミセルロースを得ることがで
きる。
【0014】本発明で用いられる水溶性ヘミセルロース
の分子量については特に制限はないが、好ましくは平均
分子量が数千〜数百万、より好ましくは5000〜10
0万(標準プルランを標準物質として0.1MのNaN
3溶液中の粘度を測定する極限粘度法で求めた値)で
ある。この水溶性ヘミセルロースの分子量が大きく溶液
の粘度が高すぎると、良好な乳化が得られない場合があ
るため、前記製造工程に、さらに低分子化処理を含める
こともできる。低分子化は、加熱分解するときに加熱条
件を強くすることによっても可能であるが、ヘミセルロ
ースの分解抽出溶液をアルカリ・酸・熱・酵素等を用い
て処理することによって行うこともできる。水溶性ヘミ
セルロース溶液の粘度は、例えば10%水溶液の場合、
150センチポイズ以下が良く、より好ましくは60セ
ンチポイズ以下、さらに好ましくは30センチポイズ以
下が良い。
【0015】本発明で用いられる水溶性ヘミセルロース
の好ましいものとしては、豆類由来のもの、特に大豆を
原料として抽出される大豆抽出繊維が挙げられる。この
ような水溶性ヘミセルロースを有効成分とする乳化剤は
市販されており、容易に入手することができる。市販品
としては、例えば商品名ソヤファイブ(不二製油(株)
製)等が挙げられる。
【0016】水溶性ヘミセルロースは、単独で乳化剤と
して使用することができ、また、他の既存の乳化剤と併
用することもできる。併用可能な他の既存の乳化剤とし
ては、単分子乳化剤として、脂肪酸石鹸に代表される各
種アニオン界面活性剤、4級アンモニウム塩等のカチオ
ン界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、シュガーエ
ステル等の非イオン界面活性剤、レシチンのような両性
界面活性剤等が挙げられる。また、高分子乳化剤とし
て、天然系乳化剤、例えば布海苔、寒天、カラギーナ
ン、ファーセレラン、タマリンド種子多糖類、タラガ
ム、カラヤガム、ペクチン、キサンタンガム、アルギン
酸ナトリウム、トラガントガム、グワーガム、ローカス
トビーンガム、プルラン、ジェランガム、アラビアガ
ム、ゼラチン、ホエー等のアルブミン、カゼインナトリ
ウム、各種澱粉等が挙げられる。又、半合成糊剤とし
て、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸プロピレング
リコールエステル及び可溶性澱粉に代表される加工澱粉
等が例示でき、合成糊剤としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸ナトリウム等が例示できる。
【0017】(2)調味ソース用乳化香料の製造方法 本発明の調味ソース用乳化香料は、香辛料の精油分を、
前記水溶性ヘミセルロースを有効成分とする乳化剤を用
いて乳化する乳化工程を含む方法により、製造される。
具体的には、前記精油分と乳化剤とを水を加えて混合
し、ホモジナイザー等を用いて乳化させることにより製
造される。乳化の度合いは、通常乳化径を基準として判
断され、乳化径が大きすぎると乳化が不十分か或いは乳
化が壊れるおそれがあるが、乳化径が1μm以下であれ
ば十分に安定した乳化状態が保たれると考えられる。
【0018】乳化作業は、ホモジナイザー等を用いてホ
モジナイズ(均質化)処理することにより行われる。ホ
モジナイザーとしては、撹拌方式によるホモミキサー、
超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、コロイド
ミル等が挙げられる。
【0019】本発明においては、十分に乳化させるた
め、好ましくは、まずホモミキサー等の撹拌式ホモジナ
イザーによる予備乳化を行った後、高圧ホモジナイザー
によるホモジナイズ処理を1〜2回程度行うのが好まし
いが、条件によっては、ホモミキサー等による予備乳化
のみでも十分に乳化径を1μm以下とすることができ
る。乳化剤として大豆レシチン等を使用した従来の乳化
作業に比べ、水溶性ヘミセルロースを有効成分とする乳
化剤を使用する本発明においては、このように簡単な操
作で十分な乳化状態を達成することができるのである。
【0020】具体的には、例えば、精油分と乳化剤とを
混合し、これに水を加えて、好ましくは40〜80℃程
度の温度で5〜30分間程度ホモミキサーで予備乳化す
る(回転数約5000〜9000rpm)。この際、予
備乳化開始から5〜15分後に酢酸を添加してpHを4
〜6程度に調整するのが好ましい。
【0021】次いで、必要に応じて、これを高圧ホモジ
ナイザーでホモジナイズ処理し、乳化物を得る。このと
きの圧力は100〜500kg/cm2程度、処理回数
は1〜2回程度が好ましい。得られた乳化物を冷却する
ことにより目的とする乳化香料が得られる。
【0022】各配合成分の割合は特に限定されないが、
例えば乳化剤の量は乳化香料全体の5〜20重量%、精
油分の量は10〜20重量%、水の量は50〜85重量
%程度とするのが好ましい。また、乳化剤と精油分の割
合は、精油分:乳化剤=1:1〜2:1程度が好まし
い。乳化剤と精油分の割合がこの範囲内であれば、高圧
ホモジナイザーによるホモジナイズ処理を行わなくても
予備乳化のみで十分な乳化状態が保持でき、乳化径を小
さく抑えることができる。
【0023】本発明の製造方法においては、前記乳化工
程を酸の存在下に行うことが好ましい。乳化香料の安定
性はpHに大きく影響されるが、水溶性ヘミセルロース
を有効成分とする乳化剤は、低いpHでの安定性及び乳
化効率が高く、それゆえにpHの低い調味ソース類への
利用に適していると考えられる。よって、乳化香料のp
Hを低く抑えて良好な乳化状態を得るために、乳化作業
の際に酸を添加してpHを2〜4程度に調節するのが好
ましい。添加する酸としては、酢酸(醸造酢)、クエン
酸等が挙げられる。また、その添加量は特に限定されな
いが、好ましくは得られる乳化香料全量に対し0.2〜
3重量%程度である。この範囲内であれば乳化効率が高
く、安定した乳化状態が得られる。
【0024】(3)調味ソース類 本発明の調味ソース類は、前述した水溶性ヘミセルロー
スを有効成分とする乳化剤によって乳化された香辛料の
精油分を含む乳化香料を含有するものである。調味ソー
ス類としては特に制限はなく、例えばウスターソース、
こいくちソース等が挙げられる。また、本発明の調味ソ
ース類には、前記乳化香料の他に、従来このような調味
ソース類に配合することが公知である種々の成分を添加
することができる。具体的には、蔗糖、糖蜜、ブドウ
糖、異性化液糖等の糖分;醸造酢、クエン酸等の酸分;
特例塩等の塩分;オニオンエキス、ガーリックエキス等
の野菜エキス;トマト、人参、タマネギ等の野菜・果実
汁;等を挙げることができる。
【0025】また、例えば乳化香料自体の液面への集中
を防ぐ目的で乳化香料の比重を調味ソース類に合わせる
ために、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル(略称:SAI
B)等の比重調整剤を添加することができる。尚、この
ような比重調整剤を使用すると油相の粘度が上がり、予
備乳化のみでは乳化し難くなる場合があるが、高圧ホモ
ジナイザーによるホモジナイズ処理をすれば、適度な乳
化状態を得ることができる。
【0026】本発明の調味ソース類の製造は、常法に従
って行うことができる。例えば、乳化香料を上述したソ
ース原料とともに混合し、懸濁させることによって得ら
れる。
【0027】本発明の乳化香料は、従来の大豆レシチン
を乳化剤として用いた乳化香料に比べて乳化作業が簡便
である。また、乳化安定性に優れており、容器に保存し
ても首部リングの発生がないため、長期間にわたり良好
な状態で保存することができる。特に、低いpH値での
乳化安定性及び乳化効率が高いため、pH値が比較的低
い調味ソースへの利用に適している。
【0028】尚、乳化香料の安定性には保存温度も影響
し、通常は温度が低いほど乳化安定性がよいが、本発明
の乳化香料は乳化安定性に優れており、40℃以下程度
の保存温度であれば十分に乳化安定性を保つことができ
る。
【0029】また、本発明の乳化香料は、フレーバーの
保持能力が高いため、これを含有させることにより香り
高い調味ソース類を作ることができる。これは、本発明
の乳化剤の有効成分である水溶性ヘミセルロースの長大
繊維に精油分の微細な粒子が包含されて安定な複合体が
形成され、その複合体が口中まで保持されるためである
と考えられる。複合体は、水溶性ヘミセルロースの繊維
が大きければ大きいほど、熱その他のストレスに対して
安定となり、フレーバーの保持能力が向上するのであ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。 <例1>本発明の乳化香料の製造例を以下に示す。ま
ず、下記表1に示す組成となるように精油分、乳化剤等
の各配合成分を混合し、これに水を加えて、ホモミキサ
ー(7000rpm)を用いて70℃にて20分間予備
乳化を行った。その際、予備乳化開始10分後に酢酸
(醸造酢:濃度15%)を添加してpHを4.5に調製
した。次いで、高圧ホモジナイザー(ガウリン社製)を
用いて表1に示す圧力にてホモジナイズ処理を2回行
い、得られた乳化物を冷却することにより目的とする乳
化香料を得た(サンプル番号1〜5)。
【0031】これらの乳化香料について、乳化径を測定
した。尚、乳化径の測定は、散乱式粒度分布測定装置L
A−910、データ処理部SD−21((株)堀場製作
所製)を用いてレーザー回折により行った。測定条件
は、分布形態:標準、取り込み回数:10回、分散時
間:0分、超音波時間:0分、撹拌:2回、循環:2
回、待ち時間:0秒、であった。結果を表2に示す。
【0032】
【表1】 *1)乳化剤:商品名ソヤファイブ(不二製油(株)製) *2)SAIB:ショ糖酢酸イソ酪酸エステル(比重調整剤)
【0033】
【表2】
【0034】この結果から、乳化剤と精油分の割合等の
条件によっては乳化径がやや大きくなるが、高圧ホモジ
ナイザーによるホモジナイズ処理を行うことで良好な乳
化状態を得ることができること、及び、逆にこれらの条
件を選べば、予備乳化だけでも十分に乳化径を1μm程
度とすることができることがわかる。よって、条件を選
ぶことによって乳化作業をより簡便にすることができ
る。また、比重調整剤を使用した場合でも、高圧ホモジ
ナイザーによるホモジナイズ処理によって適度な乳化状
態が得られることがわかる。
【0035】<例2>ウスターソース用の精油分及びこ
いくちソース用の精油分を用意し、各々に乳化剤と水と
を混合し、撹拌式ホモジナイザー(商品名エクセルオー
ト・ホモジナイザー(EXCEL-AUTO HOMOGENIZER)、日本精
機(株)製)で予備乳化のみを行い(回転数8000r
pm、60℃、10分)、乳化香料を得た。尚、この乳
化工程で、酸成分が乳化香料全体に対し、各々0、0.
5、1.0、及び1.5重量%となるように、醸造酢
(濃度15%)を加えた。得られた乳化香料を28℃に
て静置保存し、例1と同様の方法で乳化径を測定し、そ
の経時的変化を観察した。結果を図1(ウスターソース
用乳化香料)及び図2(こいくちソース用乳化香料)に
示す。酸の添加量が0%では、他に比べて乳化径がやや
大きく、酸の存在が乳化効率を上げていると考えられ
る。
【0036】<例3>乳化香料の乳化安定性の保存温度
による影響を評価した。すなわち、酸の添加量を1.0
重量%とし、例2と同様の方法でウスターソース用乳化
香料及びこいくちソース用乳化香料とを製造した。各々
について、10℃、20℃、28℃、37℃、及び45
℃の条件で保存し、例1と同様の方法で乳化径を測定し
て経時的変化を観察した。結果を図3(ウスターソース
用乳化香料)及び図4(こいくちソース用乳化香料)に
示す。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0038】
【製造例】下記表3に示す4種の乳化香料(a〜d)を
以下に示す方法で製造した。尚、表3中、乳化香料aは
従来の大豆レシチンを乳化剤に使用したウスターソース
用乳化香料、乳化香料bは本発明の水溶性ヘミセルロー
スを乳化剤に使用したウスターソース用乳化香料、乳化
香料cは従来の大豆レシチンを乳化剤に使用したこいく
ちソース用乳化香料、乳化香料dは本発明の水溶性ヘミ
セルロースを乳化剤に使用したこいくちソース用乳化香
料である。
【0039】従来の大豆レシチンを乳化剤に使用した乳
化香料a及びcについては、まず表3に示す精油分の一
部を分取して乳化剤である大豆レシチンと混合加熱溶解
した後、それを残りの精油分と混合し、得られた混合物
を一昼夜静置した。一方、ショ糖脂肪酸エステルとキサ
ンタンガムを、水と混合して90℃以上の湯煎で練り込
み、さらに60℃の湯煎で混合したものに、前述した精
油分と乳化剤との混合物を約90分間撹拌しながら滴下
し、乳化させて乳化香料を得た。
【0040】本発明の水溶性ヘミセルロースを乳化剤に
使用した乳化香料b及びdについては、下記表3に示す
配合成分を混合し、ホモミキサー(エクセルオート・ホ
モジナイザー(EXCEL-AUTO HOMOGENIZER)、日本精機
(株)製)を用いて、pHを4.5に調整し、60℃で
10分間乳化を行った(回転数8000rpm)。その
後、得られた乳化物を冷却して乳化香料を得た。
【0041】
【表3】
【0042】
【実施例1、比較例1】本発明の乳化香料のウスターソ
ース中での乳化安定性を次のように評価した。すなわ
ち、ソースモデル液(糖液(Brix 30):40重量%、
醸造酢(酢酸濃度15重量%):2重量%、食塩:10
重量%)を調製し、このソースモデル液200gに、前
記製造例で得られたウスターソース用乳化香料b5gを
懸濁させてその乳化状態を観察した(実施例1)。比較
のため、同様にして前記製造例で得られたウスターソー
ス用乳化香料aを前記ソースモデル液に添加懸濁させ、
その乳化状態を観察した(比較例1)。
【0043】比較例1のソースモデル液では、乳化香料
は懸濁直後に完全に分離したのに対し、実施例1のソー
スモデル液では乳化状態が保持されていた。
【0044】
【実施例2、比較例2】本発明の乳化香料をウスターソ
ースに使用した場合の首部リング発生の有無を評価し
た。すなわち、前記製造例で得られた乳化香料bを、下
記表4に記載された組成のウスターソース100Lに対
して35g配合した(実施例2)。また、前記製造例で
得られた乳化香料aを、同様に前記ウスターソース10
0Lに対して10g配合した(比較例2)。尚、乳化香
料bの配合量を乳化香料aより多くしたのは、乳化香料
bの精油含量(力価)が乳化香料aの力価の1/3以下
であるためである。
【0045】このようにして得られた乳化香料配合ウス
ターソースを、細口ビンに注入して37℃にて4カ月間
静置し、首部リングの形成を観察した。比較例2では、
首部に太さ3mm程度の沈殿物のリングが形成されたの
に対し、実施例2ではほとんど首部リングの形成は観察
されなかった。
【0046】
【表4】
【0047】
【実施例3〜4、比較例3〜4】本発明の乳化香料の香
味への影響を評価するため、以下に示す実験を行った。
まず、製造例で得られた乳化香料a〜dを用いて、下記
表5に示す組成を有するウスターソース(実施例3、比
較例3)及びこいくちソース(実施例4、比較例4)を
調製した。このようにして得られた4種の乳化香料配合
ソースについて、パネラー46名によって香味評価を行
った。尚、評価は、室温20℃の条件下、実施例3と比
較例3の比較(ウスターソース同士の比較)及び実施例
4と比較例4の比較(こいくちソース同士の比較)を、
1:2点識別法によって行った。結果を表6に示す。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】表6の結果からわかるように、香味に関し
ては、ウスターソースについては乳化香料の違いによる
有意差は認められなかったが、こいくちソースについて
は有意差があるとの結果が得られ、本発明の水溶性ヘミ
セルロースを乳化剤に使用した乳化香料を配合したもの
の方が香味が豊かであることがわかった。
【0051】これは、単位ソース量当たりの精油分量
が、こいくちソースはウスターソースの2倍であり、本
発明の乳化香料の高いフレーバー保持能力が顕著に現れ
たためと思われる。
【0052】尚、こいくちソースへの乳化香料の配合量
を変えて、パネラー28名により上と同様の方法で香味
を評価し、従来の乳化香料cとの比較で本発明の乳化香
料dの精油含量(力価)と香味との関係を調べた。結果
を表7に示す
【0053】
【表7】
【0054】この結果から、本発明の乳化香料はフレー
バー保持能力が高く、従来の乳化香料と比較して精油と
しての添加量が40〜70重量%程度で同等の効果を得
ることができることがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明は、大豆抽出繊維に代表される水
溶性ヘミセルロースを有効成分とする乳化剤を使用して
いるため、乳化作業を簡便に行うことができ、しかも乳
化安定性に優れた調味ソース類に適した乳化香料が得ら
れる。さらに、この乳化香料は長期間にわたり香辛料の
フレーバーを保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態中、例2における酢酸濃
度と乳化安定性との関係(ウスターソース用乳化香料の
場合)を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態中、例2における酢酸濃
度と乳化安定性との関係(こいくちソース用乳化香料の
場合)を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態中、例3における保存温
度と乳化安定性との関係(ウスターソース用乳化香料の
場合)を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態中、例3における保存温
度と乳化安定性との関係(こいくちソース用乳化香料の
場合)を示す図である。
【符号の説明】
1・・・酢酸濃度0%における測定曲線 2・・・酢酸濃度0.5%における測定曲線 3・・・酢酸濃度1.0%における測定曲線 4・・・酢酸濃度1.5%における測定曲線 5・・・保存温度10℃における測定曲線 6・・・保存温度20℃における測定曲線 7・・・保存温度28℃における測定曲線 8・・・保存温度37℃における測定曲線 9・・・保存温度45℃における測定曲線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化された香辛料の精油分を含む調味ソ
    ース用乳化香料であって、前記精油分が、水溶性ヘミセ
    ルロースを有効成分とする乳化剤によって乳化されてい
    ることを特徴とする、調味ソース用乳化香料。
  2. 【請求項2】 水溶性ヘミセルロースが大豆抽出繊維で
    ある、請求項1記載の調味ソース用乳化香料。
  3. 【請求項3】 香辛料の精油分を、水溶性ヘミセルロー
    スを有効成分とする乳化剤を用いて乳化する乳化工程を
    含む、請求項1記載の調味ソース用乳化香料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記乳化工程を、酸の存在下に行うこと
    を特徴とする、請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸が、乳化香料全体に対し0.5〜2重
    量%存在する、請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記乳化工程における香辛料の精油分と
    乳化剤との割合が、精油分:乳化剤=1:1〜2:1
    (重量比)である、請求項3記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 水溶性ヘミセルロースを有効成分とする
    乳化剤によって乳化された香辛料の精油分を含む乳化香
    料を含有する、調味ソース類。
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