JP2003135030A - 微細セルロース含有複合体を配合してなる食品組成物 - Google Patents

微細セルロース含有複合体を配合してなる食品組成物

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JP2003135030A JP2001338310A JP2001338310A JP2003135030A JP 2003135030 A JP2003135030 A JP 2003135030A JP 2001338310 A JP2001338310 A JP 2001338310A JP 2001338310 A JP2001338310 A JP 2001338310A JP 2003135030 A JP2003135030 A JP 2003135030A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油脂の配合量が少ないにもかかわらず、コ
クがあり、かつ、口溶けがよい低カロリー食品を提供す
ること。あわせて、食感および整腸作用の優れた食物繊
維配合食品を提供すること。 【解決手段】 微細セルロース60〜80wt%、ロー
カストビーンガム2〜12wt%、キサンタンガム0.
5〜8wt%、親水性物質0〜37.5wt%からなる
粉末であって、温水に分散させたときに生じる粒子の平
均粒径が60μm以下、100μm以上の粒子が30v
ol%以下であり、かつ、コロイド分画が30%以下で
あることを特徴とする微細セルロース含有複合体を配合
して食品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微細セルロース含有
複合体を配合してなる食品組成物に関する。さらに詳し
くは、食感や安定性が改善された低カロリーの食品や、
食物繊維強化食品等に関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病など近代の生活習慣病を防止する
目的で、エネルギーの過剰摂取を抑制することや、お腹
の調子を整えることなどに対する食品の寄与が種々検討
されている。具体的にはこれまでいろいろな低カロリー
あるいはノンカロリーの食品や食物繊維を強化した食品
が開発されてきた。開発のポイントはエネルギーの主要
因である油脂の配合量を下げ、かつ、あるいは、食物繊
維、特に効果の高いといわれる水不溶性の食物繊維の強
化による外観、状態、食感(テクスチャー)、味の変化
を改善する事にあった。しかしながら多くの食品は「お
いしくて、かつ、低カロリー/水不溶性食物繊維強化」
というレベルに達していなかった。
【0003】低油脂食品のボディやテクスチャーを補う
物質、いわゆる油脂代替物のなかで、セルロース系の物
質としては、古くは特公昭39−20181号公報に開
示があり、その他には特表平4−507348号公報、
特公平6−11793号公報などがある。これらは、ボ
ディや外観などについては改善の効果が高かったが、油
由来の「コク」を補うことができなかった。
【0004】特表平4−502409号公報には、微結
晶セルロースとガラクトマンナンガムからなる凝集体が
非栄養性脂肪様増量剤として有効であることが開示され
ている。この物質は水中で実質上崩壊せず、乾燥粉末粒
子の形状、すなわち球状を維持するという特徴が発明の
本質である。キサンタンガムやマルトデキストリンの配
合についても開示があるが、微結晶セルロースとガラク
トマンナンガムからなる凝集体の表面を修飾することを
目的として、表面に吸着させているのであり、凝集体は
やはり水中で実質的に崩壊しないことにかわりはない。
しかしながら、一方では、公報には高エネルギー剪断条
件下で分散し、非常に細かい繊維質物質に変換して使用
する記載もある。この場合、ガム(グアーガム)の含量
は約15〜40%である事が必要であり、ガム含量が約
1〜15%の場合には球状粒子は本質的にそれらの原形
を保ち、すなわち、それらはより高度に剪断抵抗性であ
ると記載されている。「高度な剪断抵抗性」とは41.
37MPa(422kg/cm2)の圧力での高圧ホモ
ジナイザー処理においてもサイズリダクションしないこ
とを意味する。グアーガムは冷水可溶性であり、一方、
ローカストビーンガムは冷水膨潤・温水可溶型なので、
ローカストビーンガムはより一層の剪断抵抗性を有す
る。ガム含量が高い場合は、球状粒子もしくは繊維質物
質のいずれの状態で使用しても、食品に配合すると糊状
感が出る。ガム含量が低ければ(20%以下)粒子が細
かく分散しないので、ボディ感が減少する。また、乾燥
粉末粒子のサイズが大きい場合には、予備分散処理では
粒子のサイズリダクションが起こらず、そのため食品の
製造に多用されるピストン型の高圧ホモジナイザーで
は、圧力の変動なしに安定的に均質化することが困難で
あり、場合によっては閉塞が生じることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、油脂の配合
量が少ないにもかかわらず、コクがあり、かつ、口溶け
がよい低カロリー食品を提供することを課題としてい
る。あわせて、食感および整腸作用の優れた食物繊維配
合食品を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水分散性
の微細セルロース含有複合体を使用することで、課題を
解決し、本発明をなすに至った。すなわち本発明は以下
の通りである。 (1)微細セルロース60〜80wt%と、ローカスト
ビーンガム2〜12wt%と、キサンタンガム0.5〜
8wt%と、親水性物質0〜37.5wt%からなる粉
末であって、温水に分散させたときに生じる粒子の平均
粒径が60μm以下、100μm以上の粒子が30vo
l%以下であり、かつ、コロイド分画が30%以下であ
ることを特徴とする微細セルロース含有複合体を配合し
てなる食品組成物(但し、アイスクリーム類製品を除
く)。 (2)微細セルロース含有複合体が、温水に分散させた
ときに生じる粒子の平均粒径が40μm以下、100μ
m以上の粒子が25vol%以下となるものであること
を特徴とする前記(2)記載の食品組成物。 (3)微細セルロース含有複合体が、温水に分散させた
ときに生じる粒子の平均粒径が25μm以下、100μ
m以上の粒子が15vol%以下となるものであること
を特徴とする(1)記載の食品組成物。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
使用される微細セルロース含有複合体とは、単に微細セ
ルロースの粉末とローカストビーンガム粉末とキサンタ
ンガム粉末を混合したものではなく、粒子1個の中に1
個以上の微細セルロース粒子と他の成分を含有し、か
つ、微細セルロース粒子の周囲にそれらの成分が存在し
ているという構造を有する粒子、およびその粒子の群か
らなる乾燥粉末のことを意味する。
【0008】本発明に使用される微細セルロース含有複
合体は、水中で撹拌すると、複合体の形態のまま水中に
分散するのでなく、複合体は微細セルロース粒子を主体
とした微粒子に崩壊するのが特徴である。その崩壊して
生じる微細セルロース粒子は、サブミクロンの粒子(長
さ100〜300nm、幅20〜60nm程度の棒状粒
子)と、長さ約1μm以上の粒子からなる。特開昭54
−54169号公報、特開昭54−55762号公報、
特開昭54−157875号公報に開示されているよう
な既存の結晶セルロース複合体もまた、後述の強分散条
件(1%水懸濁液を25℃で、エースホモジナイザー1
5000rpmで5分間)で攪拌すると同様の微細セル
ロース粒子が生じるが、サブミクロンの粒子の多くは単
独で存在し、自分自身および他の固体粒子成分の懸濁安
定化に寄与する。ところが本発明の微細セルロース含有
複合体から生じるサブミクロンの粒子は単独で存在する
ことが少なく、数十以上の粒子が疎に凝集した構造をと
る。おそらくこれは微細セルロース粒子がローカストビ
ーンガムによって架橋されているためと推定する。
【0009】このような懸濁安定性に寄与する粒子成分
は、遠心分離してもなかなか沈降しないようなコロイダ
ルな性質を有することから、コロイド分画と呼ばれる。
既存の結晶セルロース複合体のコロイド分画は30%を
越えるが、本発明の微細セルロース含有複合体のコロイ
ド分画は30%以下である。好ましくは20%以下であ
り、さらに好ましくは10%以下である。コロイド分画
が30%を越えると、粘度が高くなり糊状感につなが
る。また、酸性で乳成分を主成分として含むような食品
の場合、乳タンパクと微細セルロース粒子が凝集を起こ
し、離水を起こす。コロイド分画の測定条件については
後述する。
【0010】本発明に使用される微細セルロース含有複
合体を水中で強分散したときに生じる固体粒子の平均粒
径(レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定)は、
おおよそ20μm以下であることが好ましい。より好ま
しくは平均粒径が15μm以下であり、さらに好ましく
は平均粒径が10μm以下である。粒子が小さい方が懸
濁安定性が良好であり、ざらつきが少ないから食感が良
好となる。水中での協分散の条件については後述する。
【0011】本発明に使用される微細セルロース含有複
合体の水中での崩壊に関する性質にはもう一つ特徴があ
る。それは、食品を製造する際の比較的弱い攪拌条件、
すなわち温水中で、対流型の分散機を使用して攪拌した
ときに、速やかに複合体粒子が崩壊するという性質であ
る。粗大粒子が少ないと、ざらつきが減るほか、食品製
造中の沈殿やストレーナー詰まりなどのトラブルを生じ
なくなる。具体的には、100μm以上の粒子が30体
積%以下、平均粒径が60μm以下に崩壊する。100
μm以上の粗大粒子はより少なく、また、平均粒径もよ
り小さい方が好ましい。100μm以上の粒子が25体
積%以下、平均粒径が40μm以下であると好ましく、
100μm以上の粒子が15体積%以下、平均粒径が2
5μm以下であるとさらに好ましい。この分散条件およ
び測定方法の詳細は後述する。
【0012】本発明に使用される微細セルロース含有複
合体は、微細セルロース60〜80wt%を含む。微細
セルロースが60wt%未満であると、水不溶性食物繊
維の含有量が減るので好ましくない。また、80wt%
を越えると、相対的に他の成分の配合量が少なくなり、
水分散性が悪化し、強力な剪断力で分散する必要が出て
くる。特に好ましい配合量は65〜75wt%である。
ローカストビーンガムは食品の増粘剤や安定剤として使
用され、冷水には一部可溶であり、また、80℃以上の
温水で溶解する性質を持つが、食品に配合されると糊状
感が出る。これは一般的な結晶セルロース製剤と併用し
ても充分抑えることできない。本発明の微細セルロース
含有複合体は、ローカストビーンガムを2〜12wt%
含む。複合体として存在することにより、糊状感が解消
される。しかしながら12wt%より多ければ糊状感が
現れ、2wt%より少なければ微細セルロース粒子とロ
ーカストビーンガムの凝集構造が充分ではなく、そのた
めコクが低下する。特に好ましい配合量は3〜10wt
%である。
【0013】グアーガムはガラクトマンナンの1種であ
り、ローカストビーンガムと同様にセルロースとインタ
ラクションする性質を有する。グアーガムは冷水にて膨
潤・溶解する性質があるので、複合体粒子の崩壊性とい
う観点では好ましい。しかしながら、溶解しやすいが故
に、食品に糊状感を与えてしまうという欠点がある。そ
のため本発明においては、冷水では溶解しないローカス
トビーンガムを使用することが必須である。
【0014】本発明に使用される微細セルロース含有複
合体はキサンタンガム0.5〜8wt%と、親水性物質
を最大で37.5wt%含む。微細セルロースとローカ
ストビーンガムはインタラクションするので、これら2
種類を構成成分とする複合体は、強力な剪断力で分散し
なれば、微細な粒子に分散することはなかった。そのた
め、食品の製造のためには食品中で強力に分散するか、
あるいは水中で充分予備分散してから食品に配合しなけ
ればならなかった。本発明者らはこれらの問題点を解決
しつつ、さらなる機能の向上を目指し、補助成分の配合
を鋭意検討した。その結果、キサンタンガムの配合がき
わめて効果的であることがわかり、本発明を完成させ
た。すなわちキサンタンガムを0.5wt%以上配合す
ることによって、水分散性が格段に向上することがわか
ったのである。しかしながら、8wt%を超えて配合す
ると糊状感が現れ、また、キサンタンガムとローカスト
ビーンガムの配合量が低い場合には水分散性が充分でな
い場合もあった。キサンタンガムは、8wt%以下であ
ってもその配合量が高くなると糊状感が高くなる傾向に
あるが、その場合は親水性物質を配合することにより、
充分な水分散性と良好な食感を両立させることができ
た。キサンタンガムのより好ましい配合量は1〜5wt
%であり、その量はローカストビーンガムと等量か、そ
れ以下であることが特に好ましい。また親水性物質の好
ましい配合量は0.5〜35wt%、より好ましい配合
量は1〜30wt%である。キサンタンガムと親水性物
質とを併用することは、水分散性と糊状感の点で好まし
い実施態様である。
【0015】本発明に使用されるローカストビーンガム
とは、豆科イナゴマメの種子から得られる多糖類であ
り、D−マンノースを主鎖に、D−ガラクトースを側鎖
に持つガラクトマンナンガムの1種である。D−マンノ
ースとD−ガラクトースの比は約4:1である。精製タ
イプおよび未精製タイプのいずれ使用も可能であるが、
水分散性を考慮すると精製タイプの使用が好ましい。本
発明に使用されるキサンタンガムは、グルコース残基が
β−1,4−グルコシド結合で直鎖状に連なった、セル
ロースと同等の分子構造の主鎖を持ち、α−D−マンノ
ース、β−D−グルクロン酸、β−D−マンノースが結
合した三糖が側鎖として、主鎖のグルコース残基ひとつ
おきに結合した構造を持つものである。前述の三糖類に
はアセチル基とピルビン酸基が結合している。分子量は
約100万以上である。
【0016】本発明に使用される親水性物質とは冷水へ
の溶解性が高く、粘性を殆どもたらさない物質であり、
デキストリン類、水溶性糖類(ブドウ糖、果糖、庶糖、
乳糖、異性化糖、キシロース、トレハロース、カップリ
ングシュガー、パラチノース、ソルボース、還元澱粉糖
化飴、マルトース、ラクツロース、フラクトオリゴ糖、
ガラクトオリゴ糖等)、糖アルコール類(キシリトー
ル、マルチトール、マンニトール、ソルビトール等)、
低粘性水溶性食物繊維類(ポリデキストロース、難消化
性デキストリン等)より選ばれた1種または2種以上の
物質である。特にデキストリン類が適している。
【0017】本発明に使用されるデキストリン類とは、
澱粉を酸、酵素、熱で加水分解することによって生じる
部分分解物のことであり、グルコース残基がβ−1,4
結合、あるいはβ−1,4とβ−1,6結合からなり、
DE(dextrose equivalent)とし
て、2〜42程度のものが使用される。ブドウ糖や低分
子オリゴ糖が除去された分枝デキストリンも使用される
ことができる。本発明に使用される微細セルロース含有
複合体には、微細セルロースとローカストビーンガムと
キサンタンガムと親水性物質以外に、デンプン類、可溶
性デンプン、油脂類、蛋白類、食塩、各種リン酸塩等の
塩類、乳化剤、増粘安定剤、酸味料、甘味料、香料、色
素等食品に使用できる成分を適宜配合されていても良
い。特に、複合体の分散状態を調整するために、カラギ
ーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ジェ
ランガム等、食品に利用される増粘安定剤を、単独で、
あるいは併用して配合してもよい。個々の成分の配合量
は、計37.5wt%を最大とし、安定性等の機能と粘
度のバランスで適宜決定されるべきものである。
【0018】本発明に使用される微細セルロースとロー
カストビーンガムとキサンタンガムと親水性物質からな
る複合体は、単に微細セルロースの粉末とローカストビ
ーンガム粉末とキサンタンガム粉末と親水性物質の粉末
を混合することで製造されるものではなく、微細セルロ
ースとその他の成分を水分を含有する状態、すなわち、
スラリー状、ペースト状、ゲル状、ケーク状で混合した
後、乾燥して製造されるものである。水分のある状態で
混合することによって、微細セルロース粒子の表面をロ
ーカストビーンガム、キサンタンガムおよび親水性物質
とよくなじませることが肝要である。この後、乾燥工程
を経ることによって、おそらく微細セルロース粒子とロ
ーカストビーンガムとの間に相互作用が生じ、水中で攪
拌した際に、微細セルロース粒子(1μm以下)は実質
的に単独で存在することなく、ローカストビーンガムと
複数の微細セルロース粒子からなる成分が生じるように
なるのであろう。そのため、前述したとおり、本発明の
微細セルロース含有複合体はコロイド分画が30%以下
であり、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10
%以下である。
【0019】本発明に使用される微細セルロース含有複
合体の製法について具体的に説明する。本発明に使用さ
れる微細セルロース含有複合体は、例えば、木材パル
プ、精製リンター、再生セルロース、穀物もしくは果実
由来の植物繊維等のセルロース系素材を酸加水分解、ア
ルカリ酸化分解、酵素分解、スチームエクスプロージョ
ン分解、亜臨界水あるいは超臨界水による加水分解等、
あるいはそれらの組み合わせにより解重合処理して平均
重合度30〜375とし、次いで、機械的なシア(剪断
力)をかけて磨砕し、微細セルロースとした後、水分を
含有する状態でローカストビーンガム、キサンタンガム
および親水性物質を添加して混合後、乾燥することによ
って得ることができる。微細セルロース以外の成分を水
溶液で配合する場合は、予め全成分を高温で溶解した後
に配合することが好ましい。微細セルロースとその他の
成分を混合後に加熱しても良い。また、全成分を混合
後、さらに機械的なシアをかけても良い。
【0020】解重合処理したセルロースにローカストビ
ーンガムとキサンタンガムと親水性物質を添加後、機械
的なシアをかけて磨砕と混合を同時に行う、いわゆる湿
式共磨砕した後、乾燥し、微細セルロースを含む複合体
とする方法もまた好ましい方法の一つである。湿式磨砕
に使用する機械は、系に存在する水分量、セルロースの
微細化の程度により自由に選択される。例えば、平均粒
径が8μm以下の微細セルロースを得るような、強力な
機械的シアをかける場合には、媒体攪拌ミル類(例え
ば、湿式振動ミル、湿式遊星振動ミル、湿式ボールミ
ル、湿式ロールミル、湿式コボールミル、湿式ビーズミ
ル、湿式ペイントシェーカー)や、超高圧ホモジナイザ
ー等が用いられる。超高圧ホモジナイザーとしては、約
50MPa以上の高圧で、スラリーを微細オリフィスに
導き高流速で対面衝突させるタイプが効果的である。こ
れらの磨砕機を使用した場合の最適磨砕濃度は機種によ
り異なるが、概ね3〜25wt%程度の固形分濃度が適
している。
【0021】また、平均粒径が5〜15μmの微細セル
ロースを得るような機械的シアをかける場合において、
おおむね固形分濃度が3〜30wt%程度であるスラリ
ー様の系を磨砕するには、コロイドミル、砥石型磨砕
機、連続式ボールミル、ホモジナイザー、ホモミキサ
ー、プロペラ撹拌機等の磨砕機、混合機が使用できる。
また、それより固形分濃度が高い、おおむね20〜60
wt%程度であるケーク状のものを磨砕するには、ニー
ダー、ライカイ機、押出機等が使用できる。本発明の目
的のためにはこれらの機種を単独で用いることもできる
が、2種以上の機種を組み合わせて用いることもでき
る。複数回の処理もまた良好な結果が得られる。
【0022】微細セルロース、ローカストビーンガム、
キサンタンガムと親水性物資の混合物の乾燥は公知の方
法を使用すればよいが、実際的には、乾燥される対象物
の水分量、状態によって最適な方法を選ぶべきである。
例えばスラリー状であれば、噴霧乾燥法、ドラム乾燥法
等が使用できる。また、泥状物、餅様物には、棚段式乾
燥法、ベルト乾燥法、流動床乾燥法、凍結乾燥法、マイ
クロウエーブ乾燥等が挙げられる。水中での複合体の再
分散性を向上させる点からは、スラリー状にして噴霧乾
燥する方法が好ましい。乾燥コスト低減の点からは、固
形分含量の高い状態で乾燥できる棚段乾燥法、流動床乾
燥法が好ましい。乾燥後の水分量の上限は、取り扱い
性、経時安定性を考慮すれば、15wt%以下が好まし
い。特に好ましくは10wt%以下である。さらに好ま
しくは6wt%以下である。
【0023】なお、ドラム乾燥法、棚段式乾燥法、ベル
ト乾燥法等により得られた乾燥物は、薄片状あるいは塊
状で得られるので、衝撃式粉砕機、ジェットミル粉砕機
等の適切な方法で粉砕し、目開き425μmの篩をほぼ
全通する程度に粉末化することが好ましい。
【0024】本発明の食品組成物とは、アイスクリー
ム、アイスミルク、ラクトアイス、ソフトクリーム等の
アイスクリーム類製品以外の食品であり、コーヒー、紅
茶、抹茶、ココア、汁粉、ジュース等の嗜好飲料、生
乳、加工乳、乳酸菌飲料、豆乳等の乳性飲料、カルシウ
ム強化飲料等の栄養強化飲料並びに食物繊維含有飲料等
を含む各種の飲料類、バター、チーズ、ヨーグルト、コ
ーヒーホワイトナー、ホイッピングクリーム、カスター
ドクリーム、プリン等の乳製品類、マヨネーズ、マーガ
リン、スプレッド、ショートニング等の油脂加工食品
類、各種のスープ、シチュー、ソース、タレ、ドレッシ
ング等の調味料類、練りがらしに代表される各種練りス
パイス、ジャ ム、フラワーペーストに代表される各種
フィリング、各種のアン、ゼリーを含むゲル・ペースト
状食品類、パン、麺、パスタ、ピザ、各種プレミックス
を含むシリアル食品類、キャンディー、クッキー、ビス
ケット、ホッ トケーキ、チョコレート、餅等を含む和
・洋菓子類、蒲鉾、ハンペン等に代表される水産練り製
品、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等に代表される畜産
製品、クリーム コロッケ、中華用アン、グラタン、ギ
ョーザ等の各種の 惣菜類、塩辛、カス漬等の珍味類、
経管流動食等の流動 食類およびペットフード類等のこ
とである。これらの食品はレトルト食品、粉末食品、冷
凍食品、電子レンジ用食品等のように、形態または用時
調製の加工手法が異なっていても本発明に含まれる。
【0025】本発明に使用される微細セルロース含有複
合体は、油脂代替などの低カロリー化基剤、ボディ付与
剤、保形剤、離水防止剤、生地改質剤、食物繊維素材と
して作用する。また、刺激的な酸味や油くささなどなど
をまろやかにするため、食品全体の味がまとまるという
効果を有する。この作用機構不明ながら、前述のとお
り、食品中では数十以上の微細セルロース粒子がローカ
ストビーンガムによって疎に凝集した構造をとっている
ことから、これが味蕾に何らかの作用を及ぼしたものと
推定する。
【0026】すなわち本発明の食品組成物は、適度なボ
ディがあるにもかかわらず、さっぱりとした食感と口溶
けが良好であるという特徴を有する。また、刺激的な味
を抑え、全体としてまとまった味を呈する。これらの特
徴は、低脂肪食品においては特に有効な効果である。
【0027】さらに本発明の食品組成物は、水不溶性食
物繊維であるセルロースを含有しながらざらつきなどの
違和感がない。従来、セルロース粒子を小さくすること
でざらつきの低減が図られてきたが、本発明は微細セル
ロース粒子とローカストビーンガムの凝集構造とするこ
とでその課題をクリアした。この点が新規な技術であ
る。そのため、ヨーグルトなどの乳成分を含む酸性食品
に対する水不溶性食物繊維の配合が可能となった。通常
それらの食品においては、セルロース微粒子と乳成分が
インタラクションし、ハードヨーグルトのカード化が不
十分となったり、離水したりするのを避けることが困難
であった。ところが本発明に使用される微細セルロース
含有複合体は単独で存在する微細なセルロース粒子が少
ないため、前述のインタラクションが抑制されるものと
思わる。
【0028】本発明の食品組成物中の微細セルロース含
有複合体の含有量は、食品の種類や脂肪含有量、あるい
は配合したい食物繊維量によって変わるので適宜決定す
べきであるが、おおむね0.05〜90wt%程度であ
る。好ましくは0.1〜20wt%であり、特に好まし
くは0.5〜10wt%である。食品組成物は公知の方
法により製造され、微細セルロース含有複合体は食品組
成物の粉体原料と同時に添加するなど適当なタイミング
で添加すればよい。分散あるいは均質化工程がある場合
はその前に配合することが好ましい。水あるいは砂糖な
どの非イオン性成分の水溶液や水分散液に配合し、分散
工程を経た後、他の成分と混合して製造することは、特
に好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、実施例によって本発明をさ
らに具体的に説明する。なお、測定は以下の通り行っ
た。また、これらの実施例が本発明を限定する意味では
なく本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定められ
るものである。 <微細セルロース含有複合体の温水・弱分散時における
固体粒子の平均粒径および100μm以上の粒子の量> (1)サンプル(固形分)20.0gに85℃の蒸留水
を入れ、全量を2000gとする。 (2)サンプル水懸濁液の温度を85℃に維持しつつ、
ホモミキサー(特殊機化工業(株)製T.K.ホモミク
サーMARK II 2.5型)にて8000rpmで
5分間分散する。 (3)レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作
所製LA−910型)を用いて、屈折率「1.20−
0.00i」、データの取り込み回数「10回」に設定
し、超音波分散処理することなく、粒度分布を測定す
る。平均粒径は積算体積50%の粒径で表す。また、1
00μm上の粒子の量はvol%で表す。
【0030】<微細セルロース含有複合体の強分散時に
おける固体粒子の平均粒径> (1)サンプル(固形分)3.0gに25℃の蒸留水を
入れ、全量を300gとする。 (2)エースホモジナイザー(日本精機製AM−T)に
て15000rpmで5分間分散する。 (3)レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作
所製LA−910型)を用いて、屈折率「1.20−
0.00i」、データの取り込み回数「10回」に設定
し、1分間超音波処理した後、粒度分布を測定する。平
均粒径は積算体積50%の粒径で表す。
【0031】<微細セルロース含有複合体のコロイド分
画> (1)サンプル(固形分)3.0gに蒸留水を入れ、
全量を300gとする。 (2)エースホモジナイザー(日本精機製AM−T)に
て15000rpmで2分間分散する。 (3)分散液10mlを正確に秤量瓶にとり重量を精秤
する。 (4)残りの分散液40mlを50ml容のポリプロピ
レンコポリマー製遠沈管に移し、2000rpmで15
分間遠心分離する((株)久保田製作所製:インバータ
・マルチパーパス高速冷却遠心機6930型:RA−4
00アングルロータ使用、約480×g)。その上層液
10mlを正確に秤量瓶にとり重量を精秤する。
【0032】(5)遠心分離の条件を、15100×g
で30分間とする以外は(4)と同様に操作する。 (6)(3)、(4)、(5)の秤量瓶を105℃の乾
燥機で10時間加熱し、内容物を蒸発乾固する。 (7)(3)の固形分重量を精秤する。(Ag) (8)(4)の固形分重量を精秤する。(Bg) (9)(5)の固形分重量を精秤する。(Cg) (10)次式によりコロイド分画を算出する。 コロイド分画(%)=(B−C)/(A−C)×100 以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明
する。
【0033】
【実施例1〜7】市販DPパルプを裁断後、7%塩酸中
で105℃で20分間加水分解して得られた酸不溶性残
渣をろ過、洗浄し、加水分解セルロースのウェットケー
ク(固形分含量46wt%)を得た。そして、この加水
分解セルロースに、ローカストビーンガムとキサンタン
ガムとデキストリンを、表1の組成になるように配合
し、必要に応じて加水し、ニーダーにて3時間混練し
た。次に60℃の熱風乾燥機で乾燥した後、粉砕して、
微細セルロース含有複合体A〜Gを得た。この微細セル
ロース含有複合体の物性を表1に示す。なお、複合体A
〜Eは精製タイプのローカストビーンガムを使用し、複
合体FおよびGは未精製タイプのローカストビーンガム
を使用した。
【0034】次いで、微細セルロース含有複合体A〜G
を用い、ハーフタイプのマヨネーズ風ドレッシングを調
製した。すなわち、まず微細セルロース含有複合体5重
量部と水36.7重量部を混合し、家庭用ミキサーで2
0分間撹拌し、次いでホバートミキサーに移して150
rpmで撹拌しつつ、キサンタンガム0.4重量部、卵
黄10重量部、水1.9重量部を添加し、その後5分間
撹拌した。それからサラダ油35重量部を約20g/分
の速度で添加し、添加終了後から10分間撹拌した。引
き続き、食塩2.6重量部、砂糖0.9重量部、からし
粉0.4重量部、グルタミン酸ナトリウム0.1重量部
の混合粉末と、食酢7重量部を添加し、5分間撹拌し
た。ここまでの操作の間、ホバートミキサーは止めるこ
となく、150rpmで連続撹拌した。最後にコロイド
ミル(クリアランス:10mil、回転数:3000r
pm)で1回処理することにより、目的のドレッシング
を調製した。
【0035】ドレッシングの粘度(回転粘度計にて測
定。ずり速度は50s-1。温度は25℃。)および官能
評価(ボディ感、口溶けの良さ、ざらつき、味のまとま
り)の結果を表1に示す。官能評価の基準は下記の通
り。 <食感/ボディ感> a:比較例9よりもボディ感がある b:比較例9と同程度 <食感/口溶けの良さ> a:比較例9よりも口溶けがよい b:比較例9と同程度 c:比較例9よりも口溶けが悪い(糊状感がある) d:比較例9よりもかなり糊状感がある
【0036】<食感/ザラツキ> a:ザラツキを感じない(比較例9とかわりがない) b:わずかザラツキを感じる <味/まとまり> a:鋭い酸味や油臭さが無く、卵黄のコクを感じる。 b:鋭い酸味や油臭さを少し感じる。 c:鋭い酸味や油臭さを強く感じる。 (比較例9と同
程度)
【0037】
【比較例1〜3】実施例1と同様にして得られた加水分
解セルロースのウェットケークに、ローカストビーンガ
ムとキサンタンガムとデキストリンを、表2の組成にな
るように配合し、必要に応じて加水し、ニーダーにて3
時間混練した。次に60℃の熱風乾燥機で乾燥した後、
粉砕して、微細セルロース含有複合体H、I、Jを得
た。この微細セルロース含有複合体の物性を表2に示
す。なお、複合体H、Jは精製タイプのローカストビー
ンガムを使用し、複合体Iは未精製タイプのローカスト
ビーンガムを使用した。
【0038】次いで、微細セルロース含有複合体として
AのかわりにH、I、Jを用い、粘度が2.5〜4.2
Pa・sになるように適宜キサンタンガムと水の配合量
を調整する以外は全て実施例1と同様にしてハーフタイ
プのマヨネーズ風ドレッシングを調製し、評価した。評
価結果を表2に示す。
【0039】
【比較例4〜5】特開昭54−54169号公報開示の
方法に準じて微細セルロース含有複合体を調製した。す
なわち、まず、市販DPパルプを裁断後、0.8%塩酸
中で110℃で90分間加水分解して得られた酸不溶性
残渣をろ過、洗浄し、加水分解セルロースのウェットケ
ーク(固形分含量51wt%)を得た。そして、この加
水分解セルロースに、キサンタンガムとデキストリン、
あるいは精製ローカストビーンガムとショ糖とグルコー
スを、表2の組成になるように配合し、必要に応じて加
水し、ニーダーにて3時間混練した。次に80℃の熱風
乾燥機で乾燥した後、粉砕して、微細セルロース含有複
合体KおよびLを得た。この微細セルロース含有複合体
の物性を表2に示す。
【0040】次いで、微細セルロース含有複合体として
AのかわりにKとLを用い、粘度が2.5〜4.2Pa
・sになるように適宜キサンタンガムと水の配合量を調
整する以外は全て実施例1と同様にしてハーフタイプの
マヨネーズ風ドレッシングを調製し、評価した。評価結
果を表2に示す。
【0041】
【比較例6】特開昭54−55762号公報開示の方法
に準じて微細セルロース含有複合体を調製した。すなわ
ち、まず、精製リンターを、9.1%塩酸中で105℃
で15分間加水分解して得られた酸不溶性残渣をろ過、
洗浄し、加水分解セルロースのウェットケーク(固形分
含量49wt%)を得た。そして、この加水分解セルロ
ースに、グアーガムとデキストリンを、表2の組成にな
るように配合し、必要に応じて加水し、ニーダーにて9
0分間混練した。次に風乾した後、粉砕して、微細セル
ロース含有複合体Mを得た。この微細セルロース含有複
合体の物性を表2に示す。
【0042】次いで、微細セルロース含有複合体として
AのかわりにMを用い、粘度が2.5〜4.2Pa・s
になるように適宜キサンタンガムと水の配合量を調整す
る以外は全て実施例1と同様にしてハーフタイプのマヨ
ネーズ風ドレッシングを調製し、評価した。評価結果を
表2に示す。
【0043】
【比較例7】特開昭54−157875号公報開示の方
法に準じて微細セルロース含有複合体を調製した。すな
わち、比較例4と同様にして得られた加水分解セルロー
スのウェットケークに、精製ローカストビーンガムとデ
キストリンを、表2の組成になるように配合し、必要に
応じて加水し、ニーダーにて3時間混練した。次に80
℃の熱風乾燥機で乾燥した後、粉砕して、微細セルロー
ス含有複合体Nを得た。この微細セルロース含有複合体
の物性を表2に示す。
【0044】次いで、微細セルロース含有複合体として
AのかわりにNを用い、粘度が2.5〜4.2Pa・s
になるように適宜キサンタンガムと水の配合量を調整す
る以外は全て実施例1と同様にしてハーフタイプのマヨ
ネーズ風ドレッシングを調製し、評価した。評価結果を
表2に示す。
【0045】
【比較例8】特表平4−502409号公報開示の方法
に準じて微細セルロース含有複合体を調製した。すなわ
ち、まず、実施例1と同様にして得られた加水分解セル
ロースのウェットケークをニーダーにて3時間混練し
た。次に固形分比でセルロース:ローカストビーンガム
=8:2、固形分濃度10wt%となるように、純水中
にこの混練物と精製ローカストビーンガムを投入し、プ
ロペラ攪拌および対流型ホモミキサーによって均質なス
ラリーとした。次いでマントンゴーリン型ホモジナイザ
ーで、17MPaで均質化し、噴霧乾燥して微細セルロ
ース含有複合体Oを得た。この微細セルロース含有複合
体の物性を表2に示す。なお、特表平4−450240
9号公報の技術は水中での剪断力にて崩壊しないことを
主目的としているので、リン酸等の酸を添加する技術を
推薦している。しかしながら本発明の微細セルロース含
有複合体は崩壊する性質を有しているので、比較を明確
にするために、リン酸は添加しなかった。
【0046】次いで、微細セルロース含有複合体として
AのかわりにOを用い、粘度が2.5〜4.2Pa・s
になるように適宜キサンタンガムと水の配合量を調整す
る以外は全て実施例1と同様にしてハーフタイプのマヨ
ネーズ風ドレッシングを調製し、評価した。評価結果を
表2に示す。
【0047】
【比較例9】微細セルロース含有複合体を含まない、通
常のマヨネーズを調製した。すなわち、まず水14重量
部と卵黄10重量部をホバートミキサーに入れ、150
rpmで3分間撹拌した。それからサラダ油65重量部
を約20g/分の速度で添加し、添加終了後から10分
間撹拌した。引き続き、食塩2.6重量部、砂糖0.9
重量部、からし粉0.4重量部、グルタミン酸ナトリウ
ム0.1重量部の混合粉末と、食酢7重量部を添加し、
5分間撹拌した。ここまでの操作の間、ホバートミキサ
ーは止めることなく、150rpmで連続撹拌した。最
後にコロイドミル(クリアランス:10mil、回転
数:3000rpm)で1回処理することにより、マヨ
ネーズを調製した。粘度は2.8Pa・sだった。ま
た、官能評価したところボディ感は少な目で、口溶けは
比較的良好であり、ざらつきはなかったが、酢の刺激的
な酸味が感じられ、口中を覆うような油臭さを感じた。
【0048】
【実施例8〜10】水不溶性食物繊維強化ヨーグルトを
調製した。すなわち、水84.72重量部、生クリーム
(雪印乳業(株)製「雪印フレッシュ」:乳脂肪40.
0%、無脂乳固形分4.5%)5重量部、脱脂粉乳(雪
印乳業(株)製「雪印フレッシュ」)8.28重量部、
微細セルロース含有複合体A、B、F2重量部を80℃
で30分間プロペラ撹拌した。これをピストン型のホモ
ジナイザーで均質化(1段:9.8MPa、2段:4.
9MPa)した。次いで30℃になるまでプロペラ撹拌
しながら放冷し、100cm3容のプラスチック製カッ
プに充填し、38℃で17時間発酵させた。これを5℃
で5時間保存し、評価した。
【0049】サンプルはカード化し、いわゆるハードヨ
ーグルトの外観、硬さを有していた。離水分離はなく、
食したところざらつきのない比較例11のサンプルと同
等の食感であった。
【0050】
【比較例10】微細セルロース含有複合体としてAのか
わりにKを用い、あとは実施例8と同様にしてハードヨ
ーグルトの調製をこころみた。しかしながら、カード化
せず、細かい凝集状態となり、離水も発生した。
【0051】
【比較例11】微細セルロース含有複合体を含まず、そ
の分水を増やした以外は実施例8と同様にしてハードヨ
ーグルトを調製した。できたものは、離水のない、カー
ド化したハードヨーグルトだった。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明は、特定の微細セルロース含有複
合体を使用することにより、油脂の配合量が少ないにも
かかわらず、コクがあり、かつ、口溶けがよい低カロリ
ー食品を提供することができる。かつ、食感および整腸
作用の優れた食物繊維配合食品を提供することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細セルロース60〜80wt%と、ロ
    ーカストビーンガム2〜12wt%と、キサンタンガム
    0.5〜8wt%と、親水性物質0〜37.5wt%か
    らなる粉末であって、温水に分散させたときに生じる粒
    子の平均粒径が60μm以下、100μm以上の粒子が
    30vol%以下であり、かつ、コロイド分画が30%
    以下であることを特徴とする微細セルロース含有複合体
    を配合してなる食品組成物(但し、アイスクリーム類製
    品を除く)
  2. 【請求項2】 微細セルロース含有複合体が、温水に分
    散させたときに生じる粒子の平均粒径が40μm以下、
    100μm以上の粒子が25vol%以下となるもので
    あることを特徴とする請求項1記載の食品組成物。
  3. 【請求項3】 微細セルロース含有複合体が、温水に分
    散させたときに生じる粒子の平均粒径が25μm以下、
    100μm以上の粒子が15vol%以下となるもので
    あることを特徴とする請求項1記載の食品組成物。
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