JPH09205864A - コンバインのグレンタンク構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グレンタンクを極力大容量化できるコンバイ
ンのグレンタンク構造を提供する。 【解決手段】 脱穀装置３とグレンタンク５とを左右に
並設し、グレンタンク５の前側に搭乗操縦部４を配設
し、かつ、脱穀装置３の後部に脱穀処理後の排ワラを細
断処理する細断処理装置２０を設け、グレンタンク５
を、その後端側の左右幅の中間位置における縦軸芯Ｚ周
りで揺動自在に構成し、グレンタンク５の前部における
機体内奥側の隅角部５ｂを、縦軸芯Ｚ周りでのグレンタ
ンク５の揺動による搭乗操縦部４との干渉を避けるよう
に凹入欠如してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀装置とグレン
タンクとを左右に並設し、前記グレンタンクの前側に搭
乗操縦部を配設し、かつ、前記脱穀装置の後部に脱穀処
理後の排ワラを細断処理する細断処理装置を設けるとと
もに、前記グレンタンクを、その後端側の左右幅の中間
位置における上下向きに沿う軸芯周りで揺動自在に構成
したコンバインのグレンタンク構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のコンバインのグレンタン
ク構造にあっては、例えば特開平７‐２７４７０１号公
報に開示されているように、グレンタンクと搭乗操縦部
との間のスペースに、グレンタンク内の底スクリュー等
へ動力伝達する伝動機構を配設するために、ある程度の
前後間隔を有しているとともに、グレンタンクの前面側
及び後面側はその左右幅にわたって極力タンク容積を確
保するため、下方の正面視下すぼまり形状を除いてほぼ
直方体状の箱型に形成されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造のものでは、メンテナンス等のために、グレンタ
ンクをその後端側の中間位置における上下向きに沿う縦
軸芯周りで揺動させて脱穀装置横側部箇所等を開放させ
るときに、グレンタンクの内奥側の隅角部が他物と接当
しないよう、例えば搭乗運転部の操縦座席等や排ワラ細
断装置への排ワラの穂先搬送経路等に対して干渉しない
よう、そのグレンタンクの揺動軌跡とそれらの他物との
干渉を回避できる状態にグレンタンクの前後長等の寸法
を制限していた。このため、グレンタンクが小容量のも
のに規定されることになり、作業能率の向上の点から
も、より一層グレンタンクの大容量化が望まれていた。

【０００４】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、グレンタンクを極力大容量化できるコンバイ
ンのグレンタンク構造の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

（構成） 本発明の請求項１にかかるコンバインのグレ
ンタンク構造は、脱穀装置とグレンタンクとを左右に並
設し、前記グレンタンクの前側に搭乗操縦部を配設し、
かつ、前記脱穀装置の後部に脱穀処理後の排ワラを細断
処理する細断処理装置を設けるとともに、前記グレンタ
ンクを、その後端側の左右幅の中間位置における縦軸芯
周りで揺動自在に構成したコンバインのグレンタンク構
造であって、前記グレンタンクの前部における機体内奥
側の隅角部を、前記縦軸芯周りでの前記グレンタンクの
揺動による前記搭乗操縦部との干渉を避けるように凹入
欠如してあることを特徴構成とする。

【０００６】（作用） 本発明の請求項１にかかる特徴
構成によれば、グレンタンクの前部における機体内奥側
の隅角部を、グレンタンク後部の縦軸芯周りでのグレン
タンクの揺動による搭乗操縦部との干渉を避けるように
凹入欠如してあるから、搭乗操縦部と干渉することのな
いグレンタンク部分はグレンタンク全体としての容量を
極力拡大できるようにするために機体内方側や前方側に
張り出した構造にすることができる。

【０００７】（効果） 従って、本発明の請求項１にか
かる特徴構成によれば、グレンタンクにおいて、搭乗操
縦部と干渉する部分のみ干渉を避けるように凹入欠如す
ることで、他の部分は張出をはかることができることに
なるので、結局のところグレンタンク容量を拡大化で
き、それにより、グレンタンクに穀粒が満杯になるまで
の刈取作業量が従来より増大することになって、作業能
率を高めるに至った。

【０００８】（構成） 本発明の請求項２にかかるコン
バインのグレンタンク構造は、請求項１の構成におい
て、前記グレンタンクの後部における機体内奥側の隅角
部を、前記縦軸芯周りでの前記グレンタンクの揺動によ
る前記細断処理装置への排ワラの穂先搬送経路との干渉
を避けるように凹入欠如してあることを特徴構成とす
る。

【０００９】（作用） 本発明の請求項２にかかる特徴
構成によれば、グレンタンクの後部における機体内奥側
の隅角部を、縦軸芯周りでのグレンタンクの揺動による
細断処理装置への排ワラの穂先搬送経路との干渉を避け
るように凹入欠如してあるから、細断処理装置への排ワ
ラの穂先搬送経路と干渉することのないグレンタンク部
分はグレンタンク全体としての容量を極力拡大できるよ
うにするために機体内方側や後方側に張り出した構造に
することができる。

【００１０】（効果） 従って、本発明の請求項２にか
かる特徴構成によれば、グレンタンクにおいて、細断処
理装置への排ワラの穂先搬送経路と干渉する部分のみ干
渉を避けるように凹入欠如することで、他の部分は張出
を図ることができるので、グレンタンク容量を拡大化で
き、それにより、グレンタンクに穀粒が満杯になるまで
の刈取作業量が従来より増大することになって、作業能
率を高めるに至った。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１に、コンバインを示してい
る。このコンバインは、左右一対のクローラ走行装置
１，１に支持された機体２に、脱穀装置３、搭乗操縦部
４、グレンタンク５等を搭載装備するとともに、機体２
の前端部に、横軸芯周りで昇降揺動自在に刈取前処理部
６を装着して構成している。

【００１２】図１、図２及び図４に示すように、グレン
タンク５は、板金材で箱状に構成され、かつ、その下部
側が前後方向視で下すぼまり状に構成されているととも
に、その底部に前後方向に沿ったスクリュー搬送装置と
しての底スクリュー７が配設されている。この底スクリ
ュー７の後端部は、グレンタンク５の後側壁５Ｂより外
方に突出され、そこにアンローダ８が連設されている。
アンローダ８は、縦送りスクリュー装置８Ａと横送りス
クリュー装置８Ｂとで構成されている。そして、脱穀装
置３からの脱穀穀粒は、揚送スクリュー９を介してグレ
ンタンク５内に供給されるとともに、その穀粒のグレン
タンク５からの排出は、底スクリュー７及びこの底スク
リュー７と連動するアンローダ８によってなされる。ま
た、該グレンタンク５は、縦送りスクリュー装置８Ａの
回転軸芯とほぼ同一の上下向きの軸芯Ｚ周りで全体とし
て回動自在に支持して構成されている。

【００１３】そして、図１乃至図３に示すように、グレ
ンタンク５における底スクリュー７のスクリュー軸７ａ
の前端部は、グレンタンク５の前側壁５Ａより外方に突
出されているとともに、そのスクリュー軸７ａの端部に
は、ギア伝動ケース１０に内装された状態でベベルギア
機構１１が連動連結されている。このベベルギア機構１
１は、スクリュー軸７ａの前後方向に沿った軸芯に対し
て、機体横幅方向、つまり左右方向に沿った軸芯と９０
度交差する状態で伝動向きを変更自在に構成され、入力
側のベベルギア１１ａのボス部の六角孔に対して嵌脱自
在な左右方向に沿った六角軸を成す伝動軸１２を配設し
ている。この伝動軸１２は、搭乗操縦部４の操縦座席１
３下方に配設したエンジン１４よりベルト伝動機構１５
を介して駆動されるものであって、伝動軸１２と一体回
転するベルト伝動機構１５の従動プーリ１５ａと、機体
に立設した支持ステー１６とによってその軸芯方向で摺
動自在に支持され、スプリング１７により、機体右横方
に向けて弾性付勢している。さらに、伝動軸１２の先端
部は、入力用ベベルギア１１ａの六角孔に円滑に嵌脱で
きるよう、先すぼまり状に面取りしている。

【００１４】上記構成により、グレンタンク５を使用姿
勢から脱穀部３の側方を開放するよう縦軸芯Ｚ周りで揺
動させると、入力用ベベルギア１１ａは伝動軸１２より
左右方向で離脱することになる。逆に開放姿勢のグレン
タンク５を通常の使用姿勢に変更する場合は、グレンタ
ンク５の収納がわへの回動に伴って、伝動軸１２に対し
てグレンタンク５と一体移動する入力用ベベルギア１１
ａが伝動軸１２寄りに近接していき、伝動軸１２の先端
が入力用ベベルギア１１ａのボス部の六角孔に入り込
み、ガタ等により多少芯ずれしている場合でもスプリン
グ１７の付勢力に抗して一時的に伝動軸１２を後退させ
て入力用ベベルギア１１ａと伝動軸１２の軸芯がより一
致する状態にしてから、入力用ベベルギア１１ａのボス
部の六角孔に伝動軸１２の先端部を良好に嵌合させるこ
とになる。

【００１５】そして、グレンタンク５の前面側の右側の
隅角部５ａは使用姿勢でも横外方に臨んでいるので前面
と外横面とが直交する凸角部のみで構成されている。一
方、グレンタンク５の前部の機体内奥側となる左側の隅
角部５ｂは、グレンタンク５の縦軸芯Ｚ周りでの揺動操
作により通常の使用姿勢と開放姿勢との間で姿勢変更す
る際にその隅角部５ｂが通過する軌跡が搭乗操縦部４の
操縦座席１３やこの操縦座席１３を載置したエンジンボ
ンネット１８等に干渉しないよう、その干渉を避ける状
態で凹入欠如している凹角部としての第１凹角部１９を
形成している。

【００１６】また、図１、図２及び図４に示すように、
脱穀処理済の排ワラを細断処理する細断処理装置２０
を、脱穀装置３の後部に連設しているとともに、その細
断処理装置２０はグレンタンク５の後方箇所にも延出さ
れた状態で左右幅を設定して設けている。フィードチェ
ーン２１から排ワラを受け渡されて細断処理装置２０へ
搬送する排ワラ搬送チェーン２２を後方ほどグレンタン
ク５寄りに位置する状態で設け、これにより排ワラの稈
身全体が細断処理装置２０の左右幅内に入り込むように
している。そして、排ワラの穂先側が通過する部分を通
常姿勢のグレンタンク５と平面視で重複するように設定
しているとともに、この排ワラの穂先部が通過する部分
に相当するグレンタンク５の後部の左側、つまり機体内
奥側の隅角部５ｃには、グレンタンク５の縦軸芯Ｚ周り
での揺動操作により通常の使用姿勢と開放姿勢との間で
姿勢変更する際にその隅角部５ｃが通過する軌跡が、排
ワラの穂先部が通過する部分に干渉しないよう、その干
渉を避ける状態で凹入欠如している凹角部としての第２
凹角部２３を形成している。つまり、脱穀装置３と細断
処理装置２０との連結する箇所の外装ケース２４におけ
る排ワラの穂先部が通過する部分はグレンタンク５側側
面箇所が後方ほどグレンタンク５側に平面視で入り込む
ように形成しているものであり、その入り込み分をグレ
ンタンク５の縦軸芯Ｚ周りでの揺動で干渉しないよう、
第２凹角部２３を形成しているのである。

【００１７】上記構成により、グレンタンク５の縦軸芯
Ｚ周りでの揺動で、グレンタンク５の前部の機体内奥側
つまり脱穀装置３側の隅角部５ｂ及びグレンタンク５の
後部の機体内奥側つまり脱穀装置３側の隅角部５ｃにお
いて、それぞれ搭乗操縦部４や細断処理装置２０への排
ワラの穂先搬送経路箇所に対して干渉する虞れのある部
分のみを凹入欠如し、その凹入欠如した第１凹角部１９
の上方の隅角部５ｂや、第２凹角部２３の上方及び下方
の隅角部５ｃは大きく機体内方に張り出した構造となっ
ているので、その張り出し分グレンタンク５内の容量の
拡大化が図られているのである。

【００１８】次に、搭乗操縦部４の構造について簡単に
説明する。図１、図５に示すように、操縦座席１３の前
方及び左側部に操縦塔２５，２６を立設している。左側
部の操縦塔２６には変速レバー等を配備している。前方
側の操縦塔２５は、着座した操縦者による刈取前処理部
６の右端デバイダＤの目視が容易にできる程度に背低く
構成してかつ操縦座席１３の左右幅より少し大きい左右
幅に設定しているとともに、その右側端に後方に延出し
たケース部２５Ａに操向用レバー２７を配設し、このケ
ース部２５Ａの後端部に、操縦者が乗り降りする箇所を
確保している。そして、操縦塔２５において左右幅にわ
たる前側部分は前後幅を幅狭く設定し、操縦者の乗り降
りに体を補助的に支えるためのアーチ状の補助ハンドル
２８を立設している。さらに、操縦者が乗り降りする箇
所、つまり操縦座席１３の右側部箇所で、前記ケース部
２５Ａの後端部には、縦軸芯Ｚ２周りで揺動自在にパネ
ル部２９を設けている。このパネル部２９は操縦者が乗
り降りする際には、人手操作で外方に開き、搭乗操縦部
４に乗った状態、又は降りた状態では乗り降り箇所をス
プリング等で自動的に閉じるようにしている。

【００１９】〔別の実施の形態〕 排ワラ細断装置を搭載していないコンバインにおい
て、グレンタンクの前部における機体内奥側の隅角部
を、縦軸芯周りでのグレンタンクの揺動による搭乗運転
部との干渉を避けるように凹入欠如しても良い。

【００２０】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインを示す全体側面図

【図２】コンバインの後部を示す横断平面図

【図３】グレンタンクへの伝動機構を示す横断平面図

【図４】グレンタンクを示す斜視図

【図５】搭乗操縦部を示す平面図

【符号の説明】

３ 脱穀装置 ４ 搭乗操縦部 ５ グレンタンク ５ｂ 隅角部 ５ｃ 隅角部 ２０ 細断処理装置 Ｚ 縦軸芯

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 脱穀装置（３）とグレンタンク（５）と
   を左右に並設し、前記グレンタンク（５）の前側に搭乗
   操縦部（４）を配設し、かつ、前記脱穀装置（３）の後
   部に脱穀処理後の排ワラを細断処理する細断処理装置
   （２０）を設けるとともに、前記グレンタンク（５）
   を、その後端側の左右幅の中間位置における縦軸芯
   （Ｚ）周りで揺動自在に構成したコンバインのグレンタ
   ンク構造であって、 前記グレンタンク（５）の前部における機体内奥側の隅
   角部（５ｂ）を、前記縦軸芯（Ｚ）周りでの前記グレン
   タンク（５）の揺動による前記搭乗操縦部（４）との干
   渉を避けるように凹入欠如してあるコンバインのグレン
   タンク構造。
2. 【請求項２】 前記グレンタンク（５）の後部における
   機体内奥側の隅角部（５ｃ）を、前記縦軸芯（Ｚ）周り
   での前記グレンタンク（５）の揺動による前記細断処理
   装置（２０）への排ワラの穂先搬送経路との干渉を避け
   るように凹入欠如してある請求項１記載のコンバインの
   グレンタンク構造。