JPH09204713A - 記録・再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 テープ厚さに対応して早送りモード時のテー
プ速度および巻き戻しモード時のテープ速度を制御し、
装置の操作性を向上させる。 【解決手段】 テープの厚さを検出するテープ厚検出ス
イッチ１１１の検出情報をマイコン１５０は入力して、
テープの厚さに対応した所定の速度にテープの早送りモ
ード時のテープ速度および巻き戻しモード時のテープ速
度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テープカセットに
収納された記録媒体であるテープを引き出し、信号の記
録または信号の読み出し再生を行う記録・再生装置の技
術分野に属するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＶＨＳ，８mmビデオ等の磁気テー
プを使った磁気記録再生装置は、図６に示すように、カ
セット１０７内のリール１０８に、巻取られている磁気
テープ１をローディング手段（不図示）によってカセッ
ト１０７から引き出して、所定の経路に展開する。

【０００３】磁気テープ１への記録・再生時には、磁気
テープ１は供給リール１０８ａから引き出され、テンシ
ョンガイド１０１，テープガイド１０２〜１０４を経て
下ドラム５に設けられたリードガイドに添って走行し、
上ドラム３に取り付けられた磁気ヘッド２によって信号
の記録，再生が行われる。

【０００４】ドラム部分を出た磁気テープ１は、テープ
ガイド１０５，１０６，キャプスタン１０９，テープガ
イド１０７によって案内されて、巻取リール１０８ｂへ
と巻取られる。

【０００５】この時、磁気テープ１は、キャプスタン１
０９にピンチローラ１０８で圧接されて搬送されてお
り、テンションガイド１０１によって予め定められたテ
ープ張力になるように制御されている。

【０００６】巻戻し，リバースサーチ等テープ逆走行時
は、上述した経路と逆の経路を通って搬送される。

【０００７】磁気テープ１の搬送で問題となるのが、テ
ープダメージである。上述したように、磁気テープ１は
多くのテープガイドによって案内されているために、テ
ープ表面のキズやテープ上下端のシワ，折れ等が発生し
やすい。テープへのダメージは、テープガイドの形状，
材質，傾斜方向等を最適化することで、ある程度防ぐこ
とが可能であるが、記録の長時間化を目的にしてテープ
厚を薄くした薄手テープは、特にテープダメージに弱い
ため、テープの搬送が非常に難しくなっている。このた
め、従来テープと薄手テープの両方を使用する機構の場
合は、テープダメージの最も発生しやすいテープ早送
り，巻戻し等、高速搬送時に薄手テープにテープダメー
ジが発生しない搬送速度に設定する必要があった。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例では、高速早送り，巻戻し速度が、薄手テープに対し
て、テープダメージが発生しないテープ速度に設定され
ていたため、以下のような欠点があった。

【０００９】即ち、厚手テープを使用した場合は、さら
に高速な早送り，巻戻しが可能であるにもかかわらず、
低速な早送り，巻戻ししかできないため、装置の利用効
果が低下する。

【００１０】本出願に係る発明は、テープ厚に応じて、
早送り・巻戻し速度を切り換え、操作性の向上がはかれ
る記録・再生装置の提供を目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このため、本発明に係る
記録・再生装置は、（１）テープカセットに収納された
記録媒体であるテープを引き出し、信号の記録または信
号の読み出し再生を行う記録・再生装置であって、前記
テープの厚さを検出する検出手段と、該検出手段の検出
に対応してテープの早送りモード時のテープ速度および
巻き戻しモード時のテープ速度を制御する制御手段を備
えたことを特徴とする記録・再生装置、（２）前記検出
手段は、前記テープカセットに設けたテープ厚さ検出用
の穴に、検出用の突出部の挿入を試みることによりテー
プの厚さを検出することを特徴とする前記（１）記載の
記録・再生装置、によって、前記の目的を達成するもの
である。

【００１２】

【発明の実施の形態】上記目的を達成するため、本出願
の発明は、テープ厚を検出する手段を設け、テープ厚に
応じて、早送りモード・巻戻しモード時のテープ速度を
制御させることを特徴とする。

【００１３】上記形態の詳細を、実施例によって説明す
る。

【００１４】

【実施例】以下、本発明に係る記録・再生装置の実施例
を図面参照して説明する。

【００１５】なお、実施例は、テープカセットに収納さ
れた記録媒体であるテープを引き出し、信号の記録また
は信号の読み出し再生を行う記録・再生装置であって、
テープの早送りモード時のテープ速度および巻き戻しモ
ード時のテープ速度の制御が可能な構成に特徴を有して
おり、この特徴ある部分に重点を置いて以下説明する。
なお記録・再生手段には種々の方法があり、記録媒体で
あるテープは磁気テープに限定されるものではない。

【００１６】図１は、テープカセットにテープ厚を識別
できる検知部を設けている一実施例であるビデオフォー
マットの平面図である。以下、８mmフォーマットを例に
して説明する。

【００１７】１は信号が記録されるテープで、テープカ
セット１０７の中にリール１０８に巻回されて収納され
ている。

【００１８】８mm用テープカセット１０７には、図５の
８mm用テープカセット斜視図に示す位置にテープ厚を示
す穴１１０が設けられており、穴がｏｐｅｎの場合は、
テープ厚１０μｍ、ｃｌｏｓｅの場合は、テープ厚１３
μｍとなっている。

【００１９】１１１はテープ厚検出スイッチであり、図
２に斜視図を示す。テープ厚を示す穴１１０と突起部１
１２がほぼ同軸上にくるように配置されており、穴１１
０がｃｌｏｓｅの場合は突起部１１２が押し込まれ、穴
１１０がｏｐｅｎの場合は、突起部１１２は、そのまま
の状態で変化しないため、テープ厚の識別が可能であ
る。

【００２０】尚、デジタルフォーマット（ＳＤフォーマ
ット）の場合は、図３に示すカセット背面の端子部１２
０からテープ厚等の情報を検知することが可能となって
いるので、テープ厚検出スイッチ１１１の代わりにカセ
ット背面の端子１２０ａ〜１２０ｄと接触するカセット
部コネクタを介してマイコン１５０でデータを処理すれ
ば、テープ厚を検出することができる。

【００２１】図１の１５０はマイコンであり、テープ厚
検出スイッチ１１１，カセット装着検出スイッチ１１
４，操作スイッチ１１６，モードモータ１１５，ドラム
モータ（不図示），キャプスタンモータ１０９等が接続
されており、メモリ１５１に予め入力されているプログ
ラムに従って所定の制御を行う。

【００２２】カセット１０７が装着されると、カセット
装着検出スイッチ１１４からマイコン１５０へカセット
装着検出信号が送られる。するとマイコン１５０はモー
ドモータ１１５，ドラムモータ，キャプスタンモータ１
０９を動作させてテープローディング機構（不図示）を
動かす。テープローディング機構は、テンションガイド
１０１，ガイドポスト１０３，１０４が立設されている
テープ引出体７，ガイドポスト１０５，１０６が立設さ
れているテープ引出体８，ピンチローラ１０８，ガイド
ポスト１０７を図１中に破線で示された位置から実線で
書かれた位置まで移動させて、テープ１をカセット１０
７から引き出し、ヘッド２が取り付けられた回転ドラム
３及び固定ドラム５に所定の角度巻き付ける。

【００２３】ヘッド２はテープ１に信号の記録・再生を
行い、回転ドラム３は軸４によって下側の固定ドラム５
と同軸上に支持されて回転可能となっている。マイコン
１５０はテープローディング終了を検知すると、操作ス
イッチ１１６の入力待ち状態となる。

【００２４】図４に操作スイッチ１１６の入力待ち状態
から早送りキーが押下された場合のフローチャートを示
す。

【００２５】早送りキーが押下されると（Ｓ３０１）、
モードモータ１１５で機構を早送りモードに切換える
（Ｓ３０２）。次にドラムモータを起動する（Ｓ３０
４）。Ｓ３０５で、テープ厚検出スイッチ１１１の状態
を調べて、テープ１のテープ厚が１０μｍか１３μｍか
を判別する（Ｓ３０６）、テープ厚が１０μｍの場合は
キャプスタン１０９を予め定めてある回転数ｆ₁₀で駆動
し（Ｓ３０７）、テープ厚が１３μｍの場合は回転数ｆ
₁₃（ｆ₁₃＞ｆ₁₀）で駆動する（Ｓ３１７）。ここで回転
数ｆ₁₀，ｆ₁₃は各テープ厚でテープダメージが発生しな
いような値に設定されメモリ１５１に記憶されている。

【００２６】キャプスタンモータ駆動中は、ストップキ
ーが押下されたか（Ｓ３０８，Ｓ３１８）、テープＥＮ
Ｄに達したか（Ｓ３０９，Ｓ３１９）をチェックし、ス
トップキーが押下された時、またはテープＥＮＤに達し
た時はＳ３１０でキャプスタンモータ，ドラムモータを
停止し、Ｓ３１１で機構を停止モードに切換えて早送り
動作を終了する（Ｓ３１２）。

【００２７】フローチャートの中のテープ厚検出スイッ
チの読みこみ（Ｓ３０５）は、カセット装着からテープ
ローディングが終了し、操作入力待ちになるまでの間に
予めメモリ１５１に読みこんでおいてもよい。この場合
Ｓ３０５はメモリからテープ厚情報を読みこむことにな
る。

【００２８】巻戻しモードの時のフローチャートは、機
構のポジションが巻戻しモードになり、キャプスタンの
回転が逆方向、すなわち−ｆ₁₀，−ｆ₁₃になるだけで基
本的なフローは前記と同じであるので説明省略する。ま
た、早送り速度と巻戻し速度を各々別に設定することも
当然可能である。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
テープ厚に応じて早送り・巻戻し速度が変化するため、
各テープ厚に応じた最も速い速度で早送り、巻戻しが可
能となり、操作性が向上された記録・再生装置を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例の平面図である。

【図２】 テープ厚検出スイッチの斜視図である。

【図３】 デジタルビデオカセットの端子部を示す斜視
図である。

【図４】 マイコン部の制御を示すフローチャートであ
る。

【図５】 ８mmカセットの斜視図である。

【図６】 従来例を示す平面図である。

【符号の説明】

１ テープ ３ 回転ドラム ５ 固定ドラム １１１ テープ厚検出スイッチ １１６ 操作スイッチ １０１ テンションガイド １０２〜１０７ ガイドポスト １０８ ピンチローラ １０９ ガイドポスト １５０ マイコン １５１ メモリ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 テープカセットに収納された記録媒体で
   あるテープを引き出し、信号の記録または信号の読み出
   し再生を行う記録・再生装置であって、 前記テープの厚さを検出する検出手段と、該検出手段の
   検出に対応してテープの早送りモード時のテープ速度お
   よび巻き戻しモード時のテープ速度を制御する制御手段
   を備えたことを特徴とする記録・再生装置。
2. 【請求項２】 前記検出手段は、前記テープカセットに
   設けたテープ厚さ検出用の穴に、検出用の突出部の挿入
   を試みることによりテープの厚さを検出することを特徴
   とする請求項１記載の記録・再生装置。