JPH09201613A - 圧延初期における圧延材の蛇行抑制方法 - Google Patents
圧延初期における圧延材の蛇行抑制方法Info
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- JPH09201613A JPH09201613A JP8009790A JP979096A JPH09201613A JP H09201613 A JPH09201613 A JP H09201613A JP 8009790 A JP8009790 A JP 8009790A JP 979096 A JP979096 A JP 979096A JP H09201613 A JPH09201613 A JP H09201613A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧延初期における圧延材の蛇行を抑えるこ
と。 【解決手段】 第一圧延スタンド10における圧延材1
8の入側オフセンタ量および最終圧延スタンド16にお
ける圧延材18の出側オフセンタ量と、各圧延スタンド
10,12,14,16における圧延荷重,片圧下量お
よび差荷重を、それぞれ検出し、それらの検出値に基づ
いて、各圧延スタンド10,12,14,16における
圧延材18の出側オフセンタ量を求めると共に、かかる
出側オフセンタ量を零とするために必要な片圧下量を、
各圧延スタンド10,12,14,16において算出
し、次材の圧延開始前に、これらの片圧下量を各圧延ス
タンド10,12,14,16にプリセットするように
した。
と。 【解決手段】 第一圧延スタンド10における圧延材1
8の入側オフセンタ量および最終圧延スタンド16にお
ける圧延材18の出側オフセンタ量と、各圧延スタンド
10,12,14,16における圧延荷重,片圧下量お
よび差荷重を、それぞれ検出し、それらの検出値に基づ
いて、各圧延スタンド10,12,14,16における
圧延材18の出側オフセンタ量を求めると共に、かかる
出側オフセンタ量を零とするために必要な片圧下量を、
各圧延スタンド10,12,14,16において算出
し、次材の圧延開始前に、これらの片圧下量を各圧延ス
タンド10,12,14,16にプリセットするように
した。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、圧延機における圧延材の蛇行抑
制方法に関するものであり、特に圧延初期における圧延
材先端部での蛇行を抑制する方法に関するものである。
制方法に関するものであり、特に圧延初期における圧延
材先端部での蛇行を抑制する方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、複数の圧延スタンドを備えたタ
ンデム圧延機において圧延中に発生する圧延材の蛇行
は、製品品質や生産性を著しく阻害し、最悪の場合に板
破断や圧延不能にまで至る大きな問題である。そのた
め、圧延材の蛇行抑制に関する技術が、特開平4−30
0010号公報等において、従来から種々提案されてい
るが、これらの方法は、例えば、蛇行センサ等を用いて
蛇行状態を直接的に測定し、或いはロードセル等を用い
て荷重差から蛇行状態を間接的に測定し、蛇行した側の
ロールギャップを締め込むといった、所謂フィードバッ
ク制御方法であることから、圧延定常状態や圧延材尾端
部の圧延状態下では蛇行抑制効果が期待されるものの、
圧延材の先端部が各圧延スタンドに噛み込まれる圧延初
期には、圧延材の先端部におけるオフセンタ(圧延材セ
ンタのロールセンタからのずれ量をいう)が修正されな
いまま圧延ロールに噛み込まれることから、場合によっ
ては蛇行修正が間に合わず、次スタンドへの突き当たり
による板破損や装置破損等のトラブル発生を招くといっ
た問題が残されていた。
ンデム圧延機において圧延中に発生する圧延材の蛇行
は、製品品質や生産性を著しく阻害し、最悪の場合に板
破断や圧延不能にまで至る大きな問題である。そのた
め、圧延材の蛇行抑制に関する技術が、特開平4−30
0010号公報等において、従来から種々提案されてい
るが、これらの方法は、例えば、蛇行センサ等を用いて
蛇行状態を直接的に測定し、或いはロードセル等を用い
て荷重差から蛇行状態を間接的に測定し、蛇行した側の
ロールギャップを締め込むといった、所謂フィードバッ
ク制御方法であることから、圧延定常状態や圧延材尾端
部の圧延状態下では蛇行抑制効果が期待されるものの、
圧延材の先端部が各圧延スタンドに噛み込まれる圧延初
期には、圧延材の先端部におけるオフセンタ(圧延材セ
ンタのロールセンタからのずれ量をいう)が修正されな
いまま圧延ロールに噛み込まれることから、場合によっ
ては蛇行修正が間に合わず、次スタンドへの突き当たり
による板破損や装置破損等のトラブル発生を招くといっ
た問題が残されていた。
【0003】そこで、このような圧延初期の蛇行に起因
するトラブル発生を防止するために、従来では、オペレ
ータが、先の圧延材の圧延初期における蛇行状況を観察
し、次の圧延材の通板開始前に、先の圧延材の蛇行量に
応じて手動操作で片圧下量(圧延ロールの軸方向両側に
おける圧下量差をいう)を修正することが、一般に行な
われている。
するトラブル発生を防止するために、従来では、オペレ
ータが、先の圧延材の圧延初期における蛇行状況を観察
し、次の圧延材の通板開始前に、先の圧延材の蛇行量に
応じて手動操作で片圧下量(圧延ロールの軸方向両側に
おける圧下量差をいう)を修正することが、一般に行な
われている。
【0004】ところが、かかる修正操作は、片圧下量の
修正量や修正方向がオペレータの経験に依るところが大
きく、必ずしも安定した蛇行抑制効果が発揮されるもの
でないことから、適正な対処方法とは言い難かった。特
に、圧延初期では、圧延材先端部に張力が作用しておら
ず、圧延定常状態よりも不安定で蛇行し易いために、片
圧下量の修正操作に一層高度な精度および正確性と迅速
性が要求されることに加えて、複数の圧延スタンドにつ
いて、それぞれ、片圧下量修正操作が必要とされること
から、オペレータの労力負担が極めて大きく、かかる点
からも、適正な対処をとることが難しかったのである。
修正量や修正方向がオペレータの経験に依るところが大
きく、必ずしも安定した蛇行抑制効果が発揮されるもの
でないことから、適正な対処方法とは言い難かった。特
に、圧延初期では、圧延材先端部に張力が作用しておら
ず、圧延定常状態よりも不安定で蛇行し易いために、片
圧下量の修正操作に一層高度な精度および正確性と迅速
性が要求されることに加えて、複数の圧延スタンドにつ
いて、それぞれ、片圧下量修正操作が必要とされること
から、オペレータの労力負担が極めて大きく、かかる点
からも、適正な対処をとることが難しかったのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、複数の圧延スタンドを備えたタンデム圧延
機において、圧延初期における圧延材先端部での蛇行を
安定して且つ適正に抑制することの出来る方法を提供す
ることにある。
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、複数の圧延スタンドを備えたタンデム圧延
機において、圧延初期における圧延材先端部での蛇行を
安定して且つ適正に抑制することの出来る方法を提供す
ることにある。
【0006】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、複数の圧延スタンドを備え
たタンデム圧延機において、圧延初期における圧延材の
蛇行を抑制する方法であって、第一圧延スタンドにおけ
る圧延材の入側オフセンタ量および最終圧延スタンドに
おける圧延材の出側オフセンタ量と、各圧延スタンドに
おける圧延荷重,差荷重および片圧下量を、それぞれ検
出し、それらの検出値に基づいて、各圧延スタンドにお
ける圧延材の出側オフセンタ量を求めると共に、各圧延
スタンドにおいて、圧延材の出側オフセンタ量を零とす
るための片圧下修正量を算出し、次材の圧延開始前に、
各圧延スタンドにおける圧下量を、かかる算出された片
圧下修正量に従って調節するようにしたことにある。
発明の特徴とするところは、複数の圧延スタンドを備え
たタンデム圧延機において、圧延初期における圧延材の
蛇行を抑制する方法であって、第一圧延スタンドにおけ
る圧延材の入側オフセンタ量および最終圧延スタンドに
おける圧延材の出側オフセンタ量と、各圧延スタンドに
おける圧延荷重,差荷重および片圧下量を、それぞれ検
出し、それらの検出値に基づいて、各圧延スタンドにお
ける圧延材の出側オフセンタ量を求めると共に、各圧延
スタンドにおいて、圧延材の出側オフセンタ量を零とす
るための片圧下修正量を算出し、次材の圧延開始前に、
各圧延スタンドにおける圧下量を、かかる算出された片
圧下修正量に従って調節するようにしたことにある。
【0007】なお、圧延初期とは、基本的に、圧延開始
時において圧延材の先端部が複数の圧延スタンドに順次
噛み込まれて、最終圧延スタンドに噛み込まれることに
より、各圧延スタンドに通板される迄の段階をいう。ま
た、第一圧延スタンドとは、圧延材の通板方向で最上流
側に設置されて圧延材先端部が最初に噛み込まれる圧延
スタンドをいい、最終圧延スタンドとは、圧延材の通板
方向で最下流側に設置されて圧延材先端部が最後に噛み
込まれる圧延スタンドをいう。更に、圧延スタンドにお
ける差荷重とは、圧延ロールの軸方向両側に作用せしめ
られる圧延荷重の差をいい、圧延材の出側オフセンタ量
を零とするための片圧下修正量とは、圧延材の出側オフ
センタ量を零とすることの出来る片圧下量をいう。
時において圧延材の先端部が複数の圧延スタンドに順次
噛み込まれて、最終圧延スタンドに噛み込まれることに
より、各圧延スタンドに通板される迄の段階をいう。ま
た、第一圧延スタンドとは、圧延材の通板方向で最上流
側に設置されて圧延材先端部が最初に噛み込まれる圧延
スタンドをいい、最終圧延スタンドとは、圧延材の通板
方向で最下流側に設置されて圧延材先端部が最後に噛み
込まれる圧延スタンドをいう。更に、圧延スタンドにお
ける差荷重とは、圧延ロールの軸方向両側に作用せしめ
られる圧延荷重の差をいい、圧延材の出側オフセンタ量
を零とするための片圧下修正量とは、圧延材の出側オフ
センタ量を零とすることの出来る片圧下量をいう。
【0008】このような本発明方法においては、圧延材
の圧延初期の通板状況に基づいて実際に得られた蛇行デ
ータに応じて、かかる圧延材の圧延初期の蛇行を抑制す
るための片圧下量(片圧下修正量)が求められ、次の圧
延材の圧延開始に際して、この片圧下量が各圧延スタン
ドに初期設定されることから、次材の圧延が略同一条件
下で実施された際、その圧延初期における蛇行が有効に
抑えられるのである。
の圧延初期の通板状況に基づいて実際に得られた蛇行デ
ータに応じて、かかる圧延材の圧延初期の蛇行を抑制す
るための片圧下量(片圧下修正量)が求められ、次の圧
延材の圧延開始に際して、この片圧下量が各圧延スタン
ドに初期設定されることから、次材の圧延が略同一条件
下で実施された際、その圧延初期における蛇行が有効に
抑えられるのである。
【0009】そこにおいて、圧延材の圧延初期の蛇行を
抑制するために各圧延スタンドに設定すべき片圧下量
は、各圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセンタ量
に基づいて求められるが、本発明では、かかる各圧延ス
タンドにおける出側オフセンタ量が、第一圧延スタンド
における圧延材の入側オフセンタ量および最終圧延スタ
ンドにおける圧延材の出側オフセンタ量と各圧延スタン
ドにおける圧延荷重,差荷重及び片圧下量の検出値に基
づいて求められることから、各圧延スタンド毎に蛇行量
検出装置を設ける必要がなく、簡単な装置構成によって
容易に実施することが出来るといった利点がある。
抑制するために各圧延スタンドに設定すべき片圧下量
は、各圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセンタ量
に基づいて求められるが、本発明では、かかる各圧延ス
タンドにおける出側オフセンタ量が、第一圧延スタンド
における圧延材の入側オフセンタ量および最終圧延スタ
ンドにおける圧延材の出側オフセンタ量と各圧延スタン
ドにおける圧延荷重,差荷重及び片圧下量の検出値に基
づいて求められることから、各圧延スタンド毎に蛇行量
検出装置を設ける必要がなく、簡単な装置構成によって
容易に実施することが出来るといった利点がある。
【0010】そして、このような本発明方法に従えば、
検出された蛇行データに基づいて、圧延初期における蛇
行を抑制するために必要な操作量(各圧延スタンドにお
ける片圧下修正量)を、演算によって具体的に求めるこ
とができるのであり、それ故、経験等の特別なオペレー
タの能力が必要とされることなく、大幅な労力軽減が達
成されると共に、圧延初期における圧延安定性が飛躍的
に向上される。
検出された蛇行データに基づいて、圧延初期における蛇
行を抑制するために必要な操作量(各圧延スタンドにお
ける片圧下修正量)を、演算によって具体的に求めるこ
とができるのであり、それ故、経験等の特別なオペレー
タの能力が必要とされることなく、大幅な労力軽減が達
成されると共に、圧延初期における圧延安定性が飛躍的
に向上される。
【0011】なお、本発明において、各圧延スタンドに
おける片圧下修正量を算出するために必要とされる各圧
延スタンドにおける圧延材の出側オフセンタ量のうち、
最終圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセンタ量
は、例えば蛇行量検出装置によって直接に検出すること
が可能であるが、他の圧延スタンドにおける圧延材の出
側オフセンタ量は、例えば請求項2に記載されているよ
うに、下式によって算出することにより、有利に求めら
れる。 δyi =(LS /2Pi+1 )(δPt i+1 −δPm i+1
+(dP/dS)i+1・δSt i+1 ) 但し、δyは圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセ
ンタ量であり、LS は圧延ロールの軸方向両側における
圧延荷重点間距離であり、Pは圧延材が圧延ロールに噛
み込んだ際の先端部圧延荷重であり、δPt は圧延材が
圧延ロールに噛み込んだ際の先端部圧延差荷重であり、
δPm は圧延が定常状態となった際の圧延差荷重であ
り、(dP/dS)は片圧下量の差荷重に対する影響係
数であり、δSt は圧延材が圧延ロールに噛み込んだ際
の先端部片圧下量であり、添字のiおよびi+1は圧延
材の流れ方向に順次付された圧延スタンドの番号を表
す。
おける片圧下修正量を算出するために必要とされる各圧
延スタンドにおける圧延材の出側オフセンタ量のうち、
最終圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセンタ量
は、例えば蛇行量検出装置によって直接に検出すること
が可能であるが、他の圧延スタンドにおける圧延材の出
側オフセンタ量は、例えば請求項2に記載されているよ
うに、下式によって算出することにより、有利に求めら
れる。 δyi =(LS /2Pi+1 )(δPt i+1 −δPm i+1
+(dP/dS)i+1・δSt i+1 ) 但し、δyは圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセ
ンタ量であり、LS は圧延ロールの軸方向両側における
圧延荷重点間距離であり、Pは圧延材が圧延ロールに噛
み込んだ際の先端部圧延荷重であり、δPt は圧延材が
圧延ロールに噛み込んだ際の先端部圧延差荷重であり、
δPm は圧延が定常状態となった際の圧延差荷重であ
り、(dP/dS)は片圧下量の差荷重に対する影響係
数であり、δSt は圧延材が圧延ロールに噛み込んだ際
の先端部片圧下量であり、添字のiおよびi+1は圧延
材の流れ方向に順次付された圧延スタンドの番号を表
す。
【0012】また、各圧延スタンドにおける圧延材の出
側オフセンタ量からの片圧下修正量の算出は、各種の経
験式や理論式に基づいて行うことが可能であるが、例え
ば、請求項3に記載されているように、下式を基本式と
することによって、有利に算出することができる。 δSi =(−δyi −KFi・δyCi)/KSi δyCi=δyi-1 但し、δSは片圧下修正量であり、δyは圧延スタンド
における圧延材の出側オフセンタ量であり、KF は圧延
スタンドにおける圧延材の入側オフセンタの出側オフセ
ンタに対する影響係数であり、δyC は圧延スタンドに
おける圧延材の入側オフセンタ量であり、KS は圧延ス
タンドにおける片圧下量変更の出側オフセンタに対する
影響係数であり、添字のiおよびi−1は圧延材の流れ
方向に順次付された圧延スタンドの番号を表す。
側オフセンタ量からの片圧下修正量の算出は、各種の経
験式や理論式に基づいて行うことが可能であるが、例え
ば、請求項3に記載されているように、下式を基本式と
することによって、有利に算出することができる。 δSi =(−δyi −KFi・δyCi)/KSi δyCi=δyi-1 但し、δSは片圧下修正量であり、δyは圧延スタンド
における圧延材の出側オフセンタ量であり、KF は圧延
スタンドにおける圧延材の入側オフセンタの出側オフセ
ンタに対する影響係数であり、δyC は圧延スタンドに
おける圧延材の入側オフセンタ量であり、KS は圧延ス
タンドにおける片圧下量変更の出側オフセンタに対する
影響係数であり、添字のiおよびi−1は圧延材の流れ
方向に順次付された圧延スタンドの番号を表す。
【0013】更にまた、本発明に従う圧延初期における
圧延材の蛇行抑制方法は、圧延材が最終圧延スタンドに
噛み込んで連続的な圧延が開始された後、圧延材の蛇行
量および差荷重の少なくとも一方を測定し、かかる測定
値に基づいてベンダ差圧量および片圧下量の少なくとも
一方を調節することにより、圧延材の蛇行現象を解消せ
しめる、フィードバック制御による圧延材の蛇行抑制方
法と組み合わせて採用することも可能であり、それによ
って、圧延初期から定常圧延状態を経て尾端圧延に至る
までの全圧延工程において、圧延材の蛇行を抑制するこ
とが可能となるのである。
圧延材の蛇行抑制方法は、圧延材が最終圧延スタンドに
噛み込んで連続的な圧延が開始された後、圧延材の蛇行
量および差荷重の少なくとも一方を測定し、かかる測定
値に基づいてベンダ差圧量および片圧下量の少なくとも
一方を調節することにより、圧延材の蛇行現象を解消せ
しめる、フィードバック制御による圧延材の蛇行抑制方
法と組み合わせて採用することも可能であり、それによ
って、圧延初期から定常圧延状態を経て尾端圧延に至る
までの全圧延工程において、圧延材の蛇行を抑制するこ
とが可能となるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の具体的構成例について、図面
を参照しつつ、詳細に説明する。
かにするために、本発明の具体的構成例について、図面
を参照しつつ、詳細に説明する。
【0015】先ず、図1には、タンデム圧延機のモデル
図が示されている。このタンデム圧延機は、直列に配設
された第一〜第四の圧延スタンド10,12,14,1
6を備えており、圧延材18が、第一の圧延スタンド1
0から、順次、第二,第三,第四の圧延スタンド12,
14,16に噛み込まれて圧延されることにより、目的
とする厚さの板材が得られるようになっている。なお、
このことから明らかなように、本実施例では、第四圧延
スタンド16が最終圧延スタンドとされている。
図が示されている。このタンデム圧延機は、直列に配設
された第一〜第四の圧延スタンド10,12,14,1
6を備えており、圧延材18が、第一の圧延スタンド1
0から、順次、第二,第三,第四の圧延スタンド12,
14,16に噛み込まれて圧延されることにより、目的
とする厚さの板材が得られるようになっている。なお、
このことから明らかなように、本実施例では、第四圧延
スタンド16が最終圧延スタンドとされている。
【0016】また、各圧延スタンド10,12,14,
16は、何れも一対のワークロール20,20とバック
アップロール22,22を備えており、ロールの軸方向
両側において、それぞれ、ロードセル24により圧延荷
重が検出されると共に、圧下量調節機構26により圧下
量が調節されるようになっている。そして、従来から公
知のように、例えば、厚み計等(図示せず)による出側
板厚の測定結果とロードセル24による圧延荷重の測定
値に基づいて、圧下量調節機構26によって圧下量を調
節すること等により、目的とする板厚が得られるように
圧下制御が行われるようになっている。
16は、何れも一対のワークロール20,20とバック
アップロール22,22を備えており、ロールの軸方向
両側において、それぞれ、ロードセル24により圧延荷
重が検出されると共に、圧下量調節機構26により圧下
量が調節されるようになっている。そして、従来から公
知のように、例えば、厚み計等(図示せず)による出側
板厚の測定結果とロードセル24による圧延荷重の測定
値に基づいて、圧下量調節機構26によって圧下量を調
節すること等により、目的とする板厚が得られるように
圧下制御が行われるようになっている。
【0017】さらに、第一圧延スタンド10の入側には
入側蛇行量検出装置28が配設されている一方、第四圧
延スタンド16の出側には出側蛇行量検出装置30が配
設されている。そして、入側蛇行量検出装置28によっ
て、第一圧延スタンド10に噛み込まれる圧延材18に
おけるオフセンタ、換言すれば第一の圧延スタンド10
に送り込まれる圧延材18の先端部における幅方向セン
タ位置の第一の圧延スタンド10におけるロールセンタ
からの幅方向ずれ量が検出されると共に、出側蛇行量検
出装置30によって、第四圧延スタンド16から送出さ
れる圧延材18のオフセンタ、換言すれば第四圧延スタ
ンド16から送り出される圧延材18の先端部における
幅方向センタ位置の第四の圧延スタンド16におけるロ
ールセンタからの幅方向ずれ量が検出されるようになっ
ている。なお、蛇行量検出装置28,30としては、カ
メラや幅計等を用いたセンサ方式や、圧延材縁部に接触
せしめられるローラ等を用いた接触方式等、従来から公
知の各種の装置が採用され得る。
入側蛇行量検出装置28が配設されている一方、第四圧
延スタンド16の出側には出側蛇行量検出装置30が配
設されている。そして、入側蛇行量検出装置28によっ
て、第一圧延スタンド10に噛み込まれる圧延材18に
おけるオフセンタ、換言すれば第一の圧延スタンド10
に送り込まれる圧延材18の先端部における幅方向セン
タ位置の第一の圧延スタンド10におけるロールセンタ
からの幅方向ずれ量が検出されると共に、出側蛇行量検
出装置30によって、第四圧延スタンド16から送出さ
れる圧延材18のオフセンタ、換言すれば第四圧延スタ
ンド16から送り出される圧延材18の先端部における
幅方向センタ位置の第四の圧延スタンド16におけるロ
ールセンタからの幅方向ずれ量が検出されるようになっ
ている。なお、蛇行量検出装置28,30としては、カ
メラや幅計等を用いたセンサ方式や、圧延材縁部に接触
せしめられるローラ等を用いた接触方式等、従来から公
知の各種の装置が採用され得る。
【0018】要するに、圧延操作に際して、入側蛇行量
検出装置28により、第一圧延スタンド10における圧
延材18の入側オフセンタ量が、出側蛇行量検出装置3
0により、第四圧延スタンド16における圧延材18の
出側オフセンタ量が、それぞれ検出されると共に、各圧
延スタンド10,12,14,16に配設されたロード
セル24によって、各圧延スタンド10,12,14,
16における差荷重(ロールの軸方向両側における圧延
荷重の差をいう)が、それぞれ検出されるようになって
いるのである。
検出装置28により、第一圧延スタンド10における圧
延材18の入側オフセンタ量が、出側蛇行量検出装置3
0により、第四圧延スタンド16における圧延材18の
出側オフセンタ量が、それぞれ検出されると共に、各圧
延スタンド10,12,14,16に配設されたロード
セル24によって、各圧延スタンド10,12,14,
16における差荷重(ロールの軸方向両側における圧延
荷重の差をいう)が、それぞれ検出されるようになって
いるのである。
【0019】そして、これら入側オフセンタ量と出側オ
フセンタ量,圧延荷重,片圧下量,差荷重の検出値が、
それぞれ演算装置32に入力され、この演算装置32に
おいて、先ず、各圧延スタンド10,12,14,16
における圧延材18の先端部の出側オフセンタ量が求め
られた後、それら各圧延スタンド10,12,14,1
6における圧延材18の出側オフセンタ量を零とするた
めに各圧延スタンド10,12,14,16において設
定すべき片圧下量(片圧下修正量)が算出されるように
なっている。
フセンタ量,圧延荷重,片圧下量,差荷重の検出値が、
それぞれ演算装置32に入力され、この演算装置32に
おいて、先ず、各圧延スタンド10,12,14,16
における圧延材18の先端部の出側オフセンタ量が求め
られた後、それら各圧延スタンド10,12,14,1
6における圧延材18の出側オフセンタ量を零とするた
めに各圧延スタンド10,12,14,16において設
定すべき片圧下量(片圧下修正量)が算出されるように
なっている。
【0020】具体的には、各圧延スタンド10,12,
14における圧延材18の出側オフセンタ量は、例え
ば、力学的な釣り合い条件に基づいて導かれた下記「数
1」によって、各圧延スタンド10,12,14,16
における圧延差荷重から求められる。なお、最終圧延ス
タンド16における圧延材18の出側オフセンタ量は、
出側蛇行量検出装置30の検出値から直接に求めること
ができる。 δyi =(LS /2Pi+1 )(δPt i+1 −δPm i+1 +(dP/dS)i+1 ・δSt i+1 ) ・・・(数1)
14における圧延材18の出側オフセンタ量は、例え
ば、力学的な釣り合い条件に基づいて導かれた下記「数
1」によって、各圧延スタンド10,12,14,16
における圧延差荷重から求められる。なお、最終圧延ス
タンド16における圧延材18の出側オフセンタ量は、
出側蛇行量検出装置30の検出値から直接に求めること
ができる。 δyi =(LS /2Pi+1 )(δPt i+1 −δPm i+1 +(dP/dS)i+1 ・δSt i+1 ) ・・・(数1)
【0021】なお、式中、δyは圧延スタンドにおける
圧延材の出側オフセンタ量であり、LS は圧延ロールの
軸方向両側における圧延荷重点間距離であり、Pは圧延
材が圧延ロールに噛み込んだ際の先端部圧延荷重であ
り、δPt は圧延材が圧延ロールに噛み込んだ際の先端
部圧延差荷重であり、δPm は圧延が定常状態となった
際の圧延差荷重であり、(dP/dS)は片圧下量の差
荷重に対する影響係数であり、δSt は圧延材が圧延ロ
ールに噛み込んだ際の先端部片圧下量であり、添字のi
およびi+1は圧延材の流れ方向に順次付された圧延ス
タンドの番号を表す。ここにおいて、P,δPt ,δP
m ,δSt は、何れも、実際の圧延時のデータから直接
に検出することが出来る値であり、(dP/dS)およ
びLS は、圧延条件と設備仕様によって事前に計算等に
よって知ることが出来る値である。
圧延材の出側オフセンタ量であり、LS は圧延ロールの
軸方向両側における圧延荷重点間距離であり、Pは圧延
材が圧延ロールに噛み込んだ際の先端部圧延荷重であ
り、δPt は圧延材が圧延ロールに噛み込んだ際の先端
部圧延差荷重であり、δPm は圧延が定常状態となった
際の圧延差荷重であり、(dP/dS)は片圧下量の差
荷重に対する影響係数であり、δSt は圧延材が圧延ロ
ールに噛み込んだ際の先端部片圧下量であり、添字のi
およびi+1は圧延材の流れ方向に順次付された圧延ス
タンドの番号を表す。ここにおいて、P,δPt ,δP
m ,δSt は、何れも、実際の圧延時のデータから直接
に検出することが出来る値であり、(dP/dS)およ
びLS は、圧延条件と設備仕様によって事前に計算等に
よって知ることが出来る値である。
【0022】次に、各圧延スタンド10,12,14,
16における片圧下修正量を算出するに際して、圧延現
象を考慮すれば、第i圧延スタンドにおいて、圧延材1
8の入側オフセンタ量:δyと出側オフセンタ量:δy
C および片圧下量:δSの関係を、下式にて表すことが
出来るものと考えられる。 δyi =KSi・δSi +KFi・δyCi 但し、KF は圧延スタンドにおける圧延材の入側オフセ
ンタの出側オフセンタに対する影響係数であり、KS は
圧延スタンドにおける片圧下量変更の出側オフセンタに
対する影響係数である。
16における片圧下修正量を算出するに際して、圧延現
象を考慮すれば、第i圧延スタンドにおいて、圧延材1
8の入側オフセンタ量:δyと出側オフセンタ量:δy
C および片圧下量:δSの関係を、下式にて表すことが
出来るものと考えられる。 δyi =KSi・δSi +KFi・δyCi 但し、KF は圧延スタンドにおける圧延材の入側オフセ
ンタの出側オフセンタに対する影響係数であり、KS は
圧延スタンドにおける片圧下量変更の出側オフセンタに
対する影響係数である。
【0023】そして、上式より、各圧延スタンドにおけ
る片圧下修正量:δSi を算出するための基本式とし
て、下式を得ることが出来る。 δSi =(−δyi −KFi・δyCi)/KSi δyCi=δyi-1 但し、添字のiおよびi−1は圧延材の流れ方向に順次
付された圧延スタンドの番号を表す。また、KFiの値
は、スタンド間距離等を考慮して決定されることとな
り、それによって、δyCiとδyi-1 が等しくされる。
る片圧下修正量:δSi を算出するための基本式とし
て、下式を得ることが出来る。 δSi =(−δyi −KFi・δyCi)/KSi δyCi=δyi-1 但し、添字のiおよびi−1は圧延材の流れ方向に順次
付された圧延スタンドの番号を表す。また、KFiの値
は、スタンド間距離等を考慮して決定されることとな
り、それによって、δyCiとδyi-1 が等しくされる。
【0024】従って、この基本式によれば、各圧延スタ
ンド10,12,14,16において、以下の各式が成
立する。 δy1 =KS1・δS1 +KF1・δyC1 δy2 =KS2・δS2 +KF2・δy1 =KS2・δS2 +(KF2・KS1)δS1 +(KF2・
KF1)δyC1 δy3 =KS3・δS3 +KF3・δy2 =KS3・δS3 +(KF3・KS2)δS2+(KF3・KF2
・KS1)δS1 +(KF3・KF2・KF1)δyC1 δy4 =KS4・δS4 +KF4・δy3 =KS4・δS4 +(KF4・KS3)δS3 +(KF4・KF3
・KS2)δS2+(KF4・KF3・KF2・KS1)δS1 +
(KF4・KF3・KF2・KF1)・δyC1
ンド10,12,14,16において、以下の各式が成
立する。 δy1 =KS1・δS1 +KF1・δyC1 δy2 =KS2・δS2 +KF2・δy1 =KS2・δS2 +(KF2・KS1)δS1 +(KF2・
KF1)δyC1 δy3 =KS3・δS3 +KF3・δy2 =KS3・δS3 +(KF3・KS2)δS2+(KF3・KF2
・KS1)δS1 +(KF3・KF2・KF1)δyC1 δy4 =KS4・δS4 +KF4・δy3 =KS4・δS4 +(KF4・KS3)δS3 +(KF4・KF3
・KS2)δS2+(KF4・KF3・KF2・KS1)δS1 +
(KF4・KF3・KF2・KF1)・δyC1
【0025】また、上記各式より、各圧延スタンド1
0,12,14,16において出側オフセンタ量を零と
するために必要とされる片圧下量(片圧下修正量):δ
S1 ,δS2 ,δS3 ,δS4 は、下記「数2」,「数
3」,「数4」,「数5」の如く表すことが出来る。 δS1 =(−δy1 −KF1・δyC1)/KS1 ・・・(数2) δS2 =(−δy2 −(KF2・KS1)δS1 −(KF2・KF1)δyC1)/KS2 ・・・(数3) δS3 =(−δy3 −(KF3・KF2・KS1)δS1 −(KF3・KS2)δS2 − (KF3・KF2・KF1)δyC1)/KS3 ・・・(数4) δS4 =(−δy4 −(KF4・KF3・KF2・KS1)δS1 −(KF4・KF3・K S2)δS2 −(KF4・KS3)δS3 −(KF4・KF3・KF2・KF1)・ δyC1)/KS4 ・・・(数5)
0,12,14,16において出側オフセンタ量を零と
するために必要とされる片圧下量(片圧下修正量):δ
S1 ,δS2 ,δS3 ,δS4 は、下記「数2」,「数
3」,「数4」,「数5」の如く表すことが出来る。 δS1 =(−δy1 −KF1・δyC1)/KS1 ・・・(数2) δS2 =(−δy2 −(KF2・KS1)δS1 −(KF2・KF1)δyC1)/KS2 ・・・(数3) δS3 =(−δy3 −(KF3・KF2・KS1)δS1 −(KF3・KS2)δS2 − (KF3・KF2・KF1)δyC1)/KS3 ・・・(数4) δS4 =(−δy4 −(KF4・KF3・KF2・KS1)δS1 −(KF4・KF3・K S2)δS2 −(KF4・KS3)δS3 −(KF4・KF3・KF2・KF1)・ δyC1)/KS4 ・・・(数5)
【0026】ここにおいて、上記「数2〜5」中、
KF ,KS の値は蛇行モデルを用いたシミュレーション
や実機データからの回帰分析等によって求めることが出
来、δy C1の値は入側蛇行量検出装置28によって直接
に検出可能であり、δyの値は前記「数1」に基づいて
求めることが可能である。
KF ,KS の値は蛇行モデルを用いたシミュレーション
や実機データからの回帰分析等によって求めることが出
来、δy C1の値は入側蛇行量検出装置28によって直接
に検出可能であり、δyの値は前記「数1」に基づいて
求めることが可能である。
【0027】従って、これら「数2〜5」によって、各
圧延スタンド10,12,14,16における片圧下修
正量:δS1 ,δS2 ,δS3 ,δS4 を、順次、算出
することが出来るのである。
圧延スタンド10,12,14,16における片圧下修
正量:δS1 ,δS2 ,δS3 ,δS4 を、順次、算出
することが出来るのである。
【0028】そして、次材の通板開始に先立って、この
ようにして演算装置32において算出された片圧下修正
量に従って、各圧延スタンド10,12,14,16に
おける圧下量調節機構26が操作されるのであり、それ
によって、先の圧延材18の圧延初期における蛇行を抑
制し得るだけの片圧下量が、各圧延スタンド10,1
2,14,16にプリセットされるようになっている。
なお、圧下量調節機構26は、圧延ロールの片圧下量を
調節し得るものであれば良く、例えば、圧延ロールの軸
方向両側に設けられた圧下ねじを直接電動回転させる方
式、或いは油圧作動圧下によって圧延ロールの軸方向両
側の圧下量を変化させる方式など、各種の構造のものが
採用され得る。
ようにして演算装置32において算出された片圧下修正
量に従って、各圧延スタンド10,12,14,16に
おける圧下量調節機構26が操作されるのであり、それ
によって、先の圧延材18の圧延初期における蛇行を抑
制し得るだけの片圧下量が、各圧延スタンド10,1
2,14,16にプリセットされるようになっている。
なお、圧下量調節機構26は、圧延ロールの片圧下量を
調節し得るものであれば良く、例えば、圧延ロールの軸
方向両側に設けられた圧下ねじを直接電動回転させる方
式、或いは油圧作動圧下によって圧延ロールの軸方向両
側の圧下量を変化させる方式など、各種の構造のものが
採用され得る。
【0029】すなわち、上述の如く、次材の通板開始に
先立って各圧延スタンド10,12,14,16におけ
る片圧下量を調節することによって、次材が、前の圧延
材と略同一の材質で略同一の条件で通板される限り、圧
延初期において、各圧延スタンド10,12,14,1
6における圧延材の出側オフセット量が、前材に比べて
有利に抑えられて蛇行が抑制され得るのである。
先立って各圧延スタンド10,12,14,16におけ
る片圧下量を調節することによって、次材が、前の圧延
材と略同一の材質で略同一の条件で通板される限り、圧
延初期において、各圧延スタンド10,12,14,1
6における圧延材の出側オフセット量が、前材に比べて
有利に抑えられて蛇行が抑制され得るのである。
【0030】しかも、このような方法においては、蛇行
を抑制するための操作量が、検出値から具体的な数値と
して算出されることから、オペレータの経験や技量等に
左右されることがなく、安定した蛇行抑制効果を得るこ
とが出来るのであり、オペレータの労力負担も著しく軽
減され得るのである。
を抑制するための操作量が、検出値から具体的な数値と
して算出されることから、オペレータの経験や技量等に
左右されることがなく、安定した蛇行抑制効果を得るこ
とが出来るのであり、オペレータの労力負担も著しく軽
減され得るのである。
【0031】また、蛇行を抑制するための操作量が演算
によって求められるのであり、試行錯誤的な操作によっ
て調節する必要がないことから、蛇行抑制のための操作
を極めて迅速に行うことが出来るといった利点もある。
によって求められるのであり、試行錯誤的な操作によっ
て調節する必要がないことから、蛇行抑制のための操作
を極めて迅速に行うことが出来るといった利点もある。
【0032】さらに、上述の如き方法においては、第一
〜第三圧延スタンドには出側蛇行量検出装置を設置する
必要がなく、2つの蛇行量検出装置28,30と、圧下
制御等のために設置されるロードセル等を利用して、各
圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセンタ量が求め
られることから、装置構造が簡単でコスト的にも優れて
いるのである。
〜第三圧延スタンドには出側蛇行量検出装置を設置する
必要がなく、2つの蛇行量検出装置28,30と、圧下
制御等のために設置されるロードセル等を利用して、各
圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセンタ量が求め
られることから、装置構造が簡単でコスト的にも優れて
いるのである。
【0033】以上、本発明の具体例について詳述してき
たが、本発明は、かかる具体例および以下の実施例にお
ける具体的な記載によって限定的に解釈されるものでは
ない。
たが、本発明は、かかる具体例および以下の実施例にお
ける具体的な記載によって限定的に解釈されるものでは
ない。
【0034】例えば、本発明は、圧延スタンドの数や圧
延スタンドの構造等に拘わらず、適用可能であり、圧延
材も、アルミニウム合金以外の各種金属の圧延に適用可
能である。
延スタンドの構造等に拘わらず、適用可能であり、圧延
材も、アルミニウム合金以外の各種金属の圧延に適用可
能である。
【0035】また、本発明は圧延初期の蛇行抑制に関す
るものであるが、圧延材が最終圧延スタンドに噛み込ん
で連続的な圧延が開始された後のフィードバック制御に
よる圧延材の蛇行抑制を併せて採用することも、勿論、
可能である。なお、かかるフィードバック制御は、従来
から種々提案されており、公知技術であることからここ
では省略するが、フィードバック制御として、例えば特
開平4−300010号公報や特開平6−269825
号公報に記載されているように、フィードフォワード制
御やオブザーバを利用したもの等を採用することも可能
である。
るものであるが、圧延材が最終圧延スタンドに噛み込ん
で連続的な圧延が開始された後のフィードバック制御に
よる圧延材の蛇行抑制を併せて採用することも、勿論、
可能である。なお、かかるフィードバック制御は、従来
から種々提案されており、公知技術であることからここ
では省略するが、フィードバック制御として、例えば特
開平4−300010号公報や特開平6−269825
号公報に記載されているように、フィードフォワード制
御やオブザーバを利用したもの等を採用することも可能
である。
【0036】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【0037】
【実施例】第一〜第四の圧延スタンドを備えた、図1に
示されているものと同様な構造のタンデム圧延機によっ
て、5052系のアルミニウム合金を熱間仕上圧延し
て、2.0mm(厚)×1050mm(幅)の熱間圧延材を
得るに際して、先ず、蛇行修正を行う前の圧延データと
して、第一圧延スタンドにおける入側オフセンタ量と最
終圧延スタンドにおける出側オフセンタ量および各圧延
スタンドにおける圧延荷重,片圧下量および差荷重を、
蛇行量検出装置およびロードセル等によってそれぞれ検
出した。これらの検出値より、圧延初期における各圧延
スタンドの出側オフセット量を求め、その結果を、図2
中に、前材実績として示した。なお、図2中、縦軸のオ
フセット量は、圧延材先端部のセンタが、圧延ロールの
センタから軸方向(操作側乃至は駆動側)にどれだけず
れたかを示すものであり、横軸の出側位置の番号は、各
圧延スタンドの番号を示す。
示されているものと同様な構造のタンデム圧延機によっ
て、5052系のアルミニウム合金を熱間仕上圧延し
て、2.0mm(厚)×1050mm(幅)の熱間圧延材を
得るに際して、先ず、蛇行修正を行う前の圧延データと
して、第一圧延スタンドにおける入側オフセンタ量と最
終圧延スタンドにおける出側オフセンタ量および各圧延
スタンドにおける圧延荷重,片圧下量および差荷重を、
蛇行量検出装置およびロードセル等によってそれぞれ検
出した。これらの検出値より、圧延初期における各圧延
スタンドの出側オフセット量を求め、その結果を、図2
中に、前材実績として示した。なお、図2中、縦軸のオ
フセット量は、圧延材先端部のセンタが、圧延ロールの
センタから軸方向(操作側乃至は駆動側)にどれだけず
れたかを示すものであり、横軸の出側位置の番号は、各
圧延スタンドの番号を示す。
【0038】なお、シミュレーション計算に際して採用
した具体的数値は、以下の通りである。 KS1=143.61,KS2=163.76,KS3=65
7.23,KS4=557.14,KF1=1.200,K
F2=1.082,KF3=1.219,KF4=1.31
1,δyC1=0.0(mm),δy1 =−45.0(m
m),δy2 =12.2(mm),δy3 =0.0(m
m),δy4 =−90.0(mm),δS1 =0.31(m
m),δS2 =−0.37(mm),δS3 =0.02(m
m),δS4 =0.16(mm)
した具体的数値は、以下の通りである。 KS1=143.61,KS2=163.76,KS3=65
7.23,KS4=557.14,KF1=1.200,K
F2=1.082,KF3=1.219,KF4=1.31
1,δyC1=0.0(mm),δy1 =−45.0(m
m),δy2 =12.2(mm),δy3 =0.0(m
m),δy4 =−90.0(mm),δS1 =0.31(m
m),δS2 =−0.37(mm),δS3 =0.02(m
m),δS4 =0.16(mm)
【0039】そして、その後、得られた検出値を用い、
前記「数1〜5」に従って、各圧延スタンドにおける片
圧下修正量を算出し、これら片圧下修正量を各圧延スタ
ンドにプリセットして次材の圧延を行った場合の圧延初
期における圧延材の蛇行量(各圧延スタンドにおける出
側オフセンタ量)を、シミュレーションによって求め
た。その結果を、図2中に、実施例として示した。
前記「数1〜5」に従って、各圧延スタンドにおける片
圧下修正量を算出し、これら片圧下修正量を各圧延スタ
ンドにプリセットして次材の圧延を行った場合の圧延初
期における圧延材の蛇行量(各圧延スタンドにおける出
側オフセンタ量)を、シミュレーションによって求め
た。その結果を、図2中に、実施例として示した。
【0040】また、前材実績に基づいて、圧延初期にお
ける蛇行を抑制すべく、熟練したオペレータが各圧延ス
タンドにおける片圧下量を調節して次材の圧延を行った
場合についても、各圧延スタンドにおける出側オフセン
タ量を求め、その結果を、図2中に、参考例として示し
た。
ける蛇行を抑制すべく、熟練したオペレータが各圧延ス
タンドにおける片圧下量を調節して次材の圧延を行った
場合についても、各圧延スタンドにおける出側オフセン
タ量を求め、その結果を、図2中に、参考例として示し
た。
【0041】かかる図2に示された結果からも明らかな
ように、本発明方法に従えば、最終圧延スタンドの出側
で90mm程度あったオフセンタ量が、20mm程度に抑え
られ、熟練したオペレータによる修正と比較しても、極
めて優れた蛇行抑制効果が認められる。
ように、本発明方法に従えば、最終圧延スタンドの出側
で90mm程度あったオフセンタ量が、20mm程度に抑え
られ、熟練したオペレータによる修正と比較しても、極
めて優れた蛇行抑制効果が認められる。
【0042】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
方法に従えば、圧延初期における圧延材先端部での蛇行
を抑制するための操作量が演算によって具体的に求めら
れるのであり、試行錯誤的な調節操作が必要ないことか
ら、安定した蛇行抑制効果を極めて容易に得ることが出
来るのである。
方法に従えば、圧延初期における圧延材先端部での蛇行
を抑制するための操作量が演算によって具体的に求めら
れるのであり、試行錯誤的な調節操作が必要ないことか
ら、安定した蛇行抑制効果を極めて容易に得ることが出
来るのである。
【図1】本発明方法の実施に用いられるタンデム圧延機
を概略的に示すモデル図である。
を概略的に示すモデル図である。
【図2】本発明の実施例としてのシミュレーション結果
を、比較例と共に示すグラフである。
を、比較例と共に示すグラフである。
10 第一圧延スタンド 12 第二圧延スタンド 14 第三圧延スタンド 16 第四圧延スタンド 18 圧延材 24 ロードセル 26 圧下量調節機構 28 入側蛇行量検出装置 30 出側蛇行量検出装置 32 演算装置
Claims (4)
- 【請求項1】 複数の圧延スタンドを備えたタンデム圧
延機において、圧延初期における圧延材の蛇行を抑制す
る方法であって、 第一圧延スタンドにおける圧延材の入側オフセンタ量お
よび最終圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセンタ
量と、各圧延スタンドにおける圧延荷重,差荷重および
片圧下量を、それぞれ検出し、それらの検出値に基づい
て、前記各圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセン
タ量を求めると共に、前記各圧延スタンドにおいて、該
圧延材の出側オフセンタ量を零とするための片圧下修正
量を算出し、次材の圧延開始前に、前記各圧延スタンド
における圧下量を、かかる算出された片圧下修正量に従
って調節することを特徴とする圧延初期における圧延材
の蛇行抑制方法。 - 【請求項2】 前記最終圧延スタンド以外の前記各圧延
スタンドにおける圧延材の出側オフセンタ量を、下式に
よって算出する請求項1に記載の圧延材の蛇行抑制方
法。 δyi =(LS /2Pi+1 )(δPt i+1 −δPm i+1
+(dP/dS)i+1・δSt i+1 ) 但し、δyは圧延スタンドにおける圧延材の出側オフセ
ンタ量であり、LS は圧延ロールの軸方向両側における
圧延荷重点間距離であり、Pは圧延材が圧延ロールに噛
み込んだ際の先端部圧延荷重であり、δPt は圧延材が
圧延ロールに噛み込んだ際の先端部圧延差荷重であり、
δPm は圧延が定常状態となった際の圧延差荷重であ
り、(dP/dS)は片圧下量の差荷重に対する影響係
数であり、δSt は圧延材が圧延ロールに噛み込んだ際
の先端部片圧下量であり、添字のiおよびi+1は圧延
材の流れ方向に順次付された圧延スタンドの番号を表
す。 - 【請求項3】 前記各圧延スタンドにおける片圧下修正
量を、下式を基本式として算出する請求項1又は2に記
載の圧延材の蛇行抑制方法。 δSi =(−δyi −KFi・δyCi)/KSi δyCi=δyi-1 但し、δSは片圧下修正量であり、δyは圧延スタンド
における圧延材の出側オフセンタ量であり、KF は圧延
スタンドにおける圧延材の入側オフセンタの出側オフセ
ンタに対する影響係数であり、δyC は圧延スタンドに
おける圧延材の入側オフセンタ量であり、KS は圧延ス
タンドにおける片圧下量変更の出側オフセンタに対する
影響係数であり、添字のiおよびi−1は圧延材の流れ
方向に順次付された圧延スタンドの番号を表す。 - 【請求項4】 前記圧延材が最終圧延スタンドに噛み込
んで連続的な圧延が開始された後、圧延材の蛇行量およ
び差荷重の少なくとも一方を測定し、かかる測定値に基
づいてベンダ差圧量および片圧下量の少なくとも一方を
調節することにより、圧延材の蛇行現象を解消せしめる
ようにフィードバック制御を行う請求項1乃至3の何れ
かに記載の圧延材の蛇行抑制方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8009790A JPH09201613A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 圧延初期における圧延材の蛇行抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8009790A JPH09201613A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 圧延初期における圧延材の蛇行抑制方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09201613A true JPH09201613A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11730023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8009790A Pending JPH09201613A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 圧延初期における圧延材の蛇行抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09201613A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003522024A (ja) * | 2000-02-07 | 2003-07-22 | キャストリップ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | ストリップ材料の圧延 |
JP2010234408A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Jfe Steel Corp | 熱延鋼帯の製造方法 |
CN104384203A (zh) * | 2014-11-16 | 2015-03-04 | 新余钢铁集团有限公司 | 预防厚度不大于4mm热轧带钢跑偏的轧制方法 |
-
1996
- 1996-01-24 JP JP8009790A patent/JPH09201613A/ja active Pending
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