JP3531744B2 - タンデム圧延機の板厚制御方法 - Google Patents
タンデム圧延機の板厚制御方法Info
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Description
厚制御方法に関し、特に圧延荷重のバランスを考慮した
負荷配分型モニタAGCに関するものである。
機においては、従来、最終スタンド出側にX線板厚計を
設けて、最終板厚の保証はX線モニタAGCにより主と
して最終スタンドの圧下操作で行い、最終スタンド以外
ではロックオンAGCによりロックオン時の板厚を保持
する制御が行われてきた。
のロール位置、主機速度のセットアップが外れて板厚誤
差が大きく出た場合、板厚を正しくゲージに入れるため
モニタAGC操作により最終スタンドの圧延荷重変動が
増大し、板形状が乱れて通板安定性を阻害するなどの問
題が発生する。
えば特願平2000−145765号公報には、各スタ
ンドの速度比、各スタンドの出側板厚を変更することに
より各スタンドの圧延荷重を所定の比に保つような圧延
機負荷配分補償法が記載されている。
ら出た時点での各スタンドの圧延荷重及び出側板厚実績
を検出し、予め定めた各スタンドの荷重配分を実現する
ように、最終スタンドを除く複数または全てのスタンド
のロックオンAGC目標値または圧下位置及び主機速度
比を変更することにより、各スタンドの初期負荷配分が
目標と異なる場合でも適正な負荷配分への変更が可能で
あるとされている。
厚制御の制御周期ごとに目標板厚を修正するにあたり、
板厚修正の荷重修正を基に順次各スタンドの荷重配分を
決定し、荷重配分が目標値となるように、各スタンドの
出側目標板厚を順次修正するとことにより各スタンドの
荷重配分を一定に保つ方法が開示されている。
願平2000−145765号公報に記載されている方
法は、板先端部が最終スタンドから出た時点での各スタ
ンド荷重及び出側板厚実績を検出し、予め定めた各スタ
ンドの荷重配分を実現するため、複数スタンドの圧下位
置及び主機速度比を変更する技術であり、オンライン再
セットアップにより各スタンドの負荷配分を変更するも
のであるため、先端部おいては設定計算のはずれを修正
されるものの、その後の温度など圧延状況の変化による
負荷バランスの崩れはリアルタイムに補償されていな
い。特に圧延の後端になると、モニタAGC操作により
最終スタンドの負荷変化は徐々に大きくなり、板形状の
乱れや走行安定性の劣化などを引き起こす問題が存在す
る。
れる技術では、荷重比を保つために圧下量を修正してい
るが、その修正において自スタンドの板厚目標修正によ
り当該スタンド出側板厚が変化し、その変化分(下流ス
タンドの入側板厚変動になる)が下流スタンド荷重に及
ぼす影響、すなわち、スタンド間圧下操作の相互干渉を
考慮していないため、目標の荷重配分を実現されないだ
けではなく、板厚目標の過大修正、または不足修正が生
じるにより最終板厚のゲージ精度も保証されないという
問題がある。また、板厚目標修正により生じるスタンド
間のマスフロー乱れは補償されていないため、走行の安
定性を阻害する恐れが存在する。
もので、モニタAGC制御を行う場合においても、各ス
タンド間の荷重比をリアルタイムに補償して維持するこ
とができるタンデム圧延機の板厚制御方法を提供するこ
とを課題とする。
の第1の手段は、複数スタンドからなるタンデム圧延機
における、最終スタンド出側にあるX線板厚計を利用し
たモニタAGCによる板厚制御において、圧延負荷バラ
ンスを考慮して、モニタAGCの操作量を、最終スタン
ドを含む複数のスタンドに配分し、これらのスタンドの
圧下及びワークロール回転速度を同時に操作することに
より、当該スタンド間の荷重比を維持しながら、仕上げ
出側板厚を目標通りに制御することを特徴とするタンデ
ム圧延機の板厚制御方法であって、モニタAGCの操作
量を最終スタンドの圧下操作量とし、その他のスタンド
の圧下を各スタンド間の荷重比を一定に保つように操作
することにより、モニタAGCの操作量を、最終スタン
ドを含む複数のスタンドに配分することを特徴とするタ
ンデム圧延機の板厚制御方法(請求項1)である。
上げ出側板厚を目標通りに制御するが、その際、モニタ
AGCの操作量を、最終スタンドを含む複数のスタンド
に配分し、これらのスタンドの圧下及びワークロール回
転速度(周速)を同時に操作することにより、当該スタ
ンド間の荷重比を維持するようにしている。よって、化
スタンドの圧延荷重が所定比に保たれるので、圧延材の
形状を性状範囲に保つことが容易となる。また、圧下操
作により生じるマスフローの乱れをワークロール回転速
度の修正により補償しているので走行の安定性も補償で
きる。
の操作量を最終スタンドの圧下操作量のみにフィードバ
ックするようにしており、その他のスタンドの圧下位置
は、最終スタンド圧下操作に伴って発生する荷重変動に
対して、各スタンド間の荷重比を一定に保つように操作
することにより、間接的にモニタAGCの操作量を複数
のスタンドに配分している。よって、制御に用いる計算
が簡単となり、かつ、早い応答で確実に板厚が目標値に
制御されると共に、各スタンドの荷重比を目標値に保つ
ことが容易となる。
前記第1の手段であって、各スタンドの圧下操作により
生じるマスフローの乱れを補償するように当該スタンド
及び上流スタンドのワークロール回転速度を修正するこ
とを特徴とするもの(請求項2)である。
により生じるマスフローの乱れを補償するように当該ス
タンド及び上流スタンドのワークロール回転速度を修正
しているので、圧下操作を行っても、スタンド間のマス
フローバランスが乱れることが少なくなる。
前記第1の手段又は第2の手段であって、板先端部が最
終スタンド出側にあるX線板厚計を通過後、荷重や板厚
をロックオンしてから制御を開始させ、ロックオン荷重
比を維持しながら、仕上げ出側板厚を目標通りに制御す
ることを特徴とするもの(請求項3)である。
比を保ったまま、モニタAGCにより板厚を目標値に保
つような制御を行うことができる。
図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態であ
るタンデム圧延機の板厚制御方法を実施するための装置
の概略構成を示すブロック線図である。図には、7段ス
タンドからなる仕上げ連続圧延機の後段4段のスタンド
を示している。
はと板厚を計測するX線板厚計である。4は本発明の負
荷配分型モニタAGCの構造を示すブロックである。本
発明の実施の形態の1例においては、板先端部がX線板
厚計を通過してからあるタイミングでロックオン処理を
行い、そのときの圧延荷重や板厚実績値を基準として、
最終スタンドを含む複数のスタンドの板厚修正ゲインと
速度修正ゲイン(ブロック4中のG57〜G77とQ
47〜Q77)を決める。その後、X線板厚計3の板厚
検出誤差に応じて、PI制御によりモニタ量を算出し、
このモニタ量に前記ゲインをかけて各スタンドの圧下制
御装置及び主機速度制御装置へ出力して制御を行う。
荷重比を維持するように前記各スタンドの板厚修正ゲイ
ン(ブロック4中のG57〜G77)を決める必要があ
り、それと同時に圧下操作によるマスフロー変動を補償
するように前記各スタンドの速度修正ゲイン(ブロック
4中のQ47〜Q77)を決めなければならない。
AGCの操作をF5、F6、F7スタンドの圧下で実施
し、F5、F6、F7スタンドの荷重を目標荷重比に維
持する制御を例として説明する。
の修正量をΔhMとすると、この板厚修正量を最終スタ
ンド(F7)で実施する必要があるので、F7の圧下操
作量(板厚修正指令)は次のようにする。
り、Kp、KiはそれぞれモニタAGCの比例ゲインと
積分ゲインである。F5、F6、F7スタンドの目標荷
重比は
6、F7スタンドの圧延荷重設定値 (2)制御開始前にロックオンにより得られたF5、F
6、F7スタンドの圧延荷重実績 のどちらにしてもよい。
refの板厚変更指令を出力しF7スタンド出側板厚を
ΔhMだけ変化させると同時に、F5スタンドにΔh5
refの板厚変更指令、F6スタンドにΔh6refの
板厚変更指令をそれぞれ出力して制御を行うこととす
る。この場合、制御実施後のF5、F6、F7スタンド
の圧延荷重実績をP5、P6、P7として、
h6refを定めればよい。
な関係がある
出側板厚変化影響係数、及び入側板厚変化影響係数であ
る。制御実施後の荷重比を目標荷重比に維持したいの
で、両者の関係を制御実施後F7スタンドの荷重実績を
変数として次のように表現する。
る。
入して、
て、
のように求める。
て、
求める。
hMに応じてF5、F6、F7スタンドにそれぞれΔh
5ref、Δh6ref、Δh7refの板厚変更指令を
出力すれば、目標の荷重比を維持しながら出側板厚の制
御を実現できることになる。なお、前記の板厚指令の求
め方において、スタンド数を最上流のF1スタンドまで
拡張しても同様なので、どのスタンドの組み合わせで実
施しても構わない。
マスフロー変動を最小化するため、当該スタンド及び上
流スタンドのワークロール回転速度(周速)を修正して
マスフローの乱れを補償する。各スタンドの板厚操作量
に応じて速度修正量は次のように算出される。
板速度が変わり、その変動量は次のようになる。
ール回転速度修正で補償するために必要な、F7スタン
ドのロール回転速度修正量は次のように求まる。なお、
以下の式において、
厚影響係数、先進率、及び出側板厚である。
マスフロー変動量は、
タンドのワークロール回転速度修正で補償する。F6ス
タンドのワークロール回転速度修正量は、F6スタンド
のマスフロー変動補償と自スタンドの板厚操作により生
じる出側速度変動の両方を同時に補償するので、次式で
求まる。
速度修正量は次式で求まる。
スタンドで補償するため、F4スタンドのワークロール
回転速度修正量は次式となる。
(22)式に代入して、各スタンドのワークロール回転
速度修正量は下式になる。
明の実施の形態であるタンデム圧延機の板厚制御方法を
実施する手順を図2に従って説明する。まず、圧延する
前の処理として、まず下記各影響係数などを計算してお
く。
通過してロックオンが可能と判断したら、板厚実績及び
荷重実績をロックオンする。このときの板厚と荷重をh
x0、P05、P06、P07として、目標荷重比、各スタ
ンドの板厚制御ゲイン及びワークロール回転速度制御ゲ
インを次のように算出する(制御前の処理)。
x(t)から Δh(t)=hx(t)−hx0 のように算出して、それぞれ前記のゲインをかけて板厚
及び速度の修正指令を計算して、それぞれ圧下制御装置
及び主機速度制御装置に出力する(圧延中の処理)。
延機において、従来型のモニタAGC制御を実施した場
合の、各スタンドの出側板厚実績値、圧延荷重実績値を
示す図である。板厚は、F7スタンドはX線厚さ形によ
る実測値、F5、F6スタンドは計算値である。この方
法では、モニタAGCではF7スタンドの圧下のみを操
作している。
れており、それを修正するために、F7スタンドの荷重
が増加する。その後、加速圧延により各スタンドの油膜
軸受けの油膜厚さが徐々に大きくなり、その分板厚が薄
くなる傾向となる。モニタAGCはF7スタンドの圧下
位置を上げてこれを補償しているため、F7スタンドの
荷重は大きく減少してしまい、板形状及び走行安定性の
劣化を引き起こす原因となる。
制御方法を使用して、同じ熱間タンデム圧延機におい
て、F5、F6、F7スタンドをX線モニタにより制御
した場合の、各スタンドの出側板厚実績値、圧延荷重実
績値を示す。板厚は、F7スタンドはX線厚さ形による
実測値、F5、F6スタンドは計算値である。
モニタAGCによりF7スタンドだけではなく、F5、
F6、F7の圧延荷重比を考慮して圧下操作量をF5、
F6、F7スタンドに配分するので、F7スタンドだけ
荷重が大きく上昇する現象はなくなる。また、加速圧延
に伴う板厚変化の補償においても、モニタAGCはF
5、F6、F7スタンドに圧下操作を配分するので、ス
タンド間の荷重比を維持しながら板厚の制御ができるよ
うになる。
モニタAGC制御を行う場合においても、各スタンド間
の荷重比をリアルタイムに補償して維持することができ
るタンデム圧延機の板厚制御方法を提供することができ
る。
厚制御方法を実施するための装置の概略構成を示すブロ
ック線図である。
厚制御方法を実施する手順を示すフローチャートであ
る。
タンドの出側板厚と圧延荷重の実績を示す図である。
と圧延荷重の実績を示す図である。
計 4:本発明に関わる負荷配分型モニタAGC制御装置
Claims (3)
- 【請求項1】 複数スタンドからなるタンデム圧延機に
おける、最終スタンド出側にあるX線板厚計を利用した
モニタAGCによる板厚制御において、圧延負荷バラン
スを考慮して、モニタAGCの操作量を、最終スタンド
を含む複数のスタンドに配分し、これらのスタンドの圧
下及びワークロール回転速度を同時に操作することによ
り、当該スタンド間の荷重比を維持しながら、仕上げ出
側板厚を目標通りに制御することを特徴とするタンデム
圧延機の板厚制御方法であって、モニタAGCの操作量
を最終スタンドの圧下操作量とし、その他のスタンドの
圧下を各スタンド間の荷重比を一定に保つように操作す
ることにより、モニタAGCの操作量を、最終スタンド
を含む複数のスタンドに配分することを特徴とするタン
デム圧延機の板厚制御方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のタンデム圧延機の板厚
制御方法であって、各スタンドの圧下操作により生じる
マスフローの乱れを補償するように当該スタンド及び上
流スタンドのワークロール回転速度を修正することを特
徴とするタンデム圧延機の板厚制御方法。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のタンデム
圧延機の板厚制御方法であって、板先端部が最終スタン
ド出側にあるX線板厚計を通過後、荷重や板厚をロック
オンしてから制御を開始させ、ロックオン荷重比を維持
しながら、仕上げ出側板厚を目標通りに制御することを
特徴とするタンデム圧延機の板厚制御方法。
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