JP2839754B2 - 圧延張力制御装置 - Google Patents

圧延張力制御装置

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JP2839754B2 JP3169583A JP16958391A JP2839754B2 JP 2839754 B2 JP2839754 B2 JP 2839754B2 JP 3169583 A JP3169583 A JP 3169583A JP 16958391 A JP16958391 A JP 16958391A JP 2839754 B2 JP2839754 B2 JP 2839754B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱延工場の仕上工程で
タンデム圧延機により圧延を実施する際のスタンド間圧
延材張力の制御に利用しうる。
【0002】
【従来の技術】本発明と関連のある従来技術は、例えば
特開昭56−139210号,特開昭57−19321
3号,特開昭59−118220号,及び特開昭59−
127917号の各公報に開示されている。
【0003】タンデム熱間圧延機においてスタンド間に
おける被圧延材(以下、圧延材という)張力は圧延板厚
に影響を及ぼす。そこで従来は、スタンド間にル−パを
配設しこのル−パによりスタンド間の圧延材張力を一定
に維持するようにしている。図6に、タンデム仕上圧延
機の一例を示す。ル−パは電動機IMで駆動される。ル
−パ高さ制御器H.Cおよびル−パ張力制御器により、
ル−パの高さが設定範囲内にありかつストリップのスタ
ンド間張力が目標値に安定するように電動機IMのトル
ク(電流)が制御される。ストリップの圧延板厚はフィ
−ドフォワ−ド板厚制御機能F.Fと自動板圧制御機能
AGCで制御される。図6中のAGCのブロックに接続
したSRは圧下レオナ−ド、SMは圧下電動機、S0は
ロ−ルギャップ検出器、LCは圧延荷重計であり、F1
〜F7が各スタンドである。各スタンドの圧延ロ−ルは
ロ−ル駆動電動機Mで回転駆動され、この速度を主機レ
オナ−ドSRが制御する。SACはサクセッシブまたは
マスフロ−制御入力を意味する。
【0004】ところでこの種のタンデム圧延機では、ル
−パの応答性(数rad/sec)および圧延速度(Mによる
速度)の応答性(十数rad/sec)が、ロ−ル開度を定め
る油圧圧下位置制御装置(SR+SM)の応答性(百数十rad/
sec)に比べて桁違いに低いので、圧下位置(ロ−ル開
度)の変更によるスタンド間張力の変化に対するル−パ
の応答速度が低く、圧下の変化によって生ずる張力変動
を十分抑制できない。張力変動が生じると、AGC制御
が抑制されて、薄物の圧延材の圧延時に平担度不良が生
じたり、板厚が目標値からずれる。例えば、検出した板
厚が目標値より大きくなると、AGCがロ−ル間間隙を
狭くするように圧下を調整するが、それによって圧延材
張力が小さくなり、その結果、板厚を小さくする効果が
弱くなるので、板厚調整の修正量が過少になる。
【0005】冷間圧延においては、張力変動を圧下位置
(ロ−ル開度)制御により抑制している。従来のこの一
態様を図7に示し、図8には図7に示す圧延設備の、圧
延制御機能を示す。この例では、#1スタンドにおいて
圧下による板厚制御を実施し、#2〜#4スタンドでは
ロ−ル周速(スタンド間ロ−ル周速比)により板厚を決
定する。スタンド間張力が変化し、許容範囲を外れると
圧下により張力を許容範囲に戻す(圧下による張力制限
制御)。#4−5スタンド間において速度による張力モ
ニタAGC(スタンド間ロ−ル周速比制御による板厚制
御)を実施する。図7において、APCは圧下位置制御
装置、ATCは張力制御機能、ASRがロ−ル周速比制
御による板厚制御機能である。これらの制御機能の内容
を図8に示す。
【0006】スタンド間ロ−ル周速比により板厚を決定
しロ−ル周速比制御により板厚を制御し、圧下によりス
タンド間張力を制御する場合、油圧圧下位置制御装置の
応答性が高いので、ロ−ル周速の変化による張力変化を
十分吸収する速応性が高い張力制御が実現する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、iスタ
ンドの張力制御による圧下の変化は上流側張力(iスタ
ンドとi−1スタンド間の圧延材張力)と下流側張力
(iスタンドとi+1スタンド間の圧延材張力)の両者
に変化をもたらす。これらの変化は、各スタンドにおい
て張力制御による圧下の変化を誘起し、これらが前方張
力および後方張力に変化をもたらす。すなわちiスタン
ドにおける張力制御による更なる圧下の変化を誘起す
る。このようにしてスタンド間で張力制御が相互作用し
て張力制御が発振してしまう。
【0008】冷間圧延の場合には、圧下を操作した場
合、上流側張力は大きく変化するが下流側張力はほとん
ど変化しないので、このような問題は大きくはない。し
かし熱間圧延の場合には、下流側張力の変化が大きく、
上述の問題が起り易い。この種の問題に内在する圧延挙
動を更に詳しく説明する。図9に、熱間タンデム圧延に
おいて、スタンド間ロ−ル周速比により板厚を決定しロ
−ル周速比制御により板厚を制御し圧下によりスタンド
間張力を制御する場合の、圧延スタンドの機能構成を示
す。図9に示す記号及び以下に示す記号は次の通りの事
項を意味する。
【0009】 M:ミル剛性係数 Q:塑性係数 R:偏
平ロ−ル径 γ:圧下率 f:先進率 H:入
側板厚 h:出側板厚 V:入側板速度 v:出
側板速度 T:上流側張力(後方張力) S:圧下位置(圧下を下げる方向を−とする) (1) #2スタンド上流側張力偏差(張力のゆるみ:ΔT
1−)を検出する。
【0010】(2) 圧下による張力制御系C2が圧下位置
を上げる(ΔS2+)。
【0011】(3) これにより出側板厚が増す(Δh2
+)。
【0012】(4) 圧下率γが小さくなり、先進率fが小
さくなる(Δf2−)。冷間圧延ではΔf2は略零であ
る。 γ=(H−h)/H, f=func.(γ,μ,
R)。
【0013】(5) ロ−ル周速は一定なので、出側板速度
が減速する(Δv2−)。
【0014】(6) 上記(3)と(5)により、入側板速が増速
する(ΔV2+)。
【0015】(7) #1スタンド出側板速は変化しない
(Δv1=0)。
【0016】(8) 上記(6)と(7)より、#2スタンド後方
張力=#1スタンド前方張力が張る(ΔT1+)。
【0017】ここまでで、#2スタンド後方張力の偏差
が吸収される。冷間圧延の場合には、係数B2が小さい
ため、圧下による張力制御の効果は下流スタンドには大
きくは波及しない。しかし熱間圧延の場合には次の問題
が大きくなる。
【0018】(9) #3スタンド入側板速は変化なし(Δ
V2=0)。
【0019】(10) 上記(5)および(9)により、#2スタ
ンド前方張力=#3スタンド後方張力が張る(ΔT2
+)。
【0020】単一スタンドのみに圧下による張力制御系
を導入した場合にはここまでの変化となる。以下、全ス
タンドに圧下による張力制御系を導入している場合につ
いて説明する。
【0021】(11) 上記(10)の変化を検出して#3スタ
ンドの張力制御系(C3)が圧下位置を下げる(ΔS3
−)。
【0022】(12) 上記(3)〜(8)と逆に制御され、#3
スタンド後方張力=#2スタンド前方張力が緩む(ΔT
2−)。
【0023】(13) 上記(12)に伴い、#2スタンド出側
板厚が(更に)増してしまう(Δh2++)。
【0024】(14) 上記(3)〜(8)と同様に、#2スタン
ド後方張力=#1スタンド前方張力が(更に)張る(Δ
T1++)。 このようにして圧下による張力制御が過制御になり張力
制御系が発振する。この種の発振は、板厚精度の悪化に
つながる。特に、油圧制御による圧下装置の場合、応答
速度が速いので、ロ−ルの偏芯に基づく外乱のように変
化の速い外乱に対しても正確な補償制御が可能である
が、その反面、速い補償制御によって複数スタンド間の
制御系が互いに干渉し発振を生じ易い。
【0025】また、スタンド間の圧延材張力を検出し、
それの目標値とのずれに応じて上流側スタンドのロ−ル
回転速度を修正すれば、張力を補正可能であるが、ロ−
ル回転速度の変更制御では、十数rad/秒程度の応答速
度しか得られないので、圧下制御に比べて遅く、ロ−ル
の偏芯に基づく外乱のように変化の速い外乱に対して
は、それを補償するように追従できないという難点があ
る。
【0026】従って本発明は、圧延スタンド間での圧延
材の張力変化を抑制するとともに、張力制御系間の干渉
による発振を防止し、しかもロ−ルの偏芯に基づく外乱
のように変化の速い外乱に対しても高速で追従して、高
精度の板厚制御を実現することを課題とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、複数の圧延スタンドが連なって
配置された圧延設備の圧延張力制御装置において、i−
1番圧延スタンドとi番圧延スタンドとの間の圧延材張
力を検出する上流側張力検出手段;前記上流側張力検出
手段の検出した上流側張力に応じて、i番圧延スタンド
のロ−ル間間隙を修正する第1の張力制御手段;i番圧
延スタンドとi+1番圧延スタンドとの間の圧延材張力
を検出する下流側張力検出手段;及び前記下流側張力検
出手段の検出した下流側張力に応じて、i番圧延スタン
ドのロ−ル回転速度を修正する第2の張力制御手段;を
1スタンドおきのi番圧延スタンドに関し設置する。
【0028】
【作用】従来のように、圧延スタンド上流側の圧延材の
張力を検出し、その検出張力に応じた圧下量修正を実施
する張力制御系を各々の圧延スタンドに設置する場合に
は、その張力制御系の応答特性(周波数特性)が隣接す
るスタンド間でよく似通ったものになるために、特定の
比較的高い周波数領域で制御系間に共振が生じ易い。
【0029】本発明の構成によれば、i番圧延スタンド
の上流側張力変動に対しては第1の張力制御手段によっ
てi番圧延スタンドの圧下量が修正され、それに伴なっ
て生じるi番圧延スタンド下流側の圧延材張力変動に対
しては、第2の張力制御手段によってi番圧延スタンド
のロ−ル回転速度が修正されるので、i番圧延スタンド
の上流側と下流側の両方の張力変動が補償される。しか
も、第1の張力制御手段(圧下制御)と第2の張力制御
手段(ロ−ル速度制御)とは操作対象が異なるので、そ
れらの応答周波数特性は大きく異なり、従って第1の張
力制御手段の系と第2の張力制御手段の系との間には干
渉が生じにくい。また、これらの制御系は、1スタンド
おきのi番圧延スタンドに関して設置されるので、第1
の張力制御手段の各々は、j,j+2,j+4,・・・
番スタンドの上流側の圧延材張力を検出してj,j+
2,j+4,・・・番スタンドの圧下量をそれぞれ調整
するので、隣接する第1の張力制御手段は、1スタンド
おきに配置されることになり、それらの間に干渉は生じ
にくく、発振は生じない。第2の張力制御手段について
も同様であるが、第2の張力制御手段の応答は比較的遅
いので、もともとこの制御系の間には共振が生じにく
い。
【0030】いずれにしても本発明によれば、第1の張
力制御手段の応答が高速であるので、ロ−ルの偏芯に基
づく外乱のように変化の速い外乱に対しても確実に追従
してそれを補償でき、高精度の板厚制御が期待できる。
また制御系間の共振による発振が生じにくいので、板厚
制御性能が悪化する恐れもない。
【0031】
【実施例】図1に一実施例のタンデム圧延機とその制御
系の構成を概略で示す。この圧延機は、熱間仕上圧延工
程に配置され、7基の圧延スタンド#1,#2,#3,
#4,#5,#6及び#7によって熱間圧延鋼板を所定
の厚さに圧延する。図1を参照すると、各々の圧延スタ
ンドには、圧下位置を調整するための油圧圧下機構と、
圧延ロ−ルを回転駆動する主機速度モ−タが設けられて
いる。また、ロ−ル位置、即ちロ−ル間間隙を検出する
ロ−ル位置検出器と、圧延荷重を検出するロ−ドセルが
各圧延スタンドに設けられている。更に、隣接する圧延
スタンドの間には、圧延材(鋼材)の張力を検出する張
力計がそれぞれ設けられている。また、7番圧延スタン
ド出側には、X線板厚計が設置されている。
【0032】なお以下の説明においては、各構成要素の
位置を区別する場合には、各要素の符号にスタンド番号
iを使った「(i)」を付加して示す。
【0033】各圧延スタンドの油圧圧下機構には、圧下
位置制御装置APC,又は制御装置PCTが接続されて
いる。即ち、#1,#3,#5及び#7の圧延スタンド
には、それぞれ圧下位置制御装置APCが接続され、#
2,#4及び#6の圧延スタンドには、それぞれ制御装
置PCTが接続されている。制御装置PCTは、図5に
示すように圧下位置制御装置APCを含んでいる。#1
−#2スタンド間の張力計の出力は、制御装置PCT
(2)に接続され、#3−#4スタンド間の張力計の出力
は、制御装置PCT(4)に接続され、#5−#6スタン
ド間の張力計の出力は、制御装置PCT(6)に接続され
ている。つまり、制御装置PCT(2)は2番スタンド入
側の圧延材張力検出値に応じて2番スタンド圧下位置を
修正し、制御装置PCT(4)は4番スタンド入側の圧延
材張力検出値に応じて4番スタンド圧下位置を修正し、
制御装置PCT(6)は6番スタンド入側の圧延材張力検
出値に応じて6番スタンド圧下位置を修正する。
【0034】また、#2−#3スタンド間の張力計の出
力は、速度補正装置TVC(2-3)に接続され、#4−#
5スタンド間の張力計の出力は、速度補正装置TVC(4
-5)に接続され、#6−#7スタンド間の張力計の出力
は、速度補正装置TVC(6-7)に接続されている。速度
補正装置TVC(2-3),TVC(4-5)及びTVC(6-7)
は、それぞれ#2,#4及び#6スタンドのロ−ル回転
速度を修正するための信号を出力する。つまり、#2ス
タンド出側の張力変化に応じて#2スタンドのロ−ル回
転速度が修正され、#4スタンド出側の張力変化に応じ
て#4スタンドのロ−ル回転速度が修正され、#6スタ
ンド出側の張力変化に応じて#6スタンドのロ−ル回転
速度が修正される。速度補正装置TVCの出力は、それ
ぞれ主機モ−タ速度制御装置MVCに接続されている。
主機モ−タ速度制御装置MVCは、各スタンドの主機速
度モ−タ(ロ−ル回転駆動モ−タ)の速度を制御する。
【0035】制御装置PCT及び速度補正装置TVCの
構成を図5に示す。図5を参照して説明する。i番スタ
ンドの制御装置PCTにおいては、張力検出値T(i)と
予め定めた張力設定値(目標値)との差分、つまり張力
偏差を、比例ゲインがGp1の比例演算,積分ゲインが
Gi1の積分演算,及び微分ゲインがGd1の微分演算に入
力し、それらの演算結果の総和を圧下変更量として出力
する。この圧下変更量は、圧下位置制御装置APC(i)
に位置修正指令として入力され、これに応答して圧下位
置制御装置APC(i)の制御出力、即ち圧下操作量が変
更される。この圧下操作量はスタンドの油圧圧下機構に
印加される。
【0036】#i−#(i+1)スタンド間の速度補正装置
TVC(i-[i+1])においては、張力検出値T(i+1)と予め
定めた張力設定値(目標値)との差分、つまり張力偏差
を、比例ゲインがGp2の比例演算,積分ゲインがGi2
の積分演算,及び微分ゲインがGd2の微分演算に入力
し、それらの演算結果の総和を主機速度モ−タ回転数変
更量として出力する。この出力信号が、主機モ−タ速度
制御装置MVCに印加される。
【0037】主機モ−タ速度制御装置MVCの構成を図
2に示す。図2を参照して説明する。主機モ−タ速度制
御装置MVCは、各スタンドの主機速度モ−タ回転数
(速度)指令信号を生成するが、まず最初に7番スタン
ドの信号を生成する。7番スタンドの主機速度モ−タ回
転数は、圧延前の被圧延材の温度と圧延後の設定材料温
度及び各スタンドの圧下率などに基づいて圧延の前に計
算により求められ、MVCに設定される。7番スタンド
の主機速度モ−タ回転数信号は、7番スタンドの主機速
度モ−タの駆動制御系に印加される。
【0038】主機モ−タ速度制御装置MVCは、各スタ
ンド間のマスフロ−が変化しないように、7番スタンド
の主機速度モ−タ回転数に基づいて6番スタンドの主機
速度モ−タ回転数を生成し、6番スタンドの主機速度モ
−タ回転数に基づいて5番スタンドの主機速度モ−タ回
転数を生成し、5番スタンドの主機速度モ−タ回転数に
基づいて4番スタンドの主機速度モ−タ回転数を生成
し、4番スタンドの主機速度モ−タ回転数に基づいて3
番スタンドの主機速度モ−タ回転数を生成し、3番スタ
ンドの主機速度モ−タ回転数に基づいて2番スタンドの
主機速度モ−タ回転数を生成し、2番スタンドの主機速
度モ−タ回転数に基づいて1番スタンドの主機速度モ−
タ回転数を生成する。7−6番,6−5番,5−4番,
4−3番,3−2番,及び2−1番スタンド間の回転数
変換は、それぞれ、変換式演算VT(7-6),VT(6-5),
VT(5-4),VT(4-3),VT(3-2)及びVT(2-1)によっ
て実施される。
【0039】各変換式演算VT(i-[i+1])の内容は、次
の第(1)式で表わされる。
【0040】
【数1】回転数比={〔1+f(i+1)〕・h(i+1)}/
{〔1+f(i)〕・h(i)}・・(1) 但し、f(i):#iスタンド先進率, h(i):#iスタンド出側板厚設定値 ここで先進率fは、μを摩擦係数、Hをロ−ル入側板
厚、hをロ−ル出側板厚、Rをロ−ル径、γを圧下率
[(H−h)/H]、σfを前方張力(スタンド下流側
張力)、σbを後方張力(スタンド上流側張力)、Kf
変形抵抗とすれば、次の第(2)式又は第(3)式から求める
ことができる。
【0041】
【数2】
【0042】スタンド出側板厚hは、次の第(4)式から
求められる。
【0043】
【数3】 h=S+(F/M)+Δ ・・・(4) 但し、S:圧下位置(ロ−ル位置検出器によって検出さ
れる), F:圧延荷重実績(ロ−ドセルによって検出される), M:ミル剛性係数, Δ:各種補正係数 また、6番スタンド主機速度モ−タ回転数は、速度補正
装置TVC(6-7)が出力する主機速度モ−タ回転数変更
量によって修正され、4番スタンド主機速度モ−タ回転
数は、速度補正装置TVC(4-5)が出力する主機速度モ
−タ回転数変更量によって修正され、2番スタンド主機
速度モ−タ回転数は、速度補正装置TVC(2-3)が出力
する主機速度モ−タ回転数変更量によって修正される。
5番,3番及び1番スタンドの各主機速度モ−タ回転数
変更量は0である。
【0044】つまりこの実施例においては、2番スタン
ド上流側検出張力に応じて2番スタンドの圧下位置が修
正されると同時に2番スタンド下流側検出張力に応じて
2番スタンドのロ−ル回転速度が修正され、4番スタン
ド上流側検出張力に応じて4番スタンドの圧下位置が修
正されると同時に4番スタンド下流側検出張力に応じて
4番スタンドのロ−ル回転速度が修正され、6番スタン
ド上流側検出張力に応じて6番スタンドの圧下位置が修
正されると同時に6番スタンド下流側検出張力に応じて
6番スタンドのロ−ル回転速度が修正される。
【0045】また、図1に示すX線モニタ板厚制御装置
は、図10に示すようにX線板厚計によって検出された
板厚と予め設定した板厚との偏差に応じて、主機速度モ
−タ回転数変更量の信号を各スタンド毎に生成し、それ
らを主機モ−タ速度制御装置MVCに各スタンドの主機
速度モ−タ回転数を修正するように印加する。
【0046】i番スタンド上流側張力の変化は、i番ス
タンド圧下位置の修正によって抑制できるが、i番スタ
ンド圧下位置の修正は、i番スタンド下流側の張力に変
化を及ぼす(冷間圧延の場合は比較的小さいが熱間圧延
の場合は影響が大きい)。この実施例においては、i番
スタンド上流側張力の変化に応じてi番スタンド圧下位
置を修正すると同時に、i番スタンド下流側の張力変化
を避けるために、i番スタンド下流側の張力変化に応じ
てi番スタンドのロ−ル回転速度が修正される。i番ス
タンドのロ−ル回転速度の修正によって、i番スタンド
下流側の張力変化が抑制される。
【0047】圧延スタンド上流側の圧延材の張力変化に
応じた圧下量修正(PCTの制御)を全てのスタンドに
ついて実施する場合には、それらの張力制御系の応答特
性(周波数特性)が隣接するスタンド間でよく似通った
ものになるために、特定の比較的高い周波数領域で制御
系間に共振が生じ易い。しかしこの実施例では、上流側
張力変化に応じた圧下量修正制御は、1スタンドおきの
2番,4番及び6番のスタンドのみで実施され、隣接す
るスタンド間にその制御系(PCT)が1つしか存在し
ないので、複数の制御系(PCT)の入出力要素がお互
いに干渉を生じにくい。
【0048】また実施例では、圧延スタンド上流側の圧
延材の張力変化に応じた圧下量修正(第1の張力制御手
段)の他に、圧延スタンド下流側の圧延材の張力変化に
応じたロ−ル回転速度修正(TVCの制御:第2の張力
制御手段)が実施されるので、第1の張力制御手段と第
2の張力制御手段との間に干渉の可能性が生じる。しか
し実際には、第1の張力制御手段の操作対象が圧下位置
調整であり、第2の張力制御手段の操作対象がロ−ル回
転速度であり、前者の操作対象の応答速度に比べて後者
の操作対象の応答速度がかなり遅いので、第1の張力制
御手段による制御系と第2の張力制御手段による制御系
の応答特性(応答速度)は大きく異なり、従って両者の
制御の間で共振は生じにくい。更に実施例では、第2の
張力制御手段も、1スタンドおきに配置してあるので、
第2の張力制御手段の複数の制御系間でお互いに干渉に
より共振が生じることもない。
【0049】変形実施例の構成を図3及び図4に示す。
図3及び図4は、それぞれ前記実施例の図1及び図2に
対応している。個々の制御装置の動作は前記実施例と同
一である。この実施例においては、第1の制御手段(P
CT)と第2の制御手段(TVC)を配置するスタンド
の位置が変更されている。
【0050】即ち図3に示すように、#1,#2,#4
及び#6の圧延スタンドには、それぞれ圧下位置制御装
置APCが接続され、#3,#5及び#7の圧延スタン
ドには、それぞれ制御装置PCTが接続されている。#
2−#3スタンド間の張力計の出力は、制御装置PCT
(3)に接続され、#4−#5スタンド間の張力計の出力
は、制御装置PCT(5)に接続され、#6−#7スタン
ド間の張力計の出力は、制御装置PCT(7)に接続され
ている。つまり、制御装置PCT(3)は3番スタンド入
側の圧延材張力検出値に応じて3番スタンド圧下位置を
修正し、制御装置PCT(5)は5番スタンド入側の圧延
材張力検出値に応じて5番スタンド圧下位置を修正し、
制御装置PCT(7)は7番スタンド入側の圧延材張力検
出値に応じて7番スタンド圧下位置を修正する。
【0051】また、#1−#2スタンド間の張力計の出
力は、速度補正装置TVC(1-2)に接続され、#3−#
4スタンド間の張力計の出力は、速度補正装置TVC(3
-4)に接続され、#5−#6スタンド間の張力計の出力
は、速度補正装置TVC(5-6)に接続されている。速度
補正装置TVC(1-2),TVC(3-4)及びTVC(5-6)
は、それぞれ#1,#3及び#5スタンドのロ−ル回転
速度を修正するための信号を出力する。つまり、#1ス
タンド出側の張力変化に応じて#1スタンドのロ−ル回
転速度が修正され、#3スタンド出側の張力変化に応じ
て#3スタンドのロ−ル回転速度が修正され、#5スタ
ンド出側の張力変化に応じて#5スタンドのロ−ル回転
速度が修正される。速度補正装置TVCの出力は、それ
ぞれ主機モ−タ速度制御装置MVCに接続されている。
主機モ−タ速度制御装置MVCは、各スタンドの主機速
度モ−タ(ロ−ル回転駆動モ−タ)の速度を制御する。
【0052】図1及び図2に示す実施例は、圧延材の板
厚制御をより重視した制御系を構成しており、図3及び
図4に示す実施例は、圧延材の形状を重視した制御系を
構成している。
【0053】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、複数の張
力制御系が隣接するスタンド間でお互いに干渉して発振
するのが防止され、安定で精度の高い圧延板厚制御が実
現する。しかも、応答速度の早い圧下位置調整による張
力制御系(第1の張力制御手段)を1スタンドおきに設
置してあるので、ロ−ルの偏芯に基づく外乱のように変
化の速い外乱に対しても正確に追従して張力変化を抑制
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施例の圧延機の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1のMVCの構成を示すブロック図であ
る。
【図3】 図1の変形実施例を示すブロック図である。
【図4】 図3のMVCの構成を示すブロック図であ
る。
【図5】 図1のPCT及びTVCの構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】 タンデム圧延システムの従来例を示すブロッ
ク図である。
【図7】 張力制御を実施する従来例を示すブロック図
である。
【図8】 図6の装置の制御の内容を示すブロック図で
ある。
【図9】 3スタンドの張力制御系の構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】 X線モニタ板厚制御装置の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
APC:圧下位置制御装置 PCT:制御装置(第1の張力制御手段) TVC:速度補正装置(第2の張力制御手段) MVC:主機モ−タ速度制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香 取 英 夫 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 中央研究本部内 (72)発明者 福 井 信 夫 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 原 川 哲 美 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 加 藤 祐 一 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭52−122249(JP,A) 特開 昭61−52918(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 37/48 - 37/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧延スタンドが連なって配置され
    た圧延設備の圧延張力制御装置において、 i−1番圧延スタンドとi番圧延スタンドとの間の被圧
    延材張力を検出する上流側張力検出手段;前記上流側張
    力検出手段の検出した上流側張力に応じて、i番圧延ス
    タンドのロ−ル間間隙を修正する第1の張力制御手段;
    i番圧延スタンドとi+1番圧延スタンドとの間の被圧
    延材張力を検出する下流側張力検出手段;及び前記下流
    側張力検出手段の検出した下流側張力に応じて、i番圧
    延スタンドのロ−ル回転速度を修正する第2の張力制御
    手段;を1スタンドおきのi番圧延スタンドに関し設置
    したことを特徴とする、圧延張力制御装置。
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