JPH0515914A - 圧延張力制御装置 - Google Patents

圧延張力制御装置

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JPH0515914A
JPH0515914A JP3169585A JP16958591A JPH0515914A JP H0515914 A JPH0515914 A JP H0515914A JP 3169585 A JP3169585 A JP 3169585A JP 16958591 A JP16958591 A JP 16958591A JP H0515914 A JPH0515914 A JP H0515914A
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tension
stand
rolling
stands
plate thickness
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JP3169585A
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English (en)
Inventor
Hideo Katori
取 英 夫 香
Koji Ueyama
山 高 次 植
Naoharu Yoshitani
谷 直 治 芳
Masanori Shiotani
谷 政 典 塩
Nobuo Fukui
井 信 夫 福
Hidekuni Nakamura
村 英 都 中
Yuichi Kato
藤 祐 一 加
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的小さな張力変動をも検出してそれを抑
制する。複数スタンドの張力制御系が干渉して発振する
のを防止する。 【構成】 検出張力偏差に応答して、圧下位置を修正す
る張力制御系を設ける。不感帯を有する張力制御系と不
感帯のない張力制御系とを1スタンドおきに交互に配置
する。後者の圧下修正による下流側張力変化は、前者の
不感帯以内なので、その変化に前者が応答せず、スタン
ド間で干渉が生じない。後者の制御系によって、小さな
張力偏差も修正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱延工場の仕上工程で
タンデム圧延機により圧延を実施する際のスタンド間圧
延材張力の制御に利用しうる。
【0002】
【従来の技術】本発明と関連のある従来技術は、例えば
特開昭56−139210号,特開昭57−19321
3号,特開昭59−118220号,及び特開昭59−
127917号の各公報に開示されている。
【0003】タンデム熱間圧延機においてスタンド間に
おける被圧延材(以下、圧延材という)張力は圧延板厚
に影響を及ぼす。そこで従来は、スタンド間にル−パを
配設しこのル−パによりスタンド間の圧延材張力を一定
に維持するようにしている。図9に、タンデム仕上圧延
機の一例を示す。ル−パは電動機IMで駆動される。ル
−パ高さ制御器H.Cおよびル−パ張力制御器により、
ル−パの高さが設定範囲内にありかつストリップのスタ
ンド間張力が目標値に安定するように電動機IMのトル
ク(電流)が制御される。ストリップの圧延板厚はフィ
−ドフォワ−ド板厚制御機能F.Fと自動板厚制御機能
AGCで制御される。図9中のAGCのブロックに接続
したSRは圧下レオナ−ド、SMは圧下電動機、S0は
ロ−ルギャップ検出器、LCは圧延荷重計であり、F1
〜F7が各スタンドである。各スタンドの圧延ロ−ルは
ロ−ル駆動電動機Mで回転駆動され、この速度を主機レ
オナ−ドSRが制御する。SACはサクセッシブまたは
マスフロ−制御入力を意味する。
【0004】ところでこの種のタンデム圧延機では、ル
−パの応答性(数rad/sec)および圧延速度(Mによる
速度)の応答性(十数rad/sec)が、ロ−ル開度を定め
る油圧圧下位置制御装置(SR+SM)の応答性(百数十rad/
sec)に比べて桁違いに低いので、圧下位置(ロ−ル開
度)の変更によるスタンド間張力の変化に対するル−パ
の応答速度が低く、圧下の変化によって生ずる張力変動
を十分抑制できない。張力変動が生じると、AGC制御
が抑制されて、薄物の圧延材の圧延時に平担度不良が生
じたり、板厚が目標値からずれる。例えば、検出した板
厚が目標値より大きくなると、AGCがロ−ル間間隙を
狭くするように圧下を調整するが、それによって圧延材
張力が小さくなり、その結果、板厚を小さくする効果が
弱くなるので、板厚調整の修正量が過少になる。
【0005】冷間圧延においては、張力変動を圧下位置
(ロ−ル開度)制御により抑制している。従来のこの一
態様を図10に示し、図11には図10に示す圧延設備
の、圧延制御機能を示す。この例では、#1スタンドに
おいて圧下による板厚制御を実施し、#2〜#4スタン
ドではロ−ル周速(スタンド間ロ−ル周速比)により板
厚を決定する。スタンド間張力が変化し、許容範囲を外
れると圧下により張力を許容範囲に戻す(圧下による張
力制限制御)。#4−5スタンド間において速度による
張力モニタAGC(スタンド間ロ−ル周速比制御による
板厚制御)を実施する。図10において、APCは圧下
位置制御装置、ATCは張力制御機能、ASRがロ−ル
周速比制御による板厚制御機能である。これらの制御機
能の内容を図11に示す。
【0006】スタンド間ロ−ル周速比により板厚を決定
しロ−ル周速比制御により板厚を制御し、圧下によりス
タンド間張力を制御する場合、油圧圧下位置制御装置の
応答性が高いので、ロ−ル周速の変化による張力変化を
十分吸収する速応性が高い張力制御が実現する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、iスタ
ンドの張力制御による圧下の変化は上流側張力(iスタ
ンドとi−1スタンド間の圧延材張力)と下流側張力
(iスタンドとi+1スタンド間の圧延材張力)の両者
に変化をもたらす。これらの変化は、各スタンドにおい
て張力制御による圧下の変化を誘起し、これらが前方張
力および後方張力に変化をもたらす。すなわちiスタン
ドにおける張力制御による更なる圧下の変化を誘起す
る。このようにしてスタンド間で張力制御が相互作用し
て張力制御が発振してしまう。
【0008】冷間圧延の場合には、圧下を操作した場
合、上流側張力は大きく変化するが下流側張力はほとん
ど変化しないので、このような問題は大きくはない。し
かし熱間圧延の場合には、下流側張力の変化が大きく、
上述の問題が起り易い。この種の問題に内在する圧延挙
動を計算式を用いて更に詳しく説明する。図12に、熱間
タンデム圧延において、スタンド間ロ−ル周速比により
板厚を決定しロ−ル周速比制御により板厚を制御し圧下
によりスタンド間張力を制御する場合の、圧延スタンド
の機能構成を示す。
【0009】ここで、 Δsi:i番スタンド圧下位置偏差, Δhi:i番スタンド出側板厚偏差, Δfi:i番スタンド先進率偏差, ΔVi:i番スタンド入側圧延材速度偏差, Δvi:i番スタンド出側圧延材速度偏差, ΔTi:i番スタンド−(i+1)番スタンド間張力偏差, i=1,2,3(0は粗圧延最終スタンドを意味する) とすると、各スタンドのパラメ−タは次の計算式で表わ
すことができる。
【0010】 Δh1=A1 Δs1−W1 ΔT0−M1ΔT1 ・・・(1) Δf1=−B1 Δh1 ・・・(2) ΔV1=D1 Δf1 ・・・(3) Δv1=E1 Δh1 +N1 Δv1 ・・・(4) ΔT0=G1 ΔV1/s ・・・(5) Δh2=A2 Δs2−W2 ΔT1−M2ΔT2 ・・・(6) Δf2=−B2 Δh2 ・・・(7) ΔV2=D2 Δf2 ・・・(8) Δv2=E2 Δh2 +N2 Δv2 ・・・(9) ΔT1=G2 ΔV2/s ・・・(10) Δh3=A3 Δs3−W3 ΔT2−M3ΔT3 ・・・(11) Δf3=−B3 Δh3 ・・・(12) ΔV3=D3 Δf3 ・・・(13) Δv3=E3 Δh3 +N3 Δv3 ・・・(14) ΔT2=G3 ΔV3/s ・・・(15) 但し、Ai:ΔsiからΔhiへの伝達関数, −Bi:ΔhiからΔfiへの伝達関数, Di:ΔfiからΔviへの伝達関数, Ei:ΔhiからΔViへの伝達関数, Gi:(ΔVi−Δv(i-1))からΔT(i-1)への伝達関
数, Wi:ΔT(i-1)からΔhiへの伝達関数, Mi:ΔTiからΔhiへの伝達関数, s:ラプラスの演算子 である。次に、ΔsiからΔT(i-1)への伝達関数を計
算する。上記第(1)〜(15)式からΔhi,Δfi,ΔV
i,Δviを消去すると次の第(16)〜(18)式が得られ
る。
【0011】 α ΔT0+β ΔT1 =θ Δs1 ・・・(16) γ ΔT1+δ ΔT2 =κ Δs2+λ Δs3 ・・・(17) ε ΔT0+ζ ΔT1+η ΔT2=μ Δs1+ν Δs2 ・・・(18) α=1+G1(E1−N1 D1 B1)W1/s ・・・(19) β=G1(E1−N1 D1 B1)M1/s ・・・(20) γ=G3 D2 B2 W2/s ・・・(21) δ=1+G3(E3−N3 D3 B3)W3/(s+K3 D3 B3 M3)+ G3 D2 B2 M2/s ・・・(22) ε=G2 D1 B1 W1/s ・・・(23) ζ=1+G2(E2−N2 D2 B2)W2/s+G2 D1 B1 M1/s ・・(24) η=G2(E2−N2 D2 B2)M2/s ・・・(25) θ=G1(E1−N1 D1 B1)A1/s ・・・(26) κ=G3 D2 B2 A2/s ・・・(27) λ=G3(E3−N3 D3 B3)A3/(s+K3 D3 B3 M3) ・・・(28) μ=G2 D1 B1 A1/s ・・・(29) ν=G2(E2−N2 D2 B2)A2/s ・・・(30) 前記第(16)式〜第(18)式を行列を用いて表わせば、次の
第(31)式及び第(32)式が得られる。
【0012】
【数1】
【0013】上記第(32)式を参照すると、各スタンドの
圧下位置変更(Δs1,Δs2,Δs3のいずれかの変
化)は、全ての位置の張力変化(ΔT0,ΔT1,ΔT2
の全ての変化)に影響を及ぼすことが分かる。ここで第
1スタンドの入側張力変動ΔT0に対しては第1スタン
ドの圧下位置変更Δs1のみで対応し、第2スタンドの
入側張力変動ΔT1に対しては第2スタンドの圧下位置
変更Δs2のみで対応し、第3スタンドの入側張力変動
ΔT2に対しては第3スタンドの圧下位置変更Δs3のみ
で対応する、と仮定すれば、次のような張力制御が実施
される。例えば1−2スタンド間にΔT1の張力変動が
外乱として生じた場合、2番スタンドの圧下位置変更
(Δs2)が実施されるので、それによって1−2スタ
ンド間の張力を目標値に戻すことができるが、圧下位置
変更(Δs2)に伴なって、2−3スタンド間の張力に変
動が生じる(ΔT2)。この張力変動に応答して、3番
スタンドの圧下位置変更(Δs3)が実施される。ま
た、2−3スタンド間の張力変動に伴なって2番スタン
ド出側の板厚が変動し、その影響で1−2スタンド間の
張力が変動する(ΔT1)ので、それを修正するように
再び2番スタンドの圧下位置変更(Δs2)が実施され
る。また、3番スタンドの圧下位置変更(Δs3)によ
って2−3スタンド間の張力変動が抑制される。最適な
制御が実施される場合には、これら一連の動作を繰り返
す間に張力変化は収束する方向に向かうが、実際には制
御の遅れやプロセスの変化に付随する時定数の影響によ
って、最適な制御が実施されず、特に隣接するスタンド
間での張力制御系の共振などにより、張力制御系が発振
を生じ、張力変動が収束しない。
【0014】このような発振に対しては、制御装置内に
比較的低いレベルの偏差入力には反応しないように不感
帯を設けることが対策として考えられる。しかしなが
ら、不感帯を設けることは制御系の応答特性を悪化させ
ることにつながり、板厚制御の精度に悪影響を及ぼす。
【0015】従って本発明は、圧延スタンド間での圧延
材の張力変動を抑制するとともに、隣接するスタンドの
張力制御系間の相互干渉による発振を防止し、高精度の
板厚制御を実現することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、複数の圧延スタンドが連なって
配置された圧延設備の圧延張力制御装置において、圧延
スタンド上流の被圧延材の張力を検出する張力検出手
段,及び該張力検出手段の検出した上流側張力に応じて
前記圧延スタンドのロ−ル間間隙を修正する張力制御手
段;を複数の圧延スタンドにそれぞれ設置するととも
に、検出張力偏差に対して所定レベル以下の範囲では応
答しない不感帯を備えた張力制御手段と前記不感帯を備
えない張力制御手段とを1スタンド毎に交互に配置す
る。
【0017】
【作用】例えば図12の例と同様に3スタンドの圧延機
を制御する場合に、1番スタンドと3番スタンドの張力
制御系に不感帯を設け、2番スタンドの張力制御系には
不感帯を設けないように構成した場合を説明する。な
お、不感帯を有する張力制御系においては、検出した張
力偏差(目標値−検出値)が所定のしきい値Tth(例え
ば±0.2 Kg/mm2)より小さい時には出力を零にし、検出
した張力偏差がTth以上の場合に所定の張力制御を実施
する。また、第1スタンドの入側張力変動ΔT0に対し
ては第1スタンドの圧下位置変更Δs1のみで対応し、
第2スタンドの入側張力変動ΔT1に対しては第2スタ
ンドの圧下位置変更Δs2のみで対応し、第3スタンド
の入側張力変動ΔT2に対しては第3スタンドの圧下位
置変更Δs3のみで対応する、と仮定する。
【0018】例えば1−2スタンド間にΔT1の張力変
動が外乱として生じた場合、2番スタンドの圧下位置変
更(Δs2)が実施されるので、それによって1−2ス
タンド間の張力を目標値に戻すことができるが、圧下位
置変更(Δs2)に伴なって、2−3スタンド間の張力に
変動が生じる(ΔT2)。しかし、通常の圧延において
は、操業中に生じる張力の外乱(この場合のΔT1)は
最大でも0.5 Kg/mm2程度であり、その場合の前方張力へ
の影響(この場合のΔT2)は最大でも0.2 Kg/mm2であ
るので、±0.2 Kg/mm2の不感帯を備える3番スタンドの
張力制御系においては、入側張力変動が不感帯より小さ
く、従って3番スタンドの圧下位置変更(Δs3)は実
施されない。2−3スタンド間の張力変動に伴なって2
番スタンド出側の板厚が変動し、その影響で1−2スタ
ンド間の張力が変動する(ΔT1)ので、それを修正す
るように再び2番スタンドの圧下位置変更(Δs2)が
実施される。これらの制御が繰り返し実施され、張力偏
差(ΔT1)は徐々に零に近づくように収束する。この
場合、1−2スタンド間の張力変動(ΔT1)に3番ス
タンドの張力制御系が影響を及ぼすことはないので、隣
接するスタンドにおいて複数の張力制御系が共振し発振
することはない。
【0019】張力制御は板幅制御を行なう上で非常に重
要な要素である。従って、全てのスタンドの張力制御系
に不感帯を備えると、しきい値レベルTth より小さな
張力変動を全く抑制できないので、充分な板幅制御精度
が得られない。しかし本発明によれば、不感帯のない張
力制御系が1スタンドおきに配置されているので、それ
らの部分で張力変動が検出された場合には、しきい値レ
ベル以下の小さな張力変動をも抑制することができ、板
幅精度が上がる。
【0020】
【実施例】図1に本発明を実施する熱間仕上圧延工程に
おけるタンデム圧延機の構成を一例として示す。図1を
参照すると、この実施例では、7基の圧延スタンド#
1,#2,#3,#4,#5,#6,及び#7が設けら
れている。各々の圧延スタンドには、圧下位置を調整す
るための油圧圧下機構と、圧延ロ−ルを回転駆動する主
機速度モ−タが設けられている。また、ロ−ル位置、即
ちロ−ル間間隙を検出するロ−ル位置検出器と、圧延荷
重を検出するロ−ドセルが各圧延スタンドに設けられて
いる。更に、隣接する圧延スタンドの間には、圧延材
(鋼材)の張力を検出する張力計がそれぞれ設けられて
いる。
【0021】図1のタンデム圧延機の制御系の構成を図
2に示す。なお図2には3基の圧延スタンドとそれに対
応する制御系を示してあるが、他の圧延スタンドについ
ても同様の制御が実施される。図2においては、中央の
i番目の圧延スタンドとそれに関連する要素は、その符
号に「(i)」を付して他のスタンドと区別し、それより
1スタンド上流側の圧延スタンドに対応する要素は、符
号に「(i-1)」を付し、1スタンド下流側の圧延スタン
ドに対応する要素は、符号に「(i+1)」を付してある。
【0022】図2を参照して各制御要素について説明す
る。圧下制御装置PCは、圧下位置指令に基づいて油圧
圧下機構を制御し、圧下位置(ロ−ル間間隙)を調整す
る。この実施例では、圧下位置修正指令信号が張力制御
装置TCから出力される。板厚計算装置SHは、次に示
すゲ−ジメ−タ式に基づいてスタンド出側板厚を計算
し、計算結果を速度補正装置VA(i)及びVA(i+1)に出
力する。
【0023】
【数2】 h=S+(F/M)+Δ ・・・(33) 但し、h:スタンド出側板厚, S:圧下位置, F:圧延荷重実績, M:ミル剛性係数, Δ:各種補正係数 張力制御装置TCは、スタンド間に配置された張力計が
出力するスタンド上流側張力に基づいて、圧下位置修正
指令信号を出力する。この装置の構成を図3に示す。図
3を参照すると、入力される検出張力と予め設定された
張力設定値との差分、即ち張力偏差が、増幅器101を
介して、又は直接、PI制御装置102に入力され、P
I制御装置102が圧下位置修正指令信号を生成する。
i番スタンドには増幅器101がないが、i−1番スタ
ンド及びi+1番スタンドの制御系に設けられた増幅器
101は不感帯(横軸が入力レベル,縦軸が出力レベル
を示す)を備えている。即ち、検出された張力偏差(張
力目標値−検出張力)がしきい値Tth 未満である時に
は増幅器101の出力は零であり、Tth 以上の張力偏
差に対しては入力レベルに比例したレベルを出力する。
この例では、Tth を0.2 Kg/mm2に設定してある。また
図3には3スタンド分の制御系を示してあるが、実際に
は、#1,#3,#5及び#7の各スタンドの張力制御
系に不感帯が設けてあり、#2,#4及び#6の各スタ
ンドの張力制御系には不感帯がない。つまり、1スタン
ドおきの張力制御系のみに不感帯が備わっている。
【0024】再び図2を参照すると、速度補正装置VA
(i)には、板厚計算装置SH(i-1)の出力する前スタンド
出側板厚,及び板厚計算装置SH(i)の出力する当スタ
ンド出側板厚が入力される。速度補正装置VA(i)の構
成を図5に示す。図5を参照すると、入力される前スタ
ンド出側板厚信号は、圧延材の移動速度に応じて時間を
遅らせる遅延要素111を通り、該前スタンド出側板厚
に対応する圧延材部分が当スタンド入側に到達するタイ
ミングで、当スタンドの入側板厚として、板厚計算装置
SH(i)から出力される当スタンド出側板厚と共に先進
率計算装置112に入力される。これらの入力信号に基
づいて、先進率計算装置112においては、次の第(34)
式(又は第(35)式)の計算を実施して、当スタンドにお
ける先進率fを計算する。
【0025】
【数3】
【0026】但し、f:先進率, μ:摩擦係数,
H:ロ−ル入側板厚, h:ロ−ル出側板厚, R:ロ−ル径, γ:圧下率[(H−h)/H], σf:前方張力(スタンド下流側張力), σb:後方張力(スタンド上流側張力), Kf:変形抵抗 メモリ113は、制御開始時の先進率を記憶し保持す
る。従って変換装置114には、制御開始時の先進率と
現在の先進率との偏差、すなわち先進率の変化分が入力
される。変換装置114は、入力される先進率の変化分
をロ−ル周速度の変化に換算する。その計算結果が、P
I制御装置115に入力される。PI制御装置115
は、ロ−ル周速度偏差指令を出力する。
【0027】一方、図1に示すように7番圧延スタンド
の出側にはX線板厚計が設置されている。このX線板厚
計の出力する検出板厚信号が、図2に示すX線モニタ板
厚制御装置XHCに入力される。X線モニタ板厚制御装
置XHCは、予め設定された出側板厚目標値と入力され
る検出板厚との差分、即ち板厚偏差に基づいて、その偏
差を修正するように各スタンド間のロ−ル周速度比を修
正する。この修正結果に基づいて、各々の圧延スタンド
に対応付けられた7つのロ−ル周速度基準信号を生成
し、それらを主機モ−タ速度制御装置MVCに対して出
力する。
【0028】主機モ−タ速度制御装置MVCは、X線モ
ニタ板厚制御装置XHCの出力する7つのロ−ル周速度
基準信号と、各速度補正装置VA(1)〜VA(7)の出力す
るロ−ル周速度偏差指令とに基づいて、各圧延スタンド
の主機モ−タ速度基準信号を生成する。主機モ−タ速度
制御装置MVCの構成を図4に示す。図4に示すよう
に、この主機モ−タ速度制御装置MVCは、各スタンド
間のマスフロ−が変化しないように、サクセシブをとり
ながら、各スタンドの主機モ−タ速度を調整する。7番
スタンドのロ−ル周速度基準とVA(7)からのロ−ル周
速度偏差指令によって生成された7番スタンドのロ−ル
周速度は、ロ−ル周速度からモ−タ回転速度に変換され
て出力される。同様に6番スタンドのロ−ル周速度は、
6番スタンドのロ−ル周速度基準とVA(6)からのロ−
ル周速度偏差指令によって生成されるが、7番スタンド
のロ−ル周速度に応じて修正された後で、モ−タ回転速
度に変換されて出力される。5番スタンドのロ−ル周速
度は、5番スタンドのロ−ル周速度基準とVA(5)から
のロ−ル周速度偏差指令によって生成され、6番スタン
ドのロ−ル周速度に応じて修正される。同様に、4番ス
タンドのロ−ル周速度は、4番スタンドのロ−ル周速度
基準とVA(4)からのロ−ル周速度偏差指令によって生
成され、5番スタンドのロ−ル周速度に応じて修正さ
れ、3番スタンドのロ−ル周速度は、3番スタンドのロ
−ル周速度基準とVA(3)からのロ−ル周速度偏差指令
によって生成され、4番スタンドのロ−ル周速度に応じ
て修正され、2番スタンドのロ−ル周速度は、2番スタ
ンドのロ−ル周速度基準とVA(2)からのロ−ル周速度
偏差指令によって生成され、3番スタンドのロ−ル周速
度に応じて修正され、1番スタンドのロ−ル周速度は、
1番スタンドのロ−ル周速度基準とVA(1)からのロ−
ル周速度偏差指令によって生成され、2番スタンドのロ
−ル周速度に応じて修正される。
【0029】図2の構成に対応する張力制御系の各要素
を伝達関数で表わした構成を図6に示す。図6に示す各
要素の大部分は、前に説明した図12の内容と同一であ
る。異なっているのは、#i−1スタンドと#i+1ス
タンドの制御系にそれぞれ不感帯が加わった点である。
【0030】図6の構成において、#i-1,#i,及び
#i+1をそれぞれ#1,#2,及び#3スタンドとみな
した場合、i番スタンド入側に張力変化の外乱ΔT1が
加わった場合に次のように制御が実施される。2番スタ
ンドの圧下位置変更(Δs2)が実施されるので、それ
によって1−2スタンド間の張力が目標値に戻るように
制御される。しかし、圧下位置変更(Δs2)に伴なっ
て、2−3スタンド間の張力に変動が生じる(ΔT
2)。通常の圧延においては、操業中に生じる張力の外
乱(この場合のΔT1)は最大でも0.5 Kg/mm2程度であ
り、その場合の前方張力への影響(この場合のΔT2)
は最大でも0.2 Kg/mm2であるので、±0.2 Kg/mm2の不感
帯を備える3番スタンドの張力制御系においては、入側
張力変動が不感帯より小さく、従って3番スタンドの圧
下位置変更(Δs3)は実施されない。2−3スタンド
間の張力変動に伴なって2番スタンド出側の板厚が変動
し、その影響で1−2スタンド間の張力が変動する(Δ
T1)ので、それを修正するように再び2番スタンドの
圧下位置変更(Δs2)が実施される。これらの制御が
繰り返し実施され、張力偏差(ΔT1)は徐々に零に近
づくように収束する。この場合、1−2スタンド間の張
力変動(ΔT1)に3番スタンドの張力制御系が影響を
及ぼすことはないので、隣接するスタンドにおいて複数
の張力制御系が共振し発振することはない。
【0031】変形実施例について説明する。この実施例
では、#2,#4,及び#6の各スタンドの張力制御系
に不感帯が備わっており、#1,#3,#5,及び#7
の各スタンドの張力制御系には不感帯がない。図7及び
図8にこの実施例の構成を示す。図7及び図8は、それ
ぞれ前記実施例の図3及び図6に対応している。つま
り、不感帯を備えるスタンドの位置が変更になった他は
前記実施例と同一の構成である。
【0032】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、張力制御
系の不感帯が1スタンドおきの制御系のみに設けられて
いるので、不感帯のない張力制御系によって、比較的小
レベルの張力変動が生じた場合でもそれを抑制でき、し
かもその張力制御系が圧下位置を変更することによって
生じる下流側張力変動が、隣接スタンドの制御系の不感
帯レベル未満であるので、隣接スタンドの複数の張力制
御系がお互いに干渉して発振を生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 タンデム圧延機の構成の概要を示す正面図で
ある。
【図2】 図1の一部分の制御系の構成を示すブロック
図である。
【図3】 図3の各TCの構成を示すブロック図であ
る。
【図4】 図2のMVCの構成を示すブロック図であ
る。
【図5】 図2のVAの構成を示すブロック図である。
【図6】 図2の張力制御系の伝達関数を示すブロック
図である。
【図7】 変形実施例の各TCの構成を示すブロック図
である。
【図8】 変形実施例の張力制御系の伝達関数を示すブ
ロック図である。
【図9】 タンデム圧延システムの従来例を示すブロッ
ク図である。
【図10】 張力制御を実施する従来例を示すブロック
図である。
【図11】 図10の装置の制御の内容を示すブロック
図である。
【図12】 3スタンドの張力制御系の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
101:増幅器(不感帯あり) 102:PI制御装置 111:遅延要素 112:先進率
計算装置 113:メモリ 114:変換装
置 115:PI制御装置 TC(i),TC(i-1),TC(i+1):張力制御装置 PC(i),PC(i-1),PC(i+1):圧下制御装置 SH(i),SH(i-1),SH(i+1):板厚計算装置 VA(i),VA(i-1),VA(i+1):速度補正装置 XHC:X線モニタ板厚制御装置 MVC:主機モ−タ速度制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩 谷 政 典 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社中 央研究本部内 (72)発明者 福 井 信 夫 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 (72)発明者 中 村 英 都 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 (72)発明者 加 藤 祐 一 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の圧延スタンドが連なって配置され
    た圧延設備の圧延張力制御装置において、 圧延スタンド上流の被圧延材の張力を検出する張力検出
    手段,及び該張力検出手段の検出した上流側張力に応じ
    て前記圧延スタンドのロ−ル間間隙を修正する張力制御
    手段;を複数の圧延スタンドにそれぞれ設置するととも
    に、検出張力偏差に対して所定レベル以下の範囲では応
    答しない不感帯を備えた張力制御手段と前記不感帯を備
    えない張力制御手段とを1スタンド毎に交互に配置した
    ことを特徴とする、圧延張力制御装置。
JP3169585A 1991-07-10 1991-07-10 圧延張力制御装置 Withdrawn JPH0515914A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1985329A1 (en) 2007-04-25 2008-10-29 Olympus Medical Systems Corp. Tubular member and endoscopic instrument
US8864749B2 (en) 2007-05-22 2014-10-21 Olympus Corporation Surgical instrument
US9307964B2 (en) 2007-05-18 2016-04-12 Olympus Corporation Intra-body-cavity insertion instrument fastener

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