JP3313328B2 - 圧延機の制御方法および装置 - Google Patents

圧延機の制御方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧延機の制御方法お
よび装置に関し、特に、複数スタンドから成るタンデム
圧延機により鋼材等の圧延を実施する際の各スタンドに
おける圧延材の板厚と、各スタンド間の圧延材張力と、
各スタンド間に配置されたルーパの高さとを制御するた
めの圧延制御方法および装置に用いて好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】鋼材の熱間圧延や冷間圧延における最終
製品の評価基準の1つに板厚があり、この基準を満たす
ために自動板厚制御(Automatic Gauge Control:以下、
AGCと言う)が行われている。熱間圧延におけるAG
Cとしては、圧延反力と圧下位置から計算されるゲージ
メータ板厚に基づいて圧下位置を制御するゲージメータ
AGC、圧延反力のみに基づいて圧下位置を制御するB
ISRA AGCおよびチューニングファクタを操作す
ることで見かけ上のミル剛性を変化させるMMC(Mill
Modulas Control)、上述のAGCを実施している際に
前段で生じた板厚偏差に基づいて次段の圧下位置を制御
するフィードフォワードAGC等が従来から行われてい
る。これらのAGCでは、圧延材を実際に圧延するワー
クロールのロールギャップを圧下装置で調整して板厚を
制御するようになっている。
【0003】これらのAGCでは主に、板厚の偏差によ
って変動するロールからの圧延反力を測定して、圧延反
力が増加するときには当該スタンドの出側板厚が厚くな
ると認識してロールギャップを狭くし、圧延反力が減少
するときには出側板厚が薄くなると認識してロールギャ
ップを広く制御する。すなわち、様々な外乱の影響によ
りスタンドの出側で生じる板厚偏差を、圧延反力測定値
の情報をもとに推定してフィードバック制御をかけるこ
とによって除去しようとするものである。
【0004】ところで、熱間圧延プロセスにおいて板厚
偏差を発生させる外乱は、大きく分けて次の3つがあ
る。 スキッドマーク外乱:鋼板を載せるスキッドに起因し
て当該鋼板の長手方向の温度ムラにより生ずる外乱であ
り、鋼板に板厚偏差がない場合でも、温度の高低により
変形抵抗が変動して出側板厚偏差の要因となる。無制御
のときは、スキッドマークにより鋼板の温度が高くなれ
ば圧延反力(圧延荷重)は下がり、出側板厚は薄くな
る。
【0005】入側板厚偏差外乱:前段のスタンドで出
側板厚偏差を生じた部分が、次段のスタンドにそのまま
移送され、次段での圧延の際に外乱となるものである。
無制御のときは、鋼板の入側板厚が薄くなれば圧延反力
は下がり、出側板厚は薄くなる。
【0006】ロール偏芯外乱:ワークロールに接する
バックアップロールの幾何学中心と質量中心とのずれに
起因してロールが上下運動し、ロールギャップ(圧下位
置)が変動することによって生じる外乱である。無制御
のときは、ロール偏芯によりロールギャップが大きくな
れば圧延反力は下がり、出側板厚は厚くなる。
【0007】以上述べた各外乱の中で、スキッドマー
ク外乱とロール偏芯外乱は、その値を前もって知るこ
とが困難であるため、ロールバイト直下で出側板厚に偏
差が現れたときにフィードバック制御を行うことによ
り、できるだけ速くそれらの影響を除去することが必要
である。一方、入側板厚偏差外乱は、スタンド間に設
けた板厚計測機器により前もってその値を知ることがで
きるので、フィードフォワード制御によりその影響を除
去することが板厚精度向上のためには望ましい。
【0008】ところが、以上の説明から分かるように、
、の外乱について圧延反力が出側板厚に及ぼす影響
の方向(例えば、反力が増加するときは出側板厚が厚く
なる方向)と、の外乱について圧延反力が出側板厚に
及ぼす影響の方向(例えば、反力が増加するときは出側
板厚が薄くなる方向)とは互いに逆向きである。つま
り、、の外乱は、圧延反力と出側板厚とをそれぞれ
同一方向に変化させるものであるのに対し、の外乱
は、両者をそれぞれ逆方向に変化させるものであり、圧
延反力の増減と出側板厚の増減との関係が1対1に対応
していない。
【0009】そのため、上記の各AGCでは、外乱、
を矯正すれば外乱が助長され、外乱を矯正すれば
外乱、が助長される結果となってしまい、外乱〜
による出側板厚への影響を、すべて圧延反力に基づい
て除去するのは原理的に無理がある。さらに、圧延反力
の偏差を用いて外乱、の影響を高精度で除去するた
めには、圧延反力から出側板厚を計算する式で使用する
ミル剛性係数の値を高精度に推定することが必要である
が、これは実操業では困難なことが多い。
【0010】このように、従来のAGCによる板厚制御
の精度に限界があるのは、外乱の影響による板厚偏差
を、圧延反力で推定してそれに基づいて圧下を制御して
おり、板厚偏差を直接測定して制御していないことにあ
ると言える。
【0011】そこで考えられたのが、各スタンド間の圧
延材張力を測定して圧下による張力制御を行うことによ
り、上記、の外乱、つまり当該スタンドで発生する
板厚偏差を抑制するとともに、各スタンド間の板厚を測
定して圧延ロールの回転速度(以下「ロール周速」と称
する)の制御、圧下によるフィードフォワードAGCを
行うことにより、上記の外乱、つまり前段のスタンド
で発生した板厚偏差を抑制する制御方式である。
【0012】以下、この制御方式について説明する。上
記スキッドマーク外乱およびロール偏芯外乱による
出側板厚の偏差は、スタンド間の鋼板の単位張力偏差の
物理量として現れる。隣り合う2つのiスタンド(上流
側)とi+1スタンド(下流側)の間の鋼板単位張力T
(i)<x>は、iスタンドの出側板速v(i)<x>とi+1スタ
ンドの入側板速V(i+1)<x>との差の積分で決まる物理量
である。
【0013】なお、以下の説明において、(i) が付され
る変数は、iスタンドあるいは、iスタンドとi+1ス
タンド間に係わる変数であることを意味し、<x> が付さ
れる変数は、サンプリング周期Tsによりデジタル制御
される場合の第x時刻を意味する。xは整数値のみをと
る変数であり、実際の時刻tとの間には、t=Ts*x
の関係がある。また、以降の記載に関して、時刻表示<x
> ないし<k> が付記されていない変数は、時間に対して
一定値であることを意味する。
【0014】いま、i+1スタンドにおいて入側板厚偏
差がない場合、すなわち、i+1スタンドにおいて入側
板厚H(i+1)<x>と出側板速v(i+1)<x>とが一定の場合を
考える。この場合、スキッドマーク外乱あるいはロー
ル偏芯外乱の影響により、i+1スタンドの出側板厚
h(i+1)<x>が、i+1スタンドの出側板厚目標値hAim
(i+1)<x>から偏差Δh(i+1)<x>を生じたとする。
【0015】いかなる場合にも、i+1スタンドに単位
時間に入り込む鋼板の体積と出ていく体積とは同じであ
るから、ロールバイト直下で板幅変更が生じない場合
は、 H(i+1)<x>・V(i+1)<x>=h(i+1)<x>・v(i+1)<x> が成立する。ここで、このi+1スタンドの入側板厚H
(i+1)<x>と出側板速v(i+1)<x>とは一定であると仮定し
たから、出側板厚h(i+1)<x>の微小変化Δh(i+1)<x>の
原因は、入側板速V(i+1)<x>の微小変化(ΔV(i+1)<x
>)以外にない。
【0016】以上から、i+1スタンドの出側板厚の偏
差Δh(i+1)<x>は、当該i+1スタンドの入側板速V(i
+1)<x>の変化に1対1に対応する。さらに、iスタンド
とi+1スタンドとの間の鋼板単位張力T(i)<x>は、 T(i)<x>=(E/L)(Σx [V(i+1)<x>−v(i)<x>] +ε
(i)<x>) のように、上記i+1スタンドの入側板速V(i+1)<x>の
変化に応じて決まる量である。ただし、ε(i)<x>はiス
タンドとi+1スタンド間にあるルーパによる時刻<x>
でのたるみ量、 Lはスタンド間距離、 Eはヤング率であ
り、Σx はスタンド間を被圧延鋼板が通過する時間内の
総和を意味する。
【0017】したがって、iスタンドとi+1スタンド
間の圧延材単位張力T(i)<x>を測定して圧下による張力
制御を行うことは、とりも直さず上記スキッドマーク外
乱およびロール偏芯外乱により発生した板厚偏差を
抑制することとなる。また、残りの入側板厚偏差外乱
については、スタンド間の板厚を直接測定してロール周
速制御、圧下によるフィードフォワード制御を行うこと
によって抑制できる。以下、このような制御方式を「板
厚偏差の直接測定制御方式」と称する。この直接測定制
御方式によれば、原理的には3つの外乱を完全に除去で
きる。
【0018】上記直接測定制御方式の従来技術として、
本発明者は、特公平8−2503345号公報に記載の
方法を提案した。この方法では、熱間圧延プロセスにお
いて、iスタンドとi+1スタンドのスタンド間単位張
力測定値の基準値からの偏差をi+1スタンドの圧下位
置にフィードバックする制御手段により、スタンド間単
位張力を制御する。これと同時に、iスタンドにおいて
生じた板厚偏差を実質的に除去すべく、iスタンドとi
+1スタンドのスタンド間に配置された板厚計により板
厚偏差を検出し、これに基づいて、i+1スタンドの圧
下位置およびiスタンドのロール周速をフィードフォワ
ード的に修正する。さらに、この特公平8−25033
45号公報では、ルーパを排除してスタンド間に張力計
を装備することにより、板厚精度の向上に多大な効果が
あることを開示している。
【0019】また、特開平4−361809号公報で
は、ルーパ付き熱間圧延プロセスにおいて、ルーパを駆
動するモータの速度実績値(測定値)およびルーパの角
度実績値を基に、ルーパの高さを一定にとどめるべくル
ーパモータ速度指令のみを操作する制御を実施している
際に、上記と同様にフィードバック制御手段によりi+
1スタンドの圧下位置操作でスタンド間単位張力を制御
すると同時に、スタンド間に配置された板厚計により板
厚偏差を検出して、これに基づいてマスフローAGCを
実施する装置について開示している。
【0020】さらに、特開平7−51715号公報で
は、ルーパ付き熱間圧延プロセスにおいて、ルーパモー
タ速度実績値およびルーパ角度実績値を基に、ルーパの
高を一定とどめるべくルーパモータ速度指令のみを操作
する制御を実施している際に、上記と同様にスタンド間
単位張力の制御とマスフローAGCとを実施している場
合において、ルーパ角度実績値がルーパ角度目標値から
偏差を生じた場合は、ルーパモータ電流指令値を操作す
る。また、スタンド間単位張力実績値がスタンド間単位
張力目標値から偏差を生じた場合は、上流側のロール周
速指令値を操作して、ルーパ角度実績値とスタンド間単
位張力実績値とを一定値に保とうとする装置について開
示している。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た各公報に開示した方法では、 1)ルーパレスまたはルーパ固定の熱間圧延プロセスを
対象としていること、 2)圧下位置駆動装置やロール駆動装置の応答遅れを考
慮していないこと、 3)最終板厚目標値と板厚実績値とに生じるバイアス的
板厚偏差(被圧延鋼板の長手方向に時刻に関して一定の
割合で生じる板厚偏差)の除去については何ら考慮して
いないこと、 などの問題があった。以下に、これらの問題点について
詳しく説明する。
【0022】1)ルーパに関する問題について まず、ルーパに関する問題について、(a) 熱間圧延プロ
セスにおけるルーパの役割、(b) 熱間圧延プロセスにお
けるルーパレスおよびルーパ固定制御の考え方とその問
題点、(c) 熱間圧延プロセスにおけるルーパ可動制御の
考え方およびそのメリットの順で説明する。
【0023】(a) 熱間圧延プロセスにおけるルーパの役
割 熱間圧延プロセスにおいて、ルーパは、鋼板圧延中にス
タンド間のマスフローに不均一が生じたときにこれを解
消し、通板上のトラブルを回避するという重要な役割を
担っている。
【0024】すなわち、ルーパは、指定されたトルクで
鋼板を支えている。鋼板自重およびルーパ自重の合計の
重量のうち、ルーパが支えなくてはならない重量は、ル
ーパの角度に応じて変動するため、該ルーパのトルクと
ルーパが支えるべき重量とが釣り合うようにルーパの角
度は変化する。ルーパ角度の変化により新たな平衡点に
達したとき、ルーパ角度は変化しなくなる。
【0025】一方、ルーパを制御するルーパ制御装置
は、新たな平衡点でのルーパ角度が所定の目標位置から
ずれている場合には、これを所定の角度に戻すように制
御する。かつ、スタンド間のマスフローに不均一が生じ
たときには、スタンド間の鋼板の単位張力が変動するの
で、このスタンド間の単位張力を所定の目標値に一致さ
せるためにルーパトルクを変更する。
【0026】つまり、ルーパは、スタンド間のマスフロ
ーの変動を修正すべくルーパ角度(ルーパ高さ)を変動
させることにより、スタンド間の張力を一定に維持しよ
うとする。その結果生じたルーパ角度の変動をルーパ制
御装置が元に戻すという手順により、スタンド間のマス
フローの変動は除去される。これにより、スタンド間単
位張力が零になることにより生じる絞りや、スタンド間
単位張力が高くなり過ぎるために生じる板破断等が回避
される。
【0027】(b) 熱間圧延プロセスにおけるルーパレス
およびルーパ固定制御の考え方とその問題点 特公平8−2503345号公報のようにルーパをスタ
ンド間から排除してしまうか、特開平4−361809
号公報や特開平7−51715号公報のようにルーパが
スタンド間に存在しても制御的に固定して動作させない
ようにした場合には、スタンド間のマスフローが不均一
になって、その結果スタンド間単位張力が変動しても、
ルーパは一定角度に待機しているため、スタンド間の張
力は回復しない。そのため、上述の絞りや板破断等が生
じ得ることになる。
【0028】これを回避すべく、マスフローが不均一に
なった場合に、上流側の圧延スタンドのロール周速を変
更することが、特開平4−361809号公報に開示さ
れている。しかしながら、この公報に記載の技術では、
ロール周速の変更措置をとってからマスフローの修正お
よび張力の修正が完了するまでは、ロール駆動系の応答
が40[rad/s] 程度の場合、0.1 〜0.5 秒オーダーの時
間がかかってしまう。そのため、上述の絞りや板破断等
が既に発生した後となり、間に合わない。
【0029】(c) 熱間圧延プロセスにおけるルーパ可動
制御の考え方およびそのメリット 上記の各公報により開示した方法、すなわち、鋼板圧延
中に、下流側の圧延スタンドの圧下位置を操作すること
でスタンド間の単位張力変動を抑制するとともに、上流
側の圧延スタンドのロール周速を操作することで当該圧
延スタンドの出側板厚を制御する場合においても、その
制御性能が十分でなかった場合等にはスタンド間のマス
フローが乱れ、そのためにスタンド間単位張力が変動を
来す場合も考えられる。このような不測の事態におい
て、板厚精度を少々犠牲にしても、安定した通板を確保
するニーズは操業において非常に高い。
【0030】2)圧下位置駆動装置やロール駆動装置の
応答遅れの未考慮について 上記の各公報に開示した方法は、鋼板圧延中に圧下位置
指令値およびロール周速指令値を適宜修正する方法であ
るが、圧下系およびロール駆動系には応答遅れが必ずあ
る。そのため、iスタンドの出側板厚偏差Δh(i)<x>を
有する部分の圧延材がi+1スタンドに到達する時刻に
圧下位置およびロール周速指令値を操作したのでは、上
記出側板厚偏差Δh(i)<x>を矯正するのは現実に不可能
であり、少なからず板厚偏差を残してしまうという問題
があった。
【0031】3)最終板厚目標値と板厚実績値とに生じ
るバイアス的板厚偏差について 上記の各公報に開示した方法では、最終段の圧延スタン
ドにおける出側板厚偏差に応じて、これを矯正する制御
を実施していない。そのため、例えばバイアス的板厚偏
差等が生じても、これを矯正できないという問題があっ
た。そこで本発明は、上記1)、2)、3)に述べた問
題点を解決することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明による圧延機の制
御方法は、n(i=1...n,n≧2)個の圧延スタンドを有し、
かつ、各圧延スタンド間にそれぞれ張力計を装備したル
ーパを有し、かつ、各スタンド間の少なくとも1つに板
厚計および該スタンド間の被圧延材の速度を測定あるい
は推定する手段を有する圧延プロセスにおいて、i+1
スタンドの圧下位置を適宜変更することにより上記iス
タンドと上記i+1スタンドとの間の被圧延材の単位張
力偏差を実質上零とするように制御するとともに、iス
タンドの出側で検出された板厚偏差を実質上零とすべ
く、上記iスタンドのロール周速または上記i+1スタ
ンドの圧下位置を適宜変更することにより上記i+1ス
タンドの出側での板厚偏差を実質上零とするように制御
している際に、上記iスタンドとi+1スタンドの間に
配置されたiルーパに対して、上記iルーパの角度実績
値および上記スタンド間の被圧延材の単位張力実績値に
関わりなく、固定の電流値を与え続けることで上記iル
ーパが被圧延材を一定のトルクで支える制御を実施する
ようにしたことを特徴とする。
【0033】本発明の他の態様では、測定あるいは推定
された上記被圧延材の速度に基づいて、上記iスタンド
の出側での板厚偏差を有する部分の被圧延材が上記i+
1スタンドに到達すると推定される時刻より所定時間だ
け早く、上記iスタンドのロール周速指令値を伝えるよ
うにしたことを特徴とする。また、測定あるいは推定さ
れた上記被圧延材の速度に基づいて、上記iスタンドの
出側での板厚偏差を有する部分の被圧延材が上記i+1
スタンドに到達すると推定される時刻より所定時間だけ
早く、上記i+1スタンドの圧下位置指令値を伝えるよ
うにしたことを特徴とする。
【0034】本発明のその他の態様では、n(i=1...n,n
≧2)個の圧延スタンドを有し、かつ、各圧延スタンド間
にそれぞれ張力計を装備したルーパを有し、かつ、各ス
タンド間の少なくとも1つに板厚計および該スタンド間
の被圧延材の速度を測定あるいは推定する手段を有する
圧延プロセスにおいて、最終段の圧延スタンドの出側に
備えられた板厚計により測定される板厚実績値に基づい
て、上記n個の圧延スタンドの少なくとも1つの圧延ス
タンドのロール周速を変更することにより、上記最終段
の圧延スタンドの出側の板厚偏差を実質上零とするよう
に制御することを特徴とする。
【0035】本発明のその他の態様では、n(i=1...n,n
≧2)個の圧延スタンドを有し、かつ、各圧延スタンド間
にそれぞれ張力計を装備したルーパを有し、かつ、各ス
タンド間の少なくとも1つに板厚計および該スタンド間
の被圧延材の速度を測定あるいは推定する手段を有する
圧延プロセスにおいて、請求項1に記載の制御の実施中
に、上記iスタンドとi+1スタンドとの間の被圧延材
の張力実績値が指定した上下限値以内になくなった場
合、または上記iルーパのルーパ角度実績値が指定した
上下限値以内になくなった場合に、制御不良と認識し
て、上記被圧延材の圧延反力および圧下位置の信号を基
に計算されるゲージメータ板厚に基づいて上記i+1ス
タンドの圧下位置を操作するとともに、上記張力実績値
および上記ルーパ角度実績値に基づいて上記iスタンド
のロール周速および上記iルーパの電流値を操作する制
御に切り替えるようにしたことを特徴とする。ここで、
上記制御の切り替え動作を行うか否かを指定可能であっ
ても良い。
【0036】また、本発明による圧延機の制御装置は、
n(i=1...n,n≧2)個の圧延スタンドを有し、かつ、各圧
延スタンド間にそれぞれ張力計を装備したルーパを有
し、かつ、各スタンド間の少なくとも1つに板厚計およ
び該スタンド間の被圧延材の速度を測定あるいは推定す
る手段を有する圧延プロセスにおいて、iスタンドとi
+1スタンドの間に配置されたiルーパに対して、上記
iルーパの角度実績値および上記iスタンドとi+1ス
タンドとの間の被圧延材の単位張力実績値に関わりな
く、固定の電流値を与え続けることで上記iルーパが被
圧延材を一定のトルクで支える制御を実施するルーパ制
御手段を設けたことを特徴とする。
【0037】本発明の他の態様では、n(i=1...n,n≧2)
個の圧延スタンドを有し、かつ、各圧延スタンド間にそ
れぞれ張力計を装備したルーパを有し、かつ、各スタン
ド間の少なくとも1つに板厚計および該スタンド間の被
圧延材の速度を測定あるいは推定する手段を有する圧延
プロセスにおいて、iスタンドの出側で検出された板厚
偏差を有する部分が、i+1スタンドの出側においてそ
の板厚偏差が実質上零となるように、上記i+1スタン
ドの圧下位置を制御する圧下フィードフォワード制御手
段と、測定あるいは推定された上記被圧延材の速度に基
づいて、上記iスタンドの出側での板厚偏差を有する部
分の被圧延材が上記i+1スタンドに到達すると推定さ
れる時刻より所定時間だけ早く、上記i+1スタンドの
圧下位置指令値を上記圧下フィードフォワード制御手段
に伝えるようにする移送制御手段とを備えたことを特徴
とする。
【0038】本発明のその他の態様では、n(i=1...n,n
≧2)個の圧延スタンドを有し、かつ、各圧延スタンド間
にそれぞれ張力計を装備したルーパを有し、かつ、各ス
タンド間の少なくとも1つに板厚計および該スタンド間
の被圧延材の速度を測定あるいは推定する手段を有する
圧延プロセスにおいて、iスタンドの出側で検出された
板厚偏差を有する部分が、i+1スタンドの出側におい
てその板厚偏差が実質上零となるように、上記iスタン
ドのロール周速を制御するロール周速フィードフォワー
ド制御手段と、測定あるいは推定された上記被圧延材の
速度に基づいて、上記iスタンドの板厚偏差を有する部
分の被圧延材が上記i+1スタンドに到達すると推定さ
れる時刻より所定時間だけ早く、上記iスタンドのロー
ル周速指令値を上記ロール周速フィードフォワード制御
手段に伝えるようにする移送制御手段とを備えたことを
特徴とする。
【0039】本発明のその他の態様では、n(i=1...n,n
≧2)個の圧延スタンドを有し、かつ、各圧延スタンド間
にそれぞれ張力計を装備したルーパを有し、かつ、各ス
タンド間の少なくとも1つに板厚計および該スタンド間
の被圧延材の速度を測定あるいは推定する手段を有する
圧延プロセスにおいて、最終段の圧延スタンドの出側に
備えられた板厚計によりモニタリングされる板厚実績値
に基づいて、上記最終段の圧延スタンドの出側の板厚偏
差を実質上零とするために、上記n個の圧延スタンドの
少なくとも1つの圧延スタンドのロール周速を制御する
モニタ制御手段を設けたことを特徴とする。
【0040】本発明のその他の態様では、n(i=1...n,n
≧2)個の圧延スタンドを有し、かつ、各圧延スタンド間
にそれぞれ張力計を装備したルーパを有し、かつ、各ス
タンド間の少なくとも1つに板厚計および該スタンド間
の被圧延材の速度を測定あるいは推定する手段を有する
圧延プロセスにおいて、iスタンドとi+1スタンドの
間に配置されたiルーパに対して、上記iルーパの角度
実績値および上記iスタンドとi+1スタンドとの間の
被圧延材の単位張力実績値に関わりなく、固定の電流値
を与え続けることで上記iルーパが被圧延材を一定のト
ルクで支える制御を実施するルーパ制御手段と、上記被
圧延材の圧延反力および圧下位置の信号を基に計算され
るゲージメータ板厚あるいは上記被圧延材の圧延反力の
みに基づいて上記i+1スタンドの圧下位置を操作する
圧延反力を用いた板厚制御手段と、上記iスタンドとi
+1スタンドとの間の被圧延材の張力実績値が張力目標
値に一致し、かつ、上記iルーパのルーパ角度実績値が
ルーパ角度目標値に一致するように上記iスタンドのロ
ール周速および上記iルーパの電流値を操作する張力・
角度制御手段と、上記ルーパ制御手段による制御の実施
中に、上記iスタンドとi+1スタンドとの間の被圧延
材の張力実績値が指定した上下限値以内になくなった場
合、または上記iルーパのルーパ角度実績値が指定した
上下限値以内になくなった場合に、制御不良と認識し
て、上記圧延反力を用いた板厚制御手段および上記張力
・角度制御手段による制御に切り替えるようにする制御
切り替え手段とを備えたことを特徴とする。
【0041】本発明のその他の態様では、上記制御切り
替え手段による切り替え動作を行うか否かを指定する切
り替え指定手段を備えたことを特徴とする。また、請求
項7〜12に記載の各手段を任意に組み合わせて圧延機
の制御装置を構成するようにしても良い。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。ここでは、一例として熱間圧延プ
ロセスのタンデム圧延について説明する。図1は、本発
明の基本システム構成を示す図である。通常、タンデム
圧延機は6〜7個の圧延スタンドを有するが、ここでは
iスタンド(i=1〜n)とi+1スタンド(i=1〜
n−1)のみを示した。
【0043】図1において、1は被圧延鋼板、2はiス
タンド、3はi+1スタンド、4はルーパであり、上下
方向に位置が可変となっている。5はルーパ駆動電動機
(モータ)、6はルーパモータ速度測定装置、7はルー
パモータ速度制御装置であり、上記ルーパ駆動モータ5
の測定速度(速度実績値)を上記ルーパモータ速度測定
装置6から受け取り、それが基準速度(目標速度)と一
致するようにルーパ駆動モータ5の速度を制御する。
【0044】8はルーパモータ電流基準発生装置、9は
ルーパモータ電流制御装置であり、第1の制御スイッチ
SW1を介して与えられる制御信号に基づいて、上記ル
ーパ駆動モータ5に供給する駆動電流の大きさを制御す
る。10は第1のルーパ高さ制御装置であり、ルーパモ
ータ速度に対する指令値変更量を出力することによっ
て、被圧延鋼板1がスタンド間にきちんと噛み込まれる
までの処理(以下「噛み込み処理」と称する)と、被圧
延鋼板1の尾端がiスタンド2を通過した後の処理(以
下「尾端処理」と称する)とにおいて、ルーパ4が一定
の高さに維持されるように制御する。
【0045】11は第2のルーパ高さ制御装置であり、
iスタンド2のロール周速に対する指令値変更量を出力
することにより、被圧延鋼板1がi+1スタンド3に噛
み込まれてからしばらくの間、ルーパ4がある一定の高
さに維持されるように制御する。12はルーパ角度測定
装置であり、その測定結果は上記第1、第2のルーパ高
さ制御装置10,11の他、後述するルーパ高さ・張力
制御装置に供給される。
【0046】13,14は圧延ロール回転速度測定装
置、15,16は圧延ロール駆動電動機(モータ)、1
7,18は圧延ロールモータ回転速度測定装置、19,
20は圧延ロールモータ回転速度制御装置であり、上記
圧延ロールモータ15,16の測定速度(速度実績値)
を上記圧延ロールモータ回転速度測定装置17,18か
ら受け取り、それが基準速度(目標速度)と一致するよ
うに圧延ロールモータ15,16の速度を制御する。2
1,22は圧延反力計測装置である。
【0047】23は第1の板厚制御装置であり、測定さ
れた板厚実績値に基づいて、上流側の圧延ロールモータ
15の回転速度(ロール周速)を制御することにより、
被圧延鋼板1の板厚を制御する。また、この第1の板厚
制御装置23は、測定された板厚実績値に基づいてiス
タンド2の出側板厚偏差を検出し、i+1スタンド3の
圧下位置制御にフィードフォワードする。
【0048】24は張力測定装置、25は第2の板厚制
御装置であり、上記圧延反力計測装置22により測定さ
れたi+1スタンド3の圧延反力(圧延荷重)および図
示しないロールギャップ検出器によるロールギャップ実
績値に基づいて、i+1スタンド3の圧延ロールの圧下
位置(ロールギャップ)を制御することにより、被圧延
鋼板1の板厚を制御する。
【0049】26は張力制御装置であり、上記張力測定
装置24により測定された被圧延鋼板1のスタンド間単
位張力に基づいて、i+1スタンド3の圧延ロールの圧
下位置を制御することにより、被圧延鋼板1の張力を制
御する。27,28は圧下位置制御装置、29は板厚測
定装置、30はルーパモータ電流値記憶装置であり、本
実施形態において特有の「トルク一定制御」(詳しくは
後述する)を開始する際に、固定で使用するルーパ駆動
モータ5の電流目標値をここにロックする。
【0050】31はルーパ高さ・張力制御装置であり、
ルーパ角度測定装置12および張力測定装置24により
測定されたルーパ4の角度および被圧延鋼板1のスタン
ド間単位張力、更に板厚および板幅に基づいて、ルーパ
駆動モータ5の電流基準を与えてルーパ4の高さを制御
するとともに、圧延ロールモータ15のロール周速を調
整して被圧延鋼板1の単位張力を制御する。32はルー
パモータ電流測定装置であり、上記ルーパモータ電流値
記憶装置30には、ここで測定されている電流値が常に
与えられており、「トルク一定制御」の開始時にロック
オンされる。
【0051】33はロール周速補正装置、34はルーパ
ダンピング補償装置であり、ルーパ角度が大きく変動し
た場合等にそれを抑制するようにするものである。35
は張力記憶装置であり、「トルク一定制御」を開始する
際に、固定で使用する被圧延鋼板1のスタンド間単位張
力目標値をここにロックする。張力制御装置26は、こ
の張力記憶装置35にロックされたスタンド間単位張力
目標値とその実績値との偏差に基づいて、上述した圧下
位置制御を行う。
【0052】36はルーパ角度記憶装置であり、「トル
ク一定制御」を開始する際に、固定で使用するルーパ4
の角度目標値をここにロックする。なお、これらの張力
記憶装置35およびルーパ角度記憶装置36に記憶され
た張力目標値およびルーパ角度目標値は、後述する「偏
差上下限異常処理」の際に用いられる。37はモニタ制
御装置であり、最終段圧延スタンドの出側板厚偏差をモ
ニタリングして上流側圧延スタンドのロール周速を制御
する。
【0053】次に、上記のように構成した本実施形態に
よるシステムの動作を説明する。 (1)まず本実施形態の動作の説明に先立って、従来の
板厚制御およびルーパ制御がどのように動作するかにつ
いて、順を追って説明する。
【0054】 各部位の動作とその働きについて 図1において、被圧延鋼板1は、iスタンド2とi+1
スタンド3にて順に圧延される。これらiスタンド2と
i+1スタンド3との間に、ルーパ駆動モータ5によっ
て駆動されるルーパ4が設けられている。ルーパ駆動モ
ータ5には、その回転速度および駆動電流値を測定する
ためのルーパモータ速度測定装置6およびルーパモータ
電流測定装置32が結合されている。
【0055】上記ルーパモータ速度測定装置6の出力に
基づいて、ルーパモータ速度制御装置7がルーパ駆動モ
ータ5を基準の回転速度で回転させる電流基準を発生す
る一方、ルーパモータ電流基準発生装置8が、被圧延鋼
板1のスタンド間単位張力を基準値に保つように独立し
て電流基準を発生するようになっている。これらの電流
基準に従ってルーパモータ電流制御装置9がルーパ駆動
モータ5の駆動電流を制御するが、ルーパモータ速度制
御装置7およびルーパモータ電流基準発生装置8の出力
段には第1の制御スイッチSW1が備えられており、ル
ーパモータ電流制御装置9に与える電流基準を切り替え
られるようになっている。
【0056】一方、ルーパ4の高さを制御するために、
第1、第2のルーパ高さ制御装置10,11がそれぞれ
設けられている。また、ルーパ4の高さおよび被圧延鋼
板1のスタンド間単位張力を同時に制御するために、ル
ーパ高さ・張力制御装置31が設けられている。
【0057】第2のルーパ高さ制御装置11は、ルーパ
角度測定装置12により測定されるルーパ角度実績値と
ルーパ角度目標値(iスタンド2とi+1スタンド3の
各ロールギャップを結ぶ水平線よりもルーパ4が上方に
くるような角度)との差に基づいて、上流側であるiス
タンド2のロール周速指令値変更量を算出して、これを
第2、第3の制御スイッチSW2,SW3を介して圧延
ロールモータ回転速度制御装置19に出力する。
【0058】圧延ロールモータ回転速度制御装置19
は、圧延ロールモータ回転速度測定装置17により測定
された圧延ロールモータ15の速度信号と上述のロール
周速指令値変更量とに従って、圧延ロールモータ15の
回転速度を制御する。同様に、圧延ロールモータ回転速
度制御装置20が、圧延ロールモータ回転速度測定装置
18の測定速度信号(i+1スタンド3が最終段でない
場合は、その後段に設けられる図示しない第2のルーパ
高さ制御装置から送られてくるロール周速指令値変更量
も加味)に従って、圧延ロールモータ16の回転速度を
制御する。
【0059】これにより、iスタンド2の圧延ロール
は、上記圧延ロールモータ15によって駆動され、i+
1スタンド3の圧延ロールは、上記圧延ロールモータ1
6によって駆動される。そして、各圧延ロールの回転速
度(ひいてはスタンド間の被圧延鋼板1の板速)が、圧
延ロール回転速度測定装置13,14で測定される。
【0060】また、第1のルーパ高さ制御装置10は、
ルーパ角度測定装置12により測定されるルーパ角度実
績値とルーパ角度目標値(iスタンド2とi+1スタン
ド3の各ロールギャップを結ぶ水平線よりもルーパ4が
下方にくるような角度)との差に基づいて、ルーパモー
タ速度指令値変更量を算出して、これを第2の制御スイ
ッチSW2を介してルーパモータ速度制御装置7に出力
する。ルーパモータ速度制御装置7は、ルーパモータ速
度測定装置6からの測定速度信号および第2の制御スイ
ッチSW2を介して入力されたルーパモータ速度指令値
変更量を基に、ルーパ駆動モータ5の速度を制御する。
【0061】また、ルーパ高さ・張力制御装置31は、
ルーパ角度測定装置12により測定されたルーパ角度実
績値とルーパ角度目標値との差、および張力測定装置2
4により測定された被圧延鋼板1のスタンド間単位張力
実績値とスタンド間単位張力目標値との差を基に、上流
側のiスタンド2のロール周速指令値変更量およびルー
パモータ速度指令値変更量を算出して出力する。
【0062】 圧延開始から一定の時間を経過するま
での制御について 被圧延鋼板1がスタンド間に噛み込まれる前には、第
1、第2の制御スイッチSW1,SW2は何れも端子a
のみが閉じられており、第3、第4の制御スイッチSW
3,SW4はその何れもが閉じられていない状態であ
る。このとき、第1のルーパ高さ制御装置10より与え
られるルーパモータ速度指令値変更量に基づき、ルーパ
モータ速度制御装置7がルーパ駆動モータ5を所定の速
度で回転させる制御を行うことにより、ルーパ4は待機
角度に固定されて被圧延鋼板1を待ちかまえている。
【0063】次に、圧延機の圧延反力が一定値に安定し
たとき、第1の制御スイッチSW1の端子bのみが閉じ
られる。具体的には、被圧延鋼板1がi+1スタンド3
に噛み込まれると、圧延反力計測装置22により測定さ
れるi+1スタンド3の圧延反力信号が安定した一定値
に達するので、それに応じて当該スタンド間のルーパ制
御に係わる第1の制御スイッチSW1の端子bのみが閉
じられる。これにより、ルーパ4にはルーパモータ電流
基準発生装置8からの電流基準に基づいて被圧延鋼板1
を支えるべく指令が伝えられ、圧延開始から一定の時間
が経過するまでルーパ4が一定高さを維持する制御が継
続する。
【0064】その後、第2の制御スイッチSW2の端子
dと第3の制御スイッチSW3の端子aも接続され、第
2のルーパ高さ制御装置11より与えられるロール周速
指令値変更量に基づき、圧延ロールモータ回転速度制御
装置19が上流側のiスタンド2のロール周速を制御す
る。実際に圧延を開始してから一定の時間が経過するま
では、3つのルーパ高さ制御装置のうち第2のルーパ高
さ制御装置11のみが用いられる。
【0065】 圧延開始から一定の時間を経過した後
の制御について 一方、圧延開始から一定の時間が経過した後(第1の制
御スイッチSW1の端子bが閉じられていわゆるロード
リレーがONとなってから一定時間の経過後)は、ルー
パ高さ・張力制御装置31が主に用いられる。つまり、
第1の制御スイッチSW1は端子a、第2の制御スイッ
チSW2は端子b,c、第3の制御スイッチSW3は端
子aが閉じられる。第4の制御スイッチSW4は何れの
端子も閉じられていない。なお、主に用いられるとは、
ルーパ4の角度実績値および被圧延鋼板1のスタンド間
単位張力実績値の状態によっては、ルーパ高さ・張力制
御装置31を用いずに第2のルーパ高さ制御装置11を
用いることを意味する。
【0066】第2のルーパ高さ制御装置11は、ルーパ
角度測定装置12より与えられるルーパ角度実績値θ
(i)<k>のみを入力として制御を行う。一方、ルーパ高さ
・張力制御装置31は、このルーパ角度実績値θ(i)<k>
の他に、張力測定装置24より与えられるスタンド間単
位張力実績値T(i)<k>も入力して、これらの2入力を用
いて公知の最適制御理論等に基づいてルーパ駆動モータ
5の回転速度とiスタンド2のロール周速とを制御す
る。
【0067】以上はルーパ制御に関する動作であるが、
板厚制御に関しては、第1の制御スイッチSW1の端子
bが閉じられてから数秒後に、第4の制御スイッチSW
4の端子aのみが閉じられて、圧延反力等を入力として
以下の式 (1)〜(3) に基づいて圧下位置を操作するいわ
ゆるゲージメータAGC等が開始される。 hGM(i)<k>=S(i)<k>+P(i)<k>*α(i)<k>/M(i) ……(1) ΔSRef (i)<k+1>=f( ΔhGM(i)<k>) ……(2) SRef (i)<k+1>=SSet (i) +ΔSRef (i)<k+1> ……(3)
【0068】ただし、式(1) において、hGM(i)<k>は測
定した圧延反力等から計算されるゲージメータ板厚、S
(i)<k>は圧下位置実績値、P(i)<k>は圧下反力実績値、
α(i)<k>はチューニングファクタ、M(i) はミル剛性係
数である。また、式(2) において、ΔSRef (i)<k+1>は
圧下位置指令値変更量、f()は関数、ΔhGM(i)<k>は計
算したゲージメータ板厚と目標板厚との偏差である。ま
た、式(3) において、SRef (i)<k+1>は圧下位置指令
値、SSet (i) は目標圧下位置すなわち圧下位置設定値
である。
【0069】以上まとめると、圧延開始時においては、
i+1スタンド3の圧延反力信号が一定値に安定したと
き、被圧延鋼板1がi+1スタンド3に噛み込まれたと
判断して、当該スタンド間のルーパモータ電流指令値変
更量の切り替えに係わる第1の制御スイッチSW1の端
子bが閉じられ、かつ、これに連動して、当該スタンド
間のルーパ制御の切り替えに係わる第2の制御スイッチ
SW2の端子dおよび上流側ロール周速指令値変更量の
切り換えに係わる第3の制御スイッチSW3の端子aが
閉じられる。これにより、第2のルーパ高さ制御装置1
1により、上流側のiスタンド2のロール周速指令値変
更量が修正されて制御が実施される。
【0070】また、圧延開始から一定の時間が経過した
後は、第1の制御スイッチSW1の端子a、第2の制御
スイッチSW2の端子b,c、第3の制御スイッチSW
3の端子aが閉じられて、ルーパ高さ・張力制御装置3
1により制御が実施される。そして、上記第1の制御ス
イッチSW1の端子bが閉じられて数秒後からは、第4
の制御スイッチSW4の端子aが閉じられて、従来のい
わゆるゲージメータAGC等が開始される。
【0071】 被圧延鋼板1の尾端が接近した場合の
制御について さらに、被圧延鋼板1の尾端がiスタンド2に近づいた
ときは、第1の制御スイッチSW1は端子aのみが接続
され、かつ、これと連動して、第2の制御スイッチSW
2は端子aのみが閉じられる。これにより、ルーパ4の
高さは、図示しない高さ指令値に基づいて尻抜け角度、
待機角度へと推移する。その後、被圧延鋼板1の尾端が
i+1スタンド3を通過する直前に、第4の制御スイッ
チSW4の端子がすべて解放されて圧延は終了する。
【0072】(2)次に、本実施形態による制御方法の
動作について説明する。 圧延開始から一定の時間を経過するまでの制御につ
いてこれは、上記した(1)の動作と同じである。 圧延開始から一定の時間を経過した後の制御につい
て以下に説明する。 被圧延鋼板1の尾端が接近した場合の制御について
これは、上記した(1)の動作と同じである。
【0073】 圧延開始から一定の時間を経過した後
の制御について測定されるルーパ角度実績値およびスタ
ンド間単位張力実績値が所定の範囲内にある場合に限
り、ルーパ高さ・張力制御装置31により、ルーパ角度
実績値とルーパ角度目標値との差、およびスタンド間単
位張力実績値とスタンド間単位張力目標値との差を基
に、上流側のiスタンド2のロール周速指令値変更量な
らびにルーパモータ速度指令値変更量を算出して出力す
る制御を実施する。これは、上記した(1)の動作と
同じである。
【0074】その後、このルーパ高さ・張力制御装置3
1により最適制御理論等に基づく制御を行っているとき
に、圧延開始時以降初めて被圧延鋼板1がi+1スタン
ド3に噛み込まれた時刻を0として、それから時刻Time
(i+1) を経過すると、第1の制御スイッチSW1は端子
cのみを閉じて他の端子を解放し、かつ、これに連動さ
せて、第2、第3の制御スイッチSW2,SW3はすべ
ての端子を解放する。されに、これに連動させて、第4
の制御スイッチSW4は端子bのみを閉じて他の端子を
解放する。これにより、ルーパ制御に関しては、本実施
形態に特有の「トルク一定制御」を開始する。
【0075】すなわち、本実施形態による制御の実施開
始時刻Time(i+1) からΔTime(i+1)の時間内に測定され
たルーパ角度実績値θ(i)<k>およびルーパモータ電流実
績値Cur(i)<k>の代表値(あるいは移動平均値)をそれ
ぞれルーパ角度記憶装置36およびルーパモータ電流値
記憶装置30にロックして、それらをそれぞれの目標値
θAim (i) 、CurAim (i) としてルーパ制御を行う(ル
ーパ角度目標値CurAim (i) は、特に「偏差上下限異常
処理」の際に用いる)。
【0076】ここで、ルーパモータ電流基準発生装置8
より出力される電流基準ではなく、ルーパモータ電流の
実績値をルーパモータ電流値記憶装置30に記憶してこ
れに基づいて制御する理由は、ルーパモータ電流基準発
生装置8からの電流値に対しては、ルーパダンピング補
償装置34により補正が加えれる場合があり、固定値で
はないからである。
【0077】一方、板厚制御に関しては、実施開始時刻
Time(i+1) からΔTime(i+1) の時間内に測定されたスタ
ンド間単位張力実績値T(i)<k>の代表値(あるいは移動
平均値)を張力記憶装置35にロックし、それをスタン
ド間単位張力目標値TAim (i) として、以下の式(4),
(5) に記述する方法による「圧下による張力制御」の機
能が動作することになる。
【0078】 ΔSRef1(i+1)<k+1>=f1 ( ΔT(i)<k>) ……(4) SRef (i+1)<k+1>=SSet (i+1) +ΔSRef1(i+1)<k+1> ……(5) ただし、これらの式において、ΔSRef1(i+1)<k+1>はス
タンド間単位張力目標値TAim (i) に対するスタンド間
単位張力実績値T(i)<k>との偏差ΔT(i)<k>を実質上零
とするために算出された、時刻<k> におけるi+1スタ
ンド3の圧下位置指令値変更量である。
【0079】すなわち、時刻Time(i+1) 以後は、iスタ
ンド2とi+1スタンド3との間の被圧延鋼板1のスタ
ンド間単位張力実績値T(i)<k>、iスタンド2の出側板
厚実績値h(i)<k>およびiスタンド2とi+1スタンド
3との間の被圧延鋼板1の板速v(i)<k>を計測し、張力
指令値(目標張力)TAim (i) に対する張力実績値(検
出張力)T(i)<k>との偏差ΔT(i)<k>を実質的に零とす
るための時刻<k> におけるi+1スタンド3の圧下位置
指令値変更量ΔSRef1(i+1)<k+1>を式(4) により算出す
る。そして、圧下位置指令値SRef (i+1)<k>を例えば式
(5) のように修正して当該i+1スタンド3の圧下位置
を修正する。
【0080】上記「圧下による張力制御」の機能が動作
してから数秒後に、第3の制御スイッチSW3は端子b
のみを閉じ、他の端子を解放する。これにより、以下の
式(6),(7),(8),(9) に記述する方法による「圧下フィー
ドフォワード制御」および「ロール周速フィードフォワ
ード制御」の機能が第1の板厚制御装置23により開始
するとともに、図示しない最終段の圧延スタンド出側の
板厚計で実測された板厚偏差を除去する「モニタ制御」
が、モニタ制御装置37により機能する。
【0081】 ΔSRef2(i+1)<m-j>=ΔSRef2(i+1)<k+1> ……(6) SRef (i+1)<m-j>=SSet (i+1) +ΔSRef2(i+1)<m-j> ……(7) ΔVRRef1(i)<m-l>=ΔVRRef1(i)<k+1> ……(8) VRRef (i)<m-l>=VRSet (i+1) +△VRRef1(i)<m-l> ……(9)
【0082】ただし、これらの式において、ΔSRef2(i
+1)<m-j>は、被圧延鋼板1のiスタンド2における出側
板速v(i) に基づいて出側板厚偏差h(i)<k>を有する部
分の被圧延鋼板1がi+1スタンド3に到達する時刻<m
> よりも<j> だけ早い時刻である時刻<m-j> の圧下位置
指令値変更量、ΔVRRef1(i)<m-l>は、上記iスタンド
2の出側板厚偏差h(i)<k>を有する部分の被圧延鋼板1
がi+1スタンド3に到達する時刻<m> よりも<l> だけ
早い時刻である時刻<m-l> におけるiスタンド2のロー
ル周速指令値変更量である。
【0083】すなわち、まず、iスタンド2の出側板厚
実績値h(i)<k>を板厚測定装置29により計測し、iス
タンド2の出側板厚指令値hRef (i) に対する板厚偏差
Δh(i)<k>(=h(i)<k>−hRef (i) )を低減するため
のi+1スタンド3の圧下位置指令変更量ΔSRef2(i+
1)<k+1>、ならびに上記板厚偏差Δh(i)<k>を実質的に
零とするためのiスタンド2のロール周速指令値変更量
ΔVRRef1(i)<k+1>を、それぞれ以下の式(10),(11) に
より算出する。
【0084】 ΔSRef2(i+1)<k+1>=K2(i)*Δh(i)<k>*Q(i) /M(i) ……(10) ΔVRRef1(i)<k+1> =K1(i)*{−Δh(i)<k>/hRef (i) }*VRSet (i) ……(11) ただし、式(10)においてM(i) ,Q(i) はミル剛性係
数、塑性係数であり、K2(i)は調整係数である。また、
式(11)においてVRSet (i) はiスタンド2の目標圧延
速度すなわちロール周速設定値であり、K1(i)は調整係
数である。
【0085】そして、圧下位置指令値変更量ΔSRef2(i
+1)<k+1>については、上記板厚偏差Δh(i)<k>を有する
部分の被圧延鋼板1がi+1スタンド3に到達する時刻
<m>より<j> だけ早い時刻である時刻<m-j> に、上記式
(6) に基づいて計算した圧下位置指令値変更量ΔSRef2
(i+1)<m-j>を与え、圧下位置指令値SRef (i+1)<m-j>を
例えば式(7) のように変更して圧下位置を修正する(以
下、この操作を「圧下FF制御」と称する)。
【0086】また、iスタンド2のロール周速指令値変
更量ΔVRRef1(i)<k+1>に関しては、上記板厚偏差Δh
(i)<k>を有する部分の被圧延鋼板1がi+1スタンド3
に到達する時刻<m> より<l> だけ早い時刻である時刻<m
-l> に、上記式(8) に基づいて計算したのiスタンド2
のロール周速指令値変更量ΔVRRef1(i)<m-l>を与え、
ロール周速指令値VRRef (i)<m-l>を例えば式(9) のよ
うに変更してロール周速を修正する(以下、この操作を
「ロール周速FF制御」と称する)。
【0087】さらに、上記のような指令値修正に加え
て、最終段の圧延機(第n番目のスタンド)の出側に装
備された板厚計により測定された板厚実績値h(n)<k>と
最終板厚指令値(最終板厚目標値)hRef (n) との偏差
Δh(n)<k>を実質的に零とするために、n個の圧延スタ
ンドの少なくとも1つの圧延スタンドのロール周速指令
値変更量ΔVRRef2(i)<k+1>を以下の式(12)のように算
出する。 △VRRef2(i)<k+1>=f2 ( Δh(n)<k>) ……(12)
【0088】そして、iスタンド2のロール周速指令値
VRRef (i) を例えば以下の式(13)のように変更する
(以下、この操作を「モニタ制御」と称する)。 VRRef (i)<k+1>=VRSet (i) +ΔVRRef2(i)<k+1> ……(13) ただし、式(12)においてf2 ()は、入力(Δh(n)<k>)
と出力(ΔVRRef2(i)<k+1>)との関係を規定する伝達
関数であり、いわゆるPID(Proportional Integrati
on and Differential )制御のものを用いるものとす
る。
【0089】この「モニタ制御」を行うための構成を図
2に示す。図2は、図1に示した圧延スタンドを7個設
けて構成した熱間圧延プロセスのうち、4号スタンドか
ら7号スタンドまでの構成を簡略的に示す図である。こ
の図2に示すように、モニタ制御装置37は、最終段の
7号スタンドの出側に装備された板厚測定装置29−7
により測定された板厚実績値h(7)<k>と、最終板厚指令
値(最終板厚目標値)hRef (7) との偏差Δh(7)<k>を
実質的に零とするために、4号〜6号スタンドのロール
周速指令値変更量ΔVRRef2(i)<k+1>を算出し、それら
を各スタンドの圧延ロールモータ回転速度制御装置19
−4〜19−6に出力する。
【0090】また、この図2には、上述した「圧下FF
制御」行うための構成も示されている。すなわち、4号
スタンドの後段に板厚測定装置29−4を設け、これに
より測定された板厚実績値h(4)<k>を4号スタンドの第
1の板厚制御装置23−4に供給する。第1の板厚制御
装置23−4は、次段の5号スタンドの圧下位置指令変
更量ΔSRef2(5)<m-j>を算出し、それを5号スタンドの
圧下位置制御装置27−5に供給する。
【0091】このように、本実施形態では、「圧下FF
制御」を行うために使用する板厚測定装置29(X線板
厚計)は、4号スタンドの後段にのみ設けている。4号
スタンドの後段に設けるのは、1号〜4号スタンドが電
動圧下による圧下装置であり、5号〜7号スタンドが油
圧圧下による圧下装置であることが多く、4号スタンド
の後段が応答速度の変わり目であることが多いためであ
る。
【0092】あるいは、あまり前段の方に設けると、被
圧延鋼板1の板厚がまだ厚くて誤差も大きい(特に、被
圧延鋼板1の真ん中が膨らんだクラウンは、2号〜3号
スタンドで処理されることが多い)ので、その誤差をど
のように反映させるかが難しい。一方、あまり後段の方
に設けると、残りのスタンドで板厚偏差を除去し切れな
いという事態も生じるので、5号〜7号スタンドは仕上
げの工程と考え、その前に設けるのが好ましいからであ
る。一般に、板厚測定装置29はコストがかかるので、
これを所定のスタンドの部分にのみ設けることにより、
コストが高くなるのを抑えることができる。
【0093】以上のように、本実施形態では、上述した
「圧下による張力制御」と同時に「圧下FF制御」およ
び「ロール周速FF制御」が適正に動作しているとき
は、スタンド間単位張力は一定に保たれており、マスフ
ローが乱れることはない。したがって、一定に保たれた
スタンド間単位張力に釣り合う角度θ(i) にてルーパ4
は一定に保たれている。
【0094】もしも、何らかの理由でスタンド間のマス
フローが変動することなどに伴い、スタンド間単位張力
が変動した場合は、その度ごとに、変動した張力に応じ
てルーパ角度が上下に動作して、新たな平衡点となるル
ーパ角度にてルーパ4は変動しなくなるという動作をす
る。その結果、大トラブルに至る前にスタンド間のマス
フローの不均一を解消し、スタンド間の張力を所定範囲
内の値に保つことができ、その結果として通板上のトラ
ブルを回避することができるようになる。このため、安
定的な通板が保証される。
【0095】また、本実施形態では、圧下位置指令値変
更量ΔSRef2(i+1)<k+1>については、板厚偏差Δh(i)<
k>を有する部分の被圧延鋼板1がi+1スタンド3に到
達する時刻<m> より<j> だけ早い時刻に圧下位置指令値
Ref (i+1)<m-j>を与え、iスタンド2のロール周速指
令値変更量ΔVRRef1(i)<k+1>については、上記板厚偏
差Δh(i)<k>を有する部分の被圧延鋼板1がi+1スタ
ンド3に到達する時刻<m> より<l> だけ早い時刻である
時刻にiスタンド2のロール周速指令値VRRef (i)<m-
l>を与えるようにしている。
【0096】ここで、時刻の差<j>,<l> は各々、 Δtime2(i+1)=Ts*j Δtime1(i+1)=Ts*l を満たす値である。Δtime2(i+1)は圧下系の応答遅れ時
間、Δtime1(i+1)は圧下系の応答遅れ時間と駆動系の応
答遅れ時間とを合わせた時間に対応する。
【0097】図3に、この応答遅れ時間を考慮した指令
値の移送計算機能について示す。まず、概略を説明す
る。図3に示すように、板厚測定装置29により測定さ
れた板厚実績値を、鋼板ΔL[mm]毎に板厚記憶メモリ3
8に記憶させる。そして、各鋼板の部位が5号スタンド
F5のロールバイト直下からLa[mm]前の位置に到着し
たと推定される時刻に相当する板厚記憶メモリ38の位
置から板厚実績値を読み込み、それを制御指令の生成に
用いる。なお、La[mm]は圧下系および駆動系の応答遅
れに相当する時間内に鋼板の所定の部位が移動する距離
であるとする。
【0098】次に、板厚実績値の記憶について詳しく述
べると、制御周期Ts[sec] 毎に、板厚測定装置29で
測定される板厚実績値を板厚記憶メモリ38に記憶させ
る。このとき、制御周期Ts[sec] で鋼板が移動する距
離L[mm]を、4号スタンドF4のロール周速および先進
率から計算されるスタンド間の通板速度から計算し、こ
れを基に、 N=f4 ( L/ΔL) で計算される自然数Nに相当する個数のメモリに当該板
厚を記憶実績値させる。ここでf4 ()は、例えば切り
捨て関数のようなものを用いる。
【0099】次に、板厚実績値の読み出しについて詳し
く述べる。板厚測定装置29から5号スタンドF5のロ
ールバイト直下までの鋼板の長さがLX[mm]であり(L
Xはルーパ角度θにより変化する)、駆動系および圧下
系の応答遅れがΔT[sec] である場合、4号−5号スタ
ンド間の通板速度V45[mm/sec]を用いて、鋼板の進み長
La[mm]を La=V45*ΔT と計算し、当該制御周期Ts[sec] 内で記憶したメモリ
セルから起算して Nx−Na [個] =(LX−La)/ΔL 先のメモリ内容を読み込んで、制御指令の生成に用い
る。
【0100】このように、本実施形態では、圧下位置を
変更するかロール周速を変更するかを考慮して、被圧延
鋼板1がスタンドに噛み込まれる前にそれぞれに適切な
応答遅れ時間分だけ早く指令値を出力する。これによ
り、圧下位置駆動装置およびロール駆動装置の応答遅れ
を実質的になくすことができ、被圧延鋼板1の板厚偏差
を確実に矯正することができる。
【0101】以上のような制御の実施中に異常が発生し
た場合には、以下のような処理を行う。すなわち、万
一、iスタンド2とi+1スタンド3との間の被圧延鋼
板1のスタンド間単位張力実績値と、ルーパモータ電流
値記憶装置30に記憶された当該単位張力の代表値との
差ΔT(i)<k>(=T(i)<k>−TAim (i) )が指定した上
下限値以内にない場合、または、iスタンド2とi+1
スタンド3との間にあるルーパ4のルーパ角度実績値
と、ルーパ角度記憶装置36に記憶された当該ルーパ角
度の代表値との差Δθ(i)<k>(=θ(i)<k>−θAim (i)
)が指定した上下限値以内にない場合は、制御不良と
認識する。
【0102】この場合は、第1の制御スイッチSW1は
端子aのみを閉じて他の端子を解放し、かつ、これに連
動させて、第2の制御スイッチSW2は端子bと端子c
のみを閉じて他の端子を解放する。さらに、これに連動
させて、第3の制御スイッチSW3は端子aを閉じて他
の端子を解放し、第4の制御スイッチSW4は端子aを
閉じて他の端子を解放する。
【0103】これにより、「圧下による張力制御」、
「圧下フィードフォワード制御」および「ロール周速フ
ィードフォワード制御」のすべてを停止状態にし、上記
した(1)と同じ状態にして制御を行う。つまり、板
厚の制御に関しては、i+1スタンド3の圧延反力およ
び圧下位置の信号を基にゲージメータ式によって計算さ
れるゲージメータ板厚に基づいてi+1スタンド3の圧
下位置を操作する従前のゲージメータAGCに切り替え
る。
【0104】また、ルーパ制御に関しては、iスタンド
2とi+1スタンド3との間の被圧延鋼板1のスタンド
間単位張力実績値T(i)<k>およびiスタンド2とi+1
スタンド3との間にあるルーパ4のルーパ角度実績値θ
(i)<k>に基づいて、張力実績値T(i)<k>は張力目標値T
Aim0(i) に一致し、かつ、ルーパ角度実績値θ(i)<k>は
ルーパ角度目標値θAim0(i) に一致するようにiスタン
ド2のロール周速指令値VRRef (i)<k>およびルーパ4
のルーパモータ電流指令値CurRef (i)<k>を操作する制
御に切り替える。
【0105】さらに、本実施形態においては、最終段圧
延スタンドの出側に備えられた板厚計により測定された
板厚実績値h(n)<k>と最終板厚指令値(最終板厚目標
値)hAim (n) との偏差(Δh(n)<k>=h(n)<k>−h
Aim (n) )を実質的に零とすべく、n個の圧延スタンド
の少なくとも1つの圧延スタンドの圧下位置を修正する
(ただし、このための構成は図示していない)。
【0106】すなわち、n個の圧延スタンドの少なくと
も1つの圧延スタンドの圧下位置指令値変更量ΔSRef3
(i+1)<k+1>を ΔSRef3(i+1)<k+1>=f3 ( Δh(n)<k>) ……(14) と算出し、圧下位置指令値SRef (i+1)<k+1>を例えば、 SRef (i+1)<k+1>=SSet (i+1) +ΔSRef3(i+1)<k+1> ……(15) のように修正する「モニタ制御」を実施する。
【0107】このように、本実施形態では、被圧延鋼板
1のスタンド間単位張力実績値と当該代表値との差ΔT
(i)<k>が指定した上下限値以内にない場合、または、ル
ーパ角度実績値と当該代表値との差Δθ(i)<k>が指定し
た上下限値以内にない場合は、制御不良と認識して、上
述した「圧下による張力制御」、「圧下FF制御」およ
び「ロール周速FF制御」のすべてを停止状態にする。
【0108】そして、板厚の制御に関して、従前のいわ
ゆるゲージメータAGCと、ロール周速ではなく圧下位
置を操作する「モニタ制御」とに切り替えて制御すると
同時に、ルーパ制御に関して、上述した最適制御理論等
に基づく制御に切り替えて制御する(以下、これを「イ
ンターロック処理」と称する)。つまり、「トルク一定
制御」の実施中にマスフローが乱れたときに、従来技術
のようにロール周速を調整するのではなく、従前のゲー
ジメータAGC等に直ちに切り替えることにより、絞り
や板破断等を防止して通板の安定性を確保することがで
きる。
【0109】さらに、本実施形態では、最終段の圧延機
の出側板厚偏差に応じてロール周速を変更するため、当
該ロール周速変更に起因するスタンド間単位張力偏差を
実質的に零にすべく「圧下による張力制御」が圧下位置
を操作することとなる。そのため、もし「バイアス的板
厚偏差」が生じていた場合でも、これが目標とする板厚
に矯正されるようになる。
【0110】なお、ルーパ4が動作すると、張力制御お
よび板厚制御の精度の劣化が予想されるが、本実施形態
の制御方法に従って実際に圧延した場合には、張力制御
精度の劣化および板厚制御精度の劣化はほとんど認めら
れない。これは、上述のインターロック処理により、
「圧下による張力制御」、「圧下FF制御」および「ロ
ール周速FF制御」が相互に働き、良好なスタンド間単
位張力、ルーパ角度および板厚精度を維持すること、ま
た、スタンド間単位張力実績値およびルーパ角度実績値
が当該代表値と大きくずれた場合は、従前の制御に即座
に切り替えているからである。
【0111】ここで、この「インターロック処理」につ
いて、図4を用いて更に詳細に説明する。このインター
ロック処理は、不慮の動作および制御不良時のミスロー
ルを防止する目的で行うものであり、張力実績値に基づ
く判断処理(図4の第1〜第5の判断処理部43〜4
7)、ルーパ角度に基づく判断処理(図4の第6の判断
処理部48)の何れかが「異常」と判断したときに、本
実施形態による制御方法を停止して従前の制御方法に切
り替える。
【0112】まず、張力実績値に基づく判断処理(図4
の第1〜第5の判断処理部43〜47)では、図1の張
力測定装置24より得られる張力実績値信号および張力
記憶装置35より得られる張力基準値信号を用いる。図
4において、第1のフィルタ41は、およそ30〜50
[rad/s] を通過帯域とするフィルタであり、第2のフィ
ルタ42は、およそ15〜20[rad/s] を通過帯域とす
るフィルタである。
【0113】第1の判断処理部43は、第1のフィルタ
41を通過した張力実績値を常時監視し、当該実績値が
所定の下限値より低下した場合は「異常」と判断する。
第2の判断処理部44は、第1のフィルタ41を通過し
た張力実績値の張力基準値に対する偏差を常時監視し、
当該偏差が所定の上限値あるいは下限値を逸脱した場合
は「異常」と判断する。
【0114】第3の判断処理部45は、第2のフィルタ
42を通過した張力実績値を常時監視し、当該実績値が
所定の下限値より低下した場合は「異常」と判断する。
第4の判断処理部46は、第2のフィルタ42を通過し
た張力実績値の張力基準値に対する偏差を常時監視し、
当該偏差が所定の上限値あるいは下限値を逸脱した場合
は「異常」と判断する。第5の判断処理部47は、張力
実績値そのもの(フィルタを通過させない生信号)を常
時監視し、これが所定の範囲を逸脱した場合は「異常」
と判断する。
【0115】また、ルーパ角度実績値に基づく判断処理
(図4の第6の判断処理部48)では、図1のルーパ角
度測定装置12より得られるルーパ角度実績値信号およ
び本実施形態の制御方法を実施する直前に当該ルーパ角
度をロックオンすることで得られるルーパ角度記憶装置
36内のルーパ角度基準値信号を用いる。第6の判断処
理部48は、ルーパ角度実績値のルーパ角度基準値に対
する偏差を常時監視し、これが所定の範囲を逸脱した場
合は「異常」と判断する。
【0116】現実の張力信号にはノイズが多く含まれて
いるので、これのみを監視して「異常」の判断を行って
いると、過剰に「異常」判断を下すことになり、本実施
形態の制御方法を実施する機会が少なくなる。そこで、
ノイズの周波数が40〜50[rad/s] の範囲であること
に着目し、第1のフィルタ41を通過した張力信号:ノ
イズをやや含んでいる。第2のフィルタ42を通過した
張力信号:ノイズ除去がほぼ完全に成されている。フィ
ルタを通過しない張力信号:ノイズを含んでいる。の3
種類の信号を監視し、各々の信号に対する監視条件を独
立に設定することにより、よりきめ細かい監視を行う。
【0117】なお、上述の実施形態において、「圧下に
よる張力制御」と共に実施する「圧下FF制御」および
「ロール周速FF制御」の2つの操作の関しては、これ
らを同時に実施することが、高精度な板厚制御を実現す
るには望ましい。しかし、計算機の処理能力に限界があ
る場合は、これは不可能となる場合がある。このとき
は、少なくとも何れか1つを実施すればほぼ目的を達成
することができる。以下、このことついて順を追って説
明する。
【0118】(a) 「圧下FF制御」と「ロール周速FF
制御」の両方を実施する場合 この板厚偏差除去用の圧下位置調整、特に板厚偏差Δh
(i)<k>の低周波成分対応の圧下位置指令値変更量ΔS
Ref2(i+1)<m-j>は、スタンド間単位張力T(i)<k>に変動
をもたらす。これにより、「圧下による張力制御」によ
りiスタンド2の圧下位置修正を誘発し、誘発された圧
下位置修正が、板厚偏差除去用の圧下位置調整を相殺す
るように作用する可能性が理論的にある。
【0119】この相殺を防止するのが、上記した式(8)
によるiスタンド2でのΔVRRef1(i)<m-l>分のロ−ル
周速変更であり、このロ−ル周速変更が上記式(6) によ
るi+1スタンド3でのΔSRef2(i+1)<m-j>分の圧下位
置修正に起因するスタンド間単位張力の変動を相殺す
る。すなわち、上記式(6) によるi+1スタンド3での
△SRef2(i+1)<m-j>分の圧下位置修正に起因して発生す
るスタンド間単位張力の変動に対し、式(4),(5) による
スタンド間単位張力一定制御を実施することにより、上
記式(6) によるi+1スタンド3でのΔSRef2(i+1)<m-
j>分の圧下位置修正を元に戻してしまうことを防止す
る。
【0120】さらに言い換えると、圧下位置指令値変更
量ΔSRef2(i+1)<m-j>分のi+1スタンド3の圧下位置
調整により生ずる張力変動と、ロール周速指令値変更量
ΔVRRef1(i)<m-l>分のiスタンド2のロ−ル周速変更
により生ずる張力変動とが拮抗(相殺)するのである。
【0121】例えば、iスタンド2の出側板厚偏差△h
(i)<k>が+(厚い)になると、圧下位置指令値変更量Δ
Ref2(i+1)<m-j>によりi+1スタンド3の圧下位置が
閉められ(ロ−ルギャップが狭く調整され)、スタンド
間単位張力が下がるはずであるが、板厚偏差Δh(i) <k
> が小さくなるように、すなわちマスフロー一定の法則
によりロ−ル周速が低くなるように、iスタンド2のロ
−ル周速が調整(この調整は張力を高くする)される。
【0122】これにより、圧下位置が閉められることに
よる張力低下を、ロ−ル周速が下げられることによる張
力上昇が補なうことになり、これにより張力は一定で経
過する。その結果、板厚偏差Δh(i)<k>対応のロール周
速指令値変更量ΔVRRef1(i)<m-l>分によりi+1スタ
ンド3の圧下位置調整がされたことになり、i+1スタ
ンド3の出側の板厚偏差△h(i+1)<k>が除去され、高精
度な板厚制御が実現される。
【0123】(b) 「圧下FF制御」のみを実施する場合 上述のように、板厚偏差除去用の圧下位置調整、特に板
厚偏差Δh(i)<k>の低周波成分対応の圧下位置変更量Δ
Ref2(i+1)<m-j>は、スタンド間単位張力T(i)<k>に変
動をもたらす。これにより、「圧下による張力制御」に
よりiスタンド2の圧下位置修正を誘発し、誘発された
圧下位置修正が、板厚偏差除去用の圧下位置調整を相殺
するように作用する可能性が理論的にある。
【0124】したがって、「圧下FF制御」のみを実施
しても入側板厚偏差を目的通りに除去できない場合が生
じることが予想されるが、実際に圧延を実施すると「圧
下FF制御」の効果がすべて「圧下による張力制御」に
より相殺されることはなく、多少なりとも効果が残るこ
とが確認されている。これは、「圧下FF制御」により
指令される圧下位置操作が「圧下による張力制御」の応
答よりも速い場合は、「圧下による張力制御」が「圧下
FF制御」の効果を戻しきらないことに起因する。この
とき、多少の張力変動は認められるが、通板性に支障を
きたさない。
【0125】(c) 「ロール周速FF制御」のみを実施す
る場合 この場合は、「ロール周速FF制御」によるΔVRRef1
(i)<m-l>分のロール周速変更により生ずる張力変化に応
じて、「圧下による張力制御」が当該ロール周速変更に
起因する単位張力偏差を実質的に零にすべく圧下位置を
操作することとなり、その結果、板厚偏差が矯正される
ことになる。
【0126】図5は、本実施形態の制御方法を用いて制
御を行った結果であるルーパ角度、スタンド間単位張
力、板厚の挙動を示す図である。図5において、時刻5
0秒以前は圧延反力を用いたAGCを実施し、時刻50
秒以降は、圧下による張力制御およびロール周速を操作
端とした板厚制御を実施した。その結果、時刻50秒の
前後において、 ルーパ角度偏差 :2.0[deg]→0.5[deg] スタンド間単位張力偏差:1.0[kgf/mm2 ] →0.5[kgf/mm
2 ] 板厚偏差 :60 [μm] → 20[μm] の差異が確認された。
【0127】この図5では、時刻50秒以降のルーパ制
御は「トルク一定制御」を実施しているが、(b)に示
すようにスタンド間単位張力がほぼ一定に保たれている
ため、(a)に示すようにルーパ角度は制御しなくても
ほぼ一定を保っており、「トルク一定制御」が有効に働
いている。その結果、(c)に示すように板厚偏差も格
段に少なくなっていることが示されている。
【0128】また、図6は、本実施形態の制御方法の実
施途中で何らかの理由でマスフローが乱れて、スタンド
間単位張力が変動した場合のルーパ角度、スタンド間単
位張力、板厚の挙動を示す図である。図6において、時
刻50秒以前は圧延反力を用いたAGCを実施し、時刻
50秒以降は、圧下による張力制御およびロール周速を
操作端とした板厚制御を実施した。
【0129】この図6では、(b)に示すように、時刻
60秒において何らかの理由でマスフローが乱れ、スタ
ンド間単位張力が2.0[kgf/mm2 ] →1.5[kgf/mm2 ] と変
化したとき、(a)に示すようにルーパ角度は16[deg]
→16.5[deg] と変化し、安定した。そして、(c)に示
すように、このとき板厚偏差の増加はほとんど認められ
なかったことを示している。
【0130】以上から、ルーパ4に関して「トルク一定
制御」を実施していれば、何らかの理由でスタンド間単
位張力が少々変化しても、ルーパ角度が微少変化するこ
とで、新たな安定点に到達して、引き続き制御が継続で
き、板厚精度に大きく影響を与えないことが確認でき
た。
【0131】図7は、圧下による張力制御およびロール
周速を操作端とした板厚制御を実施する際に、ロール周
速を操作してルーパの高さを制御する従前の方法を用い
た場合のルーパ角度、スタンド間単位張力、板厚の挙動
を示す図である。図7においても時刻50秒以前は圧延
反力を用いたAGCを実施し、時刻50秒以降は圧下に
よる張力制御およびロール周速を操作端とした板厚制御
を実施した。
【0132】この図7では、(b)に示すように、時刻
60秒において何らかの理由でマスフローが乱れ、スタ
ンド間単位張力が2.0[kgf/mm2 ] →1.5[kgf/mm2 ] と変
化したとき、(a)に示すようにルーパ角度は16[deg]
→16[deg] とほぼ一定に保たれている。しかし、このと
き、ロール周速を操作したため、(c)に示すように時
刻70秒付近から板厚が変動し、大きな偏差を生じてし
まったことを示している。
【0133】図8は、圧下による張力制御およびロール
周速を操作端とした板厚制御を実施する際に、ルーパモ
ータ速度を操作してルーパの高さを制御する従前の方法
を用いた場合のルーパ角度、スタンド間単位張力、板厚
の挙動を示す図である。この図8においても時刻50秒
以前は圧延反力を用いたAGCを実施し、時刻50秒以
降は圧下による張力制御およびロール周速を操作端とし
た板厚制御を実施した。
【0134】この図8では、時刻60秒において何らか
の理由でマスフローが乱れたが、(a)に示すようにこ
のときルーパ角度は制御的に固定されてしまっていて、
微動だにしない。このため、マスフローの乱れを吸収で
きなかったため、(b)に示すようにスタンド間単位張
力が激減し、(c)に示すようにミスロールを起こして
圧延が時刻70秒頃に停止してしまったことを示してい
る。
【0135】以上から、本実施形態の制御方法によれ
ば、なんらかの理由でマスフローが乱れ、スタンド間単
位張力に変動が発生した場合でも、 1)ルーパが張力変化に応じて動作し、張力の変動を抑
えることができ、 2)張力の変動による圧延上のトラブルを回避でき、 3)板厚偏差はそれほど生じないこととなる。
【0136】なお、以上の実施形態では、「トルク一定
制御」の実施中に何からの異常が発生した場合に、従前
のゲージメータAGCに制御を切り替えるようにしてい
るが、切り替える制御はこれに限定されない。例えば、
BISRA AGCあるいはMMC等の制御に切り替え
るようにしても良い。また、このような制御の切り替え
を行うかどうかを指定できるように構成しても良い。
【0137】また、以上の実施形態では、圧延機の制御
装置をハードウェア的に構成しているが、同様の機能を
実現する手段をCPUあるいはMPU、ROMおよびR
AM等からなるマイクロコンピュータシステムによって
構成し、その動作をROMやRAMに格納された作業プ
ログラムに従って実現するようにしても良い。また、上
記各機能を実現するように当該機能を実現するためのソ
フトウェアのプログラムコードを外部からコンピュータ
に供給し、そのプログラムに従って上記各機能を実現さ
せるようにしても良い。
【0138】この場合、その作業プログラムをコンピュ
ータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを
格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラ
ムを記憶する記録媒体としては、例えばフロッピーディ
スク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、
CD−ROM、CD−I、CD−R、CD−RW、DV
D、zip、磁気テープ、あるいは不揮発性のメモリカ
ード等を用いることができる。
【0139】
【発明の効果】本発明は上述したように、ルーパのトル
クを一定とする制御を実施するようにしたので、このよ
うなトルク一定制御が適正に動作しているときは、スタ
ンド間単位張力は一定に保たれており、マスフローが乱
れることがなく、一定に保たれたスタンド間単位張力に
釣り合う角度にてルーパが一定に保たれる。何らかの理
由でスタンド間のマスフローが変動してスタンド間単位
張力が変動した場合でも、その度ごとに、変動した張力
に応じてルーパ角度が上下に動作して新たな平衡点とな
るルーパ角度にてルーパが固定されるので、大トラブル
に至る前にスタンド間のマスフローの不均一を解消し、
通板上のトラブルを回避することができる。これによ
り、安定した通板および歩留まり向上を実現することが
できる。
【0140】本発明の他の特徴によれば、圧下系および
駆動系の応答遅れを考慮して制御指令を所定時間だけ早
く出力するようにしたので、圧下位置駆動装置およびロ
ール駆動装置の応答遅れを実質的になくすことができ、
被圧延材の板厚偏差を確実に矯正することができる。
【0141】本発明のその他の特徴によれば、ルーパ角
度およびスタンド間単位張力がそれらの目標値に対して
偏差を生じたとき、その偏差の上下限が所定の範囲内に
ないときは制御異常と認知して従前の制御に戻す操作を
行うようにしたので、本発明のトルク一定制御で異常が
発生した場合でも、従前の制御に直ちに戻してミスロー
ルを回避することができ、通板の安定性を確保すること
ができる。
【0142】本発明のその他の特徴によれば、最終段の
圧延機の出側に設置された板厚計により検出される板厚
偏差に基づいて、少なくとも1つの圧延スタンドのロー
ル周速を変更する操作を実施するようにしたので、最終
段の圧延スタンドを経過して出力された被圧延材にバイ
アス的板厚偏差が生じていた場合でも、これを上流側の
少なくとも1つの圧延スタンドにフィードバックして目
標とする板厚に確実に矯正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本システム構成を示す図であり、タ
ンデム圧延プロセス全体のうちの一部分を示す図であ
る。
【図2】本実施形態のモニタ制御および圧下FF制御の
ための構成を説明するための図である。
【図3】圧下系および駆動系の応答遅れ時間を考慮した
指令値の移送計算機能について説明するための図であ
る。
【図4】本実施形態のインターロック処理について説明
するための図である。
【図5】本実施形態の制御方法を用いてトルク一定制御
を行った結果であるルーパ角度、スタンド間単位張力、
板厚の挙動を示す図である。
【図6】本実施形態の制御方法を用いたトルク一定制御
の実施中にマスフローが乱れた場合のルーパ角度、スタ
ンド間単位張力、板厚の挙動を示す図である。
【図7】ロール周速を操作してルーパの高さを制御する
従前の方法を用いた場合のルーパ角度、スタンド間単位
張力、板厚の挙動を示す図である。
【図8】ルーパモータ速度を操作してルーパの高さを制
御する従前の方法を用いた場合のルーパ角度、スタンド
間単位張力、板厚の挙動を示す図である。
【符号の説明】
1 被圧延鋼板 2 iスタンド 3 i+1スタンド 4 ルーパ 5 ルーパ駆動モータ 9 ルーパモータ電流制御装置 12 ルーパ角度測定装置 13,14 圧延ロール回転速度測定装置 15,16 圧延ロールモータ 19,20 圧延ロールモータ回転速度制御装置 23 第1の板厚制御装置 24 張力測定装置 26 張力制御装置 27,28 圧下位置制御装置 29 板厚測定装置 30 ルーパモータ電流値記憶装置 31 ルーパ高さ・張力制御装置 32 ルーパモータ電流測定装置 35 張力記憶装置 36 ルーパ角度記憶装置 37 モニタ制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B21B 37/12 BBP (72)発明者 植木 勉 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 技術開発本部内 (72)発明者 狩野 竜一 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 平8−132114(JP,A) 特開 平7−144208(JP,A) 特開 平7−100518(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n(i=1...n,n≧2)個の圧延スタンドを有
    し、かつ、各圧延スタンド間にそれぞれ張力計を装備し
    たルーパを有し、かつ、各スタンド間の少なくとも1つ
    に板厚計および該スタンド間の被圧延材の速度を測定あ
    るいは推定する手段を有する圧延プロセスにおいて、 i+1スタンドの圧下位置を適宜変更することにより上
    記iスタンドと上記i+1スタンドとの間の被圧延材の
    単位張力偏差を実質上零とするように制御するととも
    に、iスタンドの出側で検出された板厚偏差を実質上零
    とすべく、上記iスタンドのロール周速または上記i+
    1スタンドの圧下位置を適宜変更することにより上記i
    +1スタンドの出側での板厚偏差を実質上零とするよう
    に制御している際に、 上記iスタンドとi+1スタンドの間に配置されたiル
    ーパに対して、上記iルーパの角度実績値および上記ス
    タンド間の被圧延材の単位張力実績値に関わりなく、固
    定の電流値を与え続けることで上記iルーパが被圧延材
    を一定のトルクで支える制御を実施するようにしたこと
    を特徴とする圧延機の制御方法。
  2. 【請求項2】 測定あるいは推定された上記被圧延材の
    速度に基づいて、上記iスタンドの出側での板厚偏差を
    有する部分の被圧延材が上記i+1スタンドに到達する
    と推定される時刻より所定時間だけ早く、上記iスタン
    ドのロール周速指令値を伝えるようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載の圧延機の制御方法。
  3. 【請求項3】 測定あるいは推定された上記被圧延材の
    速度に基づいて、上記iスタンドの出側での板厚偏差を
    有する部分の被圧延材が上記i+1スタンドに到達する
    と推定される時刻より所定時間だけ早く、上記i+1ス
    タンドの圧下位置指令値を伝えるようにしたことを特徴
    とする請求項1または2に記載の圧延機の制御方法。
  4. 【請求項4】 n(i=1...n,n≧2)個の圧延スタンドを有
    し、かつ、各圧延スタンド間にそれぞれ張力計を装備し
    たルーパを有し、かつ、各スタンド間の少なくとも1つ
    に板厚計および該スタンド間の被圧延材の速度を測定あ
    るいは推定する手段を有する圧延プロセスにおいて、 最終段の圧延スタンドの出側に備えられた板厚計により
    測定される板厚実績値に基づいて、上記n個の圧延スタ
    ンドの少なくとも1つの圧延スタンドのロール周速を変
    更することにより、上記最終段の圧延スタンドの出側の
    板厚偏差を実質上零とするように制御することを特徴と
    する圧延機の制御方法。
  5. 【請求項5】 n(i=1...n,n≧2)個の圧延スタンドを有
    し、かつ、各圧延スタンド間にそれぞれ張力計を装備し
    たルーパを有し、かつ、各スタンド間の少なくとも1つ
    に板厚計および該スタンド間の被圧延材の速度を測定あ
    るいは推定する手段を有する圧延プロセスにおいて、 請求項1に記載の制御の実施中に、上記iスタンドとi
    +1スタンドとの間の被圧延材の張力実績値が指定した
    上下限値以内になくなった場合、または上記iルーパの
    ルーパ角度実績値が指定した上下限値以内になくなった
    場合に、制御不良と認識して、上記被圧延材の圧延反力
    および圧下位置の信号を基に計算されるゲージメータ板
    厚に基づいて上記i+1スタンドの圧下位置を操作する
    とともに、上記張力実績値および上記ルーパ角度実績値
    に基づいて上記iスタンドのロール周速および上記iル
    ーパの電流値を操作する制御に切り替えるようにしたこ
    とを特徴とする圧延機の制御方法。
  6. 【請求項6】 上記制御の切り替え動作を行うか否かを
    指定可能であることを特徴とする請求項5に記載の圧延
    機の制御方法。
  7. 【請求項7】 n(i=1...n,n≧2)個の圧延スタンドを有
    し、かつ、各圧延スタンド間にそれぞれ張力計を装備し
    たルーパを有し、かつ、各スタンド間の少なくとも1つ
    に板厚計および該スタンド間の被圧延材の速度を測定あ
    るいは推定する手段を有する圧延プロセスにおいて、 iスタンドとi+1スタンドの間に配置されたiルーパ
    に対して、上記iルーパの角度実績値および上記iスタ
    ンドとi+1スタンドとの間の被圧延材の単位張力実績
    値に関わりなく、固定の電流値を与え続けることで上記
    iルーパが被圧延材を一定のトルクで支える制御を実施
    するルーパ制御手段を設けたことを特徴とする圧延機の
    制御装置。
  8. 【請求項8】 n(i=1...n,n≧2)個の圧延スタンドを有
    し、かつ、各圧延スタンド間にそれぞれ張力計を装備し
    たルーパを有し、かつ、各スタンド間の少なくとも1つ
    に板厚計および該スタンド間の被圧延材の速度を測定あ
    るいは推定する手段を有する圧延プロセスにおいて、 iスタンドの出側で検出された板厚偏差を有する部分
    が、i+1スタンドの出側においてその板厚偏差が実質
    上零となるように、上記i+1スタンドの圧下位置を制
    御する圧下フィードフォワード制御手段と、 測定あるいは推定された上記被圧延材の速度に基づい
    て、上記iスタンドの出側での板厚偏差を有する部分の
    被圧延材が上記i+1スタンドに到達すると推定される
    時刻より所定時間だけ早く、上記i+1スタンドの圧下
    位置指令値を上記圧下フィードフォワード制御手段に伝
    えるようにする移送制御手段とを備えたことを特徴とす
    る圧延機の制御装置。
  9. 【請求項9】 n(i=1...n,n≧2)個の圧延スタンドを有
    し、かつ、各圧延スタンド間にそれぞれ張力計を装備し
    たルーパを有し、かつ、各スタンド間の少なくとも1つ
    に板厚計および該スタンド間の被圧延材の速度を測定あ
    るいは推定する手段を有する圧延プロセスにおいて、 iスタンドの出側で検出された板厚偏差を有する部分
    が、i+1スタンドの出側においてその板厚偏差が実質
    上零となるように、上記iスタンドのロール周速を制御
    するロール周速フィードフォワード制御手段と、 測定あるいは推定された上記被圧延材の速度に基づい
    て、上記iスタンドの板厚偏差を有する部分の被圧延材
    が上記i+1スタンドに到達すると推定される時刻より
    所定時間だけ早く、上記iスタンドのロール周速指令値
    を上記ロール周速フィードフォワード制御手段に伝える
    ようにする移送制御手段とを備えたことを特徴とする圧
    延機の制御装置。
  10. 【請求項10】 n(i=1...n,n≧2)個の圧延スタンドを
    有し、かつ、各圧延スタンド間にそれぞれ張力計を装備
    したルーパを有し、かつ、各スタンド間の少なくとも1
    つに板厚計および該スタンド間の被圧延材の速度を測定
    あるいは推定する手段を有する圧延プロセスにおいて、 最終段の圧延スタンドの出側に備えられた板厚計により
    モニタリングされる板厚実績値に基づいて、上記最終段
    の圧延スタンドの出側の板厚偏差を実質上零とするため
    に、上記n個の圧延スタンドの少なくとも1つの圧延ス
    タンドのロール周速を制御するモニタ制御手段を設けた
    ことを特徴とする圧延機の制御装置。
  11. 【請求項11】 n(i=1...n,n≧2)個の圧延スタンドを
    有し、かつ、各圧延スタンド間にそれぞれ張力計を装備
    したルーパを有し、かつ、各スタンド間の少なくとも1
    つに板厚計および該スタンド間の被圧延材の速度を測定
    あるいは推定する手段を有する圧延プロセスにおいて、 iスタンドとi+1スタンドの間に配置されたiルーパ
    に対して、上記iルーパの角度実績値および上記iスタ
    ンドとi+1スタンドとの間の被圧延材の単位張力実績
    値に関わりなく、固定の電流値を与え続けることで上記
    iルーパが被圧延材を一定のトルクで支える制御を実施
    するルーパ制御手段と、 上記被圧延材の圧延反力および圧下位置の信号を基に計
    算されるゲージメータ板厚あるいは上記被圧延材の圧延
    反力のみに基づいて上記i+1スタンドの圧下位置を操
    作する圧延反力を用いた板厚制御手段と、 上記iスタンドとi+1スタンドとの間の被圧延材の張
    力実績値が張力目標値に一致し、かつ、上記iルーパの
    ルーパ角度実績値がルーパ角度目標値に一致するように
    上記iスタンドのロール周速および上記iルーパの電流
    値を操作する張力・角度制御手段と、 上記ルーパ制御手段による制御の実施中に、上記iスタ
    ンドとi+1スタンドとの間の被圧延材の張力実績値が
    指定した上下限値以内になくなった場合、または上記i
    ルーパのルーパ角度実績値が指定した上下限値以内にな
    くなった場合に、制御不良と認識して、上記圧延反力を
    用いた板厚制御手段および上記張力・角度制御手段によ
    る制御に切り替えるようにする制御切り替え手段とを備
    えたことを特徴とする圧延機の制御装置。
  12. 【請求項12】 上記制御切り替え手段による切り替え
    動作を行うか否かを指定する切り替え指定手段を備えた
    ことを特徴とする請求項11に記載の圧延機の制御装
    置。
  13. 【請求項13】 iスタンドの出側で検出された板厚偏
    差を有する部分が、i+1スタンドの出側においてその
    板厚偏差が実質上零となるように、上記i+1スタンド
    の圧下位置を制御する圧下フィードフォワード制御手段
    と、 測定あるいは推定された上記被圧延材の速度に基づい
    て、上記iスタンドの出側での板厚偏差を有する部分の
    被圧延材が上記i+1スタンドに到達すると推定される
    時刻より所定時間だけ早く、上記i+1スタンドの圧下
    位置指令値を上記圧下フィードフォワード制御手段に伝
    えるようにする移送制御手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項7に記載の圧延機の制御装置。
  14. 【請求項14】 iスタンドの出側で検出された板厚偏
    差を有する部分が、i+1スタンドの出側においてその
    板厚偏差が実質上零となるように、上記iスタンドのロ
    ール周速を制御するロール周速フィードフォワード制御
    手段と、 測定あるいは推定された上記被圧延材の速度に基づい
    て、上記iスタンドの板厚偏差を有する部分の被圧延材
    が上記i+1スタンドに到達すると推定される時刻より
    所定時間だけ早く、上記iスタンドのロール周速指令値
    を上記ロール周速フィードフォワード制御手段に伝える
    ようにする第2の移送制御手段とを備えたことを特徴と
    する請求項7または13に記載の圧延機の制御装置。
  15. 【請求項15】 最終段の圧延スタンドの出側に備えら
    れた板厚計によりモニタリングされる板厚実績値に基づ
    いて、上記最終段の圧延スタンドの出側の板厚偏差を実
    質上零とするために、上記n個の圧延スタンドの少なく
    とも1つの圧延スタンドのロール周速を制御するモニタ
    制御手段を設けたことを特徴とする請求項7、13、1
    4の何れか1項に記載の圧延機の制御装置。
  16. 【請求項16】 上記被圧延材の圧延反力および圧下位
    置の信号を基に計算されるゲージメータ板厚に基づいて
    上記i+1スタンドの圧下位置を操作するゲージメータ
    制御手段と、 上記iスタンドとi+1スタンドとの間の被圧延材の張
    力実績値が張力目標値に一致し、かつ、上記iルーパの
    ルーパ角度実績値がルーパ角度目標値に一致するように
    上記iスタンドのロール周速および上記iルーパの電流
    値を操作する張力・角度制御手段と、 上記ルーパ制御手段による制御の実施中に、上記iスタ
    ンドとi+1スタンドとの間の被圧延材の張力実績値が
    指定した上下限値以内になくなった場合、または上記i
    ルーパのルーパ角度実績値が指定した上下限値以内にな
    くなった場合に、制御不良と認識して、上記ゲージメー
    タ制御手段および上記張力・角度制御手段による制御に
    切り替えるようにする制御切り替え手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項7、13、14、15の何れか1項
    に記載の圧延機の制御装置。
  17. 【請求項17】 上記制御切り替え手段による切り替え
    動作を行うか否かを指定する切り替え指定手段を備えた
    ことを特徴とする請求項16に記載の圧延機の制御装
    置。
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